JP3134618B2 - 超音波信号処理装置 - Google Patents

超音波信号処理装置

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JP3134618B2
JP3134618B2 JP05223199A JP22319993A JP3134618B2 JP 3134618 B2 JP3134618 B2 JP 3134618B2 JP 05223199 A JP05223199 A JP 05223199A JP 22319993 A JP22319993 A JP 22319993A JP 3134618 B2 JP3134618 B2 JP 3134618B2
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景義 片倉
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裕 鱒沢
隆一 篠村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波により物体を非
破壊検査する装置、あるいは医療診断に用いる超音波装
置等の信号処理装置に関し、特にディジタル化に適した
超音波信号処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、超音波受信装置はアナログ遅
延回路、加算器等から構成されており、超音波を検査対
象(例えば、身体内部)へ放射したのち、検査対象から
の反射波を配列受波素子群で受信し、受信信号相互の遅
延時間を調節して受信ビームの方向を変化させる。超音
波の入射方向と受信ビームの形成方向を一致させ、各配
列受波素子の出力を同一位相として加算することにより
全出力として大出力を得ている。また、目標以外からの
各配列受波素子における受信信号は、各信号の位相が異
なるため、互いに打ち消し合って全出力としては抑圧さ
れた出力となる。このように、従来の方法では、複数の
受信素子により受信した信号の位相合わせを行い、これ
らを加算することにより分解能を高めているので、アナ
ログ遅延回路の遅延時間精度を高める必要があり、装置
構成の複雑さおよびコスト面に問題があった。そこで、
上記の問題を解消するために、装置構成を簡略化し、高
い遅延時間精度を必要としないアナログ回路を主体とす
る装置の実現化法が従来においても提案されている。こ
れは、受信信号の中心周波数を移動してから信号の遅延
処理と加算処理を行う超音波整相方法、いわゆる周波数
移動法である。この方法は、超音波受信素子からの信号
と、時間を精密に制御した参照信号とを混合処理して低
周波信号に変換し、その低周波信号成分を遅延回路によ
り遅延させ、最後に各素子からの信号を加算する各部分
から超音波信号の整相部を構成する方法である。
【0003】図2は、従来における周波数移動整相法を
用いたアナログ式超音波信号処理装置の構成図である。
図2において、23は超音波の送受波器、14はアナロ
グ混合器、6は遅延時間の設定が可能なアナログ遅延回
路、2はアナログ加算器、18はアナログ参照信号発生
回路、8はアナログ遅延制御回路である。いま、時間を
tとし、中心周波数がωSなる送信信号をs(t)とする
と、 s(t)=A0(t){exp(jωSt)+exp(−jωSt)} …(1) と近似できる。なお、A0(t)は送信信号の包絡線形
状、jは虚数単位である。この送信信号により発生した
目的とする反射信号の、第n番目の配列受信素子による
受信信号fn(t)は、音波の伝搬時間をτnとすると、次
式(2)が成立する。 fn(t)=kn s(t−τn) =kn0(t){exp(jωSt)+exp(−jωSt)} =An(t−τn)[exp{jωS(t−τn)}+exp{−jωS(t−τn)}] =An(t−τn)[exp{j(ωSt−φn)}+exp{−j(ωSt−φn)}] …(2) ここでAn=kn0であり、knは反射音波の伝搬距離に
より決まる係数、φnは位相差を示す値である。次に、
アナログ混合器14において、この信号fn(t)とアナ
ログ参照信号発生回路18により発生する参照信号h
n(t)との乗算を行う。いま、hn(t)を簡単のために受
信信号の搬送波と同一周波数の信号とし、位相項φn
考慮して次式(3)のように定める。 hn(t)=exp{−j(ωSt−φn)} …(3) 乗算結果gn(t)は、次式(4)となる。 gn(t)=fn(t)hn(t) =An(t−τn)[1+exp{−2j(ωSt−φn)}] …(4) ここで、搬送波が直流となった成分のみに着目したG
n(t)は、次式(5)のようになる。 Gn(t)=An(t−τn) …(5) この波形をアナログ遅延回路6により時間τ0nだけ
遅延させた信号をVn(t)とすると、この値は次式
(6)のようになる。 Vn(t)=Gn(t−τn−(τ0n)) =An(t−τ0) …(6) ここでτ0は、アナログ遅延回路6により決まる定数で
ある。このように、信号Vn(t)はAn(t)を時間移動し
たものであり、かつAnは送信信号の包絡線A0の定数倍
であるため、その波形形状はnに依存せず一定となる。
従って、1〜Nをアナログ加算器2により加算した値Y
(t)が、最終結果となる(次式(7)参照)。
【数1】 このように、加算された値Y(t)は、各信号の位相が
一致することから大きく成長する。一方、目的方向以外
からの信号は、各信号が(3)式のφnと異なる位相を有
し、(5)式において位相項が残る。これに起因して、
(7)式における加算時に位相の違いによる干渉が起こる
ことから、加算結果の信号は減衰する。以上に示した動
作原理により、目的方向からの受信信号を選択すること
ができる。なお、この種の装置として関連するものに
は、例えば、日本国特許第1333370号の公告公
報、および米国特許第4140022号明細書がある。
また、図2に示した構成は通常アナログ回路により構成
されるが、整相の精度を向上し、装置をさらに高度化す
るためにはディジタル化した演算装置で構成するのが望
ましい。
【0004】図3は、図2の超音波信号処理装置をディ
ジタル化した場合の装置構成図であり、図4は、図3の
超音波信号処理装置にオーバサンプリング手法を適用し
た場合の装置構成図であり、図5は、従来の超音波信号
波形のを示す図である。従来のアナログ回路により構成
される装置を単純にディジタル化する場合、例えば図3
のように装置を構成することが考えられる。図3では、
アナログ−ディジタル変換器5を用い、図2に示したア
ナログ混合器14、アナログ遅延回路6、アナログ加算
器2、アナログ参照信号発生回路18、アナログ遅延制
御回路8を、それぞれディジタル構成としたディタル混
合器15、ディジタル遅延回路7、ディジタル加算器
3、ディジタル参照信号発生回路19、ディジタル遅延
制御回路9を使用している。この構成では、通常の超音
波応用においてアナログ−ディジタル変換器(A/D)の
振幅精度として、たとえば10ビット以上というように
多くのビットが必要となる。これでは、装置の複雑化お
よび高価格化を招くとともに、高速化を実現できなくな
る。そこで、公知の高速サンプリングと信号の累加処理
を併用する方法、いわゆるオーバーサンプリング手法を
適用して、実効上のビット数を増す構成が考えられる。
例えば、図4の構成例では、図3に示したアナログ−デ
ィジタル変換器5とディジタル混合器15の間に、複数
個の信号の総和を計算する累加用ディジタル加算器4を
配置する。ここで、オーバーサンプリング手法の効果は
累加する回数に依存するが、超音波信号の波形は図5に
示すような形状であるため、振幅変化をΔ以内とすると
累加可能な時間長はT0 以内に制限され、大幅な精度向
上は期待できない。なお、図5においてA(t)は送信信
号s(t)と同形状の包絡線を示している。図5の波形形
状は、従来の超音波装置における典型的な例である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
技術では、高精度のディジタル整相処理を実現する場
合、10ビット以上のディジタル信号を必要としたの
で、アナログ−ディジタル変換器を簡略化することが困
難であった。また、中心周波数の高い受信信号に対応し
て、アナログ−ディジタル変換器の振幅精度と標本化周
波数とを同時に向上させることが困難であった。さら
に、アナログ−ディジタル変換器の標本化周波数が受信
信号成分上限周波数の約2倍に比べて十分高くない場合
には、対応できないという問題があった。本発明の目的
は、このような問題点を改善し、特に中心周波数の高い
受信信号において、等価的にアナログ−ディジタル変換
器の精度を大幅に向上させ、装置の構成が簡略化され、
コスト低減に適した超音波信号処理装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の超音波信号処理装置は、(イ)超音波を検
査対象に放射した後、検査対象からの反射波を配列受波
素子群で受信し、受信信号相互の遅延時間を調節して受
信ビームの方向を変化させ、検出した検査対象を映像化
する超音波信号処理装置において、配列受波素子群で受
信した複数のアナログ受信信号をディジタル化するディ
ジタル化手段(図1の5)と、ディジタル化手段(5)
により得られたディジタル信号と所定周波数の参照信号
とを乗算することにより信号波形を変換する波形変換手
段(15)と、波形変換手段(15)により変換された
信号を累加処理する累加手段(4)と、累加手段(4)
により累加処理された信号を遅延させる遅延手段(7)
と、遅延手段(7)により遅延させた複数の信号を加算
する加算手段(3)とを具備することを特徴としてい
る。また、(ロ)ディジタル信号の波形変換手段(5)
の他に、アナログ信号の波形変換手段(図2の14)あ
るいは別個のディジタル信号の波形変換手段(図10の
17)を具備することも特徴としている。また、(ハ)
ディジタル信号の波形変換手段として第1及び第2の波
形変換手段(図10の16,17)を具備し、第1の波
形変換手段(16)の出力端が累加手段(4)の入力端
に接続され、累加手段(4)の出力端に第2の波形変換
手段(17)の入力端が接続されることも特徴としてい
る。また、(ハ)ディジタル信号の波形変換手段として
第1及び第2の波形変換手段(図10の16,17)を
具備し、第1の波形変換手段(16)の出力端が累加手
段(4)の入力端に接続され、第2の波形変換手段(1
7)、遅延手段(7)及び加算手段(3)からなる回路
手段が複数個並列に累加手段(4)の出力端に接続され
ることも特徴としている。また、(ニ)累加手段(図1
1の22)により累加処理された信号を記憶する記憶手
段(10)を具備することも特徴としている。また、
(ホ)超音波を検査対象に放射した後、検査対象からの
反射波を配列受波素子群で受信し、受信信号相互の遅延
時間を調節して受信ビームの方向を変化させ、検出した
検査対象を映像化する超音波信号処理装置において、配
列受波素子群で受信した複数のアナログ受信信号と所定
周波数のアナログ参照信号とを乗算することにより信号
波形を変換するアナログ波形変換手段(図8の14)
と、アナログ波形変換手段(14)により変換された信
号波形の低周波成分を通過させるフイルタ手段(11)
と、フイルタ手段(11)の出力信号をディジタル化す
るディジタル化手段(5)と、ディジタル化手段(5)
により得られたディジタル信号と所定周波数の参照信号
とを乗算することにより信号波形を変換するディジタル
波形変換手段(15)と、ディジタル波形変換手段(1
5)により変換された信号を累加処理する累加手段
(4)と、累加手段(4)により累加処理された信号を
遅延させる遅延手段(7)と、遅延手段(7)により遅
延させた複数の信号を加算する加算手段(3)とを具備
することも特徴としている。また、(ヘ)ディジタル波
形変換手段(図15の16,17)を複数個有すること
も特徴としている。また、(ト)ディジタル波形変換手
段として第1及び第2のディジタル波形変換手段(図1
5の16,17)を有し、第1のディジタル波形変換手
段(16)の出力端が累加手段(4)の入力端に接続さ
れ、累加手段(4)の出力端に第2のディジタル波形変
換手段(17)の入力端が接続されることも特徴として
いる。また、(チ)ディジタル波形変換手段として第1
及び第2のディジタル波形変換手段(図19の16,1
7)を有し、第1のディジタル波形変換手段(16)の
出力端が累加手段(4)の入力端に接続され、第2のデ
ィジタル波形変換手段(17)、遅延手段(7)及び加
算手段(3)からなる回路手段が複数個並列に累加手段
(4)の出力端に接続されることも特徴としている。ま
た、(リ)累加手段(図21の4)により得られた信号
を記憶する記憶手段(12)を具備することも特徴とし
ている。また、(ヌ)累加手段(4)は、ディジタル波
形変換手段(15)の出力の低周波成分が示す送信信号
の包絡線のバンド幅をBW、ディジタル化手段(5)の
サンプル周波数をADFQ、累加回数をCOUNTとす
るとき、 COUNT≦(ADFQ/BW) となるように、ディジタル変換された信号を累加処理す
る手段であることも特徴としている。また、(ル)アナ
ログ波形変換手段(14)は、参照信号の周波数を
ωa、前記受信信号の中心周波数をωS、前記ディジタル
波形変換手段の出力の低周波成分が示す送信信号の包絡
線のバンド幅をBWとするとき、 ωa≦ωS−(BW/2) となるように設定された参照信号と前記受信信号とを乗
算する手段であることも特徴としている。また、本発明
の信号処理装置は、(ワ)アナログ信号を受信する受信
手段および受信手段により得られたアナログ受信信号を
ディジタル化するディジタル化手段を備えた信号処理装
置において、ディジタル化手段により得られたディジタ
ル信号を所定周波数の参照信号と混合処理して低周波信
号に変換する波形変換手段と、波形変換手段により変換
された複数の信号を累加処理する累加手段とを具備する
ことを特徴としている。さらに、(カ)ディジタル波形
変換手段と累加手段の他に、アナログ受信信号と所定周
波数のアナログ参照信号とを乗算することにより信号波
形を変換するアナログ波形変換手段と、アナログ波形変
換手段により変換された信号波形の低周波成分を通過さ
せるフイルタ手段とをさらに具備することも特徴として
いる。
【0007】
【作用】本発明では、超音波信号のディジタル処理にオ
ーバサンプリング手法を用い、かつ周波数を低周波へ移
動してから累加算処理を行ない、簡易な構成でアナログ
−ディジタル変換の実効的精度を大幅に向上させる。特
に、中心周波数の高い超音波信号をアナログ信号処理で
低周波に移動した後に、さらにディジタル信号処理で周
波数を低周波に移動してから累加処理を行うオーバーサ
ンプリング手法を用いることにより、簡易な構成で中心
周波数の高い超音波信号においても、アナログ−ディジ
タル変換の実効精度を大幅に向上させることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。 〔第1の実施例〕図1は、本発明の第1の実施例におけ
る高精度のディジタル整相処理を実現する超音波信号処
理装置の構成図であり、図6は、図1の装置で得られる
超音波波形を示す図であり、図7は、本実施例における
受信信号の周波数移動法の説明図である。図1では、図
3に示したディジタル混合器15とディジタル遅延回路
7の間に、複数個の信号の総和を計算するための累加用
ディジタル加算器4を配置する。この場合における累加
される信号は、(5)式により、ディジタル混合器15の
出力の低周波数成分Gn(t)、つまり包絡線形状に相当
するAn(t−τn)である。従って、図6に示すように、
図5に示したT0に比べて充分長い時間であるT1の比較
的長い時間に累加処理が可能となる。次に、累加用ディ
ジタル加算器4での累加回数について述べる。図7のス
ペクトル−aは、送信信号s(t)の振幅スペクトルであ
る。ここで、BWは包絡線A(t)のバンド幅である。実
際には、アナログ−ディジタル変換器5でサンプルする
ことにより、図7のスペクトル−aがアナログ−ディジ
タル変換器5のサンプル周波数を周期に折り返すが、こ
こではアナログ−ディジタル変換器5のサンプル周波数
は中心周波数ωSに比べ十分大きいものと仮定して、折
り返しスペクトルは省略する。図7のスペクトル−aに
対し、ディジタル混合器15でexp(−jωSt)を乗算
し、累加用ディジタル加算器4で低周波成分を抽出する
ことにより、加算器出力のスペクトルでは、図7のスペ
クトル−bのようにゼロ周波数を中心に包絡線スペクト
ルが出現する。このときアナログ−ディジタル変換器5
のサンプル周波数をADFQ、累加用ディジタル加算器
4での累加回数をCOUNTとおくと、信号のサンプル
周波数は、(ADFQ/COUNT)に下がっている。累
加用ディジタル加算器4での累加回数が大きいほど、オ
ーバーサンプル手法によるS/N改善の効果は顕著とな
るので、上記(ADFQ/COUNT)周期の折り返しが
無視できなくなる。
【0009】図7のスペクトル−cは、中心周波数ωn
=(ADFQ/COUNT)に下げた場合を示している。
包絡線を完全に再現するには、折り返しスペクトルが重
複してはならないので、次式(8)が成立しなければな
らない。 COUNT≦(ADFQ/BW) …(8) このように、包絡線のバンド幅BWとアナログ−ディジ
タル変換器5のサンプル周波数(ADFQ/COUN
T)とから、自動的に累加回数の条件が決まる。ただ
し、折り返しスペクトルが多少重なっても、累加回数に
よるS/N改善を優先させる場合には、(8)式を満足す
る必要はない。ところで、図1では、サンプリング定理
により、アナログ−ディジタル変換器5のサンプリング
周波数は送信信号s(t)の周波数帯の必要な上限の周波
数の2倍以上なければならない。ここで、上限となる周
波数が5MHz程度であれば、アナログ−ディジタル変
換器5のサンプリング周波数は10MHz以上あれば良
く、現在容易に入手できるアナログ−ディジタル変換
器、例えば25MHzのアナログ−ディジタル変換器で
十分にオーバーサンプリングが可能である。さらに、ア
ナログ−ディジタル変換器5が25MHzの動作周波数
であれば、ディジタル混合器15の動作周波数も25M
Hzであり、集積化が容易である。従って、図1に示し
た装置構成は、高精度のディジタル整相処理に最適であ
ると言うことができる。しかし、上述の上限の周波数を
15MHzとすると、アナログ−ディジタル変換器5の
サンプリング周波数は最低30MHz必要となり、オー
バーサンプリングのためには非常に高い動作周波数のア
ナログ−ディジタル変換器が必要となるため(30MH
zの2.5倍として75MHz)、価格が高く、消費電
力も大きいアナログ−ディジタル変換器(A/D)が必要
となる。また、ディジタル混合器15の動作周波数も高
くなり、集積化が困難になる。このように、図1に示し
た構成例では、高周波の超音波信号に対応することが困
難となる。
【0010】〔第2の実施例〕図8は、本発明の第2の
実施例における超音波信号処理装置の構成図である。図
8において、14はアナログ混合器、11はアナログー
パスフィルタ、5はアナログ−ディジタル変換器、15
はディジタル混合器、4は累加用ディジタル加算器、7
はディジタル遅延回路、3はディジタル加算器である。
また、18はアナログ混合器14で受信信号をアナログ
混合する際に用いるアナログ参照信号発生回路、19は
ディジタル混合器15でアナログ−ディジタル変換され
た受信信号をディジタル混合する際に用いるディジタル
参照信号発生回路、9はディジタル遅延制御回路であ
る。第n番素子の受信信号は、次式(9)で表わされ
る。 fn(t)=An(t−τn)[exp{j(ωSt−φn)}+exp{−j(ωSt−φn)}]…(9) 上記(9)式を実数表示すると、次式(10)のようにな
る。 fn(t)=2An(t−τn)cos(ωSt−φn) …(10) (10)式の信号とアナログ参照信号発生回路18により
発生する参照信号mn(t)との乗算を、アナログ混合器
14により行う。簡単のためmn(t)のt=0での位相
を0とすると、参照信号mn(t)は、次式(11)の
ようになる。 mn(t)=cos(ωat) …(11) アナログ混合器14における乗算は、実数の乗算とな
る。このため、乗算結果on(t)は、次式(12)のよ
うな結果となる。 on(t)=fn(t)mn(t) =An(t−τn)[cos{(ωS+ωa)t−φn}+cos{(ωS−ωa)t−φn}] …(12) アナログローパスフィルタ11を通過することにより、
次式(13)となる。 on(t)=An(t−τn)cos{(ωS−ωa)t−φn} …(13) この式(13)を複素表示に戻すと、次式(14)とな
る。 on(t)= An(t−τn)[exp{j((ωS−ωa)t−φn)}+exp{−j((ωS−ωa)t−φn)}] …(14) 式(14)は、式(9)においてωSをωS−ωaで置き換え
たものであり、受信信号の中心周波数をωSからωS−ω
aまで下げたことになり、ωSが大きい場合にはアナログ
−ディジタル変換器5以降の構成が容易になる。そし
て、ωS−ωaを新たにωSと考えれば、式(14)以降の
信号処理は、式(3)から式(7)を用いて説明した処理と
等しくなる。また、アナログ参照信号発生回路18での
参照信号を、次式(15)のように置き替えても差し支
えない。 mn(t)=cos(ωat−φn) …(15) このときは、アナログローパスフィルタ11の出力が、
次式(16)となる。 on(t)=An(t−τn)cos{(ωS−ωa)t} …(16) この場合にも、前述と同様にωS−ωaを新たにωSと考
えると、ディジタル混合器15での乗算が、次式(1
7)となって、各素子につき共通となる。 hn(t)=exp(−jωSt) …(17)
【0011】図9は、受信信号の周波数スペクトルがア
ナログミキシングにより変化する状態を示す周波数特性
図である。図8におけるアナログ混合器14で乗算する
参照信号の周波数について述べる。送信信号s(t)の周
波数スペクトルを、図9に示すスペクトル−aとする。
また、図7と同様にアナログ−ディジタル変換器5のサ
ンプル周波数を周期とする折り返しスペクトルは省略す
る。ここで、BWは包絡線のバンド幅である。アナログ
混合器14では、cos(ωat)との乗算を行うので、
アナログローパスフィルタ11の出力スペクトルは図9
に示すスペクトル−bになる。このとき、正負周波数に
存在する2つの包絡線スペクトルが重なると、以降の操
作で包絡線が再現できない。従って、包絡線を完全に再
現するには、次式(18)の条件が必要である。 ωa≦ωS−(BW/2) …(18) この場合、多少包絡線のスペクトルが重なっても、s
(t)の中心周波数を下げることを優先させる場合は、式
(18)を満足する必要は無い。以後の説明においては、
アナログ周波数移動により低周波に移動した受信信号の
中心周波数ωS−ωaを、新たなωSとみなして話を進め
る。さて、前式(3)では、参照信号hn(t)を次式
(19)のように設定している。 hn(t)=exp{−j(ωSt−φn)} …(19) 上式(19)のhn(t)は複素関数ではなく、実関数と
することも可能である。このとき、実関数のhn(t)は
次式(20)で表わされる。 hn(t)=cos(ωSt−φn) …(20) 乗算結果gn(t)は、次式(21)のようになる。 gn(t)=fn(t)hn(t) =An(t−τn)[1+cos{2(ωSt−φn)}] …(21) ここで低周波成分のみに着目すると、Gn(t)は前述と
同様に式(5)で与えられる。
【0012】次に、送信信号の中心周波数ωSと音波の
伝搬時間τnが未知であり、中心周波数ωSの近似値ωm
ならびに各素子受信信号と基準受信信号との時間差が既
知の場合について説明する。つまり、基準受信信号をf
1(t)とすれば、τn−τ1が既知ということである。こ
のとき参照信号hn(t)は、次式(22)で表わされ
る。 hn(t)=exp[−j{ωmt−(ωm+ωa)(τn−τ1)}] …(22) 乗算結果gn(t)の低周波成分(つまり、直流成分)
は、次式(23)で示される。 Gn(t)=An(t−τn)exp[+j{(ωS−ωm)(t−τn)−(ωm+ωa1}] …(23) 上式(23)をτn−τ1だけ遅延させた信号をVn(t)と
すると、Vn(t)は次式(24)のようになる。 Vn(t)=gn(t+τn−τ1) =An(t−τ1)exp[+j{(ωS−ωm)(t−τ1)−(ωm+ωa1}] =An(t−τ1)exp[+j{(ωS−ωm)t−φ1}] …(24) 上式(24)から明らかなように、Vn(t)の値は、
nに依存せず一定である。ただし、φ1=−(ωS+ωa
1である。このとき、上式(24)は複素数であるため、
絶対値をとることにより包絡線が求められる。すなわ
ち、上式(22)で参照信号hn(t)を実関数にすると、
次式(25)で表わされる。 hn(t)=cos{ωmt−(ωm+ωa)(τn−τ1)} …(25) このときVn(t)は、次式(26)で表わされる。 Vn(t)=An(t−τ1)cos{(ωS−ωm)t−φ1} …(26) 上式(26)において、ωSとωmがほぼ等しいときには、
φ1が未知のため包絡線が求められない。ただし、ωS
ωmを適当に異ならせ、上式(26)のスペクトルにおい
て、周波数±(ωS−ωm)を中心に存在する包絡線スペク
トルが重ならないようにすれば包絡線は求められる。し
かし、その場合でも受信信号のキャリア信号を表わす三
角関数項が残るので、ディジタル加算器3での処理後に
さらに検波処理が必要である。以上の説明では、送信信
号の中心周波数ωSと音波の伝搬時間τnが未知の場合、
ωSの近似値ωmならびに各素子受信信号と基準受信信号
との時間差τn−τ1が既知の場合について述べたが、ω
Sならびに各素子受信信号と基準受信信号との時間差τn
−τ1が既知の場合、ならびにωSの近似値ωmとτnが既
知の場合についての信号処理は、上述の本実施例より容
易に類推できる。
【0013】〔第3の実施例〕図10は、本発明の第3
の実施例における超音波信号処理装置のブロック構成図
である。本実施例は、図1に示した第1の実施例をさら
に変形したものである。すなわち、本実施例ではディジ
タル混合器16の他に、もう1個のディジタル混合器1
7を設けるとともに、参照信号発生回路21を設けてい
る。つまり、前式(3)の参照信号hn(t)との乗算を、
2回に分けて行う。このために、 hn(t)=exp{−j(ωSt−φn)} =exp(−jωSt)exp(jφn) …(27) と分解し、2回の乗算と考えることにより図10に示す
構成が可能となる。なお、参照信号hn(t)が2回の乗
算に分けられるのは、hn(t)が複素関数の場合に限ら
れる。図10において、16、17はディジタル混合器
であり、図6に示したディジタル混合器15による乗算
にかわるものである。また、20、21は、ディジタル
混合器16、17でのディジタル混合時に使用するディ
ジタル参照信号発生回路を示す。ディジタル混合器16
による最初のディジタル混合に使用する信号波形p(t)
は、各素子につき共通である次式(28)で表される。 p(t)=exp(−jωSt) …(28) また、ディジタル混合器17において、ディジタル参照
信号発生回路21により発生するディジタル参照信号q
n(t)(これは、各素子ごとに異なる)は、次式(2
9)で示される。 qn(t)=exp(jφn) …(29) ディジタル混合器16,17でこれらのp(t),qn
(t)との乗算を行い、相互の位相差の補償を行う。こ
のような構成においては、ディジタル混合器17以降の
みを並列に保有するか、あるいは多重処理を行うことに
より、複数の被検体内の位置からの信号を同時に受信す
ることが可能となる。
【0014】図11は、本発明の第3の実施例における
単一信号の処理構成を示すブロック図であり、図12
は、第3の実施例における制御信号のタイミングチャー
トである。図11において、26は図10のディタル混
合器16、17に対応するディジタル乗算器であり、9
0度位相の異なる参照信号を用いて乗算を行う。22は
累加用ディジタル加算器、10はディタル加算器22の
加算結果の一時記憶器であって、これら2つは図10に
おける累加加算用ディジタル加算器4に対応する。ま
た、各制御信号の時間関係は、図12に示す通りであ
る。本実施例では、アナログ−ディジタル変換指令(A
/D変換)ADC、累加の終了と結果の出力指令(累加/
出力)RSC等は、送波信号と同期させることにより雑
音が抑圧される。また、図10において、ディジタル参
照信号発生回路21、ディジタル遅延制御回路9で発生
する制御データを時間と共に変化させて、焦点位置を連
続的に移動させることも可能である。図13は、本発明
の第3の実施例における単一信号の他の処理構成を示す
ブロック図である。図13の構成例では、図11に示し
た累加用のディジタル加算器22と一時記憶器10との
間に、ディジタル重み付け手段24を配置し、加算時に
各データに異なる重みを付けるように構成する。これに
より、各制御信号(アナログ−ディジタル変換指令(A/
D変換)ADC、累加の終了と結果の出力指令(累加/出
力)RSC、ディジタル重み発生指令W)の時間関係が図
14に示す通りとなるので、ディジタル重み付け手段2
4で個々に重み付けされたディジタルデータが加算され
て、出力される。すなわち、変換指令ADCの各タイミ
ング(×)毎に重み付け手段24で個々に0.5,1.
0,1.0,0.5の重みを付けた後、4つ目の重み付
けタイミング毎に累加出力指令RSCを出すことによ
り、次段のディジタル混合器17に出力する。
【0015】〔第4の実施例〕図15は、本発明の第4
の実施例における超音波信号処理装置のブロック構成図
である。本実施例は、図8に示す第2の実施例をさらに
変形したものであり、基本的には図10に示す第3の実
施例の構成に、図8に示すアナログ混合器14、アナロ
グ参照信号発生回路18、およびアナログローパスフィ
ルタ11を付加したものである。図16は、本発明の第
4の実施例における単一信号の処理構成を示すブロック
図である。図16において、25は図15のアナログ混
合器14に対応するアナログ乗算器、13は図15のア
ナログローパスフィルタ11に対応するアナログローパ
スフィルタ、26は図15のディタル混合器16、17
に対応するディジタル乗算器であり、90度位相の異な
る参照信号を用いて乗算を行う。また、1は複素乗算用
のディジタル加算器である。さらに、22は累加用ディ
ジタル加算器、10はディタル加算器22の加算結果の
一時記憶器であって、図15の累加加算用ディジタル加
算器4に対応する。第3の実施例と同様に、各制御信号
(ADC、RSC)の時間関係は図12に示す通りであ
り、変換指令ADC、累加出力指令RSC等は、送波信
号と同期させることにより雑音が抑圧される。また、第
3の実施例と同様に、図15においてディジタル参照信
号発生回路21、ディジタル遅延制御回路9の発生する
制御データを時間と共に変化させることにより、焦点位
置を連続的に移動させることも可能である。図17は、
本発明の第4の実施例における単一信号の他の処理構成
を示すブロック図である。本実施例では、図13に示す
構成と同様に、図16に示した累加用のディジタル加算
器22と一時記憶器10との間に、ディジタル重み付け
手段24を配置し、加算時に各データに異なる重みを付
けるように構成する。図13の場合と同様に、各制御信
号の時間関係は図14に示す通りとなるので、ディジタ
ル重み付け手段24で個々に重み付けされたディジタル
データが加算、出力される。
【0016】〔第5の実施例〕次に、図13に示したデ
ィジタル混合器17以降の処理を並列に保有する構成に
ついて述べる。図18は、本発明の第5の実施例におけ
る超音波信号処理装置のブロック構成図である。図18
において、各符号は図10で使用したものと同様である
が、図10と異なる点はブロック121〜123の各々
がディジタル混合器17、ディジタル遅延回路7、ディ
タル加算器3を備え、並列に構成されることである。さ
らに、a1〜a3はブロック121からの出力、b1、
b2はブロック122からの出力、c1、c2はブロッ
ク123からの出力であり、それぞれのブロックで形成
される超音波のビームに相当する信号値を示している。
このように、累加用ディジタル加算器4以降に3つの遅
延加算部分を並列に設けることにより、時分割方式で3
つの異なる方向の受信ビームを形成することができる。
【0017】〔第6の実施例〕図19は、本発明の第6
の実施例における超音波信号処理装置のブロック構成図
である。本実施例は、基本的には図18に示す第5の実
施例の構成に、第8図に示すアナログ混合器14、アナ
ログ参照信号発生回路18、およびアナログローパスフ
ィルタ11を付加したものである。 〔第7の実施例〕次に、オーバーサンプリング処理後の
信号を全て記憶して、ボケ修正を行う構成について述べ
る。図20は、本発明の第7の実施例における超音波信
号処理装置のブロック構成図である。図20において、
12は、累加用ディジタル加算器4とディジタル混合器
17の間に配置されたディジタル信号記憶部であって、
第7の実施例における特徴的な構成部である。このディ
ジタル信号記憶部12は、適応像再生によりボケ修正を
行う場合に必要なデータを効率的に記憶する。オーバー
サンプリング処理後の信号には、受信信号の帯域内の全
ての情報が周波数移動により低い周波数域で保存されて
いるため、信号の記憶データ数は圧縮されている。この
データをもとに、ディジタル混合器17による信号の位
相補正と、それと相補的に行うディジタル遅延回路7に
よる時間移動により、撮像対象の状況に応じた整相方法
を実現することができる。これによって、たとえば被検
体内の音速が場所により少しずつ変化することを想定し
て、受信素子毎に与える遅延時間τnを変更することが
可能である。
【0018】〔第8の実施例〕図21は、本発明の第8
の実施例における超音波信号処理装置のブロック構成図
であり、図22は、各実施例における累加加算を実現す
る他の構成例を示す図である。本実施例の構成は、基本
的には図20に示す第7の実施例の構成に、第8図に示
すアナログ混合器14、アナログ参照信号発生回路1
8、およびアナログローパスフィルタ11を付加したも
のである。以上説明した第2、4、6、8の実施例で
は、第1、3、5、7の実施例に比較して、さらに中心
周波数の高い超音波信号を扱うアナログ−ディジタル変
換器の構成を簡易に実現することができる。なお、以上
説明した各実施例では、簡単のためにアナログ周波数移
動後の受信信号とディジタル参照信号の周波数を一致さ
せたが、これに限定されるものではなく、ディジタル参
照信号の周波数を時間とともに変化させる構成にするこ
とも可能である。また、累加加算器4の構成は、これま
でに示した構成以外にも加算による積分効果を有するも
のであれば種々考えられる。例えば、図22のように、
各データに対して必要な重み付けが、高い自由度で実現
できるものでもよい。図22において、310〜31
k、340〜34mは加算器であり、320〜32k、
330〜33m、370〜37rは単位遅延手段、35
0〜35k、360〜36(m+1)は乗算器、380
〜38(r+1)はゲートである。各乗算器の係数は固
定のものでもよいのは勿論のこと、目的に合わせて図示
しない記憶手段から読み出したものでもよい。なお、図
22において、k、m、rは目的の構成および規模で決
まる負数でない整数である。この構成により、フィード
バック部22Aあるいはフィードフォワード部22Bを
利用して、所望の周波数特性を有する積分回路を組むこ
とができる。更に、出力タイミング制御部22Cにより
所望の時間間隔と時間的オフセットを制御することがで
きる。22A、22B、22Cは、必要に応じてその規
模あるいは有無を選択する。また、図22と同じ機能の
構成であれば、図示した構成以外にも数多くの構成例が
適用できるのは勿論である。
【0019】また、上記各実施例において必要に応じて
ディジタル遅延回路7とディジタル混合器17の従属関
係を逆転した構成にすることもできる。また、上記実施
例では、アナログ混合器14、ディジタル混合器15、
16、17における参照信号の振幅を1にしたが、決し
てこれに限定さるものではなく、参照信号の振幅を素子
ごとに変え、受信信号の重み付けを行うことも可能であ
る。本発明の信号処理装置は、受信信号を低周波へ移動
した後の累加処理を実現したもので、オーバーサンプリ
ング処理が有効に作用し、アナログ−ディジタル変換器
の構成が簡単となるため、超音波装置に限らず種々の装
置に適用することができる。すなわち、本発明の最上位
概念は、アナログ信号を受信し、これをディジタル化す
るような信号処理装置において、ディジタル化により得
られたディジタル信号を所定周波数の参照信号と混合処
理して低周波信号に変換した後、変換された複数の信号
を累加処理することを特徴とする。さらに、上記各処理
に加えて、アナログ受信信号と所定周波数のアナログ参
照信号とを乗算することにより信号波形を変換した後、
フィルタ手段により変換された信号波形の低周波成分を
通過させることも特徴としている。なお、以上説明した
各実施例において、ディジタル参照信号発生回路、ディ
ジタル遅延回路、ディジタル遅延制御回路、ディジタル
加算器、ディジタル混合器等のディジタル回路手段は、
それぞれ対応するアナログ回路手段、A/D及び/又は
D/A、その他の回路手段の組合せで構成することが可
能なことは言うまでもない。
【0020】
【効果】以上説明したように、本発明によれば、超音波
信号を低周波へ移動した後に累加算処理することによっ
て、オーバサンプリング処理が有効に作用し、アナログ
−ディジタル変換の実効精度を大幅に向上させる。これ
により、中心周波数の高いディジタル式超音波装置にお
けるアナログ−ディジタル変換器の構成を簡易にするこ
とができるので、コストの低減に役立つ。特に、中心周
波数の高い超音波信号をアナログ処理で低周波へ移動し
てディジタル化した後、さらにディジタル処理で低周波
へ移動して累加加算処理することにより、オーバーサン
プリング処理が有効に作用するので、アナログ−ディジ
タル変換の精度を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す超音波信号処理装
置のブロック構成図である。
【図2】従来の周波数移動整相法を適用したアナログ式
超音波信号処理装置の構成図である。
【図3】図2の超音波信号処理装置をディジタル化した
場合の構成図である。
【図4】図3の超音波受信装置にオーバサンプリング手
法を適用した場合の構成図である。
【図5】従来の超音波信号処理装置で得られる超音波波
形を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例の超音波信号処理装置で
得られる超音波波形を示す図である。
【図7】本発明の受信信号の周波数移動法を説明する図
である。
【図8】本発明の第2の実施例の超音波信号処理装置の
構成図である。
【図9】本発明における受信信号のスペクトルがアナロ
グミキシングにより変化する状態を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施例の超音波信号処理装置
の構成図である。
【図11】本発明の第3の実施例における単一信号の処
理構成を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施例における制御信号のタ
イミングを示す図である。
【図13】本発明の第3の実施例における単一信号の他
の処理構成を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施例における制御信号のタ
イミングを示す図である。
【図15】本発明の第4の実施例における超音波信号処
理装置の構成図である。
【図16】本発明の第4の実施例における単一信号の処
理構成を示す図である。
【図17】本発明の第4の実施例における単一信号の他
の処理構成を示す図である。
【図18】本発明の第5の実施例における超音波信号処
理装置の構成図である。
【図19】本発明の第6の実施例における超音波信号処
理装置の構成図である。
【図20】本発明の第7の実施例における超音波信号処
理装置の構成図である。
【図21】本発明の第8の実施例における超音波信号処
理装置の構成図である。
【図22】本発明の各実施例における累加加算を実現す
る他の構成図を示す。
【符号の説明】
1、3、22…ディジタル加算器、 2…アナログ加算器、 4…累加用ディジタル加算器、 5…アナログ−ディジタル変換器、 6…アナログ遅延回路、 7…ディジタル遅延回路、 8…アナログ遅延制御回路、 9…ディジタル遅延制御回路、 10…ディジタルデータ一時記憶器、 11、13…アナログローパスフィルタ、 12…ディジタル信号記憶部、 14…アナログ混合器、 15、16、17…ディジタル混合器、 18…アナログ参照信号発生回路、 19、20、21…ディジタル参照信号発生回路、 23…送受波器、 24…ディジタル重み付け手段、 25…アナログ乗算器、 26…ディジタル乗算器、 121、122、123…ディジタル混合器、ディジタ
ル遅延回路、ディジタル加算器から構成された回路ブロ
ック、 310〜31k、340〜34m…加算器、 320〜32k、330〜33m、370〜37r…単
位遅延手段、 350〜35k、360〜36(m+1)…乗算器、 380〜38(r+1)…ゲート、 22A…フイードバック部、 22B…フイードフォワード部、 22C…出力タイミング制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠村 隆一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 石川 静夫 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 佐藤 裕 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 株式会社日立メディコ内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 8/00 - 8/15 G01N 29/00 - 29/28

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波を検査対象に放射した後、該検査
    対象からの反射波を配列受波素子群で受信し、受信信号
    相互の遅延時間を調節して受信ビームの方向を変化さ
    せ、検出した検査対象を映像化する超音波信号処理装置
    において、 前記配列受波素子群で受信した複数のアナログ受信信号
    をディジタル化するディジタル化手段と、該ディジタル
    化手段により得られたディジタル信号と所定周波数の参
    照信号とを乗算することにより信号波形を変換する波形
    変換手段と、該波形変換手段により変換された信号を累
    加処理する累加手段と、該累加手段により累加処理され
    た信号を遅延させる遅延手段と、該遅延手段により遅延
    させた複数の信号を加算する加算手段とを具備すること
    を特徴とする超音波信号処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超音波信号処理装置に
    おいて、前記ディジタル信号の波形変換手段の他に、ア
    ナログ信号の波形変換手段あるいは別個のディジタル信
    号の波形変換手段を具備することを特徴とする超音波信
    号処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の超音波信号処
    理装置において、前記ディジタル信号の波形変換手段と
    して第1及び第2の波形変換手段を具備し、前記第1の
    波形変換手段の出力端が前記累加手段の入力端に接続さ
    れ、前記累加手段の出力端に前記第2の波形変換手段の
    入力端が接続されることを特徴とする超音波信号処理装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3に記載の超音波信
    号処理装置において、前記ディジタル信号の波形変換手
    段として第1及び第2の波形変換手段を具備し、前記第
    1の波形変換手段の出力端が前記累加手段の入力端に接
    続され、前記第2の波形変換手段、前記遅延手段及び前
    記加算手段からなる回路手段が複数個並列に前記累加手
    段の出力端に接続されることを特徴とする超音波信号処
    理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の超音波信号処理装置に
    おいて、前記累加手段により累加処理された信号を記憶
    する記憶手段を具備することを特徴とする超音波信号処
    理装置。
  6. 【請求項6】 超音波を検査対象に放射した後、該検査
    対象からの反射波を配列受波素子群で受信し、受信信号
    相互の遅延時間を調節して受信ビームの方向を変化さ
    せ、検出した検査対象を映像化する超音波信号処理装置
    において、 前記配列受波素子群で受信した複数のアナログ受信信号
    と所定周波数のアナログ参照信号とを乗算することによ
    り信号波形を変換するアナログ波形変換手段と、該アナ
    ログ波形変換手段により変換された信号波形の低周波成
    分を通過させるフイルタ手段と、該フイルタ手段の出力
    信号をディジタル化するディジタル化手段と、該ディジ
    タル化手段により得られたディジタル信号と所定周波数
    の参照信号とを乗算することにより信号波形を変換する
    ディジタル波形変換手段と、該ディジタル波形変換手段
    により変換された信号を累加処理する累加手段と、該累
    加手段により累加処理された信号を遅延させる遅延手段
    と、該遅延手段により遅延させた複数の信号を加算する
    加算手段とを具備することを特徴とする超音波信号処理
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の超音波信号処理装置に
    おいて、前記ディジタル波形変換手段を複数個有するこ
    とを特徴とする超音波信号処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の超音波信号処理装置に
    おいて、前記ディジタル波形変換手段として第1及び第
    2のディジタル波形変換手段を有し、前記第1のディジ
    タル波形変換手段の出力端が前記累加手段の入力端に接
    続され、前記累加手段の出力端に前記第2のディジタル
    波形変換手段の入力端が接続されることを特徴とする超
    音波信号処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の超音波信号処理装置に
    おいて、前記ディジタル波形変換手段として第1及び第
    2のディジタル波形変換手段を有し、前記第1のディジ
    タル波形変換手段の出力端が前記累加手段の入力端に接
    続され、前記第2のディジタル波形変換手段、前記遅延
    手段及び前記加算手段からなる回路手段が複数個並列に
    前記累加手段の出力端に接続されることを特徴とする超
    音波信号処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載の超音波信号処理装置
    において、前記累加手段により得られた信号を記憶する
    記憶手段を具備することを特徴とする超音波信号処理装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項6に記載の超音波信号処理装置
    において、前記累加手段は、前記ディジタル波形変換手
    段の出力の低周波成分が示す送信信号の包絡線のバンド
    幅をBW、前記ディジタル化手段のサンプル周波数をA
    DFQ、累加回数をCOUNTとするとき、 COUNT≦(ADFQ/BW) となるように、ディジタル変換された信号を累加処理す
    る手段であることを特徴とする超音波信号処理装置。
  12. 【請求項12】 請求項6に記載の超音波信号処理装置
    において、前記アナログ波形変換手段は、前記参照信号
    の周波数をωa、前記受信信号の中心周波数をωS、前記
    ディジタル波形変換手段の出力の低周波成分が示す送信
    信号の包絡線のバンド幅をBWとするとき、 ωa≦ωS−(BW/2) となるように設定された参照信号と前記受信信号とを乗
    算する手段であることを特徴とする記載の超音波信号処
    理装置。
  13. 【請求項13】 アナログ信号を受信する受信手段およ
    び該受信手段により得られたアナログ受信信号をディジ
    タル化するディジタル化手段を備えた信号処理装置にお
    いて、 前記ディジタル化手段により得られたディジタル信号を
    所定周波数の参照信号と混合処理して低周波信号に変換
    する波形変換手段と、該波形変換手段により変換された
    複数の信号を累加処理する累加手段とを具備することを
    特徴とする信号処理装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の信号処理装置にお
    いて、前記ディジタル波形変換手段と累加手段の他に、
    前記アナログ受信信号と所定周波数のアナログ参照信号
    とを乗算することにより信号波形を変換するアナログ波
    形変換手段と、該アナログ波形変換手段により変換され
    た信号波形の低周波成分を通過させるフイルタ手段とを
    さらに具備することを特徴とする信号処理装置。
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