JP2000295812A - モータ、モータの製造方法、及び回転体装置 - Google Patents

モータ、モータの製造方法、及び回転体装置

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JP2000295812A
JP2000295812A JP11097022A JP9702299A JP2000295812A JP 2000295812 A JP2000295812 A JP 2000295812A JP 11097022 A JP11097022 A JP 11097022A JP 9702299 A JP9702299 A JP 9702299A JP 2000295812 A JP2000295812 A JP 2000295812A
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JP
Japan
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yoke
support member
sleeve
contact
peripheral surface
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JP11097022A
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Takafumi Suzuki
隆文 鈴木
Hiromitsu Goto
廣光 後藤
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Seiko Instruments Inc
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Seiko Instruments Inc
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K5/00Casings; Enclosures; Supports
    • H02K5/04Casings or enclosures characterised by the shape, form or construction thereof
    • H02K5/16Means for supporting bearings, e.g. insulating supports or means for fitting bearings in the bearing-shields
    • H02K5/167Means for supporting bearings, e.g. insulating supports or means for fitting bearings in the bearing-shields using sliding-contact or spherical cap bearings
    • H02K5/1675Means for supporting bearings, e.g. insulating supports or means for fitting bearings in the bearing-shields using sliding-contact or spherical cap bearings radially supporting the rotary shaft at only one end of the rotor
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K1/00Details of the magnetic circuit
    • H02K1/06Details of the magnetic circuit characterised by the shape, form or construction
    • H02K1/12Stationary parts of the magnetic circuit
    • H02K1/18Means for mounting or fastening magnetic stationary parts on to, or to, the stator structures
    • H02K1/187Means for mounting or fastening magnetic stationary parts on to, or to, the stator structures to inner stators
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S310/00Electrical generator or motor structure
    • Y10S310/06Printed-circuit motors and components

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定子コイルを高い剛性で強固に支持でき、
振動及び騒音の少ないモータ、モータの製造方法、及び
回転体装置を提供すること。 【解決手段】 ベース10と、ベースに立設されるスリ
ーブ20と、一端から他端に貫通する正多角形状の中空
部を有し該中空部が前記スリーブ20に挿通されてスリ
ーブ20と同軸固定されるヨーク41と、ヨーク41の
複数箇所に導線が巻回されて形成されるコイル42とを
含む固定子コイル40と、スリーブ20と同軸で回転可
能に支持されるロータ部材30と、ロータ部材30に固
定され回転磁界によって付勢されるロータマグネット6
0とを備え、ヨーク41の内周面部は、隣接する角部同
士間の略中央が軸線方向に沿って全長に亘ってスリーブ
20の外周面部と当接し、この当接部それぞれとその両
側の角部までの各平面部がスリーブ20とは離間して対
向する離間部と、からなるモータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ、モータの
製造方法、及び回転体装置に関し、更に詳細には、固定
子コイルを高い剛性で強固に支持でき、振動及び騒音の
少ないモータ、モータの製造方法、及び回転体装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザービームプリンタ等の
回転多面鏡装置やHDD(ハードディスクドライブ)等
の回転体装置には、図7に示すようなモータが使用され
ている。この図7に示すモータは、円環状に突出する嵌
入部(支持部材)110aを有するベース110と、円
板状のハブ132の中心からシャフト131が延設され
たハブシャフト130と、シャフト131の下端部に固
着された軸受けリング152とを備えている。
【0003】軸受けリング152は、ベース110の嵌
入部110aに挿入され、これにより、ハブシャフト1
30はベース110に対して回転可能に支持されてい
る。ハブシャフト130の周縁部からは下方へ向けて円
環部133が延設されており、円環部133の内周壁に
ロータマグネット160が固定されている。嵌入部11
0aの外周面には固定子コイル140が固定されてい
る。固定子コイル140は、図8に示すように、一枚ま
たは複数枚重ねられたの同形の板状のヨーク141と、
ヨーク141に導線を巻回させて形成したコイル142
とよりなっている。ヨーク141は、円環状の装着部と
この装着部から径方向外方に複数延設された巻回部とよ
りなり、装着部の中空部に嵌入部110aが挿通される
ことによりこの嵌入部110aに固定されるようになっ
ている。巻回部には導線が巻回されてコイル142が形
成されている。そして、固定子コイル140によって回
転磁界が形成され、この回転磁界によってロータマグネ
ット160が付勢されてハブシャフト130が回転する
ようになっている。ベース110は、プリンタやHDD
等の本体装置のシャーシに固定される。
【0004】このようなモータは、オフィス等の静かな
ところで用いられるため、回転駆動時の振動をなるべく
抑え、騒音を出さないことが要請される。また、特にH
DDにおいては、近年のハードディスクの高密度化によ
って、磁気ヘッドによるデータの読み出し位置に精密性
が求められ、この点からも振動をなるべく抑え、高い剛
性を得て、良好な回転精度で回転するモータが求められ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】振動を押さえる手法と
しては、ベース110から突出する嵌入部110aを別
体として形成し接着や嵌合によりベース110に固定す
る技術が考えられる。この技術によれば、固定子コイル
140からの振動が減衰されてからベース110に伝達
されるようため、固定子コイル140からの振動が低減
される。
【0006】さて、上述のような従来のモータにおいて
は、ベース110に設けられた嵌入部110a(ベース
110と一体のものと別体を固定したもののとのいずれ
も)の外周面、及びヨークの装着部の内周面はいずれも
軸線方向矢視断面形状が円形となっている。これは、嵌
入部やヨークの加工を旋盤加工によって行うため、旋盤
加工に適した形状であること、及びモータのステータと
してロータ部(ハブシャフト)を支持するのにその組立
性が良好であること等による。そして、これらは、ロー
タ部が精度よく回転するためには、高速回転時にかかる
負荷に対する高い耐久性が必要であるため、いずれにつ
いても良好な真円度で加工形成し、はめ込んで固定され
る必要がある。
【0007】しかし、実際には、旋盤におけるチャッキ
ングの影響等によって、嵌入部の外周面、ヨークの装着
部の内周面のいずれについても、その断面が完全に円形
(真円)となるように加工することは不可能であり、実
際には、真円度を含んだいびつな円に加工される。そし
て、このようないびつな円形の断面の外周面を有する嵌
入部に同様にいびつな円形断面のヨークの装着部を装着
すると、面接触にはならず、周回り方向、軸線方向のい
ずれについても、接触部分と離間部分とが不規則に配置
された状態となる。そのため、外力を空隙で受ける部分
が生じて剛性が低下し、モータを回転駆動させた際に、
回転の負荷によってずれやすく、振動及び騒音の増加の
原因となっていた。そしてこのずれは、不規則に生じる
ため、対処しにくいものとなっていた。
【0008】本発明は、上述のような課題を解決するた
めになされたもので、固定子コイルを高い剛性で強固に
支持でき、振動及び騒音の少ないモータ、モータの製造
方法、及び回転体装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ベースと、ベ
ースに立設される柱状の支持部材と、少なくとも一端が
外方と連通する中空部を有し該中空部が前記支持部材に
挿通されて前記支持部材に同軸固定されるヨークと、前
記ヨークの複数箇所に導線が巻回されて形成され回転磁
界を発生させるコイルと、前記支持部材と同軸で回転可
能に支持されるロータ部材と、前記ロータ部材に固定さ
れ前記回転磁界によって付勢され前記ロータ部材を回転
させるロータマグネットとを備えており、前記ヨークの
内周面部及び前記支持部材の外周面部のうちの少なくと
も一方は、その周回り方向の3箇所以上において他方に
向けて線状に突出して前記他方に当接する当接部と、該
当接部同士の間において前記他方と離間して該他方に対
向する離間部とよりなるモータを提供することにより、
上述の目的を達成する。
【0010】本発明に係るモータでは、ヨークの内周面
部及び支持部材の外周面部のうちの少なくも一方に、周
回り方向の3箇所以上において線状に突出する当接部が
配設されている。そして、圧入等によってヨークに支持
部材を挿通すると、当接部は支持部材の外周面の形状に
したがって離間部へむけて広がりつぶれて微少に変形
し、加工誤差が是正され、ヨークと支持部材とは当接部
において隙間なく密着して当接する。このように、本発
明では、支持部材とヨークとを当接部において確実に当
接させることができる。従って、この当接部位の配設位
置によって支持部材とヨークとの接触箇所を制御でき、
回転時に発生する振動やずれに対する設計上の対処がし
やすい。また、支持部材とヨークとが周回り方向の3カ
所以上において線状に当接するため、回転時にずれにく
く、ずれにより発生する振動を少なく抑えることができ
る。
【0011】上記当接部は、ヨークの内周面部または支
持部材の外周面部に、周回り方向に等分に配設されてい
ることが望ましい。固定子コイルが支持部材に周回り方
向全体に偏りなくほぼ均一な力で支持され、回転時の負
荷が周回り方向全体にほぼ均一に分散され、良好な回転
精度を得られるとともに回転時のずれを少なく抑えるこ
とができるからである。そしてその結果、振動や騒音を
低減させることができる。また、上記当接部は、ヨーク
の内周面部と支持部材の外周面部の対向する対向部にお
いて、その軸線方向全長に亘って配設されていることが
好ましい。回転時の負荷が軸線方向全体にほぼ均一に分
散され、回転時のずれを少なく抑えることができるから
である。これにより、振動や騒音を低減させることがで
きる。当接部は、線状に形成されている必要があるが、
直線状であっても、蛇行していても、曲線状であっても
よい。ここで線状とは、ヨークに支持部材が挿通された
際に、当接部が押圧されその押圧力により変形し前記他
方に密着できる程度の細さをいう。従って、ある程度の
幅を持った細帯状等が含まれる。また、当接部は、前記
他方とのとの距離が少なくなるように形成されていれば
よく、その形状は前記他方との関係において制限される
ものである。従って、当接部を有するヨークの前記内周
面部または支持部材の前記周面部において、必ずしも当
接部が当接部の周囲よりも外方に突出して形成されてい
なくてもよい。例えば、ヨークの内周面がラジアル方向
断面n角形状に形成され、支持部材の外周面がラジアル
方向断面円周形状に形成されている場合、ヨークの内周
面を構成するn個の平面部それぞれのラジアル方向の中
央部はその周囲と同一平面上にあるが、支持部材の外周
面に対して前記周囲よりも近接するように形成されて当
接部となる。
【0012】本発明に係るモータは、前記支持部材はヨ
ークとの対向部が円柱形状であり、前記ヨークには、前
記中空部が前記支持部材と同軸の略多角柱形状に形成さ
れており、前記内周部の角部同士間の略央部が前記当接
部を形成し、前記略央部から両側の前記角部までの平面
部が離間部を形成しているものとすることができる。
【0013】本発明に係るモータは、前記支持部材はヨ
ークとの対向部が円柱形状であり、前記ヨークは、前記
中空部の形成された環状部と、該環状部の内周面部の複
数箇所から該環状部の軸線方向全長に亘って内方に向け
て突設された歯状部とを含み、前記歯状部が前記当接部
を形成し、前記内周面部のうちの前記複数箇所以外が前
記離間部を形成するものとすることができる。
【0014】本発明に係るモータは、前記ヨークは略円
柱状の前記中空部を有しており、前記支持部材は、略多
角柱形状をしており、その稜部が前記当接部を形成し、
前記稜部同士間の平面部が前記離間部を形成しているも
のとすることができる。
【0015】本発明に係るモータは、前記ヨークは略円
柱状の前記中空部を有しており、前記支持部材は、柱状
部と、該柱状部の外周面部の複数箇所から前記ヨークの
軸線方向全長に亘って外方に向けて突設された歯状部と
を含み、前記歯状部が前記当接部を形成し、前記外周面
部のうちの前記複数箇所以外が前記離間部を形成するも
のとすることができる。
【0016】本発明に係るモータにおいて、前記固定子
コイルのコイルの数mと、前記当接部の数Nとが、下式
の関係であるものとすることができる。
【数式2】N=k×mまたはN=m/k(ただし、kは
自然数) これによって、回転時の負荷バランスが1回転中に一定
周期を持って変化することになり、固定子コイルをほぼ
同一の状態で支持することができ、良好な負荷バランス
を得ることができる。
【0017】本発明に係るモータにおいて、前記当接部
は、固定子コイルのコイルと同径上に配置されているも
のとすることができる。
【0018】ヨークは、コイルの巻回されている部分や
その近傍が最も変形しにくい。そのため、上述のよう
に、当接部を固定子コイルのコイルと同径上に配置し、
支持部材とヨークの当接位置を固定子コイルのコイル近
傍とすることによって、ヨークが支持部材と当接するこ
とによって発生するヨークのひずみを少なく抑えること
ができる。また、回転時の良好な負荷バランスを得るこ
とができる。
【0019】本発明に係るモータにおいて、前記当接部
は、固定子コイルの隣接するコイル間から等間隔位置に
配設されているものとすることができる。
【0020】このように、当接部が、コイル間から等間
隔位置に配置されていると、モータの回転時に、コイル
においてロータ部のマグネットとの吸引及び反発により
発生する振動が、コイルからヨークにおいて減衰されて
伝達されるため、ヨークにおける共振が小さく抑えら
れ、当接部に伝達され当接部から支持部材、ベースを介
して外部へ伝達される振動が少なく抑えられる。
【0021】本発明に係るモータにおいて、前記支持部
材は、前記ベースと別体に形成されており、一端部がベ
ースに固定され立設されているものとすることができ
る。
【0022】このように、支持部材を、ベースと別体に
形成することにより、ベースに対して固定子コイルと、
ロータとを独立して位置決めすることができ、固定子コ
イルの磁気中心とロータ部のマグネットの磁気中心との
位置合わせ及びベースからのロータの位置の位置合わせ
を容易に所定距離に決定し固定することができる。従っ
て、高精度での製造が可能となり磁気中心のずれによる
振動を少なく抑えることができる。また、固定子コイル
で発生する振動が直接伝達されずに支持部材とベースと
の間で減衰されるので、外部での振動や騒音が減少す
る。更に、マグネットを固定したロータ部と固定子コイ
ルを固定した支持部材とを組み合わせて電気特性や振動
特性の測定等のモータとしての試験を行い、適合品のみ
をベースに取り付けることにより、ベースの無駄使いや
無駄な取付作業がなくなり、不用意なコストの高騰を避
けることができる。
【0023】また、本発明は、少なくとも一端が外方と
連通する前記中空部と該中空部を形成する内周面部から
その周回り方向3箇所以上において内方に線状に突出す
る当接部とを有するヨークの前記中空部に、ベースに立
設され前記ヨークの前記当接部の自由円端部を含む円周
の径よりも大きな径の柱状の支持部材を、圧入または焼
き嵌めすることにより、前記ヨークの前記当接部を前記
支持部材の外周円部に当接させた状態で、前記ヨークを
前記支持部材に固定するヨーク固定行程と、前記ヨーク
の複数箇所に、導線を、回転磁界を形成するように巻回
させて固定子コイルを形成する固定子コイル形成行程
と、前記支持部材と同軸に回転可能にロータ部材を配設
するロータ部材配設行程と、前記ロータ部材にロータマ
グネットを、前記固定子コイルの形成する回転磁界によ
って付勢されるように固定するマグネット固定行程とを
含むモータの製造方法を提供することにより、上記目的
を達成する。上述の本発明のモータは、このモータの製
造方法によって、製造することができる。
【0024】また、本発明は、ベースに立設され周回り
方向の3箇所以上から外方に線状に突出する当接部を有
する支持部材を、少なくとも一端が外部と連続し且つそ
の径が前記当接部の自由縁端部を含む円周の径よりも小
さい円柱状の中空部を有するヨークの前記中空部に、圧
入または焼き嵌めすることにより、前記ヨークの前記中
空部を形成する内周面部に前記支持部材の当接部を当接
させた状態で、前記ヨークを前記支持部材に固定するヨ
ーク固定行程と、前記ヨークの複数箇所に、導線を、回
転磁界を形成するように巻回させて固定子コイルを形成
する固定子コイル形成行程と、前記支持部材と同軸に回
転可能にロータ部材を配設するロータ部材配設行程と、
前記ロータ部材にロータマグネットを、前記固定子コイ
ルの形成する回転磁界によって付勢されるように固定す
るマグネット固定行程とを含むモータの製造方法を提供
することにより、上記目的を達成する。上述の本発明の
モータは、このモータの製造方法によって、製造するこ
とができる。
【0025】また、本発明は、本発明に係るモータを備
える回転体装置を提供することにより、上述の目的を達
成する。本発明に係る回転体装置では、本発明のモータ
を備えることにより、振動及び騒音を少なく抑え、高い
回転精度を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発
明のモータの一実施形態を示す軸線方向断面図である。
【0027】本実施形態のモータは、ハードディスクド
ライブ(HDD)に使用されるものであり、図1に示す
ように、中央に嵌入部10aが形成されたベース10
と、一端を閉塞された円筒状のスリーブ(支持部材)2
0と、ハードディスクを支持して回転するハブシャフト
(ロータ部材)30とを備えている。
【0028】ベース10は、円板状の底部12と、この
底部12の周縁部から一段高くなって径方向外方に延設
された鍔部11を備えている。底部12の中央には、円
環状に突出する嵌入部10aが形成されている。そし
て、HDDのフレームFに形成された装着孔にベース1
0の底部12が嵌着され、鍔部11がHDDのフレーム
Fに面接した状態で固定されるようになっている。
【0029】スリーブ20は、閉塞された側の一端部2
1がベース10の嵌入部10aに嵌入され、接着剤によ
りベース10に固定され、他端側が上方(ベース10と
は逆側)へ向けて立設されている。スリーブ20は外周
面及び内周面とも軸線方向の全長に亘って、ラジアル方
向断面が円形となっており、内径及び外径の異なる、中
空部を有する円柱形状を、軸線方向に積み上げた形状を
している。スリーブ20の他端部は径が広がった大径部
22となっており、この径の変化にともなって、スリー
ブ20の内周壁と外周壁のそれぞれに段部(第1の段部
20a及び第2の段部20b)が形成されている。ま
た、他端部の上縁端部は径方向外方へむけて厚くなって
コイル係止縁23が形成おり、この厚みの変化にともな
って外周壁に段部(第3の段部20c)が形成されてい
る。
【0030】そして、スリーブ20の大径部22に、半
径方向外方から固定子コイル40が固定されている。固
定子コイル40は、ヨーク41とこのヨーク41に導線
を巻回させて形成されたコイル42とよりなっている。
図2は、固定子コイル40とスリーブ20との当接状態
を示す説明図である。ヨーク41は、一端から他端まで
貫通する中空部を有している。この中空部は、図2に示
されるように、断面正6角形形状をしており、この中空
部にスリーブ20が同軸に圧入により挿通されている。
そしてヨーク41の内周面部は、隣接する角部同士間の
略中央が軸線方向に沿って全長に亘ってスリーブ20の
外周面部と当接し、この当接部41cそれぞれとその両
側の角部までの各平面部がスリーブ20とは離間して対
向する離間部41dとなっている。そして、ヨーク41
は円周等分12カ所に径方向外方に突出する巻回部41
aを備えており、各巻回部41aに導線が巻回されてコ
イル42が形成されている。コイル42のうちの半数は
1つ置きに前記当接部41cと同径上に配置されてお
り、残りの半数は隣接する当接部41c同士間から等間
隔位置に配設されている。その結果、6つの当接部41
cは、すべてコイル42と同径上に配置されており、且
つ、隣接するコイル42同士から等間隔位置に配置され
ている。そして、各コイル42は、ベース10の底部1
2の上方に円周状に等間隔に配置され、各コイル40に
通電されることにより、回転磁界が形成されるようにな
っている。
【0031】また、スリーブ20の上縁端部には、係止
リング51が、その一端面を第1の段部20aに載せ置
き、外周壁をスリーブ20の内周面に固着されている。
【0032】ハブシャフト30は、円柱状のシャフト部
31と、該シャフト部31の一端側から延設された円板
状のハブ部(延設部)32と、ハブ部32の周縁部から
下方へ向けて延設された円環部33とを備えている。シ
ャフト部31は、係止リング51に挿通されており、シ
ャフト部31の他端部には、軸受けリング52が装着固
定されている。軸受けリング52は、スリーブ20の中
空部に配置されており、係止リング51によって軸方向
への移行を制限されている。ハブ部32は、スリーブ2
0の開放された上縁端部の上方に配設されており、ベー
スの底部12の上方を覆っている。円環部33の周端部
(ハブ部32と逆側の端部)は外方へむけて張り出して
おり、天面がハブ部32よりも一段低くなってハードデ
ィスクを支持するようになっている。円環部33の内周
壁には複数のロータマグネット60が等間隔で固着され
ている。このロータマグネット60は、その磁気中心が
固定子コイル40の磁気中心とアキシャル方向位置が同
じになるように配置されており、固定子コイル40に形
成される回転磁界によって付勢されるようになってい
る。
【0033】軸受けリング52の外周面、上端面及び下
端面には、動圧発生用の溝52a,52b,52cが形
成されている。軸受けリング52と係止リング51の
間、軸受けリング52とスリーブ20の間、シャフト部
31の一端面とスリーブ20の間のそれぞれの隙間に
は、オイルが満たされている。そして、ハブシャフト3
0が回転すると、動圧発生用の溝52a,52b,52
cによって、軸受けリング52の外周面とスリーブ20
の内周面との間、軸受けリング52の下端面とスリーブ
20の一端面との間、軸受けリング52の上端面と係止
リング51の下端面との間、のそれぞれにオイルが巻き
込まれて動圧が発生し、軸受けリング52はスリーブ2
0の内周面、スリーブ20の一端面、及び係止リング5
1の下端面それぞれとわずかな隙間をあけた状態で浮上
支持されるようになっている。
【0034】上述のような構成の本実施形態のモータ
は、通電により固定子コイル40に回転磁界が発生する
と、この回転磁界によってロータマグネット60が付勢
され、ハブシャフト30が回転する。そしてこの回転に
よって、動圧発生溝52a,52b,52cにオイルが
巻き込まれて動圧が発生し、回転が所定速度以上になる
と、軸受けリング52及びシャフト部31が、スリーブ
20の内周面、スリーブ20の一端面、及び係止リング
51の下端面それぞれとわずかな隙間をあけた状態で支
持され、ハブシャフト30と軸受けリング52とが、浮
上した状態で回転する。
【0035】次に、本発明のモータの製造方法の一実施
形態であり、上述の実施形態のモータの製造方法につい
て説明する。本実施形態のモータは、次のような行程に
より製造される。即ち、まず、スリーブ20と、ヨーク
41とを形成する。このとき、ヨーク41の内周面部を
構成する各平面はそのラジアル方向略中央部(当接部4
1c)同士を含む円周の径が、スリーブ20の大径部の
径よりも小さくなるように形成する。続いて、ヨーク4
1に導線を巻回させて固定子コイル40を形成する。次
に、固定子コイル40の中空部にスリーブ20を一端側
から圧入する。これにより、ヨーク41の内周面を構成
する各平面のラジアル方向略中央部がわずかに押し広げ
られ、ヨーク41の前記略中央部それぞれが軸線方向の
全長に亘ってスリーブ20の外周面と隙間なく圧接す
る。ヨーク41の前記略央部以外の部分はスリーブ20
の外周面とは離間して対向する。また、ハブシャフト4
0を形成しその円環部33に、ロータマグネット60を
半径方向内方から固定する。
【0036】続いて、軸受けリング52及び係止リング
51をスリーブ20の中空部に配置するとともに、ハブ
シャフト30のシャフト部31を軸受けリング52と係
止リング51の中空部に挿通させ、係止リング51はそ
の内周壁をシャフト部31に固定する。このとき、スリ
ーブ20に固定されている固定子コイル40とハブシャ
フト30に固定されているロータマグネット60とを、
それぞれの磁気中心がアキシャル方向に一致するよう
に、軸受けリング52とシャフト部31のアキシャル方
向の位置を調節して固定する。また、係止リング51
は、その外周壁をスリーブ20に固定する。同時に、軸
受けリング52と係止リング51の間、軸受けリング5
2とスリーブ20の間、シャフト部31の一端面とスリ
ーブ20の間のそれぞれの隙間に、オイルを満たす。
【0037】次に、スリーブ20の一端部21をベース
10の嵌入部10aに挿入する。そして、ベース10の
鍔部11下面とハブシャフト30の周縁部の天面との距
離を、所定の距離に調節した後、スリーブ20の一端部
21をベース10に接着固定して、モータの製造を終了
する。
【0038】このように、本実施形態のモータでは、ヨ
ーク41の内周面部が、軸線方向視正6角形形状をして
おり、円周等分6箇所において軸線方向の全長に亘って
軸線からの距離が短くなって突出する当接部41cとな
っている。そして、圧入等によってヨーク41にスリー
ブ20が挿通されると、前記内周面部を構成する6つの
平面部のラジアル方向略央部はスリーブ20の外周壁の
形状にしたがってつぶれて押し広げられて微少に変形
し、スリーブ20の外周平面に隙間なく密着して当接す
る。内周面部のうちスリーブ20に当接する部分以外は
スリーブ20とは離間して対向する。その結果、ヨーク
41は、円周方向の等分6箇所において確実にスリーブ
20の外周面に当接し、回転時の負荷が、円周方向全体
にほぼ均一に分散され、固定子コイル40はスリーブ2
0に、円周方向全体に偏り無くほぼ均一な力で支持され
る。また、スリーブ20と固定子コイル40のヨーク4
1とは、軸線方向において互いの対向する対向部の全長
について当接する。従って、固定子コイル40は、周回
り方向、軸線方向のずれにおいてもほぼ均一の剛性でス
リーブ20に支持され、回転時の負荷によってもずれ難
く、振動及び騒音が軽減され、ハブシャフト30を高い
回転精度で回転させること可能となる。また、不良製品
が少なくなるので低コストでの製造が可能となる。尚、
ヨーク41の中空部がラジアル方向断面正多角形となっ
ているため、ラジアル方向断面円形にしたときに比する
と負荷バランスが崩れるが、これは多角形を正多角形と
することにより回転対称に形成しているため回転精度に
は影響は少なくなっている。
【0039】本実施形態によると、ヨーク41の各平面
のラジアル方向略中央部が軸線方向の全長において確実
にスリーブ20に接触し、当接部位が予め明確であり、
制御可能である。そして、コイル42からの振動が主に
この当接部位から伝達されるため、振動が規則的とな
り、設計上対処しやすいものとなる。
【0040】本実施形態によると、固定子コイル40の
コイル42の数mと、当接部41cの数Nとが、下式の
関係である。
【数式3】N=m/2
【0041】従って、固定子コイル40の隣接するコイ
ル42間の支持部材との当接の状態が各固定子コイル4
0間どうしでほぼ同一になり、各コイル42間どうしに
おいて固定子コイル40をほぼ同一の状態で支持するこ
とができ、良好な負荷バランスを得ることができる。こ
れにより、上述のようにヨーク41の中空部をラジアル
断面円形とした場合と比較した場合の負荷バランスの低
下を最低限に抑え、回転精度に影響のない程度としてい
る。
【0042】本実施形態においては、当接部41cが固
定子コイル40のコイル42の同径上と、隣接するコイ
ル42間から等間隔位置とのみに配設されている。従っ
て、固定子コイル40とスリーブ20の負荷が回転対称
に配置され、良好な負荷バランスを得ることができる。
また、当接部41cは全てコイル42と同径上に配置さ
れており、固定子コイル40のヨーク41にスリーブ2
0が圧入されることによって発生するヨーク20のひず
みが最低限に抑えられている。
【0043】本実施形態のモータは、スリーブ20に固
定子コイル40が固定され、ハブシャフト30にロータ
マグネット60が固定され、スリーブ20、ハブシャフ
ト30、及びベース10は、それぞれ別体として形成さ
れ、後に組立固定されるようになっている。そのため、
スリーブ20とハブシャフト30とのアキシャル方向の
相対位置の位置決めと、ベース10とハブシャフト30
とのアキシャル方向の相対位置の位置決めとが互いに独
立しており、影響されない。そして、スリーブ20とハ
ブシャフト30とのアキシャル方向の位置関係を、それ
ぞれに固定される固定子コイル40の磁界中心とロータ
マグネット60の磁界中心がアキシャル方向に一致する
ように、決定して固定し、且つ、ベース10とハブシャ
フト30のアキシャル方向の位置関係をベース10から
のハードディスク支持面の距離が所定距離となるように
決定して固定することができる。またこの時、固定子コ
イル40のスリーブ20への取り付け誤差やロータマグ
ネット60のハブシャフト30への取り付け誤差、各部
材の加工誤差を是正して固定することができる。従っ
て、本実施形態によると、容易に、高精度に製品を製造
することが可能である。そして、スリーブ20に固定さ
れた固定子コイル40と、ハブシャフト30に固定され
るロータマグネット60の磁界中心を容易にアキシャル
方向に一致させることができ、磁界中心のずれによる振
動や騒音を回避することができる。
【0044】また、固定子コイル40を支持するスリー
ブ20とベース10とが別体として形成され組み立てら
れているので、回転駆動時に、固定子コイル40で発生
する振動が直接伝達されずにスリーブ20とベース10
との間で減衰されるので、外部での振動や騒音が減少す
る。更に、ロータマグネット60及び固定子コイル40
をハブシャフト30やスリーブ20に固定した後、これ
らをベース10に固定する前に、コイル42に通電し、
電気特性や振動特性の測定等のモータとしての試験を行
うことにより、良品のみをベース10を嵌め込み固定し
て最終製品とすることができる。従って、不良品をベー
ス10に嵌め込んでしまう無駄な行程がなくなるととも
に、モータの不良を原因としてベース10を廃棄するこ
とがなくなる。従って、ベースの無駄使いや無駄な取付
作業がなくなり、不用意なコストの高騰を避けることが
できる。
【0045】次に本発明の回転体装置の一実施形態とし
て、上述のモータを採用した回転体装置について説明す
る。図3は本発明の回転体装置の一実施形態としてのハ
ードディスクドライブを示す図であり、(a)は斜視
図、(b)は軸線方向断面図である。図3に示すよう
に、この回転体装置(ハードディスクドライブ)は、上
述した本実施形態のモータ1を備えており、モータ1の
ベース10がハードディスクドライブのフレームFに嵌
め込み固定されるようになっている。そしてハブシャフ
ト30の周縁部にハードディスク80が支持されてハブ
シャフト30とともに回転されるようになっている。
【0046】上述のモータ1を採用した本実施形態のハ
ードディスクドライブは、モータ1の振動が少なく、ま
たベース10を介して伝達されにくいので、駆動時の騒
音が少ない。また、フレームFからハードディスクまで
の距離Lが正確に保持されているので、サイズや記録密
度の大きなディスクについても高い信頼性で書き込みや
読み出しを行うすることができる。
【0047】尚、本発明は、上述の実施形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおい
て適宜変更が可能である。例えば、上述の実施形態で
は、ヨークの中空部が、断面正6角形形状をしており、
ヨーク41の内周面部は、隣接する角部どうし間の略中
央がスリーブ20の外周面部と当接する当接部41cと
なっているが、ヨーク41の内周面部の形状はこれに限
られるものではなく、例えば、図4に示すように、ヨー
ク41を、中空部の形成された環状部と、該環状部の内
周面部の複数箇所から該環状部の軸線方向全長に亘って
内方に向けて突設された歯状部とからなるように形成
し、歯状部がスリーブ20の外周面部に当接して当接部
41cを形成し、内周面部のうちの歯状部が突設されて
いる箇所以外はスリーブ20の外周面部に離間して対向
する離間部41dを形成するようにしてもよい。
【0048】また、当接部及び離間部は、ヨーク41の
内周面部に配設せず、スリーブ20の外周面部に形成し
てもよい。例えば、図5に示すように、ヨーク41の中
空部は円柱形状に形成し、スリーブ20の外周面部を正
多角形状に形成し、スリーブ20をヨーク41の中空部
に圧入することによりスリーブ20の稜部が当接部21
cとしてヨークの内周面部に当接し、稜部同士間の平面
部が離間部21dとしてスリーブと離間して対向するよ
うにしてもよい。図6に示すように、スリーブ20の外
周面部の複数箇所から軸方向全長に亘って径方向外方に
突出する歯状部を形成し、スリーブ20をヨーク41の
中空部に圧入することによりこの歯状部が当接部21c
としてヨーク41の内周面部に当接し、前記外周面部の
うちの前記複数箇所以外が離間部21dとしてヨーク4
1の内周面部と離間して対向するようにしてもよい。当
接部41c,21c及び離間部41d,21dは、ヨー
ク41やスリーブ20の軸線方向全長に亘って設けられ
る必要はないが、ヨーク41とスリーブ20が対向して
いる対向部において軸線方向に所定の長さで配設されて
いるのが、回転時のずれを効果的に回避する点では好ま
しく、対向部においては軸線方向全長に亘って配設され
ているのがより好ましい。例えば図5や図6に示す形態
においては、スリーブ20の外周面部のうち図1に示す
第2の段部20bと第3の段部20cの間が正多角形状
に形成されていたり、歯状部が形成されているのが好ま
しい。第2の段部20bよりも下方(スリーブ20の一
端側)や第3の段部20cよりも上方(コイル係止縁2
3)においては外周面は円周面となっていてもよい。
【0049】また、上述の実施形態及び変形例それぞれ
において、当接部41c,21cはコイル42と同径上
に配設されているが、隣接するコイル42間から等間隔
の位置に配設してもよい。この場合、モータの回転時
に、コイル42においてロータ部のマグネットとの吸引
及び反発により発生する振動が、ヨーク41において減
衰されて伝達されるため、ヨーク41における共振が小
さく抑えられ、振動が少なく抑えられる。
【0050】上述の実施形態においてはスリーブ20は
ベース10と別体として形成され組み立てられている
が、一体形成されたものとしてもよい。
【0051】上述の実施形態においては当接部41cは
直線状に形成されているが、上述の実施形態及び各変形
例において、当接部41c,21cは、スリーブ20と
ヨーク41の対抗部の軸線方向の長さ全長においてとぎ
れずに接触していればよく、直線でなくてもよい。例え
ば、らせん状や蛇行した形状に形成されていてもよい。
上述の実施形態においてはスリーブ20はヨーク41に
圧入により挿通固定されているが、これに限られるもの
ではなく、スリーブ20とヨークとを膨張係数の異なる
材料で形成し、この膨張係数の差異を利用して焼き嵌め
とすることもできる。
【0052】上述の実施形態においては当接部41cは
ラジアル方向断面において6カ所形成されているが、こ
れに限られるものではない。ただし、コイル数mに対し
て、当接部41cの数N=k×mまたは、m/kである
ことが負荷バランス上好ましい。また、Nは、12以下
が好ましい。あまり多数だと、圧入後のスリーブ20と
ヨーク41の当接力によっては、当接部41c,21c
にかかる力が小さすぎて当接部41c,21cが押し潰
されなくなり断面円形形状の場合と変わりがなくなるお
それがあるからである。
【0053】上述の実施形態では、スリーブ20はベー
ス10に接着により固定されているが、これに限られる
ものではなく、圧入や、焼きばめ、螺合により固定する
こともできる。例えば、スリーブ20の外周壁とベース
の嵌入部10aとにねじを切って、ベース10を嵌入部
10aに螺合する等としてもよい。また、螺合してスリ
ーブ20のベース10に対する軸線方向の位置が適切と
なった位置で、スリーブ20とベース10を接着するよ
うにしてもよい。また、ベース10に孔を穿設して嵌入
部に代えてもよい。
【0054】上述の実施形態では、ロータ部材であるハ
ブシャフト30を支持する軸受け手段(係止リング51
及び軸受けリング52)が規制手段を兼ねているが、軸
受け手段とは別に同様の規制手段を設けてもよい。ま
た、上述の実施形態では、電磁石を支持する支持部材と
してのスリーブ20が、軸受けリング52とともに動圧
を発生する受け手段の一部として機能しているが、スリ
ーブ20とは別に同様の軸受け手段をもうけもよい。
【0055】ロータマグネット60は、永久磁石でも電
磁石でもよい。また、複数の磁石をハブシャフト30の
内周壁に固定しても、ラジアル異方性の円筒状の磁石を
1つハブシャフト30の内周壁に固定してもよい。
【0056】上述の実施形態では、ロータ部材(ハブシ
ャフト30)は支持部材(スリーブ20)にオイル動圧
軸受けにより軸受けされているが、軸受け手段はこれに
限られるものではなく、エア動圧軸受け、静圧軸受け、
転がり軸受け、すべり軸受け等とすることもできる。ま
た、動圧軸受けの場合、軸受けリング52に動圧発生用
の溝52a,52b,52cを設けるのではなく、スリ
ーブ20の外周壁に突起を形成しベースの嵌入部10a
に嵌入された状態で内周壁に勾配が形成されるようにす
るいわゆる非真円平軸受けとしたり、軸受けリング52
に代えて複数のセグメントを配設するいわゆるセグメン
ト軸受けとすることもできる。
【0057】上述の実施形態では、モータは、ロータマ
グネット60が電磁石に対して半径方向外方に配置され
たアウターロータ式となっているが、これに限られるも
のではなく、インナーロータ式のモータとすることもで
きる。また、ラジアルギャップ式ではなくアキシャルギ
ャップ式のモータとすることもできる。ただし、これら
の場合、例えば、スリーブ20に、電磁石が固定される
第1の周壁と、軸受けリング52との間に動圧を発生さ
せるための第2の周壁との2つの周壁を配設する等、を
各部材の形状を変更したり、部材を追加することが必要
である。尚、本明細書中において、ロータ部材や軸受け
リングが回転する場合の「回転」とは、ベースやスリー
ブに対する相対的な回転を意味する。従って、本発明に
は、ロータ部材(ハブシャフト30)は外部の部材に対
しては固定され、支持部材(スリーブ20)が外部に対
しては回転するようなモータや回転体装置も含まれる。
【0058】上述の実施形態においては、ハードディス
ク装置は、複数枚のディスクを支持し回転するものとな
っているが、ディスクを1枚のみ支持して回転するもの
とすることもできる。
【0059】上述の実施形態においては、回転体装置は
ハードディスクドライブとなっているが、これに限られ
るものではなく、CD−ROMドライブ等の他のディス
クドライブや、例えば、スピンドルモータのスピンドル
にポリゴンミラーを取り付けてなる回転多面鏡装置、そ
の他の装置とすることもできる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るモー
タでは、中空部を有するヨークの内周面部と、前記中空
部に挿通され固定される支持部材の外周面部とのうちの
少なくともいずれか一方に、他方へ線状に突出する当接
部を、離間部を間に挟んで周回り方向の3箇所以上に形
成したので、ヨークに支持部材を圧入等により固定する
と、当接部が他方の形状に従ってつぶれて確実に他方と
当接する。従って、当接部の配設位置によって支持部材
とヨークとの接触箇所を制御でき、回転時に発生する振
動やずれに対する設計上の対処がしやすい。また、支持
部材とヨークとが円周上の3カ所以上において線状に当
接するため、回転時にずれにくく、ずれによる振動や騒
音を少なく抑えることができる。
【0061】本発明に係るモータの製造方法によると、
固定子コイルを高い剛性で強固に支持でき、振動及び騒
音を少なく抑えることができる。
【0062】本発明に係る回転体装置によると、本発明
のモータを備えることにより、振動及び騒音を少なく抑
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータの一実施形態を示す軸線方向断
面図である。
【図2】固定子コイルとスリーブとの当接状態を示す図
である。
【図3】本発明の回転体装置の一実施形態を示す要部概
略構成図である。
【図4】本発明のモータの他の実施形態の要部断面図で
あり、図2相当図である。
【図5】本発明のモータの他の実施形態の要部断面図で
あり、図2相当図である。
【図6】本発明のモータの他の実施形態の要部断面図で
あり、図2相当図である。
【図7】従来技術のモータを示す軸線方向断面図であ
る。
【図8】従来技術のモータの固定子コイルとスリーブと
の当接状態を示す図である。
【符号の説明】
1 モータ 10 ベース 10a 嵌入部 11 鍔部 12 底部 20 スリーブ 21 一端部 21c 当接部 21d 離間部 22 大径部 23 コイル係止縁 30 ハブシャフト 31 シャフト部 32 ハブ部 33 円環部 40 固定子コイル 41 ヨーク 41c 当接部 41d 離間部 42 コイル 51 係止リング 52 軸受けリング
フロントページの続き Fターム(参考) 5H607 AA04 BB01 BB04 BB13 BB14 BB17 BB25 CC01 DD01 DD02 DD03 EE10 GG08 GG09 GG12 5H615 AA01 BB01 BB14 BB15 BB16 PP01 PP02 PP24 PP25 SS24 TT05 TT27 5H621 AA04 GA04 HH03 JK01 JK17 JK19

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースと、 ベースに立設される柱状の支持部材と、 少なくとも一端が外方と連通する中空部を有し該中空部
    が前記支持部材に挿通されて前記支持部材に同軸固定さ
    れるヨークと、 前記ヨークの複数箇所に導線が巻回されて形成され回転
    磁界を発生させるコイルと、 前記支持部材と同軸で回転可能に支持されるロータ部材
    と、 前記ロータ部材に固定され前記回転磁界によって付勢さ
    れ前記ロータ部材を回転させるロータマグネットとを備
    えており、 前記ヨークの内周面部及び前記支持部材の外周面部のう
    ちの少なくとも一方は、その周回り方向の3箇所以上に
    おいて他方に向けて線状に突出して前記他方に当接する
    当接部と、該当接部同士の間において前記他方と離間し
    て該他方に対向する離間部とよりなることを特徴とする
    モータ。
  2. 【請求項2】 前記支持部材はヨークとの対向部が円柱
    形状であり、 前記ヨークには、前記中空部が前記支持部材と同軸の略
    多角柱形状に形成されており、前記内周部の角部同士間
    の略央部が前記当接部を形成し、前記略央部から両側の
    前記角部までの平面部が離間部を形成していることを特
    徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 【請求項3】 前記支持部材はヨークとの対向部が円柱
    形状であり、 前記ヨークは、前記中空部の形成された環状部と、該環
    状部の内周面部の複数箇所から該環状部の軸線方向全長
    に亘って内方に向けて突設された歯状部とを含み、前記
    歯状部が前記当接部を形成し、前記内周面部のうちの前
    記複数箇所以外が前記離間部を形成することを特徴とす
    る請求項1に記載のモータ。
  4. 【請求項4】 前記ヨークは略円柱状の前記中空部を有
    しており、 前記支持部材は、略多角柱形状をしており、その稜部が
    前記当接部を形成し、前記稜部同士間の平面部が前記離
    間部を形成していることを特徴とする請求項1に記載の
    モータ。
  5. 【請求項5】 前記ヨークは略円柱状の前記中空部を有
    しており、 前記支持部材は、柱状部と、該柱状部の外周面部の複数
    箇所から前記ヨークの軸線方向全長に亘って外方に向け
    て突設された歯状部とを含み、前記歯状部が前記当接部
    を形成し、前記外周面部のうちの前記複数箇所以外が前
    記離間部を形成することを特徴とする請求項1に記載の
    モータ。
  6. 【請求項6】 前記固定子コイルのコイルの数mと、前
    記当接部の数Nとが、下式の関係であることを特徴とす
    る請求項1から請求項5のうちのいずれか1の請求項に
    記載のモータ。 (数式1) N=k×mまたはN=m/k(ただし、kは自然数)
  7. 【請求項7】 前記当接部は、固定子コイルのコイルと
    同径上に配置されていることを特徴とする請求項6に記
    載のモータ。
  8. 【請求項8】 前記当接部は、固定子コイルの隣接する
    コイル間から等間隔位置に配設されていることを特徴と
    する請求項6に記載のモータ。
  9. 【請求項9】 前記支持部材は、前記ベースと別体に形
    成されており、一端部がベースに固定され立設されてい
    ることを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいず
    れか1の請求項に記載のモータ。
  10. 【請求項10】 少なくとも一端が外方と連通する前記
    中空部と該中空部を形成する内周面部からその周回り方
    向3箇所以上において内方に線状に突出する当接部とを
    有するヨークの前記中空部に、ベースに立設され前記ヨ
    ークの前記当接部の自由円端部を含む円周の径よりも大
    きな径の柱状の支持部材を、圧入または焼き嵌めするこ
    とにより、前記ヨークの前記当接部を前記支持部材の外
    周円部に当接させた状態で、前記ヨークを前記支持部材
    に固定するヨーク固定行程と、 前記ヨークの複数箇所に、導線を、回転磁界を形成する
    ように巻回させて固定子コイルを形成する固定子コイル
    形成行程と、 前記支持部材と同軸に回転可能にロータ部材を配設する
    ロータ部材配設行程と、 前記ロータ部材にロータマグネットを、前記固定子コイ
    ルの形成する回転磁界によって付勢されるように固定す
    るマグネット固定行程とを含むことを特徴とする請求項
    1に記載のモータについてのモータの製造方法。
  11. 【請求項11】 ベースに立設され周回り方向の3箇所
    以上から外方に線状に突出する当接部を有する支持部材
    を、少なくとも一端が外部と連続し且つその径が前記当
    接部の自由縁端部を含む円周の径よりも小さい円柱状の
    中空部を有するヨークの前記中空部に、圧入または焼き
    嵌めすることにより、前記ヨークの前記中空部を形成す
    る内周面部に前記支持部材の当接部を当接させた状態
    で、前記ヨークを前記支持部材に固定するヨーク固定行
    程と、 前記ヨークの複数箇所に、導線を、回転磁界を形成する
    ように巻回させて固定子コイルを形成する固定子コイル
    形成行程と、 前記支持部材と同軸に回転可能にロータ部材を配設する
    ロータ部材配設行程と、 前記ロータ部材にロータマグネットを、前記固定子コイ
    ルの形成する回転磁界によって付勢されるように固定す
    るマグネット固定行程とを含むことを特徴とする請求項
    1に記載のモータについてのモータの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1から請求項9のうちのいずれ
    か1の請求項に記載のモータを備えることを特徴とする
    回転体装置。
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