JP3133465U - 引出し用ロック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡素な構造で低コストの引出し用ロック装置を提供する。
【解決手段】 開錠時には、レバー20がコイルバネ50により前側に引っ張られ、錠部10の凸部12が係止板40の施錠片41よりも前側で突出し、このとき、連動板30の連係片31がレバー20の折曲片21により前側に引っ張られ、係合片32が引出し後面のフック60との係合から離脱した状態になる。施錠時には、錠部10を押し込むことで、レバー20が後側に移動し、凸部12が施錠片41よりも後側で突出して施錠片41に係止し、このとき、連係片31が折曲片21により後側に引っ張られ、係合片32がフック60と係合するロック状態になる。ロック状態を解除するには、錠部10の鍵穴11にキーを差し込んで回す操作に連動して、凸部12が表面よりも引っ込み、レバー20が前側に移動し、凸部12が施錠片41よりも前側で突出し、開錠状態になる。
【選択図】 図6

Description

本考案は、複数の引出しを有するキャビネットに設けられ、複数の引出しの閉じた状態を一度にロックすることが可能な引出し用ロック装置に関する。
そのような引出し用ロック装置としては、例えばラッチのフックがラッチ旋回片の貫通孔に嵌合した状態(引出しのロック状態)で、閉じられていない引出しを押し込むと、ラッチ片によりラッチ旋回片が押されて回転し、フックが貫通孔に嵌合し、当該引出しがロック状態になるように構成した引出し用ロック装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、引出しを閉じると、カム受ローラがラッチ爪を押し退けて凹陥部に嵌合し、傾けた程度では引出しが前に出ないようになり、錠を操作すると、キーロッドを介してスライド機構によりスライド板が下降し、突起がラッチ爪とフレームとの間に介入し、カム受ローラがラッチ爪の凹陥部に嵌合した状態がロックされるように構成したロック装置がある(例えば、特許文献2参照)。
更に、錠前を操作すると、作動具、取付具、連結板を介して揺動板が上に移動し、鍵板が上に移動することで、回動板が回転して、その折り曲げ片が下がり、ストッパーが折り曲げ片に当たることにより、抽斗が閉じた状態がロックされるように構成したキャビネット等の抽斗鎖錠装置がある(例えば、特許文献3参照)。
実用新案登録第3048355号公報 特開平6−129150号公報 実開平5−89748号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の装置では、連動棒、固定座、スライドブロック、ラッチ片、ラッチ旋回片、クラッチ板、弾性部材等を有し、部品点数が多く、構造が複雑である。
また、上記特許文献2記載の装置では、キーロッド、スライド機構、スライド板、突起、ラッチ爪、ロッド、カム受ローラ、ブラケット、フレーム等を有し、部品点数が多く、構造が複雑である。
更に、上記特許文献3記載の装置では、作動具、取付具、連結板、揺動板、鍵板、回動板等を有し、部品点数が多く、構造が複雑である。
この考案は、そのような問題点に着目してなされたものであって、簡素な構造で低コストの引出し用ロック装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本考案の引出し用ロック装置は、
複数の引出しを有するキャビネットの前面上部に当該前面に対して進退可能に貫通して設けられ、表面より常時突出するように付勢されるとともに開錠時のキー操作に連動して表面よりも引っ込む出入可能な凸部を有する鍵穴付き錠部と、
キャビネットの天板に沿って前面側から背面側に延び、前端部が錠部の後端部に連結された前後に移動可能なレバーと、
キャビネットの後部において上部から下部に延び、上部と下部でそれぞれ揺動可能に支持され、レバーの後端部が係合する連係片と、各引出しの後面に突設されたフックが係脱する係合片とを有する連動板と、
キャビネットの前上部内側において錠部が貫通して配置された係止板と、
一端がレバーに取り付けられ、他端が係止板に取り付けられ、レバーをキャビネットの前面側に常時引っ張り付勢する弾性部材とを備え、
施錠時は、錠部を後側に押すことで錠部の凸部が係止板よりも後側で突出して弾性部材の付勢により係止板に係止し、連動板は、その連係片がレバーの後端部により後側に引っ張られて揺動し、係合片が引出しのフックと係合した状態になり、引出しを閉めた状態がロックされ、
開錠時は、キー操作により錠部の凸部が表面よりも引っ込むことで、錠部が弾性部材の付勢により前側に移動し、その凸部が係止板よりも前側で突出し、連動板は、その連係片がレバーの後端部により前側に引っ張られて揺動し、係合片が引出しのフックとの係合から離脱した状態になり、引出しの開閉が自在となるようにしたことを特徴としている。
なお、本考案においてキャビネットは、書類やファイル等を入れるものだけでなく、机、飾り棚、タンス等、複数の引出しが上下方向に並んだもの全てを含むものである。
本考案によれば、構造が簡素で、低コストの引出し用ロック装置を提供することができる。
以下、実施形態により、この考案をさらに詳細に説明する。
実施形態に係る引出し用ロック装置を設けたキャビネットの外観斜視図を図1に示す。このキャビネット1は、4つの引出し2A,2B,2C,2Dを有し、頂部に天板3が設けられている。このキャビネット1の前面上部(最上位の引出し2Aの上側)からは錠部10が部分的に突出しており、錠部10はキャビネット1の前面に対して進退可能である。詳細は後述するが、錠部10をキャビネット1の後側(内部)に押し込むことで、引出し2(A〜D)が閉じた施錠状態でロックされ、鍵穴11(図3参照)にキー(図示せず)を差し込んで回すことで、ロック状態が解除され、各引出し2(A〜D)を自由に開閉することができる開錠状態になる。
このキャビネット1の天板3を取り除いた状態の平面図(上面図)を図2に示す。キャビネット1の内部において、レバー20が天板3に沿って前面側から背面側に延び、このレバー20は、その前端部が錠部10の後端部に連結され、錠部10と一体に前後に移動可能である。
錠部10とレバー20との連結部分を示す一部破断拡大斜視図を図3に、その連結部分の拡大平面図(上面図)を図4に、図2の矢視Aから見た拡大正面図を図5に、図2の矢視Bから見た拡大側面図を図6に示す。
錠部10は、横断面が長円形状を呈し、前端面に鍵穴11を有し、後部寄りの上部表面から凸部12が出入可能に突出している。この凸部12は、円柱体を斜めに切断した様態であり、切断面(斜面)がレバー20側を向くように設けられている。また、この凸部12は、表面より常時突出するように付勢されるとともに、開錠時(鍵穴11にキーを差し込んで回すとき)に表面よりも引っ込むようにキーの回転操作と連動している。
錠部10の後端部には、上下方向の切欠き13が形成され、この切欠き13にレバー20の前端部が挿入され、錠部10の後端部及びレバー20の前端部は、当該後端部及び前端部を貫通する支軸15により連結されている。これにより、錠部10及びレバー20は前後に一体に移動可能である。
また、錠部10とレバー20との連結部分に対応して係止板40がキャビネット1の前上部内側に配置されている。係止板40は、キャビネット1の前上部に配置された横断面コ字状のフレーム80に溶接等により固定され(図6参照)、錠部10の凸部12に関連する上方向の施錠片41を有する。この施錠片41は、その上端部もフレーム80に溶接等により接合され、錠部10が挿通される挿通孔41aを有する。更に、係止板40は一対の突片42を有し、レバー20は両突片42の間の切欠き42aを通過している。
レバー20の前端部寄りの側面には、弾性部材としてのコイルバネ50を取り付けるためのL字状の金具55が溶接等により固定されている。コイルバネ50は、その一端が金具55に形成された円形穴(図示せず)に取り付けられ、他端が係止板40の一方の突片42に形成された円形穴42b(図5参照)に取り付けられている。このコイルバネ50は、レバー20をキャビネット1の前面側に常時引っ張り付勢するためのものである。
錠部10の凸部12は、開錠時は図6の(a)に示すように、施錠片41よりも前側で突出し、施錠時は図6の(b)に示すように、施錠片41よりも後側で突出し、施錠片41に係止する。
一方、レバー20の後端部に係る連動板の一部省略斜視図を図7に、図2の矢視Cから見た拡大正面図を図8に、図8の一部破断拡大正面図を図9に、図2の矢視Dから見た拡大側面図(連動板は省略)を図10に、連動板の下部支持構造の拡大正面図を図11に示す。
図7において、レバー20は、その後端部に下方に延びる折曲片21を有し、折曲片21には細長い切欠き22が形成されている。
連動板30は、キャビネット1の後部において上部から下部に延び、上部と下部でそれぞれ揺動可能に支持されている。この連動板30は、レバー20の折曲片21が係合する連係片31と、各引出し2(A〜D)の後面に突設されたフック60(図12参照)が係脱する係合片32と、連係片31と係合片32をつなぐ連結片33とからなる。
ここでは、連係片31の上部に溶接等により固定された連係金具35が折曲片21の切欠き22に嵌まり込むことで、レバー20の折曲片21と連係片31とが連係するようになっている(図8及び図9参照)。すなわち、レバー20が前側に移動すると、その折曲片21により連係金具35が前側に引っ張られ、連動板30は時計回り方向に回転し、反対にレバー20が後側に移動すると、折曲片21により連係金具35が後側に引っ張られ、連動板30は反時計回り方向に回転する。
図7に示すように、連動板30の上部及び下部には、それぞれ連係片31と連結片33との境界線(折曲線)に沿って円柱状の支軸37,38が溶接等により固着されている。図8及び図9において、キャビネット1の後上部に配置された横断面略S字状のフレーム81(図10参照)の裏側に、上部支軸37に対応してカバー70がネジ71により取り付けられている。このカバー70は、上部支軸37が挿通される円形孔(図示せず)を有し、この円形孔に上部支軸37が挿通されることで、上部支軸37が回転可能に支持される。
図11において、キャビネット1の後下部に配置された横断面コ字状のフレーム82の表側に、下部支軸38に対応してカバー75がネジ76により取り付けられている。このカバー75は、下部支軸38が嵌め込まれたスリーブ状部材77が挿通される円形孔(図示せず)を有し、この円形孔にスリーブ状部材77が挿通されることで、下部支軸38がスリーブ状部材77を介して回転可能に支持される。なお、連動板30の下端縁とスリーブ状部材77との間にはワッシャ78が介在されている。
また、図8及び図9において、フレーム81にはレバー20に対応して案内片90が溶接等により取り付けられている。更に案内片90には付設片91が固着され、案内片90と付設片91により、レバー20を案内する溝92が形成され、レバー20はその溝92に通されている。
図2に示すように、レバー20の後端部に対応するフレーム81の部分には、U字状の切欠き85が形成されている。この切欠き85に対応して、図7及び図10から明らかなように、レバー20の後端部にはU字状の切欠き25が形成されている。切欠き25,85は、施錠時に錠部10の押し込みによりレバー20が後側に移動したときに、レバー20の後端部がフレーム81に当たらないようにするためのものである。
更に図10に示すように、開錠時にはレバー20の折曲片21の前縁がフレーム81の折り返し部81aに当接することで、レバー20の前側への移動が規制される。すなわち、レバー20は、開錠時には当該レバー20の折曲片21がフレーム81の折り返し部81aに当たり、施錠時には錠部10の凸部12が係止板40の施錠片41に当たる範囲で、前後に移動可能である。このレバー20の前後への移動に伴い、連動板30は上部支軸37及び下部支軸38で支持されつつ一定角度範囲で時計回りや反時計回り方向に揺動する。
キャビネット1の引出し2(A〜D)の後面に溶接等により突設されたフック60は、例えば図12に示すように、高さ寸法の小さい引出し2Aには1個設けられ(a)、高さ寸法の大きい引出し2Dには上下に2個設けられる(b)。但し、引出し2Dの場合はフック60は1個のみでもよく、より大きい引出しの場合は3個以上設けてもよい。
次に、上記のように構成した引出し用ロック装置を設けたキャビネット1の開錠及び施錠の作用について、図13を参照して説明する。
開錠時には、レバー20はコイルバネ50により前側に引っ張られ〔図6の(a)〕、レバー20の折曲片21がフレーム81の折り返し部81aに当接し(図10)、錠部10の凸部12が係止板40の施錠片41よりも前側で突出する。このとき、連動板30は、その連係片31がレバー20の折曲片21により前側に引っ張られることで、時計回り方向に回転し、係合片32はフック60との係合から離脱した状態にある〔図13の(a)〕。この開錠時には、各引出し2(A〜D)を自由に開閉できる。
施錠時には、錠部10(キャビネット1の前面から突出する部分)を内部に押し込む。これにより錠部10が後側に移動するのに伴い、凸部12が施錠片41に当たるが、凸部12は錠部10の表面に出入可能であり、しかもその斜面が施錠片41に押されるため、凸部12は表面よりも引っ込み、施錠片41を超えて後側に移動する。すると、凸部12は付勢力により表面から突出する。レバー20はコイルバネ50により前側に付勢されているので、凸部12は表面から突出した時点で施錠片41に当接し〔図6の(b)〕、レバー20はこれ以上前側に移動しなくなる。
このとき、連動板30は、その連係片31がレバー20の折曲片21により後側に引っ張られることで、反時計回り方向に回転し、係合片32はフック60と係合する状態になる〔図13の(b)〕。これにより、各引出し2(A〜D)を閉めた状態がロックされ、各引出し2(A〜D)を引き出すことができなくなる。
各引出し2(A〜D)のロック状態を解除するには、錠部10の鍵穴11にキーを差し込んで回せばよい。すると、キーの回転操作と連動して錠部10の凸部12が表面よりも引っ込むので、レバー20の動きを規制するものが無くなり、レバー20はコイルバネ50により前側に移動し、レバー20の折曲片21がフレーム81の折り返し部81aに当接し、錠部10の凸部12が係止板40の施錠片41よりも前側で突出した開錠状態になる〔図6の(a)〕。
なお、上記実施形態では、レバー20の折曲片21は連係金具35を介して連係片31に係合しているが、連係片31に連係金具35のような突片を一体に設けてもよい。
実施形態に係る引出し用ロック装置を設けたキャビネットの外観斜視図である。 同キャビネットの天板を取り除いた状態の平面図(上面図)である。 同引出し用ロック装置における錠部とレバーとの連結部分を示す一部破断拡大斜視図である。 同引出し用ロック装置における錠部とレバーとの連結部分の拡大平面図(上面図)である。 図2の矢視Aから見た拡大正面図である。 図2の矢視Bから見た拡大側面図であり、開錠時の状態を示す図(a)、及び施錠時の状態を示す図(b)である。 同引出し用ロック装置におけるレバーの後端部に係る連動板の一部省略斜視図である。 図2の矢視Cから見た拡大正面図である。 図8の一部破断拡大正面図である。 図2の矢視Dから見た拡大側面図(連動板は省略)である。 同引出し用ロック装置における連動板の下部支持構造を示す拡大正面図である。 同キャビネットの小さい引出しの後側を示す一部省略斜視図(a)、及び大きい引出しの後側を示す一部省略斜視図(b)である。 同引出し用ロック装置の開錠時の作用を説明するための要部拡大平面図(a)、及び施錠時の作用を説明するための要部拡大平面図(b)である。
符号の説明
1 キャビネット
2(A〜D) 引出し
3 天板
10 錠部
12 凸部
11 鍵穴
20 レバー
21 折曲片
30 連動板
31 連係片
32 係合片
33 連結片
35 連係金具
37,38 支軸
40 係止板
41 施錠片
50 コイルバネ(弾性部材)
60 フック
80〜82 フレーム

Claims (1)

  1. 複数の引出しを有するキャビネットの前面上部に当該前面に対して進退可能に貫通して設けられ、表面より常時突出するように付勢されるとともに開錠時のキー操作に連動して表面よりも引っ込む出入可能な凸部を有する鍵穴付き錠部と、
    キャビネットの天板に沿って前面側から背面側に延び、前端部が錠部の後端部に連結された前後に移動可能なレバーと、
    キャビネットの後部において上部から下部に延び、上部と下部でそれぞれ揺動可能に支持され、レバーの後端部が係合する連係片と、各引出しの後面に突設されたフックが係脱する係合片とを有する連動板と、
    キャビネットの前上部内側において錠部が貫通して配置された係止板と、
    一端がレバーに取り付けられ、他端が係止板に取り付けられ、レバーをキャビネットの前面側に常時引っ張り付勢する弾性部材とを備え、
    施錠時は、錠部を後側に押すことで錠部の凸部が係止板よりも後側で突出して弾性部材の付勢により係止板に係止し、連動板は、その連係片がレバーの後端部により後側に引っ張られて揺動し、係合片が引出しのフックと係合した状態になり、引出しを閉めた状態がロックされ、
    開錠時は、キー操作により錠部の凸部が表面よりも引っ込むことで、錠部が弾性部材の付勢により前側に移動し、その凸部が係止板よりも前側で突出し、連動板は、その連係片がレバーの後端部により前側に引っ張られて揺動し、係合片が引出しのフックとの係合から離脱した状態になり、引出しの開閉が自在となるようにしたことを特徴とする引出し用ロック装置。
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