JP3134231B2 - 固相生物学的特異反応測定法およびそのための器具 - Google Patents
固相生物学的特異反応測定法およびそのための器具Info
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Description
づく物質の測定方法およびそのための器具に関するもの
である。
多孔質マトリックス固相化し、被測定物質を分析する方
法は、例えばMethods in Enzymolo
gyVo1,73,1981,p646−656にIg
Eの測定が示されているように、公知である。また多孔
質マトリックスの素材としてガラス、金属、ポリエチレ
ン、多糖類等からなるフィルターを使用し得ることが、
特表昭60−500384号公報に記載されている。
多孔質マトリックスとして、種々の材料が例示されてい
るが、推奨されているのは、多糖類であり、また実施例
において具体的に使用されているのは、従来からブロッ
ティングで使用されていたセルロースである。しかし、
セルロースから成る多孔質マトリックスでは構造が緻密
過ぎて、液の流れが悪く、大量の検体を測定することは
困難であり、簡便性に欠けていた。
リックスを固相とする分析方法において、特定範囲の繊
維径を有するガラス繊維で構成されたフィルターを使用
することによって、簡便で安定性及び精度の優れた測定
ができることを見い出し本発明を完成した。
0.3〜2.0μmの範囲のガラス繊維で構成されたフ
ィルターに被測定物質と特異的に反応する第一の物質を
結合した多孔質マトリックスを固相とし、その下部に多
孔質マトリックスを通過した溶液を吸収するための吸収
層を、逆流防止層を介してあるいは介さずに設けた固相
生物学的特異反応測定器具の多孔質マトリックスの上部
から、 A.被測定物質を含む試料、 B.検出可能なシグナル発生物質を結合した、被測定物
質または該第一の物質と特異的に反応する第二の物質お
よび C.洗浄液 を順次供給し、シグナル発生物質を測定することによっ
て、多孔質マトリックス上に残った被測定物質の量を求
めることを特徴とする固相生物学的特異反応測定方法並
びに平均直径が0.3〜2.0μmの範囲のガラス繊維
で構成されたフィルターに被測定物質と特異的に反応す
る物質を結合した多孔質マトリックスを固相とし、その
下部に多孔質マトリックスを通過した溶液を吸収するた
めの吸収層を、逆流防止層を介してあるいは介さずに設
けた固相生物学的特異反応測定器具に存する。
吸着しにくいことが知られているが、上記範囲の平均直
径を有するガラス繊維で構成されたフィルターは充分蛋
白成分を吸着し、常に安定した分析結果をもたらすとい
うことは驚くべきことである。
さは特に限定されるものではないが、平均繊維長は0.
5〜2mmの範囲が好ましい。
を吸収するものであれば特に限定されないが、例えばセ
ルロースまたはセルロース誘導体を主成分とする紙の重
層物が使用される。
が、必要により多孔質マトリックスと吸収層の間に設け
てもよい。逆流防止層の材質としては、例えば疎水性の
不織布シート、ウェーブ材等が挙げられる。
づくものであり、このような特異反応の例としては、 (1) 抗原−抗体反応 (2) 核酸のハイブリダイゼーション (3) 糖鎖−レクチン反応 (4) アビジン−ビオチン反応 等が挙げられる。
よび第二物質の組み合わせ例としては、抗原−抗体、D
NA(またはRNA)−相補的DNA(またはRN
A)、糖−レクチン、アビジン−ビオジン等が挙げられ
る。
しては、例えばフィルターに第一物質を含む溶液を通過
させてやればよい。該溶液が低濃度(10μg/ml程
度)の場合は吸引濾過し、高濃度(1000μg/ml
程度)の場合は、上から溶液を滴下して自然濾過するの
みでよい。
ル発生物質の例としては、ペルオキシダーゼ、β−D−
ガラクトシダーゼ、アルカリ性フォスファターゼ、リン
ゴ酸脱水素酵素、グルコース−6−リン脱水素酵素、グ
ルコースオキシダーゼ、インベルターゼ等の酵素、125
Iなどのラジオアイソトープ、フルオレセイン イソチ
アネート(FITC)、ウンベリフェロン、4−メチル
ウンベリフェロン(4MU)、テトラメチルローダミ
ン、テトラメチルローダミン イソチオシアナート、ジ
メチルアミノナフタレン−5−スルフォニルクロライ
ド、フルオラム等の発光物質、アクリジニウムエステ
ル、アクリジニウムスルホンアミド、ルミノール等の発
光物質、着色微粒子、金属等のその他の物質を挙げるこ
とができる。
の方法に従って行えば良く、例えばシグナル発生物質が
酵素の場合は、基質と反応させた後、反射吸光度を測定
すればよい。また、シグナル発生物質がラジオアイソト
ープの場合は、スキャナーによりカウントすればよく、
シグナル発生物質が発光物質の場合は、蛍光をカウンタ
ーにより測定すればよい。
されるものではないが、通常は生理食塩水、蒸溜水等が
使用される。
しては、A型肝炎ウィルス、B型肝炎ウィルス、C型肝
炎ウィルス、D型肝炎ウィルス、E型肝炎ウィルス、H
IV、HTLV−I、ヘルペスウィルス、ロタウィル
ス、トキソプラズマ、ルベラ、クラミジア、ルピロヘー
タ等の感染症関係のマーカー、CEA、AFP、CA1
9−9、CA125、フェリチン、DUPANII、ヘ
モグロビン等の腫瘍マーカー、CRP、ASO、RF等
の炎症関係のマーカー、アポリポプロティン類、β2 −
マイクログロブリン等の血漿蛋白その他抗原特異IgE
等を例示することができる。
る。 実施例1AFP(α−フェトプロティン)の定量 (反応器具の調製)平均繊維径1.0μm、平均繊維長
1mmのガラス繊維(日本板硝子株式会社製)からなる
フィルターを蒸留水に浸し、そのまま市販のドットブロ
ット装置に挟んだ。ペリスタポンプにてドットブロット
装置内部を減圧にし、その注入口より A.0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0) 100μl B.抗AFPモノクローナル抗体(10μg/ml、
0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0)) 100μl C.0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0) 100μ
l D.5%グリセロールおよび1%牛血清アルブミンを含
む緩衝化生理食塩水(以下5%グリセロール、1%BS
A−PBS) 100μl を、直前に供給された液が吸引されるのを待って、順次
供給した。その後、フィルターをドットブロット装置か
ら外し、濾紙上で余分な水分を除いたのち、5%グリセ
ロール、1%BSA−PBSに10分浸した。濾紙上で
余分な水分を除いたのち、減圧下フィルターを乾燥し、
使用時まで冷所に保存した。使用時、フィルターを円形
に切り放し、開口部を有する容器の開口部側にセット
し、さらに、オレフィン系の不織布、セルロースからな
る吸収層を順次積層し、最後に底板により積層物が落ち
ないよう固定し、反応器具とした。
ル抗体10mgと西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼ10
mgをナカネ法に従い結合させ、Sephadex G
−200カラムを使用して分画し、抗AFPモノクロー
ナル抗体と西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼが結合した
部分を濃縮し冷所に保存した。
した反応器具の開口部から25%ブロックエース(雪印
乳業製)を含む緩衝化生理食塩水(pH7.2)100
μlを供給し、フィルターを含水状態とした。その後、 A.AFPを含む試料50μl、 B.2.で調製した標識抗体(1%BSAを含む緩衝化
生理食塩水(pH7.2)で適度に希釈) 100μl を直前に供給した溶液が完全に吸収されるのを待って順
次供給した。さらに0.05%Tween20を含む緩
衝化生理食塩水(pH7.2)100μlを2回、直前
に供給した溶液が完全に吸収されるのを待って供給し、
フィルター内に残った過剰の標識抗体を洗浄、除去し
た。西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼの基質として、M
CDP(協和メデックス製)溶液(pH5.0)50μ
lを供給し1分間反応後、主波長630nm、副波長8
00nmにて反射吸光度を読み取った。
射吸光度が増加し、定量性のあることが確認された。結
果を表1に示す。
ス繊維フィルターに比べ細いガラス繊維からなるフィル
ターは分析に適していると言える。
径4.0μm、平均繊維長2.5cmのガラス繊維から
なるフィルターを使用し、実施例1と同様に反応容器の
調製、標識抗体の調製、分析を行った。試料中のAFP
濃度によらず全く反射吸光度の増加が見られなかった。
結果を表1に示す。 実施例1、比較例1の比較により、繁用されているバッ
テリー隔壁用のガラス繊維フィルターは、分析に使用す
ることができず、分析には繁用されている繊維径より細
い繊維径のガラス繊維からなるフィルターが必要なこと
がわかる。
フィルターを使用し、実施例1と同様に反応容器、標識
抗体を調製し、分析を行った。なお、使用した長繊維長
フィルターは、平均繊維長が5mmで平均繊維径が、各
0.65、0.8、1.50、2.00、4.00μm
で、短繊維長フィルターは、平均繊維長が1mmで平均
繊維径が、各0.50、0.65、1.00、1.8
0、2.70μmである。分析結果は図1に示す如く、
フィルターを構成するガラス繊維の繊維径に大きく依存
し、また短繊維長のほうが好ましいことが明かとなっ
た。
量 (反応器具の調製)エンゾ社製ガラス繊維フィルター
(平均繊維径0.65μm、平均繊維長1mm)を開口
部を有する容器の開口部側に接着剤で接着した。開口部
の反対側から真空ラインにより減圧とした後、メタノー
ル 100μlを開口部より添加し、フィルターを均一
に濡らし、さらに A.0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0) 100μl B.抗CRPポリクローナル抗体(10μg/ml、0.1Mクエン酸緩衝液 (pH3.0)) 100μl C.0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0) 100μl D.5%グリセロール、1%BSA−PBS 100μl を、直前に供給された液が吸引されるのを待って、順次
供給した。さらに、フィルターの背後からオレフィン系
の不織布、セルロース誘導体からなる吸収層を順次積層
し、最後に底板により、積層物が落ちないよう固定して
反応容器とした。
製)4mgに対し、N−サクシニミジル 4−(N−マ
レイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレー
ト1.9mgを添加し、室温で90分間反応した。その
後SephadexG−25カラムクロマトグラフィー
を実施し、蛋白部分を集めた。Fab’の調製 抗CRPポリクローナル抗体15mgに豚胃由来ペプシ
ン1.0mgを混合し、37℃で24時間反応を行い、
Ultrogel AcA44カラムクロマトグラフィ
ーでF(ab’)2 部分を集めた。引続き、集めたF
(ab’)2 3mgに対し、0.1Mの2−メルカプト
エチルアミン 50μlを添加し、37℃で90分間反
応を行った。Sephadex G−25カラムクロマ
トグラフィーを実施し、Fab’部分を集めた。アルカリフォスファターゼ−Fab’複合体の調製 調製したマレイミド−アルカリフォスファターゼ1.0
mgと、調製した抗CRP Fab’4.8mgを混合
し、4℃で20時間反応を行った。Shphadex
G−200カラムクロマトグラフィーを実施し、アルカ
リフォスファターゼ−Fab’複合体部分を集めて濃縮
し、終濃度10%となるようBSAを加え、保存した。
開口部から25%ブロックエース(雪印乳業製)を含む
緩衝化生理食塩水(pH7.2)100μlを供給し、
フィルターを含水状態とした。その後、 A.CRPを含む試料 50μl B.2.で調製した標識抗体(1%BSAを含む緩衝化
生理食塩水(pH7.2)で適度に希釈) 100μl を直前に供給した溶液が完全に吸収されるのを待って順
次供給した。さらに0.05%Tween20を含む緩
衝化生理食塩水(pH7.2)100μlを2回、直前
に供給した溶液が完全に吸収されるのを待って供給し、
フィルター内に残った過剰の標識抗体を洗浄、除去し
た。アルカリフォスファターゼの化学発光基質としてL
umiphos530(ルミジェン社製)溶液 50μ
lを供給し、30秒から90秒の間の発光強度の増加を
フォトンカウンター(浜松フォトニクス製)にて読み取
った。
発光強度が増加し、定量性のある事が確認できた。結果
を表2に示す。実施例1の結果と同様、繊維径0.65
μmの細いガラス繊維からなるフィルターは、やはり分
析に適している。
径4.0μm、平均繊維長2.5cmのガラス繊維から
なるフィルターを使用し、実施例1と同様に反応容器の
調製、標識抗体の調製、分析を行った。試料中のCRP
濃度によらず全く発光強度の増加が見られなかった。結
果を表2に示す。
を安定して精度良く測定することができる。
たフィルターについての相対感度の比較を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 平均直径が0.5〜2.0μmかつ平均
繊維長が0.5〜2mmであるガラス繊維で構成された
フィルターに被測定物質と特異的に反応する第一の物質
を結合した多孔質マトリックスを固相とし、その下部に
多孔質マトリックスを通過した溶液を吸収するための吸
収層を、逆流防止層を介してあるいは介さずに設けた固
相生物学的特異反応測定器具の多孔質マトリックスの上
部から、 A.被測定物質を含む試料 B.検出可能なシグナル発生物質を結合した、被測定物
質または該第一の物質と特異的に反応する第二の物質お
よび C.洗浄液を順次供給し、シグナル発生物質を測定する
ことによって、多孔質マトリックス上に残った被測定物
質の量を求めることを特徴とする固相生物学的特異反応
測定方法。 - 【請求項2】 第一の物質および第二の物質が抗原また
は抗体である請求項1記載の固相生物学的特異反応測定
方法。 - 【請求項3】 検出可能なシグナル発生物質が酵素であ
る請求項1記載の固相生物学的特異反応測定方法。 - 【請求項4】 平均直径が0.5〜2.0μmかつ平均
繊維長が0.5〜2mmであるガラス繊維で構成された
フィルターに被測定物質と特異的に反応する物質を結合
した多孔質マトリックスを固相とし、その下部に多孔質
マトリックスを通過した溶液を吸収するための吸収層
を、逆流防止層を介してあるいは介さずに設けた固相生
物学的特異反応測定器具。
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JP03112573A JP3134231B2 (ja) | 1991-04-16 | 1991-04-16 | 固相生物学的特異反応測定法およびそのための器具 |
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JP03112573A JP3134231B2 (ja) | 1991-04-16 | 1991-04-16 | 固相生物学的特異反応測定法およびそのための器具 |
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JPH04318462A JPH04318462A (ja) | 1992-11-10 |
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Family Applications (1)
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JP03112573A Expired - Fee Related JP3134231B2 (ja) | 1991-04-16 | 1991-04-16 | 固相生物学的特異反応測定法およびそのための器具 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010126011A1 (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-04 | デンカ生研株式会社 | 簡易メンブレンアッセイ装置 |
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-
1991
- 1991-04-16 JP JP03112573A patent/JP3134231B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US8940525B2 (en) | 2009-04-28 | 2015-01-27 | Denko Seiken Co., Ltd. | Device for a membrane assay |
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JPH04318462A (ja) | 1992-11-10 |
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