JP3130169U - エアゾール押釦用の噴射部材及びエアゾール製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エアゾール容器内に収容された組成物を、内部流路2を通じて外部に噴出させるエアゾール押釦用10の噴射部材1であり、内部流路2は、エアゾール押釦10内の流通路11を介して、エアゾール容器に備えられたステムに接続されとともに、流通路11側から順に導入路21、中間部22及び導出路23からなり、導入路21の孔径D1、中間部22の孔径D2及び導出路23の孔径D3が、式(D1>D2<D3)で表される関係を満たし、導出路23の長さLが1.0mm以上2.0mm未満の範囲とされている。
【選択図】図1
Description
被噴射面に対して集中化して噴射する形態のものでは、噴射部材の導出路を突出させてロングタイプとし、導出路の断面が一定の孔径を有する形状とされたものがある。
また、拡散させて噴射する形態ものでは、導出路を小径にして噴射角度を大きく拡散させたものがある。
また、特許文献2に記載のエアゾール押釦用の噴射部材では、特定の範囲に絞って噴射することを目的とし、導入ロから導出路へ向かうに従って孔径が拡がるように構成されており、導入口の孔径と導出路の開口孔径との比が1:1〜1:3の範囲とされ、導入口の長さと導出路の長さとの比が1:2以上とされている。
ここで、粉末成分を含有した内容物を、上記特許文献1及び2に記載の噴射部材を備えるエアゾール押釦が取り付けられた容器に充填してエアゾール製品を構成した場合、主として中間部等において内容物が固化してしまい、噴射不良が生じる虞がある。このため、内容物が固化するのを防止する方法として、内容物中の原液の比率を増大させることが考えられるが、内容物中の原液の比率を高くした場合、噴口から内容物の液垂れが発生し易くなるという問題がある。
また、特許文献1及び2に記載の噴射部材では、エアゾール容器の内圧が低下した際に、細長の孔からなる導出路において、噴射された内容物が内壁に付着し易くなり、付着した内容物が液化してしまい、液垂れが生じるという問題があった。
また、本考案のエアゾール押釦用の噴射部材は、前記内部流路は、前記導入路と前記中間部との間に、導入路から中間部に向けて徐々に縮径する縮径部が設けられた構成とすることが、より好ましい。
従って、本考案のエアゾール押釦用の噴射部材を用いてエアゾール製品を構成することにより、粉末成分を含有する内容物を充填して用いた場合であっても、詰まりや液垂れ等を生じることが無く、優れた噴射特性を有するエアゾール製品が得られる。
本実施形態のエアゾール押釦用の噴射部材(以下、噴射部材と略称することがある)は、図示略のエアゾール容器内に収容された組成物を、内部流路2を通じて外部に噴出させるエアゾール押釦10(図1参照)に用いられる噴射部材1(図1及び図2参照)であり、 内部流路2は、エアゾール押釦10内の流通路11を介して、エアゾール容器に備えられた図示略のステムに接続されとともに、流通路11側から順に導入路21、中間部22及び導出路23からなり、これら導入路21の孔径D1、中間部22の孔径D2及び導出路23の孔径D3が、式(D1>D2<D3)で表される関係を満たし、導出路23の長さLが1.0mm以上2.0mm未満の範囲とされ、概略構成されている。
本実施形態の噴射部材1が用いられるエアゾール押釦10は、図1に示す例では、その上部が使用者によって押圧される押釦部13とされ、図示略のエアゾール容器に備えられたステムに接続される流通路11と、該流通路11に連通して他端側12bが外部に開口する取付孔12が設けられ、噴射部材1が、取付孔12内に嵌め込まれるように取り付けられている。また、図示例では、取付孔12内において、噴射部材1の一端1aが取付孔12内に入り込むように取付けられている。
そして、取付孔12内には噴射部材1が嵌め込まれるようにして取り付けられ、図示例では、係合凹部12eに、噴射部材1に形成された係合爪8が係合され、また、大径孔12cの段差12fに噴射部材1の段部9が当接する構成とされている。
本実施形態の噴射部材1は、図1及び2に示すように、内部流路2が、エアゾール押釦10に設けられた流通路11側から順に導入路21、中間部22及び導出路23からなり、導入路21の孔径D1、中間部22の孔径D2及び導出路23の孔径D3が、式(D1>D2<D3)で表される関係を満たし、導出路23の長さLが1.0mm以上2.0mm未満の範囲とされ、概略構成されている。
導入路21は、エアゾール押釦10内の流入路11に導入された内容物が一端1a側から流入する、内部流路2の入口である。
中間部22は、導入路21と導出路23の間に配され、導入路21及び導出路23よりも小径に形成される。中間部22は、導入路21に流入した内容物が小径の中間部22に導入された際、内容物に配合される噴射剤の作用により、内容物を気化して導出路23及び噴射部材1の外部に向けて噴射する作用を有する。
導出路23は、中間部22に連通し、他端1bにおいて外部に開口するように設けられており、図1及び図2に示す例では、他端1b側にテーパ部23aが形成されているが、図3に示す噴射部材11のように、テーパ部が省略された形状としても構わない。
導出路23は、噴射部材1を備えたエアゾール押釦10を用いてエアゾール製品を構成した際、例えば、人の肌等の噴射対象に向けて内容物が外部に噴出される出口である。
本実施形態の噴射部材1では、中間部22の上流に導入路21が設けられた構成としたうえで、さらに、内部流路2内における各孔径を、上記式(D1>D2<D3)を満たす関係とし、中間部22の孔径D2を、導入路21の孔径D1及び導出路23の孔径D3よりも小径に構成している。これにより、特に、人体等に対してやや拡散させて内容物を噴射する形態とした場合に、効果的な噴射並びに塗布が可能となる。
導出路23の長さLを上記範囲として構成することにより、内容物の液垂れを効果的に防止することが可能となる。
導出路23の長さLが1mm未満だと、導出路23による液垂れ防止作用が得られにくい。また、導出路23の長さLが2mm以上だと、気化された内容物が内壁に付着し易くなるので、付着した内容物が液化してしまい、液垂れが生じる虞がある。
なお、図1及び図2に例示する噴射部材1のように、導出路23の他端1b側にテーパ部23aが形成されている場合、導出路23の孔径D3は、テーパ部23aの部分を除いた内壁の孔径となる。
エアゾール押釦10の流通路11に導入される、例えば、粉末成分を含有するエアゾール内容物は、中間部22において圧縮され、導出路23の方向へ噴射される。この際、中間部22から噴射された内容物は、中間部22よりも大径とされた導出炉23の内壁に突き当たりながら、導出路23の出口側、つまり噴射部材1の他端1b側に向けて流動する。そして、導出路23内を流動した内容物は、導出路23から外部に向けて、大きな拡散となるのを抑制されながら、やや拡散するように噴射される。
本実施形態のエアゾール製品は、上述したような、本考案に係る噴射部材1を備えるエアゾール押釦10が取り付けられた図示略のエアゾール容器に、原液と噴射剤との比率が質量%で6:94〜20:80の範囲とされた内容物が充填されてなるものである。
制汗成分は、上記の内、1種を単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、同じ種類の制汗成分であっても、市販品においては各種のグレードがあるが、一つのグレードを単独使用しても良く、複数のグレードを併用しても良い。
なお、原液中における上記制汗成分の配合量は、0.05〜50質量%の範囲が好ましく、より好ましくは1.0〜25質量%の範囲である。0.05質量%未満だと、十分な制汗効果が得られにくくまた、50質量%以上だと、安定配合することが難しく、塗布時に皮膚上での白化を引き起こしやすくなり、使用感も低下する。
例えば、他の成分として、消臭成分、殺菌成分、抗菌剤、清涼化剤、包接化合物、粉末成分、水溶性成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、低級アルコール、高級アルコール、多価アルコール、エステル油、シリコーン油、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、赤外線遮断剤、金属イオン封鎖剤、糖、糖アルコール、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、生薬、酸化防止剤、酸化防止助剤、抗炎症剤、香料等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態のエアゾール製品は、上記噴射部材を備えるエアゾール押釦を用いた構成なので、例えば、噴射剤及び原液の少なくとも何れかが揮発し難い成分からなる内容物や、あるいは、上記原液と噴射剤の配合比率(質量%で6:94〜20:80)において、比較的揮発しにくい内容物、例えば、粉末成分を含有する内容物を充填して用いた場合であっても、効果的な噴射並びに塗布が可能となるとともに、内容物の液垂れを防止することができ、また、内容物の固化による噴射不良等が生じるのを防止することができる。
従って、優れた噴射特性を有するとともに、液垂れや詰まり等を生じることの無いエアゾール製品が得られる。
図2〜4に示すような形状を有し、下記表1に示すような寸法とされたエアゾール押釦用の噴射部材のサンプルA〜Cを作製し、図1に示すようなエアゾール押釦に組み付けた。そして、これらの噴射部材のサンプルが取り付けられたエアゾール押釦を、後述する成分の内容物が充填されたエアゾール容器に取り付けてエアゾール製品とし、各種試験を行った。
エアゾール容器に充填する内容物として、下記表2及び表3に示すような成分組成となるように、原液と噴射剤とを配合したものを準備した。ここで、表2に示す、内容物1〜3は、原液と噴射剤との比率が質量%で20:80とされたものであり、表3に示す、内容物4〜6は、原液と噴射剤との比率が質量%で6.7:93.3とされたものである。
上記各成分(内容物1〜6)の内容物をエアゾール容器に充填し、上記噴射部材のサンプルA〜Cが組み付けられたエアゾール押釦を取り付けて閉栓した状態とされたエアゾール製品のサンプルを用い、以下に説明する各評価試験を行った。
上記エアゾール製品の各サンプルを用い、これらを倒立状態で保持し、10秒間連続で噴射した後、使用者の手指に内容物が付着するかどうかを確認することにより、液垂れの有無を判定した。
下記表2に示す内容物1及び下記表3に示す内容物4が各々充填されたエアゾール容器に、下記表1に示す噴射部材のサンプルA(図2参照)及びC(図4参照)が組み付けられてなるエアゾール押釦を取り付け、エアゾール製品のサンプルとしたうえで、以下に説明するような固化の有無の評価試験を行った。
まず、エアゾール製品を正立状態として60秒間連続噴射し、この際の噴射状態、及び噴射部材の導出路の詰まりの有無を目視観察した後、エアゾール押釦を分解して噴射部材を破断し、内部を目視観察した。
表4に示すように、本考案で規定する寸法形状とされ、導出路の長さLが1.5mmとされた噴射部材A及びCが用いられてなるエアゾール製品は、表2に示す内容物1〜3(原液と噴射剤との比率が質量%で20:80)、及び表3に示す内容物4〜6(原液と噴射剤との比率が質量%で6.7:93.3)の何れを用いた場合であっても、液垂れが発生しなかった。
また、導出路の長さLが2.0mmと、本考案で規定する範囲外とされた噴射部材Bが用いられてなるエアゾール製品は、内容物1〜3を用いた場合に、液垂れが確認され、また、内容物4〜6を用いた場合には、わずかに液垂れが確認された。また、この結果より、内容物4〜6は、内容物1〜3よりも噴射剤が多く配合されているため、気化しやすく、液垂れが生じ難いことが確認された。
また、本考案で規定する寸法形状とされ、縮径部が設けられていない噴射部材Aが用いられてなるエアゾール製品は、内容物1〜3及び内容物4〜6の何れを用いた場合にも、内容物に含有される粉末成分が、導入路から中間部に至る角部に若干堆積しているのが確認されたが、詰まりを生じるような固化には至らなかった。
Claims (3)
- エアゾール容器内に収容された組成物を、内部流路を通じて外部に噴出させるエアゾール押釦用の噴射部材であって、
前記内部流路は、前記エアゾール押釦内の流通路を介して、前記エアゾール容器に備えられたステムに接続されとともに、前記流通路側から順に導入路、中間部及び導出路からなり、
前記導入路の孔径D1、中間部の孔径D2及び導出路の孔径D3が、式(D1>D2<D3)で表される関係を満たし、
前記導出路の長さLが1.0mm以上2.0mm未満の範囲とされていることを特徴とするエアゾール押釦用の噴射部材。 - 前記内部流路は、前記導入路と前記中間部との間に、導入路から中間部に向けて徐々に縮径する縮径部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエアゾール押釦用の噴射部材。
- 請求項1又は2に記載の噴射部材を備えるエアゾール押釦が取り付けられたエアゾール容器に、原液と噴射剤との比率が質量%で6:94〜20:80の範囲とされた内容物が充填されてなることを特徴とするエアゾール製品。
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