JP3130488B2 - 既存建物の耐震補強工法 - Google Patents
既存建物の耐震補強工法Info
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- JP3130488B2 JP3130488B2 JP09120645A JP12064597A JP3130488B2 JP 3130488 B2 JP3130488 B2 JP 3130488B2 JP 09120645 A JP09120645 A JP 09120645A JP 12064597 A JP12064597 A JP 12064597A JP 3130488 B2 JP3130488 B2 JP 3130488B2
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は既存建物の耐震補強
工法に関するものである。
工法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年において、大地震に対応するため、
既存構築物や既存建物の耐震補強が数多く実施されてい
る。これは図１２に示すように、既存建物の柱３０など
に鋼板や特殊繊維などの補強材３１を巻き付けてコンク
リートの増し打ち補強をしたり、あるいは壁３２を新設
したりしていた。また新規に耐震補強をする場合は、免
震工法などが取り入れられている。
既存構築物や既存建物の耐震補強が数多く実施されてい
る。これは図１２に示すように、既存建物の柱３０など
に鋼板や特殊繊維などの補強材３１を巻き付けてコンク
リートの増し打ち補強をしたり、あるいは壁３２を新設
したりしていた。また新規に耐震補強をする場合は、免
震工法などが取り入れられている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
既存建物の耐震補強を行う場合は、生活者の居住空間に
入って工事を行うためプライバシーが保護されず、例え
ばマンションなどにおいては長期間の工事を行うことが
困難であった。また既存建物に免震工法を適用するに
は、工事がおおがかりとなるため経済的にも問題があっ
た。
既存建物の耐震補強を行う場合は、生活者の居住空間に
入って工事を行うためプライバシーが保護されず、例え
ばマンションなどにおいては長期間の工事を行うことが
困難であった。また既存建物に免震工法を適用するに
は、工事がおおがかりとなるため経済的にも問題があっ
た。
【０００４】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、居住者の日常生活や、通常
の業務に影響を与えずに、既存建物を耐震補強すること
である。
たものであり、その目的は、居住者の日常生活や、通常
の業務に影響を与えずに、既存建物を耐震補強すること
である。
【０００５】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの本発明の既存建物の耐震補強工法は、既存建物にお
ける既存柱の近傍に新設杭を打設して既存基礎と一体の
新設基礎を構築し、該新設基礎に既存柱と一体の柱型枠
を形成し、該柱型枠間の頂部に、新設梁を既存梁に沿っ
てスライドさせて掛け渡した後、柱型枠内にコンクリー
トを打設して既存建物と一体の補強用のラーメン架構を
構築したことを特徴とする。
めの本発明の既存建物の耐震補強工法は、既存建物にお
ける既存柱の近傍に新設杭を打設して既存基礎と一体の
新設基礎を構築し、該新設基礎に既存柱と一体の柱型枠
を形成し、該柱型枠間の頂部に、新設梁を既存梁に沿っ
てスライドさせて掛け渡した後、柱型枠内にコンクリー
トを打設して既存建物と一体の補強用のラーメン架構を
構築したことを特徴とする。
【０００６】既存建物の入居者に施工中の負担を強いる
ことなく、また居住空間への影響を与えることなく既存
建物の耐震補強が行えるとともに、耐震補強の効果を有
効なものとすることができる。
ことなく、また居住空間への影響を与えることなく既存
建物の耐震補強が行えるとともに、耐震補強の効果を有
効なものとすることができる。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下、本発明の既存建物の耐震補
強工法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図１は既存建物の平面図、図２は耐震補強をした既存建
物の断面面である。
強工法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図１は既存建物の平面図、図２は耐震補強をした既存建
物の断面面である。
【０００８】図１の既存建物１は、長さ方向の一方側に
バルコニー２、他方側に廊下３を備えた鉄筋コンクリー
トまたは鉄骨鉄筋コンクリート造の集合住宅であり、前
記バルコニー２側および廊下３側に十分な敷地、例えば
レッカーが移動できる程度の広さを備えている。
バルコニー２、他方側に廊下３を備えた鉄筋コンクリー
トまたは鉄骨鉄筋コンクリート造の集合住宅であり、前
記バルコニー２側および廊下３側に十分な敷地、例えば
レッカーが移動できる程度の広さを備えている。
【０００９】この既存建物１の既存杭４の近傍、すなわ
ちバルコニー２側および廊下３側に新設杭５を打設す
る。これは、図２および図３に示すように、バルコニー
２および廊下３に接する近さに打設するものであり、こ
の上に新設基礎６を既存基礎７と一体的に構築する。
ちバルコニー２側および廊下３側に新設杭５を打設す
る。これは、図２および図３に示すように、バルコニー
２および廊下３に接する近さに打設するものであり、こ
の上に新設基礎６を既存基礎７と一体的に構築する。
【００１０】次に、バルコニー２側および廊下３側の既
存柱８の外面の目荒しを行い、該外面にシアコネクター
筋９を取り付けるアンカー金具９ａを埋設する。そして
既存柱８近傍のバルコニー２および廊下３に、新設柱５
を建て込むための貫通孔１０を開ける。
存柱８の外面の目荒しを行い、該外面にシアコネクター
筋９を取り付けるアンカー金具９ａを埋設する。そして
既存柱８近傍のバルコニー２および廊下３に、新設柱５
を建て込むための貫通孔１０を開ける。
【００１１】次に、地組した柱鉄筋１１を吊り上げて貫
入孔１０に挿入して既存柱８に沿って建て込むと、その
上部が前記貫通孔１０から突出した状態になる。そし
て、前記アンカー金具９ａにシアコネクター筋９を取り
付けて柱鉄筋１１に接合するとともに、該柱鉄筋１１を
覆うようにして柱型枠１２を建て込む。この柱型枠１２
は図４に示すように、プレキャスト鉄筋コンクリートで
断面コ字形に形成され、上部に梁の挿入溝が１３形成さ
れている。
入孔１０に挿入して既存柱８に沿って建て込むと、その
上部が前記貫通孔１０から突出した状態になる。そし
て、前記アンカー金具９ａにシアコネクター筋９を取り
付けて柱鉄筋１１に接合するとともに、該柱鉄筋１１を
覆うようにして柱型枠１２を建て込む。この柱型枠１２
は図４に示すように、プレキャスト鉄筋コンクリートで
断面コ字形に形成され、上部に梁の挿入溝が１３形成さ
れている。
【００１２】次に、図６に示すように、鉄骨梁を仮設す
るための作業用構台１４を組み立て、ここにおいて鉄骨
１５を接合して所定の長さの鉄骨梁１６を形成し、これ
をローラー１４ａに載せる。この接合はウエブをボルト
接合、フランジを溶接接合とする。この鉄骨梁１６をウ
インチ１７で少しづつ送りだして柱型枠１２の挿入溝１
３に挿入することにより、柱型枠１２間、すなわちバル
コニー２側と廊下３側との間に新設梁１８が架設され
る。この送り出しは、鉄骨梁１６がバルコニーの天井に
設けた吊りローラ１４ｂで支持されて既存梁１９に沿っ
て行われる。そして、この作業を下階から上階にかけて
順次繰り返すことにより、バルコニー２側および廊下３
側に補強用のラーメン架構２０が構築される。
るための作業用構台１４を組み立て、ここにおいて鉄骨
１５を接合して所定の長さの鉄骨梁１６を形成し、これ
をローラー１４ａに載せる。この接合はウエブをボルト
接合、フランジを溶接接合とする。この鉄骨梁１６をウ
インチ１７で少しづつ送りだして柱型枠１２の挿入溝１
３に挿入することにより、柱型枠１２間、すなわちバル
コニー２側と廊下３側との間に新設梁１８が架設され
る。この送り出しは、鉄骨梁１６がバルコニーの天井に
設けた吊りローラ１４ｂで支持されて既存梁１９に沿っ
て行われる。そして、この作業を下階から上階にかけて
順次繰り返すことにより、バルコニー２側および廊下３
側に補強用のラーメン架構２０が構築される。
【００１３】そして、図７に示すように、柱型枠１２の
挿入溝１３を鉄骨梁１６のスチフナー２２と、側板２３
とで塞いで柱型枠１２内にコンクリートを打設する。こ
のことにより新設柱２１と既存柱８とが一体となって、
バルコニー２側および廊下３側に既存建物１と一体の補
強用のラーメン架構２０が完成する。
挿入溝１３を鉄骨梁１６のスチフナー２２と、側板２３
とで塞いで柱型枠１２内にコンクリートを打設する。こ
のことにより新設柱２１と既存柱８とが一体となって、
バルコニー２側および廊下３側に既存建物１と一体の補
強用のラーメン架構２０が完成する。
【００１４】図８は、鉄骨梁１６の剛性が足りない場合
に、これに代わるＰＣ梁２４の送り出しを示したもので
ある。この場合は吊りローラ１４ｂが使用できないた
め、上部にローラー２５ａを設けた支持具２５で支持し
ながら送り出しを行う。この支持具２５は鉄骨梁１６の
送り出しにも、もちろん使用することができる。
に、これに代わるＰＣ梁２４の送り出しを示したもので
ある。この場合は吊りローラ１４ｂが使用できないた
め、上部にローラー２５ａを設けた支持具２５で支持し
ながら送り出しを行う。この支持具２５は鉄骨梁１６の
送り出しにも、もちろん使用することができる。
【００１５】また、作業環境によっては図９に示すよう
に、送り出し機構を備えたリフト車２６やクレーン２７
を用いて鉄骨梁１６やＰＣ梁２４を既存建物１の前方か
ら設置するようにしてもよい。
に、送り出し機構を備えたリフト車２６やクレーン２７
を用いて鉄骨梁１６やＰＣ梁２４を既存建物１の前方か
ら設置するようにしてもよい。
【００１６】小梁の補強が必要な場合は図１０および図
１１に示すように構築する。図１０は小梁２８を鉄筋コ
ンクリートで構築する場合を示したものであり、既存柱
８におけるバルコニー２および廊下３に形成した切欠部
２９に短辺方向の小梁鉄筋２８ａを、該小梁鉄筋２８ａ
の先端部に長辺方向の小梁鉄筋２８ｂをそれぞれ配筋し
て、バルコニー２および廊下３と一体的に構築するもの
である。また図１１は小梁２８を鉄筋コンクリートで構
築する場合を示したものであり、新設の鉄骨梁１６に短
辺方向の鉄骨梁２８ａをボルト接合し、該鉄骨梁２８ａ
に長辺方向の鉄骨梁２８ｂを設け、これらの鉄骨梁２８
ａ、２８ｂとバルコニー２および廊下３とをスタッドボ
ルト等で一体的に接合するものである。これは小梁があ
る場合も、小梁を増設する場合も同様にし、小梁がある
場合は、この既存の小梁を一体とする。
１１に示すように構築する。図１０は小梁２８を鉄筋コ
ンクリートで構築する場合を示したものであり、既存柱
８におけるバルコニー２および廊下３に形成した切欠部
２９に短辺方向の小梁鉄筋２８ａを、該小梁鉄筋２８ａ
の先端部に長辺方向の小梁鉄筋２８ｂをそれぞれ配筋し
て、バルコニー２および廊下３と一体的に構築するもの
である。また図１１は小梁２８を鉄筋コンクリートで構
築する場合を示したものであり、新設の鉄骨梁１６に短
辺方向の鉄骨梁２８ａをボルト接合し、該鉄骨梁２８ａ
に長辺方向の鉄骨梁２８ｂを設け、これらの鉄骨梁２８
ａ、２８ｂとバルコニー２および廊下３とをスタッドボ
ルト等で一体的に接合するものである。これは小梁があ
る場合も、小梁を増設する場合も同様にし、小梁がある
場合は、この既存の小梁を一体とする。
【００１７】
【発明の効果】既存建物における既存柱の近傍に新設杭
を打設して既存基礎と一体の新設基礎を構築し、該新設
基礎に既存柱と一体の柱型枠を形成し、該柱型枠間の頂
部に、新設梁を既存梁に沿ってスライドさせて掛け渡し
た後、柱型枠内にコンクリートを打設して既存建物と一
体の補強用のラーメン架構を構築したことにより、既存
建物の入居者に施工中の負担を強いることなく、また居
住空間へ影響を与えることなく既存建物の耐震補強が行
えるとともに、耐震補強の効果を有効なものとすること
ができる。
を打設して既存基礎と一体の新設基礎を構築し、該新設
基礎に既存柱と一体の柱型枠を形成し、該柱型枠間の頂
部に、新設梁を既存梁に沿ってスライドさせて掛け渡し
た後、柱型枠内にコンクリートを打設して既存建物と一
体の補強用のラーメン架構を構築したことにより、既存
建物の入居者に施工中の負担を強いることなく、また居
住空間へ影響を与えることなく既存建物の耐震補強が行
えるとともに、耐震補強の効果を有効なものとすること
ができる。
【００１８】既存建物の耐震補強が短期間で施工でき、
かつ既存建物への免震施工に比べて経済的に行える。
かつ既存建物への免震施工に比べて経済的に行える。
【図１】既存建物の平面図である。
【図２】耐震補強をした既存建物の断面図である。
【図３】既存建物に新設杭を打設した概略図である。
【図４】（１）は既存柱に新設柱を構築する断面図、
（２）は柱型枠の側面図である。
（２）は柱型枠の側面図である。
【図５】貫通孔を開けたバルコニーの断面図である。
【図６】（１）は新設梁を架設する状態の正面図、
（２）は吊りローラの側面図である。
（２）は吊りローラの側面図である。
【図７】新設梁を架設する状態の断面図である。
【図８】ＰＣ梁を架設する状態の正面図である。
【図９】既存建物に梁架設の方法を示す側面図である。
【図１０】（１）は小梁を設けた断面図、（２）は同平
面図である。
面図である。
【図１１】小梁を鉄骨とした斜視図である。
【図１２】（１）および（２）は従来の耐震補強構造の
断面図である。
断面図である。
１ 既存建物 ２ バルコニー ３ 廊下 ４ 既存杭 ５ 新設杭 ６ 新設基礎 ７ 既存基礎 ８ 既存柱 １２ 柱型枠 １８ 新設梁 １９ 既存梁 ２０ 補強用のラーメン架構
Claims (1)
- 【請求項１】 既存建物における既存柱の近傍に新設杭
を打設して既存基礎と一体の新設基礎を構築し、該新設
基礎に既存柱と一体の柱型枠を形成し、該柱型枠間の頂
部に、新設梁を既存梁に沿ってスライドさせて掛け渡し
た後、柱型枠内にコンクリートを打設して既存建物と一
体の補強用のラーメン架構を構築したことを特徴とする
既存建物の耐震補強工法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09120645A JP3130488B2 (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 既存建物の耐震補強工法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09120645A JP3130488B2 (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 既存建物の耐震補強工法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10311144A JPH10311144A (ja) | 1998-11-24 |
| JP3130488B2 true JP3130488B2 (ja) | 2001-01-31 |
Family
ID=14791358
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP09120645A Expired - Fee Related JP3130488B2 (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 既存建物の耐震補強工法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3130488B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006291607A (ja) * | 2005-04-12 | 2006-10-26 | Taisei Corp | 既存構造物の基礎補強方法 |
-
1997
- 1997-05-12 JP JP09120645A patent/JP3130488B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10311144A (ja) | 1998-11-24 |
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Legal Events
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