JP3129482B2 - リン脂質抗体の測定法、測定用チップ及び試薬 - Google Patents

リン脂質抗体の測定法、測定用チップ及び試薬

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JP3129482B2
JP3129482B2 JP03250223A JP25022391A JP3129482B2 JP 3129482 B2 JP3129482 B2 JP 3129482B2 JP 03250223 A JP03250223 A JP 03250223A JP 25022391 A JP25022391 A JP 25022391A JP 3129482 B2 JP3129482 B2 JP 3129482B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】近年、各種疫病の検査指標として
リン脂質の動態を調べることが有効であることがわかっ
てきた。特に妊娠中毒患者においては羊水中のリン脂質
が増加することが確認されている。そこで、このリン脂
質の増加に伴ない増加しているリン脂質に対する抗体量
を測定することにより、妊娠中毒症の早期発見に役立
つ。本発明は、リン脂質を固定化した光ファイバーを用
いてリン脂質に対する抗体量を免疫学的に測定する方
法、それに用いる測定用チップ及び試薬に関する。
【0002】本発明の測定法によれは、小型の装置によ
り、多数の検体を一度に処理することができ、かつ高感
度で測定できる。
【0003】
【従来の技術】リン脂質に対する抗体を測定する方法と
して、従来次のような方法が知られていた。
【0004】(1)ELISA法[Clin. Exp. Immuno
l.68, 215〜222(1987)] マイクロプレートのウエルにリン脂質の有機溶媒溶液を
加え、溶媒を蒸発させてプレートの壁にリン脂質を物理
吸着させる。これにリン脂質に対する抗体を含む試料を
加えて反応させ、洗浄後、酵素標識が結合した抗原で処
理し、洗浄後、基質を加えて酵素活性を測定し、その値
から試料中の抗体量を算出する方法。
【0005】(2)ループスアンチコアグラント活性法
[J. Bio. Chem., 261, 9672〜9677(198
6)] 血液凝固は、凝固因子が血球表面のリン脂質に結合する
ことにより起こるので、リン脂質(ホスファチジルエタ
ノールアミン)に該抗体が結合すると血液凝固が遅延す
ることを利用して、血液凝固活性から抗体量を測定する
方法。
【0006】(3)リポソーム法[Mol. Immunol. 25,
1025〜1031(1988)] 蛍光物質で包んだリポソームに[リン脂質の2重膜(P
I(4.5)P2]にリン脂質を抗原として認識する抗
体試料を反応させ、次にC1からC9までの補体を抗原
(リポソーム)−抗体複合体に反応させると、抗体が結
合したリポソームだけが破壊され、中の蛍光物質が溶出
されるので、蛍光を測定することにより抗体量を測定す
る方法。
【0007】しかしながら(1)のELISA法は、洗
浄時にプレート壁に物理吸着したリン脂質がはがれ落ち
やすいため、測定値がばらつき、検出濃度はμg/ml〜mg
/mlの範囲でしか可能でない。(2)のループスアンチ
コアグラント活性法は、凝固判定を主観的に行うため測
定値がバラつき、かつ種々のリン脂質に対する特異性が
ない。また(3)のリポソーム法はリポソームの大きさ
にバラつきがあるため、内包される蛍光物質の量が一定
ではなく、定量性がない、などの欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のリ
ン脂質抗体の測定法は、いずれも大型で非常に高価な装
置を用い、検体試料の量も多く必要とし、かつ測定感度
も低いという問題点があった。
【0009】本発明は、本発明者により開発され、国際
公開されたWO90/13029に記載された光ファイ
バーをセンサーとして利用する方法を改良して、測定感
度がng/ml のオーダで、検体試料中のリン脂質抗体量の
測定を可能とする免疫測定法、及びそれに用いる測定用
チップ及び試薬を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のリン脂質抗体の
測定法は、競合法とサンドウィッチ法に大別される。
【0011】[競合法]光ファイバーの表面にスペーサ
分子を介して固定化されたリン脂質に、(a)検体試料
中のリン脂質に対する抗体と(b)蛍光色素で標識され
たリン脂質に対する抗体とを競合的に反応させ、結合し
た蛍光色素を光で励起して蛍光強度を測定することを特
徴とするリン脂質抗体の測定法。
【0012】さらに上記(b)蛍光色素で標識されたリ
ン脂質に対する抗体を反応させる代りに、次の方法で測
定することができる。
【0013】(b−2)リン脂質に対する抗体にビオチ
ンが結合し、該ビオチンに蛍光色素で標識されたアビジ
ンが結合している該抗体を、前記(a)のリン脂質抗体
と競合的に反応させる。
【0014】(b−3)リン脂質に対する抗体にビオチ
ンが結合ている該抗体を、前記(a)のリン脂質抗体と
競合的に反応させ、次いで蛍光色素で標識されたアビジ
ンを反応させて、上記ビオチンにアビジンを結合させ
る。
【0015】(b−4)リン脂質に対する抗体に複数の
反応活性基を有する物質が結合し、該反応活性基に複数
のビオチンが結合し、該ビオチンに蛍光色素で標識され
たアビジンが結合している該抗体を、前記(a)のリン
脂質抗体と競合的に反応させる。
【0016】(b−5)リン脂質に対する抗体に複数の
反応活性基を有する物質が結合し、該反応活性基に複数
のビオチンが結合している該抗体とを、前記(a)のリ
ン脂質抗体と競合的に反応させ、次いで蛍光色素で標識
されたアビジンを反応させて、上記ビオチンにアビジン
を結合させる。
【0017】競合法の原理は模式的に図1に示すよう
に、光ファイバーの表面にスぺーサ分子を介してリン脂
質(P)が固定化された測定用チップの検出部を、検体
試料中のリン脂質に対する抗体(y)と蛍光色素で標識
されたリン脂質に対する抗体(Y)とを含む混合溶液に
浸漬して、リン脂質(P)に試料中の抗体(y)と蛍光
標識抗体(Y)とを競合的に反応させると、それぞれの
濃度比に従ってリン脂質(P)に試料中に抗体(y)と
蛍光標識抗体(Y)とが結合する。したがって、試料中
の抗体(y)の濃度が高ければ、蛍光標識抗体(Y)の
結合量は相対的に少ないので、蛍光強度は低下し、濃度
−蛍光強度の検量線の傾きは負になる。
【0018】[サンドウィッチ法]光ファイバーの表面
にスぺーサ分子を介して固定化されたリン脂質に、
(a)検体試料中のリン脂質に対する抗体を反応させた
後、(b)蛍光色素で標識された抗免疫グロブリン抗体
を、上記(a)のリン脂質抗体を抗原として反応させ、
結合した蛍光色素を光で励起して蛍光強度を測定するこ
とを特徴とするリン脂質抗体の測定方法。
【0019】さらに上記(b)蛍光色素で標識された抗
免疫グロブリン抗体を反応させる代りに、次の方法で測
定することができる。
【0020】(b−2)抗免疫グロブリン抗体にビオチ
ンが結合し、該ビオチンに蛍光色素で標識されたアビジ
ンが結合している該抗体を、前記(a)のリン脂質抗体
を抗原として反応させる。
【0021】(b−3)抗免疫グロブリン抗体にビオチ
ンが結合している該抗体を、前記(a)のリン脂質抗体
を抗原として反応させ、次いで蛍光色素で標識されたア
ビジンを反応させて、上記ビオチンにアビジンを結合さ
せる。
【0022】(b−4)抗免疫グロブリン抗体に複数の
反応活性基を有する物質が結合し、該反応活性基に複数
のビオチンが結合し、該ビオチンに蛍光色素で標識され
たアビジンが結合している該抗体を、前記(a)のリン
脂質抗体を抗原として反応させる。
【0023】(b−5)抗免疫グロブリン抗体に複数の
反応活性基を有する物質が結合し、該反応活性基に複数
のビオチンが結合している該抗体を、前記(a)のリン
脂質抗体を抗原として反応させ、次いで蛍光色素で標識
されたアビジンを反応させて、前記ビオチンにアビジン
を結合させる。
【0024】(b−6)抗免疫グロブリン抗体又はその
Fabフラグメントに複数の反応活性基を有する物質が
結合し、該反応活性基に免疫グロブリンGが結合し、該
免疫グロブリンGに蛍光色素で標識されたプロティンA
が結合している該抗体又はフラグメントを、前記(a)
のリン脂質抗体を抗原として反応させる。
【0025】(b−7)抗免疫グロブリン抗体又はその
Fabフラグメントに複数の反応活性基を有する物質が
結合し、該反応活性基に免疫グロブリンGが結合してい
る該抗体又はフラグメントを、前記(a)のリン脂質抗
体を抗原として反応させ、次いで蛍光色素で標識された
プロティンAを反応させて、上記免疫グロブリンGにプ
ロティンAを結合させる。
【0026】サンドウィッチ法の原理は模式的に図2に
示すように、光ファイバーの表面にスペーサ分子を介し
てリン脂質(P)が固定化された測定用チップの検出部
を、最初に検体試料溶液に浸漬して、リン脂質(P)に
試料中のリン脂質に対する抗体(y)を反応させると、
リン脂質(P)に抗体(y)がその濃度に従って結合す
る。次に、抗体(y)が結合した測定用チップの検出部
を蛍光色素で標識された抗免疫グロブリン抗体(Y)の
溶液に浸漬すると、前記抗体(y)を抗原として認識し
て、試料中の抗体(y)と同じ数の蛍光標識抗体(Y)
が抗体(y)に特異的に結合し、リン脂質(P)と蛍光
標識抗体(Y)の間に試料中の抗体(y)がサンドウィ
ッチされた状態となる。したがって、試料中の抗体
(y)の濃度が高ければ、蛍光標識抗体(Y)の結合量
も増えるので、蛍光強度は増加し、濃度−蛍光強度の検
量線の傾きは正になる。
【0027】[試薬]上記競合法及びサンドウィッチ法
において、蛍光色素で標識されたリン脂質に対する抗体
又は抗免疫グロブリン抗体(Y)としては、次のような
試薬が用いられる。
【0028】(a)リン脂質に対する抗体又は抗免疫グ
ロブリン抗体に蛍光色素が直接結合している試薬。
【0029】(b)リン脂質に対する抗体又は抗免疫グ
ロブリン抗体にビオチンが結合し、該ビオチンに蛍光色
素で標識されたアビジンが結合している試薬。
【0030】(c)(i)リン脂質に対する抗体又は抗
免疫グロブリン抗体にビオチンが結合している試薬、及
び(ii)蛍光色素で標識されたアビジンの組み合せから
なる試薬。
【0031】(d)リン脂質に対する抗体又は抗免疫グ
ロブリン抗体に複数の反応活性基を有する物質が結合
し、該反応活性基に複数のビオチンが結合し、該ビオチ
ンに蛍光色素で標識されたアビジンが結合している試
薬。
【0032】(e)(i)リン脂質に対する抗体又は抗
免疫グロブリン抗体に複数の反応活性基を有する物質が
結合し、該反応活性基に複数のビオチンが結合している
試薬、及び(ii)蛍光色素で標識されたアビジンの組み
合せからなる試薬。
【0033】(f)抗免疫グロブリン抗体又はFabフ
ラグメントに複数の反応活性基を有する物質が結合し、
該反応活性基に免疫グロブリンGが結合し、該免疫グロ
ブリンGに蛍光色素で標識されたプロティンAが結合し
ている試薬。
【0034】(g)(i)抗免疫グロブリン抗体又はそ
のFabフラグメントに複数の反応活性基を有する物質
が結合し、該反応活性基に免疫グロブリンGが結合して
いる試薬、及び(ii)蛍光色素で標識されたプロティン
Aの組合わせからなる試薬。
【0035】上記(a)〜(e)の試薬において、リン
脂質に対する抗体は競合法において用いられ、抗免疫グ
ロブリン抗体はサンドウィッチ法において用いられる。
該抗免疫グロブリン抗体は、リン脂質抗体(y)を抗原
として認識する抗体であればよい。
【0036】また、上記(f)及び(g)の試薬はサン
ドウィッチ法において用いられ、上記(d)及び(e)
の試薬におけるビオチン−アビジン結合を利用する代り
に免疫グロブリンG−プロティンA結合を利用するもの
である。
【0037】上記(c)、(e)及び(g)の試薬は、
蛍光色素とアビジン又はプロティンAの結合を加水分解
から守るため、最初に(i)の試薬を反応させて結合さ
せた後に、(ii)の試薬を反応させてビオチン−アビジ
ン結合又は免疫グロブリンG−プロティンAの結合を形
成させるもので、蛍光強度の低下を防止できる利点があ
る。
【0038】上記試薬(a)、(b)、(c)、(d)
及び(e)を用いた競合法及びサンドウィッチ法の模式
図は図1及び図2に示す。(f)及び(g)を用いたサ
ンドウィッチ法は図2の(d)及び(e)に準じる。上
記試薬(a)、(b)及び(C)は、後記する図5の装
置を用いて二光子吸収による蛍光を検出測定する場合に
用いることができ、上記試薬(d)及び(e)は、後記
する図5又は図6の装置を用いて、一光子吸収又は二光
子吸収による蛍光を検出測定するすべての場合に用いる
ことができる。上記試薬(f)及び(g)は図5の装置
を用いて一光子吸収による蛍光を検出測定する場合に用
いることができる。
【0039】上記試薬(d)、(e)、(f)及び
(g)における複数の反応活性基を有する物質として
は、キトサン、ポリガラクトサミンのような分子中に多
数のアミノ基を有するアミノグリカン;ポリリジンのよ
うなペプチドを用いることができ、好ましくはアミノグ
リカン、より好ましくはキトサンを用いることができ
る。このような複数の反応活性基を有する物質を介する
ことにより、蛍光色素の結合量を増やすことができ、検
出感度を飛躍的に向上させることができる。
【0040】キトサンとビオチンとの結合は、両者を塩
基性溶液中、水溶性カルボジイミド(CHMC)、N−
ヒドロキシスクシンイミドのような脱水剤の存在下で反
応させると、大部分のキトサンのアミノ基にビオチンが
酸アミド結合してビオチン化キトサンを得る。このビオ
チン化キトサンにリン脂質に対する抗体又は抗免疫グロ
ブリン抗体を上記と同様の脱水剤を用いて反応させる
と、キトサンの残余の遊離アミノ基に抗体蛋白が結合
し、ビオチン化キトサンが結合したリン脂質抗体又は抗
免疫グロブリン抗体が得られる。また同様の方法でビオ
チンが結合したリン脂質抗体又は抗免疫グロブリン抗体
が得られる。
【0041】一方、蛍光色素で標識されたアビジンは、
蛍光色素例えばシアニン色素のカルボキシル基とアビジ
ンのアミノ基を上記と同様の方法で反応させて得ること
ができる。アビジンは、熱、pH、化学変化に対して安定
であり、分子表面に多くのアミノ基をもつので、アビジ
ン1分子当り2〜10個の蛍光色素を結合させることが
できる。またリン脂質抗体又は抗免疫グロブリン抗体に
蛍光色素が直接結合した試薬も上記と同様の方法で得る
ことができる。
【0042】上記ビオチン化キトサンが結合したリン脂
質抗体又は抗免疫グロブリン抗体、或いはビオチンが結
合したリン脂質抗体又は抗免疫グロブリン抗体に、上記
蛍光色素で標識されたアビジンを反応させると、アビジ
ンはビオチンと選択的に非常に高い親和力を持って結合
する。
【0043】蛍光色素としては、次式のアゾニウムイオ
ンを含む複素環をメチン鎖で結合した構造のシアニン色
素が好適に用いられる。
【0044】
【化3】 (式中、Y及びY′はO、S、Se、−NH−又は−C
H=CH−を表し、R及びR′はメチル、エチル、プロ
ピルのようなアルキル基又はカルボキシエチルのような
カルボキシアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表
し、nは0〜3の整数を表す)
【0045】上記シアニン色素のうちでも、次式で示さ
れるカルボシアニン系の色素が特に好ましく、例えばN
K1160(日本感光色素研究所製)があげられる。
【0046】
【化4】 (式中、nは0、1、2又は3、特に好ましくはnが2
である)
【0047】この外の蛍光色素としては、ウンベリフェ
ロンなどのクマリン誘導体、多環芳香族誘導体、ローダ
ミンイソチオシアネート、フルオレセインイソシアネー
ト、フイコビリタンパクなどが使用できる。
【0048】また、後記するように、二光子吸収により
蛍光強度を測定する場合には、塩基に可溶性の蛍光色素
が用いられ、そのような色素としてはフルオレセイン、
ジクロロフルオレセイン、ウンベリフェロン、4−メチ
ルウンベリフェロン、ビス(p−ヒドロキシフェニルプ
ロピオン酸)などがあげられる。特に好ましいのはフル
オレセイン及びウンベリフェロンである。
【0049】上記試薬(f)及び(g)におけるプロテ
ィンAと結合する免疫グロブリンGは、ヒト、マウス、
ウサギなどの免疫グロブリンGであればいずれも用いる
ことができる。また抗免疫グロブリン抗体は、ある種の
プロテアーゼで処理すると抗原との結合能力を有するF
ab部分と各種抗免疫グロブリン抗体に共通なFc部分
に分けられるので、リン脂質抗体と結合すべき抗免疫グ
ロブリン抗体の代りにこの抗免疫グロブリン抗体のFa
b部分だけを用いることができる。プロティンAは免疫
グロブリンGと結合するがFabとは結合しないので、
リン脂質抗体に結合する抗免疫グロブリン抗体はプロテ
ィンAによる妨害を受けることがない。
【0050】プロティンAは、黄色ぶどう球菌の細胞壁
の5%を占める分子量42000の蛋白であり、免疫グ
ロブリンと高い親和性をもつため、蛍光色素で標識され
たプロティンAと反応させて、上記のように免疫グロブ
リンにプロティンAを結合させることができる。
【0051】[測定用チップ]本発明の測定法に用いら
れる、光ファイバーの表面にスペーサ分子を介してリン
脂質が結合した測定用チップには、図3に示す対向型と
図4に示す反射型がある。光ファイバーは励起光と蛍光
を伝送することができ、光損失がなく、効率の良い測定
ができる。
【0052】本発明に用いられる光ファイバーは、石英
や樹脂製ファイバーを用いることができるが、生理活性
物質を吸着しない樹脂で透光性のよいものが有利であ
り、例えばポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エス
テル、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリエステル、ポ
リビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、あるいはこれらの共重合体などが使用
できる。これらの樹脂はエステル結合、アミド結合、カ
ルボキシル基、ホルミル基、アミノ基、ヒドロキシル
基、エポキシ基などの官能基を有しているか、官能基を
有していない場合は、該構造部分に適当な官能基を導入
する。官能基の導入試薬としてはグルタルアルデヒド、
スクシンジアルデヒド、アジポアルデヒドなどのジアル
デヒド、N,N′−エチレンビスマレイミド、N,N′
−O−フェニレンジマレイミド、ビスジアゾベンゼン、
あるいはヘキサメチレンジイソシアナートなどのジイソ
シアナート又はジイソチオシアナートなどが用いられ
る。
【0053】本発明の光ファイバーに用いられる好適な
樹脂は、ポリメタクリル酸メチルであり、該エステル基
にホルミル基を導入したものである。ホルミル基を導入
するには、次式に示すように、ポリメタクリル酸メチル
のエステル基にグルタルアルデヒド、スクシンアルデヒ
ドのようなホルミル基を有する求核性試薬を反応させ
る。
【0054】
【化7】 官能基の導入試薬を反応させる場合、光ファイバーのク
ラッド層を剥離してコア表面を露出させておく。また、
光ファイバーの表面は、アルコールを潤滑剤として研磨
しておくことが望ましい。
【0055】前記ホルミル基を有する試薬は、50〜1
00mMのKOHなどの塩基、エタノールなどのアルコー
ル系有機溶媒に、反応の促進とホルミル基の酸化やOH
基の付加を防止するためにNiSO4 のようなNi塩の
エタノール溶液、及びホルミル基を有する求核性試薬を
添加溶解して調製することが望ましい。このような反応
試薬に光ファイバーのコア表面を浸漬して、エステル構
造に反応させるが、反応温度は適宜調節することができ
る。反応後、水で洗浄し、塩酸などの酸に浸漬すると、
アセタール化したアルコールが脱離してホルミル基が結
合した光ファイバーが得られる。
【0056】リン脂質は、通常次式を有するホスファチ
ジルセリン(以下PSという)又はホスファチジルアミ
ノエタノール(以下PEという)が用いられる。この他
にホスファチジルイノシトール、ホスファチジル酸など
を用いてもよい。
【0057】
【化8】
【0058】これらリン脂質のアミノ基は抗体認識部位
であるので、残しておかなければならない。そのためス
ペーサを介してリン脂質を光ファイバーに結合させるこ
とにより、リン脂質の反応活性アミノ基をふさぐことな
く、光ファイバーの表面からリン脂質を離すことができ
る。
【0059】スペーサ分子としては、次式(I)、(I
I)又は(III)
【化9】 (式中、Rはイミノ基又は酸素原子を表し、mは1〜2
1の整数を表し、n及びn′はそれぞれ0〜10の整数
を表す)で示される二価基があげられ、好ましくは次式
【0060】
【化10】 (式中、mは1〜21の整数を表す)で示される二価基
である。特に好ましくは、1,4−ジアミノブタン(プ
トレシン)が用いられる。
【0061】光ファイバーのコア表面のホルミル基にス
ペーサとしてジアミンを結合させるには、次式に示すよ
うに塩基性条件下でジアミンを反応させる。
【0062】
【化11】
【0063】例えば、ホルミル基を導入した上記光ファ
イバーの検出部を、1,4−ジアミンブタン溶液に浸漬
し、ホルミル基とアミノ基をシッフ塩基の反応により結
合させる。これを例えばNaBH4 水溶液に浸漬するこ
とにより還元する。1,4−ジアミノブタン溶液の濃度
は5〜30%が好適であり、10%がより好ましい。こ
のときの光ファイバー表面の1,4−ジアミノブタンの
導入量は、3.2×1011〜4×1015アミノ基数/mm
2 となる。
【0064】光ファイバー表面にスペーサ分子を結合さ
せる理由は、リン脂質の抗体認識部位(抗原決定基)の
アミノ基が固定化に使用されないようにするためと、ス
ペーサ分子を介して光ファイバー表面からリン脂質を離
して結合させることにより、立体障害を回避でき、リン
脂質抗体がリン脂質を認識しやすくするためである。
【0065】次に、導入されたスペーサ分子にPSを固
定化するには、次の反応式に示すように、スペーサ分子
を導入した光ファイバーをPS溶液に浸漬し、スペーサ
分子の遊離のアミノ基とPSのカルボキシル基とを、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)のような縮合
剤の存在下に反応させることにより、PS固定化測定用
チップが得られる。
【0066】
【化12】
【0067】PEを固定化するには、PEの有するアミ
ノ基をピリジニウムクロロクロム酸で酸化してイミノ化
した後、次の反応に示すように、この酸化型PE溶液に
スぺーサ分子を導入した光ファイバーを浸漬し、スペー
サ分子の遊離のアミノ基と酸化型PEの前記イミノ基と
を反応させることにより、PE固定化測定用チップが得
られる。
【0068】
【化13】
【0069】対向型の測定用チップの概念図は図3に示
すように、光ファイバーのコア表面にスペーサ分子を介
してリン脂質を固定化したものであり、対向型測定用チ
ップは、後記図5及び図6で示す蛍光測定装置のいずれ
にも使用することができ、蛍光のみがフィルターを通っ
て検出装置に伝送されるので、バックグランドが上がる
ことがない。
【0070】反射型の測定用チップの概念図は図4に示
すように、光ファイバーの先端にミラーが取り付けられ
たものであって、クラッド層を剥離したコアの側面にス
ペーサ分子を介してリン脂質が固定化したものであり、
反射型測定用チップは、後記図5に示す蛍光測定装置に
のみ使用することができ、図5の装置の場合は、励起光
の反射がないので、バックグランドが上がることはな
い。
【0071】測定用チップの洗浄液としては、変性剤と
しては、チオシアン酸のナトリウム塩、カリウム塩、リ
チウム塩又はアンモニウム塩;グアニジウム塩酸塩、グ
アニジウム誘導体の塩酸塩、尿素等が用いられる。この
ような変性剤は界面活性剤と併用することが好ましく、
界面活性剤としては、ツイン、トリトン系の非イオン系
界面活性剤又はデオキシコール酸ナトリウム等が用いら
れる。緩衝液としては、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、
酢酸緩衝液等が用いられる。
【0072】[蛍光測定装置]本発明のリン脂質抗体を
測定するには、図5又は図6に示す蛍光測定装置が利用
される。この装置は少なくとも以下の構成からなる。即
ち、レーザ光源(4)、励起光又は蛍光を伝送する光フ
ァイバー(3)、励起光をカットするフィルター(2)
及び蛍光を検出・測定する装置(1)からなり、図5の
装置では蛍光の進行方向を変えるハーフミラー又はプリ
ズムを有する。
【0073】蛍光色素を励起するための光源としては、
レーザ光又はLED(発光ダイオード)光が用いられ、
とくにHe−Neレーザ又は半導体レーザが好ましい。
これらのレーザ光源は従来のXeランプやArレーザ光
源に比べて小型化、低コスト化を図ることができる。
【0074】図5の装置には、図3の対向型測定用チッ
プ又は図4の反射型測定用チップのいずれも用いること
ができ、蛍光色素を通常の300〜800nmの励起波長
で励起し、一光子吸収による蛍光の測定、例えばシアニ
ン系色素の場合は633nmのHe−Neレーザ、638
nmの半導体レーザで励起して測定する方法に用いること
ができる外、後記する通常の2倍の励起波長で励起し、
二光子吸収による蛍光の測定にも用いることができる。
【0075】フルオレセイン又はウンベリフェロンのよ
うな塩基に可溶性の蛍光色素を標識に用いた場合には、
塩基性の条件下で、蛍光色素は最大励起波長の1/2の
エネルギーの光子を2個吸収して1個の光子を放出する
二光子吸収を示すので、600〜1200nmの波長で励
起し、300〜600nmで励起される蛍光と同波長で、
同強度又はそれ以上の強度の蛍光を発する。このため、
従来の半導体レーザなどで高感度の蛍光物質を励起でき
るので、一層光源の小型化が可能であり、またフィルタ
ーによる吸収損失がなく、また長波長領域の励起光を使
用するので、量子収率がよく、高感度で測定することが
できる。
【0076】ここに述べる最大励起波長(λnm)とは、
塩基性条件下で一光子励起により発する蛍光の強度が、
最大となる励起波長である。最大励起波長は、主に塩基
性条件下における蛍光物質の拡大吸収波長に相当する。
また最大励起波長の約2倍の波長とは、2λ±100
(nm)以下の波長を意味し、より好ましくは2λ±50
(nm)の波長である。最大励起波長の約2倍の波長領域
のレーザならば、1種類の波長に限定されず、複数波長
のレーザを励起光源として使用できる。
【0077】塩基に可溶性の蛍光色素の励起波長と蛍光
波長の関係を例示すると表1のとおりである。
【表1】
【0078】図6の装置は、対向型の測定用チップを用
いて、通常の一光子吸収により蛍光の検出測定をする場
合に用いることができる。
【0079】図5又は図6の装置を用いて、蛍光標識が
示す蛍光強度を検出測定するには、測定用チップ(7)
をガイドレール(6)に装着し、光源(4)からレーザ
光を照射して、測定用チップ(7)に結合した蛍光色素
を励起し、発生した蛍光を光ファイバー(3)で伝送
し、フィルター(2)で反射された励起光をカットし
て、蛍光検出・測定装置(1)で蛍光強度を測定する。
【0080】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れら実施例の記載に限定されるものではない。
【0081】実施例1(サンドウィッチ法、試薬e)
【0082】(PS固定化測定用チップの作成) (1)ポリメタクリル酸メチルを主成分とする直径1mm
の樹脂製光ファイバー(三菱レーヨン製;商品名エス
カ)を3cmに切り、両断面のコア表面をポリシングフィ
ルムで研磨した。
【0083】(2)水0.5mlに硫酸ニッケル10mgを
溶解し、次いでエタノール2.5mlを加えた。生じた白
色沈澱を遠心分離して上清を採取し、ニッケル−エタノ
ール溶液を得た。
【0084】(3)2mg/ml 水酸化カリウム−エタノー
ル溶液0.4mlに、上記(2)のニッケル−エタノール
溶液0.1mlを加え、さらに50%グルタルアルデヒド
溶液50μl を加え、反応液とした。
【0085】(4)この反応液に、上記(1)の光ファ
イバーを浸漬し、50℃で10分間反応させ、反応終了
後エタノールで洗浄し、コア表面にホルミル基が導入さ
れた光ファイバーを得た。
【0086】(5)上記(4)の光ファイバーを10%
1,4−ジアミノブタン溶液に室温で5〜12時間浸漬
した。さらに水洗浄後、1.5%NaBH4 水溶液に1
〜3時間浸漬し、水洗浄してコア表面にスペーサを導入
した。得られた光ファイバーの1,4−ジアミノブタン
の導入量を次のようにして測定した。ニンヒドリン0.
1g と1N 酢酸緩衝液(pH5.5)5.5mlを混合して
ニンヒドリン溶液を調製した。この溶液0.4mlに70
℃で15分間光ファイバーを浸漬した。ついで急冷後、
エタノール0.6ml加え、一晩放置後、光ファイバーを
取り出し、溶液の吸光度(570nm)を測定した。その
結果、1,4−ジアミノブタンの導入量は3.4×10
15個/平方ミリメータであった。図10に1,4−ジア
ミノブタンの濃度と吸光度の関係を示す。
【0087】(6)ホスファチジルセリン(PS)3mg
を0.2%炭酸ナトリウム溶液70μl に懸濁し、さら
にエタノール630μl を加え、PS溶液を得た。
【0088】(7)上記(6)のPS溶液に、上記
(5)の光ファイバーを浸漬し、さらにジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(DCC)0.3mlを加えた後、室温
で1時間反応させて、スペーサを介してPSを固定化さ
せた。これをエタノール、炭酸ナトリウム及びリン酸緩
衝生理食塩水で洗浄して図3のPS固定化対向型測定用
チップを得た。(抗体が結合したビオチン化キトサン及
び蛍光色素で標識されたアビジンの調製)
【0089】(8)水50μl に炭酸ナトリウム3mgと
ビオチン10mgを溶かし、ビオチン溶液とした。
【0090】(9)1.8μM のキトサン溶液2mlに、
上記(8)のビオチン溶液50μl を加えた後、水溶性
カルボジイミド(CHMC)100mgを加え、攪拌しな
がら室温で5〜12時間反応させた。これに酢酸を2滴
滴下して反応を停止させた。次いで、これに0.3g/ml
の炭酸ナトリウムと0.3g/mlの食塩の混合液4mlを加
えて、ビオチン化キトサンを沈澱させた。これを遠心分
離して沈澱を回収し、0.3g/mlの食塩と0.1g/mlの
炭酸ナトリウムを含む緩衝液で沈澱を洗浄した。この沈
澱を10mMカリウム−リン酸緩衝液(pH7)2mlに懸濁
し、同緩衝液500mlで4℃、12時間透析してビオチ
ン化キトサンを得た。
【0091】(10)上記(9)のビオチン化キトサン
の懸濁液に、ヒト抗免疫グロブリン抗体(ヒトの抗体を
抗原として認識し結合する抗体)溶液とCHMCを添加
して、4℃で5時間反応させた。反応終了後、前記カリ
ウム−リン酸緩衝液(pH7)に12時間透析した。さら
に、この懸濁液に硫酸ナトリウム約100mgを加え、抗
免疫グロブリン抗体が結合したビオチン化キトサンを沈
澱させ、遠心分離により沈澱を回収した。この沈澱を前
記カリウム−リン酸緩衝液(pH7)2mlに再懸濁し、同
緩衝液500mlで4℃、12時間透析して、抗免疫グロ
ブリン抗体が結合したビオチン化キトサンを得た。
【0092】(11)シアニン系蛍光色素NK1160
(日本感光色素研究所製)2mgとトリエチルアミン0.
2mlをエタノール1mlに溶解し、次いでアビジン1mgを
懸濁した。この懸濁液にDCC0.3mlを加え、室温で
12時間反応させた。反応生成物を遠心分離して沈澱を
回収し、エタノール2mlを加えて再懸濁した。これを再
び遠心分離で沈澱を回収し、エタノール2mlに沈澱を再
懸濁した。この懸濁液を遠心分離して沈澱を回収し、さ
らにアスピレータでエタノールを減圧除去した。この工
程で生じた残留物を0.02M 酢酸緩衝液(pH6.5)
2mlに溶解して蛍光色素で標識されたアビジンを得た。
【0093】(検量線の作成) (12)濃度既知のPS抗体試料溶液に、上記(7)で
得たPS固定化測定用チップの検出部を浸漬して、PS
に試料のPS抗体を結合させた。これを1M チオシアン
酸カリウム+0.2%界面活性剤(ツイン20)溶液
(0.01M リン酸緩衝液、pH7)で洗浄した。
【0094】(13)次に、上記(10)の抗免疫グロ
ブリン抗体が結合したビオチン化キトサン溶液に、上記
(12)のPS抗体が結合したPS固定化測定用チップ
の検出部を浸漬して、検出部に結合したPS抗体を抗原
として認識する抗免疫グロブリン抗体−キトサン−ビオ
チンを結合させた。この検出部を前記チオシアン酸カリ
ウム−界面活性剤洗浄液で洗浄した。
【0095】(14)上記(13)の検出部を、上記
(11)の蛍光色素で標識されたアビジン溶液に浸漬
し、ビオチン部分に蛍光色素で標識されたアビジンを結
合させた。この検出部を前記チオシアン酸カリウム−界
面活性剤洗浄液で2回洗浄した。
【0096】(15)次に、図5の装置を用い、He−
Neレーザ光(630nm)で励起し、蛍光強度を測定し
た。
【0097】(16)さらに、上記(12)のPS抗体
試料溶液の濃度を変え、前記(12)〜(15)と同様
の測定を繰返して、PS抗体と蛍光強度の関係を調べ、
図7の検量線を作成した。
【0098】(17)検体試料を用い、上記(12)〜
(15)の方法で蛍光強度を測定し、上記(16)の検
量線からPS抗体濃度を求める。また、蛍光強度/ノイ
ズの強度=1となるPS抗体濃度を検出限界とした。
【0099】実施例2(サンドウィッチ法、試薬e) (1)ホスファチジルエタノールアミン(PE)10mg
をジエチルエーテルに溶かし、これにピリジニウムクロ
ロクロム酸(PCC)100mgを溶かしたジクロロエタ
ン溶液を加え、室温で5時間反応させ、アミノ基がイミ
ノ基に酸化された酸化型PEをシリカゲルクロマトカラ
ムで分離した。この溶液の溶媒を減圧除去し、次に2%
炭酸ナトリウム溶液を加えて酸化型PEの懸濁液を得
た。
【0100】(2)上記(1)の酸化型PE懸濁液に、
実施例1の(5)のスペーサを導入した光ファイバーを
浸漬し、室温で12時間反応させた。反応後、検出部を
0.5%炭酸ナトリウム及びリン酸緩衝生理食塩水で洗
浄してPE固定化対向型測定用チップを得た。
【0101】(3)濃度既知のPE抗体試料溶液に、上
記(2)のPE固定化測定用チップの検出部を実施例1
の(12)と同様に浸漬して反応させ、光ファイバー表
面上のPEに試料のPE抗体を結合させた。
【0102】(4)次に、実施例1の(10)の抗免疫
グロブリン抗体が結合したビオチン化キトサン溶液に、
上記(3)のPE抗体が結合したPE固定化測定用チッ
プの検出部を浸漬し、さらにこの検出部を実施例1の
(11)の蛍光色素で標識されたアビジン溶液に浸漬
し、ビオチン部分に蛍光色素で標識されたアビジンを結
合させた。
【0103】(5)実施例1の(15)〜(17)と同
様の方法でPE抗体を測定した。
【0104】実施例3(サンドウィッチ法、試薬d) (1)実施例1の(10)の抗免疫グロブリン抗体が結
合したビオチン化キトサン溶液と実施例1の(11)の
蛍光色素で標識されたアビジン溶液を混合して反応さ
せ、蛍光色素で標識されたアビジン+ビオチン+キトサ
ン+抗免疫グロブリン抗体溶液を得た。
【0105】(2)濃度既知のPS抗体試料溶液に、実
施例1の(7)のPS固定化測定用チップの検出部を実
施例1の(12)と同様に浸漬して反応させ、PSに試
料のPS抗体を結合させた。
【0106】(3)上記(1)の蛍光標識抗体溶液に、
上記(2)のPS抗体が結合したPS固定化測定用チッ
プの検出部を浸漬し、室温で30分反応させ、PS抗体
を抗原として認識して蛍光標識抗体を結合させた。
【0107】(4)実施例1の(15)〜(17)と同
様の方法でPS抗体を測定した。
【0108】実施例4(競合法、試薬e) (1)実施例1の(10)におけるヒト抗免疫グロブリ
ン抗体の代りにPS抗体を用いた以外は同様の方法で、
PS抗体が結合したビオチン化キトサンを得た。
【0109】(2)濃度既知のPS抗体試料溶液に、上
記(1)のPS抗体が結合したビオチン化キトサン溶液
を一定量加え、この溶液に実施例1の(7)のPS固定
化測定用チップの検出部を浸漬して、固定化されている
PSに、試料のPS抗体とビオチン化キトサンに結合し
たPS抗体を競合的に反応させた。
【0110】(3)上記(2)の検出部を、実施例1の
(11)の蛍光色素で標識されたアビジン溶液に浸漬
し、ビオチン部分に蛍光色素で標識されたアビジンを結
合させた。
【0111】(4)実施例1の(12)〜(16)と同
様の方法でPS抗体と蛍光強度の関係を調べ、図8の検
量線を作成した。
【0112】実施例5(競合法、試薬d) (1)0.1M リン酸緩衝液(pH5.5)に、アビジン
1mgとフィコビリタンパク5mgを溶かし、この溶液にC
HMC100mgを加え、4℃で12時間反応させた。次
にこの反応液を陰イオン交換クロマトグラフィーにか
け、フィコビリタンパクで標識されたアビジン溶液を分
離精製した。
【0113】(2)実施例1の(10)の抗免疫グロブ
リン抗体の代りにPS抗体が結合したビオチン化キトサ
ン溶液と上記(1)のフィコビリタンパクで標識された
アビジン溶液を混合して反応させ、フィコビリタンパク
で標識されたアビジン+ビオチン+キトサン+PS抗体
溶液を得た。
【0114】(3)上記(2)に蛍光標識抗体溶液を2
%ウシ血清アルブミンを含んだ2倍濃度のリン酸緩衝生
理食塩水と等量混合し、遮光して4℃で1週間保存し
た。
【0115】(4)実施例1の(7)のPS固定化測定
用チップを2%亜硫酸ナトリウム溶液に浸し、密封して
4℃で1週間保存した。
【0116】(5)濃度既知のPS抗体試料溶液に、上
記(3)の蛍光標識抗体溶液を一定量加え、この溶液に
上記(4)のPS固定化測定用チップの検出部を浸漬し
て、固定化されているPSに、試料のPS抗体と蛍光標
識抗体を競合的に反応させた。
【0117】(6)実施例1の(15)〜(17)と同
様の方法でPS抗体を測定した。蛍光標識抗体溶液やP
S固定化測定用チップの反応性、検出感度は1週間保存
後も変化がなかった。
【0118】実施例6(サンドウィッチ法、試薬e) (1)実施例1の(1)の光ファイバーの先端に銀を真
空蒸着して反射ミラーを形成した反射型測定用チップを
用いたこと、及び実施例1の(5)の1,4−ジアミノ
ブタンの代りに1,12−ジアミノドデカンをスペーサ
として用いたこと以外は、実施例1の(1)〜(7)と
同様の方法で図4のPS固定化反射型測定用チップを得
た。
【0119】(2)上記(1)のPS固定化測定用チッ
プを用いて、実施例1の(8)〜(17)と同様の方法
でPS抗体を測定した。
【0120】実施例7(サンドウィッチ法、試薬e) (1)実施例1の(5)の1,4−ジアミノブタンの代
りに、4−(2−アミノエチル)−シクロヘキサノール
をスペーサとして用いたこと以外は、実施例1の(1)
〜(7)と同様の方法でPS固定化測定用チップを得
た。
【0121】(2)上記(1)のPS固定化測定用チッ
プを用いて、実施例3の(1)〜(4)と同様の方法
で、図6の装置を用いてPS抗体を測定した。
【0122】実施例8(サンドウィッチ法、試薬g) (1)1.8μM のキトサン溶液2mlに、ウサギ免疫グ
ロブリンGを混合し、さらに100mgのCHMCを添加
して、5時間〜1晩室温で反応させた。反応生成物を1
0mMカリウム−リン酸緩衝液に12時間透析した。この
懸濁液に硫酸ナトリウム100mgを加えて、免疫グロブ
リンGが結合したキトサンを沈澱させ、遠心分離により
回収した。この沈澱を10mMカリウム−リン酸緩衝液
(pH7)2mlに懸濁し、同緩衝液500mlに4℃で一晩
透析して免疫グロブリンGが結合したキトサン溶液を得
た。
【0123】(2)上記(1)の免疫グロブリンGが結
合したキトサン溶液に、マウス由来のヒト抗免疫グロブ
リン抗体のFabフラグメント(生化学工業(株)製、
抗原との結合能力を有するが、プロティンAとは結合し
ない)1mgを加え、さらにCHMC20mgを加えて、4
℃で5時間反応させると、免疫グロブリンG又はキトサ
ンと結合する。この反応生成物を10mMカリウム−リン
酸緩衝液(pH7)で透析した。この懸濁液に硫酸ナトリ
ウムを加えて沈澱させ、この沈澱を同緩衝液で透析する
操作を行ってヒト抗免疫グロブリン抗体+キトサン+免
疫グロブリンG懸濁液を得た。
【0124】(3)シアニン系蛍光色素NK1160
(日本感光色素研究所製)2mgとトリエチルアミン0.
2mlをエタノール1mlに溶解し、次いでプロティンA1
mgを懸濁した。この懸濁液にDCC0.3mlを加え、4
℃で2晩反応させた。反応生成物を遠心分離して沈澱を
回収し、0℃のエタノール2mlを加えて再懸濁した。こ
れを再び遠心分離で沈澱を回収し、水冷しながらエバポ
レータでエタノールを除去した。この工程で生じた残留
物を0.02M 酢酸緩衝液(pH6.5)2mlに溶解して
蛍光色素で標識されたプロティンAを得た。
【0125】(4)実施例1の(7)のPS固定化測定
用チップを用いて、実施例1の(12)〜(17)と同
様の方法でPS抗体を測定した。
【0126】実施例9(競合法、試薬c) (1)水50mlに炭酸ナトリウム3mgとビオチン10mg
を溶かした溶液に、2.0μM のPS抗体溶液2mlを加
え、さらにCHMC100mgを加え、攪拌しながら室温
で5〜24時間反応させた。この反応生成物をカラムク
ロマトグラフィーで精製し、ビオチン化PS抗体を得
た。
【0127】(2)濃度既知のPS抗体試料溶液と上記
(1)のビオチン化PS抗体とを体積比で1:1の割合
で混合した溶液に、実施例1の(7)のPS固定化測定
用チップの検出部を浸漬して、固定化されているPS
に、試料のPS抗体とビオチン化PS抗体を競合的に反
応させた。
【0128】(3)上記(2)のPS抗体が結合した測
定用チップの検出部を、市販のフルオレセインで標識さ
れたアビジン(フナコシ製薬製)の水溶液に浸漬して反
応させ、ビオチン部分にフルオレセインで標識されたア
ビジンを結合させた。
【0129】(4)図5の装置を用い、上記(3)の測
定用チップの検出部を2%炭酸ナトリウム溶液(pH1
2)に浸漬しながら、フルオレセインの通常の励起波長
(496nm)の約2倍の波長(980nm)の半導体レー
ザの光で励起し、蛍光波長(518nm)の蛍光強度を測
定した。
【0130】(5)実施例1の(16)及び(17)の
方法でPS抗体を測定した。
【0131】実施例10(競合法、試薬a) (1)3mg/ml のPS抗体溶液1mlに、7−ヒドロキシ
クマリン−3−カルボン酸(ウンベリフェロン)20mg
を溶かし、さらにCHMC100mgを加えて4℃で10
時間反応させた。これをリン酸緩衝生理食塩水に透析し
て、ウンベリフェロンで標識されたPS抗体を得た。
【0132】(2)濃度既知のPS抗体試料と、上記
(1)のウンベリフェロンで標識されたPS抗体とを体
積比1:1の割合で混合した溶液に、実施例1の(7)
のPS固定化測定用チップの検出部を浸漬して、固定化
されたPSに、試料のPS抗体とウンベリフェロンで標
識されたPS抗体を競合的に反応させた。
【0133】(3)図5の装置を用い、上記(2)の測
定用チップの検出部を0.2%炭酸ナトリウム水溶液
(pH9)に浸漬しながら、ウンベリフェロンの通常の励
起波長(365nm)の約2倍の波長(780nm及び77
0nmの2種類)の半導体レーザの光で励起して、蛍光波
長(450nm)の蛍光強度を測定した。
【0134】(4)実施例1の(16)及び(17)の
方法でPS抗体を測定した。
【0135】実施例11(サンドウィッチ法、試薬d) (1)実施例1の(10)のヒト抗免疫グロブリン抗体
が結合したビオチン化キトサン溶液に、市販のフルオレ
セインで標識されたアビジン(フナコシ製薬製)溶液を
混合して反応させ、フルオレセインで標識されたアビジ
ン+ビオチン+キトサン+抗免疫グロブリン抗体溶液を
得た。
【0136】(2)濃度既知のPE抗体試料溶液に、実
施例2の(2)のPE固定化測定用チップの検出部を浸
漬して反応させ、PEに試料のPE抗体を結合させた。
【0137】(3)上記(2)のPE抗体が結合した測
定用チップの検出部を上記(1)の蛍光標識抗体溶液に
浸漬して、PE抗体を抗原として認識して蛍光標識抗体
を結合させた。
【0138】(4)実施例9の(4)及び(5)と同様
の方法でPE抗体を測定した。
【0139】実施例12(サンドウィッチ法、試薬e) (1)濃度既知のPE抗体試料溶液に、実施例2の
(2)のPE固定化測定用チップの検出部を浸漬して反
応させ、PEに試料のPE抗体を結合させた。
【0140】(2)実施例1の(10)の抗免疫グロブ
リン抗体が結合したビオチン化キトサン溶液に、上記
(1)のPE抗体が結合した測定用チップの検出部を浸
漬して反応させ、PE抗体と抗免疫グロブリン抗体+キ
トサン+ビオチンを結合させた。
【0141】(3)上記(2)の測定用チップの検出部
を、フルオレセインで標識されたアビジン溶液に浸漬し
て反応させ、ビオチン部分にフルオレセインで標識され
たアビジンを結合させた。
【0142】(4)実施例9の(4)及び(5)と同様
の方法でPE抗体を測定した。
【0143】実施例13(サンドウィッチ法、試薬a) (1)実施例10の(1)におけるPS抗体の代りに抗
免疫グロブリン抗体を用いた以外は同様の方法で、ウン
ベリフェロンで標識された抗免疫グロブリン抗体を得
た。
【0144】(2)濃度既知のPS抗体試料溶液に、実
施例1の(7)のPS固定化測定用チップを浸漬して反
応させ、PSに試料のPS抗体を結合させた。
【0145】(3)上記(2)のPS抗体が結合した測
定用チップの検出部を、上記(1)のウンベリフェロン
で標識された抗免疫グロブリン抗体溶液に浸漬して反応
させ、PS抗体にウンベリフェロンで標識された抗免疫
グロブリン抗体を結合させた。
【0146】(4)実施例10の(3)及び(4)と同
様の方法でPS抗体を測定した。
【0147】実施例14(競合法、試薬d) (1)濃度既知のPE抗体試料溶液と、実施例11の
(1)における抗免疫グロブリン抗体の代りにPE抗体
が結合した、フルオレセインで標識されたアビジン+ビ
オチン+キトサン+PE抗体溶液とを1:1の体積比で
混合した溶液に、実施例2の(2)のPE固定化測定用
チップの検出部を浸漬して、PEに試料のPE抗体と前
記蛍光標識抗体とを競合的に反応させた。
【0148】(2)実施例9の(4)及び(5)と同様
の方法でPE抗体を測定した。
【0149】実施例15(競合法、試薬e) (1)濃度既知のPE抗体試料溶液と、実施例1の(1
0)における抗免疫グロブリン抗体の代りにPE抗体が
結合したビオチン化キトサン溶液とを1:1の体積比で
混合した溶液に実施例2の(2)のPE固定化測定用チ
ップの検出部を浸漬して、PEに試料のPE抗体とビオ
チン化キトサンに結合しているPE抗体とを競合的に反
応させた。
【0150】(2)上記(1)のPE抗体が結合した測
定用チップの検出部を、市販のフルオレセインで標識さ
れたアビジン(フナコシ製薬製)の溶液に浸漬し、ビオ
チン部分にフルオレセインで標識されたアビジンを結合
させた。
【0151】(3)実施例9の(4)及び(5)と同様
の方法でPE抗体を測定した。
【0152】実施例16(サンドウィッチ法、試薬b) (1)実施例9の(1)のPS抗体の代りに抗免疫グロ
ブリン抗体を用いて調製したビオチン化抗免疫グロブリ
ン抗体溶液と、市販のフルオレセインで標識されたアビ
ジン(フナコシ製薬製)の水溶液を混合して反応させ、
フルオレセインで標識されたアビジン+ビオチン+抗免
疫グロブリン抗体溶液を得た。
【0153】(2)濃度既知のPS抗体試料溶液に、実
施例1の(7)のPS固定化測定用チップの検出部を浸
漬して反応させ、PSに試料のPS抗体を結合させた。
【0154】(3)上記(2)のPS抗体が結合した測
定用チップの検出部を、上記(1)の蛍光標識抗体溶液
に浸漬して、PS抗体を抗原として認識して蛍光標識抗
体を結合させた。
【0155】(4)実施例9の(4)及び(5)と同様
の方法でPS抗体を測定した。
【0156】実施例17(サンドウィッチ法、試薬e) (1)3mg/lのマウス由来ヒト抗免疫グロブリン抗体の
溶液にビオチン20mgとCHMC100mgを溶かし、4
℃で12時間反応させた。反応終了後、リン酸緩衝生理
食塩水500mlに対して透析してビオチン化抗免疫グロ
ブリン抗体溶液をを得た。
【0157】(2)濃度既知のPS抗体試料溶液に、実
施例1の(7)のPS固定化測定用チップの検出部を浸
漬して反応させ、PSに試料のPS抗体を結合させた。
【0158】(3)上記(1)のビオチン化抗免疫グロ
ブリン抗体溶液に上記(2)のPS抗体が結合した測定
用チップの検出部を浸漬して反応させ、PS抗体を抗原
として認識して抗免疫グロブリン抗体+ビオチンを結合
させた。
【0159】(4)上記(3)の測定用チップの検出部
を、市販のフルオレセインで標識されたアビジン溶液に
浸漬して反応させ、ビオチン部分にフルオレセインで標
識されたアビジンを結合させた。
【0160】(5)実施例9の(4)及び(5)と同様
の方法でPS抗体を測定した。
【0161】実施例18(サンドウィッチ法、試薬f) (1)実施例8の(2)で得た抗免疫グロブリン抗体+
キトサン+免疫グロブリンG溶液と、実施例8の(3)
で得たシアニン系蛍光色素NK1160で標識されたプ
ロティンA溶液を混合し、NK1160で標識されたプ
ロティンA+免疫グロブリンG+キトサン+ヒト抗免疫
グロブリン抗体懸濁液を得た。
【0162】(2)濃度既知のPS抗体試料溶液に、実
施例1の(7)のPS固定化測定用チップの検出部を浸
漬して反応させ、PSに試料のPS抗体を結合させた。
【0163】(3)上記(1)で得た懸濁液に、上記
(2)の測定用チップの検出部を浸漬して反応させた。
【0164】(4)実施例1の(12)〜(17)と同
様の方法でPS抗体を測定した。
【0165】比較例(ELISA法) (1)3mg/ml のPSのジクロロメタン溶液をマイクロ
プレートのウエルに0.1mlづつ入れ、減圧下でジクロ
ロメタンを除去してPSをウエルの壁に吸着させた。
【0166】(2)濃度既知のPS抗体試料溶液を各ウ
エルに加えて、室温で1時間放置して反応させた。反応
後、ウエルの中の液を捨て、これに0.05%界面活性
剤(ツイン20)含有リン酸緩衝生理食塩水を加え、さ
らにこの液を捨てた。この操作を繰り返して洗浄した。
【0167】(3)これにペルオキシダーゼ標識ヒト抗
免疫グロブリン抗体溶液を加え、室温で30分間放置し
て反応させた。反応後上記と同様の洗浄操作を繰り返し
た。
【0168】(4)これに微量の過酸化水素を含んだO
−フェニレンジアミン溶液を加え、室温で30分間反応
させた。反応後8M 硫酸を加えて反応を停止させた。
【0169】(5)各ウエルの吸光度を測定し、PS抗
体と吸光度の検量線を図9に示す。
【0170】
【発明の効果】本発明の測定法によれば、表2に示すよ
うに高感度でリン脂質抗体量を測定することができ、少
量の検体を用いて、小型化された装置を用いて多数の検
体を一度に測定することができるので、病院等で妊娠中
毒症の検査に用いることができる。
【0171】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】競合法の模式図を示す。
【図2】サンドウィッチ法の模式図を示す。
【図3】対向型の測定用チップの概念図を示す。
【図4】反射型の測定用チップの概念図を示す。
【図5】蛍光測定装置を示す。
【図6】蛍光測定装置を示す。
【図7】実施例1のサンドウィッチ法によるPS抗体の
検量線を示す。
【図8】実施例4の競合法によるPS抗体の検量線を示
す。
【図9】比較例のELISA法によるPS抗体の検量線
を示す。
【図10】1,4−ジアミノブタンの濃度と吸光度の関
係を示す。
【符号の説明】
P リン脂質 y 試料中のリン脂質に対する抗体 Y リン脂質抗体に対する抗体又は抗免疫グロブリン抗
体 A アビジン B ビオチン 1 蛍光を検出・測定する装置 2 励起光をカットするフィルター 3 光を伝送する光ファイバー 4 光源(レーザ光) 5 蛍光の進行方向を変えるハーフミラー又はプリズム 6 ガイドレール 7 測定用チップ(光ファイバー) 8 測定液の入ったセル 9 ミラー
【化5】
【化6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/53 G01N 33/53 S 33/547 33/547 (56)参考文献 特開 平3−134567(JP,A) 特開 昭54−147913(JP,A) 特開 昭55−156875(JP,A) 特開 平2−43947(JP,A) 特表 昭59−501873(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/543 595 G01N 33/543 525 G01N 21/64 G01N 21/78 G01N 33/53 G01N 33/547 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバー表面のホルミル基に式
    (I)、(II)、又は(III) 【化1】 (式中、Rはイミノ基又は酸素原子を表し、mは1〜2
    1の整数を表し、n及びn′はそれぞれ0〜10の整数
    を表す)で示される二価性スペーサー分子を介してリン
    脂質が固定化されている、リン脂質抗体の測定用チッ
    プ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の測定用チップを用いたリ
    ン脂質の測定方法。
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