JP3132338B2 - 耐側壁破断性の優れたdtr缶適合鋼板の製造方法 - Google Patents
耐側壁破断性の優れたdtr缶適合鋼板の製造方法Info
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Description
raw)製缶用途に適合する缶用鋼板に関するもので、当
該製缶工程で行われる缶胴の張力付加深絞り成形時に顕
在化する側壁破断現象の発生し難い鋼板の製造方法を提
供するものである。
略、素材および製造コスト低減の観点から、3ピース缶
から2ピース缶への移行、更には缶体の薄肉化が進めら
れている。今日、飲料缶用2ピース缶の主流となってい
るのは、円形のブランクをカップ状に深絞り成形(Draw)
後、缶胴を2〜3回しごき成形(Ironing)することに
よって側壁部の薄肉化と所定の缶高さを得るDI(Draw an
d Ironing)成形法であるが、一般に陽圧缶用途に限定さ
れ、内容物をホットパックするレトルト缶(コーヒー
缶、紅茶缶)等の陰圧缶には使用されない。
は、絞り加工を2回行うDRD(Draw and ReDraw)成形法
と、2回目以降の絞り成形時にフランジ部に高いしわ押
え力を付加してフランジから側壁部への流れ込みを抑制
し、側壁部に積極的に張力を付加する張力付加深絞り成
形を行うことによって缶胴の薄肉化を行うDTR(Draw and
Thin Redraw)成形法が実用化されている。これらの方法
の最大の特長は、しごき加工が施されないため、プレコ
ート鋼板やラミネート鋼板を使用することによって、工
程省略が可能なばかりか、意匠性やデザイン性の優れた
飲料缶の製造が可能になる点である。
に展開する技術が開発され、実用化の段階に入ってい
る。当該用途に対しては、一般的にT5-CAからDR-9程度
のテンパー度を有するティンフリースティール(TFS)
にポリエステルフィルム(PET)をラミネートした鋼板を
素材としてカップ成形した後、2段の張力付加深絞り成
形が行われる。これによって、缶側壁は20%以上の薄肉
化が達成され、缶の軽量化が可能になるばかりか、素材
厚と缶底部のドーム形状を変えることによって、陽圧
缶、陰圧缶の両方に適合させることが可能である。しか
し、当該成形法では、素材設計上以下の諸問題を解決す
る必要がある。 1.張力付加絞り成形時のダイ肩部との摺動によるラミ
ネートフィルムの剥離。 2.張力付加絞り成形時に缶壁部がポンチとダイス間に
拘束されず自由表面状態で引張り変形を受けるため、肌
荒れが発生し易い。 3.高速で張力付加絞り成形を行うため、各カップ成形
時にポンチ肩と接触した箇所(ショックライン)を起点
とした側壁破断が起こり易い。
に係わる2と3の課題に対しては、従来いくつかの特許
技術が開示されている。例えば特開平4-314535号公報で
は、鋼板の結晶粒径を所定のサイズ以下まで細粒化して
肌荒れを抑制する技術が開示されている。
34192〜34194号公報において、結晶粒径を規定すること
により、加工性、肌荒れ性、耐食性を向上させる技術が
開示されている。これらの技術では、過時効処理によっ
て固溶CおよびNを低減させ、くびれの発生やボイドの
連結を抑制し、それによって耐側壁破断性を高めること
を開示しているが、連続焼鈍あるいは箱焼鈍時での過時
効処理条件が明細書中に記載のごとくその温度域は400
〜500℃であり、フェライト結晶粒界へのフィルム状セ
メンタイトの析出は避けられないと予想される。
する技術は、特開平5-247669号公報に開示されている
が、Bは焼き入れ性向上を意図して添加されており、特
に微視組織をフェライトと低温変態担から成る二相組織
とすることを基本構成要件としている所から、フェライ
ト相と硬質な低温変態相との界面でDTR加工に伴いボイ
ドが発生し易く、十分な耐側壁破断性を得るには至らな
いものと予想される。
ると考えられる技術の開示としては、製鋼性介在物のみ
を規制して加工欠陥を低減する技術(特開昭58-16026号
公報)、鋼中に析出するセメンタイト(Fe3C)の平均粒
径を規定して耐食性ならびに加工性を向上させる技術
(特開昭60-149743号公報、特開昭60-215739号公報)、
固相反応で生成するMnS、AlN等の非金属介在物のサイズ
と結晶粒径を同時に規定して加工性を向上させる技術
(特公平4-78714号公報、特公平6-76618号公報)などが
開示されている。
の缶側壁部の肌荒れと破断の問題に対して、金属組織学
的な原理原則に基づいて、組織の微細化と割れの起点と
なる鋼中介在物を減少させようとするものである。
ると、DTR成形時の缶側壁破断の問題に対して、素材に
要求される絶対的な強度レベル、側壁破断現象の本質的
なメカニズムとそれに対する最適ミクロ組織のあり方、
最適ミクロ組織を得るための具体的なプロセス条件等に
対して、最適な技術は開示されていない。このため、2
5%を超える側壁部の薄肉化を安定して実現すること
は、従来の素材設計技術の範囲内では不可能であり、結
局しごき加工を付加せざるを得ないものと考えられる。
適用される各種の樹脂などをラミネートした鋼板、各種
の塗料をコーテイングしたプレコート鋼板に対する前記
の従来技術の問題点の中で、耐側壁破断性を著しく向上
させることを目的とするものである。
飲料缶の側壁部のミクロ組織を走査電子顕微鏡(SEM)
で観察した結果である。当該飲料缶は、フィルム密着
性、耐食性、肌荒れ等の表面性状、耐圧強度、側壁のパ
ネリング強度、側壁のバックリング強度等、飲料缶とし
て要求される性能は具備している。
面あるいは炭化物と母相の界面に微小な割れが多数観察
される。こうした素材は、更に激しい引張り深絞り成形
を受けるとこれらの微小な割れが起点となって側壁破断
することが予想される。
側壁破断が皆無で、30%以上の薄肉化を受けても、こ
うした微小な割れがほとんど発生しない鋼板を提供する
製造方法である。
達成するため本発明の要旨とするところは下記の通りで
ある。 (1)0.03≦C≦0.1 %、Si≦0.03%、0.3≦Mn≦1 %、
P≦0.03%、S≦0.02%、0.02≦sol.Al≦0.1 %、0.001
≦N≦0.007 %、Total-O≦30ppm、0.0002≦B≦0.0015
%を含有する鋼片を、鋼片加熱温度:1150℃以上、熱延
仕上温度:870℃以下、巻取温度:620℃以下の条件で熱
延鋼板とした後、冷間圧延、連続焼鈍、調質圧延あるい
はDR圧延、下地表面処理、DTR用表面処理工程でDTR
缶用の一連の処理工程でDTR 缶用の鋼板を製造する場合
において、前記連続焼鈍時の冷却の600〜500℃の間の冷
却速度を40℃/ 秒以上とし、かつ400℃以下まで冷却し
た後、過時効処理を400〜300℃の温度で20秒以上で施す
ことを特徴とするフェライト相と微細分散炭化物からな
る組織のDTR缶適合鋼板の製造方法である。
要件に加えて、DTR成形時の耐側壁破断性をより一層高
める狙いから、以下の構成要件を付加することが有効で
ある。
%の範囲のNbを含有することを特徴とするDTR缶適合鋼
板の製造方法である。
に基づいて構成した本発明について、その限定理由につ
いて以下に述べる。
R成形品の微視組織に着目し、側壁破断を引き起こす主
因は、製鋼性の酸化物系非金属介在物に加えて、鋼板製
造過程で固相反応によって析出するMnS,AlN,Fe3Cと母
相との界面で発生した微小割れの伝播のし易さであるこ
とを解明した。
がある確率でDTR成形時のポンチ肩部に形成されるショ
ックライン部と合致することによって側壁破断が引き起
こされる点も事実であるが、より高いレベルの薄肉化を
達成するためには、鋼板の微視組織自体を適正化するこ
とが極めて重要であり、そのためには、熱延条件と連続
焼鈍条件が極めて重要であることを見出した。
の技術で極めて曖昧かつ定性的な評価しかなされていな
かった耐側壁破断性に対して、材料間の有意差を正確か
つ定量的に評価できる指標として、図5に示す高速ドロ
ービード引抜き試験法によって求められる限界薄肉化率
(еth)を用いた。
壁破断を伴わないでDTR成形可能な缶胴側壁の限界薄肉
化率と正の相関があり、概ね(еth+5%)程度の値と限界
薄肉化率が一致することを確認した。
て、具体的な構成要件と限定範囲を定めた。
を用いて、そのミクロ組織をフェライト相と微細分散炭
化物からなる、実質的なフェライト単相組織とする。こ
れは、低炭素鋼において不可避的に存在する炭化物(パ
ーライトまたはセメンタイト)以外の相(マルテンサイ
ト、ベイナイトなど)を意図的に生成させた場合、そう
した硬質第2相とフェライト母相の界面が、DTR成形時
の微少割れの起点となり、耐側壁破断性を一層劣化させ
るためである。
物の内、熱延板中に分布するパーライトに起因する群落
状のセメンタイトと、焼鈍中に溶解、析出する0.02%以
下のCの析出状態を良好に保つための製造方法を規定す
ることによって安定した耐側壁破断性を得るものであ
る。
冷間圧延時に破砕されて圧延方向に展伸し、焼鈍時に図
4に示したようなフェライト結晶粒を股がる群落状のセ
メンタイト(Lc)として存在し、焼鈍中にフェライト
相中に固溶する約0.02%のCが、冷却過程でフェライト
結晶粒界あるいはフェライト結晶粒内にFe3 C として析
出する。
ライト結晶粒界にフィルム状に析出する。これらの炭化
物は、鋼板の強化に寄与する半面、DTR成形時の微小割
れの起点を与えることになる。そこで本発明では、ある
程度のCをフェライト結晶粒内に微細に析出(微細セメ
ンタイトの平均粒子間距離MFP)させることで、微小
割れを誘起する臨界サイズ以下にセメンタイトを微細分
散させる。
たTFSにおけるеthにおよぼすフェライト結晶粒径と連
続焼鈍時の過時効温度の影響およびB添加の効果を示し
たものである。フェライト結晶粒径を小さくすることに
よってеthは増加し、材料設計の基本として細粒化が有
効であることを示している。しかし、細粒化のみでеth
を25%以上にするためにはd≦2μmまで細粒化する必要
があり、フルマルテンサイト組織から再結晶焼鈍を行う
か、冷間圧延と低温再結晶焼鈍を繰り返す様な複雑な製
造工程を経る必要がある。
囲で行ない、かつ微量のBを添加することを同時に実施
することによって、еth≧25%に達する臨界dが増大す
るばかりか、еth≧30%が安定して得られるようにな
る。
に偏析したBが、冷却中でのフェライト結晶粒界へのフ
ィルム状セメンタイトの析出を排除することと、600〜5
00℃の温度の間を急冷し、かつ300〜400℃の温度範囲で
過時効処理することによって、結晶粒内への微細セメン
タイトの析出を促すことによって、DTR成形時の粒界セ
メンタイトからの微小クラックの発生を軽減するばかり
か、Bによるフェライト結晶粒界およびセメンタイトと
フェライト界面の強化によって割れの伝播が抑制される
ことによる。
るために、鋼板成分および製造条件を以下の範囲に限定
する。
ム状セメンタイトの析出抑制効果が認められる下限とし
て0.0002%を、その効果が飽和し、加えて熱延板の組織
が針状フェライト組織となり素材の延性を劣化させない
上限として0.0015%を規定する。
である。特にSはMnSとして鋼中に存在し、展伸したMnS
はDTR成形時の側壁破断に至る割れの起点になり易い。
従って、Sは極力少ない方が好ましい。従来、缶用鋼板
においては耐食性の観点からSが添加されるケースがあ
るが、DTRに適用されるラミネート鋼板においては、ラ
ミネートされているので耐食性に対するSの効果は問題
なくなる。特に本願では、微量のBを添加することによ
って耐側壁破断性に対するMnSの悪影響を軽減している
が、その上限を0.02 %とする。
レベルを確保する上で極めて重要な元素である。しかし
反面、0.02%を超える分についてはパーライトとして、
0.02%以下の分については、焼鈍中にフェライト結晶粒
界あるいはフェライト結晶粒内にセメンタイト(Fe3C)
として析出するため、これらの炭化物と母相の界面が割
れの起点となり易しく、図6に示した様にDTR成形時に
多数の微少割れが発生する。
出するセメンタイトは粒界剥離を誘起し易い。一方、鋼
中Cを製鋼時の酸素吹錬で低下する際、C0.03%未満の範
囲では素材強度の点で不利となるばかりか、溶鋼中酸素
が増加し、耐側壁破断性を劣化させる脱酸生成物が増加
する。また、C0.1 %超えでは、パーライトを起点とす
る即壁破断が顕在化するようになる。従って、Cの範囲
を0.03〜0.1 %に限定する。
しく阻害する。酸化物系介在物として問題となるのはAl
2 O3 系であるが、CaO、MnO系介在物が残留するケー
スがる。図1は、各種の素材のеthを鋼中全酸素量で整
理した結果であるが、全酸素量を30ppm以下(好ましく
は25ppm以下)にすることで良好なеthが得られる。そ
こで、本発明では、鋼中の全酸素量を30ppm以下に限定
する。
め少ない方が好ましい。また、TFSとして製造する上で
金属Crの電析に対しても少ない方が好ましい。実用上問
題とならない上限として0.03%に規制する。
ることによってスラブの熱間割れを防止するばかり、連
続焼鈍の過時効過程では、MnSを核としたフェライト結
晶粒内への微細セメンタイト析出を促す役割を果たす。
また、固溶強化元素としてCによる強化を補う役目も果
たす。本願では、Sを析出固定するに足る下限として0.3
%を規定する。
めには有効であるが、反面MnSの溶解度積が増大し、ス
ラブ段階で比較的大きなMnSが形成されるばかりか、熱
延時にバント組織の形成を助長して鋼中Cのミクロ的な
不均一分布を促し、炭化物の微細分散化を阻害する。こ
れらは、いずれもDTR時の側壁破断に対して不利な組織
を提供する。そこで、Mnの上限を1 %とする。
界を脆化させる元素であるため、極力少ない方が好まし
い。実用上耐側壁破断性に影響しない上限として、0.03
%以下とする。
させることによって、固溶Cと同様に動的歪時効現象に
よって鋼板の局部延性を低下させる固溶Nの弊害を軽減
する。また、微細なAlNはフェライト結晶粒の微細化に
有効なばかりか、MnSと同様連続焼鈍の過時効過程で、
微細セメンタイトのフェライト結晶粒内への析出の核と
なる。
添加を行うと、微少なAl2 O3 介在物が残留し易くな
り、側壁破断の原因となる。そこで上記の効果が発現す
る下限として0.02%を、実用上それ以上の添加が耐側壁
破断性を阻害する限界として、その上限を0.1 %とす
る。
ト結晶粒の細粒化と微細セメンタイトの析出サイトとし
て活用することと、経済的観点からその範囲を10〜70pp
mとする。
性の優れた方法として、熱延条件と連続焼鈍条件をそれ
ぞれ以下のように限定する。
熱延仕上温度:870℃以下、巻取温度:620℃以下とす
る。
分散化に重要である。とくにMnSは、鋼片加熱温度を115
0℃以上として再固溶させた後に熱延することによっ
て、微細分散化が図られる。パーライトは、熱延仕上温
度を870℃以下としてオーステナイト粒を微細化した後
フェライト変態させることと、巻取温度を620℃以下と
して巻取り後の徐冷中でのフェライトの結晶粒成長とパ
ーライトの凝集粗大化を抑制することによって微細分散
化が図られる。
る。連続焼鈍条件は焼鈍後の冷却において600〜500℃の
間の冷却速度を40℃/ 秒以上とし、400℃以下まで冷却
した後、400〜300℃の温度域で20秒以上保持する過時効
処理を行う。
0.02%以下のCの析出状態を規定することによって安定
した耐側壁破断性が得られることを見い出した。つま
り、熱延板中に分布するパーライトは冷間圧延時に破砕
されて圧延方向に展伸し、焼鈍時にフェライト結晶粒を
股がる群落状のセメンタイトとして存在するが、焼鈍中
にフェライト相中に固溶する約0.02%のCは、冷却過程
でフェライト結晶粒界あるいはフェライト結晶粒内にFe
3 C として析出する。特に冷却速度が遅い場合または過
時効温度が高い場合には、Cの大半はフェライト結晶粒
界にフィルム状に析出する。これらのフェライト結晶粒
界の炭化物は、DTR成形時の微小割れの起点を与えるこ
とになる。そこで本発明では、ある程度のCをフェライ
ト結晶粒内外に微細に析出させることで、微小割れを誘
起する臨界サイズ以下にセメンタイトを微細分散させて
いる。
〜500℃の間の冷却速度と過時効処理温度の影響を示し
た図である。図から明らかなように、600〜500℃迄の間
の冷却速度:40℃/ 秒以上、過時効温度400〜300℃の条
件において、30%以上のеthが得られている。
時効中にフェライト結晶粒界にフィルム状のセメンタイ
トが析出して割れの起点となり、300℃未満では残留固
溶Cが増加することによって鋼板の局部延性が劣化する
ためである。
フェライト結晶粒内に微細なセメンタイトを析出させる
に足る固溶Cの析出の駆動力(固溶Cの過飽和度に依存)
が得られないことによる。
上、Ac3 点以下の温度として硬質第2相の発生を防止
する。焼鈍温度と600℃までの冷却速度は急冷でも、徐
冷でもよく、500℃から過時効温度までの冷却速度も急
冷でも、徐冷でもよい。
小さくすることによってеthを改善出来ることを図3に
示した。そこで本発明では、フェライト組織を微細化す
る方法として0.002〜0.01 %の微量のNbを添加しても良
い。
cおよびMFPの好ましい範囲は、各々10μm以下、
2μm以下である。
錫めっき鋼板、極薄錫めっき鋼板、錫−Niめっき、Ni
フラッシュめっき鋼板、Crめっき鋼板などに於てもそ
の特性が損なわれるものではない。特に、これらの表面
処理鋼板をフィルムラミネート鋼板、プレコート鋼板の
下地処理として用いる場合はテインフリー鋼板が加工密
着性の観点から最も望ましい。
ネートに適用でき、樹脂などの種類によっても性能は本
質的に変化の無いもので、同様に、各種のプレコートに
適用でき、塗料などの種類によっても性能は本質的に変
化の無いものである。
缶成形におけるプロセスがWetプロセス、Dryプロセスの
如何にかかわらず、張力を付加しながら深絞り成形を行
う所謂DTR製缶法に使用される全ての鋼板の製造に適用
出来る技術である。
oning)を実施して、薄肉化を図る場合にも適用可能で
ある。
に具体的に述べる。
20〜1200℃に加熱後、仕上温度:840〜890℃、巻取温
度:580〜680℃で1.8mm厚の熱延板とした。該熱延鋼板
を酸洗後0.24mmまで冷間圧延し、引き続き連続焼鈍炉に
て再結晶焼鈍を行なった。連続焼鈍においては、焼鈍後
の過時効処理温度までの間の冷却のうち600〜500℃の間
の冷却速度を20〜100℃/ 秒の範囲で変化させ、過時効
処理を、250〜450℃の範囲で90秒行った。
mmとした後、ティンフリーメッキラインにて金属CrとCr
水和酸化物の複層構造を有し、表1に示す化学組成と残
部Feおよび不可避不純物からなるTFS鋼板を製造し
た。
し、高速ドロービード引きき試験によってеth を評価
した。
した鋼板成分と熱延および連続焼鈍条件を組み合わせる
ことによって高いеth が得られ、優れたDTR成形性を有
していることを示唆している。
の600〜500℃の間の冷却速度を40℃/ 秒以上にした後、
過時効温度400〜300℃の条件で箱焼鈍してもよい。
あるいは炭化物と母相の界面の微小な割れを防止するこ
とで、激しい引張り深絞り成形を受けるDTR成形におけ
る鋼板の耐側壁破断性を著しく向上させた。
壁破断が皆無で、30%以上の薄肉化を受けても、こう
した微小な割れがほとんど発生しない耐側壁破断性の優
れたDTR缶適合鋼板を提供することができる。
図である。
却速度と過時効処理温度の影響を示す図である。
す図である。
す図である。
る。
を示す断面ミクロ組織の図面代用写真である。
Claims (2)
- 【請求項1】重量%(以下、同様)で、0.03≦C≦0.1
%、Si≦0.03%、0.3≦Mn≦1 %、P≦0.03%、S≦0.02
%、0.02≦sol.Al≦0.1 %、0.001 ≦N≦0.007 %、Tot
al-O≦30ppm、0.0002≦B≦0.0015%を含有する鋼片
を、鋼片加熱温度:1150℃以上、熱延仕上温度:870℃
以下、巻取温度:620℃以下の条件で熱延鋼板とした
後、冷間圧延、連続焼鈍、調質圧延あるいはDR圧延、下
地表面処理、DTR用表面処理工程でDTR 缶用の鋼板を
製造する場合において、前記連続焼鈍時の冷却の600〜5
00℃の間の冷却速度を40℃/ 秒以上とし、かつ400℃以
下まで冷却した後、過時効処理を400〜300℃の温度で20
秒以上施すことを特徴とするフェライト相と微細分散炭
化物からなる組織のDTR缶適合鋼板の製造方法。 - 【請求項2】請求項1において、0.002≦Nb≦0.01%の
範囲のNbを含有することを特徴とするDTR缶適合鋼板の
製造方法。
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1995
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