JPH07286215A - ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

ステンレス鋼板の製造方法

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JPH07286215A
JPH07286215A JP7999094A JP7999094A JPH07286215A JP H07286215 A JPH07286215 A JP H07286215A JP 7999094 A JP7999094 A JP 7999094A JP 7999094 A JP7999094 A JP 7999094A JP H07286215 A JPH07286215 A JP H07286215A
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JP
Japan
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stainless steel
steel sheet
atmosphere
hydrogen
bell
Prior art date
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Pending
Application number
JP7999094A
Other languages
English (en)
Inventor
Genichi Ishibashi
源一 石橋
Masaharu Ikeda
雅晴 池田
Kuniaki Sato
邦昭 佐藤
Motoki Imamura
元己 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Filing date
Publication date
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  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 17wt%以下のCrを含有するフェライト系
ステンレス鋼板またはマルテンサイト系ステンレス鋼板
の耐食性を向上させるとともに、これらの効率的な製造
方法の提案。 【構 成】 熱延板コイルを、先ず水素を望ましくは 9
0vol%以上含む高濃度の水素雰囲気を有するベル型焼鈍
炉で焼鈍した後、酸洗処理により表層の酸化スケールを
除去し、次いでタンデム圧延機により冷間圧延し、さら
に窒素を主体とし水素を含む雰囲気の連続焼鈍炉で熱処
理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性の優れたフェラ
イト系ステンレス鋼板またはマルテンサイト系ステンレ
ス鋼板の効率的な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、17wt%以下のCrを含有す
るフェライト系ステンレス鋼板またはマルテンサイト系
ステンレス鋼板の製造方法は、図2に示されるように、
熱延板コイルを、ベル型焼鈍炉で焼鈍した後、焼鈍・酸
洗ライン:Annealing and Pickling Line (以下APラ
インと称す)で酸洗処理し、次いでリバース式圧延機で
冷間圧延後、冷延ステンレス鋼板の焼鈍・酸洗ライン:
Cold Stainless Annealing and Pickling Line(以下C
APラインと称す)で焼鈍および酸洗処理される方法
と、ベル型焼鈍炉で焼鈍した後、APラインで酸洗処理
し、次いでタンデム圧延機で連続的に冷間圧延し、CA
Pラインで焼鈍および酸洗処理される方法がある。
【0003】前者は、ステンレス鋼板の中でも特に光
沢、白色度等外観の規格が厳しい鋼種の製造プロセスで
あり、一方後者は、耐食性のみ許容されれば良く、光
沢、白色度等は特に気にしない鋼種の製造プロセスであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記プロセスにおい
て、特にベル型焼鈍炉は、一般的に水素(H2 )1〜1
0vol%を含み他は窒素(N2 )からなる雰囲気のイン
ナーカバー内にコイルを4〜5段積み、ベルに設置され
たバーナーより間接的に加熱するため、能力が上がらず
点火〜解体まで4〜5日必要である。
【0005】また、雰囲気ガスが強還元性でないため、
焼鈍中に酸化が進行し、スケールが成長するので、次工
程のAPラインの生産能力を低下させる他、表層の脱C
r層も成長し、特に耐食性が必要な鋼種に関しては悪い
影響を与えていた。また、後工程のCAPラインでは、
直火で焼鈍するために、焼鈍後は200〜4000Å程
度の強固な酸化スケールが生成し、これを除去するため
に混酸槽や中性塩槽、ソルトバス等の何槽もの酸洗槽が
必要でライン能力も上がらず、またランニングコスト、
環境面でも普通鋼と比較し劣っていた。
【0006】本発明の目的は、前記従来技術の欠点を解
消し、17wt%以下のCrを含有するフェライト系ステ
ンレス鋼板またはマルテンサイト系ステンレス鋼板の耐
食性を向上させるとともに、これらの効率的な製造方法
を提案することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、17wt%以下
のCrを含有するフェライト系ステンレス鋼板またはマ
ルテンサイト系ステンレス鋼板の熱延板コイルを、先ず
高濃度の水素雰囲気を有するベル型焼鈍炉で焼鈍した
後、酸洗処理により表層の酸化スケールを除去し、次い
でタンデム圧延機により冷間圧延し、さらに窒素を主体
とし水素を含む雰囲気(以下HN雰囲気と称す)の連続
焼鈍炉で熱処理することを特徴とするステンレス鋼板の
製造方法であり、本発明においては、上記ベル型焼鈍炉
の雰囲気として水素を90 vol%以上含むことが望まし
い。
【0008】
【作 用】本発明では、先ず、ベル型焼鈍炉の雰囲気ガ
スを、望ましくは水素を90 vol%以上含む高濃度の水
素雰囲気としたので、水素(H2 )の高い熱伝導率と対
流により、加熱効率を著しく向上させることができた。
ベル型焼鈍炉の雰囲気ガスの水素濃度が90 vol%未満
では、熱伝導率及び熱伝達係数が著しく低下し、コイル
の昇温速度が低下するため望ましくない。
【0009】また、H2 はステンレス鋼板表面の酸化ス
ケールを還元する作用を有しており、熱間圧延で鋼板表
面に生成した約10μm の酸化スケールを焼鈍時に還元
し、次工程のAPラインでの通板速度を向上させる他、
ベル焼鈍時に酸化が進行しないため、表層の脱Cr層が
成長せず、品質上特に耐食性が改善される。また、本発
明においては、ベル焼鈍時に脱Cr層が生成しないた
め、冷間圧延後の連続焼鈍ラインのHN雰囲気でも酸化
スケールの厚みは軽度であり、混酸槽や中性塩槽、ソル
トバス等の何槽もの酸洗槽が必要でなく、ランニングコ
スト、環境面で大幅な改善が達成された。
【0010】すなわち、普通鋼板では、連続焼鈍ライン
のHN雰囲気で十分な無酸化焼鈍が行われているが、従
来のベル型焼鈍炉で熱処理されたステンレス鋼板では、
表層に顕著な脱Cr層があるため、HN雰囲気でも酸化
され、次工程でかなりコストのかかる酸洗が必要である
が、高濃度の水素雰囲気でベル型焼鈍したものは脱Cr
層が極めて小さいためHN雰囲気の連続焼鈍ラインで通
板してもほとんどスケールが生成せず、軽度なブラシ処
理または軽度な硝酸や塩酸等の酸処理で除去可能であ
る。
【0011】
【実施例】図1は、本発明のステンレス鋼板の製造工程
を示すブロック図である。組成が、Cr:16wt%、C:
0.06wt%を含み残部実質的にFeからなる厚み1.0mm の
フェライト系ステンレス熱延鋼板と、組成が、Cr:11
wt%、Ti:0.15wt%、C:0.01wt%を含み残部実質的
にFeからなる厚み1.0mm のマルテンサイト系ステンレ
ス熱延鋼板のコイルをそれぞれ準備した。
【0012】表1は、従来および本発明によるベル焼鈍
の能力を示したものである。フェライト系ステンレス鋼
では、表より雰囲気を100 vol%H2 雰囲気とするこ
とで加熱および冷却時間がいずれも約50%削減されて
いることがわかる。また、焼鈍前後の酸化スケール厚み
の測定結果より、酸化スケールの成長はH 2 100 vol
%雰囲気とすることで防止され、逆に還元反応により焼
鈍前より薄くなっていることがわかる。
【0013】また、脱Cr層は従来ベルでは約10μm
であるが、H2 100 vol%雰囲気では焼鈍中酸化が進
行しないため1μm 以下に軽減されている。マルテンサ
イト系ステンレス鋼では、フェライト系ステンレス鋼と
同様に焼鈍時間は約50%削減、酸化スケールの成長も防
止され、脱Cr層も1μm 以下に軽減されている。
【0014】
【表1】
【0015】表2は、次のAPラインでの最大ライン速
度および脱スケール工程とその判定を示したものであ
る。これより、本発明の場合、ベル焼鈍で還元し、酸化
スケールが薄くなるため、APラインでは増速が可能と
なり、かつ従来の酸洗をかなり省略でき、大幅なコスト
ダウンとなった。
【0016】
【表2】
【0017】また表3は、冷間圧延後の焼鈍・酸洗条件
を示したものである。表より、本発明の場合、ベル焼鈍
時に脱Cr層が微小であるため普通鋼と同様のHN(H
2 4 vol%、他はN2 )雰囲気の連続焼鈍ラインを通し
てもほとんどスケールがでないため、高速で連続焼鈍が
可能であり、従来法と比較しライン通板速度が5倍、酸
も大幅に軽減可能である。なお、従来法では図2の工程
図におけるタンデム式冷間圧延を採用した。
【0018】
【表3】
【0019】また、耐食性について、下記の条件で試験
したところ、本発明を満足するものは、全て2.0 以下で
あったのに対し、従来法で製造したものは、全て4.0 以
上であった。 耐食性試験条件(SSTテスト) NaCl水溶液10%の噴霧テスト(5hr)で錆発生個所をポ
イント表示する(数値が小さいほうが耐食性が良好)。
【0020】
【発明の効果】本発明により以下の効果が達成できる。 (1)ベル焼鈍における加熱・冷却時間が50%削減で
きる。 (2)ベル焼鈍後のAPラインでの増速かつ酸原単位の
低減が可能である。 (3)冷間圧延後の焼鈍・酸洗は普通鋼板と同様の連続
焼鈍ラインで可能であり、通板速度が5倍に向上する。 (4)(1)〜(3)を通して、ステンレス鋼板の生産
性が大幅に効率化されかつ経済的になる。 (5)脱Cr層が軽微であり、製品の耐食性が改善され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工程の流れを示すブロック図である。
【図2】従来例の工程の流れを示すブロック図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 邦昭 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 今村 元己 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 17wt%以下のCrを含有するフェライ
    ト系ステンレス鋼板またはマルテンサイト系ステンレス
    鋼板の熱延板コイルを、先ず高濃度の水素雰囲気を有す
    るベル型焼鈍炉で焼鈍した後、酸洗処理により表層の酸
    化スケールを除去し、次いでタンデム圧延機により冷間
    圧延し、さらに窒素を主体とし水素を含む雰囲気の連続
    焼鈍炉で熱処理することを特徴とするステンレス鋼板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 ベル型焼鈍炉雰囲気の水素を90 vol%
    以上含むことを特徴とする請求項1記載のステンレス鋼
    板の製造方法。
JP7999094A 1994-04-19 1994-04-19 ステンレス鋼板の製造方法 Pending JPH07286215A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1022357A1 (de) * 1999-01-22 2000-07-26 BSH Bosch und Siemens Hausgeräte GmbH Verfahren zur Oberflächenbehandlung von rostfreien Stählen
WO2012169320A1 (ja) 2011-06-09 2012-12-13 東京ステンレス研磨興業株式会社 鋼材の製造方法
JP2014048634A (ja) * 2012-09-04 2014-03-17 Dainippon Printing Co Ltd 板バネの製造方法、板バネ、板バネを備えたカメラモジュールおよび電子端末機器
CN114196810A (zh) * 2020-09-17 2022-03-18 宝山钢铁股份有限公司 一种高强钢卷除氢方法

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