JP3134666B2 - 画像形成方法およびそれに使用する画像形成用溶剤 - Google Patents

画像形成方法およびそれに使用する画像形成用溶剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、布、繊維、不織布等の
記録媒体に樹脂成分を含む印字材料の画像を形成する画
像形成方法に関する。さらに、本発明は上記画像形成方
法に有効な画像形成用溶剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真プロセスの利用範囲は益
々広がりを持ちはじめ、従来の一般的な記録媒体である
普通紙等のみならず、繊維、布地等への記録方法として
着目されている。例えば特開平5−27474号には、
木綿、羊毛、麻、絹、レーヨン等の天然繊維または合成
繊維上にポリアミド樹脂粒子を静電型電子写真プロセス
によって画像記録する技術が示されている。通常、電子
写真プロセスの定着方法としては、熱や圧力を利用して
記録媒体上に付着したトナ−を定着する方法が一般的に
使用されており、上記公報においても熱と圧力を併用し
た定着方法により記録媒体にトナ−を定着している。
【0003】しかしながら、上記公報記載の方法により
布地上にトナー画像を形成した場合、トナ−が定着した
画像部分が画像の形成されていない布地部分に較べて堅
くなってしまい布地の風合いを損ねてしまうという不都
合を生じる。また、画像部分と布地部分とで堅さが異な
るため、布地を折り曲げた際に画像部分にひび割れが生
じ易いという不都合もある。このような不都合は3色あ
るいは4色のトナーを使用し、各色のトナーを重ねるこ
とにより画像再現を行う電子写真フルカラー画像プロセ
スにおいて顕著に生じる。即ち、フルカラー画像プロセ
スにおいては、画像部が複数色のトナーを重ねることに
より形成されていること、およびベタ画像が形成される
頻度が高いことから布地との堅さの違いが顕著になるの
である。また、上記公報記載の技術では、熱と圧力を用
いた定着方法において、布地に対する定着性を特殊なト
ナーを使用することにより向上させている。しかしなが
ら、一般的にトナーの樹脂成分としてはポリエステル系
あるいはスチレンアクリル系の樹脂が汎用されており、
上述した特殊なトナーを使用する上記公報記載の技術は
汎用性に乏しい技術である。上記公報には、汎用されて
いる上記樹脂を用いたトナーに対する布地等の記録媒体
への定着性の向上については何等記載されていないので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
課題を解決した新規かつ有用な画像形成方法を提供する
ことである。
【0005】本発明の目的は、記録媒体として布地を使
用し、樹脂成分を含む印字材料を用いて画像を形成した
場合でも、布地の風合を損なうことのない画像形成方法
を提供することにある。
【0006】本発明の目的は、表面に凹凸のある布地
や、内部が繊維の絡まった網目構造である紙等の記録媒
体を使用し、上記印字材料を用いて画像を形成した場合
でも、十分な定着強度が得られる画像形成方法を提供す
ることにある。
【0007】本発明の他の目的は、上記画像形成方法に
有効な画像形成用溶剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録媒体上に
樹脂成分を含む印字材料を用いた画像を形成する画像形
成方法において、樹脂成分を含む印字材料による画像を
記録媒体上に形成する第1工程と、記録媒体上に形成さ
れた画像に、前記樹脂成分を可塑化する可塑剤を含有す
る溶剤を接触させる第2工程とを含む画像形成方法、並
びに記録媒体上に樹脂成分を含む印字材料を用いた画像
を形成するために使用する画像形成用溶剤であって、こ
の溶剤が前記樹脂成分を可塑化する可塑剤を含有する画
像形成用溶剤に関する。
【0009】本発明において、第1工程は、記録媒体上
に樹脂成分を含む印字材料の画像を形成する工程であ
る。例えば、感光体、静電記録体又は磁気潜像担持体等
の像担持体上に形成された印字材料の像を静電的にある
いは圧力等により記録媒体上に転写し印字材料の画像を
形成する方法、像担持体上に形成された印字材料の像を
普通紙等に静電的に転写し、さらにこの普通紙から記録
媒体上に静電的に転写して印字材料の画像を形成する方
法、記録媒体上に直接潜像を形成し印字材料で現像して
画像を形成する方法、又はインクジェット等により直接
記録媒体上に印字材料の画像を形成する方法等により行
われる。さらに、上記方法により印字材料の画像が形成
された記録媒体に、熱や圧力を付与し記録媒体への印字
材料の付着力を高めるようにしてもよい。また、上記方
法に限定されるものではなく、記録媒体上に樹脂成分を
含む印字材料の画像を形成する方法であれば何でもよ
い。上述した方法の中でも電子写真プロセスにより画像
を形成する方法が汎用性の観点から好ましい。
【0010】本発明の第2工程は、第1工程で形成され
た記録媒体上の印字材料の画像に、可塑剤を含有する溶
剤を接触させる。
【0011】可塑剤は樹脂を可塑化(弾性率やガラス転
移点を低下させ柔軟性を与える)させる作用を有してい
る。即ち、可塑剤は比較的難揮発性の溶剤で、樹脂の分
子間に入り込み、樹脂の硬い網状構造の原因であるファ
ン・デル・ワ−ルス結合を弱め、樹脂に柔軟性を与える
作用を有している。このため、第2工程においては、印
字材料が可塑化されて柔軟性を付与されるため、布地等
の記録媒体に較べて画像部が堅くなって風合いが損なわ
れるという不都合が解消される。
【0012】また、この第2工程においては、可塑剤は
印字材料の樹脂成分に柔軟性を与える作用及び樹脂成分
を膨潤あるいは溶解する作用を有しているので、不織布
等表面に凹凸のある記録媒体や紙や編物など網目構造を
有する記録媒体に対しても十分な定着性を得ることがで
きる。
【0013】本発明に適用可能な画像形成用溶剤として
は、画像記録方法として広く使用されている電子写真方
法に用いられる印字材料であるトナ−に対して効果のあ
るものを使用する。トナ−は定着成分として樹脂成分を
含んでいる。本発明の画像形成用溶剤はトナーの樹脂成
分を可塑化する可塑剤を含有するものを使用する。
【0014】可塑剤としては、例えば、リン酸トリメチ
ル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリ
ー2ーエチルヘキシル、リン酸トリブトキシエチル、リ
ン酸トリオレイル、リン酸トリフェニル、リン酸トリク
レジル、リン酸トリキシレニル、リン酸クレジルジフェ
ニル、リン酸キシレニルジフェニル、リン酸2ーエチル
ヘキシルジフェニル等のリン酸エステル、フタル酸ジメ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジヘプチル、フタル酸ジ2ーエチルブチル、フタル酸ジ
2ーエチルヘキシル、フタル酸ジn−オクチル、フタル
酸ジイソオクチル、フタル酸ジデシル、フタル酸ジイソ
デシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソノニ
ル、フタル酸ジカプリル、フタル酸オクチルデシル、フ
タル酸ブチルベンジル、フタル酸ジブトキシエチル、エ
チルフタリルエチルグリコレート等のフタル酸エステ
ル、トリー2ーエチルヘキシルトリメリテート等のトリ
メリット酸エステル、オレイン酸ブチル、オレイン酸テ
トラヒドロフルフリル、グリセリンモノオレイン酸エス
テル等の脂肪族一塩基酸エステル、アジピン酸ジメチ
ル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジブチル、アジピ
ン酸ジイソブチル、アジピン酸ジn−ヘキシル、アジピ
ン酸2ーエチルヘキシル、アジピン酸イソデシル、アジ
ピン酸ジnーオクチル、アジピン酸ジブチルジグリコー
ル、アゼライン酸ジ2ーエチルブチル、アゼライン酸ジ
2ーエチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸
ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸オクチル、
セバシン酸ジ2ーエチルヘキシル、セバシン酸カブリル
等の脂肪族二塩基酸エステル、ジエチレングリコールジ
ベンゾアート、トリエチレングリコールー2ーエチルブ
チラート、トリエチレングリコールジー2ーエチルヘキ
ソアート、ジブチルジグリコールアジペート等の二価ア
ルコールエスエル、アセチルリシノール酸メチル、アセ
チルリシノール酸ブチル、アセチルリシノール酸メトキ
シエチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチ
ルクエン酸トリー(2ーエチルヘキシル)等のオキシ酸
エスエル等が使用可能である。また、上述した以外で
も、例えば、塩素化パラフィン、塩素化ビフェニル、2
ーニトロビフェニル、ジノニルナフタリン、oー及びp
ートルエンスルホンエチルアミド、ショウノウ、アビエ
チン酸メチル、アジピン酸ー1、3ブチレングリコール
等が使用可能である。
【0015】可塑剤としては上述した可塑効果の他に低
揮発性、低移行性を有する可塑剤が好ましい。低揮発性
であることによりにおいを抑える効果があり、低移行性
により可塑剤が印字材料の樹脂成分から外部のもの、例
えば水や油に移行することを防止する効果がある。揮発
性は可塑剤の分子量が高い方が低揮発性となり、移行性
は油に対してはアルキル基が短いもの、あるいは芳香族
環を有するものが低移行性となり、水に対してはアルキ
ル基が長いものが低移行性となる。
【0016】従って、上記した可塑剤の中でも、低揮発
性の観点からはジ−2−エチルヘキシルフタレ−ト、ト
リ−2−エチルヘキシルトリメリテ−ト、ジ−2−エチ
ルヘキシルセバケ−ト、ジ−n−オクチルフタレ−ト、
ジイソデシルアジペ−ト、ジイソデシルフタレ−ト、ジ
イソノニルフタレ−ト、ジブチルジグリコ−ルアジペ−
ト、ジ−2−エチルヘキシルアゼレ−ト、トリキシレニ
ルホスヘ−ト等を用いることが好ましく、油に対する低
移行性の観点からは芳香環構造を有する酸とメタノ−ル
またはエタノールとからなるエステル、例えばジメチル
フタレ−ト、ジエチルフタレ−ト等のフタル酸ジエステ
ル類、トリメリット酸トリエステル類等を用いることが
好ましく、水に対する低移行性の観点からはジ−2−エ
チルヘキシルアジペ−ト、ジイソデシルアジペ−ト、ジ
−2−エチルヘキシルセバケ−ト、トリ−2−エチルヘ
キシルホスヘ−ト等を用いることが好ましい。
【0017】また、可塑剤はその種類によって可塑効果
を及ぼす樹脂の種類が決まっているので、印字材料に使
用されている樹脂の種類に応じて、また、使用する記録
媒体の用途に応じて可塑剤を選択して使用すればよい。
【0018】本発明において、画像形成用溶剤として
は、可塑剤100重量%でも使用可能であるが、可塑剤
のみでは樹脂成分に対する溶解力が強すぎて画像の乱れ
が生じる場合があるので、可塑剤と相溶し且つ印字材料
の樹脂成分を溶解しない溶剤を含有するもの、あるいは
可塑剤と相溶せず且つ印字材料の樹脂成分を溶解しない
溶剤および界面活性剤を含有するものが好ましい。
【0019】画像形成用溶剤中の可塑剤の添加量は、溶
剤全量の1重量%以上、好ましくは10重量%以上であ
る。添加量が1重量%未満であると上述した風合の向上
の効果および定着性向上の効果が十分に得られなくな
る。可塑剤の添加量の上限は特に限定されるものではな
く、第2工程において画像の乱れが生じない量であれば
良く、例えば、印字材料の樹脂成分に対する溶解力があ
まり強くない可塑剤を使用する場合には、可塑剤が10
0重量%であっても使用可能である。
【0020】可塑剤と併用する溶剤としては、水、ラウ
リン酸エチル、リノール酸エステルなどの高級脂肪酸エ
ステル、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素(誘導体)、シクロヘキサン、シクロヘキサノン
などの脂環式炭化水素(誘導体)、塩化メチレン、トリ
クロロエタン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素、
THFなどのエーテル、アセトン、メチルエチルケトン
などのケトン、メタノール、エタノール、イソプロピル
アルコールなどのアルコールなどを単独あるいは混合し
て用いることができる。
【0021】本発明に使用する画像形成用溶剤には、界
面活性剤を添加してもよい。
【0022】界面活性剤を使用する場合は、可塑剤と相
溶せず且つ印字材料の樹脂成分を溶解しない溶剤と組み
合わせて使用し、樹脂成分を溶解しない溶剤中に可塑剤
のエマルジョンを形成して使用する。
【0023】界面活性剤としては、陰イオン性界面活性
剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤およ
び両性界面活性剤等が使用できる。
【0024】具体的に例示すると、陰イオン界面活性剤
としては脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、アル
キルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスル
ホン酸塩類、アルキルスルホコハク酸塩類、アルキルジ
フェニルエーテルジスルホン酸塩類、アルキルスルホコ
ハク酸塩類、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物、
ポリカルボン酸高分子界面活性剤等が挙げられる。
【0025】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルアリルエーテル、オキシエチレン−オキシプロピレ
ンコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミン等が挙げられる。
【0026】陽イオン性界面活性剤および両性界面活性
剤としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム
塩、アルキルベタイン、アミンオキサイド等が挙げられ
る。
【0027】これら界面活性剤は単独または2種以上混
合して使用できる。
【0028】界面活性剤を添加する場合には、界面活性
剤を溶剤全量の0.1〜10重量%、好ましくは約1〜
3重量%の程度の範囲で添加する。添加量が0.1重量
%より少ない場合は添加による効果が不十分であり、添
加量が10重量%を越えると泡などが多くなり取扱いが
困難になる。
【0029】本発明において、印字材料として使用可能
なトナーは、従来公知のものであれば特に制限されな
い。即ち、少なくとも着色剤と結着樹脂成分を含み、必
要に応じて帯電制御剤やオフセット防止用ワックス等を
含むもの、流動化剤を処理したもの等が使用可能であ
る。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、これに限定されるものではない。
【0031】(画像形成用溶剤の調整)表1に示される
組成の画像形成用溶剤1〜20を調整した。なお、表1
中可塑剤特性は、画像形成用溶剤に用いた可塑剤が有し
ている特に優れた特性を記載した。
【0032】
【表1】
【0033】(トナ−画像の形成1)記録媒体として、
ポリエステルの布地を台紙(普通紙)に貼付したものを
用意した。市販のフルカラー複写機(CF80:ミノル
タカメラ社製)を使用して上記記録媒体上にトナー画像
を形成した。なお、上述したフルカラ−複写機用の各ト
ナ−(イエロー、イアン、マゼンタ、ブラック)は樹脂
成分としてポリエステル樹脂を含有している。これらの
トナ−をトナ−1とする。
【0034】上記フルカラ−複写機における画像形成プ
ロセスは以下の通りである。
【0035】まず、暗所中で負帯電された感光体上にレ
ーザー書き込みによって静電潜像が形成される。これを
負帯電性イエロートナ−によって現像し、転写フィルム
上にチャッキングされた上記記録媒体上に、転写フィル
ムの裏面から正電荷を与えることによって静電転写す
る。次いで同プロセスをシアントナ−、マゼンタトナ
ー、ブラックトナ−毎に順次繰り返して、上記記録媒体
上にフルカラートナー画像を静電転写によって付着させ
る。そして、この記録媒体を台紙ごと、定着ユニットを
通過させて記録媒体への各トナーの付着力を強化する。
この定着ユニットは、ヒーターによって加熱され互いに
圧力接触されている一対のローラーを含んでおり、ヒー
トローラー温度が160℃、ヒートローラー圧力が2.
5kgf/cm2である。
【0036】(トナ−画像の形成2)上記トナ−画像の
形成1において、トナ−として下記製造例により得られ
たイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナーおよ
びブラックトナー(トナー2)を使用する以外は同様に
してトナ−画像を形成した。
【0037】 (イエロートナー製造例) ・スチレン−アクリル−メタクリル酸共重合体 100重量部 (Mn:8000、Mw/Mn:2.3、Tg:60℃) ・荷電制御剤(E−84:オリエント化学社製) 3重量部 ・ベンジジン系化合物(東洋インキ社製) 4重量部 以上の材料をヘンシェルミキサーで混合した後、二軸押
出混練機で混練後冷却した。次に、冷却物を粗粉砕後、
ジェット微粉砕機で微粉砕し、風力分級機で分級して、
平均粒径10μmのトナー粒子を得た。
【0038】さらに、このトナー粒子に流動化剤として
疎水性酸化チタン(600BS:テイカ社製)0.8重
量%および疎水性シリカ(R974:日本アエロジル社
製)0.4重量%を混合処理したものをイエロートナー
とする。
【0039】 (シアントナー製造例) ・スチレン−アクリル−メタクリル酸共重合体 100重量部 (Mn:8000、Mw/Mn:2.3、Tg:60℃) ・荷電制御剤(E−84:オリエント化学社製) 3重量部 ・銅フタロシアニン化合物(東洋インキ社製) 4重量部 以上の材料を使用する以外はイエロートナーと同様にし
てシアントナーを製造した。
【0040】 (マゼンタトナ−製造例) ・スチレン−アクリル−メタクリル酸共重合体 100重量部 (Mn:8000、Mw/Mn:2.3、Tg:60℃) ・荷電制御剤(E−84:オリエント化学社製) 3重量部 ・アゾ系化合物(東洋インキ社製) 4重量部 以上の材料を使用する以外はイエロートナーと同様にし
てマゼンタトナーを製造した。
【0041】 (ブラックトナー製造例) ・スチレン−アクリル−メタクリル酸共重合体 100重量部 (Mn:8000、Mw/Mn:2.3、Tg:60℃) ・荷電制御剤(E−84:オリエント化学社製) 4重量部 ・ベンジジン系化合物(東洋インキ社製) 2重量部 ・銅フタロシアニン化合物(東洋インキ社製) 2重量部 ・アゾ系化合物(東洋インキ社製) 2重量部 以上の材料を使用する以外はイエロートナーと同様にし
てブラックトナーを製造した。
【0042】(画像形成用溶剤処理)上記トナ−画像の
形成1および2で得られたトナ−画像に、上記画像形成
用溶剤の調整で得られた画像形成用溶剤を表2に示す組
み合わせで接触処理した。画像形成用溶剤の接触方法と
しては、同布地をトナー画像面が上になるように平板上
に水平に置き、画像形成用溶剤を上から霧状スプレーで
均一に吹き付ける方法により行った。続いて各布地を8
0℃の雰囲気中に放置し乾燥させた。
【0043】(風合い評価)評価者5名により手で触っ
た触覚により下記3段階の評価を行った。各評価者の評
価が異なる場合にはその平均を風合の評価とした。結果
を表2に示す。
【0044】3:手で触った感触が画像部と布地部とで
差がない。
【0045】2:若干布地部と比較して画像部が堅い。
【0046】1:布地部よりも画像部が明らかに堅い。
【0047】(定着性評価)乾燥後に得られた各布地
を、界面活性剤(Sodium dodecyl Sulfate)0.5%水
溶液中で手で1分間布地同士をこするように揉み洗いを
行い、色落ちの有無を評価した。結果を表2に示す。
【0048】○:色落ちがなく優れた定着性を有してい
ることを示す。
【0049】×:色落ちが生じており定着性に劣ること
を示す。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明によると、記録媒体として布地を
使用し、樹脂成分を含む印字材料を用いて画像を形成し
た場合でも、画像部の柔軟性を向上させることができ布
地の風合を損なうことを防止することができる。
【0052】また、本発明によると、印字材料が膨潤あ
るいは溶解するので、表面に凹凸があるような記録媒体
や、内部が繊維の絡まった網目構造である紙等の記録媒
体への定着性を向上させることができる。
【0053】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06P 5/00 G03G 9/08 G03G 11/00 G03G 15/20 G03G 15/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体上に樹脂成分を含む印字材料を
    用いた画像を形成する画像形成方法において、樹脂成分
    を含む印字材料による画像を記録媒体上に形成する第1
    工程と、記録媒体上に形成された画像に、前記樹脂成分
    を可塑化する可塑剤を含有する溶剤を接触させる第2工
    程とを含むことを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 記録媒体上に樹脂成分を含む印字材料を
    用いた画像を形成するために使用する画像形成用溶剤で
    あって、この溶剤が前記樹脂成分を可塑化する可塑剤を
    含有することを特徴とする画像形成用溶剤。
JP06118521A 1994-05-31 1994-05-31 画像形成方法およびそれに使用する画像形成用溶剤 Expired - Fee Related JP3134666B2 (ja)

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