JP3128972U - 部品供給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】経済的な方法を用いて部品を精度良く整列させることができ、且つ高い生産性を実現する部品供給システムを提供する。
【解決手段】投入された部品の移動を許容する複数の区画された部品投入部、を有するトレイ2を、略水平な状態で搬送する第一搬送手段3と、第一搬送手段3によって搬送されたトレイ2を、略水平な状態から傾斜させた状態に支持することができる第一傾斜手段4及び第二傾斜手段5と、第一傾斜手段4及び第二傾斜手段5を制御することによって、部品が部品投入部の内壁に当接して停止する状態までトレイ2を傾斜させることができる傾斜整列制御手段を具備する。
【選択図】図2
【解決手段】投入された部品の移動を許容する複数の区画された部品投入部、を有するトレイ2を、略水平な状態で搬送する第一搬送手段3と、第一搬送手段3によって搬送されたトレイ2を、略水平な状態から傾斜させた状態に支持することができる第一傾斜手段4及び第二傾斜手段5と、第一傾斜手段4及び第二傾斜手段5を制御することによって、部品が部品投入部の内壁に当接して停止する状態までトレイ2を傾斜させることができる傾斜整列制御手段を具備する。
【選択図】図2
Description
本考案は、部品供給システムに関するものであり、特に、トレイに部品を投入して搬送する部品供給システムに関するものである。
従来より、電子部品等の比較的小型の部品を自動で供給する部品供給システムとして、以下のものが知られている。すなわち、部品を投入するトレイと、トレイを所定位置へと搬送する搬送装置と、所定位置に搬送されたトレイ上から部品を取り出し、組み付け位置へと移動し、組み付け対象装置に対して実装を行う実装装置とを備えるものである。
より具体的には、樹脂等で成型したトレイ上に、一つまたは複数の部品を投入する。そして、部品が投入されたトレイをベルトコンベアなどの搬送装置上に載せ、組みつけ位置まで搬送する。さらに、ロボットアームやチャック等でトレイ上から部品を取り出し、実装対象である装置の元へと搬送し、実装を行うものなどが知られている。
ここで、当該部品を精度良く対象装置へと実装させるためには、いろいろな方法が考案されている。例えば、部品の外形と略等しい凹部を有するトレイを用い、該凹部に部品をはめ込んで搬送する方法が挙げられる。この方法によれば、凹部が部品の動きを制限するので、搬送の衝撃や振動で部品の位置がずれない。従って、トレイの停止位置を精度良くコントロールすることで、その上に載置された部品の停止位置も定めることができ、狙った位置に部品を供給させることが可能となる。
また、上述のトレイに換えて、スティックと呼ばれる容器を用いる方法も考案されている。具体的には、細長い中空棒状の容器(スティック)に複数の部品を収容し、搬送する方法である。組み付ける際には、公知の部品押送装置(例えば、特許文献1)を用いてスティックから部品を押し出し、取り出す。この方法によれば、スティックを整然と並べることで、取り出される部品の取出し位置を制御できる。
実用新案登録第3125517号公報
ところで、上述のような方法において、部品の供給位置のずれの誤差範囲(以下、「供給精度」と称す)を少なくする、すなわち供給精度を向上させるためには、コストや手間がかかるという問題があった。例えば、トレイを用いる方法では、凹部の寸法精度や、トレイ自体の外形の寸法精度が部品の供給精度に直結する。従って、寸法精度の高いトレイを製作する必要があり、コストが嵩んでいた。さらに、凹部と部品との寸法が精度良く近づけば近づくほど、部品が隙間無く凹部にはまり込むため、トレイに部品をはめ込むのに労力を要するという問題が生じる。従って、従来のトレイを用いる方法では、仮に安く精度の良いトレイが作成できたとしても、部品をはめ込んで整列させる手間に加え部品を取り出す作業にも手間がかかり、生産性が悪かった。
また、スティックを用いる方法では、トレイほど作製コストがかからないという利点は有しているものの、スティックを整列させる手間は削減できず、生産性の低下という問題が解決できなかった。また、スティックの中から部品を取り出す際に、部品に傷を付けてしまう場合もあり、生産性の向上をさらに阻害する要因となっていた。
そこで、本考案は、上記の実情に鑑み、経済的な方法を用いて部品を精度良く整列させることができ、且つ高い生産性を実現する部品供給システムの提供を課題とする。
を課題とする。
を課題とする。
本考案に係る部品供給システムは、「投入された部品の移動を許容する複数の区画された部品投入部、を有するトレイを、略水平な状態で搬送する第一搬送手段と、該第一搬送手段によって搬送された前記トレイを、略水平な状態から傾斜させた状態に支持する傾斜整列手段と、該傾斜整列手段を制御することによって、前記部品が前記部品投入部の内壁に当接して停止する状態まで前記トレイを傾斜させる傾斜整列制御手段とを具備する」ものである。
ここで、「投入された部品の移動を許容する」とは、部品が、平面視にて前後左右方向への移動がある程度許容された状態でトレイに投入されている状態を示す。つまり、従来の部品供給システムのように、部品が隙間無くトレイに当接して固定されている構成は含まれない。
また、「第一搬送手段」とは、トレイを略水平な状態で所定の方向へと搬送できるものであれば特に限定されないが、例えば公知のベルトコンベアやリニアガイド、ボールネジ機構等、直線状にトレイを搬送する装置が挙げられる。
従って、本考案の部品供給システムによれば、傾斜整列手段が備えられているから、トレイは、略水平な状態から傾斜した状態へと移行する。すると、部品投入部に投入された部品は、傾斜に沿って滑り落ち、部品投入部の内壁に当接して停止する。これにより、部品の配置状態を、部品投入部の内壁に沿って整列した状態へと整えることができる。
また、部品は、前後左右方向(第一搬送手段による搬送方向を前方向とする)の移動がある程度許容された状態で部品投入部に投入されるので、部品投入部の内壁に対して隙間無く当接するように投入されている場合に比べて、極めて取り出しやすい。従って、部品をトレイから取り出す作業に手間と時間がかからないことに加え、部品をトレイに入れる作業についても同様に手間がかからないので、高い生産性を実現できる。さらに、部品とトレイとが隙間無く当接している従来のトレイやスティックを用いる場合に比べて、部品を取り出す際に部品に対して大きな力をかける必要がないので、部品を傷つけにくい。従って、ラインのスループットを低下させる虞も少なく、より生産性を向上させることができる。
また、本考案の部品供給システムにおいて、「前記傾斜整列手段は、前記第一搬送手段の搬送方向に対して上流側または下流側が低くなるような第一傾斜方向に前記トレイを傾斜させる第一傾斜手段を有しており、前記トレイの前記部品投入部は、前記第一傾斜方向に傾斜した状態で前記部品を第一停止位置において受け止める第一受部を有して構成されている」ものとすることができる。
ここで、「搬送方向に対して上流側または下流側」とは、例えば直線状にトレイを搬送する搬送装置において、搬送方向を前後方向とした場合に、上流側がトレイの後側に位置し、下流側(トレイの進行方向)がトレイの前側に位置するような方向を示す。従って、「上流側または下流側が低くなるような第一傾斜方向」とは、例えば、トレイの前側を支点として、トレイの後側が持ち上がり、トレイ全体が水平状態から傾斜状態へと移行するような傾斜状態を示す。
従って、本考案の部品供給システムによれば、傾斜整列手段は第一傾斜手段を有しているから、第一搬送手段によって搬送されたトレイは、第一傾斜手段によって第一傾斜方向へと傾斜する。これにより、トレイに投入された部品は、傾斜に沿って下側(前記上流側または下流側)へと滑り落ち、第一受部に受け止められて停止する。つまり、トレイに投入された部品を、第一停止位置において整列した状態にすることができる。
また、本考案の部品供給システムにおいて、「前記傾斜整列手段は、前記第一傾斜方向に対して平面視にて略垂直な方向である第二傾斜方向に前記トレイを傾斜させる第二傾斜手段を有しており、前記トレイの前記部品投入部は、前記第二傾斜方向に傾斜した状態で前記部品を第二停止位置において受け止める第二受部を有して構成されている」ものとすることができる。
ここで、「第二傾斜方向」とは、第一傾斜方向に対して平面視にて略垂直な方向であって、トレイの搬送方向を前後方向とすると、その左右方向に該当する方向である。つまり、直線状に部品を搬送する搬送システム(所謂“ライン”)の場合では、「第一傾斜方向」はラインの長手方向を示すものであり、「第二傾斜方向」は、ラインの短手方向を示す。
従って、本考案の部品供給システムによれば、傾斜整列手段は第二傾斜手段を有しているから、第二傾斜手段によって第二傾斜方向へとトレイを傾斜させることができる。これにより、トレイに投入された部品が、傾斜に沿って滑り落ち、第二受部に受け止められて停止する。つまり、トレイに投入された部品を、第二停止位置において整列した状態にすることができる。
また、本考案の部品供給システムにおいて、「前記部品を対応するワークに対して実装させる実装手段と、前記部品を前記実装手段に対して位置決めさせる位置決め部を有する位置決め手段と、前記傾斜整列手段によって整列された前記部品を、前記トレイから取り出して前記位置決め部へと搬送する第二搬送手段とをさらに具備する」ものとすることができる。
ここで、「対応するワーク」とは、前述の部品の組み立て先となる装置や部品を示す。また、「実装させる」とは、ワークに対して部品をはめ込んだり、接点を接続したり、溶接したり、またはこれらの動作を組み合わせる等して所望の装置や部品を作成する動作を表している。
また、「位置決め部」とは、具体的には、部品の外形に略一致した形状の嵌合部を有するトレイを用い、該嵌合部に部品をはめ込むものや、平板なステージ上に部品を載置し、その位置をセンサ類で検出してロボットアーム等で所望の位置へと移動させるもの、所定のステージ上に部品を載置し、そのステージ自体の位置を調整することで間接的に部品の位置決めを行うもの、等が挙げられるが、要するに、実装装置に対する位置決めができる部位を有していれば、その構成は特に限定されない。
また、「第二搬送手段」とは、部品をトレイから取り出して位置決め手段の位置決め部へと搬送するものであり、例えば、アクチュエータによって駆動される公知のロボットアームのように、部品を取り出す機構と所定の位置へと搬送する機構との両方を具備しているものを示す。
従って、本考案の部品供給システムによれば、実装手段、位置決め手段、及び第二搬送手段がさらに具備されている。従って、傾斜整列手段によって整列した部品を、さらに細かく再調整して実装装置に対する位置決めをさせることができる。これにより、高精度な位置決め作業をすることができ、ワークに対する部品の取り付け位置をより正確なものにすることができる。
以上のように、本考案の部品供給システムによれば、傾斜整列手段を有しているから、トレイを傾斜させることによって、部品を停止位置において整列させることができる。これにより、寸法精度の高いトレイを使用することなく部品を整列させることができるから、トレイの作成にかかるコストを大幅に削減することができる。また、部品は、左右方向の移動が許容された状態で投入されるから、部品の投入や取り出しに係る手間を削減するこができ、ラインの生産性を向上させることができる。
以下、本考案の実施形態である部品供給システムについて、図1乃至図4に基づき説明をする。図1は本考案の部品供給システム1を示す平面図であり、図2は第一搬送手段3の側面図及び正面図であり、図3はトレイ2の平面図であり、図4はトレイ回収機構を説明する説明図であり、図5は傾斜整列制御手段の機能的構成を示すブロック図である。
図1及び図2に主に示すように、本考案の部品供給システム1は、トレイ2と、第一搬送手段3と、トレイ2を傾斜させる第一傾斜手段4及び第二傾斜手段5とを有している。なお、図2(a)は、第一傾斜状態における第一搬送手段4を側面から見た図であり、図2(b)は同装置を第二傾斜状態において正面から見た図である。
第一搬送手段3は、トレイ2を略水平な状態で搬送する部材であり、架台7に取り付けられたリニアガイドによって構成されている。具体的には、リニアアクチュエータのような公知の駆動源によって駆動される非ガイド部材20にシリンダ21が取り付けられており、後述する制御手段100に搭載されたプログラムに基づいて、シリンダ21が上下する。そして、シリンダ21が上に押し上げられると、トレイ2の端部にシリンダ21が当接し、その状態で非ガイド部材20が天板6へと向かう搬送方向(図2(a)に示す矢印Pの方向)にガイドされると、シリンダ21に係止された状態でトレイ2が天板6上へと押しやられ、搬送される。
第一傾斜手段3は、トレイ2を押し上げて、前側F(図1参照)より後側Bの方が高くなるような第一傾斜方向に傾斜させる機構である。より詳細には、シリンダ8と、シリンダ8に固定されたステー9とを具備しており、シリンダ8を上側に押し上げることによって、ステー9を上下させることができる。また、天板6にはステー9が通過可能な通過穴22が設けられている。従って、シリンダ8が上側に押し上げられることによって、ステー9が従属的に上側へと押し上げられ、通過穴22を通過してトレイ2の一端側を持ち上げる。これにより、トレイ2が第一傾斜方向に傾斜する。
第二傾斜手段5は、天板6を傾斜させることで、その上に載置されたトレイ2を、左側Lより右側Rの方が高くなるような第二傾斜方向に傾斜させる機構である。より詳細には、駆動プーリ10を回転駆動させる電動モータ11と、駆動プーリ10に巻回された無端ベルト12によって従動する従動プーリ13と、従動プーリ13に接続されたシャフト14と、シャフト14及び天板6に接続されたステー23とを有して構成されている。従って、電動モータ11が駆動プーリ10を回転駆動させると、無端ベルト12を介して従動プーリ13が回転し、シャフト14を回転させる。ステー23は、シャフト14に接続されているから、シャフト14が回転することによって、シャフト14との接続点を支点として一端側が持ち上がるように回転する(第二傾斜方向に傾斜する)。これにより、ステー23に接続された天板6が傾斜し、その上に載置されたトレイ2が第二傾斜方向へと傾斜する。
なお、第一傾斜手段4及び第二傾斜手段5が、本考案の「傾斜整列手段」に相当する。
トレイ2は、複数の部品15の受皿となる部材であり、図3に示すように、第一傾斜方向に傾斜した際に第一停止位置T1で部品15を受け止める第一受部16と、第二傾斜方向に傾斜した際に第二停止位置T2で部品15を受け止める第二受部17とを有している。より具体的には、トレイ2には、第一受部16と第二受部17とを内壁とする凹状のくぼみ18が多数形成されており、このくぼみ18の大きさは、部品15よりも大きくなっている。従って、部品15をくぼみ18内に投入すると、くぼみ18の内壁(第一受部16,第二受部17)と部品15との間には隙間が形成される。これにより、部品15は、その前後左右方向(トレイ2の前側F、後側B、右側R、左側Lへ向う方向)への移動がある程度許容された状態でトレイ2のくぼみ18内に投入される。なお、第一受部16及び第二受部17が、本考案の「部品投入部」に相当する。
なお、本実施形態における第二傾斜手段5は、トレイ2をトレイ回収ボックス19へと回収するトレイ回収機構を兼ねている(図4参照)。トレイ回収機構は、具体的には、図4に示すように、第二傾斜手段5と、トレイ2の端部(図1に示すトレイ2の左側L)を押し上げる押し上げ装置24とを有して構成されている。押し上げ装置24は、シリンダとロッドとを具備するものであり、ロッドの端部は、天板6の一部を刳り貫いて構成された押し上げ部26に接続されている。つまり、シリンダによってロッドを押し上げると、ロッドに接続された押し上げ部26が押し上げられ、天板6から突出するよう構成されている。トレイ回収機構の詳細については後述する。
また、本実施形態の部品供給システム1には、図1に示すように、部品15をワーク27に対して実装する実装手段28と、部品15を実装手段28に対して位置決めさせる位置決め手段29と、トレイ2から部品15を取り出して位置決め手段29へと搬送する第二搬送手段30とをさらに具備している。
実装手段28及び第二搬送手段30は、ともに公知のロボットアームで構成され、空気アクチュエータで駆動されている。ロボットアームの先端部には、所謂チャック(吸引器:図示しない)が備えられており、このチャックの吸引力を利用して部品15をトレイ2や位置決め手段29から取り出し、搬送する。
位置決め手段29は、部品15に嵌合可能な凸条の嵌合部31を有する部材である。部品15は、嵌合部31に対応する非嵌合部(図示しない)を有しており、非嵌合部を嵌合部31にはめ込むことで、部品15の左右方向の移動が規制される。この状態で、図略のロボットアームによって部品15を嵌合部31の長さ方向に押しやると、嵌合部31の終端部分で部品15が停止し、該停止位置に整列した状態で部品15の前後方向の位置が位置決めされる。つまり、位置決め手段29の設置位置を調整することで、嵌合部31にはめ込まれた部品15の位置を定めることができる。なお、「嵌合部31」が、本考案の「位置決め部」に相当する。
また、図5に示すように、本例の部品供給システム1には、第一傾斜手段4及び第二傾斜手段5を動作させるための制御手段100が設けられている。なお、図示しないが、制御手段100は、中央演算装置としてのCPU、読み出し専用メモリとしてのROM、読み書き可能メモリとしてのRAMを備えている。制御手段100の入力ポートには、天板6上にトレイ2が載置されていることを検出するトレイ検出センサ50が接続されている。また、制御手段100の出力ポートには、制御手段100のROMに記憶されたプログラムに基づいて第一搬送手段3のシリンダ21を駆動する搬送制御手段103と、制御手段100のROMに記憶されたプログラム及びトレイ検出センサ50等からの信号に基づいて第一傾斜手段4のシリンダ8を駆動するシリンダ制御手段104と、制御手段100のROMに記憶されたプログラムに基づいて天板6が角度R1及び角度R2の二段階の角度となるように第二傾斜手段5の電動モータ11を制御するモータ制御手段105と、制御手段100のROMに記憶されたプログラムに基づいて天板6が角度R2に傾斜した状態を検出して押し上げ装置24のシリンダを制御する押上げ装置制御手段106とが接続されている。なお、制御手段100が、本考案の「傾斜整列制御手段」に相当する。
次に、本考案の部品供給システム1を用いた部品15の供給方法について、図1乃至図4に基づき説明をする。まず、図1及び図2に示すように、トレイ2は、非ガイド部材20を有するリニアガイドによって矢印Pの方向にガイドされ、天板6上へと搬送される。この状態では、トレイ2の中の複数の部品15は、図3(a)に示すように、不揃いな状態でくぼみ18内に投入され、搬送されている。
天板6上へとトレイ2が搬送されると、第一傾斜手段4のステー9によってトレイ2の後側Bが押し上げられ、前側Fより後側Bの方が高い第一傾斜状態に傾斜する。そして、トレイ2は、前側Fの前方(矢印Pの方向を前方とする)に設けられたストッパ32に受け止められて、第一傾斜状態に傾斜した状態で停止する。すると、トレイ2に投入されている部品15は、傾斜に沿ってくぼみ18の前側に滑り落ち、第一受部16へと受け取られ、第一停止位置T1で停止する。
次に、ステー9がシリンダ8によって押し下げられ、トレイ2が略水平な状態に戻される。続いて、第二傾斜手段5のステー23によって天板6が押し上げられ、トレイ2が左側Lより右側Rの方が高くなるような第二傾斜方向に傾斜する。すると、トレイ2は、左側Lの左方(矢印Pの方向を前方とする)に設けられたストッパ25へと受け止められ、第二傾斜状態に傾斜した状態で停止する。部品15は、傾斜に沿ってくぼみ18の左側に滑り落ち、第二受部17へと受け取られ、第二停止位置T2で停止する。こうして、複数の部品15は、第一停止位置T1及び第二停止位置T2にて整列した状態となる(図3(b)参照)。例えば本考案では、くぼみ18は部品15よりも大きく構成されているので、部品15の位置精度(ワーク27に対して取り付けた場合の位置ずれの誤差の範囲)は、±10mm程度であるが、第一傾斜手段4及び第二傾斜手段5によって整列された後は、その位置精度が±0.1mm程度まで向上する。
部品15が、第一停止位置T1及び第二停止位置T2にて整列し、位置決めされると、第二搬送手段30は、部品15をトレイ2より取り出し、位置決め手段29へと搬送する。そして、嵌合部31へと部品15をはめ込む。これにより、部品15は、実装手段28に対してより正確に位置決めされる。
次に、位置決めされた部品15は、実装手段28によって嵌合部31から取り出され、ワーク27へと搬送され、実装される。ここで、部品15は、位置決め手段29によってより正確に実装手段28に対して位置決めされているから、ワーク27に取り付けた際の位置精度は、±0.02mm程度まで向上する。こうして、ワーク27に対して極めて効率よく正確に部品15が取り付けられる。
第二搬送手段30による部品15の搬送と、実装手段28による実装作業が所定回数繰り返されると、天板6上のトレイ2の中に投入された部品15が無くなる。すると、第二傾斜手段5のステー23によって天板6が再度押し上げられ、トレイ2が左側Lより右側Rの方が高くなるような第二傾斜方向に傾斜する。この時、天板6及びトレイ2は、部品15を第二停止位置T2に停止させた時(角度R1:図4(a)参照)よりもさらに急峻な傾斜角度で傾斜させられる(角度R2:図4(b)参照)。この状態で、押し上げ装置24によって押し上げ部26が押し上げられると、トレイ2の左側Lの端部がストッパ25を乗り越えるので、トレイ2の停止状態が解除されて架台7の下側に落とされる。こうして、空のトレイ2は、トレイ回収ボックス19に回収される(トレイ回収機構)。
以上のように、本実施形態の部品供給システム1によれば、第一傾斜手段4及び第二傾斜手段5が備えられているから、部品15に対して隙間無く当接する寸法精度の高いトレイを使用することなく、部品15を整列させることができる。これにより、くぼみ18が設けられた比較的安価なトレイ2を適用することができ、経済的である。
また、くぼみ18は、部品15よりも大きく構成されているから、部品15の前後左右方向の移動が規制されない。従って、トレイ2に部品15を投入する作業が容易となると共に、トレイ2から部品15を取り出す作業も簡単になり、ラインの生産性が向上する。また、大きな力をかけることなく簡単にトレイ2より部品15を取り出せるから、部品15を傷つける虞も少なく、生産性の向上にさらに寄与している。
さらに、本実施形態の部品供給システム1によれば、位置決め手段29をさらに有しているから、第一傾斜手段4及び第二傾斜手段5によって整列され位置決めされた部品15をさらに精密に位置合わせすることができる。位置決め手段29の嵌合部31と同じような構成をトレイに付加すれば、トレイ上で部品15を位置決めさせることは可能であるが、この方法によれば、部品15を位置決めさせるための精密な嵌合部31を有するトレイを大量に用意する必要がある。これに対し、本考案によれば、嵌合部31を有する位置決め手段29は一つで良く、極めて経済的であると共に、トレイ2の寸法精度に左右されない精密な位置決め作業が実現できる。
さらに、本考案によれば、第二傾斜手段5はトレイ回収機構を兼ねている。従って、トレイ2を回収できて便利であるし、他の機構を別途付加してトレイ2を回収する必要がないので、効率的である。
以上、本考案について好適な実施形態を挙げて説明したが、本考案はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本考案の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良及び設計の変更が可能である。
上記実施形態では、リニアガイドによってトレイ2を搬送する第一搬送手段3を例示したが、トレイ2を略水平な状態で搬送できるものであれば良く、この構成に限定されるものではない。例えば、ベルトコンベアやボールネジ機構などを適用しても良い。
また、上記実施形態では、電動モータ11を利用する第二傾斜手段5を例示したが、この構成には限定されない。例えば、第一傾斜手段4と同様にシリンダを用いる構成であってに構わない。但し、本実施形態によれば、第二傾斜手段5に電動モータ11を適用することによって、天板6の傾斜角度を二段階に調節している。つまり、部品15を第二停止位置T2に整列させる場合と、トレイ回収機構としてトレイ2を回収ボックス19に回収させる場合とで、天板6の傾斜角度を変えている(図4参照)。つまり、本実施形態では、電動モータ11を適用することによって、第二傾斜手段5を傾斜整列手段とトレイ回収機構とを兼用することができるので、人手でトレイを回収したり、他のトレイ回収機構を付加する場合より効率的である。なお、電動モータ11をステッピングモータやACモータに変えても、当然にして、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
1 部品供給システム
2 トレイ
3第一搬送手段
4 第一傾斜手段
5 第二傾斜手段
15 部品
16 第一受部
17 第二受部
18 くぼみ(部品投入部)
28 実装手段
29 位置決め手段
30 第二搬送手段
31 嵌合部(位置決め部)
100 制御手段(傾斜整列制御手段)
2 トレイ
3第一搬送手段
4 第一傾斜手段
5 第二傾斜手段
15 部品
16 第一受部
17 第二受部
18 くぼみ(部品投入部)
28 実装手段
29 位置決め手段
30 第二搬送手段
31 嵌合部(位置決め部)
100 制御手段(傾斜整列制御手段)
Claims (4)
- 投入された部品の移動を許容する複数の区画された部品投入部、を有するトレイを、略水平な状態で搬送する第一搬送手段と、
該第一搬送手段によって搬送された前記トレイを、略水平な状態から傾斜させた状態に支持する傾斜整列手段と、
該傾斜整列手段を制御することによって、前記部品が前記部品投入部の内壁に当接して停止する状態まで前記トレイを傾斜させる傾斜整列制御手段と
を具備することを特徴とする部品供給システム。 - 前記傾斜整列手段は、前記第一搬送手段の搬送方向に対して上流側または下流側が低くなるような第一傾斜方向に前記トレイを傾斜させることができる第一傾斜手段を有しており、
前記トレイの前記部品投入部は、前記第一傾斜方向に傾斜した状態で前記部品を第一停止位置において受け止める第一受部を有して構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の部品供給システム。 - 前記傾斜整列手段は、前記第一傾斜方向に対して平面視にて略垂直な方向である第二傾斜方向に前記トレイを傾斜させる第二傾斜手段を有しており、
前記トレイの前記部品投入部は、前記第二傾斜方向に傾斜した状態で前記部品を第二停止位置において受け止める第二受部を有して構成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の部品供給システム。 - 前記部品を対応するワークに対して実装させる実装手段と、
前記部品を前記実装手段に対して位置決めさせる位置決め部を有する位置決め手段と、
前記傾斜整列手段によって整列された前記部品を、前記トレイから取り出して前記位置決め部へと搬送する第二搬送手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の部品供給システム。
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Cited By (3)
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JP2011251798A (ja) * | 2010-06-01 | 2011-12-15 | Daiwa:Kk | 小基板の整列機 |
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2006
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