JP3549006B2 - オイルサンド及び該オイルサンドを含む表層材並びにその施工方法 - Google Patents

オイルサンド及び該オイルサンドを含む表層材並びにその施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はクレー系の屋内屋外スポーツ施設のグラウンド表土及び公園、ゴルフ場等の歩径用表土等に用いる表層材、及びその表層材を用いた表土の改良方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋内屋外のプレイ・グラウンドにはクレイコートが使われてきた。これは赤土、荒木田土等のシルト質粘土を主体とした粘性質土を表面に粗粒砂をまいて転圧したものである。材料が豊富な地方では有利で施工が比較的簡単、工事費が安価である。しかし、降雨時は勿論、降雨後もしばらくの間はクレイの結合が弱まり、砂の散布と転圧を行わないとグランドが荒れるのでプレイができないという欠点があり、また、降雨後の乾燥に長時間を要するという大きな問題を抱えていた。
更に、乾燥時には埃が立ちやすく、散水、ローラー掛けなど日常の手間がかかり、それに冬期には霜柱の発生で、コートの表面が荒れるという欠点も有していた。
【0003】
また、アンツーカコート、全天候型コート等が最近普及し始めているが、前者は長い工期と多額の費用を要し、後者は足や膝に負担がかかり疲れ易く、夏の照り返しが強い上、施工が難しく建設費が高いという大きな問題点を有している。
【0004】
そのため、アンツーカコートや全天候型コートよりも遙かに低廉で施工ができ、従来のクレイコートのもつ欠点を克服できるプレイ・グラウンドの表面処理として、自然土(赤土、荒木田土、シルト質砂系土等)に天然オイルサンドを一定量混合した表層材を敷き、転圧する施工法が提案された。(特開昭57−44002号公報、伊藤義男 石川工業高等専門学校紀要 第18号 79〜87)
この天然オイルサンドと自然土の混合物からなる表層材を用いた表面処理は、施工費用が安く、また、下記▲1▼〜▲6▼の特性を有している点から、従来のクレイコートの長所を活かしながら、その欠点を克服するものである。
【0005】
▲1▼ 自然土のみのクレイコートに比べ、降雨によっても浸水による損傷が極めて少なく、大部分の雨水は表層で弾かれて流去し、雨天直後での使用が可能である。
▲2▼ 使用感は快適なクッションが得られ、従来のクレイコート以上である。
▲3▼ 雑草が生え難い。
▲4▼ オイルサンドの含有成分が水和すると活性化して固結するので、降雨による軟弱化は緩和され、コート面の乾燥が通常のクレイコートより早く、常時面倒なローラかけ作業が省ける。
▲5▼ 従来のクレイコートに比べ埃が立ちにくい。
▲6▼ 従来のクレイコートに比べ、冬期の霜柱の発生が少ない。
【0006】
しかし、施工区により、上記▲1▼〜▲6▼の特性の評価に大きなバラツキがあり、そのため、高い評価が安定して得られる表面処理方法の開発が望まれていた。
【0007】
また、公園、ゴルフ場等の歩径にも自然土(クレイ系表層土)にみられる上記のいくつかの欠点を改良したクレイ系の表層材を用いた表面処理方法の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題はオイルサンドと自然土の混合物からなる表層材をプレイ・グラウンドの表面や公園、ゴルフ場等の歩径の表面に施す場合、上記▲1▼〜▲6▼の特性を高い評価で安定して得ることのできる表層材及びその表層材を用いた表土の改良方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は従来の技術を改良するため鋭意研究した結果、例えば特開昭57−44002号公報のようにプレイ・グラウンドの既存基盤土上に自然土を敷きつめ、その上に粉粒状天然オイルサンドを散布し、それをトラクター等で攪拌後転圧する方法、或いは、自然土とオイルサンドをそのまま或いは風乾した後、ミキサー等で混合してから既存基盤土上に敷きつめ、転圧する方法等では、上記▲1▼〜▲6▼の特性の評価に大きなバラツキを生ずることを確認した。
【0010】
本発明者等は、そのバラツキがオイルサンドと自然土の混合が十分に行われていないことが原因であることに気付き、オイルサンドと自然土の混合を十分におこなうことのできる施工方法を開発すれば課題を解決できることを見出し、本発明を成すに至った。
【0011】
即ち、本発明は、水分5〜18%、粒径5mm以下の天然オイルサンドと水分5〜18%、粒径10mm以下の自然土を混合したものからなる表層材(ここで、粒径5mm以下又は10mm以下とは、目開き5mm又は10mmのスクリーンを通過するという意味である。)、及びその表層材を既存土壌の上に敷き、転圧を行うことを特徴とする表土の改良方法に関するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
天然オイルサンドとは、第3紀層と呼ばれる2千万年前に海底、湖底で生成した石油分を多量に含んだ天然砂岩であり、団塊状で採掘される。わが国に於いては秋田県及び新潟県の油田地帯から採掘されている。オイルサンドは永い年代にわたって地質形成されもので含油成分は粒子の表面的な付着だけではなく、内部にも含蓄されている。
【0013】
秋田県産の天然オイルサンドの分析例では、シリカ(SiO)50〜82%、アルミナ(Al)2〜18%、酸化鉄(Fe)1〜6%、酸化カルシウム(CaO)0〜7%、油分2〜5%、タール分5〜20%を含み、また、粒径(水分散状態での粒子径)0.075〜2.0mmのものを50%以上含んでいるが、本発明で使用する天然オイルサンドは該分析値を有するものに限定されない。
【0014】
天然オイルサンドは、約20%の水分を含む団塊状で採掘されるため、本発明で使用する水分5〜18%(好ましくは8〜15%)、粒径5mm以下にするために、乾燥・粉砕・篩別等の処理が必要である。乾燥はドラヤー等を使うことも勿論可能であるが、経済性の点からは天日乾燥が好ましい。乾燥後の粉砕はローラーで圧し潰すか、クラッシャー等の粉砕機を用いて行い、得られた粉粒状物は目開き5mmのスクリーンで篩別することにより、本発明用に調製された天然オイルサンドが得られる。
【0015】
一方、本発明で使用する自然土は特に限定されず、各地で産出されるものが使用でき、具体例としは、荒木田土、赤土、黒土、真砂土、山砂、川砂等が挙げられる。また、土木関係で用いられる粒径(水分散状態での粒子径)による土壌区分からは、粒径0.075〜2.00mmのもの(砂)40〜90重量%、粒径0.075 mm以下のもの(シルトと粘土)10〜60重量%含まれているものが好ましく、礫を多量に含まぬものがよい。
【0016】
自然土は20〜30%の水分を含む団塊状で採取されるため、本発明で使用する水分5〜18%(好ましくは8〜15%)、粒径10mm以下にするために、乾燥・粉砕・篩別等の処理が必要である。乾燥はドライヤー等を使うことも勿論可能であるが、経済性の点からは天日乾燥が好ましい。乾燥後の粉砕はローラーで圧し潰すか、クラッシャー等の粉砕機を用いて行い、得られた粉粒状物は10mmのスクリーンで篩別することにより、本発明用に調製された自然土が得られる。
【0017】
本発明では、天然オイルサンドと自然土を乾燥・粉砕し、何れも、水分5〜18%(好ましくは8〜15%)、粒径5mm以下(天然オイルサンドの場合)又は粒径10mm以下(自然土の場合)の粉粒状にしてから混合する点に特徴があるが、このように調製することにより両者の混合が容易に行われるとともに、混合時及び現地での施工時に発塵せず、また作業性も改善される。水分が18%以上ではべとついて混合が十分におこなわれ難い。5%以下では混合時及び現地での施工時に発塵するとともに乾燥コストもかかり、更に転圧後の状態(硬度と弾力)が悪いため施工前に加水して水分調整する必要があるが、乾燥過多のため粒の内部まで水分を浸透させるのは難しい。
【0018】
天然オイルサンドと自然土の混合比率は天然オイルサンドに含まれる油分、タール分の含量や自然土の性状により異なるが、天然オイルサンドと自然土の合量を100とすると天然オイルサンド分は5〜50(重量ベース)が好ましく、より好ましくは10〜40(重量ベース)である。混合は、一般的なミキサー、例えばダブルスクリュータイプのミキサーで行うことができるが、天然オイルサンドと自然土を十分混合して全体が均一になるようにすることが、極めて重要である。
【0019】
プレイ・グラウンドや歩径の表面処理は、上記のようにして得られた天然オイルサンドと自然土の混合物からなる本発明の表層材を、既存基盤土或いはクレイ系標準構造の上に均一に敷きつめ、振動ローラー等で十分転圧を行うことによりなされる。施工時、乾燥ぎみの場合(手で表層材をにぎり、手を開いたとき、指の形がついて形がくずれない程度であればよい。)は、水を添加、混合して水分調整をしてから施工するようにする。転圧後の厚みは3〜15cm、好ましくは5〜10cmである。仕上げとして、転圧後、市販のにがりを散布し、更に化粧砂を適量まいて、最後にブラッシングするのが望ましい。
【0020】
【作用】
本発明の表層材は、天然オイルサンドと自然土を、乾燥・粉砕し、何れも、水分5〜18%(好ましくは8〜15%)、粒径5mm以下(天然オイルサンドの場合)又は粒径10mm以下(自然土の場合)の粉粒状に調製してから混合したものである。そのために、両者は極めて均一に混合することができる。それ故、それを基盤土上に敷き、転圧を行うことにより、均一に敷きつめることができる。
【0021】
【実施例】
以下に実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1(表層材の製造)
<原料のオイルサンド>
秋田県地方から採掘された塊状のオイルサンド(22.5%の水分含有品)をビニールハウス内で天日乾燥し、水分を11.2%に減じ、それをローラーで圧し潰し、得られた粉粒状物を5mmのスクリーンで篩別し、次の分析値を有する本発明で使用する調製天然オイルサンドを得た。
化学組成(無水換算値)
シリカ(SiO)・・・・81%
アルミナ(Al)・・2.1%
酸化鉄(Fe)・・・1.4%
油分及びタール分(無水換算値)
油分2.8%、タール分12.5%
粒径(水中で分散時)
2.0〜5.0mm・・・・・1.1%
0.075〜2.0mm・・・64.5%
0.075mm以下・・・・・34.4%
【0022】
<原料の自然土>
秋田県地方から採取された塊状の赤土(25.4%の水分含有品)をビニールハウス内で天日乾燥し、水分を10.2%に減じ、それをローラーで圧し潰し、得られた粉粒状物を10mmのスクリーンで篩別し、次の粒径分布を有する本発明で使用する調製自然土を得た。
粒径(水中で分散時)
2.0〜10.0mm・・・・・3.3%
0.075〜2.0mm・・・69.6%
0.075mm以下・・・・・27.1%
【0023】<表層材>前記の調製天然オイルサンドと調製自然土を、オイルサンド:自然土=6:4及び8:2(重量比)の割合でダブルスクリュータイプのミキサーで十分混合し、本発明の表層材A(6:4の場合)、表層材B(8:2の場合)を得た。
【0024】
実施例2(本発明の表層材を用いた施工と施工区での効果確認テスト)
<施工方法>
コープケミカル(株)秋田工場の敷地内の一角に試験区(1区画3.8m×3.8m)を設け、確認テストを行った。
基盤土の表面を整地し、そこへ実施例1でえれらた表層材A又は表層材Bを均一に敷き詰め、1.0トンの振動ローラーで転圧した。転圧後の表層材A又は表層材Bの厚みは5cmであった。表層材A又は表層材Bを施工した試験区をそれぞれ試験A区又は試験B区とし、効果の確認テストを行った。
【0025】
<効果確認テスト>
▲1▼ 排水性
春の晴れた日、午前中に15mmの降雨量に相当する量の水を約1時間で散水し、プレイグラウンドとして使用可能になる迄の時間を調べた。
▲2▼ 発塵性
風のある日に時々発塵状況を観察した。
▲3▼ 霜柱の高さ(mm)
施工後1年間の霜柱の発生時における最も高い霜柱高さを調べた。
▲4▼ 草の生え具合
草の生え具合いを観察した。
▲5▼ 弾力性
20名に晴天時のクッション性を確かめてもらい、その多数意見を調べた。
効果の確認テストの結果を表1に示す。
【0026】
比較例1
実施例1の表層材の代りに、実施例1の調製自然土(表層材Cとする。)のみを均一に敷き詰め、1.0トンの振動ローラーで転圧した。転圧後の表層材Cの厚みは5cmであった。この比較試験区を比較C区とし、効果の比較テストの結果を同じく表1に示す。
【0027】
比較例2
実施例1の表層材Aの代りに、実施例1の表層材Aとは原料の自然土の調製において天日乾燥後、ローラー処理と5mmのスクリーンで篩別しなかった点だけが異なる、表層材Dを均一に敷き詰め、1.0トンの振動ローラーで転圧した。転圧後の表層材Dの厚みは5cmであった。この比較試験区を比較D区とし、効果の比較テストの結果を同じく表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0003549006
【0029】
<結果の考察>
本発明の表層材(A又はB)を用いた試験区は、排水性、塵性、防霜性、防草性、弾力性ともに比較区に比べ、優れていることは明らかである。
【0030】
【発明の効果】
本発明の表層材を基盤土上に敷き転圧を行うことにより得られる、屋内屋外スポーツ施設のグラウンド表土や公園、ゴルフ場等の歩径表土は、排水性、防塵性、防霜柱性、防草性、使用感(クッション性)等が従来のオイルサンドを含まぬクレイ系表土やオイルサンドを含む従来のクレイ系表土より優れている。それ故、本発明の表層材、及びその表層材を基盤土上に敷き、転圧を行うことを特徴とする表土の改良方法は、クレー系の屋内屋外スポーツ施設のグラウンド及び公園やゴルフ場等の歩径に、有効に利用できる。
【0031】
また、本発明の表層材を用いた、敷ならし、転圧等の施工に於いては、作業性(作業のしやすさ、作業時発塵しない等)にも優れているので、有利である。

Claims (4)

  1. 粒径0.075〜2.0mmの砂を50%以上含有する塊状のオイルサンドを、水分5〜18%になるまで天日乾燥させ、それを5mm以下にローラーで圧し潰して得られるオイルサンド。
  2. 請求項1記載のオイルサンドを含有する表層材。
  3. 請求項1記載のオイルサンドと荒木田土、赤土、黒土、真砂土、山砂、川砂の1種以上を混合したものからなる表層材。
  4. 請求項2又は3記載の表層材を、基盤土上に敷き、転圧を行うことを特徴とする表土の改良方法。
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