JP3131013B2 - 屋内競技施設におけるグランドの表層構造 - Google Patents
屋内競技施設におけるグランドの表層構造Info
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Description
た屋内競技施設における競技を行うためのグランドの表
層構造に関する。
た大面積のグランドを必要とする競技を行うための競技
場においても、雨や風などの影響を避け、さらには冬場
においての競技や観戦の環境を快適にするべく暖房がで
きるようにするため、ドーム等の屋根が設けられた屋内
競技施設が建設され実用に供されている。ところで、こ
のような屋内競技施設において競技を行うためのグラン
ドについては、例えばその表層部が荒木田土、真砂土、
砂質ロームといった土の単一土、あるいはこれらの混合
土、さらには人工土であるアンツーカによって構成され
たものが知られている。また、土とは別に、高麗芝、野
芝、西洋芝といった天然芝を混合土に植えた表層部や、
ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステルなどからなる
人工芝を透水マットに植設してなる表層部も知られてい
る。
来の表層部においては以下に述べる不都合がある。単一
土や混合土では、建設費が安く経済性については有利で
あるものの、表面がある程度湿っていないと砂塵が発生
するといった問題がある。すなわち、屋内であり特に冬
場では暖房を行うため、グランド上が乾燥して表層土も
過度に乾き、競技の進行に伴って過度に乾いた表層部の
一部が砂塵となり舞ってしまい、競技者や観戦者に支障
をきたす恐れがあるのである。
に加え、建設費が人工土に比べ高く、また陶土を焼いて
作った土からできているため粒子自体が硬く、ラグビー
などのような頻繁に倒れる競技には裂傷等の怪我の恐れ
があって不向きである。天然芝では、維持費に多くの費
用がかかり、また養生期間が必要でしかも競技場内部で
の育成は困難であるといった問題がある。人工芝では、
耐候性には優れているものの、競技者への足腰の負担が
大きく、また倒れこんだ際摩擦が大きいことからラグビ
ーには不向きである。
ので、その目的とするところは、経済的にも有利であ
り、かつラグビーにも十分対応でき、しかも砂塵等の発
生を防止した屋内競技施設におけるグランドの表層構造
を提供することにある。
おけるグランドの表層構造では、表層部が赤土と黒土と
を含有した混合土からなり、該表層部にアルカリ分と反
応してゲル化して前記混合土を互いに粘結させるグルコ
マンナン水溶液が散布されてなることを前記課題の解決
手段とした。
構造によれば、表層部にアルカリ分と反応してゲル化し
て混合土を互いに粘結させるグルコマンナン水溶液が散
布されてなることにより、このグルコマンナンが例えば
該水溶液に予めアルカリ溶液が加えられ弱アルカリ性に
調整されることによってゲル化して凝固し、これによっ
て表層部の混合土が互いに粘結する。また、ゲル化した
グルコマンナンが多量の水分を保持することにより、表
層部が乾燥してもグルコマンナンからその保持水が補給
されるため表層部の過度の乾燥が防止される。
明における請求項1記載の屋内競技施設におけるグラン
ドの表層構造の一実施例を示すもので、図1中符号1は
グランドの表層構造である。この表層構造1においてグ
ランド表面を形成する表層部2は、赤土と黒土と砂とが
例えば赤土:黒土:砂=3:2:5の重量比で均一に混
合された混合土からなっている。
水層3が配設され、該保水層3の下には砕石層4が配設
され、さらに砕石層4の下はグランドの基盤5となって
いる。保水層3は、粒径が25mm以下の火山砂利が敷
き詰められたもので、各砂利の物理的性質により水を保
持するとともに、その砂利間に水を透過させものであ
る。砕石層4は粒径が40mm以下の石から形成された
もので、十分な透水性を有し、かつ前記保水層3、表層
部2を安定させるためのものである。また、このような
グランドの表層構造1においては、前記表層部2が層厚
が100mm程度、保水層3の層厚が150mm程度、
砕石層4の層厚が150mm程度とされる。
2の表面処理として苦汁(にがり)と化粧砂とがその表
面に散布される。苦汁は塩化マグネシウム等の塩を含有
する水溶液となっていることから、表層部2表面に散布
された際水に比べ蒸発が遅く、したがって表層部2表面
の過度の乾燥を防止するとともに、表層部2中に浸透し
た際前記混合物中の塩と同様に作用し、表層部2を形成
する各土等の間の粘結材として機能するものである。ま
た化粧砂は、グランドで行われる競技種目に求められる
表面特性など応じ、あるいは単にグランド表面の見映え
をよくするためなどに散布されるものである。なお、こ
のような表面処理のための苦汁(にがり)と化粧砂との
散布は、表層部2の表面状態などに応じてその散布量や
散布頻度が適宜決定される。
粧砂との散布による表面処理の他に、予めアルカリ水溶
液が加えられ弱アルカリ性に調整されたグルコマンナン
水溶液が表層部2の表面に散布される。グルコマンナン
は、サトイモ科の植物であるコンニャク芋の球茎中に粘
液状の粒子で存在するもので、グルコースとマンノース
(C6H10O5)とが2:3のモル比でβ−1,4結合し
た高分子の特殊な複合多糖類である。そして、分子中に
側鎖として僅かに存在するアセチル基がアルカリの作用
で脱離し、鎖状のグルコマンナン分子が水素結合によっ
て網目構造の会合体を生成してゲル化するものであり、
自重の数100倍の水分を包括する優れた保水能を有す
るものである。
は、特に限定されるものではないが、グルコマンナンを
0.2重量%程度溶解するものが好適とされる。また、
この水溶液の散布方法についても特に限定されることは
なく、例えば散水車で散布する方法やホース等を用いて
散布する方法など適宜な手段が採用される。また、散布
量としては、水溶液の濃度によっても異なるものの、例
えば前記の0.2重量%水溶液の場合、表層部2の表面
1m3 あたり0.2リットル程度とするのが好ましい。
層部2中に浸透すると、グルコマンナンは弱アルカリ性
に調整されていることにより該アルカリ分と反応してゲ
ル化し凝固するとともに、これに伴って水溶液中の大量
の水分を保持する。
ルコマンナン水溶液が散布されてなることにより、該グ
ルコマンナンが予め加えられたアルカリ分と反応しゲル
化して凝固し、これによって表層部2の混合土が互いに
粘結し、安定したグランド面を形成する。また、ゲル化
したグルコマンナンが多量の水分を保持することによ
り、表層部2が乾燥してもグルコマンナンからその保持
水が補給されるため過度の乾燥が防止され、したがって
表層部2の乾燥に起因して砂塵が発生するといった不都
合を回避することができる。
表層部2に十分な水分と粘結性を付与することができる
が、その十分な効果の持続性については約1週間程度で
あるため、永続的に効果を持たすためには週に1、2度
散布するのが好ましい。また、散布後特に表層部2に過
度の乾燥の恐れがある場合には、単に少量の水を撒くこ
とによってグルコマンガンに再度十分な水を保持させる
ことができ、これによって表層部2が湿潤状態となって
砂塵の発生を確実に防止することができる。また、前記
実施例ではグルコマンナン水溶液を予めアルカリ性に調
整したが、グルコマンナン水溶液とは別にアルカリ性水
溶液を散布し、表層部2中にてグルコマンナンをアルカ
リと接触反応させてもよい。
設におけるグランドの表層構造は、表層部が赤土と黒土
とを含有した混合土からなり、該表層部にアルカリ分と
反応してゲル化して前記混合土を互いに粘結させるグル
コマンナン水溶液が散布されてなるものであるから、こ
のグルコマンナンが例えば該水溶液に予めアルカリ溶液
が加えられ弱アルカリ性に調整されることによってアル
カリ分と反応しゲル化して強固し、これによって表層部
の混合土が互いに粘結し、安定したグランド面を形成す
ることから、ラグビーやサッカーといった激しい運動に
も十分対応するものとなる。また、ゲル化したグルコマ
ンナンが多量の水分を保持することにより、表層部が乾
燥してもグルコマンナンからその保持水が補給されるた
め表層部の過度の乾燥が防止される。よって、例えば暖
房によりグランド上が乾燥しても表層部が過度に乾燥す
ることなく、これにより表層部の乾燥に起因する砂塵の
発生がなく、したがってグランドでの競技やその観戦に
おいての砂塵による支障をなくすことができる。また、
表層部が天然材料であるため建設費、維持費ともに安く
経済的に有利となる。また、天然材料からなるため表層
部は変質等の恐れがなく、また大きな摩擦がなく、しか
もアンツーカに比べ材料が柔らかいため倒れたときの裂
傷等の怪我の恐れも軽減される。
おけるグランドの表層構造の一実施例を示す要部断面図
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ドーム等の屋根を有した屋内競技施設に
おける競技を行うためのグランドの表層構造であって、 表層部が赤土と黒土とを含有した混合土からなり、該表
層部にアルカリ分と反応してゲル化して前記混合土を互
いに粘結させるグルコマンナン水溶液が散布されてなる
ことを特徴とする屋内競技施設におけるグランドの表層
構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04066395A JP3131013B2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 屋内競技施設におけるグランドの表層構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04066395A JP3131013B2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 屋内競技施設におけるグランドの表層構造 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05272107A JPH05272107A (ja) | 1993-10-19 |
| JP3131013B2 true JP3131013B2 (ja) | 2001-01-31 |
Family
ID=13314586
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP04066395A Expired - Fee Related JP3131013B2 (ja) | 1992-03-24 | 1992-03-24 | 屋内競技施設におけるグランドの表層構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3131013B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101235062B1 (ko) * | 2012-11-14 | 2013-02-19 | 황양훈 | 게이트볼장 시공방법 및 이 시공방법을 통해 시공되는 게이트볼장 |
| JP7179588B2 (ja) * | 2018-11-12 | 2022-11-29 | 株式会社日本触媒 | 吸水性樹脂の固定方法、保水性舗装の製造方法、および多孔質舗装体用保水性付与剤 |
-
1992
- 1992-03-24 JP JP04066395A patent/JP3131013B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05272107A (ja) | 1993-10-19 |
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