JPS587005A - 人工芝生製運動競技場の施工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は人工芝生を表面に敷設して構成された野球場、
サッカー競技場、競技用トラック（走行路）、テニスコ
ート、バレーコート等の運動競技場の改良された施工方
法に関する。

近年、天然芝生の代替物として、例えばポリアミドなど
の合成樹脂を用いて鋳型成形法等により形成されたスリ
ットヤー・ンや、溶融紡糸による合成繊維製扁平糸をパ
イル植毛法等によりパイル糸の型に構成して造られた人
工芝生が前述運動競技場の表面舗装に多用されつ＼ある
。

しかるに、極く最近に至って上述運動競技場、殊に野球
場やサッカー競技場等の球技場において、人工芝が天然
芝に比べて選手の疲労度を高め、しかも人工芝を採用し
ている球場における故障者の続出が報じられている。勿
論、その因果関係についての医学的解明は未だなされて
はいないが、その原因は、捕球や走塁のため人工芝生上
を駈は廻る選手のスパイクが、強靭な裏打基布上に植毛
されている人工芝生の芝目内に突き刺って賄いたり、又
は捕球ないし送球のために急速に踏み止まろうとしたと
き、靴底を介して瞬間的に加えられる強大な荷重を人工
芝生が吸収しえないため、その反力として強大な荷重が
選手の足首部、膝関節、大腿部等に負荷されることによ
るものと推測される。

このような事故に対応して、半球状スパイクを設けた運
動靴が提案されてはいるが、未だ事故の絶滅には至って
おらず、半球状スパイクは人工芝生上でのスベリ易さを
助長するので全般に普及するに至ってはいない。

本発明は従来の人工芝生製運動競技場における上述欠点
を解消し、美的感覚上天然芝に優る競技場を造成するこ
とができ、全天候性で保守整備も容易であるという人工
芝生の利点を活用しつ＼、さらに一層安全かつ快適なプ
レーをなしうる運動競技場を施工する方法を提供するも
ので、その要旨は人工芝生の芝目内に適切な厚みで無機
質及び／又は有機質粒状物を散布敷設することにある。

本発明方法により造成される運動競技場に使用される人
工芝生としては、ポリアミド、ポリウレタンなどの合成
樹脂を用いて鋳型成形法により基盤上に無数の細長帯片
を一体的に立設形成した構造のものも用いることができ
るが、好ましくは、外観、風合い等の面で天然芝生によ
り類似し、かつボールのバウンドや靴底のスベリ等の運
動競技上のコンディションに密接に関　　　□与する耐
へタリ性及び人工芝生自体の耐久性に関与する引張強度
、引裂強度、耐候性９寸法安定性等の物理的９機械的特
性の面で、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、
ポリウレタンポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン等の
フィルムを細切したスリットヤーンをパイル糸とするか
、又は溶融紡糸により異形断面孔を有するノズルを通し
て扁平糸を造り、これを７Ｘ＋’イル糸として、これら
パイル糸を植毛して形成された構造の人工芝生を用いる
。

先述の通り、従来の人工芝生においては、競技者のスパ
イクが芝目内に突き刺ることにより、足首の捻挫や膝関
節、大腿部筋肉の過労といった傷害をもたらす。本発明
はこの点を改善すると共に、従来人工芝における不満足
な耐ヘタリ性やスベリ抵抗性、排水性等を改善させる目
的で、該芝生の芝目内に無機質又は有機質の粒状物を散
布、充填する。

上述粒子としては川砂、海砂、珪砂等の珪酸塩鉱物粒（
即ち無機質粒子）が最も好ましく、殊に該鉱物粒を粒度
調整した後、加熱脱水した乾燥粒子は人工芝生内に保留
される水分を吸収してより敏速に乾燥状態に復元する。

使用される珪砂塩鉱物はいわゆる珪砂５号ないし８号程
度の粒度のものを用いる。また、該粒子は上述目的から
明らかなように、人工芝生内に充填されるべき厚みを適
切に選択される必要があり、この場合に、該粒子が靴底
により加えられる荷重ヲ、恰もバンカーにゴルフボール
が打ち込まれた場合のごとく、該粒子（砂）の塑性変形
により吸収し、かつスパイク尖端が芝生の根元部に引懸
かるのを防止できること、及び降雨時芝生表面に付着す
る水滴を急速に吸収し、かつ後述排水構造と相俟って芝
目表面に水溜りを生じさせない程度の保水能力を具備せ
しめること、更に又、人工芝生上での過激な運動により
該芝生が移動せしめられることなく基盤上に安定的に定
置されるに足る量であること等を考慮して前記充填厚み
は決定される。本発明者らの実験結果によれば、前記充
填厚みはプレー続行可能な程度の降雨量及び競技場面積
との関連において、約８閣ないし約１８簡の範囲内で選
択されるべきである。

一方、上述粒子層の上方に突出する人工芝生の葉先長さ
は、ボールのバウンド後の射出角度や速度、あるいは靴
底のスベリ具合及び競技者が転倒したとき、芝生表面と
の摩擦熱により火傷に近い傷害を蒙むる等、プレー上の
コンディシリンに大きく影響を及ぼすので、該長さにつ
いても適切に選択されねばならない。本発明者らの実験
によれば、該葉先長さは約２１１Ｉ１１ないし約８閣の
範囲のものが有効であった。

本発明によれば、上述無機質粒子に代えて、コルク粒や
ヤシ殻の粗砕物粒子が吸水性に加えて適度の弾力性を発
現するので好適に用いつる。

また、加硫ゴムチップやプラスチック、特に発泡プラス
チックの粉砕物も、吸水性の面では前例の珪砂やコルク
粒などに及ばないが、人工芝生の耐ヘタリ性を補強し、
適度の弾力性を発現させる点で、前記珪砂やコルク粒な
どと混合して本発明の芝生充填物として用いることがで
きる。

本発明方法によれば、人工芝生はその芝目内に充填され
る多量の上述芝生充填物の重量によって基盤上、゛に安
定的に定置されるので、従来の人工芝生のごとく、接着
剤その他の固着手段を施して基盤上に固着する必要は特
にない。しかしサッカーのように蹴球の際スパイクや爪
先部により芝生を引き懸ける危険がある競技場に適用す
る場合は補強のためアンカー鋲により要所要所を固着し
てもよい。

本発明の人工芝生製運動競技場の施工方法は、以上の通
り、セメント、アスファルト等により構築された基盤上
に人工芝生を敷設した上、該芝生の芝目内に珪砂、コル
ク粒、ゴムチップ等の無機質粒子又は有機質粒子を、そ
れら粒子の層自体の厚みが約８ｉｎないし約１８ｍであ
って、かつ芝生の葉先が該粒子の層の表面から約２ｍな
いし約８１１ｒ！ｎの長さで突出するように、散布充填
するものであるのでミ該粒子層が降雨時芝生表面に付着
する水滴を急速に吸収すると共に、芝目内に溜まる雨水
を、通常基盤上に形成されている排水用側溝の作用と相
俟って、恰も波打ち際における波の引いた後の砂浜の吸
水状態のごとく、急速に吸収し、かつ排水して、芝生表
面に水溜りを生じさせることがない。

また、該粒子層は靴底により加えられる踏付は荷重をそ
の塑性変形により吸収すると共番こ、スパイク尖端が芝
生の根元部に引つ懸るのを防止するので、競技者を足首
捻挫や脚部筋肉、関節等の著しい疲労から保護すること
ができる。

一方、本発明方法によれば、第３図（用に示すように人
工芝生の一葉（１ｂ）毎にその大部分を粒子層（２）内
に埋め込まれることになるので、各葉先がランダム方向
へ湾曲して、ボールや靴底のスベリを防止できる。これ
に対して、従来運動場の人工芝生は第３図（ｏ）に示す
ように、その根元部（３ａ）から、織り癖に伴って全て
一方向へのみ傾倒する傾向があり、そのためボールや靴
底がスベリ易くなる。また、人工芝生を植立できる基布
が前記粒子層で被覆されること番どなるので、常時太陽
光線の下に曝されること番こより生じる該基布の紫外線
劣化を有効に防止する。

以下本発明の実施例を挙げて説明する。

実施例１ 第１図は本発明方法により構築された人工芝生製運動場
の断面構造を示す。同図に示すように本例運動場は地面
を堀り下げて路床（４）を構築した上、順次に粒調砕石
層（５）及び密粒アスファルト・コンクリート層（６）
を積層して基盤（３）を構築した。

次いで、基盤（３）上に平均背丈２６ｍのポリアミド製
人工芝生（１）を敷設した後、該芝生（１）の芝目内に
７号粒度の川砂（２）を平均１８ｍ厚みで散布、充填し
た。

なお、基盤（３）及び人工芝生（１）の周側部には舗装
止めブロック（７）を構築し、さらに該ブロック（７）
の外側の地中に、前記粒調砕石層（５）の下部と連通ず
る排水溝（８）を構築した。

本例運動場に大量の水を連続的に撒水して芝生を完全に
冠水させた後、放水を停止すると、３０分後には芝生表
面の水は川砂（２）層内に滲み込みプレー可能な状態と
なった。

因みに、本出願人が構築した従来の人工芝生製運動場（
川砂を充填せず）では、水分が密生した芝生の根元部に
より排水溝への流出を阻害されて芝生内に滞溜し、その
ため降水後１時間経過した後でも未だプレーを開始でき
る状態には至らなかったことと比べて、本例運動場の上
述早期排水性能は驚異的改良と云える。

一方、本例運動場において試験的にプレーした競技者１
０名に対して、ボールの速度やバウンド、靴底のスベリ
具合、クッション感覚、疲労感等の使用感に関してアン
ケートを求めたところ、総合的に「良好」と回答した者
７名、「ボールの速度やバウンドに若干難点有り」と答
えた者２名、「柔か過ぎる」と答えた者１名、の結果を
えた。

実施例２ 実施例１におけるアスファルト・コンクリート層（６）
を開粒度アスファルト・コンクリートとした以外は同様
構造の基盤（３）上に、平均背丈１２閣のポリエチレン
テレフタレート製人工芝生（１）を敷設した後、該芝生
（（）の芝目内に８号粒度の川砂と粒径１ｉｏ＋１以下
の加施ゴムチップとを１０：３の割合で混合した粒状物
（２）を平均９ｍ厚みで散布、充填してテニスコートを
構築した（第２図参照） 本例テニスコートについても、実施例１と同様の降水テ
ストを行った結果、３０分後にはプレー可能状態となっ
た。

また、本例コートにおいて中級プレーヤー１０名により
プレーを行った後、その使用感につきアンケートを求め
たところ、８名までが「良好」と回答し、残りの２名は
「バウンドが高い」又は「ボールが遅い」と評価した。

本発明は以上詳述した通り、排水効果良好にして、競技
者を足首捻挫や脚部疲労などの傷害から保護し、良好な
コンディションで競技を行いつる人工芝生製運動競技場
の施工方法を提供　　　・する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明方法により構築された人工芝
生製運動競技場の部分断面図、！１８３図（イ）は本発
明方法により施工された人工芝生の部分拡大図、第３図
ｔｏ）は従来方法による人工芝生の部分拡大図である。 １．１’：人工芝生、２．２’：粒状物層、３，５°：
基盤、４：路床、５：粒調砕石層、６：アスファルト　
コンクリート層、７：舗装止めブロック、８：排水溝 特許出願人　　住友ゴム工業株式会社 特許庁長官島田春樹　　殿 １　事件の表示 昭和　　年　　　　　願第　　　　　号昭和５６年７月
６日提出の特許願 ２・発明の名称　人工芝生製運動競技場の施工方法３、
　補正をする者 事件との関係　　特許出願人 ４、代理人 「２、特許請求の範囲 （１）　　セメント、アスファルト等よりなる基盤上に
人工芝生を敷設して運動競技場を施工する方法において
、前記芝生の芝目内に無機質及び／又は有機質粒状物を
、それ自体の厚みを約８ｇＬｔＩＬないし約１８龍とし
て、かつ前記芝生の葉先が約２鰭ないし約８龍の長さで
該粒状物層の表面から突出するように散布充填すること
を特徴とする人工芝生製運動競技場の施工方法。 （２）人工芝生が、基盤に対し、該芝生の芝目内に充填
された無機質及び／又は有機質粒状物自体の重量により
敷設固定される特許請求の範囲第（１）項記載の施工方
法。 （３）人工芝生として、合成樹脂製スリットヤーン又は
合成繊維製偏平糸により構成されたパイル糸を用いる特
許請求の範囲第（１）項又は第（２）項記載の施工方法
。 （４）無機質粒子として、川砂、海砂、珪砂等の硅酸塩
鉱物粒を用いる特許請求の範囲第（１）項５ｔｔ、ｍま
第（２）項のいずれかに記載の施工方法。 （５）有機質粒子としてコルク粒、ヤシ殻破砕物等の植
物性粒子を用いる特許請求の範囲第（１）項又は第２項
のいずれかに記載の施工方法。 （６）　　有機質粒子として加硫ゴムチップ又はプラス
スチック粉砕物を用いる特許請求の範囲第（１）項又は
第（２）項記載の施工方法。」

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. （１）　　セメント、アスファルト等よりなる基盤上に
   人工芝生を敷設して運動競技場を施工する方法において
   、前記芝生の芝目内に無機質及び／又は有機質粒状物を
   、それ自体の厚みを約８１１１Ｉないし約１８ｍとして
   、かつ前記芝生Φ葉先が約合−むいも約８ｍの長官で該
   粒状物層の表面から突出するように散布充填することを
   特徴とする人工芝生製運動競技場の施工方法。
2. （２）人工芝生が、基盤に対し、該芝生の芝目内に充填
   された無機質及び／又は有機質粒状物自体の重量により
   敷設固定される特許請求の範囲第（１）項記載の施工方
   法。
3. （３）　　人工芝生として、合成樹脂製スリットヤーン
   又は合成繊維製扁平糸により構成されたパイル糸を用い
   る特許請求の範囲第（１）項又は第（２）項記載の施工
   方法。
4. （４）無機質粒子として、川砂、海砂、珪砂等の珪酸塩
   鉱物粒を用いる特許請求の範囲第１１）項または第（２
   ）項のいずれかに記載の施工方法。
5. （５）有機質粒子としてコルク粒、ヤシ殻破砕物等の植
   物性粒子を用いる特許請求の範囲第（１）項または第（
   ２）項のいずれかに記載の施工方法。
6. （６）有機質粒子として加硫ゴム・チップ又はプラスチ
   ック粉砕物を用いる特許請求の範囲第（１）項又は第（
   ２）項記載の施工方法。