JP3132142B2 - 磁気ディスク駆動装置の組立方法 - Google Patents

磁気ディスク駆動装置の組立方法

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JP3132142B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク駆動装置
の組立方法に関するもので、転がり軸受けに予圧を付与
する作業が容易で且つ精度良くでき、組立コストを低減
せしめる具体的な方法に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】近年磁気ディスク駆動装置は、高性能で
ありながら低コスト化が要求されている。以下に従来の
磁気ディスク駆動装置について説明する。
【0003】図3は従来の磁気ディスク駆動装置の断面
図を示すものである。図3において、1は取付用フレー
ムであり、その中心部には圧入された固定軸2がある。
前記取付用フレーム1には前記固定軸2を中心にステー
タコイル3が環状に配置されている。6は磁気ディスク
10を固定するロータフレームであり、その中心に形成
された透孔内には一対の上転がり軸受け4と下転がり軸
受け5が固定されており、このロータフレーム6は、前
記固定軸2の自由端部に前記上転がり軸受け4と下転が
り軸受け5とにより回転自在に支持されている。
【0004】また前記ロータフレーム6には前記ステー
タコイル3との間に、一定の間隔を保つように円筒状の
ロータマグネットとなる永久磁石8がバックプレート1
1を介して固定されており、この両者でモータを構成し
ている。前記上転がり軸受け4と下転がり軸受け5には
予圧荷重がかけられてロータフレーム6を支持している
が、その方法は前記取付用フレーム1の突起部1aに下
転がり軸受け5の内輪5aを高さ調整用のスペーサ9を
介して当接し、上転がり軸受け4の内輪4aに軸方向と
平行の外力(図3中のF)を加えた状態で前記固定軸2
と上転がり軸受け4の内輪4a及び下転がり軸受け5の
内輪5aとを接着固定し予圧荷重を付与している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、磁気ディスク受け台となる前記ロータフ
レーム6の回転に伴う上下の変動をおさえるために、前
記上転がり軸受け4と下転がり軸受け5を前記固定軸2
に垂直に精度良く配置しなければならない。そのため
に、前記取付用フレーム1の突起部1aを前記固定軸2
と直角に且つ平面度の精度良く加工する必要がある。し
かしながら、最近はコストダウンのため前記取付用フレ
ーム1と磁気ディスクドライブ装置のベースを一体とす
る傾向がある。その場合取付用フレーム1が旋盤加工で
きなくなり突起部1aの平面度等の精度も悪くなる。そ
れを補うとコストが高くなるという課題を有していた。
【0006】また前記上転がり軸受け4及び下転がり軸
受け5と前記固定軸2とを接着固定するために、接着剤
を塗布した固定軸2へ上転がり軸受け4及び下転がり軸
受け5を挿入し下転がり軸受け5の内輪5aを高さ調整
用のスペーサ9に当接してから上転がり軸受け4の内輪
4aへ予圧荷重を付与していた。従って予圧荷重を付与
するまでに固定軸2と上転がり軸受け4及び下転がり軸
受け5が接着硬化を始め、正確な予圧荷重が付与できな
いという課題も有していた。本発明は上記従来の問題点
を解決するもので、部品コスト及び組み立て工数を低減
し、安定した予圧荷重を付与する事ができる磁気ディス
ク駆動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の磁気ディスク駆動装置の組立方法は、取付用
フレームに固定された固定軸と、その固定軸を中心に前
記取付用フレームに環状に固定されたステータコイル
と、磁気ディスクを保持するロータフレームと、そのロ
ータフレームの中心に形成された透孔に外輪が固定さ
れ、内輪が前記固定軸に固定されており、前記ロータフ
レームを前記固定軸の自由端部に回転自在に支持する一
対の転がり軸受けと、前記ステータコイルとの間に所定
の間隔を有して対向するように前記ロータフレームに固
定された円筒状のロータマグネットとを有し、前記ステ
ータコイルとロータマグネットとにより前記ロータフレ
ームを回転するモータを構成した磁気ディスク駆動装置
の組立方法であって、前記一対の転がり軸受けをそれぞ
れ前記ロータフレームに形成された透孔内に内輪のみ互
いに近接する方向に移動可能に挿入し、両方の内輪に互
いに近接する方向に外力を加えた状態で、前記固定軸を
前記一対の転がり軸受けに挿入し、それぞれの内輪に接
着固定することにより軸受けに予圧を付与し、そのロー
タフレームが固着された固定軸を取付フレームに固定す
ることを特徴とする。
【0008】
【作用】この方法によると一対の転がり軸受けの両方の
内輪に予圧を付与した状態で固定軸を挿入し接着固定す
ることにより安定した予圧荷重を付与する事が可能とな
り、従来必要であった取付用フレームの突起部や高さ調
整用のスペーサを廃止する事も可能である。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。図1は本発明の組立方法により組み立
てられた磁気ディスク駆動装置の断面図であり、図2は
組立状態における同要部の断面図である。
【0010】図1、図2において図3に示した従来例と
同一の構成部品には同一の符号を付している。本実施例
と従来例との差異について説明する。図2に示すよう
に、上転がり軸受け4と下転がり軸受け5をロータクレ
ーム6の中心に形成された透孔に挿入する。この時両転
がり軸受け4,5の外輪は、それぞれ透孔内に形成され
た環状の突起6aに当接しており、それぞれの内輪4
a,5aのみ互いに近接する方向に移動可能になってい
る。
【0011】この状態で上転がり軸受け4の内輪4aと
下転がり軸受け5の内輪5aに軸方向と平行の外力(図
2中のF)を加えた状態で外周面に接着剤を塗布した固
定軸2を挿入し、上下の転がり軸受けの内輪と接着す
る。その後できあがったユニットの固定軸2を取付用フ
レーム1に所定の高さまで挿入しモータを完成してい
る。なお本実施例は、ロータフレーム6の中心に形成さ
れた透孔内に環状の突起6aを一体で形成し一対の転が
り軸受け4,5の内輪の端部をそれぞれ突起の上下面に
当接しているが、前記環状の突起の代わりに別ピースで
作ったスペーサを用いても良く、また一対の転がり軸受
けを前記ロータフレームの透孔の所定の位置まで挿入し
その外輪を接着固定しても問題はない。
【0012】
【発明の効果】以上のように本発明は、ロータフレーム
中心の透孔内に設けられた一対の転がり軸受けの両方の
内輪に軸方向外力を加えた状態で前記固定軸を挿入し接
着固定する事により予圧を付与することにより安定した
予圧荷重を得る事が出来るようになったばかりでなく、
固定軸との直角度及び平面度が必要であった取付用フレ
ームの突起部が不要となり旋盤加工が必要であった精度
がフライス加工が可能となり磁気ディスクドライブのベ
ースと取付用フレームを一体化する事が可能となり安価
に磁気ディスク駆動装置を製作することができるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組立方法により組立てられた磁気ディ
スク駆動装置の断面図
【図2】本発明の組立方法による組立工程における同要
部の断面図
【図3】従来の磁気ディスク駆動装置の断面図
【符号の説明】
1 取付用フレーム 1a 取付用フレームの突起部 2 固定軸 3 ステータコイル 4 上転がり軸受け 4a 上転がり軸受けの内輪 5 下転がり軸受け 5a 下転がり軸受けの内輪 6 ロータフレーム 8 永久磁石 9 スペーサ 10 磁気ディスク 11 バックプレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 29/00 H02K 5/173 H02K 15/02 H02K 21/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】取付用フレームに固定された固定軸と、そ
    の固定軸を中心に前記取付用フレームに環状に固定され
    たステータコイルと、磁気ディスクを保持するロータフ
    レームと、そのロータフレームの中心に形成された透孔
    に外輪が固定され、内輪が前記固定軸に固定されてお
    り、前記ロータフレームを前記固定軸の自由端部に回転
    自在に支持する一対の転がり軸受けと、前記ステータコ
    イルとの間に所定の間隔を有して対向するように前記ロ
    ータフレームに固定された円筒状のロータマグネットと
    を有し、前記ステータコイルとロータマグネットとによ
    り前記ロータフレームを回転するモータを構成した磁気
    ディスク駆動装置の組立方法であって、前記一対の転が
    り軸受けをそれぞれ前記ロータフレームに形成された透
    孔内に内輪のみ互いに近接する方向に移動可能に挿入
    し、両方の内輪に互いに近接する方向に外力を加えた状
    態で、前記固定軸を前記一対の転がり軸受けに挿入し、
    それぞれの内輪に接着固定することにより軸受けに予圧
    を付与し、そのロータフレームが固着された固定軸を取
    付フレームに固定することを特徴とする磁気ディスク駆
    動装置組立方法。
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