JP3129474U - エンドレスの合成糸を製造し、テクスチャード加工し、巻き上げるための設備 - Google Patents

Abstract

【課題】テクスチャード加工後、特に冷却ドラムの後方での糸張力の増加およびコントロールを機械的な摩擦箇所なしに穏やかに可能にし、しかも、糸の冷却を改善する装置が設備内に組み付けられ、さらに、公知の加工エレメントの配置形式を改良して、僅かなスペース需要を伴ったコンパクトな機械が付与されるようにすることが可能な設備を提供する。
【解決手段】テクスチャード加工装置５と冷却ドラム６とが、高さにおいて、上方に配置された延伸ローラ対４と、下方に配置された巻取り箇所１０ａ，１０ｂとの間に組み付けられているように配置されており、交絡装置９が、高さにおいて、延伸ローラ対４の下方に組み付けられているように配置されている。
【選択図】図１

Description

本考案は、エンドレスの化学糸を製造し、テクスチャード加工し、巻き上げるための設備、特にＢＣＦ（Ｂｕｌｋｅｄ Ｃｏｎｔｉｎｕｏｕｓ Ｆｉｌａｍｅｎｔ）機械に関する。

このような設備では、プラスチック粒状体と、別の成分とから、エンドレスの合成糸、いわゆる「フィラメント」または「フィブリル」が製造される。前記成分は溶融され、押し出され、その後、紡糸ビームから紡出され、空気冷却される。これによって、前記成分が固化する。

少なくとも１つのフィラメントから成る固化された糸の加工と、パッケージへの巻上げとは、このような形式の設備の最後の処理ユニット、いわゆる「共通のフレームに配置された加工エレメントを備えた位置」で行われる。これらの加工エレメントは、少なくとも１つの糸入口部分、糸を奥行き方向で見てずらす（すなわち、複数の糸を相並んで同一のローラで走行させる）ための少なくとも１つの供給機構および延伸ローラ対である。この場合、このローラは低温にまたは加熱されて形成されていてよい。さらに、加工エレメントは、少なくとも１つのテクスチャード加工ユニットおよび糸をパッケージに巻き上げるための少なくとも１つの巻取り箇所である。テクスチャード加工装置と冷却ドラムとから成るテクスチャード加工ユニットに後置された、続く処理ステップのために必要となる糸張力を形成するための糸ブレーキも、今日では、このような位置または設備のスタンダードに属している。このような形式の設備は、たとえばドイツ連邦共和国実用新案第２０２１６２７９号明細書に基づき公知である。

種々異なる加工エレメントをその方法技術的な順序により配置することによって、公知の設備がその延在長さ、すなわち、糸入口部分から巻取り箇所までの位置あたりの幅において連続的に増加してしまう。当然ながら、この増加させられたスペース需要は不利である。

エンドレスの合成糸をテクスチャード加工し、次いで、巻き上げるための装置では、テクスチャード加工に続く経過に対して、糸張力が極めて重要となる。この場合、テクスチャード加工装置で捲縮された糸はほぼ張力なしに冷却ドラムに巻き付けられる。この冷却ドラムの内部に形成された負圧によって、周辺空気が、スクリーン状に形成されたドラム表面を通して吸い込まれ、捲縮された糸が摩擦接続的に冷却ドラムに固く保持される。冷却ドラムからの糸の続く引離し時には、冷却ドラムに対する糸の摩擦に起因して、僅かな糸張力が生ぜしめられる。

しかし、こうして生ぜしめられた張力は、後続の搬送ローラでの糸の安定した走行に対して過度に僅かである。今日の公知先行技術では、糸張力が冷却ドラムの後方で糸ブレーキの組付けによって相応に高められる。この糸ブレーキは、一般的には、たとえばスイス連邦共和国特許第６１８５６１号明細書またはドイツ連邦共和国特許第２２０００６４号明細書に基づき公知であるような摩擦ブレーキである。公知の糸ブレーキの作用原理は、糸が糸ガイドエレメントによって摩擦を被ることに基づいている。この摩擦箇所では、糸が再び加熱され、この場合、捲縮の一部を再び喪失し得る。
ドイツ連邦共和国実用新案第２０２１６２７９号明細書 スイス連邦共和国特許第６１８５６１号明細書 ドイツ連邦共和国特許第２２０００６４号明細書

したがって、本考案の課題は、テクスチャード加工後、特に冷却ドラムの後方での糸張力の増加およびコントロールを機械的な摩擦箇所なしに穏やかに可能にし、しかも、糸の冷却を改善する装置が設備内に組み付けられ、さらに、公知の加工エレメントの配置形式を改良して、僅かなスペース需要を伴ったコンパクトな機械が付与されるようにすることである。

この課題を解決するために本考案の構成では、エンドレスの合成糸を連続的に処理し、テクスチャード加工し、巻き上げるための設備であって、糸入口部分と、供給機構と、延伸ローラ対と、テクスチャード加工装置と、該テクスチャード加工装置に後置された冷却ドラムと、該冷却ドラムに後置された、糸張力を形成する装置と、２つの供給機構の間に設けられた交絡装置と、少なくとも２つの巻取り箇所とが設けられている形式のものにおいて、テクスチャード加工装置と冷却ドラムとが、高さにおいて、上方に配置された延伸ローラ対と、下方に配置された巻取り箇所との間に組み付けられているように配置されており、交絡装置が、高さにおいて、延伸ローラ対の下方に組み付けられているように配置されているようにした。

本考案の構成によって、テクスチャード加工後、特に冷却ドラムの後方での糸張力の増加およびコントロールを機械的な摩擦箇所なしに穏やかに可能にし、しかも、糸の冷却を改善する装置が設備内に組み付けられ、さらに、僅かなスペース需要を伴ったコンパクトな機械が付与されるという利点が得られる。この場合、加工エレメントのこの新規の配置形式によって、糸走行部の改善も達成される。

以下に、本考案を実施するための最良の形態を図面につき詳しく説明する。

図１には、機械の種々異なる加工エレメントの本考案による配置形式が示してある。位置１の左側には、糸入口部分２が配置されている。この場合、個々のフィラメント１３が紡糸ビームから紡出され、集束糸ガイド１４を介して機械内に導入される。この集束糸ガイド１４を介して、個々のフィラメントがまとめられ、糸１５が形成される。１つの糸１５にまとめられる複数のフィラメント１３はフィラメント群１６とも呼ばれる。したがって、１つの糸１５はそれぞれフィラメント群１６から成っている。この場合、フィラメントは、紡糸距離、すなわち、紡糸ノズル１２と集束糸ガイド１４との間の間隔が各フィラメント群１６に対して等しい大きさであるようにしてまとめられている。個々のフィラメント１３は、互いに規定された角度を成して１つのフィラメント群１６にまとめられる。個々のフィラメント１３は、形成される各フィラメント群１６に対して、このフィラメント群１６の内部に互いに個々のフィラメント１３の同じ比率が生ぜしめられるようにしてフィラメント群１６にまとめられなければならない。これは、集束糸ガイド１４を機械正面に対して垂直に水平なレベルで対称的に配置することによって達成される。糸入口部分２に続く供給機構３では、糸１５が引き続き奥行き方向で見てずらされる。すなわち、複数の糸が相並んで同じローラで走行する。こうして、いまや、糸が延伸ローラ対４と、テクスチャード加工ユニット５，６と、交絡装置９とを通過し、この交絡装置９に続く供給機構８ｂに続いて初めて、糸が再び個別化され、種々異なるローラで巻取り箇所に案内される。個別化後の糸走行部では、全ての糸が、最後の供給機構８ｂから各巻取り箇所１０ａ，１０ｂにまでかもしくは各巻取り箇所１０ａ，１０ｂのタコローラ１７ａ，１７ｂに糸１５が衝突するまで同じ距離１１を進行することに特に注意しなければならない。本考案による装置によって、図１に示したような種々異なる加工エレメントの配置形式が生ぜしめられる。延伸ローラ対４は位置で上方に配置されている。巻取り箇所１０ａ，１０ｂは位置で下方に配置されている。延伸ローラ対４に続くテクスチャード加工装置５と、ほぼ鉛直にこのテクスチャード加工装置５の下方に配置された冷却ドラム６とは、高さにおいて、延伸ローラ対４と巻取り箇所１０ａ，１０ｂとの間に位置することになるように配置されている。冷却ドラム６に続く、糸張力を形成する装置７は、高さにおいて同じく延伸ローラ対４の下方に配置されている。糸張力を形成する装置７に続く、２つの供給機構８ａ，８ｂの間に配置された交絡装置９も同じく延伸ローラ対４の下方に組み付けられている。このコンパクトな構造は、交絡装置９に続く、巻取り箇所１０ａ，１０ｂへの糸走行部１１が延伸ローラ対４とテクスチャード加工ユニット５，６とを取り囲むことによって促進される。この場合、糸は、全ての糸に対して、交絡装置に後置された供給機構８ｂから、各巻取り箇所１０ａ，１０ｂの各タコローラ１７ａ，１７ｂに衝突するまでの糸走行長さ１１が等しい大きさとなるように個別化されて巻取り箇所１０ａ，１０ｂに案内される。

巻取り箇所１０ａ，１０ｂは、相並んで設置される個々のオートワインダとして形成されていてよいものの、二重巻取り箇所の使用も可能である。独立した２つの巻取り箇所または互いに関連した２つの巻取り箇所の運転が可能である。巻取り箇所は位置の機械ハウジング内に組み込まれていてもよい。

図２には、同じく本考案による配置形式が示してある。この場合、紡糸された個々のフィラメント１３が、この実施例では、糸入口部分２で、２箇所にしか設けられていない集束糸ガイド１４を介して集結させられる。この集束糸ガイド１４は、すでに図１に示したように、フィラメント群１６が対称的に集結させられ、紡糸距離が各フィラメント群に対して等しい大きさであるように配置されている。図１ですでに説明した法則性と同じ法則性が糸入口部分に対して当てはまる。図示の位置の残りの加工エレメントは、図１で説明した加工エレメントと構造的に同じである。既存の巻取り箇所１０ａ，１０ｂのうち、より僅かな数の糸での走行形式に基づき、ただ一方の既存の巻取り箇所１０ａ，１０ｂしか使用されない。他方の巻取り箇所１０ａ，１０ｂは、オートワインダの構造に応じて、アイドリング運転しているかまたは休止している。

個々の加工エレメントの鏡像対称的な配置形式または鉛直な軸線を中心とした全位置の鏡像対称的な配置形式も同じく可能であるものの、図示は省略する。本考案は、図面に示した例に限定されるものではない。図示の糸数もしくは糸群の倍数の処理も可能である。

４つの集束糸ガイドを備えた位置の概略図である。 ２つの集束糸ガイドを備えた位置の概略図である。

符号の説明

１ 位置、 ２ 糸入口部分、 ３ 供給機構、 ４ 延伸ローラ対、 ５ テクスチャード加工装置、 ６ 冷却ドラム、 ７ 装置、 ８ａ，８ｂ 供給機構、 ９ 交絡装置、 １０ａ，１０ｂ 巻取り箇所、 １１ 糸走行長さ、 １２ 紡糸ノズル、 １３ フィラメント、 １４ 集束糸ガイド、 １５ 糸、 １６ フィラメント群、 １７ａ，１７ｂ タコローラ

Claims (9)

1. エンドレスの合成糸を連続的に処理し、テクスチャード加工し、巻き上げるための設備（１）であって、糸入口部分（２）と、供給機構（３）と、延伸ローラ対（４）と、テクスチャード加工装置（５）と、該テクスチャード加工装置（５）に後置された冷却ドラム（６）と、該冷却ドラム（６）に後置された、糸張力を形成する装置（７）と、２つの供給機構（８ａ，８ｂ）の間に設けられた交絡装置（９）と、少なくとも２つの巻取り箇所（１０ａ，１０ｂ）とが設けられている形式のものにおいて、テクスチャード加工装置（５）と冷却ドラム（６）とが、高さにおいて、上方に配置された延伸ローラ対（４）と、下方に配置された巻取り箇所（１０ａ，１０ｂ）との間に組み付けられているように配置されており、交絡装置（９）が、高さにおいて、延伸ローラ対（４）の下方に組み付けられているように配置されていることを特徴とする、エンドレスの合成糸を連続的に処理し、テクスチャード加工し、巻き上げるための設備。
2. 交絡装置（９）に後置された供給機構（８ｂ）の後方の糸走行部が、糸走行長さ（１１）が、２つまたはそれ以上の糸の全てに対して、各巻取り箇所（１０ａ，１０ｂ）の各タコローラ（１７ａ，１７ｂ）に衝突するまで等しい大きさであるように形成されている、請求項１記載の設備。
3. 糸入口部分（２）で生ぜしめられたフィラメント（１３）が、２つまたはそれ以上の糸（１５）にまとめられるようになっており、各フィラメント群（１６）が、紡糸ノズル（１２）から集束糸ガイド（１４）までの個々のフィラメント（１３）の長さおよび走入角に関して、ほぼ対称的に案内されるようになっている、請求項１または２記載の設備。
4. 冷却ドラム（６）の後方に、１〜１０ｍの長い自由な糸走行区間（７）が、糸張力を形成する装置としての連動する少なくとも２つのローラ（７ａ，７ｂ）を巡って配置されている、請求項１から３までのいずれか１項記載の設備。
5. 自由な糸走行区間（７）が、閉鎖された室内に延びており、該室内に、糸を制動するかまたは冷却するかまたは糸に別の形式で影響を与えるための手段が使用されるようになっている、請求項４記載の設備。
6. 延伸ローラ対（４）を形成するローラが、同じ高さに配置されている、請求項１から５までのいずれか１項記載の設備。
7. 供給機構（８ａ，８ｂ）と交絡装置（９）とが、主として、鉛直な配置形式で組み付けられている、請求項１から６までのいずれか１項記載の設備。
8. 巻取り箇所（１０ａ，１０ｂ）が、それぞれ１つの個々の巻取り箇所を有する少なくとも２つのオートワインダによって形成されるようになっている、請求項１から７までのいずれか１項記載の設備。
9. 巻取り箇所（１０ａ，１０ｂ）が、少なくとも１つのオートワインダによって形成されるようになっており、２つの巻取り箇所が、それぞれ１つのオートワインダ内にまとめられている、請求項１から８までのいずれか１項記載の設備。

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