JP3127971B2 - 光コネクタの清浄装置及び清浄テープ巻取側のリール構造及び清浄テープの端部構造 - Google Patents

光コネクタの清浄装置及び清浄テープ巻取側のリール構造及び清浄テープの端部構造

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JP3127971B2
JP3127971B2 JP05055014A JP5501493A JP3127971B2 JP 3127971 B2 JP3127971 B2 JP 3127971B2 JP 05055014 A JP05055014 A JP 05055014A JP 5501493 A JP5501493 A JP 5501493A JP 3127971 B2 JP3127971 B2 JP 3127971B2
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宏正 岡村
和則 金山
泰博 安東
真一 岩野
基晴 川畑
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Honda Tsushin Kogyo Co Ltd
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Honda Tsushin Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光コネクタの接続作業
においてその端面を清浄する光コネクタの清浄装置及び
そのような光コネクタの清浄装置の清浄テープ巻取側の
リール構造及びそのような清浄テープの端部構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、光ファイバ相互間の接続や切
り離しを容易に行うために、各種の光コネクタが用いら
れている。これら光コネクタは、優れた接続特性を有す
るために特に光通信の分野において広く使われている。
かかる光コネクタは、光ファイバの端面を直接突き合わ
せる方式であるため、フェルール端面のゴミあるいは油
汚れ等が付着していると接続特性が劣化する。従って、
接続作業の前には必ずフェルール端面を清浄する必要が
ある。
【0003】図12〜図14は、フェルール端面を清浄
するための従来の典型的な光コネクタの清浄装置の一例
である(米国特許番号第5,117,528号:特開平
2−171706号:特開平2−264907号参
照)。
【0004】図12において、ケース60は、上面の開
口部60aと正面の円弧状のスリット60bを除いて、
内部に埃等が入り込まないように密封されている。ケー
ス60内には、図13及び図14に示されているよう
に、供給側のリール62と巻取側のリール64とが回転
可能に装着されている。供給側のリール62及び巻取側
のリール64には、途中でケース60の開口部60aを
通るように清浄テープ68が掛け渡されている。清浄テ
ープ68としては、ポリエステル系あるいはナイロン系
の0.1デニール以下の極細繊維で織られた清浄布から
なるものを使用できる。かかる清浄布は、例えば、東レ
株式会社より『ミラクレーション』の商品名で市販され
ている。
【0005】ケース60の開口部60aには、ポリエス
テル製のガイドプレート70が嵌め込まれている。ガイ
ドプレート70は、長手方向に延びる平行な一対の長孔
70aと一対の円孔70bとを有している。ケース60
の上面には、また、カバー72がスライド可能に取り付
けられている。カバー72の動きは、レバー66に連動
している。レバー66に力を加えない時は、カバー72
は開口部60aを被覆しており、レバー66に力を加え
て回転すると、カバー72は図14の位置まで下がって
開口部60aを外部に露出させる。
【0006】前述したように、レバー66は巻取側のリ
ール64と連結されているから、レバー66の回転とと
もに使用済みの清浄テープ68は巻取側のリール64に
巻き取られる。これにより、開口部60aの位置に未使
用の清浄テープ68が確実に供給される。
【0007】この状態で、図14に示されているよう
に、光コネクタ74のフェルール76先端をガイドプレ
ート70の長孔70aに挿入し矢印Aの方向に引くこと
により、あるいは、円孔70bの中に挿入し、フェルー
ル76先端を回転することにより、フェルール76端面
を清浄する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の光コネ
クタの清浄装置は、清浄テープ68を使い切ると、ケー
ス60ごとに捨ててしまう形式であった。従って、再使
用不能のものは、清浄テープだけであるにもかかわら
ず、ケースをはじめ多くの貴重な資源が無駄に捨てられ
ることになり、この点の改善が要望されていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上述し
た従来技術の課題を解決すべくなされたもので、使い捨
てされる部品を最小限に抑えることにより、省資源に寄
与できる光コネクタの清浄装置を提供することである。
【0010】本発明の他の目的は、未使用の清浄テープ
を供給側のリールに巻いて供給する際、清浄テープの先
端を簡単に巻取側のリールに装着することができると共
に、清浄テープを使い切って巻取側のリールに使用済み
清浄テープが巻き取られた際は、ロール状の使用済み清
浄テープをワンタッチで巻取側のリールから抜き取り、
それのみを捨てることができる清浄テープ巻取側のリー
ル構造を提供することである。
【0011】本発明のさらに他の目的は、使用済み清浄
テープを捨てるべく巻取側のリールを除去した際、ロー
ル状の清浄テープの内側端がばらけ落ちるのを防止する
ことができる清浄テープの端部構造を提供することであ
る。
【0012】本発明の第一の態様は、内部に埃等が入り
込まないように密封されているケースを有し、その内部
に装着された供給側のリールと巻取側のリールとの間に
掛け渡された可撓性を有する清浄テープを、順次、外部
からアクセスできる開口部に送り出すことにより、光フ
ァイバのフェルール端面を新しい清浄テープ面で清浄す
ることができる光コネクタの清浄装置において、ケース
が、開閉可能な第一のケース部分と第二のケース部分と
から構成されており;両ケース部分は、係合手段により
一体的に結合し得ると共に、係合手段の係合を解除する
ことによってワンタッチで開くことができ、清浄テープ
を使い切ったときに、新しい清浄テープと交換すること
ができる;ことを特徴とする。
【0013】好ましい実施例においては、第一のケース
部分と第二のケース部分とがヒンジにより開閉可能に結
合されていると共に、それらは、該ヒンジとは対向する
側に設けられた開閉手段によってワンタッチで開閉可能
とされている。
【0014】さらに好ましい実施例において、この開閉
手段は、第二のケース部分に固定された弾性片であって
外方に向って突出する掛止爪を有する弾性片と、弾性片
の掛止爪が入り込むように第一のケース部分に開けられ
た切欠部であって該掛止爪が当接して第一のケース部分
と第二のケース部分とを掛止する掛止面を有する切欠部
と、そして、切欠部にほぼ隙間なく嵌まり込む形状を有
し第一のケース部分に片持梁状に取り付けられたロック
解除プレートとを含んで構成されている。
【0015】本発明の第二の態様は、内部に埃等が入り
込まないように密封されているケースを有し、その内部
に装着された供給側のリールと巻取側のリールとの間に
掛け渡された可撓性を有する清浄テープを、順次、外部
からアクセスできる開口部に送り出すことにより、光フ
ァイバのフェルール端面を新しい清浄テープ面で清浄す
ることができる開閉可能な光コネクタの清浄装置の清浄
テープ巻取側のリール構造において、円筒状の軸部とそ
の一端面に固定された円盤状のフランジとを有する第一
のリール部分であって、該軸部の外周面には、軸方向及
び巻取方向と一致する円周方向に延びるL字形の溝と、
清浄テープの先端を装着する手段とが少なくとも1つず
つ設けられている第一のリール部分;そして、第一のリ
ール部分の軸部の外側に嵌合可能な軸部とその一端面に
固定された円盤状のフランジとを有する第二のリール部
分であって、該軸部の内周面には、第一のリール部分の
軸部の外周面に設けられたL字形の溝に嵌入する突起が
少なくとも1つ形成されていると共に、該軸部には、フ
ランジのない側からある側に向って少なくとも1つ切欠
溝が形成さている第二のリール部分;を含んで構成され
ている。
【0016】本発明の第三の態様は、内部に埃等が入り
込まないように密封されているケースを有し、その内部
に装着された供給側のリールと巻取側のリールとの間に
掛け渡された可撓性を有する清浄テープを、順次、外部
からアクセスできる開口部に送り出すことにより、光フ
ァイバのフェルール端面を新しい清浄テープ面で清浄す
ることができる開閉可能な光コネクタの清浄装置に使用
される清浄テープの端部構造であって、清浄テープの先
端部に、自己保持性を有する補強部が設けられているこ
とを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明の第一の態様において、ケースは、開閉
可能な第一のケース部分と第二のケース部分とから構成
され、両ケース部分は、係合手段により一体的に結合し
得ると共に、係合手段の係合を解除することによってワ
ンタッチで開くことができる。従って、第一のケース部
分と第二のケース部分とを、開くことによって使用済み
清浄テープを取り出すと共に未使用の清浄テープを巻い
た供給側のリールを装着することができる。
【0018】これにより、使い捨てにする部品は、実質
的に使用済み清浄テープのみとすることができる。
【0019】好ましい実施例においては、ロック解除プ
レートの下側に弾性片の掛止爪が位置している。従っ
て、ロック解除プレートを押し下げると、弾性片の掛止
爪も押し下げられる。これにより、切欠部の掛止面との
掛止は解除され、第一のケース部分と第二のケース部分
とは開かれる。
【0020】本発明の第二の態様において、清浄テープ
巻取側のリール構造は、第一のリール部分と第二のリー
ル部分を相対的に回転方向及び軸方向に移動することに
より、簡単に分離することができる。
【0021】未使用の清浄テープを全て使い切った場
合、係合手段の係合を解除することによって第一のケー
ス部分と第二のケース部分とを開ける。供給側のリール
は空になっているので、これを未使用の清浄テープを巻
いた新しいものに交換する。一方、巻取側のリールに
は、使用済みの清浄テープが巻き取られている。
【0022】そこで、上述したように、第二のリール部
分を第一のリール部分に対して巻き取り方向に回し、次
に、第二のリール部分を第一のリール部分から軸方向に
離れる方向に移動し、両者を分離する。
【0023】第二のリール部分の軸部には、少なくとも
1つの切欠溝が形成さているため、第二のリール部分の
軸部は第一のリール部分の軸部から簡単に外れることが
できる。第二のリール部分と第一のリール部分とを分離
した際、使用済みの清浄テープは第二のリール部分側と
一緒に第一のリール部分側から分離される。
【0024】しかる後、第二のリール部分の軸部から、
ロール状に巻かれた使用済みの清浄テープのみを抜き取
り捨て去る。
【0025】第一のリール部分に巻かれた清浄テープの
先端を、開口部を通した後、第一のリール部分の軸部の
外周面に形成された溝に連結する。
【0026】次に、第一のリール部分の軸部の外周面に
形成されたL字形の溝に第二のリール部分の軸部の内周
面に形成された突起を挿入し、第一のリール部分と第二
のリール部分とを軸方向に近付く方向に移動する。その
後、第二のリール部分を第一のリール部分に対して巻き
取り方向と反対の方向に回し、両者を連結する。
【0027】第一のケース部分と第二のケース部分とを
閉じると、光コネクタの清浄装置として使用可能とな
る。これで、清浄テープの交換作業の1サイクルが終了
する。
【0028】本発明の第三の態様では、清浄テープの先
端部に自己保持性を有する補強部が設けられているた
め、第二のリール部分の軸部から、ロール状に巻かれた
使用済みの清浄テープのみを抜き取った場合にも、使用
済みの清浄テープの内側端がはぐれ落ちることはない。
【0029】
【実施例】以下、図面を用いて、本発明の光コネクタの
清浄装置及び清浄テープ巻取側のリール構造及び清浄テ
ープの端部構造について詳細に説明する。
【0030】図1は本発明に係る光コネクタの清浄装置
の一実施例の斜視図であり、図2は第一のケース部分と
第二のケース部分とを開いた状態の正面図、図3は同平
面図である。
【0031】本発明に係る光コネクタの清浄装置10
は、図2及び図3に最も良く示されているように、第一
のケース部分11と第二のケース部分12とから構成さ
れている。第一のケース部分11と第二のケース部分1
2とは、ヒンジ13によって開閉可能に連結されてい
る。第一のケース部分11と第二のケース部分12とが
閉じられた状態では、第一のケース部分11の上面の開
口部11aと正面の円弧状のスリット11bを除いて、
内部に埃等が入り込まないように密封されている。
【0032】第一のケース部分11と第二のケース部分
12とは、組み合わせた時に密閉された空間が内部に形
成され且つ簡単に両者を分離して内部にアクセスできる
限りどのような形態をとることもできる。例えば、図示
したヒンジ結合の他、スライド式、嵌合せ式等により構
成することができる。図示された実施例では、第一のケ
ース部分11と第二のケース部分12とを組合せた時、
本発明の光コネクタの清浄装置の外形は、ほぼ直方体形
状をなしているが、他の形状、例えば、後述する巻取側
のリール22の直径を供給側のリール21の直径よりも
大きくできるように異形形状とすることもできる。
【0033】図示された実施例では、第一のケース部分
11と第二のケース部分12とは、ヒンジ13と反対の
側の側部に設けられた開閉機構14によって、ワンタッ
チで開閉可能とされている。
【0034】図4は、かかる開閉機構14の分解斜視図
である。
【0035】第二のケース部分12の側壁には、弾性片
12aが一体的に形成されており、この弾性片12aの
下端には外方に向って突出する掛止爪12bが設けられ
ている。一方、第一のケース部分11の側壁には、弾性
片12aの掛止爪12bが入り込むように開けられた切
欠部11cが形成されている。切欠部11cの上端面1
1dは弾性片12aの掛止爪12bと当接する掛止面と
なっている。切欠部11cに面する第一のケース部分1
1の両側面には、短い溝11eが形成されている。ロッ
ク解除プレート15は、第一のケース部分11の切欠部
11cに隙間なく嵌まり込む形状を有している。ロック
解除プレート15の両側面の下側には、短い溝11eに
嵌入する板状凸部15aが形成されている。
【0036】板状凸部15aを短い溝11eに嵌入し
て、ロック解除プレート15を第一のケース部分11の
切欠部11cに隙間なく嵌め込んだ状態では、光コネク
タの清浄装置10は段差のない滑らかな外面を有する。
ロック解除プレート15は、板状凸部15aを短い溝1
1eに固定した片持梁となるため、その上端部を内側に
撓わませることができる。ロック解除プレート15の内
側には、弾性片12aの掛止爪12bが位置しており、
ロック解除プレート15の上端部を内側に撓わませる
と、弾性片12aの掛止爪12bは切欠部11cの上端
面11dから外れる。これにより、第一のケース部分1
1と第二のケース部分12とを開くことができる状態と
なる。
【0037】このような開閉機構14の構成は、光コネ
クタの清浄装置10の表面に突出物を設ける必要が無
く、また、ロック解除プレート15を押すという最も単
純な動作により、第一のケース部分11と第二のケース
部分12とを開くことができる効果がある。
【0038】第一のケース部分11と第二のケース部分
12とは、他の種々の機構により、開閉可能に結合する
ことができる。図5の(a)〜(c)は、それらの一例
を示すものである。
【0039】第一のケース部分11には、さらに、未使
用の清浄テープ20を巻いた供給側のリール21を回転
可能に枢着する支柱11fと使用済みの清浄テープ20
を巻き取る巻取側のリール22を回転可能に枢着する支
柱11gとが設けられている。 図示された実施例で
は、未使用の清浄テープ20は、供給側のリール21に
巻かれて提供される。清浄テープ20が使用されなくな
ると、空になった供給側のリール21は、支柱11fか
ら外され未使用の清浄テープ20を巻いた新しい供給側
のリール21と取り替えられる。一方、巻取側のリール
22は、支柱11gから取り外されない第一のリール部
分23と、第一のリール部分23に着脱可能に装着され
る第二のリール部分24とを有している。
【0040】図6は、図2に示された巻取側のリールを
構成する第一のリール部分23の斜視図であり、図7
は、図6の第一のリール部分をフランジ側より見た正面
図である。
【0041】第一のリール部分23は、円筒状の軸部2
3aとその一端面に固定された円盤状のフランジ23b
とを有している。図示された好ましい実施例では、円筒
状の軸部23aの外周面には、L字形の溝23cと、清
浄テープ20の先端を装着する溝23dとが2つずつ設
けられている。軸部23aの自由端側端面の延出部23
eには、滑止用の凹凸が形成されている。フランジ23
bの外側中央部には同心円状の凹部23fが形成されて
いる。凹部23fの内周面にはレバー25と係合する歯
23gが形成されており、一方、フランジ23bの外周
面には、第一のケース部分11の支柱11hに装着され
たストップ爪26と係合する逆回転防止用の歯23hが
形成されている。
【0042】フランジ23bに凹部23fを形成し、こ
の凹部23fの内周面に形成した歯23gを介してレバ
ー25により巻取側のリール22を駆動する方式は、図
13及び図14に示したようなフランジ23bの外周面
に形成した歯を介してレバーにより巻取側のリールを駆
動する従来装置に比べて当該機構の薄形化を計ることが
できる。
【0043】図8(a)及び(b)は、図2に示された
巻取側のリールを構成する第二のリール部分の斜視図及
び(a)の第二のリール部分を軸部側より見た正面図で
ある。 第二のリール部分24は、第一のリール部分2
3の軸部23aの外側に嵌合可能な軸部24aとその一
端面に固定された円盤状のフランジ24bとを有する。
軸部24aの内周面には、第一のリール部分23の軸部
23aの外周面に設けられたL字形の溝23cに嵌入す
る突起24cが2つ形成されている。軸部24aには、
また、自由端側からフランジ24bに至まで延びる切欠
溝24dが2つ形成されている。この切欠溝24dによ
り、軸部23aと軸部24aとは弾力的に嵌合すること
ができる。
【0044】第二のリール部分24のフランジ24bに
は、軸部23aの延出部23eが入り込む円弧状の窓2
4eが形成されている。第一のリール部分23と第二の
リール部分24とが組合た状態において、延出部23e
の先端はフランジ24bの端面から僅かに突出する。従
って、延出部23eの先端に形成された凹凸を指で押さ
え第二のリール部分24を回すことにより、確実に第二
のリール部分24を第一のリール部分23に対して相対
的に回転することができる。これにより、突起24cを
L字形の溝23cの円周方向に延びる部分から軸方向に
延びる部分に移動でき、第一のリール部分23と第二の
リール部分24とを分離可能な状態にする。
【0045】図10は、未使用の清浄テープを巻いた供
給側のリールの一実施例の斜視図である。
【0046】前述したように、図2に示された本発明の
光コネクタの清浄装置10では、未使用の清浄テープ2
0は供給側のリール21に巻かれて供給され、使用後は
巻取側のリール22に巻き取られる。そして、最終的に
は、ロール状に巻かれた清浄テープ20及び供給側のリ
ール21のみが捨てられる。
【0047】本発明の光コネクタの清浄装置10でも、
従来装置と同様に清浄テープ20としてポリエステル系
あるいはナイロン系の0.1デニール以下の極細繊維で
織られた清浄布からなるものを使用できる。これらの清
浄布からなる清浄テープは、ロール状に巻かれた清浄テ
ープ20から、巻取側のリール22の第二のリール部分
24を抜き取るとロールの内側からほぐれ落ちてしま
う。これら布には、自己保持性がないからである。
【0048】図10に示された清浄テープ20では、そ
の先端部に、自己保持性を有する補強部20aが設けら
れている。清浄テープ20の先端部に自己保持性を持た
せる方法としては、粘着テープを重ねて貼る方式、糊を
含浸させる方式、樹脂を含浸させておいてこれを硬化さ
せる方式等種々の方法がある。
【0049】第一のケース部分11の開口部11aに
は、ポリエステル製のガイドプレート30が嵌め込まれ
ている。ガイドプレート30には、清浄すべき光ファイ
バの種類に応じて決められた開口部30aが形成されて
いる。
【0050】図11は、その一例を示したもので、2心
タイプの光コネクタのためのガイドプレートの平面図で
ある。
【0051】ガイドプレート30は、一対の平行な開口
部30a、30aを有している。開口部30a、30a
の幅方向の間隔は、2心タイプの光コネクタのフェルー
ル間の間隔に合致して形成されている。
【0052】これにより、2心タイプの光コネクタも、
その一対のフェルール先端をガイドプレート30の開口
部30a、30aに挿入し一方向に引くことにより、簡
単に洗浄することができる。
【0053】第一のケース部分11の正面に形成された
円弧状のスリット11bは、図示された実施例では中心
角がほぼ70度となっているが、他の角度、例えば、5
0度、110度とすることもできる。レバー25の回転
による清浄テープ20の送り長さは、巻取側のリール2
2に巻き取られた時のロールの半径、すなわち支柱11
gの中心からの距離に比例する。そこで、巻取側のリー
ル22に巻き取られた時のロールの半径が小さい時はレ
バー25の回転角度を大きくし、ロールの半径が大きく
なるに従ってレバー25の回転角度を小さくするように
すると、清浄テープ20の無駄が少なくなる。例えば、
第二のケース部分12に透明な窓12cを設け、供給側
のリール21又は巻取側のリール22のロール半径を観
察し、それに適応するレバー25の回転角度を円弧状の
スリット11bに隣接して記載しておくこともできる。
【0054】また、図示した実施例では、未使用の清浄
テープ20を供給側のリール21に巻いて供給し、使用
し切った場合には、空になった供給側のリール21と使
用済の清浄テープ20のみを捨てる方式とした。しかし
ながら、供給側のリール21と巻取側のリール22とを
ユニットとして供給し、使用し切った場合には、ユニッ
トごと交換可能とすることもできる。この場合も、光コ
ネクタの清浄装置の大部分は、捨てられず再使用可能と
なる。
【0055】光コネクタの清浄装置10のその他の構成
要素は、基本的に従来技術として引用した米国特許番号
第5,117,528号:特開平2−171706号:
特開平2−264907号に記載のものと同様である。
【0056】また、光コネクタの清浄装置10の使用方
法も、ケースを開いて清浄テープ20を交換する点を除
いて、上記従来装置と同様である。特に、未使用の清浄
テープ20を巻いた供給側のリール21への交換作業が
終了した後は、上記従来装置と基本的に同様である。
【0057】そこで、以下、未使用の清浄テープ20を
巻いた供給側のリール21の交換作業について、詳細に
説明する。
【0058】未使用の清浄テープ20を使い切った場
合、先ず、ロック解除プレート15の自由端側15cを
押す。これにより、第二のケース部分12の掛止爪12
bと第一のケース部分11の上端面11dとの掛止を解
除し、第一のケース部分11と第二のケース部分12と
を開く(図2及び図3参照)。
【0059】巻取側のリール22において、第一のリー
ル部分23に対して第二のリール部分24を巻き取り方
向に回転する。これにより、突起24cをL字形の溝2
3cの円周方向に延びる部分から軸方向に延びる部分に
移動できる。しかる後、第二のリール部分24を第一の
リール部分23から軸方向に引き抜く。これにより、図
9(a)に示すように、突起24cはL字形の溝23c
の軸方向に延びる部分を移動し、第一のリール部分23
と第二のリール部分24とは分離される。
【0060】第二のリール部分24の軸部24aには、
少なくとも1つの切欠溝24dが形成さているため、第
二のリール部分24の軸部24aは第一のリール部分2
3の軸部23aから簡単に外れることができる。この
時、図9(a)に示すように、使用済みの清浄テープ2
0は第二のリール部分24側と一緒に第一のリール部分
23側から分離される。
【0061】空となった供給側のリール21も、同様
に、第一のケース部分11の支柱11fから取り外して
おく。
【0062】次に、図9(b)に示すように、第二のリ
ール部分24の軸部24aから、ロール状に巻かれた使
用済みの清浄テープ20のみを抜き取り、空となった供
給側のリール21と共に捨て去る。
【0063】図10に示された清浄テープ20では、そ
の先端部に、自己保持性を有する補強部20aが設けら
れている。従って、ロール状に巻かれた清浄テープ20
から、第二のリール部分24を抜き取ってもロールの内
側からほぐれ落ちてしまうことはない。
【0064】次に、未使用の清浄テープ20が巻かれた
新しい供給側のリール21を第一のケース部分11の支
柱11fに装着する。
【0065】しかる後、清浄テープ20の先端部を、開
口部11aに嵌め込まれたガイドプレート30とその下
側に設置された弾性を有する板部材31との間の狭い隙
間に挿入する。図10に示された清浄テープ20では、
補強部20aが自己保持性を有するので、この作業が容
易となる。
【0066】次に、図9(c)に示すように、清浄テー
プ20の先端部を、第一のリール部分23の軸部23a
に形成された溝23dに挿入する。清浄テープ20の最
先端部を溝23dの幅より僅かに厚くすると、清浄テー
プ20が第一のリール部分23の軸部23aから取れ難
くなる効果がある。
【0067】図6〜図9に示された巻取側のリール22
は、第一のリール部分23と第二のリール部分24とが
分離可能となっているため、清浄テープ20の先端部の
巻取側のリール22への結合が容易となっている。
【0068】次に、第一のリール部分23の軸部23a
の外周面に形成されたL字形の溝23cに第二のリール
部分24の軸部24aの内周面に形成された突起24c
を挿入するように、第一のリール部分23と第二のリー
ル部分24とを軸方向に近付く方向に移動する。その
後、第二のリール部分24を第一のリール部分23に対
して巻き取り方向とは反対の方向に回し、両者を連結す
る。図9(d)に示すように、両者を連結した状態にお
いて、第一のリール部分23の溝23dに挿入された清
浄テープ20の先端部は、第二のリール部分24の軸部
24aに覆われる位置となっている。従って、巻取側の
リール22をレバー25を用いて回転させる際、清浄テ
ープ20の先端部は第一のリール部分23の溝23dか
ら抜け難いようになっている。
【0069】上述したように、供給側のリール21と巻
取側のリール22とをユニットとして供給し、使用し切
った場合にユニットごとに交換する方式とした場合、以
上のほとんどの手順を省略することができる。
【0070】最後に、第一のケース部分11と第二のケ
ース部分12とを閉じ、第二のケース部分12の掛止爪
12bと第一のケース部分11の上端面11dとを掛止
させ、清浄テープ20の交換作業の1サイクルが終了す
る。
【0071】
【発明の効果】本発明の第一の態様では、光コネクタの
清浄装置のケースが、開閉可能な第一のケース部分と第
二のケース部分とから構成されており;両ケース部分
は、係合手段により一体的に結合し得ると共に、係合手
段の係合を解除することによってワンタッチで開くこと
ができるため、清浄テープを使い切った際、実質的に、
使用済の清浄テープのみを捨て未使用の清浄テープに交
換可能となった。これにより、使い捨てされる部品を最
小限に抑えることができ、省資源に寄与できる効果があ
る。
【0072】また、供給側のリールと巻取側のリールと
をユニットとして供給し、交換する方式とした場合に
は、省資源と共に取換え作業を飛躍的に簡略化すること
ができる効果がある。
【0073】本発明の第二の態様では、巻取側リール
が、L字形の溝及び清浄テープの先端を装着する手段が
外周面に少なくとも1つずつ設けられている軸部を有す
る第一のリール部分;そして、L字形の溝に嵌入する突
起及びフランジのない側からある側に向う切欠溝が少な
くとも1つずつ形成さている軸部を有する第二のリール
部分;を含んで構成されているため、巻取側のリールに
装着する際及び巻取側のリールからロール状の使用済み
清浄テープを抜きとする際、第一のリール部分と第二の
リール部分とを簡単な操作で分離することができる。こ
れにより、清浄テープの先端を簡単に巻取側のリールに
装着できると共に、使用済み清浄テープをワンタッチで
巻取側のリールから抜き取り、それのみを捨てることが
できる効果がある 本発明の第三の態様では、清浄テープの先端部に、自己
保持性を有する補強部が設けられているため、使用済み
清浄テープを捨てるべく巻取側のリールを除去した際、
ロール状の清浄テープの内側端がばらけ落ちるのを防止
することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光コネクタの清浄装置の一実施
例の斜視図である。
【図2】 第一のケース部分と第二のケース部分とを開
いた状態の正面図である。
【図3】 第一のケース部分と第二のケース部分とを開
いた状態の平面図である。
【図4】 図1の光コネクタの清浄装置に使用されてい
る開閉機構の分解斜視図である。
【図5】 (a)〜(c)は開閉機構の他の実施例の斜
視図である。
【図6】 図2に示された巻取側のリールを構成する
第一のリール部分の斜視図である。
【図7】 図6の第一のリール部分をフランジ側より見
た正面図である。
【図8】 (a)及び(b)は、図2に示された巻取側
のリールを構成する第二のリール部分の斜視図及び
(a)の第二のリール部分を軸部側より見た正面図であ
る。
【図9】 (a)〜(c)及び(d)は、清浄テープの
交換作業を説明するための斜視図及び巻取側のリールの
組立時における断面図である。
【図10】 未使用の清浄テープを巻いた供給側のリー
ルの一実施例の斜視図である。
【図11】 2心タイプの光コネクタのためのガイドプ
レートの平面図である。
【図12】 フェルール端面を清浄するための従来の典
型的な光コネクタの清浄装置の斜視図である。
【図13】 図12の光コネクタの清浄装置の縦断面図
である。
【図14】 図13の状態をフェルール端面を清浄する
ためカバーを開けて開口部を外部からアクセス可能とし
たときの縦断面図である。
【符号の説明】
10 光コネクタの清浄装置 11 第一のケース部分 12 第二のケース部分 13 ヒンジ 14 開閉機構 15 ロック解除プレート 20 清浄テープ 20a 補強部 21 供給側のリール と、清浄テープ20の先端を装着する 22 巻取側のリール 23 第一のリール部分 23a 軸部 23b フランジ 23c L字形の溝 23d 溝 24 第二のリール部分 24c 突起 24d 切欠溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 敏昭 東京都目黒区目黒本町6丁目18番12号 本多通信工業株式会社内 (72)発明者 岡村 宏正 東京都目黒区目黒本町6丁目18番12号 本多通信工業株式会社内 (72)発明者 金山 和則 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 安東 泰博 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 岩野 真一 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 川畑 基晴 東京都港区六本木一丁目4番33号 エ ヌ・ティ・ティ・インターナショナル株 式会社内 審査官 小橋 立昌 (56)参考文献 特開 平3−75709(JP,A) 特開 平4−298707(JP,A) 実開 平3−117209(JP,U) 実開 昭63−41456(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/36 B08B 11/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に埃等が入り込まないように密封
    されているケースを有し、その内部に装着された供給側
    のリールと巻取側のリールとの間に掛け渡された可撓性
    を有する清浄テープを、順次、外部からアクセスできる
    開口部に送り出すことにより、光ファイバのフェルール
    端面を新しい清浄テープ面で清浄することができる光コ
    ネクタの清浄装置において、 前記ケースが、開閉可能な第一のケース部分と第二のケ
    ース部分とから構成されており;両ケース部分は、係合
    手段により一体的に結合し得ると共に、係合手段の係合
    を解除することによってワンタッチで開くことができ、
    清浄テープを使い切ったときに、新しい清浄テープと交
    換することができる;ことを特徴とする光コネクタの清
    浄装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光コネクタの清浄装
    置において、 前記第一のケース部分と第二のケース部分とは、ヒンジ
    により開閉可能に結合されていると共に、該ヒンジとは
    対向する側に設けられた開閉手段によってワンタッチで
    開閉可能とされていることを特徴とする光コネクタの清
    浄装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光コネクタの清浄装
    置において、 前記開閉手段は、前記第二のケース部分に固定された弾
    性片であって外方に向って突出する掛止爪を有する弾性
    片と、前記弾性片の掛止爪が入り込むように前記第一の
    ケース部分に開けられた切欠部であって該掛止爪が当接
    して前記第一のケース部分と第二のケース部分とを掛止
    する掛止面を有する切欠部と、そして、前記切欠部にほ
    ぼ隙間なく嵌まり込む形状を有し前記第一のケース部分
    に片持梁状に取り付けられたロック解除プレートとを含
    んで構成されており、ロック解除プレートを押し下げる
    ことにより、前記弾性片の掛止爪と前記切欠部の掛止面
    との掛止を解除し、それにより、前記第一のケース部分
    と第二のケース部分とを開くことを特徴とする光コネク
    タの清浄装置。
  4. 【請求項4】 内部に埃等が入り込まないように密封
    されているケースを有し、その内部に装着された供給側
    のリールと巻取側のリールとの間に掛け渡された可撓性
    を有する清浄テープを、順次、外部からアクセスできる
    開口部に送り出すことにより、光ファイバのフェルール
    端面を新しい清浄テープ面で清浄することができる開閉
    可能な光コネクタの清浄装置の清浄テープ巻取側のリー
    ル構造において、 円筒状の軸部とその一端面に固定された円盤状のフラン
    ジとを有する第一のリール部分であって、該軸部の外周
    面には、軸方向及び巻取方向と一致する円周方向に延び
    るL字形の溝と、前記清浄テープの先端を装着する手段
    とが少なくとも1つずつ設けられている第一のリール部
    分;そして、 前記第一のリール部分の軸部の外側に嵌合可能な軸部と
    その一端面に固定された円盤状のフランジとを有する第
    二のリール部分であって、該軸部の内周面には、前記第
    一のリール部分の軸部の外周面に設けられたL字形の溝
    に嵌入する突起が少なくとも1つ形成されていると共
    に、該軸部には、フランジのない側からある側に向って
    少なくとも1つ切欠溝が形成されている第二のリール部
    分;を含んで構成されている清浄テープ巻取側のリール
    構造。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の清浄テープ巻取側の
    リール構造において、 前記第二のリール部分のフランジには、円弧状の窓が形
    成されており、一方、前記第一のリール部分の軸部の自
    由端側の端面には、前記第二のリール部分のフランジに
    形成された円弧状の窓内に入り、その端面から僅かに突
    出する延出部が形成されていることを特徴とする清浄テ
    ープ巻取側のリール構造。
  6. 【請求項6】 内部に埃等が入り込まないように密封
    されているケースを有し、その内部に装着された供給側
    のリールと巻取側のリールとの間に掛け渡された可撓性
    を有する清浄テープを、順次、外部からアクセスできる
    開口部に送り出すことにより、光ファイバのフェルール
    端面を新しい清浄テープ面で清浄することができる開閉
    可能な光コネクタの清浄装置に使用される清浄テープの
    端部構造であって、 前記清浄テープの先端部に、自己保持性を有する補強部
    が設けられていることを特徴とする清浄テープの端部構
    造。
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