JP3134642B2 - セラミックスラリーの製造方法 - Google Patents

セラミックスラリーの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば積層コンデンサ
などのセラミック電子部品を製造する際に用いられるセ
ラミックスラリーの製造方法に関し、特に、ポリビニル
アルコール系バインダを含む水系セラミックスラリーの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層コンデンサなどのセラミック電子部
品の内部電極としては、従来よりPd−Ag合金が広く
用いられてきている。しかしながら、Pdは高価である
ため、Pd−Ag合金におけるAgの割合を高めること
により、コストダウンが図られている。
【0003】Agの含有率が高くなると、Pd−Ag合
金の融点が低下する。従って、Pd−Ag合金よりなる
内部電極とともに焼成されるセラミック誘電体材料の焼
結温度を低くしなければならない。
【0004】従来、セラミック誘電体材料の焼結温度を
低下させる方法として、硼素酸化物(B2 3 )を含む
ガラス材料を焼結助剤としてセラミック誘電体材料に添
加する方法が知られている。すなわち、セラミック電子
部品の製造に際しては、セラミックスラリーを調製した
後、該セラミックスラリーを成形し、焼成する工程が実
施されるが、上記セラミックスラリーの調製に際し、溶
剤、合成樹脂バインダ、分散剤及び誘電体セラミック粉
末を混合するに先立ち、上記硼素酸化物を含むガラス材
料を焼結助剤として誘電体セラミック粉末に混合してお
く方法が用いられている。上記溶剤としては、水または
有機溶剤が用いられており、また上記合成樹脂バインダ
としては、ポリビニルアルコールやポリビニルブチラー
ルなどが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記硼
素酸化物含有誘電体セラミック粉末を用い、バインダ樹
脂としてポリビニルアルコールまたはポリビニルアルコ
ールを保護コロイドとする水系エマルジョンを含むもの
(以下、両者を含む用語として、ポリビニルアルコール
系バインダを使用する。)を用いて水系セラミックスラ
リーを調製した場合、硼素酸化物B2 3 が水に溶け、
下記の式(1),(2)を経てB(OH) 4 - イオンが
生成する。このB(OH)4 - イオンが、バインダ中の
ポリビニルアルコールと下記の式(3)及び(4)のよ
うに反応し、スラリーがゲル化し、シート成形すること
ができなかった。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】
【化3】
【0009】本発明の目的は、硼素酸化物含有誘電体セ
ラミック粉末及びポリビニルアルコール系バインダを用
いてシート成形を問題なく行うことを可能とする水系セ
ラミックスラリーの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、水、硼素酸化
物含有誘電体セラミック粉末及び多価アルコールを含む
混合物を用意する工程と、前記混合物にポリビニルアル
コールまたはポリビニルアルコールを保護コロイドとす
る水系エマルジョンを含むバインダを混合する工程とを
備えることを特徴とする、セラミックスラリーの製造方
法である。
【0011】すなわち、本願発明者は、硼素酸化物含有
誘電体セラミック粉末及びポリビニルアルコール系バイ
ンダを用いて水系セラミックスラリーを調製した際に、
硼素酸化物とポリビニルアルコールとが上述した式
(3)及び(4)のように反応し、スラリーがゲル化す
ることに鑑み、上記ゲル化を防止し得るセラミックスラ
リーにつき種々検討した結果、ポリビニルアルコール系
バインダを添加する前に、予めB(OH)4 - イオンを
多価アルコールと反応させておけば、B(OH)4 -
ポリビニルアルコールとの反応を抑制し得ることを見い
出し、本発明を成すに至った。また、このようにB(O
H)4 - を多価アルコールと反応させた場合であって
も、焼成に際しては、硼素が焼結助剤として十分に作用
し、誘電体セラミックスの焼成温度を低め得ることを確
認した。
【0012】以下、本発明の詳細を説明する。本発明に
おいては、まず、水、硼素酸化物含有誘電体セラミック
粉末及び多価アルコールを含む混合物が用意される。水
は、セラミックスラリーを得るための溶剤として用いら
れているものである。また、硼素酸化物含有誘電体セラ
ミック粉末とは、焼結助剤として硼素酸化物を含むガラ
ス材料を含有する誘電体セラミック粉末であり、使用す
る誘電体セラミック粉末としては、例えば、チタン酸バ
リウム系誘電体セラミックス、チタン酸ストロンチムウ
系誘電体セラミックスなどの適宜の誘電体セラミック粉
末を用いることができる。
【0013】また、上記混合物には、分散性を高めるた
めに、セラミックスラリーの調製に際して慣用されてい
る適宜の分散剤を配合してもよい。
【0014】上記多価アルコールとしては、4価以上の
適宜の多価アルコールを用いることができ、例えば、D
−トレイトールもしくはリビトールなどの4価のアルコ
ール、D−アラビニトールもしくはキシリトールなどの
5価のアルコール、及びアリトール、D−グルシトー
ル、D−マンニトール、ガラクチトールもしくはD−タ
リトールなどの6価のアルコールを例示することができ
る。もっとも、これらの多価アルコールは例示にすぎ
ず、後述のようにB(OH)4 - と反応し得る適宜の4
価以上のアルコールを用いることができる。
【0015】水、硼素酸化物含有誘電体セラミック粉末
及び分散剤の混合割合は、従来より公知の水系セラミッ
クスラリーの調製方法に従って適宜定め得る。例えば、
誘電体セラミック粉末100重量部に対し、分散剤0〜
1重量部、水30〜60重量部の割合で混合すればよ
い。
【0016】硼素酸化物(B2 3 )を含むガラス材料
は、誘電体セラミックスの焼成温度を低下させる焼結助
剤として機能し、従ってある程度の量を添加しなければ
セラミックスの焼成温度を低下させることができない。
もっとも、B2 3 の添加割合が多すぎると、所望の誘
電性を発揮する緻密な焼結体を得ることができない。従
って、硼素酸化物(B2 3 )は、硼素酸化物含有誘電
体セラミック粉末中、1重量%以下で配合されることが
望ましく、より好ましくは0.3重量%以下の範囲で配
合される。
【0017】また、上記多価アルコールは、硼素酸化物
含有誘電体セラミック粉末中に含まれている硼素酸化物
の量に応じて添加されるため、含有されている硼素酸化
物の量に応じてその添加量が定められる。通常、誘電体
セラミック粉末の1〜3重量部の範囲で添加される。
【0018】本発明のセラミックスラリーの製造方法で
は、水、硼素酸化物含有誘電体セラミック粉末及び分散
剤に加えて上記多価アルコールを含む混合物がまず用意
される。この場合、予め水、硼素酸化物含有誘電体セラ
ミック粉末及び分散剤を混合しておき、しかる後、多価
アルコールを添加し、B(OH)4 - イオンと多価アル
コールとを反応させてもよく、あるいは水、硼素酸化物
含有誘電体セラミック粉末、分散剤及び多価アルコール
を同時に混合し、それによってB(OH)4 -イオンと
多価アルコールとを反応させてもよい。何れにしても、
ポリビニルアルコール系バインダを混合する前に、上記
多価アルコールをB(OH)4 - イオンと反応させてお
くことが必要である。
【0019】上記のようにしてB(OH)4 - イオンと
多価アルコールとを反応させた後に、混合物にポリビニ
ルアルコール系バインダが混合される。なお、ポリビニ
ルアルコール系バインダとは、ポリビニルアルコールを
主体とするもの、及びポリビニルアルコールを保護コロ
イドとする例えばポリ酢酸ビニルエマルジョンのような
水系エマルジョンを主体とするものを含むものとする。
このポリビニルアルコール系バインダの上記混合物への
混合割合は、セラミックスラリーにシート成形可能な物
性を与え得る範囲で適宜定められるが、通常、上記誘電
体セラミック粉末100重量部に対し、10〜20重量
部の範囲で選ばれる。
【0020】
【作用】本発明のセラミックスラリーの製造方法では、
上記混合物において、B(OH)4 - と多価アルコール
とが反応し、B(OH)4 - イオンが消費されるため
か、ポリビニルアルコールとB(OH)4 - イオンとの
上述した式(3)及び(4)の反応が抑制される。
【0021】上記硼素と多価アルコールとの反応によ
り、例えば多価アルコールとしてD−グルシトールを用
いた場合を例にとると、下記の式(5)で示すようにエ
ステル型の錯体が生成されると考えられる。
【0022】
【化4】
【0023】従って、上記混合物中において、フリーの
B(OH)4 - イオンがほとんど存在しなくなっている
ため、ポリビニルアルコール系バインダを上記混合物に
添加した後においては、上述した式(3)及び(4)の
反応が生じないため、ゲル化が抑制される。
【0024】
【発明の効果】よって、本発明によれば、上記混合物に
おいて、B(OH)4 - イオンが多価アルコールと反応
し、B(OH)4 - イオンが消費されるため、上記混合
物にポリビニルアルコール系バインダを混合したとして
もゲル化を確実に抑制することができる。従って、焼結
助剤としてB2 3 を添加してなる水系セラミックスラ
リーにおいてバインダとしてポリビニルアルコール系バ
インダを用いた場合であっても、シート成形可能な水系
セラミックスラリーを提供することが可能となる。
【0025】よって、本発明のセラミックスラリーの製
造方法を利用することにより、水系セラミックスラリー
を用いて低温焼成可能な誘電体セラミック原料を調製す
ることができるため、積層コンデンサなどのセラミック
電子部品において、内部電極としてより低い温度で焼成
し得る内部電極材料を用いることが可能となる。その結
果、セラミック電子部品の製造コストを効果的に低減す
ることが可能となる。
【0026】
【実施例の説明】実施例1 直径5mmの玉石(PSZ)が12kg投入された内容
積6リットルの塩化ビニル樹脂製ポットに、B2 3
0.2重量%含有してなるガラス材料よりなる硼素含有
セラミック誘電体粉末6kgと、水3リットルと、分散
剤30gとを投入し、上記ポットを回転させることによ
り30分間混合した。
【0027】次に、上記混合物に、D−グルシトールの
70重量%水溶液を、硼素含有セラミック誘電体粉末に
対して2.85重量%(D−グルシトールでは2.00
重量%)添加し、30分間上記ポットを回転させること
により混合した。
【0028】次に、バインダとして、ポリビニルアルコ
ール樹脂バインダを1.38kgと、湿潤剤30gとを
上記ポット内に添加し、ポットを回転させることにより
16〜20時間混合した。
【0029】上記のようにして調製されたセラミックス
ラリーに対し、剪断応力を与え、その流動曲線を測定し
た。結果を図1に示す。図1から明らかなように、実施
例1の流動曲線では、ゲル化していないことがわかる。
【0030】上記のようにして調製した実施例1のセラ
ミックスラリーを用い、ドクターブレード法により30
μmのセラミックグリーンシートを成形したところ、ゲ
ル化が生じていないため、30μmのセラミックグリー
ンシートを無理なく成形することが可能であった。
【0031】実施例2 D−グルシトール水溶液の添加割合を硼素含有セラミッ
ク誘電体粉末に対して2.85重量%から5.00重量
%(D−グルシトールで3.50重量%)に変更したこ
とを除いては、実施例1と同様にしてセラミックスラリ
ーを調製した。得られたセラミックスラリーでは、ゲル
化が生じていなかった。
【0032】また、得られたセラミックスラリーについ
て、その流動曲線を実施例1と同様にして測定した。結
果を図1に示す。図1から明らかなように、実施例2に
おいても、剪断速度を高めても、実施例1と同様ゲル化
は見られない。
【0033】また、実施例2のセラミックスラリーを用
いて、実施例1と同様にして30μmの厚みのセラミッ
クグリーンシートをドクターブレード法により成形した
ところ、無理なくセラミックグリーンシートを成形する
ことができた。
【0034】実施例3 D−グルシトール水溶液の添加割合を硼素含有セラミッ
ク誘電体粉末に対して2.85重量%から7.15重量
%(D−グルシトールで5.01重量%)に変更したこ
とを除いては、実施例1と同様にしてセラミックスラリ
ーを調製した。得られたセラミックスラリーでは、ゲル
化は生じていなかった。
【0035】また、得られたセラミックスラリーについ
て、その流動曲線を実施例1と同様にして測定した。結
果を図1に示す。図1から明らかなように、実施例3に
おいても、剪断速度を高めても、実施例1,2と同様ゲ
ル化が見られない。
【0036】また、実施例3のセラミックスラリーを用
いて、実施例1と同様にして30μmの厚みのセラミッ
クグリーンシートをドクターブレード法により成形した
ところ、無理なくセラミックグリーンシートを成形する
ことができた。
【0037】比較例 D−グルシトール水溶液を添加しなかったことを除いて
は、実施例1と同様にしてセラミックスラリーを調製し
た。このようにして得たものでは、ゲル化し、スラリー
にならなかった。
【0038】実施例1〜3のセラミックスラリーで得た
セラミックグリーンシートの特性 実施例1〜3で得たセラミックグリーンシートにつき、
シート強度及びシート伸びを測定した。また、D−グル
シトール水溶液添加割合をさらに種々変更し、同様にし
てセラミックグリーンシートを作製し、そのセラミック
グリーンシートのシート強度及び伸びを測定した。これ
らの結果を、図2に示す。
【0039】図2から明らかなように、D−グルシトー
ル水溶液の添加量が増すに従って、セラミックグリーン
シートの強度が低下し、伸びが大きくなることがわか
る。これは、D−グルシトールとB(OH)4 - イオン
とにより反応したエステル型錯体や過剰のD−グルシト
ールが、バインダの分子間摩擦を低下させる可塑剤とし
て働くためと考えられる。すなわち、一般に可塑剤はグ
リセロールやジオクチルフタレートのように数百の分子
量を有するが、上記D−グルシトールの分子量は182
であるのに対し、上記エステル型錯体の分子量は約37
1と考えられ、従って上記のように可塑剤として機能し
ているものと考えられる。
【0040】セラミックグリーンシートの強度が低く、
その伸びの大きい場合には、合成樹脂フィルムよりなる
キャリアフィルムから剥離し、リールに巻回する際に、
シート切れやシート伸びを起こし、セラミック電子部品
に用いるのには適さなくなる。量産されているセラミッ
クグリーンシートの強度やシート伸びは、それぞれ、
1.3〜1.5dyn/cm3 (シート強度)、24%
以下(シート伸び)とされているため、量産されている
セラミックグリーンシートの強度やシート伸びと比較し
た場合、上記D−グルシトール水溶液の添加量は、2.
85重量%以下(D−グルシトールで2重量%以下)で
あることが望ましい。
【0041】実施例4 実施例4は、量産を想定して、大容量の攪拌機を用いて
混合及び分散を行った。また、本実施例では、プロペラ
攪拌機による予備分散を行った後、連続式ビーズ攪拌型
分散機において本分散を行った。
【0042】すなわち、20リットルの容積のプロペラ
攪拌機に、水13リットルと、実施例1で用いた分散剤
100gとを入れ、850rpmで10分間混合・分散
させた。
【0043】次に、実施例1で用いた硼素含有セラミッ
ク誘電体粉末20kgを加え、1200rpmで30分
間、混合・分散させた。さらに、上記硼素含有セラミッ
ク誘電体粉末に対し、2.85重量%(570g)のD
−グルシトール70重量%水溶液(D−グルシトール2
重量%(400g))を加え、1200rpmで30分
間混合・分散した。
【0044】次に、5kgの実施例1で用いたポリビニ
ルアルコールバインダを加え、500rpmで30分間
混合した。ここまでは、セラミック誘電体粉末等の予備
分散工程であるが、セラミックスラリーにおけるゲル化
は生じなかった。
【0045】次に、連続式ビーズ攪拌型分散機に上記混
合物を投入し、スラリーの分散を図った。すなわち、予
備分散されたセラミックスラリーを連続式ビーズ攪拌型
分散機に通した後、実施例1で用いたものと同一の湿潤
剤100gを加え、再度分散機に通した。この分散過程
において、スラリーのゲル化は認められなかった。
【0046】なお、上記予備分散後、連続式ビーズ攪拌
型分散機を1回通過した後、及び2回通過した後のセラ
ミックスラリーのそれぞれの流動曲線を図3に示す。上
述のようにして得られたセラミックスラリーを用い、厚
み26μmのセラミックグリーンシートを成形したとこ
ろ、該セラミックグリーンシートを安定に成形すること
が可能であった。また得られたセラミックグリーンシー
トを、リールに巻回したところ、シート切れやシート伸
びは皆無であった。
【0047】実施例5 直径5mmの玉石(PSZ)が450g投入された容積
500mlの塩化ビニル樹脂製ポットに、0.2重量%
の(B2 3 )を含有してなるガラス材料よりなるセラ
ミック誘電体粉末100gと、水50gと、実施例1で
用いた分散剤0.5gとを入れ、30分間ポットを回転
させることにより混合物を得た。
【0048】次に、多価アルコールとして4価の多価ア
ルコールであるエリトリトールを硼素酸化物含有誘電体
セラミック粉末に対し2重量%添加し、30分間ポット
を回転させ混合分散し、次に、実施例1で用いたポリビ
ニルアルコールバインダ23g及び実施例1で用いた湿
潤剤0.5gを添加し、さらに16〜20時間混合し、
実施例5のセラミックスラリーを得た。
【0049】得られたセラミックスラリーでは、ゲル化
は認められず、かつ該セラミックスラリーを用いて実施
例1と同様にしてセラミックグリーンシートを成形した
ところ、シート切れ等が生じず、安定にセラミックグリ
ーンシートを成形することが可能であった。
【0050】実施例6 多価アルコールとしてエリトリトールに代えて、5価の
多価アルコールであるキシリトールを用いたことを除い
ては、実施例5と同様にして、セラミックスラリーを得
た。
【0051】得られたセラミックスラリーにおいてゲル
化は認められず、かつ該セラミックスラリーを用いてセ
ラミックグリーンシートを実施例5と同様にして成形し
たところ、シート切れ等が生じず、安定にセラミックグ
リーンシートを成形することが可能であった。
【0052】実施例7 多価アルコールとしてエリトリトールに代えて、6価の
多価アルコールであるD−グルシトールを用いたことを
除いては、実施例5と同様にして、セラミックスラリー
を得た。
【0053】得られたセラミックスラリーにおいてゲル
化は認められず、かつ該セラミックスラリーを用いてセ
ラミックグリーンシートを実施例5と同様にして成形し
たところ、シート切れ等が生じず、安定にセラミックグ
リーンシートを成形することが可能であった。
【0054】なお、実施例5〜7で得たセラミックスラ
リーを比較したところ、ゲル化抑制効果は、実施例7、
実施例6、実施例5の順に高く、従ってOH基の多い多
価アルコールほどゲル化抑制効果の大きいことが認めら
れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3及び比較例1のスラリーの流動曲
線を示す図。
【図2】D−グルシトール添加量と得られたセラミック
グリーンシートの強度及び伸び率との関係を示す図。
【図3】(a)〜(c)は、それぞれ、実施例4におけ
る各工程後のスラリーの流動曲線を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00 632 - 634

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、硼素酸化物含有誘電体セラミック粉
    末及び多価アルコールを含む混合物を用意する工程と、 前記混合物にポリビニルアルコールまたはポリビニルア
    ルコールを保護コロイドとする水系エマルジョンを含む
    バインダを混合する工程とを備えることを特徴とする、
    セラミックスラリーの製造方法。
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JP5051131B2 (ja) * 2006-10-24 2012-10-17 株式会社村田製作所 セラミックグリーンシート用スラリー組成物の製造方法、セラミックグリーンシートの製造方法、および積層型セラミック電子部品の製造方法

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