JP3167176B2 - 蛍光酵素免疫測定法 - Google Patents

蛍光酵素免疫測定法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍光物質に、塩基性条
件下で、最大励起波長より長波長のレーザー光を照射す
ると、多光子吸収によって該蛍光物質が励起され、吸収
した光より短波長の蛍光を放射することを利用して、小
型の装置を用いて高感度に生体試料の蛍光分析を行う方
法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
蛍光分析法により生体試料を分析するには、蛍光物質、
とくにフルオレセイン、クマリンなどの蛍光物質に30
0〜600nmの励起光を照射して、発する蛍光を測定す
る方法が知られているが、励起光と蛍光との波長の差が
20〜90nmとほとんど差がないため、励起光を吸収除
去するために用いるフィルターに蛍光も吸収され、蛍光
の損失が大きかった。また、励起光の発生装置の小型化
が望まれているが、300〜600nmの領域では、小型
の励起光源として使用できる半導体レーザーがなかっ
た。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、特願平3−
287858号において、塩基性条件下で蛍光物質を最
大励起波長の約2倍の波長(2λ±100(mm))のレ
ーザー光で励起し、蛍光を測定する方法を見い出した
が、本発明はこれをさらに発展させ、最大励起波長より
小さいエネルギーの光子を複数個吸収して、1個の光子
を放出する、いわゆる多光子吸収によって蛍光放射を測
定する方法に関する。
【0004】すなわち、従来の300〜600nmの励起
光で蛍光を発する物質は、塩基性条件下では、最大励起
波長より長波長の光でも下記数式1を満たすような波長
の集合ならば、各々の光を吸収して励起することができ
る。そのときの蛍光物質は電子状態と振動状態の相互作
用によって生じるビブロニック状態を中間状態として経
由すると考えられるので、300〜600nmで励起され
たときに放射される蛍光と同波長で、同程度の強度を持
った蛍光を発することができる。
【0005】このため、市販の長波長発振の半導体レー
ザーなどで、高効率で蛍光物質を励起できるため、分析
装置を小型化することが可能であり、またフィルターに
よる蛍光の吸収損失が少なく、また長波長領域の励起光
を使用するので量子効率がよく、高感度化が実現できる
ことを見い出した。
【0006】本発明においては、数式1の波長領域のレ
ーザー光ならば、1種類の波長に限定されず、波長の異
なる複数のレーザー光を励起光源として使用できる。
【0007】
【数2】
【0008】本発明で述べる最大励起波長(λnm)と
は、塩基性条件下で、一光子励起により発する蛍光の強
度が最大となる励起波長である。最大励起波長は、主に
塩基性条件下における蛍光物質の極大吸収波長に相当す
る。
【0009】さらに、本発明者らは、上記の方法が蛍光
物質前駆体と酵素の組合せにより生成する蛍光物質にも
適用可能であることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0010】本発明の方法は、酵素又は基質で標識し
た、被測定物質である免疫物質と特異的に結合する物
質、すなわち抗体(又は抗原)を用いて、免疫物質すな
わち抗原(又は抗体)を測定する酵素免疫測定法におい
て、基質として蛍光物質前駆体を用い、酵素反応により
蛍光物質前駆体を塩基に可溶性の蛍光物質とし、塩基性
条件下で、数式1の波長のレーザー光で励起し、発する
蛍光を測定することを特徴とする生体試料の蛍光酵素免
疫測定法である。
【0011】本発明で使用される抗原とは、高等動物の
体内に入ると、その生体の免疫系に刺激を与えて抗体を
生産させ、その抗体と特異的に反応する物質であり、タ
ンパク質、多糖類のような高分子以外にも、リン脂質の
ような低分子のものも含む。
【0012】本測定法に用いる酵素としては、ペルオキ
シダーゼ(酸化酵素)、フォスファターゼ(加水分解酵
素)、エステラーゼ(加水分解酵素)などがあげられ
る。基質として用いる蛍光物質前駆体は、酵素反応によ
り塩基に可溶性の蛍光物質となりうるもので、例えばク
マリンリン酸エステル誘導体、フルオレセインリン酸エ
ステル誘導体、フルオレセイン酢酸エステル誘導体、ジ
クロロフルオレセインリン酸エステル誘導体、ジクロロ
フルオレセイン酢酸誘導体、p−ヒドロキシフェニルプ
ロピオン酸などがあげられる。この蛍光物質前駆体と蛍
光物質、励起波長と蛍光波長の関係は表1の通りであ
る。
【0013】
【表1】
【0014】塩基性条件はpH8〜13が望ましく、pHが
これより高い場合には蛍光物質が加水分解される恐れが
あり好ましくない。
【0015】酵素で標識した抗体(又は抗原)を用いる
酵素免疫測定法を例に挙げて、本発明を詳細に説明す
る。免疫反応を光ファイバー表面上で行う方法は、競合
法(a)とサンドイッチ法(b)に大別される。競合法
(a)では、濃度既知である酵素で標識された、被測定
物質である抗原(又は抗体)と同一の免疫反応を示す物
質(抗原、ハプテン又は抗体等)と、被測定物質である
抗原(又は抗体)とを混合し、次いでこの溶液に免疫物
質である抗体(又は抗原)を固定化した光ファイバーを
浸漬し、競合的に反応させる。この後、この光ファイバ
ーを蛍光物質前駆体溶液に浸漬し、蛍光物質前駆体を酵
素反応により蛍光物質にし、蛍光を測定する。競合法で
は、被測定物質である抗原(又は抗体)の濃度が高けれ
ば、酵素で標識された抗原(又は抗体)と同一の免疫反
応を示す物質の光ファイバーへの結合量と、それに伴う
酵素反応量が少ないので、蛍光強度が低下する。
【0016】サンドイッチ法(b)では、被測定物質で
ある抗原(又は抗体)の溶液に、それに対する免疫物質
である抗体(又は抗原)を固定化した光ファイバーを浸
漬して反応させ、次いでこの光ファイバーを、酵素で標
識され、被測定物質と特異的に反応する物質(例えば抗
体(又は抗原))の溶液に浸漬して反応させる。サンド
イッチ法では、光ファイバー上の免疫物質と、酵素で標
識された被測定物質と特異的に反応する物質で、被測定
物質である抗原(又は抗体)がサンドイッチされた状態
となる。この後、光ファイバーを蛍光物質前駆体溶液に
浸漬し、蛍光物質前駆体を酵素反応により蛍光物質に
し、蛍光を測定する。サンドイッチ法では、被測定物質
である抗原(又は抗体)の濃度が高ければ、酵素で標識
された被測定物質と特異的に反応する被測定物質に対す
る抗体(又は抗原)の光ファイバーへの結合量と、それ
に伴う酵素反応量が増加するので、蛍光強度が大きくな
る。
【0017】上記競合法(a)及びサンドイッチ法
(b)では、酵素の代わりに基質(すなわち蛍光物質前
駆体)を標識した抗体(又は抗原)を用いることもでき
る。
【0018】この被測定物質の濃度を測定する方法にお
いて、測定感度を向上させるためには、酵素又は基質に
より標識される物質分子(抗体(又は抗原)分子)1個
あたりの酵素又は基質の結合量を増加させる必要があ
る。このために、標識される抗体(又は抗原)分子が複
数の反応活性基を有する物質に結合し、該複数の反応活
性基に酵素又は基質が結合していることが好ましい。こ
のような方法では、酵素又は基質で標識される抗体(又
は抗原)当たりの酵素又は基質の結合量を増加させるこ
とができ、検出感度を向上させるのに役立つ。
【0019】さらに、標識される抗体(又は抗原)が、
ビオチンと結合し、該ビオチンが酵素又は基質で標識さ
れたアビジンと結合している。あるいは、標識される抗
体(又は抗原)が複数の反応活性基を有する物質に結合
し、該複数の反応活性基にはビオチンを介して酵素又は
基質で標識されたアビジンが結合していることが好まし
い。このような方法においては、酵素又は基質により標
識される物質に、酵素又は基質で標識されたアビジンが
多数結合していることにより、酵素又は基質で標識され
る抗体(又は抗原)当りの酵素又は基質の結合量をより
増加させることができ、検出感度を飛躍的に向上させる
ことができる。また、酵素又は基質を複数の反応活性基
を有する物質を介してアビジンに結合させることによ
り、検出感度をさらに向上させることもできる。
【0020】アビジンとビオチンは、これらと同等、同
様の作用を有する化合物の組で置き換えることができ
る。例えば抗体−プロテインAなどの組合せなどが使用
できる。複数の反応活性基を有する物質としては、ポリ
リジン、キトサン、ポリガラクトサミン、ポリノイラミ
ン酸のようなポリペプチド又はアミノグリカンなどが用
いられ、特にキトサンが好適である。反応活性基は1分
子当り20〜10万個、好ましくは4000〜5000
個が存在していることが望ましい。また、これらを化学
修飾などにより性質を変化させる(例えば親水性を増加
させる)こともできる。
【0021】このような方法で、酵素又は基質により標
識した抗体(又は抗原)を用いる場合において、光ファ
イバー上での免疫反応に長時間必要であり、また、これ
により標識に用いる酵素又は基質の活性の失活が想定さ
れる場合には、アビジンがビオチンと特異的に反応する
ことを利用して、標識される抗体(又は抗原)が複数の
反応活性基を有する物質に結合し、該複数の反応活性基
にビオチンが結合した状態で、光ファイバー上で免疫反
応させた後に、該ビオチンと酵素又は基質で標識された
アビジンを結合させる方法を用いることもできる。
【0022】本願発明の方法における酵素又は基質で標
識された抗体(又は抗原)は、次の方法で製造すること
ができる。 1)酵素又は基質で標識される抗体(又は抗原)と酵素
又は基質を反応させる。
【0023】
【化1】
【0024】2)酵素又は基質を複数の反応活性基を有
する物質の大部分の反応活性基に反応させ、次いで酵素
又は基質で標識される抗体(又は抗原)と反応させる。
【0025】
【化2】
【0026】3)ビオチンを酵素又は基質で標識された
アビジンで修飾し、次いで酵素又は基質で標識される抗
体(又は抗原)と反応させる。
【0027】
【化3】
【0028】4)ビオチンを酵素又は基質で標識される
抗体(又は抗原)と反応させ、次いでビオチンを酵素又
は基質で標識されたアビジンと反応させる。
【0029】
【化4】
【0030】5)ビオチンを複数の反応活性基を有する
物質の大部分の反応活性基に反応させ、酵素又は基質で
標識されたアビジンで修飾し、次いで酵素又は基質で標
識される抗体(又は抗原)と反応させる。
【0031】
【化5】
【0032】6)ビオチンを複数の反応活性基を有する
物質の大部分の反応活性基に反応させ、酵素又は基質で
標識される抗体(又は抗原)を反応させた後、次いで酵
素又は基質で標識されたアビジンで修飾する。
【0033】
【化6】
【0034】この3)〜6)記載の酵素又は基質で標識
されたアビジンは、酵素又は基質を複数の反応活性基を
有する物質の大部分の反応活性基に反応させ、次いでア
ビジンを結合させたものに置き換えることもできる。
【0035】
【化7】
【0036】本発明の分析法においては、図1に示すよ
うに、小型光源(1)及び励起光及び/又は蛍光を伝搬
するための光ファイバー(4)と、その一方の端面のコ
ア表面(8)を露出させ、その表面に被測定物質と特異
的に結合する物質(例えば抗体)を固定化したセンサー
部、並びにセンサー部で励起された蛍光の強度を測定す
るための検出器(2)を用いることができる。
【0037】前記光ファイバーは、低価格であり、使用
が容易であることから、通常、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、メタクリル酸メチルなどのモノマーとス
チレンなどのモノマーとの共重合体である樹脂製光ファ
イバーが用いられる。前記樹脂製の光ファイバーの表面
に免疫物質を結合させるには、反応活性基としてホルミ
ル基を導入して免疫物質と共有結合させ、固定化させ
る。
【0038】
【化8】
【0039】また、複数の反応活性基を有する物質の大
部分の反応活性基に免疫物質を結合させ、この複数の反
応活性基を有する物質とホルミル基を共有結合させ、固
定化させることもできる。
【0040】
【化9】
【0041】
【発明の効果】本発明では、蛍光物質を600〜160
0nmの半導体レーザーの波長領域で励起できるので、分
析装置の小型化が可能となる。また、半導体レーザー使
用による光源の高出力化とともに、励起光と蛍光の波長
の差を大きくとれることから励起光を吸収除去するため
に用いるフィルターによる蛍光の吸収損失がないので、
高感度化が実現できる。
【0042】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例に限られるものでなく、広い範囲で適用可
能である。
【0043】実施例1(サンドイッチ法によるウシ血清
アルブミンの測定) (1)水100μl に炭酸ナトリウム3mgとビオチン4
mgを溶解し、次いで、1.8μM のキトサン(アミノ基
の数は1分子あたり4000個)溶液2mlに、上記のビ
オチン溶液を添加した。さらに水100μl を添加した
後、水溶性カルボジイミド50mgを添加し、さらに撹拌
しながら一晩室温で反応させ、酢酸を3滴添加して反応
を停止させた。次いで、0.3g /mlの炭酸ナトリウム
と0.3g/mlの塩化ナトリウム混合液4mlを加えて、
ビオチン化キトサン(以下、BCと略す)を沈殿させ
た。この沈殿を遠心分離して回収した後、0.3g /ml
の塩化ナトリウムと0.1g /mlの炭酸ナトリウム混合
液で沈殿を洗浄した。この沈殿を10mMのカリウム−リ
ン酸緩衝液(pH7)2mlに懸濁し、さらに同緩衝液50
0mlで4℃一晩透析して、精製BC懸濁液を得た。 (2)上記(1)のBC懸濁液2mlに抗ウシ血清アルブ
ミン抗体(以下aAGと略す)1mgと、水溶性カルボジ
イミド10mgを添加し、4℃で一晩反応させた。反応終
了後、リン酸緩衝生理食塩水で12時間透析を行い、さ
らに、陰イオン交換クロマトを用いて未反応物を除去
し、ビオチン化キトサンが結合したaAG(以下、aA
G−BCと略す)を得、リン酸緩衝生理食塩水で溶液化
した。
【0044】(3)1mlの蒸留水に西洋ワサビ由来ペル
オキシダーゼを溶解し、さらに0.1M 過ヨウ素酸ナト
リウム溶液0.2mlを添加して20分室温で放置し、1
mM酢酸緩衝液(pH 4.5)500mlで4℃で一晩透析し
た。得られた溶液に0.2M 炭酸ナトリウム緩衝液(pH
9.5)を加え、直ちにアビジン2mgを添加し、撹拌し
ながら室温で2時間反応させた。これを氷水中で冷却
し、4mg/ml水素化ホウ素ナトリウム溶液0.2mlを添
加して2時間反応させ、さらにリン酸緩衝生理食塩水5
00mlで4℃で一晩透析してペルオキシダーゼ標識アビ
ジン(以下、PAと略す)を得、リン酸緩衝生理食塩水
で溶液化した。 (4)水0.5mlに硫酸ニッケル10mgを溶解し、次い
でエタノール2.5mlを加えた。このとき生じた白色沈
殿を3000rpm で遠心分離して上澄液を採取し、これ
をNi−エタノール溶液とした。50mM水酸化カリウム
−エタノール溶液0.4mlにNi−エタノール溶液0.
1mlを加え、さらに50%グルタルアルデヒド50μl
を添加して反応液とした。
【0045】(5)上記(4)で調製した反応液に、端
面を研磨したポリメタクリル酸メチルを主成分とする直
径1mmの光ファイバー(三菱レイヨン製、商品名:スー
パエスカ)を50℃で10分間浸漬した後、水洗した。
次いで、20mMの塩酸溶液に上記光ファイバーを5〜1
0分間浸漬した後、水で洗浄し、光ファイバーの表面に
ホルミル基を導入した。 (6)aAG1mgをリン酸緩衝生理食塩水(pH7.5)
1mlに溶解し、この溶液に上記(5)で調製した光ファ
イバーを4℃で12時間浸漬した。光ファイバーを溶液
から取り出し、水で洗浄した後、1%ホウ素化水素ナト
リウム水溶液に15分間浸漬した後、水で洗浄してホル
ミル基をブロックし、aAG固定化センサーチップとし
た。 (7)濃度既知のウシ血清アルブミン(以下、BSAと
略す)溶液に、上記(6)のセンサーチップを浸漬して
BSAを抗原として免疫反応させた後、リン酸緩衝生理
食塩水で洗浄した。 (8)次に、上記(2)で得たaAG−BC溶液にセン
サーチップを浸漬してBSAを抗原として免疫反応させ
た後、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄した。
【0046】(9)次いで、上記(3)のPA溶液に上
記(8)のセンサーチップを浸漬した後、リン酸緩衝生
理食塩水で洗浄し、ペルオキシダーゼが結合したセンサ
ーチップを得た。 (10)クエン酸緩衝液にp−ヒドロキシフェニルプロ
ピオン酸を溶解し、過酸化水素を添加した溶液に、上記
(9)のセンサーチップを浸漬し、1時間室温で放置し
た。アジ化ナトリウムで反応を停止させた後、1%炭酸
水素ナトリウム水溶液を加えて塩基性とし、蛍光検出装
置を用いて、ビス(o−ヒドロキシフェニルプロピオン
酸)の最大励起波長(319nm)の約2倍の波長(65
0nm)を有する半導体レーザーを励起光源として蛍光強
度を測定した。 (11)BSAの濃度を変え、上記(7)〜(10)と
同様の測定を繰り返し、BSAの濃度と蛍光強度の関係
を調べ、検量線を作成した。検量線から、BSAの検出
限界は5ng/mlであった。
【0047】実施例2(競合法による抗ウシ血清アルブ
ミン抗体の測定) (1)実施例1の(1)〜(2)と同様の方法で、aA
G−BC溶液を得た。 (2)実施例1の(3)と同様の方法で、PA溶液を得
た。 (3)aAGの代わりにBSAを用いた以外は実施例1
の(4)〜(6)と同様の方法で、BSA固定化センサ
ーチップを作成した。 (4)濃度既知のaAG溶液と、上記(1)で作成した
溶液を1:1の体積比で混合し、次いで上記(3)のセ
ンサーチップを浸漬した後、リン酸緩衝生理食塩水で洗
浄した。 (5)次に、上記(2)で作成した溶液に上記(4)の
センサーチップを浸漬した後、リン酸緩衝生理食塩水で
洗浄した。 (6)実施例1の(10)〜(11)と同様の方法で、
aAG濃度と蛍光強度の関係を調べ、検量線を作成し
た。検量線から、aAGの検出限界は5ng/mlであっ
た。
【0048】実施例3(サンドイッチ法によるウシ血清
アルブミンの測定) (1)実施例1の(1)〜(3)と同様の方法で、aA
G−BC溶液とPA溶液を得た。次いで、両液を混合
し、ビオチン化キトサンの結合した抗ウシ血清アルブミ
ン抗体と、ペルオキシダーゼ標識アビジンの結合した測
定試薬(以下、aAG−BC−PAと略す)溶液を調製
した。 (2)実施例1の(4)〜(6)と同様の方法で、aA
G固定化センサーチップを作成した。 (3)実施例1の(7)と同様の方法を行った後、この
センサーチップを上記(1)で作成したaAG−BC−
PA溶液に浸漬した後、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄し
て、ペルオキシダーゼが結合したセンサーチップを得
た。
【0049】(4)励起光源として、780nm、830
nm、1550nmの3種類の半導体レーザーを用いた以外
は、実施例1の(10)〜(11)と同様の方法で、B
SAの検出限界を測定したところ、5ng/mlであった。 (5)先の3種の半導体レーザーによりビス(o−ヒド
ロキシフェニルプロピオン酸)が励起されるのは以下の
通りの計算による。 励起波長 319nm=31348cm-1 780nm=12821cm-1 830nm=12048cm-1 1550nm= 6452cm-1 31348cm-1 12821cm-1+12048cm-1+6452cm-1=31
321cm-1
【0050】実施例4(競合法による抗ウシ血清アルブ
ミン抗体の測定) (1)実施例3の(1)と同様の方法で、aAG−BC
−PA溶液を得た。 (2)実施例2の(3)と同様の方法で、BSA固定化
センサーチップを作成した。 (3)濃度既知のaAG溶液と、上記(1)で作成した
溶液を1:1の体積比で混合し、次いで上記(2)のセ
ンサーチップを浸漬した後、リン酸緩衝生理食塩水で洗
浄した。 (4)実施例1の(10)〜(11)と同様の方法で、
aAGの検出限界を測定したところ、5ng/mlであっ
た。
【0051】実施例5(サンドイッチ法によるヒトイン
スリンの測定) (1)実施例1の(1)と同様の方法で、BC懸濁液を
得た。 (2)このBC懸濁液2mlに抗ヒトインスリン抗体(以
下、aIGと略す)溶液1mgと水溶性カルボジイミド1
0mgを添加して、4℃で一晩反応させた。反応終了後、
リン酸緩衝生理食塩水で12時間透析を行い、さらに陰
イオン交換クロマトを用いて未反応物を除去し、ビオチ
ン化キトサンが結合したaIG(以下、aIG−BCと
略す)を得、リン酸緩衝生理食塩水で溶液化した。 (3)アビジン2mgを0.2M 炭酸ナトリウム緩衝液
(pH9.5)1mlに溶解してアビジン溶液とした。一
方、フルオレセイン酢酸エステル誘導体5mgを蒸留水5
0mlに溶解し溶液化した。この両液を混合し、フルオレ
セイン酢酸エステル誘導体標識アビジン(以下、FAと
略す)を得、精製後、リン酸緩衝生理食塩水で溶液化し
た。 (4)実施例1の(4)〜(5)と同様の方法で、光フ
ァイバーにホルミル基を導入した。
【0052】(5)aIG1mgをリン酸緩衝生理食塩水
1mlに溶解し、この溶液に上記(4)の光ファイバーを
4℃で12時間浸漬した。光ファイバーを溶液から取り
出し、水で洗浄した後、1%ホウ素化水素ナトリウム水
溶液に15分間浸漬した後、水で洗浄して未反応のホル
ミル基をブロックし、aIG固定化センサーチップとし
た。 (6)濃度既知のヒトインスリン(以下、HISと略
す)溶液に、上記(5)のセンサーチップを浸漬してH
ISを抗原として免疫反応させた後、リン酸緩衝生理食
塩水で洗浄した。 (7)次に、上記(2)で得たaIG−BC溶液に上記
(6)のセンサーチップを浸漬してHISを抗原として
免疫反応をさせた後、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄し
た。 (8)次いで、上記(3)のFA溶液に上記(7)のセ
ンサーチップを浸漬した後、リン酸緩衝生理食塩水で洗
浄して、フルオレセイン酢酸エステル誘導体が結合した
センサーチップを得た。
【0053】(9)リン酸緩衝生理食塩水でエステラー
ゼを溶液化し、この溶液に上記(8)のセンサーチップ
を浸漬し、1時間室温で放置して反応させた。 (10)1%炭酸ナトリウムを加えて塩基性とし、蛍光
検出装置を用いて、フルオレセインの最大励起波長(4
96nm)の約2倍の波長(980nm)を有する半導体レ
ーザを励起光源として蛍光強度を測定した。 (11)HISの濃度を変え、上記(9)〜(10)と
同様の測定を繰り返し、HISの濃度と蛍光強度の関係
を調べ、検量線を作成した。検量線から、HISの検出
限界は5ng/mlであった。
【0054】比較例1(サンドイッチ法による1光子吸
収でのヒトインスリンの測定) (1)実施例5の(1)〜(8)と同様の方法で、フル
オレセイン酢酸エステル誘導体が結合したセンサーチッ
プを得た。 (2)リン酸緩衝生理食塩水でエステラーゼを溶液化
し、この溶液に上記(1)のセンサーチップを浸漬し、
1時間室温で放置して反応させた。 (3)1%炭酸ナトリウム水溶液を加えて塩基性とし、
蛍光検出装置を用いて、フルオレセインの最大励起波長
(496nm)とほぼ等しい発振波長を有するアルゴンレ
ーザを励起光源として蛍光強度を測定した。 (4)HISの濃度を変え、上記(2)〜(3)と同様
の測定を繰り返し、HISの濃度と蛍光強度の関係を調
べ、検量線を作成した。 (5)検量線から、HISの検出限界は36ng/mlとな
り、アルゴンレーザを励起光源として使用したため、バ
ックグランドノイズが増加し、半導体レーザを用いた場
合より、感度が1桁低下した。 (6)また、同時にアルゴンレーザの長さが約50cmと
半導体レーザより10倍以上大型であるために、測定装
置そのものが大型のものとなった。
【0055】実施例6(競合法による抗ヒトインスリン
抗体の測定) (1)実施例5の(1)〜(2)と同様の方法で、aI
G−BC溶液を得た。 (2)実施例5の(3)と同様の方法で、FA溶液を得
た。 (3)BSAの代わりにHISを用いた以外は実施例2
の(3)と同様の方法で、HISを固定化したHIS固
定化センサーチップを作成した。 (4)濃度既知のaIG溶液と、上記(1)のaIG−
BC溶液を1:1の体積比で混合し、次いで上記(3)
のセンサーチップを浸漬した後、リン酸緩衝生理食塩水
で洗浄した。
【0056】(5)次に、上記(2)で作成したFA溶
液に上記(4)のセンサーチップを浸漬し、リン酸緩衝
生理食塩水で洗浄した。 (6)励起光源として800nm、1300nmの2種類の
半導体レーザーを用いた以外は、実施例5の(9)〜
(11)と同様の方法で、aIG濃度と蛍光強度の関係
を調べ、検量線を作成した。検量線から、aIGの検出
限界は5ng/mlであった。 (7)先の2種の半導体レーザーによりフルオレセイン
が励起されるのは以下の通りの計算による。 励起波長 496nm=20161cm-1 800nm=12500cm-1 1300nm= 7692cm-1 20161cm-1 12500cm-1+7692cm-1=20
192cm-1
【0057】実施例7(サンドイッチ法によるヒトイン
スリンの測定) (1)実施例5の(1)〜(3)と同様の方法で、aI
G−BC溶液とFA溶液を得た。次いで、両液を混合
し、ビオチン化キトサンの結合した抗ヒトインスリン抗
体とフルオレセイン酢酸エステル誘導体標識アビジンの
結合した測定試薬(以下、aIG−BC−FAと略す)
溶液を調製した。 (2)実施例5の(4)〜(5)と同様の方法で、aI
G固定化センサーチップを作成した。 (3)上記(2)のセンサーチップに実施例5の(6)
と同様の方法でHISを抗原として免疫反応させた後、
このセンサーチップを上記(1)で作成したaIG−B
C−FA溶液に浸漬した後、リン酸緩衝生理食塩水で洗
浄して、フルオレセイン酢酸エステル誘導体が結合した
センサーチップを得た。 (4)上記(3)のセンサーチップをエステラーゼ溶液
に浸漬し、以下実施例5の(10)〜(11)と同様の
方法で、HISの検出限界を測定したところ、5ng/ml
であった。
【0058】実施例8(競合法による抗ヒトインスリン
抗体の測定) (1)実施例7の(1)と同様の方法で、aIG−BC
−FA溶液を得た。 (2)BSAの代わりにHISを用いた以外は実施例2
の(3)と同様の方法で、HIS固定化センサーチップ
を作成した。 (3)濃度既知のaIG溶液と、上記(1)で作成した
溶液を1:1の体積比で混合し、次いで上記(2)のセ
ンサーチップを浸漬した後、リン酸緩衝生理食塩水で洗
浄した。 (4)実施例5の(9)〜(11)と同様の方法で、a
IGの検出限界を測定したところ、5ng/mlであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体レーザーを使用する蛍光測定系を示す。
【符合の説明】
1 小型光源 2 光検出器 3 ガイドレール 4 光ファイバー 5 センサーチップ 6 励起光透過・蛍光全反射ミラー 7 セル 8 コア表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−5472(JP,A) 特開 平5−249115(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/543 G01N 21/64 G01N 33/533

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵素又は基質で標識した抗体(又は抗
    原)を用いて、抗原(又は抗体)を測定する酵素免疫測
    定法において、基質として蛍光物質前駆体を用い、酵素
    反応により蛍光物質前駆体を塩基に可溶性の蛍光物質と
    し、塩基性条件下で、一光子励起により発する蛍光の強
    度が最大となる蛍光物質の最大励起波長λに対して、数
    式1の条件を満たす波長λiのレーザー光で励起し、発
    する蛍光を測定することを特徴とする生体試料の蛍光酵
    素免疫測定法。 【数1】 nは自然数(n≧2) iは自然数
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