JP3223760B2 - 耐側壁破断性の優れたdtr缶適合鋼板 - Google Patents

耐側壁破断性の優れたdtr缶適合鋼板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はDTR(Draw and Thin Red
raw)製缶用途に適合する缶用鋼板に関するもので、当
該製缶工程で行われる缶胴の張力付加深絞り成形時に顕
在化する側壁破断現象の発生し難い鋼板を提供するもの
である。
【0002】
【従来の技術】飲料缶等を中心として、軽量化、工程省
略、素材および製造コスト低減の観点から、3ピース缶
から2ピース缶への移行、更には缶体の薄肉化が進めら
れている。今日、飲料缶用2ピース缶の主流となってい
るのは、円形のブランクをカップ状に深絞り成形(Draw)
後、缶胴を2〜3回しごき成形(Ironing)することに
よって側壁部の薄肉化と所定の缶高さを得るDI(Draw an
d Ironing)成形法であるが、一般に陽圧缶用途に限定さ
れ、内容物をホットパックするレトルト缶(コーヒー
缶、紅茶缶)等の陰圧缶には使用されない。
【0003】一方、しごき加工を伴わない成形法として
は、絞り加工を2回行うDRD(Draw and ReDraw)成形法
と、2回目以降の絞り成形時にフランジ部に高いしわ押
え力を付加してフランジから側壁部への流れ込みを抑制
し、側壁部に積極的に張力を付加する張力付加深絞り成
形を行うことによって缶胴の薄肉化を行うDTR(Draw and
Thin Redraw)成形法が実用化されている。これらの方法
の最大の特長は、しごき加工が施されないため、プレコ
ート鋼板やラミネート鋼板を使用することによって、工
程省略が可能なばかりか、意匠性やデザイン性の優れた
飲料缶の製造が可能になる点である。
【0004】さて、近年、上記のDTR成形を飲料缶用途
に展開する技術が開発され、実用化の段階に入ってい
る。当該用途に対しては、一般的にT5-CAからDR-9程度
のテンパー度を有するティンフリースティール(TFS)
にポリエステルフィルム(PET)をラミネートした鋼板
を素材としてカップ成形した後、2段の張力付加深絞り
成形が行われる。これによって、缶側壁は20%以上の薄
肉化が達成され、缶の軽量化が可能になるばかりか、鋼
板板厚、鋼板のテンパー度と缶底部のドーム形状を変え
ることによって、陽圧缶、陰圧缶の両方に適合させるこ
とが可能である。しかし、当該成形法では、素材設計上
以下の諸問題を解決する必要がある。1.張力付加絞り
成形時のダイ肩部との摺動によるラミネートフィルムの
剥離。2.張力付加絞り成形時に缶壁部がポンチとダイ
ス間に拘束されず自由表面状態で引張り変形を受けるた
め、肌荒れが発生し易い。3.高速で張力付加絞り成形
を行うため、各カップ成形時にポンチ肩と接触した箇所
(ショックライン)を起点とした側壁破断が起こり易
い。
【0005】上記の各技術課題のうち下地鋼板の設計に
係わる2と3の課題に対しては、従来いくつかの特許技
術が開示されており、例えば特開平4-314535号公報で
は、鋼板の結晶粒径を所定のサイズ以下まで細粒化して
肌荒れを抑制する技術が開示されている。
【0006】特に、耐側壁破断性に関しては、特開平7-
34192 号、特開平7-34193 号、特開平7-34194号公報に
おいて、ある製造方法の下で結晶粒径を規定することに
より、加工性、肌荒れ性、耐食性を向上させる技術が開
示されている。これらの技術では、Nbを添加した鋼板
を含めて固溶CおよびNを低減させ、くびれの発生やボ
イドの連結を抑制し、それによって耐側壁破断性を高め
ることを開示しているが、金属組織的に側壁破断の起点
となる部分に関しては触れられておらず、側壁破断を根
本的に回避するには至らない。
【0007】また特開平5-247669号公報では、焼き入れ
性向上のためにBを添加した鋼板を連続焼鈍の際にフェ
ライト−オーステナイト二相域から急冷することによっ
てミクロ組織をフェライト相と低温変態相の二相組織に
し、1回冷圧で十分な高強度を得る技術が開示されてい
る。さらに、特開平4-337049号公報でNbを添加した鋼
板において同様にミクロ組織をフェライト相と低温変態
相の二相組織にする技術が開示されている。
【0008】しかし、このような二相組織では、フェラ
イト相と硬質な低温変態相との界面でDTR加工に伴いボ
イドが発生し易いため、十分な耐側壁破断性を得るに至
らないものである。
【0009】これらの技術に共通するのは、金属組織学
的な原理原則に基づいて、組織の微細化と割れの起点と
なる鋼中介在物を減少させようとするものである。
【0010】しかし、個々の技術について詳細に検討す
ると、DTR成形時の缶側壁破断の問題に対して、素材に
要求される絶対的な強度レベル、側壁破断現象の本質的
なメカニズムとそれに対する最適ミクロ組織のあり方、
最適ミクロ組織を得るための具体的なプロセス条件等に
対して、最適な技術は開示されていない。このため、2
5%を超える側壁部の薄肉化を安定して実現すること
は、従来の素材設計技術の範囲内では不可能であり、結
局しごき加工を付加せざるを得ないものと考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、DTR成形に
適用される各種の樹脂などをラミネートした鋼板、各種
の塗料をプレコートされた鋼板に対する前記の従来技術
の問題点の中で、耐側壁破断性を著しく向上させること
を目的とするものである。
【0012】図8、図9は、従来技術によってDTR成形
された飲料缶の側壁部のミクロ組織を走査電子顕微鏡
(SEM)観察した結果である。当該飲料缶は、フィルム
密着性、耐食性、肌荒れ等の表面性状、耐圧強度、側壁
のパネリング強度等、飲料缶として要求される性能は具
備している。
【0013】しかし、ミクロ組織的には、MnSと母相の
界面あるいは炭化物と母相の界面に微小な割れが多数観
察される。こうした素材は、更に激しい引張り深絞り成
形を受けるとこれらの微小な割れが起点となって側壁破
断することが予想される。
【0014】本発明は、20%以上の薄肉化においては
側壁破断が皆無で、30%以上の薄肉化を受けても、こ
うした微小な割れがほとんど発生しない鋼板を提供する
ものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため本発明の要旨とするところは下記の通りで
ある。
【0016】(1)mass%で、0.02<C≦0.1 %、Si<
0.03%、0.4≦Mn≦1.2 %、P≦0.03%、S≦0.02 %、0.
02≦Sol.Al≦0.1 %、N≦0.007%、Total-O≦0.005
%、( 3.0×10-4) /C≦Nb≦0.03 %、10C+Mn≧0.8
%、S×O≦4.0×10-5と、残部Fe及び不可避的不純物か
らなる成分組成を有し、フェライト相と微細分散炭化物
からなる組織で構成されること、即ちフェライト単相組
織であり、フェライト粒内にセメンタイトが微細分散し
ていることを特徴とする耐側壁破断性の優れたDTR缶適
合鋼板、 (2)mass%で、0.02<C≦0.1 %、Si<0.03%、0.4≦
Mn≦1.2 %、P≦0.03%、S≦0.015%、0.02≦sol.Al≦
0.1 %、N≦0.007 %、( 3.0×10-4 ) /C≦Nb≦0.03%
、Total-O≦0.0025 %、10C+Mn≧0.8 %、S×O≦2.5
×10-5 と、残部Fe及び不可避的不純物からなる成分組
成を有し、フェライト相と微細分散炭化物からなる組織
で構成されること、即ちフェライト単相組織であり、フ
ェライト粒内にセメンタイトが微細分散していること
特徴とする耐側壁破断性の優れたDTR缶適合鋼板、さら
に本発明では、上記の基本構成要件に加えて、DTR成形
時の耐側壁破断性をより一層高める狙いから、以下の構
成要件を付加するものである。 (3)上記(1)または(2)において、微細分散して
いるセメンタイトのうち、フェライト結晶粒を股がる群
落状のセメンタイトの群落の長さLcが10μm 以下である
ことを特徴とする耐側壁破断性の優れたDTR缶適合鋼板
である。
【0017】
【作用】本発明を成すに至った基本的な考え方と、それ
に基づいて構成した本発明とその限定理由について以下
に述べる。
【0018】まず本発明者らは、図8、図9に示した現
状のDTR成形品のミクロ組織に着目し、側壁破断を引き
起こす主因は、製鋼性の酸化物系非金属介在物と、鋼板
製造過程で固相反応によって析出するMnS、AlN、セメン
タイト(Fe3 C )の存在と、その析出物の量、サイズ、
分布密度など析出形態であることを解明した。
【0019】つまり、従来以上に高いレベルの側壁部の
薄肉化を達成するためには、析出物の析出形態を規制
し、鋼板のミクロ組織自体を適正化することが極めて重
要であることを見出した。
【0020】すなわち、それらの析出物と母相との界面
で微小な割れが発生し、析出形態によっては発生した微
小な割れが伝播し易く、DTR加工の際に側壁破断に至り
易いことを見出した。
【0021】また評価方法として、本発明者らは、従来
の技術で極めて曖昧かつ定性的な評価しかなされていな
かった耐側壁破断性に対して、材料間の有意差を正確か
つ定量的に評価できる指標として、図7に示す高速ドロ
ービード引抜き試験法によって求められる限界薄肉化率
(еth)を用いた。
【0022】eth=100(e0ー e )/e0 ただし、e0は初期板厚、 e は破断面以外の近傍の板厚
である。
【0023】また、実験室にてDTR成形のシミュレーシ
ョン試験も実施した。円形のブランクを打抜き、クラン
クプレスを用いた通常の絞り成形によりカップを成形
し、このカップを工具条件、しわ抑え力、成形温度を制
御した複動型の高速油圧深絞り試験機を用いて、350cc
缶相当の211径サイズにDTR成形した。
【0024】高速ドロービード試験により求めた限界薄
肉化率ethとDTR成形シミュレーション試験により求め
た限界薄肉化率Rthの関係を図6に示す。同図に示すよ
うにethが大きいほど缶胴側壁部の限界薄肉化率が高
く、耐側壁破断性に優れていることが確認でき、еthは
側壁破断を伴わないでDTR成形可能な缶胴側壁の限界薄
肉化率と正の相関があり、概ね(еth+5%)程度の値と限
界薄肉化率が一致することを確認した。
【0025】この高速ドロービード引抜き試験法を用い
て、具体的な構成要件と限定範囲を定めた。
【0026】本発明の鋼板はそのミクロ組織をフェライ
ト相と微細分散炭化物からなる、実質的なフェライト単
相組織とする。これは、低炭素鋼において不可避的に存
在する炭化物(パーライトまたはセメンタイト)以外の
相(マルテンサイト,ベイナイトなど)を意図的に生成
させた場合、そうした硬質第2相とフェライト母相の界
面が、DTR成形時の微少割れの起点となり、耐側壁破断
性を一層劣化させるためである。
【0027】図1はCを0.07%含有し、DR9相当のテン
パー度に調整したTFSのethに及ぼすNb添加効果、total
O量の影響を示したものである。totalO量を低減する
ことによりethは増大し、O量の低下が薄肉化率upに有
効であることがわかるが、O量の低下のみでは0.0025%
以下まで低減してもethは20%程度である。
【0028】これに対し、0.01 %のNbを添加した鋼板
は、O量にかかわらずNb無添加の従来鋼よりもethが大
きく、さらにO量を0.005 %以下とすることによりeth
は30%以上となっている。さらにO量を0.0025%以下ま
で低減すると、ethは35%以上となっている。
【0029】これは、Nb添加によりTFS原板のフェライ
ト結晶粒径が細粒化したことと、炭化物の析出形態が変
化し、炭化物が比較的均一に微細分散したことによるも
のである。Nb添加により、熱延時のオーステナイト粒径
が細粒化し、変態後のフェライト粒径、冷圧、焼鈍後の
フェライト粒径も細粒化する。
【0030】Nb添加鋼板では、Cの一部が鉄炭化物に比
べ非常に微細な10〜20nm程度のNb炭化物(NbC)として
析出するため、フェライト細粒化効果との相乗効果によ
り、鉄炭化物のサイズも小さくなり、分布密度が増し平
均析出間隔も均一化される。これらの効果により、耐側
壁破断性が向上するものと考えられる。
【0031】一方、Nb無添加の従来鋼板では、Cは粒界
及び粒内にセメンタイト及び一部パーライトとして析出
する。このような鉄炭化物は、比較的大きく、サブミク
ロンまたはミクロンオーダーのサイズを有するため、炭
化物と母相の界面が割れの起点となりやすく、DTR成形
時に多数の微小割れを発生させ、側壁破断の原因とな
る。
【0032】また、Al23 系を主体とし、さらにMnO
系、CaO、SiO2 系も含めた酸化物系介在物は、割れの
起点となるため少ないほど加工性が向上する。totalO
量の低減に伴う、Nb添加によるethの飛躍的な向上は,
酸化物系介在物が減少したため、ethに対する炭化物の
影響が相対的に大きくなり、Nb添加による炭化物微細化
の効果が顕著にあらわれるようになったためである。す
なわち、Nb添加効果を最大限に発揮させるためには、O
量を低減させることが極めて重要である。
【0033】次に、ethに対するtotalO量、S量の影響
を検討した。0.06〜0.09%のC、0.008〜0.015%のNbを
含有し、totalO量とS量が種々異なる鋼を溶製し、DR9
相当のテンパー度に調整したTFSのethを測定した結果
を図2に示す。totalO量、S量を低減することよりet
hは向上しているが、O量が比較的高く0.005 %を超え
る場合はSを0.005%程度まで低減しても十分なethは得
られていない。
【0034】同図から明らかなように、totalO≦0.005
%、S≦0.02 %、S×O≦4.0×10-5 %の場合にeth
≧30%が得られ、さらに、totalO≦0.0025%,S≦0.01
5%、S×O≦2.5×10-5 %の場合にはeth≧35%が得
られており、耐側壁破断性が著しく向上している。すな
わち、OとSを同時に低減することにより、優れた耐側
壁破断性を得ることができる。
【0035】これは、前述のように微小な割れ発生の起
点となるMnSが減少したことによるものであるが、酸化
物系介在物が比較的多い場合には酸化物が割れの起点と
なりうるためにSを低減しても、その効果は十分発揮さ
れない。しかし、酸化物系介在物が少なくtotalO量が
低い場合にはMnSの影響が相対的に大きくなるため、S低
減による微小割れの起点となり得るMnS減少効果が顕著
に発揮されるようになる。すなわち、S低減による耐側
壁破断性向上効果を最大限に発揮させるためにはO量を
低減することが重要である。
【0036】次に本発明の請求範囲の限定理由について
説明する。 Nb:Nbは本発明において極めて重要な元素であり、フ
ェライト組織の細粒化、割れの起点となる鉄炭化物の減
少と鋼板の高強度化をはかるために添加する。微細なNb
炭化物を析出させ、これらの作用を十分に発揮させるた
めにはC量に応じて決まる必要最低限以上のNbを添加す
ることが重要である。図3にC量、Nb量とethの関係を
示す。
【0037】NbをC量との関係において、3.0×10-4
C以上添加することにより上記の効果が発揮され、高い
ethを得ることができることから、その添加量の下限を
3.0×10-4 /C(%)とする。一方、0.03 %を超える
添加を行っても、上記の効果は飽和し格段の特性向上が
期待できないため、その上限を0.0 3%と規定する。
【0038】O:前述のように、鋼中の酸化物系介在物
はDTR成形時の割れ発生の起点となるため、耐側壁破断
性を著しく阻害する。本発明においては、耐側壁破断性
を向上させるために、Nbを添加し炭化物の微細分散化を
図るとともにS量も低減するが、図 1、図 2に示したよ
うにtotalO量を50ppm以下にすることにより、これらの
効果を十分に発揮させることができる。
【0039】そこで、本発明では鋼中のtotalO量を50p
pm以下に限定する。さらに、前述のS量との関係におい
て、eth≧30%が安定して得られる上限として、S×O
≦4.0×10-5 %に限定する。また、totalO≦0.0025
%、S×O≦2.5×10-5%に限定することにより、本発明
の効果を最大限に発揮させ、なお一層良好な耐側壁破断
性を得ることができる。
【0040】S:Sは本発明において極めて重要な元素
である。SはMnSとして鋼中に存在し、展伸したMnSはDTR
成形時の側壁破断に至る割れの起点になりやすい。した
がって、Sは極力少ないほうが望ましく、0.02%以下に
限定する。さらに、S量と鋼中O量の関係を特定範囲に限
定することにより、良好な耐側壁破断性を得ることがで
きるようになる。
【0041】本発明においては、図2に示したように、
前述したO量とともに、eth≧30%が安定して得られる
上限として、totalO≦0.005 %、S≦0.02 %、S×O≦
4.0×10-5 %に限定する。さらに、totalO≦0.0025
%、S≦0.015%、S×O≦2.5×10-5 %に限定すること
により、なお一層良好な耐速壁破断性を得ることができ
る。
【0042】C:CはDTR缶適合鋼板として要求される強
度レベルを確保するために極めて重要な元素である。本
発明においては、DTR缶として必要な缶強度を確保する
ために、C、Mnおよび微細なNb炭化物により鋼板を強化
する。Cが0.02%以下の場合には、Mn、Nbを添加したと
しても必要な強度を得ることが困難となるので、本発明
では0.02%を超えるCを含有していることを必須とす
る。
【0043】しかし、Cは一部がパーライトあるいは焼
鈍中にフェライト粒界または粒内にセメンタイトとして
析出するため、これらの鉄炭化物と母相との界面が割れ
の起点となりやすく、図9に示したようにDTR成形時に
多数の微小割れを発生させる原因となる。本発明におい
ては、鉄炭化物によるこれらの悪影響を緩和させるため
に、Nb添加を必須としており、Cの一部を鉄炭化物が形
成される前の、より高温にて微細なNb炭化物として析出
させる。
【0044】さらに、微細なNb炭化物以外の炭化物、す
なわち、セメンタイトの析出形態を制御することによ
り、耐側壁破断性を一層向上させることができる。一
方、C含有量が0.1 %を超えると、Nbを添加したとして
もパーライトを起点とする側壁破断が顕在化するように
なるため、C量は0.1 %以下に限定する。
【0045】Si:Siは置換型固溶元素であり強化能を
有するが、本発明においては、以下に示す理由によりSi
の積極的な添加は行わない。Siは意図的な添加を行わな
い場合にも、不純物成分として鋼中に残留し、鋼板を脆
化させる元素であり、また、TFSの下地鋼板として使用
する場合には金属Crの電析に対しても悪影響を与えるた
め、その含有量は少ないほうが望ましい。また、多量に
添加した場合には、SiO2 介在物が鋼中に残留する場合
があり、耐側壁破断性を劣化させる。
【0046】そこで、本発明においては、これらの悪影
響を回避するため、その含有量を0.03%未満に限定す
る。さらに、鋼板の局部延性を向上させ、なお一層の優
れた耐側壁破断性を得るためには、不純物成分であるSi
の含有量を0.01%以下に規定することが好ましい。
【0047】Mn:Mnは鋼中SをMnSとして析出させるこ
とによって鋳片、鋳造板( スラブなど) の熱間割れを防
止するとともに、連続焼鈍後の過時効過程においてMnS
を核とした粒内への微細セメンタイト析出を促す役割を
果たす。本発明ではNb添加を必須としているためCの一
部はNb炭化物として析出するが、残りのCは鉄炭化物と
なるため、MnSの上記の作用は重要である。さらに、Mn
は固溶強化元素として、Cによる強化、Nb炭化物による
強化を補う役割を果たす。
【0048】本発明では、Sを析出固定し、さらにDTR缶
として必要な缶体強度を得るための下限として、0.4 %
以上かつ、C含有量との関係において10C+Mnが0.8 %以
上となるようにMnを添加することを必須とする。
【0049】一方、Mnを多量に添加すると素材強度を高
めるためには有効であるが、その反面、MnSの溶解度積
が増大し、スラブ段階で比較的大きなMnSが形成される
ばかりか、熱延時にバンド組織の形成を助長して鋼中C
のミクロ的不均一分布を促す。これらは、いずれもDTR
成形時の耐側壁破断性を劣化させる要因となるため、Mn
の上限を1.2%とする。
【0050】P:PもSiと同様に置換型固溶元素であ
り、Si以上に大きな強化能を有し鋼板の高強度化を図る
ためには有効な元素であるが、同時にフェライト粒界に
偏析して粒界を脆化させる元素でもあるため、耐側壁破
断性の観点からはその含有量は極力少ないほうが好まし
い。
【0051】そこで、実用上の耐側壁破断性に対する悪
影響を回避できる上限として、0.03%以下に限定する。
さらに、なお一層の優れた耐側壁破断性を得るために
は,その含有量を0.01%未満まで低減することが有効で
ある。
【0052】sol.Al:sol.Alは鋼中NをAlNとして析出さ
せることにより、動的歪時効によって鋼板の局部延性を
低下させるという固溶Nの弊害を軽減する。また、微細
なAlNはフェライト粒の微細化に有効であるとともに、M
nSと同様に連続焼鈍の過時効過程における微細セメンタ
イトの粒内析出の核となるため、炭化物の微細分散に対
しても有効に作用する。
【0053】しかし、sol.Al量を高めるために多量のAl
を添加すると、微小なAl23 介在物が残留しやすくな
り、側壁破断の原因となる。そこで、本発明において
は、上記の効果を発揮させるためにその下限を0.02%
に、また実用上それ以上の添加が耐側壁破断性を劣化さ
せる限界として、その上限を0.1 %とする。
【0054】N:NはAlNとして微細に析出分散させるこ
とにより、フェライト粒の微細化と微細セメンタイトの
析出サイトになるという作用を有する。しかし、このよ
うな作用を発揮させるために、とくに積極的に添加する
必要はなく、通常の鋼に含まれる範囲で十分である。過
剰なN添加は、Alを添加したとしても固溶Nを残留させや
すくなり,局部延性の低下をもたらし耐側壁破断性の劣
化を引き起こす原因となる。そこで、Nは70ppm以下に限
定する。
【0055】しかし、本発明においては,Nb添加を必須
としていることにより、Nb炭化物によるフェライト粒の
細粒化と炭化物の微細化が図られるため、AlNによる上
記の作用を積極的に利用しなくても本発明の目的を達成
することができる。そこで、固溶Nの残留による悪影響
を完全に回避し、なお一層の優れた耐側壁破断性を必要
とする場合には、Nを30ppm以下にすることが有効であ
る。
【0056】本発明においては、上記の組成を有する鋼
を用いて、そのミクロ組織をフェライト相と微細分散炭
化物からなる、実質的なフェライト単相組織とする。こ
れは、低炭素鋼において不可避的に存在する鉄炭化物
(パーライトまたはセメンタイト)とNbの積極的な添加
により析出させるNb炭化物(NbC)以外の低温変態生成
相(マルテンサイト、ベイナイトなど)を意図的に生成
させた場合には、こうした硬質第2相とフェライト母相
の界面がDTR成形時の微小割れの起点となり、耐側壁破
断性を劣化させるためである。
【0057】本発明の鋼板はNbを添加しているため、Nb
無添加の従来の鋼板に比べ,Nb炭化物の微細分散により
析出強化されるとともに、フェライト結晶粒の細粒化、
炭化物の微細化と鉄炭化物の減少が図られ、耐側壁破断
性が向上している。
【0058】しかし、Cの全量がNb炭化物として析出す
るわけではなく、一部、鉄炭化物として析出している。
前述のように、Nb炭化物は非常に微細であり、DTR加工
時の割れの起点となることはないが、鉄炭化物は割れの
起点となりうる。そこで、鉄炭化物の析出形態を制御す
ることにより、さらに耐側壁破断性の向上を図ることが
できる。
【0059】熱延段階でNb炭化物として析出していない
Cは、巻取り後に熱延鋼板の結晶粒界に凝集し、一部パ
ーライトとして析出する。これらの炭化物は冷間圧延に
より粉砕され、再結晶焼鈍、調質圧延あるいはDR圧延後
に、フェライト結晶粒界を横断し、隣接した結晶粒の粒
内へ連なった微細セメンタイトの密集した群落となって
存在している。また、0.02%以下のCの一部は、再結晶
焼鈍中にフェライト中に固溶し、焼鈍後の冷却過程でフ
ェライト粒界及び粒内にセメンタイトとして析出する。
これらのセメンタイトの析出形態を図5に模式的に示
す。
【0060】これらのうち、とくにフェライト結晶粒界
を横断し、隣接した結晶粒の粒内へ連なった微細セメン
タイトの密集した群落が、最も割れの起点となりやすい
ため、これらの圧延方向の長さLc(Lcの定義は圧延方向
に限定しないが、通常、圧延方向の長さがもっとも大き
い)を短くすることが耐側壁破断性の一層の向上に対し
効果的である。
【0061】図4は、0.012%のNbを含有しDR9相当の
テンパー度に調整した鋼板のLcとethの関係を示したグ
ラフである。同図から、Lcを10μm以下にすることによ
り、さらにethが向上し安定して良好な耐側壁破断性が
得られることがわかる。
【0062】そこで、本発明の効果を最大限に発揮し、
極めて良好な耐側壁破断性を得るための条件として、フ
ェライト結晶粒界を横断し、隣接した結晶粒の粒内へ連
なった微細セメンタイトの密集した群落の圧延方向の長
さLcを10μm以下に規定する。なお、好ましくは、フェ
ライト結晶粒内に析出する微細なセメンタイトの平均粒
子間距離MFPが2μm以下である。
【0063】次に本発明の鋼板の一般的な製造方法につ
いて説明する。転炉溶製後、200〜280mm程度の通常厚み
のスラブ、または30mm厚程度の薄スラブに連続鋳造した
後、熱間圧延を行う。連続鋳造は、鋼中のP、Sのセミマ
クロ及びマクロ偏析を軽減するため、スラブ軽圧下鋳造
が好ましい。
【0064】スラブ加熱温度、仕上温度、巻取温度は、
それぞれ、1100〜1250℃、800〜890℃、500〜700℃程度
の温度範囲とすることができるが、MnSの均一微細化の
観点から1150℃以上のスラブ高温加熱が、熱延板組織の
細粒化の観点から870℃以下の低温仕上げが、またパー
ライトの微細分散化の観点から640℃以下の中・低温巻
取りが望ましい。
【0065】さらに熱延鋼板を酸洗、冷間圧延した後、
再結晶焼鈍を行う。再結晶焼鈍は、連続焼鈍、箱焼鈍の
いずれも採用可能であり、連続焼鈍の場合は過時効処理
を施さなくても製造可能であるが、鉄炭化物の析出形態
制御の観点から過時効処理を付加することが望ましい。
過時効処理は、連続焼鈍炉内のインライン過時効処理
(CAL−OA)、連続焼鈍後の箱焼鈍によるバッチ過
時効処理(CAL−BAF)のいずれの方法を用いても
よい。
【0066】過時効処理は、動的歪時効によって鋼板の
局部延性を劣化させる残留固溶Cを低減し、かつセメン
タイトを結晶粒内に微細分散させるために、CAL−O
Aの場合は300〜400℃で保定時間20秒以上、CAL−B
AFの場合も400℃以下の温度範囲で実施することが有
効である。
【0067】焼鈍後の鋼板は、調質圧延またはDR圧延に
より所定の板厚に仕上げた後、錫めっき、極薄錫めっ
き、錫ーニッケルめっき、ニッケルめっき、クロムめっ
き等の各種表面処理が施される。
【0068】とくに、これらの表面処理鋼板をフィルム
ラミネート鋼板、プレコート鋼板の下地鋼板として用い
る場合は、下層が金属クロム、上層がクロム水和酸化物
の2層構造をもつ電解クロム酸処理鋼板すなわちTFS
が、加工密着性の観点から最も望ましい。これらの表面
処理鋼板は、鋼板単独のまま、あるいはポリエステル等
の樹脂フィルムをラミネートしたフィルムラミネート鋼
板、エポキシ等の塗料をコーティングしたプレコート鋼
板としてDTR缶用途に適用される。
【0069】以上に開示した本発明鋼板は、缶成形にお
けるプロセスがWetプロセス、Dryプロセスの如何にかか
わらず、張力を付加しながら深絞り成形を行う所謂DTR
製缶法に使用される全ての鋼板に適用出来る技術であ
る。
【0070】また、DTR加工後、更にしごき成形(Ir
oning)を実施して、薄肉化を図る場合にも適用可能で
ある。
【0071】以下、実施例によって本発明の効果をさら
に具体的に述べる。
【0072】
【実施例】
実施例1 鋼を転炉溶製後、軽圧下連続鋳造によりスラブとした。
これらのスラブを1200℃に加熱後、仕上温度850℃、巻
取温度620℃で板厚1.8mmの熱延鋼板とした。酸洗後、0.
235mmまで冷間圧延し、連続焼鈍及び箱焼鈍により再結
晶焼鈍を行った。連続焼鈍では、過時効処理なし、CAL
内のCAL-OA、および連続焼鈍後箱焼鈍炉によるCAL-BAF
の3種類の条件を実施した。
【0073】焼鈍後の鋼板を圧下率23.4%のDR圧延によ
り0.180mmとした後、ティンフリーメッキラインにて電
解クロム酸処理を行いTFSとした。
【0074】これらの鋼板の化学組成は表1の通りであ
る。これらのTFSの両面に実験室にてPETフィルムをラミ
ネートし、高速ドロービード試験、DTRシミュレーショ
ン試験により限界薄肉化率eth、Rthを評価した。さら
に、DTR成形サンプルの缶底耐圧強度をバックリングテ
スターを用いて評価した。
【0075】評価結果を焼鈍条件とともに表2に示す。
本発明鋼板は、比較鋼板に比べeth、Rthが高く優れたD
TR成形性を有するとともに、十分な耐圧強度も備えてい
ることがわかる。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】実施例2 転炉溶製後、軽圧下連続鋳造によりスラブとし、1200℃
に加熱後、仕上温度840℃、巻取温度600℃で板厚1.8mm
の熱延鋼板とした。これら熱延鋼板を酸洗後、0.235mm
まで冷間圧延し、均熱温度700℃の条件で連続焼鈍し
た。なお、過時効処理は施さなかった。
【0079】その後、調質圧延により0.230mmに仕上
げ、実施例1と同一条件でTFS、PETラミネート鋼板と
し、高速ドロービード試験に供した。なお、対象の鋼板
は表1中の鋼板A〜Mである。
【0080】得られた結果を表3に示す。調質圧延のみ
のSR材を陰圧缶用途に適した板厚に仕上げた場合にも、
本発明鋼板の優れたDTR適合が認められる。
【0081】
【表3】
【0082】実施例3 転炉溶製後、軽圧下連続鋳造によりスラブとし、1200℃
に加熱後、仕上温度840℃、巻取温度600℃で板厚1.6mm
の熱延鋼板とした。これら熱延鋼板を酸洗後、0.185mm
まで冷間圧延し、均熱温度700℃、過時効温度350℃の条
件で連続焼鈍した。その後、調質圧延により0180mmに仕
上げ、実施例1と同一条件でTFS、PETラミネート鋼板と
し、高速ドロービード試験に供した。なお、対象の鋼板
は表1中の鋼板A〜Mである。
【0083】得られた結果を表4に示す。調質圧延のみ
のSR材を陽圧缶用途に適した板厚に仕上げた場合にも、
本発明鋼板の優れたDTR適合が認められる。
【0084】
【表4】
【0085】実施例4 転炉溶製後、軽圧下連続鋳造によりスラブとし、1200℃
に加熱後、仕上温度を840℃とし、520〜600℃の種々の
温度で巻取り、板厚1.8mmの熱延鋼板とした。これら熱
延鋼板を酸洗後、0.220mmまで冷間圧延し、均熱温度700
℃、過時効温度350℃の条件で連続焼鈍した。その後、
調質圧延により0180mmに仕上げ、実施例1と同一条件で
TFS、PETラミネート鋼板とし、高速ドロービード試験に
供した。なお、対象の鋼板は表1中の鋼板A〜Mである。
【0086】得られた結果を表5に示す。フェライト結
晶粒界を横断し、隣接した結晶粒の粒内へ連なった微細
セメンタイトの密集した群落の圧延方向長さLcを10μm
以下とした場合には、さらに良好なDTR成形性を示すこ
とがわかる。
【0087】
【表5】
【0088】実施例5 転炉溶製後、30mm厚の薄スラブとし、軽加熱を行った
後、仕上温度840℃、巻取温度560℃で板厚1.6mmの熱延
鋼板とした。これら熱延鋼板を酸洗後、0.220mmまで冷
間圧延し、均熱温度700℃、過時効温度350℃の条件で連
続焼鈍した。 その後、調質圧延により0175mmに仕上
げ、実施例1と同一条件でTFS、PETラミネート鋼板と
し、高速ドロービード試験に供した。
【0089】なお、対象の鋼板は表1中の鋼板A〜Mであ
る。得られた結果を表6に示す。薄スラブを用いて製造
した場合にも、本発明鋼板の優れたDTR適合が認められ
る。
【0090】
【表6】
【0091】実施例6 転炉溶製後、30mm厚の薄スラブとし、軽加熱を行った
後、仕上温度800℃、巻取温度600℃で板厚1.0mmの熱延
鋼板とした。これら熱延鋼板を酸洗後、0.185mmまで冷
間圧延し、均熱温度720℃、過時効温度350℃の条件で連
続焼鈍した。
【0092】その後、調質圧延により0180mmに仕上げ,
実施例1と同一条件でTFS,PETラミネート鋼板とし,高
速ドロービード試験に供した。
【0093】なお、対象の鋼板は表1中の鋼板A〜Mであ
る。得られた結果を表7に示す。薄スラブを用いて製造
しSR材とした場合にも,本発明鋼板の優れたDTR適合が
認められる。
【0094】
【表7】
【0095】
【発明の効果】本発明鋼板によれば、側壁破断すること
なく従来よりも側壁部薄肉化率の高いDTR缶を製造する
ことが可能となり、DTR缶の缶体軽量化を達成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ethに及ぼす鋼板中のNb添加効果、totalO
量の影響をを示す図である。
【図2】 ethに及ぼす鋼板中のtotalO量、S量の影響
を示す図である。
【図3】 ethに及ぼす鋼板中のC量,Nb量の影響を示
す図である。
【図4】 ethに及ぼすLcの影響を示す図である。
【図5】 セメンタイトの析出形態を示す模式図であ
る。
【図6】 高速ドロービード試験により求めた限界薄肉
化率ethとDTRシミュレーション試験により求めた限界
薄肉化率Rthの関係を示す図である。
【図7】 高速ドロービード試験方法を示す図である。
【図8】 DTR成形後の缶側壁部の割れの断面の状態
を示す断面ミクロ組織の図面代用写真である。(MnS
と割れの対応も示す図である。)
【図9】 DTR成形後の缶側壁部の割れの断面の状態
を示す断面ミクロ組織の図面代用写真である。(セメン
タイトと割れの対応も示す図である。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川瀬 幸夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 西原 英喜 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−240468(JP,A) 特開 平3−44423(JP,A) 特開 平5−295485(JP,A) 特開 昭60−215739(JP,A) 特開 平5−209253(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21D 8/00 - 8/10 C21D 9/46 - 9/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】mass%で、0.02<C≦0.1 %、Si<0.03
    %、0.4≦Mn≦1.2 %、P≦0.03%、S≦0.02 %、0.02≦
    Sol.Al≦0.1 %、N≦0.007%、Total-O≦0.005%、(
    3.0×10-4) /C≦Nb≦0.03 %、10C+Mn≧0.8 %,S×
    O≦4.0×10-5 と、残部Fe及び不可避的不純物からなる
    成分組成を有し、フェライト単相組織であり、フェライ
    ト粒内にセメンタイトが微細分散していることを特徴と
    する耐側壁破断性の優れたDTR缶適合鋼板。
  2. 【請求項2】mass%で、0.02<C≦0.1 %、Si<0.03
    %、0.4≦Mn≦1.2 %、P≦0.03%、S≦0.015%、0.02≦
    sol.Al≦0.1 %、N≦0.007 %、( 3.0×10-4 ) /C≦Nb
    ≦0.03%、Total-O≦0.0025 %、10C+Mn≧0.8 %、S×
    O≦2.5×10-5 と、残部Fe及び不可避的不純物からなる
    成分組成を有し、フェライト単相組織であり、フェライ
    ト粒内にセメンタイトが微細分散していることを特徴と
    する耐側壁破断性の優れたDTR缶適合鋼板。
  3. 【請求項3】微細分散しているセメンタイトのうち、フ
    ェライト結晶粒を股がる群落状のセメンタイトの群落の
    長さLcが10μm 以下であることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の耐側壁破断性の優れたDTR缶適合鋼
    板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2792760A4 (en) * 2011-12-15 2016-01-20 Kobe Steel Ltd HIGH-RESISTANT COLD-ROLLED STEEL PLATE WITH SMALL VARIATIONS IN STRENGTH AND DUCTILITY, AND METHOD OF MANUFACTURING THEREOF

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EP2792760A4 (en) * 2011-12-15 2016-01-20 Kobe Steel Ltd HIGH-RESISTANT COLD-ROLLED STEEL PLATE WITH SMALL VARIATIONS IN STRENGTH AND DUCTILITY, AND METHOD OF MANUFACTURING THEREOF

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