JP5540964B2 - 蛍光標識剤、並びにこれを用いた結合体及びバイオアッセイ法 - Google Patents

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本発明は、高感度でありかつ耐光性および水和性を向上させた蛍光標識剤、並びにこれを用いた結合体及びバイオアッセイ法に関する。
核酸やタンパクなどの検出および定量において、近年、蛍光色素による標識を付したプローブや抗体などが広く用いられている。しかし、今日でもなお、より高感度な検出を可能とする蛍光色素へのニーズが高い。そのため、より検出感度の高い蛍光色素を目指した研究開発が種々行われている。これらの中で、近年発光性または化学発光性の化合物を複数個結合させた高分子化合物を標識剤として用いた検出法も提案されてきている。
一方、多糖類に蛍光色素を付した例としては、デキストランにフルオレセインなどの蛍光色素を付して得られる蛍光デキストランなどが挙げられる(A. N. de Belder et al., Carbohydr. Res., 30, 375-378 (1973)(非特許文献1)、C. G. Glabe et al., Anal. Biochem., 130, 287-294 (1983)(非特許文献2))。その中で、デキストランにフルオレセインイソチオシアネート(FITC)で蛍光標識して得られるFITC−デキストランは細胞染色の分野に広く用いられている。
多糖類に蛍光色素を付した他の例としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースにFITCで蛍光標識して得られるFITC−HPC−Hが挙げられる(特開平8−100001号公報(特許文献1))。このFITC−HPC−Hは、医薬品添加物に用いられるセルロース系基剤の体内動態を調べるための標識体であり、核酸やタンパク質等の他の生体分子への蛍光標識剤として用いるという技術的思想は示唆すらされていない。
デキストランは、D-グルコピラノースが主としてα1→6結合により連なった構造を有し、毒性が低く、生物学的に不活性な親水性多糖類である。このため、蛍光デキストランは、従来、細胞染色の分野において用いられてきた。このようなデキストランの性質に着目して、近年蛍光デキストランを細胞染色のみならず、蛍光標識剤としてバイオアッセイに応用することを企図した試みがなされ始めている。例えば、米国特許第6,627,460号明細書(特許文献2)は、デキストランに蛍光色素を直接あるいはBSAを介して結合させることにより水溶性中間複合体を調製し、この中間複合体を用いて抗体に蛍光標識化を行う試みを開示している。また、国際公開03/31794号パンフレット(特許文献3)にも、デキストランに蛍光色素を結合させることにより発光性高分子化合物を調製し、この発光性高分子化合物を用いて抗体に蛍光標識化を行う試みを開示している。ここで、前記特許文献2及び3に記載の発明では、抗体等への標識化と併せて蛍光デキストランをそれぞれ架橋反応およびビオチン−ストレプトアビジン結合を利用して互いに結合させることにより蛍光強度を向上させる試みがなされている。
しかし、前記特許文献2及び3には、デキストランに、水和性を向上させる基をさらに導入することについての記載がない。また、これ以外にも、蛍光標識剤としての蛍光デキストランの水和性を向上させることにより蛍光強度を高める試みは、前記特許文献2及び3を含めて未だ報告されていない。
特開平8−100001号公報 米国特許第6,627,460号明細書 国際公開03/31794号パンフレット
A. N. de Belder et al., Carbohydr. Res., 30, 375-378 (1973) C. G. Glabe et al., Anal. Biochem., 130, 287-294 (1983)
しかし、現在広く用いられている有機蛍光色素には、親水性が必ずしも充分ではないという問題点がある。
一方、デキストランなど多くの多糖類は、それ自体では水溶性があるものの、多糖類に蛍光色素による修飾を施すと、多くの場合蛍光色素が疎水的な性質を有するため、本来直鎖状の多糖類が蛍光色素を中心として疎水的に変化し水を排除するように構造変化を起こすことがある。このため、デキストランを蛍光標識剤として用いるためにはさらに水和性を向上させることが必要となる。
また、蛍光色素による修飾によってこのような構造変化が生じると、蛍光修飾された多糖類が水和するための表面積も確保できないため、標識対象とする分子を含む種々の分子が非特異吸着しやすくなるという問題点がある。
さらに、蛍光標識剤1分子当たりに複数の蛍光色素を含む場合、蛍光色素同士が集合することによるクエンチング(消光)現象が発生して、所期の検出感度が得られない場合がある。これに関連して、前記特許文献3には、ルミノールが計算上各々約300個結合したデキストランおよびビオチン化デキストランについて測定された発光強度が、ルミノール単独の発光強度の約4倍に留まっており、ルミノール1分子当たりの発光量子収率が大幅に低下していることが記載されている(第51〜52頁)。
本発明は、このような問題点を克服するため、水和性向上基を有する蛍光標識剤、並びにこの蛍光標識剤を用いた複合体及びバイオアッセイ方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究した結果、多糖類と蛍光色素とを含む蛍光標識剤に水和性向上基を導入することにより、これらの問題点が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
まず、第1の発明として、本発明に係る蛍光標識剤は、多糖類からなる担体部分を骨格とし該担体部分に蛍光色素部分、非イオン性の水和性向上基からなる水和性向上基部分、および、標識対象分子への結合部位がそれぞれ結合した構造を有し、
前記非イオン性の水和性向上基がポリエチレングリコール基であり、
前記多糖類がデキストランであり、且つ、
前記担体部分と前記水和性向上基部分との結合が、カルボキシル基、イソシアネート基またはイソチオシアネート基を付与した水和性向上基を、直接またはスペーサーを介して前記担体部分を構成する多糖類に結合させることによって形成されたものである
ここで、本発明に係る蛍光標識剤は、多糖類からなる担体部分を骨格とし、該担体部分に蛍光色素部分、非イオン性の水和性向上基からなる水和性向上基部分、および、標識対象分子への結合部位がそれぞれ結合した構造を有し、
前記非イオン性の水和性向上基がポリエチレングリコール基であり、
前記多糖類がデキストランであり、且つ、
前記水和性向上基部分が、前記担体部分を構成する多糖類にアルカリ条件下でエチレンクロロヒドリンまたはエチレンオキサイドを作用させることにより形成されたものであってもよい。
この蛍光標識剤においてこの非イオン性の水和性向上基の重量平均分子量は100以上1000以下であることが好ましい
また、この蛍光標識剤において、蛍光色素部分は、担体部分の分子量10000あたり3〜10分子の蛍光色素分子からなることが好ましく、担体部分の分子量は10万以下であることが好ましい。
に、本発明の第2の発明は、上記蛍光標識剤を含む結合体に係るものである。本発明に係る結合体は、標識対象分子と上記蛍光標識剤とを含み、この標識対象分子と蛍光標識剤とが結合部位を介して結合している。
この結合体の典型的な実施態様において、前記標識対象分子は、アナライトと特異的に結合可能なリガンドである。前記標識対象分子として前記リガンドが用いられる場合における具体的な実施態様の一つにおいて、前記リガンドが抗体である。
さらに、本発明の第3の発明は、バイオアッセイ法に係るものである。その1つとして、第1のバイオアッセイ法は、
検体と蛍光標識剤とを反応させることにより該検体中のアナライトと該蛍光標識剤とを結合させて、標識化アナライトを形成する工程と、
前記標識化アナライトを、蛍光検出により測定する工程と
を含む。 そして、第2のバイオアッセイ法は、
アナライトと特異的に結合可能なリガンドと前記蛍光標識剤とを結合させて、標識化リガンドを形成する工程と、
前記標識化リガンドに検体を接触させることにより該検体中のアナライトと該標識化リガンドとを結合させて、アナライト−リガンド−蛍光標識複合体を形成する工程と、
前記アナライト−リガンド−蛍光標識複合体を、蛍光検出により測定する工程と
を含む。この第2のバイオアッセイ法において、検体中のアナライトを、前記標識化リガンドとの接触前に予め基板に固定化する工程をさらに含むことが好ましい。
本発明に係る蛍光標識剤は、蛍光色素分子で修飾した多糖類にさらに水和性向上基を導入することにより、蛍光強度の増大というメリットを有しつつも非特異吸着および蛍光色素分子における消光を抑えることができ、さらに、蛍光色素分子の導入反応が起こりやすくなることで蛍光色素分子の導入率も向上するので、より高感度なバイオアッセイを可能とする。
本発明に係る蛍光標識剤の模式図を示す。
以下、本発明について、具体的に説明する。
〔蛍光標識剤〕
本発明の第1の発明として、本発明に係る蛍光標識剤は、
多糖類からなる担体部分、蛍光色素部分および水和性向上基部分を含み、且つ
標識対象分子への結合部位を有する。
図1に示すように、本発明に係る蛍光標識剤は、典型的には、多糖類からなる担体部分を骨格とし、これに蛍光色素部分、水和性向上基部分、および、標識対象分子への結合部位がそれぞれ結合した構造を有している。
担体部分
本発明において、担体部分は蛍光標識剤の骨格構造をなすものであり、具体的には多糖類からなるものである。ここで、本発明において、多糖類とは、1種または2種以上の単糖からなる繰り返し構造を有する糖の重合体を指す。
本発明において担体部分として用いられる多糖類は、タンパク質、ペプチド、核酸などの生体高分子と親和性のある水溶性の多糖類であることが好ましい。さらに、主として静電的な相互作用による生体分子への非特異吸着を抑制する観点からは、多糖類が電荷を有しないことが好ましい。また、本発明で用いられる蛍光標識剤は蛍光色素部分および水和性向上基部分を含み、且つ、標識対象分子への結合部位を有する必要がある。そのため、本発明で用いられる多糖類は、蛍光色素部分、水和性向上基部分および標識対象分子への結合部位と結合するために必要な官能基となり得る未修飾の水酸基を有している。このような多糖類として、デキストラン、プルラン、グリコーゲン、アガロースなど、中性糖からなる多糖類が挙げられる。
一方、本発明で用いられる多糖類は、生物学的に不活性であることが好ましい。この観点からは、生物には非常にまれなポリ-(α-D-1,6-グルコシル)結合を有する多糖類が、検体中に含まれうる酵素等による分解を受けにくいので好ましい。
これらの点を考慮すると、本発明で用いられる多糖類は、デキストランまたはプルランがより好ましく、蛍光標識剤の分子全体としての配向性が現れやすい点で、デキストランが特に好ましい。
また、本発明に係る蛍光標識剤において、蛍光測定における高感度化の観点からは、担体部分の分子量が大きい方が、後述する蛍光色素部分を構成する蛍光色素分子を多数結合できるので好ましい。他方、バイオアッセイにおいては、オリゴ核酸やオリゴペプチド等の比較的分子量の低い分子への蛍光標識化に用いる場合があることから、バイオアッセイにおける利便性を考慮すると、本発明に係る蛍光標識剤全体の分子量がある程度小さい方が好ましく、これに伴って、担体部分の分子量もある程度小さい方が好ましい。そのため、本発明に係る蛍光標識剤において、適当な担体部分の分子量は、好ましくは10万以下、より好ましくは1万〜10万である。
水和性向上基部分
本発明において、水和性向上基部分は蛍光標識剤の水和性を向上させる役割を果たす。また、水和性向上基部分は、本発明の蛍光標識剤における非特異吸着を防止するとともに、蛍光色素部分を構成する蛍光色素分子同士によるクエンチング(消光)現象を防止または抑制する役割をも有している。さらに、理由は不明ではあるものの、水和性向上基部分を有する本発明の蛍光標識剤においては、蛍光色素分子の耐光性が、もとの蛍光色素を単体で用いた場合と比べて向上する。そのため、本発明に係る蛍光標識剤は、バイオアッセイに用いられたときに感度の向上を実現することができる。
ここで、この水和性向上基部分は、1種または2種以上の水和性向上基からなる。ここで、主として静電的な相互作用による生体分子等への非特異吸着を抑制する観点からは、この水和性向上基部分が非イオン性の水和性向上基からなることが好ましい。このように非イオン性の水和性向上基を用いることは、検体由来のイオンおよびpHによる影響、並びにその他の好ましくない静電的な輻輳作用を最小化しうるので好ましい。このような水和性向上基は、上記蛍光色素分子からの蛍光発光を妨げる性質を有しない水和性向上基、すなわち、上記蛍光色素分子の最大励起波長付近及び最大蛍光波長付近のいずれの波長の光も実質的に吸光しない水和性向上基である限り特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレングリコール基、ポリプロピレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルポリグルコシドなどが挙げられる。
この水和性向上基部分が非イオン性の水和性向上基からなる場合、蛍光色素部分を構成する蛍光色素分子同士によるクエンチング(消光)現象を効果的に抑制できるよう、その水和性向上基の重量平均分子量は、ある程度大きい方が好ましい。一方、分子量が大きくなると反応性が落ちる傾向にある点からは、この水和性向上基の重量平均分子量が上記担体部分の分子量に対して過度に大きくならないことが好ましい。そのため、本発明において適当な水和性向上基の重量平均分子量は、好ましくは100以上1000以下であり、より好ましくは100以上500以下である。
この水和性向上基部分を構成する水和性向上基は、担体部分に共有結合で結合してもよく、水素結合、配位結合、イオン結合などにより結合してもよいが、通常は、共有結合で結合する。水和性向上基の導入方法としては、所要の分子量を有する水和性向上基を予め形成してから上記担体部分と結合する方法が挙げられる。この場合、導入する水和性向上基の分子量の制御が容易となる利点がある。例えば、担体部分を構成する多糖類に対して、カルボキシル基を付与した水和性向上基を、活性エステル法などの常法を用いて直接または適度の長さのスペーサーを介して結合させることにより、この多糖類に水和性向上基を導入することができる。ただし、カルボキシル基を付与した水和性向上基を結合させる代わりに、イソシアネート基またはイソチオシアネート基などの他の適当な反応性官能基を付与した水和性向上基を結合させることによって水和性向上基を結合させてもよい。
ここで、導入する水和性向上基が、繰り返し単位を有する重合体である場合には、担体部分にこの繰り返し単位に対応する単量体を重合させることにより水和性向上基を導入してもよい。例えば、担体部分を構成する多糖類にアルカリ条件下でエチレンクロロヒドリンまたはエチレンオキサイドを作用させることにより、ポリエチレングリコール基を導入することができる。この方法を用いる場合、ポリエチレングリコール基を導入する条件が激しいことから、蛍光色素分子、および後述する標識対象分子への結合部位の導入をポリエチレングリコール基を導入した後に行う必要がある。また、蛍光色素分子、および後述する標識対象分子への結合部位を担体部分に導入する際に、蛍光色素分子、および後述する標識対象分子への結合部位のうちの少なくとも一部がポリエチレングリコール基を介して担体部分に導入される。
なお、本明細書では、「水和性向上基」は、「親水性基」と呼ばれる場合もある。
蛍光色素部分
本発明において、蛍光色素部分は、少なくとも1つの蛍光色素分子からなる部分であり、所定の励起光を照射する、または電界効果を利用して励起することによって蛍光を発光する機能をなすものである。ここで、「蛍光」は、燐光など各種の発光も含む。
この蛍光色素部分を構成する蛍光色素分子として用いられる蛍光色素は、その種類に特に制限はなく、公知の蛍光色素のいずれであってもよい。一般に、単色比色計(monochromometer)よりむしろフィルタを備えた蛍光計の使用をも可能にし、かつ検出の効率を高める大きなストークス・シフトを有する蛍光色素が好ましい。
このような蛍光色素としては、例えば、フルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(Integrated DNA Technologies社製)、ポリハロフルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(アプライドバイオシステムズジャパン(株)製)、ヘキサクロロフルオレセイン・ファミリーの蛍光色素(アプライドバイオシステムズジャパン(株)製)、クマリン・ファミリーの蛍光色素(インビトロジェン(株)製)、ローダミン・ファミリーの蛍光色素(GEヘルスケア バイオサイエンス(株)製)、シアニン・ファミリーの蛍光色素、インドカルボシアニン・ファミリーの蛍光色素、オキサジン・ファミリーの蛍光色素、チアジン・ファミリーの蛍光色素、スクアライン・ファミリーの蛍光色素、キレート化ランタニド・ファミリーの蛍光色素、BODIPY(登録商標)・ファミリーの蛍光色素(インビトロジェン(株)製)、ナフタレンスルホン酸・ファミリーの蛍光色素、ピレン・ファミリーの蛍光色素、トリフェニルメタン・ファミリーの蛍光色素、Alexa Fluor(登録商標)色素シリーズ(インビトロジェン(株)製)などが挙げられ、さらに米国特許番号第6,406,297号、同第6,221,604号、同第5,994,063号、同第5,808,044号、同第5,880,287号、同第5,556,959号および同第5,135,717号に記載の蛍光色素も本発明で用いることができる。
これらのファミリーに含まれる代表的な蛍光色素の吸収波長(nm)および発光波長(nm)を表1に示す。
また、蛍光色素分子として用いられる蛍光色素は、上記有機蛍光色素に限られない。例えば、Eu、Tb等の希土類錯体系の蛍光色素も、本発明に用いられる蛍光色素分子となりうる。希土類錯体は、一般的に励起波長(310〜340nm程度)と発光波長(Eu錯体で615nm付近、Tb錯体で545nm付近)との波長差が大きく、蛍光寿命が数百マイクロ秒以上と長い特徴がある。市販されている希土類錯体系の蛍光色素の一例としては、ATBTA−Eu3+が挙げられる。
これらの蛍光色素は1種単独で用いてもよく、また2種以上併用してもよい。本発明においては、蛍光発光強度、耐光性及び標識性能の再現性の観点から、これらの蛍光色素のうち、Alexa Fluor(登録商標)色素シリーズの蛍光色素、またはHiLyte Fluor 647を用いることが好ましい。
これらの蛍光色素は、上記担体部分に共有結合で結合してもよく、配位結合、イオン結合などにより結合してもよいが、通常は、これらの蛍光色素を共有結合で結合する。例えば、上記担体部分を構成する多糖類に対して、カルボキシル基、イソシアネート基またはイソチオシアネート基、アミノ基などの適当な反応性官能基を付与した蛍光色素を、常法により直接または適度の長さのスペーサーを介して結合させることによって蛍光色素を結合させてもよい。また、多糖類への蛍光色素分子の導入方法は、多糖類を構成する単糖の環状構造を完全に維持する方法に限定されるものではなく、この多糖類の骨格が分断されない限りにおいて、一部の構成単糖における環状構造が破壊されるような方法であってもよい。例えば、前記特許文献3に記載されている方法に従い、多糖類にメタ過ヨウ素酸またはその塩を作用させて、その構成単糖に含まれる1,2-ジオール部分の一部を酸化的に開裂させアルデヒド基を形成させた後、アミノ基またはヒドラジル基を付与した蛍光色素をこのアルデヒド基の少なくとも一部に結合させることにより、この多糖類に蛍光色素分子を導入してもよい。
また、蛍光色素分子は、上記水和性向上基との関係で、水和性向上基を介することなく上記担体部分と結合するほか、その導入方法によっては水和性向上基を介して間接的に上記担体部分と結合することもありうる。しかし、蛍光色素分子同士によるクエンチング(消光)現象を効果的に抑制する観点からは、本願に係る蛍光標識剤の分子内に存在する蛍光色素分子の間に水和性向上基が割り込むことによって蛍光色素分子同士が互いに離れるようにすることが好ましい。この観点からは、蛍光色素分子が水和性向上基を介することなく上記担体部分と結合することが好ましい。
本発明では、担体部分を構成する多糖類にできるだけ多くの蛍光色素分子が導入されることが好ましい。ここで、構成糖100単位あたりに導入できる蛍光色素分子が100分子あれば理想的ではあるものの、立体障害を考慮すると構成糖の数に対して25分子程度、さらに蛍光色素分子のほかに水和性向上基も導入されることを考慮すると15分子程度が現実的な上限である。本発明の蛍光標識剤が、デキストランのようにグルコースを構成糖とする多糖類からなる担体を有する場合、蛍光色素分子によって、好ましくはグルコース単位で5〜25%、より好ましくは8〜15%のグルコース単位が置換されている。ここで、百分率の基準は、担体部分を構成する全てのグルコース単位が蛍光色素分子で置換された場合、すなわち、グルコース単位と同数の蛍光色素分子が導入された場合を100%とする。
別の視点から見れば、蛍光色素部分が、担体部分の分子量10000あたり3〜10分子の蛍光色素分子からなることが好ましい。
標識対象分子への結合部位
本発明において、標識対象分子への結合部位(以下、「結合部位」ともいう。)は、本発明に係る蛍光標識剤が標識対象分子との結合に関わる部位である。ここで、標識対象分子とは、後述するように、本発明に係る蛍光標識剤による標識対象となる生体分子またはこれに関連する分子のことである。
本発明において結合部位は、標識対象分子との間で共有結合、水素結合、配位結合、イオン結合などの結合を形成できる基を有していれば特に限定されないものの、例えば、公知の蛍光色素で用いられているような公知の反応性官能基を含んでいるとよい。このような反応性官能基の例としては、アミノ基、カルボキシル基、イソチオシアネート基、マレイミド基、アルデヒド基、メルカプト基、ヒドラジノ基などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。アッセイの観点からは、結合部位としてこのような反応性官能基が含まれていると都合がよい。また、バイオアッセイの分野で多用されているビオチン−ストレプトアビジン結合(あるいは、ビオチン−アビジン結合)を利用できる点からは、結合部位が、ビオチンまたはストレプトアビジンもしくはアビジンを含むものであってもよい。
一方、この結合部位と担体部分との間の結合は、共有結合でもよく、水素結合、配位結合、イオン結合などでもよいが、通常は、共有結合である。例えば、担体部分を構成する多糖類に対して、カルボキシル基、イソシアネート基またはイソチオシアネート基などの適当な反応性官能基を付与した結合部位を、常法により結合させることによって結合部位を導入することができる。ここで、この結合部位と担体部分とは、直接結合していてもよいし、適度の長さのスペーサーを介して結合していてもよい。また、結合部位として導入すべき所要の反応性官能基を直接導入できない場合には、その反応性官能基の前駆体となる前駆官能基を導入し、後にその前駆官能基を所要の反応性官能基に変換することにより結合部位を導入してもよい。
また、前記「蛍光色素部分」の項で述べたように、上記担体部分を構成する多糖類の構成単糖に含まれる1,2-ジオール部分の一部を酸化的に開裂させアルデヒド基を形成させた場合には、カルボキシル基を付与した結合部位に代えてアミノ基またはヒドラジル基を付与した結合部位を導入することによって結合部位を導入することができる。
標識対象分子
本発明において、標識対象分子とは、本発明に係る蛍光標識剤による標識対象となる生体分子またはその分子断片、あるいはこれらに関連する分子のことである。この標識対象分子の典型例としては、アナライト、およびアナライトと特異的に結合可能なリガンドなどが挙げられるが、本発明に係る蛍光標識剤による標識対象となる生体分子またはこれに関連する分子である限りこれらに限定されるものではない。例えば、アナライトとリガンドとの複合体であってもよい。標識対象分子は、一般的な公知のバイオアッセイにおいて蛍光標識の対象とされる生体分子またはこれに関連する分子であれば、特にその種類に限りはなく、例えば、核酸、タンパク質、アミノ酸、糖質、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などが挙げられる。なお、「アナライト」および「アナライトと特異的に結合可能なリガンド」の意義については、後で説明する。
蛍光標識剤の製造方法
本発明に係る蛍光標識剤は、多糖類からなる担体部分に、蛍光色素部分、水和性向上基部分、および標識対象分子への結合部位をそれぞれ結合させることによって得られる。これらの蛍光色素部分、水和性向上基部分、および標識対象分子への結合部位は、いずれも、上記担体部分に対して直接または適度の長さのスペーサーを介して、結合させてもよい。また、これらの蛍光色素部分、水和性向上基部分、および標識対象分子への結合部位が適切に上記担体部分に導入され、且つ蛍光標識としての機能を損なわない限り、これらの蛍光色素部分、水和性向上基部分、および標識対象分子への結合部位を公知の反応により任意の順番で上記担体部分に導入してもよい。
本発明に係る蛍光標識剤を製造する方法としては、多糖類の環構造上にアミノ基を有する、キトサン等では、蛍光色素および親水性基の活性エステル体と多糖類のアミノ基とのアミンカップリング反応を行うことで製造できる。また、ヒアルロン酸のようにカルボキシル基を有する構造では、蛍光色素および親水性基のアミノ体とアミンカップリング反応を行い製造できる。一方デキストラン、セルロースの様に特定の反応性基を有していない場合、アミノ基を導入するためにリジンを反応させたり、カルボキシル基を導入するために、強塩基下でブロモ酢酸を反応させることで反応基を導入できる。リガンドを標識する場合は上記同様に環構造中のアミノ基またはカルボキシル基を用いてリガンド中の反応基と反応させることで標識化できるが標識位置の選択性は高くない。
結合部位としてビオチンを導入する場合を例にとると、1つには、例えば、前記特許文献3に記載されている方法に従い、
上記担体部分を構成する多糖類の構成単糖に含まれる1,2-ジオール部分の一部をメタ過ヨウ素酸またはその塩などを用いて酸化的に開裂させてアルデヒド基を形成し、
次いで、アミノ基を有する蛍光色素およびビオチンのヒドラジド誘導体と反応させ、
その後水素ホウ素ナトリウム等により未反応のアルデヒド基を還元する
ことにより得られる高分子化合物に対して、
カルボキシル基、イソシアネート基またはイソチオシアネート基などと反応性を示す適当な官能基を予め付与した一定の分子量を有する水和性向上基を、常法を用いて導入する方法が挙げられる。
また、2つめの方法としては、カルボキシル基、イソシアネート基またはイソチオシアネート基などと反応性を示す適当な官能基を予め付与した蛍光色素部分とビオチン誘導体を、それぞれ常法を用いて担体部分に導入し、
その後、カルボキシル基、イソシアネート基またはイソチオシアネート基などと反応性を示す適当な官能基を予め付与した水和性向上基を、常法を用いて導入する
方法も挙げられる。
さらに、3つめの方法としては、
まず、担体部分を構成する多糖類に塩基性条件下で、例えばエチレンクロロヒドリンまたはエチレンオキサイドを作用させることにより、ポリエチレングリコール基を導入し、
次いで、カルボキシル基、イソシアネート基またはイソチオシアネート基などと反応性を示す適当な官能基を予め付与した蛍光色素部分とビオチン誘導体を、それぞれ常法を用いて上記担体部分に導入する 方法も挙げられる。この3つめの方法の場合には、蛍光色素部分を構成する蛍光色素分子のうちの少なくとも一部はポリエチレングリコール基を介して担体部分と結合する。
本発明の場合、反応性と蛍光体(蛍光色素分子。以下、「蛍光色素分子」を「蛍光体」ともいう)の安定性の観点から、これらの方法のうち、アミンカップリングの方法が好ましい。
なお、以上に示した3つの方法は、本発明に係る蛍光標識剤の製造方法を例示したものであるに過ぎず、これらの方法に本発明に係る蛍光標識剤の製造方法が限定されるものではない。
〔結合体〕
本発明の第2の発明として、本発明に係る結合体は、
標識対象分子と第1の発明に係る蛍光標識剤とを含み、
この標識対象分子と蛍光標識剤とが前記結合部位を介して結合している。
この第2に発明に係る結合体において、「標識対象分子」、「結合部位」の意義は、いずれも、上記第1の発明に係る蛍光標識剤におけるものと同様である。したがって、標識対象分子の典型例としては、アナライト、およびアナライトと特異的に結合可能なリガンドなどが挙げられる。
アナライト
本発明において「アナライト」は、上記蛍光標識剤を用いた各種バイオアッセイ法における検出の対象となる分子または分子断片を意味し、このような「分子」または「分子断片」としては、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む。)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などが挙げられ、具体的には、AFP(αフェトプロテイン)等のがん胎児性抗原や腫瘍マーカー、シグナル伝達物質、ホルモンなどであってもよく、特に限定されない。
アナライトと特異的に結合可能なリガンド
本発明において、「アナライトと特異的に結合可能なリガンド」(本発明において、「リガンド」ともいう。)は、検体中に含有される上記アナライトを特異的に認識し(または、認識され)結合し得る分子または分子断片をいう。このような「分子」または「分子断片」としては、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む。)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
「タンパク質」としては、例えば、抗体などが挙げられ、具体的には、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体((株)日本医学臨床検査研究所などから入手可能)、抗ガン胎児性抗原(CEA)モノクローナル抗体、抗CA19−9モノクローナル抗体、抗PSAモノクローナル抗体などが挙げられる。
なお、本発明において、「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体、遺伝子組換えにより得られる抗体、および抗体断片を包含する。
一般的なバイオアッセイにおいては、抗原がアナライトとされる場合が多いことから、これに対応するリガンドとして、この抗原に対応する抗体が用いられることが多い。このため、本発明に係る結合体に含まれる標識対象分子としてのリガンドの典型例は、抗体である。
結合体
本発明に係る結合体は、上記標識対象分子が直接または適当なスペーサーを介して第1の発明に係る蛍光標識剤中の結合部位と結合し、これにより標識対象分子と第1の発明に係る蛍光標識剤とが結合した構造を有している。このときの結合方法は、共有結合であってもよく、水素結合、配位結合、イオン結合などであってもよく、あるいは、ビオチン−ストレプトアビジン結合等の親和性を利用した結合であってもよい。
このような結合体の典型例としては、アナライトが直接または適当なスペーサーを介して第1の発明に係る蛍光標識剤と結合している標識化アナライト、リガンドが直接または適当なスペーサーを介して第1の発明に係る蛍光標識剤と結合している標識化リガンドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、アナライトとリガンドとからなる複合体が直接または適当なスペーサーを介して第1の発明に係る蛍光標識剤と結合している複合体であってもよい。
本発明に係る結合体は、標識対象分子に第1の発明に係る蛍光標識剤を反応させることにより得られる。このとき、標識対象分子と第1の発明に係る蛍光標識剤とを直接結合してもよいし、適当なスペーサーを介して結合してもよい。
〔バイオアッセイ法〕
本発明の第3の発明として、本発明に係る第1のバイオアッセイ法は、
検体と第1の発明に係る蛍光標識剤とを反応させることにより該検体中のアナライトと該蛍光標識剤とを結合させて、標識化アナライトを形成する工程と、
前記標識化アナライトを、蛍光検出により測定する工程と
を含む。
また、本発明に係る第2のバイオアッセイ法は、
アナライトと特異的に結合可能なリガンドと第1の発明に係る蛍光標識剤とを結合させて、標識化リガンドを形成する工程と、
前記標識化リガンドに検体を接触させることにより該検体中のアナライトと該リガンド−蛍光標識結合体とを結合させて、アナライト−リガンド−蛍光標識複合体を形成する工程と、
前記アナライト−リガンド−蛍光標識複合体を、蛍光検出により測定する工程と
を含む。
この第3の発明において、「アナライト」および「アナライトと特異的に結合可能なリガンド」の意義は、上記第2の発明において説明したものと同じである。
本願発明に係るバイオアッセイ法における工程を大別すると、2つの工程に分けることができる。
そのうち、第1の工程は、検体中に含まれるアナライトに対して直接的または間接的に標識化を行い、蛍光測定を行うために必要な形態を有する測定用複合体を形成させる工程である。
そして、第2の工程は、前記第1の工程で形成された測定用複合体、すなわち、標識化アナライトまたはアナライト−リガンド−蛍光標識複合体を蛍光検出により測定する工程である。
<第1の工程>
(1)本発明に係る第1のバイオアッセイ法では、蛍光測定に用いる測定用複合体は標識化アナライトである。したがって、第1のバイオアッセイ法における第1の工程は、具体的には、検体と第1の発明に係る蛍光標識剤とを反応させることにより該検体中のアナライトと該蛍光標識剤とを結合させて、標識化アナライトを形成する工程である。
具体的には、検体に対して必要に応じて抽出、精製、増幅、化学修飾等の前処理を行ってから、第1の発明に係る蛍光標識剤と反応させる工程である。この工程により、検体に含まれるアナライトと第1の発明に係る蛍光標識剤とが結合し、アナライトの蛍光標識化が行われる。ここでは、蛍光標識化がなされたアナライトのことを標識化アナライトという。
第1のバイオアッセイ法では、この標識化アナライト自体が、測定用複合体として引き続く第2の工程における蛍光検出による測定対象となる。
(2)本発明に係る第2のバイオアッセイ法では、蛍光測定に用いる測定用複合体はアナライト−リガンド−蛍光標識複合体である。この方法では、一旦標識化リガンドを形成させてから前記複合体を形成することから、第2のバイオアッセイ法における第1の工程は、さらに2つの小工程からなる。
(a) 第1の小工程は、アナライトと特異的に結合可能なリガンド(以下、「リガンド」)と、第1の発明に係る蛍光標識剤とを結合させて、標識化リガンドを形成する工程である。
具体的には、リガンドに対して第1の発明に係る蛍光標識剤と反応させる工程である。この工程により、リガンドと第1の発明に係る蛍光標識剤とが結合し、リガンドの蛍光標識化が行われる。ここでは、蛍光標識化がなされたリガンドのことを標識化リガンドという。なお、後述する第2のリガンドとの区別のため、第1の発明に係る蛍光標識剤と結合させたリガンドを「第1のリガンド」ということがある。
(b) 第2の小工程は、第1の小工程で形成された標識化リガンドに検体を接触させることによりこの検体中のアナライトとこの標識化リガンドとを結合させて、アナライト−リガンド−蛍光標識複合体を形成する工程である。
具体的には、検体中のアナライトと標識化リガンドとを反応させる工程である。この工程により、アナライトとリガンドと蛍光標識とからなる複合体が形成され、リガンドを介してアナライトの蛍光標識化がなされる。ここでは、蛍光標識化がなされた複合体のことをアナライト−リガンド−蛍光標識複合体という。
ここで、第2のバイオアッセイ法を固相で行う場合、この第2の小工程に先立ち、検体中のアナライトを予め固定する工程が行われることがある。具体的には、基板上に公知の手段により蛍光標識のなされていない第2のリガンドを固定し、次いで、アナライトを含む検体溶液をこの第2のリガンドと接触させることによって第2のリガンドとアナライトからなる中間複合体を形成させる。この過程で、アナライトは第2のリガンドを介して基板に固定化される。
その後、このように形成した中間複合体に対して第1の小工程により形成しておいた標識化リガンドを含む溶液を接触させることによって第2のリガンドとアナライトと標識化リガンドとからなる最終複合体を形成させる。この過程で、標識化リガンドも基板に固定化され、同時にアナライトの標識化が行われる。この最終複合体は、第2のリガンドとアナライトと第1のリガンドと蛍光標識とからなる複合体であり、上記アナライト−リガンド−蛍光標識複合体の構成を含んでいる。
第2のバイオアッセイ法では、このアナライト−リガンド−蛍光標識複合体、あるいは前記最終複合体が、測定用複合体として引き続く第2の工程における蛍光検出による測定対象となる。
<第2の工程>
本願発明に係るバイオアッセイ法における
この工程で用いられる測定方法は、バイオアッセイの分野において一般に用いられている公知の蛍光測定の方法であれば特に限定されない。また、測定用複合体が液相に存在するか、基板等に固定されているかの別をも問わない。
蛍光検出による測定方法の例としては、1つには、1種類の本発明に係る蛍光標識剤を用いて測定用複合体を形成し、この測定用複合体に対して、励起光を照射し、その励起光に対応する蛍光発光の強度を計測することによる方法が挙げられる。
また、別の方法としては、本発明に係る蛍光標識剤を含む2種類以上の蛍光標識剤を用い、アナライトとリガンドとが結合したときに始めてFRETが生じるような組み合わせとなるようにアナライトとリガンドのそれぞれに蛍光標識剤を結合させて測定用複合体を形成し、この測定用複合体に対して、励起光を照射し、その励起光に対応するFRETによる蛍光発光の強度を計測することによる方法も挙げられる。
蛍光の発生方法としては、主として、測定用複合体に対して直接励起光を照射することによって蛍光を発生させる方法が挙げられるが、この方法に限定されるものではない。例えば、電場によるエネルギーなど他の形態のエネルギーを供給することにより、あるいは、表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS)のように励起光を一旦他の形態のエネルギーに変換して供給することにより蛍光を発生させてもよい。
検体
本発明において、「検体」とは、本発明のバイオアッセイ法による測定対象となる種々の試料をいう。
「検体」としては、例えば、血液(血清・血漿)、尿、鼻孔液、唾液、便、体腔液(髄液、腹水、胸水等)などが挙げられ、所望の溶媒、緩衝液等に適宜希釈して用いてもよい。これら検体のうち、血液、血清、血漿、尿、鼻孔液および唾液が好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、また、2種以上を併用してもよい。
(蛍光デキストランの調製)
[合成例1]
カルボキシメチルデキストラン(名糖産業製CMD、分子量1万、置換度1.04)100mgをTEMED buffer(テトラメチルエチレンジアミン、10mM、pH4.7)500μlに溶解し、40mgのWSC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)を添加して、室温で2時間反応させた。その後、1,4-ジアミノブタン30mgを添加して、室温で4時間反応させた。更に、蛍光色素の活性エステル体(Alexa 647)を20mg加えて6時間反応後、ポリエチレングリコールの活性エステル(Metyl-PEO4-NHS、Pierce社製(MW333.33))を40mg加えて1昼夜反応させた。反応生成物をディスポーザブルPD10(GEヘルスケア社製)で精製して目的物の蛍光デキストラン(以下、「蛍光デキストラン1」)87mgを得た。
[合成例2]
蛍光色素として、Alexa647に代えてHiLyte Fluor 647を用いたことを除き、合成例1と同じ手法により蛍光デキストラン(以下、「蛍光デキストラン2」)を調製した。
[合成例3]
水溶性基を導入するために用いられるポリエチレングリコールの活性エステルとして、Metyl-PEO4-NHSに代えてMetyl-PEO12-NHS(Pierce社製:MW685.75)を用いたことを除き、合成例1と同じ手法により蛍光デキストラン(以下、「蛍光デキストラン3」)を調製した。
[比較合成例1]
カルボキシメチルデキストラン(名糖産業製CMD、分子量1万、置換度1.04)100mgをTEMED buffer(テトラメチルエチレンジアミン、10mM、pH4.7)500μlに溶解し、40mgのWSC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)を添加して、室温で2時間反応させた。その後、蛍光色素アミノ体(同仁化学製品 HiLyte Fluor 647 Labeling Kit - NH2)を20mg加えて1昼夜反応させた。反応生成物をディスポーザブルPD10(GEヘルスケア社製)で精製して目的物の蛍光デキストラン(以下、「比較蛍光デキストラン1」)87mgを得た。
[比較蛍光標識剤]
Alexa Fluor 647による修飾が施されている市販の蛍光デキストランD22914(分子量10000、モレキュラープローブ社製)を比較蛍光標識剤として用いた(以下、「比較蛍光デキストラン2」)。
(標識抗体の調製)
[蛍光デキストランを用いた標識抗AFPモノクローナル抗体の調製方法]
〔標識抗体:蛍光デキストラン標識抗AFPモノクローナル抗体の調製〕
蛍光デキストラン1を20mg秤量し、25mM MES(2−モルホリノエタンスルホン酸)バッファー (pH 6.0) 1 mLに溶解後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC:(株)同人化学研究所製)50 mM、N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS:Thermo Scientific社製)50 mMによりカルボキシル基を活性化させた。 活性化させた蛍光デキストラン4 μLを、1.4 mg/mL 抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体(6D2、ミクリ免疫研究所(株)製)、100 μLに添加し(10当量)、室温で1時間反応させて蛍光デキストランを抗体に反応させた。 反応後、遠心式限外ろ過(Millipore社製)により精製することで、蛍光デキストラン標識抗AFPモノクローナル抗体溶液を得た(標識抗体1)。
得られた抗体溶液はタンパク質、蛍光色素濃度を吸光度測定器により定量後、4℃で保存した。
標識抗体2および3についても、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体と結合させる蛍光デキストランとして、蛍光デキストラン1に代えて蛍光デキストラン2および蛍光デキストラン3をそれぞれ用いたことを除き、同様の方法により調製した。
[比較標識抗体の調整方法]
〔標識二次抗体1:「Alexa Fluor 647」標識抗AFPモノクローナル抗体の調製〕
抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体(6D2、2.5mg/mL、ミクリ免疫研究所(株)製)を、市販のAlexa Fluor 647ラベリングキット(Molecular Probes社製)により調製し、Alexa Fluor 647標識抗AFPモノクローナル抗体溶液(比較標識抗体3)を得た。
得られた抗体溶液はタンパク質、蛍光色素濃度を吸光度測定器により定量後、4℃で保存した。
〔標識抗体:蛍光デキストラン標識抗AFPモノクローナル抗体の調製〕
比較標識抗体1および比較標識抗体2については、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体と結合させる蛍光デキストランとして、蛍光デキストラン1に代えて比較蛍光デキストラン1および比較蛍光デキストラン2をそれぞれ用いたことを除き、標識抗体1と同様の手法により調製した。
[標識一次抗体:「顕色剤」標識抗AFPモノクローナル抗体の調製]
1.4 mg/mL 抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体(1D5、ミクリ免疫研究所(株)製)、25mM MESバッファー (pH 6.0) 1 mLに、EDC 50 mM、NHS 50 mMを加えてカルボキシル基を活性化させた。 4−アミノサリチル酸を顕色剤として用い、抗体溶液100 μLに対して、5 mM の顕色剤を4 μL添加し(10当量)、室温で1時間反応させて顕色剤を抗体に結合させた。 反応後、遠心式限外ろ過により精製することで、顕色剤標識抗AFPモノクローナル抗体溶液を得た。得られた抗体溶液はタンパク質濃度を吸光度測定器により定量後、4℃で保存した。
[実施例1]
上述のように得られた各標識抗体および各比較標識抗体について、標識体としての性能評価を行った。
(a) 標識抗体当たりの蛍光体導入率は、一定量の標識抗体を秤量後、蛍光体の分光吸収ピークを測定し、抗体単位あたりの導入蛍光体数に換算したものである。
・測定装置:NanoDrop 2000(サーモサイエンティフック社製)
(b) 標識抗体当たりの蛍光強度は、一定量の標識抗体を秤量後、蛍光体の蛍光ピークを測定し、消光しない標識前の蛍光体標準品を元にして、蛍光強度の相対値を測定し抗体単位あたりの蛍光強度に換算したものである。
・測定装置:蛍光光度計ND-3300(サーモサイエンティフック社製)
本発明の蛍光デキストランは蛍光体の導入率が高く、かつ相対的な強度も高いことから、従来の蛍光デキストランと比較して消光する分子が少ないことが分かる。このことは、本発明の蛍光デキストランを用いた標識抗体1〜3は、親水性基の導入を行わなかった蛍光デキストランを用いた比較標識抗体1、市販の蛍光デキストランを用いた比較標識抗体2、および通常のAlexa Fluor 647標識を行った比較標識抗体3と比べて高い有効蛍光強度を示したことに顕著に表れている。
[実施例2]
SPFSを用いたサンドイッチイムノアッセイ評価
(工程1:金属薄膜の形成)
厚さ1mmのガラス製の透明平面基板「S-LAL 10」((株)オハラ製。屈折率〔nd〕=1.72)を、プラズマドライクリーナーでプラズマ洗浄した。プラズマ洗浄された基板表面に金薄膜をスパッタリング法により形成した。金薄膜の厚さは44〜52nmであった。
(工程2:カルボキシメチルデキストランの結合)
前記工程1により得られた基板を、10−アミノ−1−デカンチオールを1mM含むエタノール溶液に12時間以上浸漬し、金薄膜の片面にSAM(Self Assembled Monolayer;自己組織化単分子膜)を形成した。この基板を、前記エタノール溶液から取り出し、エタノールおよびイソプロパノールでそれぞれ洗浄した後、エアガンを用いて乾燥させた。得られたSAMがパターニングされた金属基板をカルボキシメチルデキストラン(名糖産業(株)製、分子量500万、置換度1.08)1mg/mL水溶液に浸漬した。更に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC:(株)同人化学研究所製)、N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS:Thermo Scientific社製)をそれぞれ0.5mMになるように加え1.5時間室温で反応させ、アミノ基末端のSAMとデキストランのカルボキシル基とのアミドカップリングを行うことによりデキストランが固定化されたプラズモン励起センサ前駆基板を得た。 反応終了後、1 Nの水酸化ナトリウムを基板表面に滴下し、室温で30分反応させることにより、活性化したカルボキシル基をカルボン酸に変換した。
(工程3:一次抗体固定化)
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC:(株)同人化学研究所製)、N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS:Thermo Scientific社製)それぞれ100mMを含む25mM MES(2−モルホリノエタンスルホン酸) バッファー、 10mM NaCl(pH6.0)混合液を、デキストランを固定した基板に滴下し、20分室温で反応させ、センサチップに組み込まれた前駆基板の表面に固定されたカルボキシメチルデキストランを活性エステル化した。
続いて、抗αフェトプロテイン(AFP)モノクローナル抗体(1D5、1.8mg/mL、ミクリ免疫研究所(株)製)を、当該抗体が50μg/mLとなるよう25mM MES(2−モルホリノエタンスルホン酸) バッファー、 10mM NaCl(pH6.0)にて希釈して得られた溶液を、前記基板に滴下し、室温で30分反応させ、当該抗体を前記カルボキシメチルデキストランに連結した。
最後に、1%BSA−TBSバッファー(pH7.4)溶液を基板に滴下し、40分間室温で反応させることによってブロッキング処理をし、表面プラズモン励起センサを完成させた。
(工程4:センサチップの構築)
工程3で得られたプラズモン励起センサ前駆基板のうちの抗体が結合された側の面に、測定領域を形成するための、流路長7mm、幅2mmの厚さ2mmのポリメチルメタクリレート(PMMA)製流路を載せた。このPMMA製流路には、送液導入用の穴(送液導入口)および送液排出用の穴(送液排出口)が形成されている。これらセンサ基板、およびPMMA製流路の積層物を外周部で圧着してビスで固定し、センサチップとした。
センサチップの送液導入口および送液排出口に、シリコーンゴム製のチューブおよびペリスタポンプを連結した(以下、特に記載しない限り、各種流体の送液および循環をすべてこのようなチューブおよびペリスタポンプを用いて行った)。
(工程5:シグナルの測定)
前記工程1〜4により作製された表面プラズモン励起センサに、まず、AFP(2.0mg/mL溶液、Acris Antibodies GmbH社)が0.1ng/mLとなるようPBSバッファー(pH7.4)で希釈した溶液を、5000μL/minにて25分間フローさせた。洗浄工程として、0.05%Tween20を含んだTBS溶液(pH7.4)を5000μL/minにて2分間フローさせた。
つづいて、前述のようにして調製した標識二次抗体:「Alexa Fluor 647」標識抗AFPモノクローナル抗体(比較標識抗体3)が2.5μg/mLとなるよう1%BSA−PBSバッファー(pH7.4)で希釈した溶液を、5000μL/minにて5分間フローさせた。洗浄工程として、0.05%Tween20を含んだTBS溶液(pH7.4)を5000μL/minにて2分間フローさせた。
その後、表面プラズモン励起センサの裏側からプリズムを経由してレーザ光(640nm、40μW)を照射し、センサ表面から発せられる蛍光量をCCDで測定した。この測定値を「アッセイシグナル」とした。
一方、前記工程1〜4により作製された別の表面プラズモン励起センサについて、上記最初のステップでAFPを全く含まない(0ng/mL)1%BSA−PBSバッファー(pH7.4)をフローさせた以外は上記と同じ手順で蛍光量を測定し、その測定値を「ブランクシグナル」とした。
更に比較標識抗体2、1および本発明の標識抗体1、2、3を用いたアッセイを行った。
以上の実施例および比較例それぞれについて、ブランクシグナルおよびアッセイシグナ
ルから下記式によりS/N比を算出した。
S/N比=|(アッセイシグナル)|/|(ブランクシグナル)|
測定結果を、下記表3に示す。
[結果]
表3の結果から明らかなように、本発明の親水性基を導入した蛍光デキストランを用いたSPFS測定では、従来の蛍光デキストラン標識抗体を用いたものよりも測定シグナルが大きく、ブランクが小さいので、圧倒的に非特異吸着が少ないことが分かる(標識抗体1〜3)。また、通常の低分子標識剤で標識された抗体(比較標識抗体3)に比べても蛍光シグナルの向上が大きく、測定困難な微量測定でも有益な標識体であることが分かる。一方、親水性基を有さない従来の蛍光デキストランを用いたもの(比較標識抗体1および2)では、ブランクが大きく非特異吸着が大きいことが示唆されており、標識剤としての使用に適さないことが分かる。

Claims (11)

  1. 多糖類からなる担体部分を骨格とし該担体部分に蛍光色素部分、非イオン性の水和性向上基からなる水和性向上基部分、および、標識対象分子への結合部位がそれぞれ結合した構造を有し、
    前記非イオン性の水和性向上基がポリエチレングリコール基であり、
    前記多糖類がデキストランであり、且つ、
    前記担体部分と前記水和性向上基部分との結合が、カルボキシル基、イソシアネート基またはイソチオシアネート基を付与した水和性向上基を、直接またはスペーサーを介して前記担体部分を構成する多糖類に結合させることによって形成されたものである
    蛍光標識剤。
  2. 多糖類からなる担体部分を骨格とし、該担体部分に蛍光色素部分、非イオン性の水和性向上基からなる水和性向上基部分、および、標識対象分子への結合部位がそれぞれ結合した構造を有し、
    前記非イオン性の水和性向上基がポリエチレングリコール基であり、
    前記多糖類がデキストランであり、且つ、
    前記水和性向上基部分が、前記担体部分を構成する多糖類にアルカリ条件下でエチレンクロロヒドリンまたはエチレンオキサイドを作用させることにより形成されたものである
    蛍光標識剤。
  3. 前記非イオン性の水和性向上基の重量平均分子量が100以上1000以下である請求項1または2に記載の蛍光標識剤。
  4. 前記蛍光色素部分が、前記担体部分の分子量10000あたり3〜10分子の蛍光色素分子からなる請求項1〜のいずれかに記載の蛍光標識剤。
  5. 上記担体部分の分子量が10万以下である請求項1〜のいずれかに記載の蛍光標識剤。
  6. 標識対象分子と請求項1〜のいずれかに記載の蛍光標識剤とを含み、該標識対象分子と該蛍光標識剤とが前記結合部位を介して結合している結合体。
  7. 前記標識対象分子が、アナライトと特異的に結合可能なリガンドである請求項に記載の結合体。
  8. 前記リガンドが抗体である請求項に記載の結合体。
  9. 検体と請求項1〜のいずれかに記載の蛍光標識剤とを反応させることにより該検体中のアナライトと該蛍光標識剤とを結合させて、標識化アナライトを形成する工程と、
    前記標識化アナライトを、蛍光検出により測定する工程と
    を含むバイオアッセイ法。
  10. アナライトと特異的に結合可能なリガンドと請求項1〜のいずれかに記載の蛍光標識剤とを結合させて、標識化リガンドを形成する工程と、
    前記標識化リガンドに検体を接触させることにより該検体中のアナライトと該標識化リガンドとを結合させて、アナライト−リガンド−蛍光標識複合体を形成する工程と、
    前記アナライト−リガンド−蛍光標識複合体を、蛍光検出により測定する工程と
    を含むバイオアッセイ法。
  11. 前記検体中のアナライトを、前記標識化リガンドとの接触前に予め基板に固定化する工程をさらに含む請求項10に記載のバイオアッセイ法。
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