JP3127917B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP3127917B2
JP3127917B2 JP11143200A JP14320099A JP3127917B2 JP 3127917 B2 JP3127917 B2 JP 3127917B2 JP 11143200 A JP11143200 A JP 11143200A JP 14320099 A JP14320099 A JP 14320099A JP 3127917 B2 JP3127917 B2 JP 3127917B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の反射型STNモードは、バックラ
イトが不要で消費電力が小さいという特徴を有してお
り、携帯型の各種情報機器に広く採用されてきた。
【0003】第5図に、従来の反射型STNモードを用
いた液晶表示素子の断面図を示す。従来の液晶表示素子
は、液晶セル1と、これを挟んで両側に配置した偏光板
2と3、そして偏光板3の外側に設けられる反射板4と
から成り立っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
反射型STNモードを用いた液晶表示素子には、表示が
暗く、着色も大きいという課題があった。また反射型モ
ード特有の、表示が二重に見えるという課題もあった。
【0005】第6図に、従来の反射型STN液晶表示素
子の、電界オフ時とオン時の分光特性を示した。図中4
1は電界オフ時の、また42は電界オン時の分光特性で
ある。ここでセル条件は、ツイスト角が255度、液晶
の複屈折率△nとセルギャップdの積で表わされるリタ
ーデーション△n×dの値が0.85μm、偏光軸方向
とラビング方向とのなす角度が45度である。STNモ
ードは、このようにオフ時に黄緑色、オン時に青色と、
表示の着色が著しい上、視感反射率も65%と低く、視
認性に劣っていた。
【0006】本発明はこのような課題を解決するもの
で、その目的とするところは、新しい反射型液晶モード
を導入することによって、明るく、色付きが少なく、し
かも表示が二重に見えない液晶表示素子を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子
は、一対の基板間に液晶層が挟持された液晶セルと、一
方の前記基板の外側に配置した偏光手段と、他方の前記
基板の外側に配置したバックライトと、を有する液晶表
示素子において、前記液晶層と前記バックライトとの間
には半透過型の反射板が配置されており、前記反射板と
前記バックライトとの間には偏光手段が配置されている
ことを特徴とする。
【0008】
【0009】
【0010】以下、実施例により本発明の詳細を示す。
【0011】
【発明の実施の形態】
【0012】
【実施例】(実施例1)第1図は、本発明の液晶表示素
子の断面図である。図中、1は液晶セル、2は偏光板、
4は反射板、5は光学的異方体である。また、11は上
基板、12は下基板、13は透明電極、15は液晶であ
る。液晶は、メルク社製のZLI−4506(△n=
0.1438)を用い、セルギャップ5.6μmの液晶
セルにツイスト配向させた。リターデーション値は0.
81μmである。また光学的異方体としては、ポリカー
ボネート樹脂の一軸延伸フィルムを用いた。その△nは
0.0039、膜厚は80μmで、リターデーション値
が0.31μmである。
【0013】第3図は、本発明の液晶表示素子の各軸の
関係を、観察方向(即ち第1図の上方向)から見た図で
ある。21は偏光板の偏光軸方向、22は光学的異方体
として用いた一軸延伸フィルムの延伸方向、23は上基
板のラビング方向、24は下基板のラビング方向であ
る。また31は21が23となす角度で左40度に、3
2は22が23となす角度で左22度に、33は液晶の
ツイスト角で左260度にそれぞれ設定した。
【0014】第4図は、以上の条件の下で作製した液晶
表示素子の分光特性を示す図である。図中41は電界オ
フ時の、また42は電界オン時の分光特性である。オフ
時の視感反射率Yoffは83%と高く、しかもその表
示色は非常に白に近い。またオン時の視感反射率も2.
0%と低いため、最大取り得るコントラスト比は、1:
42である。
【0015】本実施例の液晶表示素子は、ツイスト角が
260度と大きく電圧透過率特性の急峻性が非常に良い
ため、1/480デューティのマルチプレックス駆動を
行っても、1:20という高い表示コントラストが得ら
れた。
【0016】(実施例2)実施例2の液晶表示素子も実
施例1と同様の構成である。但し、第1図の液晶セル1
には、メルク社製の液晶ZLI−4428(△n=0.
1222)を用いた。セルギャップは6.0μmであ
り、リターデーション値は0.73μmである。また、
光学的異方体5としては、PMMA樹脂の一軸延伸フィ
ルムを用いた。その△nは0.00061、膜厚は60
0μmで、リターデーション値が0・37μmである。
また、第3図において、角度31を左21度、角度32
を左10度、ツイスト角33を左240度に設定した。
【0017】この時、オフ時には78%と比較的高い視
感反射率Yoffが得られ、しかもその表示色は白に近
かった。またオン時の視感反射率も2.1%と低いた
め、最大取り得るコントラスト比は、1:37と大き
い。
【0018】また本実施例においては、光学的異方体と
して、光学的に負の一軸性を有するPMMA樹脂の一軸
延伸フィルムを用いているために、視角特性に優れてい
るという特徴がある。
【0019】(実施例3)第2図は、本実施例の液晶表
示素子の断面図である。図中、1は液晶セル、2は偏光
板、5は光学的異方体である。また、11は上基板、1
2は下基板、13は透明電極、14は画素電極を兼ねた
反射膜、15は液晶である。液晶セル1には、メルク社
製の液晶ZLI−4427(△n=0.1127)を用
いて、平均のリターデーション値を0・69μmとし
た。また、光学的異方体としては、ポリプロピレン樹脂
の一軸延伸フィルムを用いた。その△nは0.001
8、膜厚は200μmで、リターデーション値が0.3
6μmである。また、第3図において、角度31を左1
3度、角度32を左88度、ツイスト角33を左225
度に設定した。
【0020】この時、オフ時には80%と比較的高い視
感反射Yoffが得られ、しかもその表示色は白に近か
った。またオン時の視感反射率も2.2%と低いため、
最大取り得るコントラスト比は、1:36と大きい。
【0021】なお、ここで反射膜14は、表面凹凸0.
5μmのすりガラスの表面にスパッタ法により金属アル
ミニウム薄膜を設けたものであり、指向性の少ない反射
特性を有する。なお、金属としてはアルミニウムの他に
ニッケルやクロム等の白銀色を有する材料ならば何でも
よく、表面凹凸は金属の表面を荒く研磨したり、薬品処
理を行うことによって設けることもできる。
【0022】この反射膜を櫛形等にパターン形成する場
合には、この金属薄膜を直接パターニングする方法と、
金属薄膜上に絶縁物を介して透明電極を設け、この透明
電極をパターニングする方法とがある。この絶縁物は、
表面凹凸を緩和すツイスト角が大きくd/pマージン
(d:セルギャップ、p:自発ピッチ)が狭い場合には
有効である。
【0023】このように、反射板を液晶セルの中に設け
ることによって、従来の反射型液晶表示素子に特有の、
表示が二重に見えるという問題を解決することができ
る。さらに液晶厚の微少なばらつきが、表示色を平均化
し、色付きをさらに少なくするという副次的な効果もあ
る。
【0024】以上の実施例においては、光学的異方体
は、液晶セルと偏光板の間に置いたが、液晶セルと反射
板の間に置くこともできる。さらに光学的異方体1枚に
限らず、2枚以上用いることによってさらに高いコント
ラスト比と、色付きの少ない表示を得ることができる。
【0025】また、一軸延伸フィルム延伸方向22が表
示画面の水平方向と平行に置けるように、液晶セルのラ
ビング方向23及び24を設定すると、左右方向の視角
が広くなって、複数の人が表示を見るのに都合がよい。
逆に、延伸方向22が表示画面の垂直方向と平行に置け
るようにラビング方向を設定すると、コントラスト比が
向上する。いずれにせよ、このように一軸延伸フィルム
を配置することは、高価なフィルムの取り数を増やし、
製造コストを下げる上でも非常に有効である。
【0026】また、反射板4を半透過型にし、この反射
板を挟んで液晶セルと反対側にバックライトを設けれ
ば、周囲が暗いときには透過型ディスプレイとして使う
こともでき、反射型ディスプレイの欠点を補うことがで
きる。ただしその際には、反射板とバックライトの間
に、偏光板と、必要に応じて光学的異方体とを設ける必
要がある。
【0027】
【発明の効果】そして本願発明の液晶表示素子は、一対
の基板間に液晶層が挟持された液晶セルと、一方の前記
基板の外側に配置した偏光手段と、他方の前記基板の外
側に配置したバックライトと、を有する液晶表示素子に
おいて、前記液晶層と前記バックライトとの間には半透
過型の反射板が配置されており、前記反射板と前記バッ
クライトとの間には偏光手段が配置されていることを特
徴とするので、周囲が暗いときには透過型ディスプレイ
として使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜2における液晶表示素子の
断面図である。
【図2】本発明の実施例3における液晶表示素子の断面
図である。
【図3】本発明の液晶表示素子の各軸の関係を示す図で
ある。
【図4】本発明の実施例1における液晶表示素子の電界
オフ時と電界オン時の分光特性を示す図である。
【図5】従来の液晶表示素子の断面図である。
【図6】従来の液晶表示素子の電界オフ時と電界オン時
の分光特性を示す図である。
【符号の説明】
1.液晶セル 2.偏光板(上側) 3.偏光板(下側) 4.反射板 5.光学的異方体(一軸延伸フィルム) 11.上基板 12.下基板 13.透明電極 14.画素電極を兼ねた反射膜 15.液晶 21.偏光板2の偏光軸(吸収紬あるいは透過軸)方向 22.光学的異方体の光軸方向(一軸延伸フィルムの延
伸方向) 23.上基板11のラビング方向(液晶配向方向) 24.下基板12のラビング方向(液晶配向方向) 31.21が23となす角度 32.22が23となす角度 33.液晶15のツイスト角 41.電界オフ時の反射光の分光特性 42.電界オン時の反射光の分光特性
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G09F 9/00 335 G09F 9/00 335Z

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の基板間に液晶層が挟持された液晶セ
    ルと、一方の前記基板の外側に配置した偏光手段と、他
    方の前記基板の外側に配置したバックライトと、を有す
    る液晶表示素子において、 前記液晶層と前記バックライトとの間には半透過型の反
    射板が配置されており、前記反射板と前記バックライト
    との間には偏光手段が配置されていることを特徴とする
    液晶表示素子。
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