JP3134254U - 防根断熱パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】建造物の屋根などに緑化を行う際において、容易かつ迅速に防根パネルを水平方向に隙間なく連結することができ、植栽基盤を水平方向にずれ・滑りがないように支持し、軽量で安価に製造でき、且つ、緑化の際の植生に対して良好な条件を提供しうる防根パネルの連結具を提供する。
【解決手段】概ねコの字形の断面を有した連結部、及び連結部より突出する突起部より形成された連結具を防根パネルに差し込んで防根パネルを平面方向に連結せしめ、突起部で植栽基盤を支持する。
【選択図】図3
【解決手段】概ねコの字形の断面を有した連結部、及び連結部より突出する突起部より形成された連結具を防根パネルに差し込んで防根パネルを平面方向に連結せしめ、突起部で植栽基盤を支持する。
【選択図】図3
Description
本考案は、建造物の屋根などを緑化する際に、防根機能を有した防根パネルを水平方向に容易に連結し、かつ防根パネル上の植栽基盤を水平方向にずれ・滑りがないように支持・固定できるような連結具の構造に関するものである。
建造物の屋根などは、日中、直射日光に長時間晒されているため、高温になり易い。特に、日射時間の長い夏場においては、屋根の表面から吸収された熱が建造物内に伝わって室温を上昇させ、また、屋根面から建造物に移行した熱による蓄熱のため、空調効率の低下を招いている。従来、こうした熱射に対する有効な方法として、屋根にポリエチレンフォームやポリスチレンフォームなどの断熱材を張ることによって外部よりの熱を遮断する方法が一般的であった。しかしながら、本方法では断熱材の熱貫流抵抗により熱移動を抑えるに留まり、積極的に屋根面を冷却することはできない。また、断熱材を通して漏れ伝わった熱は、建造物躯体に蓄積され、夜間や曇天などの日射が無いときでも建造物内部に熱が徐々に伝わり、根本的な空調機の省エネルギー対策としては限界的であった。このような課題に対処するべく、屋根上に植生を植えるいわゆる屋上緑化が主流となりつつある。屋上緑化に関しては、植生葉面よりの水の蒸散に伴う気化熱によって熱を除去せしめるいわゆる除熱効果を併せ持っており、植生の気孔等より水蒸散を行い、気化熱によって積極的に冷却を行うことで、屋根面の温度低下を実現するものである。いわば、動物が発汗作用により体温維持を図るに似た除熱機構を利用したものといえる。従って、ヒートアイランド対策としても非常に有望である。
しかしながら、屋上緑化においては、成長した植生の根が防水層の重ね合わせ部や建造物の僅かな隙間や亀裂に入り込むことによって防水機能の劣化・低下を招き、建造物に亀裂が発生・進展し、雨漏りなどの被害に至る例が多々報告されている。従って、植生の根を防水層および建造物に到達せしめない、いわゆる防根を目的として、建造物と植生の間に防根層を設けることが必要不可欠である。防根層については、一般的には厚さ1mm以下の樹脂製シートやゴム製シート、および厚さ10mm以上の樹脂製パネルやゴム製パネルがよく用いられている。防水シートを用いた屋上緑化の施工に関する発明や考案も数多くなされており、例えば、特許文献1には「被土屋根構造」という名称で、屋上に断熱材を敷き詰め、該断熱材の上面に防根性を有するシート防水を形成せしめ、断熱効果を向上させつつ保水および防根を可能とする被土屋根構造に関する発明が開示されている。また、特許文献2には「防根パネル」という名称で、連結構造を有した防根パネルを屋根に敷設し接合部の隙間に熱硬化性樹脂や半田などを流し込んで防根せしめる発明が開示されている。
しかしながら、上記の特許文献1に示されたようなシートを敷設する際、複数のシートを重ね合わせた部分より根が侵入するために、シートの重ねしろを多く取るか、重ね合わせた部分を接着する必要がある。また、シートが薄いため施工時のトラブルなどによってシートに穴や破れが生じ、防根機能が果たせないことも多い。更に、防根層の工事は風の強いときは勿論、雨天時にもシートにしわが入りやすく、しわの箇所には部分的に雨水などが溜まって植生が根腐れや葉枯れなどを起こすなどの問題を生じていた。また、シートと植栽基盤の間が滑りやすいため、急勾配の屋根に緑化を施すことが難しい。
また、特許文献2においては、熱硬化性樹脂や半田を流し込む施工は非常に手間がかかり、また、熱硬化性樹脂や半田は高価であるため、施工費、材料費ともに増加してしまうという問題がある。さらには、施工のムラなどによって隙間が生じるリスクがある。
本考案はかかる従来の事情に対処して成されたものであり、簡易な構造でありながら、安価に製造でき、容易かつ迅速に防根パネルを水平方向に隙間なく連結することができ、且つ、緑化の際の植生に対して良好な条件を提供しうる防根パネルの連結具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の連結具は、建造物の屋上などを緑化する際の防根パネルの連結具であって、概ねコの字形の断面を有した連結部および連結部より突出する突起部より形成されており、連結部で複数枚の防根パネルを平面方向に連結せしめ、突起部で植栽基盤を支持することを特徴とするものである。
以上の通り、本考案の請求項1および2記載の防根パネルにおいては、簡易な構造でありながら、安価に製造でき、容易かつ迅速に防根パネルを水平方向に隙間なく連結することができ、且つ、緑化の際の植生に対して良好な条件を提供しうる防根パネルの連結具を得ることが可能である。
本考案の最良の実施の形態に係る防根断熱パネルの実施例について説明する。なお、本発明は実施例に示す形態に限定されるものではない。
図1に本考案の実施の形態に係る連結具の斜視図を示す。図1(a)に示すように、連結具1は連続した概ねコの字の断面を有した連結部1aと、連結部1aより上方向へ突出した突起部1bから成っている。連結部1aに関しては防根パネルの連結機能を有している。また、自身も防根機能を有しているため、可能な限り長いものである方が望ましい。一方、突起部1bに関しては、植栽基盤の支持を目的として設けられている。従って、必ずしも連続的である必要はなく、排水性などを考慮すると、図1(b)〜(d)に示すように、適度に穴や溝、空間が存在しても良い。連結具1の材質に関してはプラスチック、金属、セラミック等を用いることができるが、重量、耐食性、耐水性、強度、加工性およびコストなどを考慮すると硬質塩化ビニル、硬密度ポリプロピレンなどの樹脂製であることが望ましい。連結具1は、切削加工、押し出し成形、鋳造成形などの方法によって作製することができる他、これらの方法によって別々に成形された連結部1aと突起部1bを接着、溶接などによって連結具1を作製することも可能である。また、連結部1aと突起部1bの接合部分に関しては、荷重が集中して破損することを避けるために、直角であるよりも多少丸みを付与した方が望ましい。
図2(a)に示すように、連結具1の連結部1aを防根パネル1の端部に装着することにより、防根パネル2同士を水平方向に任意の枚数だけ連結せしめることが可能である。また、突起部1bは、防根パネルの上に敷設する植栽基盤3を支持する。本突起部により、植栽基盤の水平方向へのズレ、滑りを防止することが可能である。連結具1の連結部の形状は概ねコの字であればよいので、図2(b)、(c)のような円形やV形のような形状も用いることができる。また、突起部1bに関しても、防根パネルを支持しやすい形状であれば、形状の指定は特にないが、垂直であることが望ましく、また、図2(d)のような植栽基盤を垂直方向にも固定しうる形状にしても良い。
図3に本考案の実施の形態に係る連結具を用いた屋上緑化の施工の断面図を示す。接着剤などで防根パネル1と屋上5を部分的に固定しつつ防根パネル1を屋根5上に敷設し、防根パネル2の端部同士を連結具1で連結する。防根パネルの材質としては、樹脂製、金属製、セラミック製など様々なものがあるが、荷重や作業性などを考慮すると、独立気泡を有するガラス発泡板、セラミック発泡板、ALC板、などの無機断熱板、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリウレタン、発泡ユリア樹脂、発泡合成ゴム、発泡ポリ塩化ビニル、発泡フェノール、発泡ポリスチレンなどやこれらに充填材、補強材などを混入した樹脂断熱板などであることが望ましい。防根パネルが発泡樹脂などの軟質材料である場合には、施工時に防根パネルに対して連結具1を押し込みながら溝を形成することによって連結せしめることも可能であるが、防根パネル2の割れなどを防ぐためにも防根パネル2敷設前にパネルに溝を形成しておく方が望ましい。防根パネルの上には植栽基盤3および植生4を敷設する。植栽基盤3は、一般的な土や軽量土壌でも良いが、パネル状の植生基盤を用いればパネルを敷設するだけで植栽層を設けることができるため施工の手間を省くことができ、また、ショベルなどによって防根パネル3や屋上5にダメージを与えるリスクも軽減される。植生4に関しては草本類であれば種類を問わないが、芝のような葉面よりの水の蒸散機能が高い植生を植えると、ヒートアイランド対策として非常に効果的である。本考案により、各層の水平方向へのずれ・滑りを抑えることができ、急勾配の陸屋根に対しても屋上緑化を施すことができるようになる。
以上説明したとおり、請求項1に記載された考案は四季にわたって、建造物の除熱性および断熱性を高め、熱の蓄積を押さえ、また、建造物の寿命延長に繋がるものである。従って、建造物内の空調に関わる省エネルギー対策や都市のヒートアイランド対策に対して経済的且つ極めて有効な方法となる。また、建造物を保護し耐用年数を延ばすことにより省エネルギー・省資源に寄与することが可能である。
1…連結具 1a…連結部 1b…突起部 2…防根パネル 3…植栽基盤 4…植生 5…屋根
Claims (1)
- 建造物の屋上などを緑化する際の防根パネルの連結具であって、概ねコの字形の断面を有した連結部および連結部より突出する突起部より形成されており、連結部で複数枚の防根パネルを平面方向に連結せしめ、突起部で植栽基盤を支持することを特徴とする連結具。
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JP2007003899U JP3134254U (ja) | 2007-05-28 | 2007-05-28 | 防根断熱パネル |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007003899U JP3134254U (ja) | 2007-05-28 | 2007-05-28 | 防根断熱パネル |
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Family Applications (1)
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2007
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