JP3135958B2 - Cr系ステンレス熱延鋼帯の焼鈍方法 - Google Patents

Cr系ステンレス熱延鋼帯の焼鈍方法

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JP3135958B2 JP03325232A JP32523291A JP3135958B2 JP 3135958 B2 JP3135958 B2 JP 3135958B2 JP 03325232 A JP03325232 A JP 03325232A JP 32523291 A JP32523291 A JP 32523291A JP 3135958 B2 JP3135958 B2 JP 3135958B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Cr系ステンレス鋼の
焼鈍方法に関するものであり、特にTiを含有するCr
系ステンレス熱延鋼帯の焼鈍処理後の酸洗工程での脱ス
ケ−ル性を向上することのできる焼鈍方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】通常、Cr系ステンレス熱延鋼帯は冷間
圧延前に焼鈍処理を施される。この際、一般にCr系ス
テンレス鋼では炭・窒化物の均一分散化や冷却時の組織
の鋭敏化を回避する目的でBOX炉による長時間保持→
徐冷パタ−ンでの焼鈍処理が施されることが多い。従
来、BOX炉による焼鈍処理においては、例えば日刊工
業新聞社刊行の「ステンレス鋼便覧」p.623等に示
されているように雰囲気ガスとしてDXガス、HNXガ
ス、NXガス等が用いられている。これらのガスは通
常、CO2 、CO、H2 、N2 ガス等からなる混合ガス
で、その代表的な組成を表1に示した。(日本鉄鋼協会
編、「鉄鋼製造法」第4分冊 p120参照)また、こ
れらの混合ガスの調整方法としては、メタン等の炭化水
素の燃焼排ガスを利用する方法、アンモニアの加熱分解
ガスを利用する方法、有機物の加熱分解ガスを利用する
方法等がある。要するに雰囲気ガスとしては手近にあ
り、安価であり、かつ、窒素を主成分とするガスが選ば
れる。
【0003】
【表1】
【0004】ところで近年、自動車の排ガス関係部材等
に大量に用いられるようになってきた11〜17Cr−
Ti系のTiを含むCr系ステンレス鋼では従来、熱延
板の焼鈍処理を省略するものが多かった。しかし、成
形、加工性の向上の面から鋼中のTi添加量の増量が進
められるとともに、熱延後の焼鈍処理が不可欠のものに
なりつつある。また、前記用途以外にもC、Nの固定化
元素としてTiを添加する鋼材が増えてきており、しか
もTiの添加量は溶接部の耐食性等の問題から増量する
傾向にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、Tiを含むC
r系ステンレス鋼のBOX炉による焼鈍処理において
は、焼鈍処理後の酸洗工程での脱スケ−ル性が著しく低
下し、酸洗工程での通板速度(以下通板速度と略す)を
落とさざるを得ないことから、生産性を著しく低下させ
るという問題が顕在化していた。また、熱延板の酸洗工
程での脱スケ−ル性の低下のみならず、その後の工程で
ある冷延−仕上げ焼鈍処理後の酸洗工程での脱スケ−ル
性をも低下させるという問題も生じていた。
【0006】本発明は、前述のような問題点を解決して
Tiを含むCr系ステンレス鋼のBOX炉による焼鈍処
理後の酸洗工程での脱スケ−ル性、さらには冷延−仕上
げ焼鈍処理後の酸洗工程での脱スケ−ル性をも向上させ
ることのできるCr系ステンレス熱延鋼帯の焼鈍方法を
提供するためになされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者等は、Tiを含有
するCr系ステンレス熱延鋼帯のBOX炉による焼鈍条
件ならびに焼鈍処理時のスケ−ルや素地表層の詳細な分
析、検討を行った結果、以下に記すような知見をえるこ
とができた。すなわち、前記の脱スケ−ル性の低下の原
因は、焼鈍処理時に鋼中への窒素の侵入があり、この窒
素が鋼中のTiと結合して表層部にTiNを形成し、こ
のTiNが脱スケ−ル性を阻害していることが分かっ
た。したがって、BOX炉による焼鈍雰囲気を適正に制
御することによって、焼鈍処理時のスケ−ルの成長を抑
えると同時に焼鈍処理後の脱スケ−ル性を向上すること
ができることを見出し、本発明を完成するに至ったもの
である。
【0008】すなわち本発明方法は、重量%でTiを
0.05%以上、2.00%以下含有するCr系ステン
レス熱延鋼帯の焼鈍方法において、H2 ガスが100容
積%、またはN2 ガスが25容積%以下のH2 、N2
合ガス中で、かつ露点が−30℃以下の雰囲気中で焼鈍
処理することを特徴とするCr系ステンレス熱延鋼帯の
焼鈍方法である。
【0009】
【作用】以下、本発明における焼鈍方法の構成およびそ
の限定理由について、その作用とともに詳細に説明す
る。本発明の対象とするCr系ステンレス鋼は、重量%
でTiを0.05%以上、2.00%以下の範囲で含有
するCr系ステンレス鋼である。Ti含有量が0.05
%未満では従来のN2 ガスリッチな雰囲気中での焼鈍処
理を行っても、鋼中へのN2 侵入によるTiNの生成は
少なく脱スケ−ル性の面で特に問題とはならない。一
方、従来のN2 ガスリッチな雰囲気中での焼鈍処理を行
なうときは、Ti含有量が0.05%をこえるとTi含
有量に応じてTiNの生成は加速され、脱スケ−ル性へ
の影響も大きくなるので、本発明の効果が増大する範囲
である。しかし、2.00%をこえるTi含有量のCr
系ステンレス鋼は製鋼上の問題もあり実用的でない。し
たがって、対象とするCr系ステンレス鋼のTi含有量
を0.05%以上、2.00%以下の範囲に限定する。
Tiの影響は、Cr含有量に左右されずに現れるもので
あり、したがってCr含有量については特に限定するも
のではないが、通常のCr含有量の範囲は11〜30重
量%である。
【0010】本発明では焼鈍時の雰囲気を、H2 ガス1
00容積%、またはN2 ガスが25容積%以下のH2
2 混合ガス雰囲気とする。この条件は、本発明の最も
重要な条件であり、鋼中への窒素侵入の影響をなくする
ため、ならびにスケ−ル成長を抑制するために必要な条
件である。すなわち、Tiを上記の範囲で含むCr系ス
テンレス鋼では、雰囲気ガス中に窒素ガスが25容積%
をこえて存在するとTiNの生成が脱スケ−ル上問題と
なるレベルにまで達するので、雰囲気ガス中の窒素ガス
の濃度を25容積%以下とする。また、後述するように
焼鈍処理時のスケ−ルの成長を抑制するには雰囲気ガス
を還元性とする必要がある。本発明では還元性ガスとし
てH2 ガスを使用する。したがって、TiNの生成およ
びスケ−ルの成長を同時に抑制する観点から本発明では
2 ガスの濃度を100容積%とする。しかし、前述の
ようにN2 ガス濃度が25容積%以下のH2、N2 混合
ガス雰囲気中であれば実際上問題はない。
【0011】次いで本発明では、雰囲気ガスの露点を−
30℃以下に限定する。すなわち、露点が−30℃をこ
えると雰囲気ガスの酸化性が高くなり、焼鈍処理時に生
成するスケ−ル層が厚くなるとともに表層部にCrの酸
化皮膜が生成してCr系ステンレス熱延板の脱スケ−ル
性が低下するためである。雰囲気ガスの露点が−30℃
以下であればこのような脱スケ−ル性の低下の問題は生
じない。このようなCrの酸化皮膜によるスケ−ルの生
成を抑制するには雰囲気ガスの酸素ポテンシャルを下げ
て還元性の雰囲気とすることが必要となる。この意味で
もH2 ガス雰囲気とすることが必要である。なお、上記
以外の焼鈍処理条件、例えば温度、均熱時間および酸洗
液の種類等は通常の条件で何ら問題はない。例えば11
〜17%Cr鋼であれば、800〜850℃の焼鈍温
度、6〜10時間の均熱時間後徐冷という通常のパタ−
ンでよい。
【0012】
【実施例】
(実施例1)表2に示す組成およびサイズのCr系ステ
ンレス熱延鋼帯をBOX炉を使用して表2の条件で焼鈍
処理を実施した。ここで(実施例1)ではH2;100
%、露点−35℃の雰囲気ガスを使用した。同時に同一
組成およびサイズのCr系ステンレス熱延鋼帯を同一焼
鈍処理条件で、(比較例1)はH2;30%+N2;70
%、露点−35℃の雰囲気ガスで、(比較例2)はH2;
100%、露点−10℃の雰囲気ガスで焼鈍処理を実施
した。その後、表2の同一条件で1次および2次酸洗工
程を実施した。その結果、(実施例1)では鋼帯の表層
部でのTiNの濃化はみとめられず、かつ、スケ−ル層
も薄く良好な脱スケ−ル性を示し、通板速度30(m/
min)で脱スケ−ルすることができた。一方、(比較
例1)では鋼帯の表層部でTiNの濃化がみとめられ、
また、(比較例2)ではスケ−ル層が厚くなり、両者と
もに脱スケ−ル性が低下し、通板速度は15(m/mi
n)まで低下した。
【0013】
【表2】
【0014】(実施例2)表2に示す組成およびサイズ
のCr系ステンレス熱延鋼帯をBOX炉を使用して表2
の条件で焼鈍処理を実施した。ここで(実施例2)では
2;90%+N2;10%、露点−45℃の雰囲気ガスを
使用した。同時に同一組成およびサイズのCr系ステン
レス熱延鋼帯を同一焼鈍処理条件で、(比較例3)はH
2;60%+N2;40%、露点−45℃の雰囲気ガスで、
(比較例4)はH2;90%+N2;10%、露点−20℃
の雰囲気ガスで焼鈍処理を実施した。その後、表2の同
一条件で1次および2次酸洗工程を実施した。その結
果、(実施例2)では鋼帯の表層部でのTiNの濃化は
みとめられず、かつ、スケ−ル層も薄く良好な脱スケ−
ル性を示し、通板速度35(m/min)で脱スケ−ル
することができた。一方、(比較例3)や(比較例4)
では鋼帯の表層部でTiNの濃化やスケ−ル層の増大が
みとめられ、両者ともに脱スケ−ル性が低下して通板速
度は18(m/min)と(実施例2)の約半分まで低
下した。
【0015】さらに、酸洗工程後の上記Cr系ステンレ
ス熱延鋼帯を仕上げ板厚1.0mmまで冷間圧延し、得
られた冷延鋼板をLPガス燃焼炉、アルカリ溶融塩処理
(NaOH+Na2 CO3 、430℃)、硫酸(12
%、80℃)、硝酸(10%、50℃)によって構成さ
れる連続焼鈍酸洗ラインで焼鈍酸洗処理した。その結
果、本発明にかかる熱延後の焼鈍処理を施した冷延鋼板
は、通板速度30(m/min)で問題なく脱スケ−ル
することができた。一方、(比較例3)の冷延鋼板は通
板速度を20(m/min)まで低下しないと完全な脱
スケ−ル処理ができなかった。なお、雰囲気ガスの調整
方法は特に限定するものではないが、たとえばH2 ガス
の単独使用、あるいはH2 ガスとNXガスまたはHNX
ガスとを混合調整する等いずれの方法によってもよい。
【0016】
【発明の効果】以上のように、本発明によればTiを含
むCr系ステンレス熱延鋼帯の焼鈍処理時の雰囲気を特
定することによって、表層部のTiNの生成を抑制する
とともにスケ−ルの成長をも防止することができるの
で、Tiを含むCr系ステンレス熱延鋼帯の脱スケ−ル
性を向上することができるのみならず、その後工程であ
る冷延鋼板の仕上げ焼鈍処理後の脱スケ−ル性をも改善
することができる。したがって酸洗工程の効率化にとも
なって通板速度を大幅に増大することができ、生産性を
著しく向上する効果がえられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−176094(JP,A) 特開 平2−185962(JP,A) 特公 昭62−49325(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 1/26 C21D 1/76 C21D 6/00 102

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でTiを0.05%以上、2.0
    0%以下含有するCr系ステンレス熱延鋼帯の焼鈍方法
    において、H2 ガスが100容積%、またはN2 ガスが
    25容積%以下のH2 、N2 混合ガス中で、かつ露点が
    −30℃以下の雰囲気中で焼鈍処理することを特徴とす
    るCr系ステンレス熱延鋼帯の焼鈍方法。
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