JP3128983U - 火災時の避難を可能とした住宅構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2階建ての建物から火災が発生した場合に避難することが出来る木造住宅の提供。
【解決手段】 木造住宅1に隣接して鉄筋コンクリート製又は鉄骨製の避難用建物2を設け、該避難用建物2は1階建てとして上記2階建て木造住宅1の2階から屋上へ渡ることが出来る避難通路6を設け、該屋上5から1階へ降りることが出来る非常階段4を設け、そして木造住宅1と避難用建物2との間には防火シャッター7を取付けている。
【選択図】 図1

Description

本考案は木造住宅から火災が発生した場合に、2階から避難することが出来る構造とした住宅に関するものである。
木造住宅は一般的に火災に弱く、その為に火災が発生すると短時間に燃え広がり、避難することも出来なくなる。特に、2階にいる際に1階で火災が発生するならば逃げることが出来なくなる場合が多く、下から吹き上げる一酸化炭素による中毒で亡くなってしまうケースもある。
従来の木造住宅では、隣り合う柱又は間柱の間には内外の壁材で挟まれた空間に配置された断熱材で建物の内外を断熱し、また内壁材は下地材を釘打ちした後、その上にクロス等の内装仕上げ材を貼り付け等によって取付けているだけであるため、建物の防火性が乏しい欠点がある。
よって、木造住宅のある部屋から火災が発生した場合、建物の柱間に設けた上記断熱材では延焼を防ぐことは出来ない。断熱材としては一般にグラスウール等が使用され、該断熱材はあくまでも部屋の内外との熱伝達を抑制する為のものであり、延焼を抑える為の防火機能は備えていない。
特開2004−190472号に係る「木造住宅の防火外断熱壁構造」は、合成樹脂発泡体を断熱材として用いた外断熱工法の木造住宅において、防火性能を向上させ、平成14年6月施行の建築基準法第2条第8号に規定される防火構造となることが可能な木造住宅の防火外断熱壁構造である。そこで、木造住宅の外断熱壁構造において、壁の断面構成が、室内側から順に少なくとも面材、合成樹脂発泡体からなる断熱材、無機繊維からなる不織布又は織布、通気胴縁、外装材として構成している。
しかし、特開2004−190472号に係る「木造住宅の防火外断熱壁構造」は、隣接する住宅火災の延焼を抑制する効果はあるが、自宅で火災が発生した際に安全に避難することが出来るものではない。
特開2004−190472号に係る「木造住宅の防火外断熱壁構造」
このように、木造住宅が火災になった場合に延焼を抑制する為の技術は色々あるが、人が安全に避難する方法がない。本考案が解決しようとする課題はこの問題点であり、2階にいた時に1階で火災が発生した場合であっても、確実に避難することが出来るように構成した住宅構造を提供する。
本考案に係る2階建ての木造住宅は、その隣に避難用建物を建てた構造とし、木造住宅と避難用建物の1階の通路(出入り口)には防火シャッターを取付けている。避難用建物は1階建てとし、鉄筋コンクリート製又は鉄骨製としている。すなわち、避難用建物は延焼しにくい材質で構成している。そして、木造住宅の2階から避難用建物の屋上へ渡ることが出来る避難通路を備えている。避難通路は避難用建物の屋上と木造住宅の2階を繋ぐ構造となっている。
ここで、該避難通路の形態は特に限定せず、又防火シャッターの形態も限定しない。さらに、避難用建物には屋上から1階へ降りることが出来る階段を取付けている。一方、上記木造住宅と避難用建物の接続部付近に放水設備を取付けることもあり、避難用建物の屋上には該放水設備から放水するための水を貯蔵する水タンクを据え付ける。
本考案に係る木造住宅は避難用の建物が隣接して設けられている。従って、木造住宅の1階で火災が発生した際、2階に居ても避難通路を渡って隣の避難用建物へ逃げることが出来る。そして、木造住宅と避難用建物との出入り口には防火シャッターが取付けられていることから、又は放水設備を備えている為に出入り口から避難用建物へ火が回ることはない。そこで、木造住宅の2階に居ても避難通路から避難用建物の屋上へ逃げることが出来、該屋上から階段で1階へ降りることが可能となり、少なくとも火災で命を落とすことはなくなる。
図1は本考案に係る火災時の避難を可能とした住宅構造の外観を示す具体例であり、同図の1は木造住宅、2は避難用建物を表している。木造住宅は日本古来の様式で作られた建物であり、主として北陸地方での一般的な建築様式とされている。2階建て木造住宅は、正面に玄関を有し、一階には畳み敷きの座敷間を有し、そして屋根は瓦葺と成っている。
本考案では上記木造住宅1の隣には避難用建物2が隣接して建てられており、この避難用建物2は鉄筋コンクリート製であって屋上を備えた1階建てと成っている。屋上の周囲には安全用のフェンス3が取付けられ、避難用建物2の外側には避難用階段4が設けられている。勿論、屋上から降りる階段は避難用建物2の内部に取付けることも出来る。
ところで、この避難用建物2は本宅である上記木造住宅1と繋がっているが、あくまでも独立した建物として構成され、通路となる出入り口には防火シャッターが取付けられている。ただし、外観は一軒の建物として木造住宅1と避難用建物2が組み合わされた構造と成っている。防火シャッターは常時開口しているが、火災を感知することで降下し、出入り口を閉鎖するように制御される。しかし、電気系統が故障した場合には手動で閉鎖可能な構造としている。従って、木造住宅1の1階で火災が発生した際に、避難用建物2が延焼することはない。逆に、避難用建物2から火災が発生した際にも、防火シャッターが作動して出入り口を閉鎖する。
本考案の住宅構造では、木造住宅1の2階に人が居ても、2階の避難通路から避難用建物2の屋上へ渡ることが出来る。そして、屋上から非常階段4を降りて外で逃げることが可能となる。ここで、木造住宅1の2階に設けている避難通路は、2階の窓を開くことで該避難通路へ出ることが可能な構造としている。又は、2階にドアが取付けられ、該ドアを開くことで避難通路へ出ることが出来るようにしている。勿論、避難通路ではなく単なる出入り口とすることも出来る。一方、避難用建物2から火災が発生した際には、出入り口の防火シャッターが閉鎖することで木造住宅1への延焼を防止でき、しかも外へ避難することが出来る。
図1は本考案に係る火災時の避難を可能とした住宅構造を表している具体例であり、その他にも色々な形態として構成することが出来る。図2は本考案の住宅構造を概略化したものであり、本宅となる木造住宅1、避難用建物2、そして屋上5に設けた避難通路6、さらには木造住宅1と避難建物2との間に設けた防火シャッター7を備えている。
避難通路6は木造住宅1の2階に通じるようになっている。そして、避難用建物2の外には非常階段4が適当な位置に取付けられ、さらに避難用建物2の屋上5には水タンク8を備えている。そして、図3は1階(a)と2階(b)の平面図であり、2階の避難通路6の付近には放水口9,9を取付けていて、水タンク8と接続している。勿論、1階の出入り口付近にも防火シャッター7と共に放水口9,9を取り付けることが出来る。
ここで、実施例で説明した木造住宅1と避難用建物2の床面積比は12:1とし、接合部の幅は3m〜5mと成っている。又、木造住宅1と避難用建物2の床は同一面とするのが一般的であるが、段差を設けたとしても15cmまでとする。一方、建物の方角は宅地形態に制約されるが、避難用建物2を東側に位置させるほうが好ましい。
木造住宅1及び避難用建物2の何れかにおいて火災が発生した場合に防火シャッター及び放水により延焼を防止することが出来る。ここで、避難用建物2は単に避難用として用いるだけでなく、毎日の生活に活用することは自由である。
本考案に係る火災時の避難を可能とした住宅構造の実施例。 本考案に係る火災時の避難を可能とした住宅構造の概略図。 (a)は図1の1階の平面図、(b)は図1の2階の平面図。
符号の説明
1 木造住宅
2 避難建物
3 フェンス
4 非常階段
5 屋上
6 避難通路
7 防火シャッター
8 水タンク
9 放水口

Claims (5)

  1. 2階建ての建物から火災が発生した場合に避難することが出来る木造住宅において、木造住宅に隣接して鉄筋コンクリート製又は鉄骨製の避難用建物を設け、該避難用建物は1階建てとして上記2階建て木造住宅の2階から屋上へ渡ることが出来る避難通路を設け、該屋上から1階へ降りることが出来る階段を設け、そして木造住宅と避難用建物の1階通路には防火シャッターを取付けたことを特徴とする火災時の避難を可能とした住宅構造。
  2. 木造住宅と避難用建物の接続部付近には放水設備を取付けた請求項1記載の火災時の避難を可能とした住宅構造。
  3. 上記避難用建物の屋上に水タンクを据付け、上記放水設備と接続した請求項2記載の火災時の避難を可能とした住宅構造。
  4. 上記避難用建物の外に、屋上から降りることが出来る非常階段を取付けた請求項1、請求項2、又は請求項3記載の火災時の避難を可能とした住宅構造。
  5. 上記木造住宅と避難用建物の床面積の比率を12:1とした請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4記載の火災時の避難を可能とした住宅構造。
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