JP3600994B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波により物体を非破壊検査する装置、または、医療診断に用いる超音波装置等の信号処理に好適な装置に関し、特にディジタル化に適した超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の超音波受信装置は、アナログ遅延手段,加算器等から構成されており、超音波を検査対象へ送波した後、図12に示す如く、検査対象からの反射波が、配列された複数の超音波振動子104で受信され、各々の受信信号が受信処理手段132に入力され、各超音波振動子が受信した受信信号の相互の遅延時間差が調節され、受信処理手段132の出力が加算手段105により加算され、受信ビームを形成する受信ビーム形成手段129により受信ビーム131が形成され、送信ビーム130および受信ビーム131を電気的に走査して検査対象の断層像を得ている。なお、図12は模式図であり、送信ビームの指向性を130で、受信ビームの方向を131で示しているものである。
上述の受信ビームの形成の過程において、良好な受信ビームを形成するためには、受信処理手段132の遅延精度を高める必要があり、このため、ディジタル化により、アナログ回路の不具合(部品バラツキ,温度ドリフト,飽和等)を解消する試みが、種々なされている。しかし、単純にディジタル化する場合、1MHz〜20MHz程度の周波数の超音波を使用する医用超音波装置では、100MHz以上の高速のADC(アナログ−ディジタル変換器)が必要であり、低速のADCで実現する方法も考案されてきている。
【0003】
その一例として、本出願人が特開平6−313764号「超音波信号処理装置」により提案した装置がある。この装置は、受信信号をディジタル化し、ディジタル化された受信信号と、受信信号の中心周波数を持ちかつ90°位相差を有する2つの参照信号とを乗算して、受信信号を複素信号に変換し低周波成分を取り出し、隣接する素子(超音波振動子)で得る信号の間の位相差を位相回転により補正し、更に時間遅延している。
また、特開平4−223289号公報には、受信信号をディジタル化し、このディジタル化された受信信号と受信信号の中心周波数を持ちかつ90°位相差を有する2つの参照信号とを乗算して、複素信号に変換し低周波成分を取り出し、隣接素子で得る信号の間の時間差を時間遅延により遅延し、更に、位相回転する方法が記載されている。
また、特開平2−4355号公報には、受信信号を並列に設けたADCでディジタル化し、ディジタル化された信号を復調器で低周波化し、複数並列に配置した各位相回転回路により別々の位相を、低周波化された信号に与え、異なる方向への受信ビームを同時に形成する、いわゆる受信複ビームを形成する方法が記載されている。なお、ここで受信複ビームとは、図13に示すように、ある方向へ送波ビーム130を形成し、同時に異なったa方向とb方向での受信ビーム131aと131bとを形成することを言う。なお、複数とは2本とは限らない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、受信複ビームを形成するために、図13に示す如く、受波ビーム形成手段129が複数並列に必要であった。また、方式によっては、受波処理手段の途中から、遅延処理手段が複数回路必要であった。
このため、上記従来技術では、受信複ビームを形成するために複数回路を必要とし回路規模が増大するという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その第一の目的は、従来の技術における上述の如き問題を解消し、ディジタル方式における受信複ビーム形成に好適な超音波診断装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、超音波振動子(素子)で受信された受信信号を処理するために、複数の信号処理回路を用いずに受信複ビームを形成できる超音波診断装置を提供し、回路規模の低減を可能とすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る超音波診断装置は、反射超音波信号を受信する複数の超音波振動子と、前記各超音波振動子により得た受信信号を、前記受信信号の帯域の最高周波数のナイキスト周波数より十分高い周波数のサンブリングクロックによりサンプリングの周期を設定し、前記受信信号をサンプリングしてディジタル化するディジタル化手段と、該ディジタル化手段により得られたディジタル受信信号と所定周波数の参照信号とを乗算して前記ディジタル受信信号を複素化し、前記ディジタル受信信号の周波数を移動させる、前記各ディジタル化手段に1対1で接続される第1の波形変換手段と、前記第1の波形変換手段により変換された受信信号を前記サンプリングの周期より十分長い時間長について累加処理して累加信号を得る、前記各第1の波形変換手段に1対1で接続される累加処理手段と、前記累加信号を、1つの方向の超音波ビームに対して前記サンプリングクロックより低いクロック周波数で処理して、複数方向の受信超音波ビームを時分割処理により形成するための遅延処理を行う、前記各累加処理手段に1対1で接続される複数方向遅延処理手段と、前記各複数方向遅延処理手段の出力を加算する加算手段とを有し、1回の超音波の送波の後、前記各超音波振動子により得た前記受信信号から、複数の前記超音波受信ビームを形成する処理を行うことに特徴を有する。
また、上述の超音波診断装置において、隣接する前記超音波振動子に1対1で対応する前記複数方向遅延処理手段の出力の間の位相の差を検出する手段を具備し、前記各複数方向遅延処理手段を制御し、前記位相の差をほぼゼロとする受信超音波ビームを形成するビーム形成制御手段を有することに特徴がある。
【0006】
また、本発明の超音波診断装置は、反射超音波信号を受信する複数の超音波振動子と、前記各超音波振動子により得た受信信号を、前記受信信号の帯域の最高周波数のナイキスト周波数より十分高い周波数のサンプリングクロックによりサンプリングの周期を設定し、前記受信信号をサンプリングしてディジタル化するディジタル化手段と、前記ディジタル化手段により得られたディジタル受信信号と所定周波数の90°位相差をもつ2つの参照信号とを乗算して前記ディジタル受信信号を複素化し、前記ディジタル受信信号の周波数を移動させる、前記各ディジタル化手段に1対1で接続される第1の波形変換手段と、前記第1の波形変換手段により変換された受信信号を前記サンプリングの周期より十分長い時間長について累加処理して累加信号を得る、前記各第1の波形変換手段に1対1で接続される累加処理手段と、前記累加信号を一時的に記憶する、前記各累加処理手段に1対1で接続される一時記憶手段と、前記一時記憶手段からの前記累加信号の出力を制御する一時記憶制御手段と、前記一時記憶手段から出力された前記累加信号に位相回転を付与する、前記各一時記憶手段に1対1で接続される第2の波形変換手段と、前記各超音波振動子と目的フォーカス位置との間の距離差による超音波の伝搬時間差を補正するために、前記第2の波形変換手段の出力に遅延時間を付与する、前記各第2の波形変換手段に1対1で接続される遅延手段と、前記各遅延手段の出力を加算する加算手段と、前記加算手段の出力を包絡線信号に変換する手段とを有し、前記一時記憶制御手段は、1回の超音波の送波に対応して、複数の異なる方向の受信超音波ビームを形成するために、前記一時記憶手段からの前記累加信号の出力を制御して、前記受信超音波ビームを形成する処理を時分割処理により行い、複数方向の超音波ビームを形成する処理を行うことに特徴を有する。
また、上述の超音波診断装置において、隣接する前記超音波振動子に1対1で対応する前記遅延手段の出力の間の位相の差を検出する手段を具備し、前記各一時記憶手段,前記各第2の波形変換手段および前記各遅延手段とを制御し、前記位相の差をほぼゼロとする受信超音波ビームを形成するビーム形成制御手段を有することに特徴がある。
【0007】
更に、本発明の超音波診断装置は、反射超音波信号を受信する複数の超音波振動子と、前記各超音波振動子により得た受信信号を、前記受信信号の帯域の最高周波数のナイキスト周波数より十分高い周波数のサンプリングクロックによりサンプリングの周期を設定し、前記受信信号をサンプリングしてディジタル化するディジタル化手段と、前記ディジタル化手段により得られたディジタル受信信号と所定周波数の90°位相差をもつ2つの参照信号とを乗算して前記ディジタル受信信号を複素化し、前記ディジタル受信信号の周波数を移動させる、前記各ディジタル化手段に1対1で接続される第1の波形変換手段と、前記第1の波形変換手段により変換された受信信号を前記サンプリングの周期より十分長い時間長について累加処理して累加信号を得る、前記各第1の波形変換手段に1対1で接続される累加処理手段と、1回の超音波の送波に対する複数の異なる方向の受信超音波ビームを形成するために、前記各超音波振動子と目的フォーカス位置との間の距離差による超音波の伝搬時間差を補正して、時分割処理により前記異なる方向の受信超音波ビームを形成するための遅延時間を前記累加信号に付与する、前記累加処理手段に1対1で接続される遅延手段と、前記遅延手段の出力に位相回転を付与する、前記各遅延手段に1対1で接続される第2の波形変換手段と、前記各第2の波形変換手段の出力を加算する加算手段と、前記加算手段の出力を包絡線信号に変換する手段とを有し、1回の超音波の送波の後、前記各超音波振動子により得た前記受信信号から、複数の前記超音波受信ビームを形成する処理を行うことに特徴を有する。
また、上述の超音波診断装置において、前記各第2の波形変換手段の出力に振幅重みを課す手段を有すること、隣接する前記超音波振動子に1対1で対応する前記第2の波形変換手段の出力の間の位相の差を検出する手段を具備し、前記各第2の波形変換手段および前記各遅延手段とを制御し、前記位相の差をほぼゼロとする受信超音波ビームを形成するビーム形成制御手段を有することに特徴がある。
【0008】
なお、以下に、各々の受信信号の帯域の最高周波数に対して、ナイキストのサンプリング周波数より十分高周波数のサンプリングクロックによりサンプリングの周期を設定する例を示す。例えば、十分高周波数のサンプリングクロックを、超音波の中心周波数5MHz、比帯域1.0とすると、帯域の上限の周波数7.5MHzに対するナイキストのサンプリング周波数15MHzに対して十分高い周波数であり、例えば、25MHzである。
また、サンプリングの周期より十分長い時間長につき累加処理する例を、次に示す。サンプリングの周期より十分長い時間長とは、上述の25MHzではサンプリング周期は40nsであるから、2回以上の累加(加算)とすると80ns以上の時間で累加処理することになる。
累加信号を、一つの超音波ビームに対しサンプリングクロックより低い周波数のクロックで受信信号を処理する例を、次に示す。一つの超音波ビームに対し40ns毎に受信信号を信号処理し、時分割により2本の超音波ビームを形成する処理を行う場合、1本の超音波ビームを形成する処理において信号処理する受信信号の時間間隔は80ns(12.5MHzの周波数)となり、25MHzの半分の周波数のクロックで信号処理されることになる。
ベースバンド信号が、最初の受信信号の中心周波数に比べて十分低い周波数に落ちている例を、次に示す。例えば、受信信号の中心周波数5MHz、比帯域1.0とすると、高周波側の信号成分は7.5MHzとなるが、中心周波数5MHzの参照信号を使用してミキシングを行った後に得られるベースバンド信号では、受信信号の5MHzの成分は0MHzへ、7.5MHzの成分は2.5MHzへ、各々低周波数側にシフトし、最初の受信信号の中心周波数に比べて十分低い周波数に落ちている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る超音波診断装置の受信信号処理回路では、ベースバンドに落ちた受信信号のナイキス卜のサンプリング周波数は低周波に落ちるため、一つの受信ビームに対するデータの発生の時間間隔は長くなり、このデータの発生のためのサンプリング周波数が低くできる。このサンプリング周波数が、実際にADCに付与するサンプリング周波数の1/mであるとした場合、一つの受信信号処理回路で時間方向に処理するデータの順番を変更して、時分割でm本のビームデータを処理できる。従って、複数方向遅延処理手段では、一つの受信信号処理回路で時分割処理により複数の受信ビームを形成するための信号処理ができ、受信ビーム形成手段の回路規模を増大せずに複数受信ビームを形成できる。時分割処理は、リサンプリング処理のため折り返しが生じるが、受信ビームへの影響が少なくなるように累加手段およびリサンブリング周波数を設定するものである。
以下、本発明の実施例を図面に基づいてより詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の第1の実施例に係る超音波診断装置の要部構成を示すブロック図である。複数の超音波振動子104によって受信された各々の受信信号は、図示しない増幅器または可変増幅器,アナログフィルタまたは帯域幅の可変なアナログフィルタ等により処理されて、受信処理手段に入力する。ここでは、受信処理手段は、ADC100,第1の波形変換手段(Digital Mixer)101,累加手段102および複数方向遅延処理手段103により構成されている。なお、図1,図2,図7,図8,図9および図11では、説明を簡単化するため、4チャンネルの例を示している。また、信号の流れを示す矢印の交点に黒丸印が付されているものは、同じ信号が同時に供給されることを示しており、交点に黒丸印が付されていないものは、一般に、異なる信号のやり取りが行われることを示している。
【0011】
図1に示す如く構成された受信処理手段に入力された各受信信号は、まず、ADC100により、ディジタル変換される。ADC100に設定されるサンプリングクロックSckは、サンプリング信号発生手段109により発生され、各チャンネルのADC100のサンプリングクロック入力端に共通に入力される。当然ながら、実装の問題から、基板(この基板には 例えば、20チャンネルの受信処理回路が 搭載されている)毎に、サンプリング信号発生手段があっても良い。但し、サンプリングクロックSckは全チャンネルで同期している。
なお、これも当然のことながら、受信処理回路がLSI化され、各チャンネルのLSIからサンプリングクロックを出しても問題ない。ここで、チャンネルとは、同じ受信処理回路が多数並列に配置され、各超音波振動子からの各受信信号が入力され信号処理されるが、一つの受信信号が入力される受信処理回路をチャンネルという。
【0012】
ADCのサンプリング周波数は、受信信号の帯域の最大周波数の2倍以上あれば受信信号を再現できることが知られている。本発明では、更に十分高い周波数で各超音波振動子からの信号をサンプリングする。次に、サンプリングされた受信信号は、第1の波形変換手段101に入力され、ディジタル参照信号発生手段110からの ディジタル参照信号(中心周波数ω)と乗算され、受信信号の波形が、差周波数成分と和周波数成分とからなる複素信号に変換される。
ディジタル参照信号発生手段110からのディジタル参照信号も、各チャンネルに共通に入力される。第1の波形変換手段101の具体例を、図4に示す。
図4に示す例では、ADC100でmビットに変換された受信信号を2つに分けて、ディジタル乗算器112により片方にcos(ωt)を、ディジタル乗算器113により他方にsin(ωt)を乗算する。ここで、ωは受信信号の中心周波数である。図4に示す信号処理により、受信信号は複素信号に変換され、この複素信号は差周波数成分(差周波数ω−ω=0)であるベースバンドの信号成分と、和周波数成分(和周波数ω+ω=2ω)とからなる。図4に示す出力信号(虚部および実部信号)を累加手段102に入力する。
【0013】
図10に示す如く、ベースバンドの信号成分は、最初の受信信号の中心周波数に比べて十分低い周波数に落ちているため、ADCのサンプリング周波数と同じサンプリング周波数でも、ベースバンドに対してナイキストのサンプリング周波数を十分満たしたサンプリング(オーバサンプリング)となり、時系列にサンプリングされた受信信号の加算(累加)ができる。
累加手段の具体例を、図5に示す。
(m+4)ビットで入力した複素の受信信号を、それぞれラッチ114で順次保持し、加算器115により、図4に示す回路の出力信号の順次連続する3データを加算する。ADCに最大振幅が入力していると当然ビット数が増え、(m+6)ビットとなる。受信信号の加算により、量子化雑音や入力雑音の白色雑音は相殺され、信号はほぼ3倍になり、雑音は√3倍となるので、S/Nは3dB向上する。累加手段における加算の回数COUNTは、サンプリング周波数fと受信周波数の帯域幅BWにより決まり、
COUNT≦(f/BW) (1)
となる。上の式(1)の条件を満足すれば、受信信号の包絡線が再現される。
【0014】
図5に示す構成は、連続する3つの受信信号を順次加算して出力するため矩形重みのフィルタ特性をもつ累加手段の構成例である。和周波数成分の不要周波数成分を低減するために、図5の構成を直列に2段設けて、受信信号の加算(累加)において三角重みを付与すること、加算回数を前段,後段で調整して、台形重みとすること等の種々の方法が考えられる。いずれの方法でも加算器のみの構成により、各種の重みの付与を実現できる。
図1中の第1の波形変換手段(ディジタル乗算器)101の出力データを、Di(iはサンプリングクロック信号の番号)で表わすと、
Figure 0003600994
となる。Diの係数は、1,2,3,2,1と三角重みを表わしている。
【0015】
図5に示す如き構成の累加手段により、受信信号のベースバンド信号が得られる。このベースバンド信号を用いて種々の遅延処理を行う。ここでは、複数方向遅延処理手段103により目的フォーカス位置と各超音波振動子と間の距離差を超音波が伝搬する時間差を時間,位相等で補正し、反射超音波の波面を合わせて加算手段105により、各超音波振動子による受信信号を加算して、包絡線変換手段106により受信信号の包絡線を求め受信ビームを形成する信号として、受信ビーム方向を変化させて受信ビームを形成する信号処理を順次繰り返して受信ビームを走査し、DSC(ディジタルスキャンコンバータ)107により表示手段108に表示する。
上述の如き基本構成を有する超音波診断装置における信号処理装置によれば、ディジタル方式における受信複ビーム形成に好適な装置を実現できる。
【0016】
図2に、本発明の第2の実施例に係る超音波診断装置の特徴的構成部分である複数方向遅延処理手段103の構成例を示す。本構成例は、累加手段102により処理された受信信号を、一旦、一時記憶手段117に記憶し、一時記憶制御手段120により同じ受信信号Riを複数の受信ビームの形成に使用するために保存しておき、受信ビームの形成に必要な受信信号Riを一時記録手段から出力し、受信複ビームを時系列で形成処理を行う例である。以下、図2に示した実施例に係る複数ビーム形成のシーケンスを説明する。図3が、1回の超音波の送波の後、受信口径を形成する各超音波振動子により得る受信信号から複数の超音波受信ビームを形成する処理を行い、異なる2方向に受信ビームを形成するシーケンス例を示す図である。図3では、第4チャンネルを例にとって、各処理手段の出力のタイミングを示しているが、他のチャンネルについても同様である。
【0017】
図2のH点(ADCのサンプリングクロック)に、サンプリングクロックSck信号が出力される。サンプリングクロックSckの立上り(矢印)の時点でADCはサンプリング動作する。全体のシステムは、サンプリングクロックSckと同期したシステムクロックで動作する。矢印の時点で受信信号がADCによりサンプリングされ、第1の波形変換手段(Digital Mixer)101により ベースバンドと和周波数成分に変換された信号を、D1,D2,D3,・・・・(各々は、振幅がサンプリングクロック信号の立上り毎に量子化された受信信号で、図4の例では、ベースバンドと和周波数成分に変換された信号Diは (m+4)ビットの振幅である)と表わすと、累加手段102により、例えば、図5の構成の場合は、累加手段102の出力Bは、(D1+D2+D3)=R1,(D2+D3+D4)=R2,・・・・となり、サンプリングクロック信号の3個で加算される受信信号Diがそろい、加算され加算結果が出力される。
【0018】
累加処理手段の出力R1,R2,R3,・・・,Ri,・・・は、和周波数成分がフィルタリングにより抑圧される結果、実質的にベースバンド信号となっている。このベースバンド信号は一時記憶手段117に記憶される。ここでシステムクロック信号の1個おきに、別の方向に各々受信ビームを形成することを考える。例えば、偶数番目でa方向の受信ビーム(aビーム)を、奇数番目でb方向の受信ビーム(bビーム)を、各々形成する。
基準チャンネル(ここでは基準チャンネルを、受波口径を構成する複数チャンネルのうちの中心チャンネルとする)のaビームの1番目の受信信号と加算すべき受信信号がR2、基準チャンネルの次の受信信号がbビーム用の1番目の受信信号であり、このbビーム用の1番目の受信信号に加算すべき受信信号がR1であるとする。ここで累加手段102の出力の受信信号の並びに対して、ビーム形成に使用する受信信号の順番がR2,R1と逆転する。
【0019】
そのため、一時記憶手段117に、一旦、累加手段の出力信号を記憶し、例えば、4番目のシステムクロック信号で一時記憶手段117からR2の受信信号を読み出し、次のシステムクロック信号でR1の受信信号を読み出すことにより、受信ビームを形成するために必要な受信信号を必要な順番に一時記憶手段117から取り出す。
一時記憶手段117から出力された受信信号に、位相補正信号発生手段121により、データR2にはフォーカス一段目のaビーム形成用の位相補正データaF1を付与する。このように、各方向の受信ビームの形成に必要な信号処理を行い、データRiを一時記憶手段117から順次出力して、各チャンネルの信号の順番,信号の遅延を補正した順番を保持して加算手段105により加算し、包絡線変換手段106により包絡線を求め、最後にDSC107により時分割で得た複数受信ビームを同時に表示部108に画像表示する。
【0020】
図2,図3に示す如く、累加処理手段102の出力Cの出力順番に対し、一時記憶手段117の出力がR2,R1,R4,・・・・と出力順番が変更されて出力され、位相補正信号発生手段121により、R2にはフォーカス1段目のaビーム形成用の位相補正データaF1を与える。
次のR1には、フォーカス1段目の、bビームの位相補正データbF1を与える。第2の波形変換手段118によって位相回転が処理され、aビームの1番目の受信信号a1,bビームの1番目の受信信号b1,aビームの2番目の受信信号a2,と以下、順に出力される。この出力された受信信号は、順にメモリの如き遅延手段119に書き込まれる。遅延時間処理を行う際の基準となるチャンネルの遅延手段の受信信号の出力に合わせて、a1,b1,a2,・・・・の受信信号を遅延手段119から読み出すことにより時間遅延を付与できる。
【0021】
例えば、図3では、システムクロックの2個分の時間の遅延を受信信号に与えた例であり、遅延手段119の出力は、基準チャンネル(第2チャンネル)のaビームを形成する受信信号1番目であるa1が、6番目のサンプリングクロック信号の出力時点で出力されているので、これまで説明してきた本チャンネル、つまり第4チャンネルではaビームを形成する受信信号の1番目であるa1も、6番目のサンプリングクロック信号の出力時点で出力され、基準チャンネル、つまり第2チャンネルの出力a1と加算される。
従って、2クロック遅らせて遅延手段から出力することで、2クロックに時間遅延が実現できることがわかる。ここで、フォーカス段とは、フォーカス距離をダイナミックに変えて全深度で良好なフォーカスを得るために、時間とともにフォーカスデータ(遅延手段(メモリ)から読み出したデータ,位相回転のデータ)を変えており、同じフォーカスデータの区間を「段」と定義する。
【0022】
このように、複数方向遅延処理手段103は、サンプリングされた受信信号を時分割で処理し、受信複ビームを形成するための受信信号を出力する。出力されたデータを加算手段105によって、受波口径を構成する全チャンネルについて加算し、以下、上と同じ信号処理内容を繰り返す。このようにして得られた複数受信ビームを表わす信号は、DSCに一旦記憶しておき、これを複数受信ビームとして表示手段に同時に表示する。
上述の如き構成を有する超音波診断装置における信号処理装置によっても、ディジタル方式における受信複ビーム形成に好適な装置を実現できる。
また、パソコンによって信号制御処理,信号処理を行う超音波診断装置では、受信ビームの形成を行う処理,DSCの処理内容を、ディジタル処理する。
以下、これについて説明する。
【0023】
図3に示すシーケンスは、LSIの回路動作速度の制限からラッチ等によりタイミング調整を普通は行うが、原理説明のために、理想動作で示している。ところで、一つの受信ビームを形成する受信信号のデータの形成の周期を見ると、例えば、aビームのデータは、a1,a2,a3であるが、データの形成の周期はSckの2クロックで、ADCのサンプリング周期の2倍になっており、一つの受信ビームを形成する信号処理速度が低い周波数になっていることがわかる。
図6に、第2の波形変換手段118の構成例を示す。入力信号(実部,虚部)に対し位相回転量φが 90°ずれた位相信号(cosφ,sinφ)を、乗算器により入力複素信号の各々に乗算し、加算器115により2つの乗算器の出力を加算して位相回転を行う。このときの位相回転量のデータは、図2の位相補正信号発生部121から、位相回転量が各チャンネル毎に入力される。
【0024】
図3で説明すると、前述の如く、一つの受信ビームはダイナミックにフォーカスされるが、4個のサンプリングクロック信号の出力時点毎でフォーカス位置が切り替わるとし、フォーカス段をF1,F2,・・・・とする。
aF1とは、aビームのフォーカス1段目のデータを意味する。4個目のサンプリングクロック信号の出力時点では、位相回転データはaF1、5個目のサンプリングクロック信号の出力時点では、bビームのフォーカス1段目でbF1、6個目のサンプリングクロック信号の出力時点では、aビームのフォーカス1段目でaF1、7個目のサンプリングクロック信号の出力時点では、bビームのフォーカス1段目でbF1、8個目のサンプリングクロック信号の出力時点では、フォーカス位置が切り替わり、aビームのフォーカス2段目でaF2というように、位相回転に用いるフォーカスデータが変更され制御される。
【0025】
次に、本発明の第3の実施例に係る超音波診断理装置について説明する。図7は、複数方向遅延処理手段103の他の構成例を示しており、遅延手段119を第2の波形変換手段118の前段に設けた点に特徴を有する例である。また、図14は、図7に示す構成によって、1回の超音波の送波の後、受信口径を形成する各超音波振動子により得る受信信号から複数の超音波受信ビームを形成する処理を行い、異なる方向に受信ビームを形成するためのシーケンスを示している。表記の方法は、図3と同じである。図14では、第4チャンネルを例にとって各処理手段の出力のタイミングを示しているが、他のチャンネルについても同様である。図14に示すように、累加手段の出力を遅延させ、受信複ビームを形成する受信信号の選択を行い、第2の波形変換手段に出力する。
【0026】
累加処理手段の出力R1,R2,R3,・・・,Ri,・・・は、遅延手段(メモリ)119に記憶される。遅延手段(メモリ)119からのデータの読み出し時に基準チャンネル(第2チャンネル)との遅延時間を補正して、更に、システムクロックSckの偶数番目でa方向の受信ビーム(aビーム)を、奇数番目でb方向の受信ビーム(bビーム)を形成する。
基準チャンネル(第2チャンネル)に対して、aビームでは2個のシステムクロック分の時間遅延、bビームでは4個のシステムクロック分の時間遅延が、各々必要な場合、図14のように、aビームではR2を2個のシステムクロック分の時間だけ遅らせて読み出し、bビームではR1を4個のシステムクロック分の時間だけ遅らせて読み出し、各々の受信ビーム毎の遅延を実現する。遅延された信号に位相補正データを乗算して位相補正(位相回転)し、精度の良い遅延処理がなされた結果が順次出力される。
【0027】
遅延手段(メモリ)119から順次出力された受信信号は、各チャンネルの受信ビームの形成順番,加算すべき遅延補正された各チャンネルの受信信号の順番を保持して加算手段105により加算し、包絡線変換手段106により包絡線を求め、最後にDSC107により時分割で得た複数受信ビームを同時に表示部108に画像表示する。このようにして、1回の超音波の送波の後、受信口径を形成する各超音波振動子により得る受信信号から複数の超音波受信ビームを形成する処理を行い、1つのチャンネルで複数の受信ビームを時分割で形成できる。この操作を繰り返し、送受波ビームを走査し画像を得る。なお、遅延手段(メモリ)からのデータの読み出しのタイミングは、遅延制御手段122によって制御される。
【0028】
上述の如き構成を有する超音波診断装置における信号処理装置によれば、遅延手段119を第2の波形変換手段118の前段に設けたことにより、回路規模の低減を可能としつつ、ディジタル方式における受信複ビーム形成に好適な装置を実現できる。次に、図8を参照して、受信信号に重み付けして、超音波ビームの不要応答を減らす、本発明の第4の実施例の構成を説明する。図8に示す実施例に係る装置では、複数方向遅延処理手段103の出力に、重み乗算器124を各チャンネルに配置してある。本実施例に係る超音波診断装置によれば、重みデータ発生手段123により、重み付けデータが各チャンネルに入力され、不要応答の少ない良好な受信ビームが形成される。
【0029】
図9に、本発明の第5の実施例に係る装置の構成を示す。本実施例に係る装置では、予め設定したフォーカスデータに対し、生体内の音速の分布の不均一により生じるフォーカスのボケを補正することを可能とするものである。すなわち、各チャンネルの遅延処理された複素受信信号から、各チャンネル間における位相誤差を、位相乗算または相互相関により位相差を検出する位相誤差検出手段125により求め、受信ビーム形成制御手段111に位相差および位相差により変換された時間差をフィードバックし、受信ビーム形成制御条件を修正して、上述のフォーカスのボケを補正する。なお、この手法は、第1の実施例、第2の実施例、第3の実施例に適用可能である。
【0030】
図11に、本発明の第6の実施例に係る装置の構成を示す。本実施例は、上記の各実施例に係るものであって、ドップラ処理,血流の2次元カラー表示であるCFM(カラー フロー マッピング)処理では、通常、受信信号をベースバンドに落して処理することに鑑みて構成されたものである。本発明の信号処理方法では受信信号をベースバンドに落しているので、そのままMTI(固定物除去フィルタ:呼吸,心臓の動き等による血流以外の臓器等の動きは0周波近辺の低周波であり、アーチファクトとなるので、ハイパスフィルタにより 受信信号の低周波成分を除去する)128を通して、CFM処理手段126,ドプラ(DP)処理手段127により、血流を検出できる。
【0031】
以上、受信複ビーム形成について説明したが、単一受信ビームを形成する場合、累加処理後の信号処理を、1/mのシステムクロックで処理しても良いし、ADCのサンプリングクロックと同じ速度のシステムクロックのまま処理しても構わない。この累加処理後の信号処理の速度の変更は、ビーム形成制御手段の制御データの変更により実現できる。
なお、上記実施例は本発明の一例を示したものであり、本発明はこれに限定されるべきものではないことは言うまでもないことである。
例えば、上記各実施例の説明においては、簡単のために超音波振動子に1対1で受信処理回路(受信チャンネル)が接続される セクタ走査(セクタ走査では、送受波口径は 全超音波振動子により形成される)を、本発明の一例として説明したが、本発明はこれに限定されるべきものではないことは言うまでもない。
【0032】
すなわち、セクタ走査以外に、例えば、リニア,コンベックス等の超音波探触子で、送受波を行う素子(超音波振動子)を選択する機能(送受波口径選択)を必要とする構成の超音波装置にも、上記各実施例に示した装置は同様に適用可能である。
本発明では、受信処理回路の数は受信口径を形成する超音波振動子の数だけあれば、1回の超音波の送波の後、受信口径を形成する各超音波振動子により得る受信信号から複数の超音波受信ビームを形成する処理を行うことができる。
【0033】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した如く、本発明によれば、ディジタル方式における受信複ビーム形成に好適な超音波診断装置、特に、複数の信号処理回路を用いずに受信複ビームを形成可能な超音波診断装置を実現できるという顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係る超音波診断装置の要部構成を示す図である。
【図2】第2の実施例に係る超音波診断装置の要部構成を示す図である。
【図3】第2の実施例のタイムシーケンスチャートである。
【図4】第1の波形変換手段の構成例を示す図である。
【図5】累加手段の構成例を示す図である。
【図6】第2の波形変換手段の構成例を示す図である。
【図7】第3の実施例に係る超音波診断装置の要部構成を示す図である。
【図8】第4の実施例に係る超音波診断装置の要部構成を示す図である。
【図9】第5の実施例に係る超音波診断装置の要部構成を示す図である。
【図10】累加波形図の例を示す図である。
【図11】第6の実施例についての構成図である。
【図12】従来例に係る超音波信号処理装置の要部構成を示す図である。
【図13】従来例に係る超音波信号処理装置の受信複ビーム形成例の説明図である。
【図14】第3の実施例のタイムシーケンスチャートである。
【符号の説明】
100 ADC
101 第1の波形変換手段
102 累加手段
103 複数方向遅延処理手段
104 超音波振動子
105 加算手段
106 包絡線変換手段
107 DSC
108 表示手段
109 サンプリング信号発生手段
110 ディジタル参照信号発生手段
111 ビーム形成制御手段
112,113 ディジタル乗算器
114 ラツチ
115 加算器
116 乗算器
117 一時記憶手段
118 第2の波形変換手段
119 遅延手段
120 一時記憶制御手段
121 位相補正信号発生手段
122 遅延制御手段
123 重み発生手段
124 重み乗算器
125 遅延量,位相量誤差検出手段
126 CFM処理手段
127 DP処理手段
128 MTI
129 受信ビーム形成手段
130 送信ビーム
131a a方向受信ビーム
131b b方向受信ビーム
132 受信処理手段

Claims (7)

  1. 反射超音波信号を受信する受信口径を形成する複数の超音波振動子と、前記受信口径を形成する前記各超音波振動子に1対1で接続される受信信号処理回路と、前記各超音波振動子による受信信号のサンプリングのためのサンプリング信号発生手段と、ディジタル参照信号を発生するディジタル参照信号発生手段と、1回の超音波の送信の後、前記受信口径を形成する前記各超音波振動子による受信信号から、複数方向の超音波受信ビームを時分割処理により形成するための制御を行うビーム形成制御手段と、前記受信信号処理回路の出力を加算する加算手段と、当該加算手段の出力を包絡線信号に変換する手段とを有し、 前記各受信信号処理回路は、前記超音波振動子による受信信号をサンプリングしてディジタル化するディジタル化手段と、当該ディジタル化手段に1対1で接続される第1の波形変換手段であり、当該ディジタル化手段によるディジタル受信信号と所定周波数の90°位相差をもつ2つの前記ディジタル参照信号とを乗算して前記ディジタル受信信号を複素化して前記ディジタル受信信号の周波数を移動させる前記第1の波形変換手段と、当該第1の波形変換手段に1対1で接続される累加処理手段であり、当該第1の波形変換手段により変換された受信信号を前記サンプリングの周期より長い時間長について累加処理して累加信号を得る前記累加処理手段と、当該累加処理手段に1対1で接続される一時記憶手段であり、前記累加信号を一時的に記憶する一時記憶手段と、当該一時記憶手段に1対1で接続される第2の波形変換手段であり、当該一時記憶手段から出力された前記累加信号に位相回転を付与する前記第2の波形変換手段と、当該第2の波形変換手段に1対1で接続される遅延手段であり、当該第2の波形変換手段の出力に遅延時間を付与し、前記超音波振動子と目的フォーカス位置との間の距離差による超音波の伝搬時間差を補正する前記遅延手段とを具備し、前記ビーム形成制御手段は、前記各一時記憶手段からの前記累加信号の出力を制御する一時記憶制御手段と、前記一時記憶手段から出力された前記累加信号に付与する前記位相回転を発生する位相補正信号発生手段と、前記各遅延手段の出力を前記サンプリングの周期の所定の整数倍だけ、時間を遅らせて出力させるように制御する遅延制御手段とを具備し、前記ビーム形成制御手段は、前記一時記憶制御手段、前記位相補正信号発生手段、前記遅延制御手段を制御し、前記各一時記憶手段からの前記累加信号の出力順が制御され、前記各受信信号処理回路からの位相補正、時間遅延された受信信号の出力順が保持され、前記加算手段により加算され、1回の超音波の送波に対応して、前記受信口径を形成する前記各超音波振動子による受信信号から、複数方向の前記超音波受信ビームを時分割処理により形成することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記各受信信号処理回路で遅延処理された受信信号の間の位相差を検出する位相差検出手段を有し、前記ビーム形成制御手段に、前記位相差および前記位相差により変換された時間差をフィードバックして、前記超音波受信ビームの形成条件を修正して、予め設定したフォーカスデータに対し、生体内の音速の分布の不均一により生じるフォーカスのボケを補正することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 反射超音波信号を受信する受信口径を形成する複数の超音波振動子と、前記受信口径を形成する前記各超音波振動子に1対1で接続される受信信号処理回路と、前記各超音波振動子による受信信号のサンプリングのためのサンプリング信号発生手段と、ディジタル参照信号を発生するディジタル参照信号発生手段と、1回の超音波の送信の後、前記受信口径を形成する前記各超音波振動子による受信信号から、複数方向の超音波受信ビームを時分割処理により形成するための制御を行うビーム形成制御手段と、前記各受信信号処理回路の出力を加算する加算手段と、当該加算手段の出力を包絡線信号に変換する手段とを有し、前記各受信信号処理回路は、前記超音波振動子による受信信号をサンプリングしてディジタル化するディジタル化手段と、当該ディジタル化手段に1対1で接続される第1の波形変換手段であり、当該ディジタル化手段によるディジタル受信信号と所定周波数の90°位相差をもつ2つの前記ディジタル参照信号とを乗算して前記ディジタル受信信号を複素化して前記ディジタル受信信号の周波数を移動させる前記第1の波形変換手段と、当該第1の波形変換手段に1対1で接続される累加処理手段であり、当該第1の波形変換手段により変換された受信信号を前記サンプリングの周期より長い時間長について累加処理して累加信号を得る前記累加処理手段と、当該累加処理手段に1対1で接続される遅延手段であり、当該累加処理手段の出力に遅延時間を付与し、前記超音波振動子と目的フォーカス位置との間の距離差による超音波の伝搬時間差を補正する前記遅延手段と、当該遅延手段に1対1で接続される第2の波形変換手段であり、当該遅延手段から出力された信号に位相回転を付与する前記第2の波形変換手段とを具備し、前記ビーム形成制御手段は、前記各遅延手段の出力を前記サンプリングの周期の所定の整数倍だけ、時間を遅らせて出力させるように制御する遅延制御手段と、前記遅延手段から出力された前記累加信号に付与する前記位相回転を発生する位相補正信号発生手段とを具備し、前記ビーム形成制御手段は、前記遅延制御手段、前記位相補正信号発生手段を制御し、前記各遅延手段からの前記累加信号の出力順が制御され、前記各受信信号処理回路からの時間遅延、位相補正された受信信号の出力順が保持され、受波ビームの作成順番が保持され、前記加算手段により加算され、1回の超音波の送波に対応して、前記受信口径を形成する前記各超音波振動子による受信信号から、複数方向の前記超音波受信ビームを時分割処理により形成することを特徴とする超音波診断装置。
  4. 前記各受信信号処理回路の出力に振幅重みを課す手段を有することを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
  5. 前記各受信信号処理回路で位相回転処理された受信信号の間の位相差を検出する位相差検出手段を有し、前記ビーム形成制御手段に、前記位相差および前記位相差により変換された時間差をフィードバックして、前記超音波受信ビームの形成条件を修正して、予め設定したフォーカスデータに対し、生体内の音速の分布の不均一により生じるフォーカスのボケを補正することを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
  6. 前記加算手段による受信信号の低周波成分を除去する固定物除去フィルタ、ドップラ処理手段、および血流の2次元表示のためのカラーフローマッピング処理手段を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の超音波診断装置。
  7. 反射超音波信号を受信する受信口径を形成する複数の超音波振動子と、前記受信口径を形成する前記各超音波振動子に1対1で接続される受信信号処理回路と、前記各超音波振動子による受信信号のサンプリングのためのサンプリング信号発生手段と、ディジタル参照信号を発生するディジタル参照信号発生手段と、1回の超音波の送信の後、前記受信口径を形成する前記各超音波振動子による受信信号から、第1および第2の方向の超音波受信ビームを時分割処理により形成するための制御を行うビーム形成制御手段と、前記各受信信号処理回路の出力を加算する加算手段と、当該加算手段の出力を包絡線信号に変換する手段とを有し、前記各受信信号処理回路は、前記超音波振動子による受信信号をサンプリングしてディジタル化するディジタル化手段と、当該ディジタル化手段に1対1で接続される第1の波形変換手段であり、当該ディジタル化手段によるディジタル受信信号と所定周波数の90°位相差をもつ2つの前記ディジタル参照信号とを乗算して前記ディジタル受信信号を複素化して前記ディジタル受信信号の周波数を移動させる前記第1の波形変換手段と、当該第1の波形変換手段に1対1で接続される累加処理手段であり、当該第1の波形変換手段により変換された受信信号を前記サンプリングの周期より長い時間長について累加処理して累加信号を得る前記累加処理手段と、当該累加処理手段に1対1で接続される遅延手段であり、当該累加処理手段の出力に遅延時間を付与し、前記超音波振動子と目的フォーカス位置との間の距離差による超音波の伝搬時間差を補正する前記遅延手段と、当該遅延手段に1対1で接続される第2の波形変換手段であり、当該遅延手段から出力された信号に位相回転を付与する前記第2の波形変換手段とを具備し、前記ビーム形成制御手段は、前記各遅延手段の出力を、基準とする前記受信信号処理回路によるチャンネルに対して、前記サンプリングの周期の所定の整数倍だけ、時間を遅らせて出力させるように制御を行い、前記サンプリング信号発生手段による偶数番目のサンプリング信号で前記第1の方向の受波ビームを形成するための前記各遅延手段の出力を行い、前記サンプリング信号発生手段による奇数番目のサンプリング信号で前記第2の方向の受波ビームを形成するための前記各遅延手段の出力を行う遅延制御手段と、前記遅延手段から出力された前記累加信号に付与する前記位相回転を発生する位相補正信号発生手段とを具備し、前記ビーム形成制御手段は、前記遅延制御手段、前記位相補正信号発生手段を制御し、前記各遅延手段からの前記累加信号の出力順が制御され、前記各受信信号処理回路からの時間遅延、位相補正された受信信号の出力順が保持され、受波ビームの作成順番が保持され、前記加算手段により加算され、1回の超音波の送波に対応して、前記受信口径を形成する前記各超音波振動子による受信信号から、前記第1および第2の方向の前記超音波受信ビームを時分割処理により形成することを特徴とする超音波診断装置。
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