JP3725187B2 - 液晶表示装置、及び電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は液晶表示装置、及び液晶表示装置を搭載した電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液晶表示装置では、電圧の有無により明暗表示を行うように形成されているが、一般に液晶セルの複屈折により、明色表示時においては緑色から黄赤色に着色し、暗色表示時においては青色に着色するという問題があった。このような着色は、カラー表示時における表示色の品位を低下させるとともに、表示のコントラストをも低下させる原因になる。
【0003】
そこで従来、特公平3−50249号公報に記載されているように、偏光板と液晶セルとの間に色補償用の光学的異方性を有する高分子フィルムを配置した液晶表示装置(以下、FTN型液晶表示装置という。)や、偏光板と液晶セルとの間に色補償用の液晶セルを配置した液晶表示装置(以下、NTN型液晶表示装置という。)が提案されている。この場合、FTN型液晶表示装置は、色補償のために液晶セルの代わりに高分子フィルムを用いるだけでよいため、NTN型液晶表示装置よりも軽量薄型化が容易であり、製造コストも低減できるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のFTN液晶表示装置では、高分子フィルムの特性を液晶層の特性に合わせる必要があるが、完全な色補償を行うに充分な特性を有する高分子フィルムが存在しないという問題がある。例えば、現在一般に使用されている高分子フィルムはポリカーボネート製であるが、色補償が充分ではなく、特に暗色側が着色してしまう。これを防止するためには、液晶のΔn・dの波長分散値に対応した高い波長分散値を有する高分子フィルムを用いることが考えられる。
【0005】
しかし、高い波長分散値を有する高分子フィルムを用いると、明色側の色補償はうまくいくが、暗色側の色補償はうまくいかず、暗色側で着色が生じてしまい、その結果コントラストの低下も招いてしまう。
【0006】
本発明の目的は、上記問題点を解決することにあり、明色側及び暗色側両方の状態で着色が生じず、コントラストの高い液晶表示装置を提供することにある。また、そのような液晶表示装置に用いる積層楕円偏光フィルムを提供することであり、そのような積層楕円偏光フィルムを用いて液晶表示装置を製造する方法を提供することであり、そのような液晶表示装置を搭載した高性能な電子機器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置は、180度から360度の範囲でねじれ配向したネマチック液晶層と、偏光板と、前記ネマチック液晶層と前記偏光板との間に配置された高分子フィルムと、を具備し、前記高分子フィルム及び前記ネマチック液晶層が光学的異方性を有するノーマリーホワイトモードの液晶表示装置において、前記液晶表示装置は、前記ネマチック液晶層に電圧を印加したときに暗くなり、電圧を印加しないときに明るくなり、前記高分子フィルムは、波長450nmにおけるリタデーション値と波長590nmにおけるリタデーション値との比で表わされる波長分散値aを有し、前記ネマチック液晶層は、波長450nmにおける△n・dと波長590nmにおける△n・dとの比で表わされる波長分散値bを有し、前記ネマチック液晶層に電圧を印加しないときの前記液晶表示装置の反射率が30.5以上、且つ前記液晶表示装置が明るい状態と暗い状態とのコントラスト比が9.0以上となるように、0.99≦a≦1.07及び1.12≦b≦1.16の関係を満たすことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の液晶表示装置は、前記高分子フィルムの波長分散値aを1.07以下とすることが好ましい。
【0009】
さらに、本発明の液晶表示装置は、前記ネマチック液晶層の波長分散値bを1.11以上とすることが好ましい。
【0010】
さらにまた、本発明の液晶表示装置は、前記高分子フィルムの波長分散値aを0.99<a<1.07の範囲内とし、前記ネマチック液晶層の波長分散値bを1.11<b<1.17の範囲内とすることが望ましい。
【0013】
また、本発明の電子機器は、上述のうちいずれかに記載の液晶表示装置をディスプレイとして搭載したことを特徴とする。
【0022】
【作用】
本発明によれば、ネマチック液晶層に電圧を印加したときに暗くなり、電圧を印加しないときに明るくなる液晶表示装置において、ネマチック液晶層に電圧を印加しないときの液晶表示装置の反射率が30.5以上、且つ液晶表示装置が明るい状態と暗い状態とのコントラスト比が9.0以上となるように、0.99≦a≦1.07及び1.12≦b≦1.16の関係を満たすので、暗状態(電圧印加時)における黒色性が向上してコントラスト比が高まるとともに、白色性も良好で、明るい表示が得られる。
【0024】
請求項5の発明によれば、高分子フィルムをポリビニルアルコールとすることによって、安価に良好な表示特性を得ることができる。
【0025】
高分子フィルムとしては請求項6及び請求項7に記載された材質を用いることもできる。
【0026】
請求項8の発明によれば、複数のフィルム材質を積層して高分子フィルムを構成することにより、所望の波長分散値を設計することができ、その結果、液晶層の種類に応じて高分子フィルムの特性を調整し、表示特性を向上させることができる。
【0027】
請求項9の発明によれば、積層楕円偏光体を構成して、その表面に保護膜を形成することにより、装置の信頼性を維持しつつ保護膜形成の工数を低減させて、製造コストを削減することができる。
【0028】
請求項10乃至請求項13の発明によれば、高分子フィルムと偏光板を一体化したため、上記のような液晶表示装置に最適な積層楕円偏光フィルムを安価に供給することができる。
【0029】
請求項14の発明によれば、そのような積層楕円偏光フィルムを用いることによって、上記のような液晶表示装置を安価に供給することができる。
【0030】
請求項15の発明によれば、高品質な白黒表示及びカラー表示が可能でコントラストの高い液晶表示装置を搭載した高性能な電子機器を提供することができる。
【0031】
【実施例】
次に、図面を参照して本発明に係る実施例を説明する。本実施例は、図1に示す概略構造をもつ液晶表示装置である。液晶セル1は、上電極基板2と、下電極基板3との間にスペーサ4を配して所定の厚さに設定され、上下基板の内面に所定方向にラビング処理された配向膜を介して液晶層5を収容したものである。この上電極基板2及び下電極基板3には、液晶セル1に時分割信号を印加して駆動する時分割駆動回路6が接続されている。液晶セル1の上下両側には、偏光板7,8が配置されている。液晶セル1と偏光板7との間には、一軸性高分子フィルム9が挟持されている。
【0032】
図2には、上記液晶表示装置における液晶分子の配向、一軸性高分子フィルムの光軸方向、及び偏光板の偏光軸方向を示す。ここで、11は上電極基板2の内面に接する液晶分子の配向方向、12は下電極基板3の内面に接する液晶分子の配向方向、13は偏光板7の偏光軸の方向、14は偏光板8の偏光軸の方向、15は一軸性高分子フィルム9の光軸方向である。
【0033】
角度ψは、上電極基板2の内面に接する液晶分子の配向方向11と下電極基板3の内面に接する液晶分子の配向方向12とのなす角、角度αは、上電極基板2に接する液晶分子の配向方向11と一軸性高分子フィルム9の光軸方向15とのなす角、角度βは、下電極基板3に接する液晶分子の配向方向12と偏光板8の偏光軸の方向14とのなす角、角度γは、一軸性高分子フィルムの光軸方向15と偏光板7の偏光軸の方向とのなす角である。ここで、α、β、γの角度は、以下の記述において、それぞれ図中矢印の方向を正とし、逆方向を負とする。
【0034】
〔実施例1〕
図2に示す角度を、それぞれ、ψ=60度、α=70〜100度、β=−35度〜−50度、γ=45〜60度として、光学異方性Δnが0.132であるネマチック液晶に光学活性剤を添加し、液晶分子のねじれ角を240度にして、液晶層の層厚dを6.3μmとなるようにした。したがって、Δn・d=0.83である。また、一軸性高分子フィルム9のリタデーション値Rは600〜660nmである。このような設定にすることにより、ノーマリーホワイトモード(電圧無印加時に明るく、電圧印加時に暗くなる)の液晶表示装置が得られる。
【0035】
本実施例では、一軸性高分子フィルムとして、ポリビニルアルコール(以下、PVAという。)を用いた。このPVAフィルムの波長分散値a(a=R450/R590)は1.007である。また、上記液晶の波長分散値b(b=N450/N590)は1.12である。ここで、R450は波長450nmにおけるフィルムのリタデーション値、R590は波長590nmにおけるフィルムのリタデーション値である。また、N450は波長450nmにおける液晶のΔn・dの値(Δnは液晶の光学異方性、dは液晶の層厚)、N590は波長590nmにおける液晶のΔn・dの値である。
【0036】
本実施例の効果を示すために、比較例として一軸性高分子フィルムにポリカーボネート(以下、PCという。)を用いた場合を示す。PCフィルムの波長分散値aは1.09である。このような実施例及び比較例の液晶セルを、上記範囲内で角度α,角度β,及び角度γを適当に変化させた3組の条件1,条件2,及び条件3にそれぞれ構成し、デューティ比1/240で時分割駆動させて、オン状態(暗色)とオフ状態(明色)の色度及びコントラスト比(明状態における透過率/暗状態における透過率)を測定した。その結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003725187
【0038】
実施例1と比較例とを対比すると、条件1〜3のいずれにおいても、実施例1の方が明らかに白黒性が向上している。特に、暗色(オン色度)が良好で、着色が殆ど見られない。また、実施例1では、いずれも比較例に対してコントラストが向上している。
【0039】
本実施例では、PCのような高分散高分子フィルムの代わりに低分散高分子フィルムを使用したことによって、ノーマリーホワイトモードの液晶表示装置のオフ状態(明色)とオン状態(暗色)の着色を防止できるとともに、コントラストを向上できる。また、一軸性高分子フィルムを低分散のPVAフィルムとしたことにより安価に調達できるから、液晶表示装置の製造コストを低減することができる。
【0040】
〔実施例2〕
上記実施例1と同様の液晶において、ψ=80度、液晶分子のねじれ角が260度である点を除いて、他を実施例1と同一とし、上記と同一の条件1〜条件3においてデューティ比1/240で時分割駆動した時のオン状態とオフ状態の色度及びコントラスト比を測定した。この結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
Figure 0003725187
【0042】
この実施例2においても、全ての条件においてオン状態、オフ状態ともに良好な結果が得られた。また、コントラスト比は、実施例1よりも全ての条件において向上している。
【0043】
〔実施例3〕
液晶層の層厚dを7.2μm、Δn・dを0.95μmに変えた。また、一軸性高分子フィルムのリタデーション値Rを660nmとした。その他は上記実施例2と同一にして、上記と同様に各条件にて液晶表示装置を製作し、デューティ比1/240で時分割駆動して色度及びコントラスト比を測定した。
【0044】
この実施例3においても上記実施例1又は実施例2と同様に白黒性は良好であった。また、コントラスト比は9〜12であり、実施例2よりもさらに良好な値が得られた。
【0045】
〔実施例4〕
波長分散値bが1.14、光学異方性Δnが0.155のネマチック液晶を用い、液晶層の厚さdを5.5μmにして液晶セルを製作した。したがって、Δn・d=0.86である。一軸性高分子フィルムとして、PVAフィルムとPCフィルムとを光軸を同一方向にして貼り合わせたものを使用した。このようにして一体にした積層高分子フィルムは、波長分散値aとして1.04を示した。
【0046】
この実施例4では、実施例1とほぼ同様に良好な白黒性が得られた。また、このときの応答時間は、液晶層の層厚に対応して高速になり、立ち上がり時間と立ち下がり時間とを合わせた時間が200msとなった。
【0047】
〔実施例5〕
一軸性高分子フィルムの波長分散値aと液晶の波長分散値bとを種々変化させて、表示特性について測定した結果を表3並びに図3及び図4に示す。他の条件はほぼ実施例1と同一である。
【0048】
【表3】
Figure 0003725187
【0049】
この結果によれば、高分子フィルムの波長分散値aを1.07以下にすることにより白黒性が良好となり、また、液晶の波長分散値bを1.11以上にすることによりオン状態(暗色)の色度が一段と改善される。
【0050】
図3は、一軸性高分子フィルムの波長分散aと、液晶層の波長分散bとを種々変化させた場合の電圧無印加時(オフ状態)における液晶表示装置の反射率(明るさ)の値を測定したものである。この図からわかるように、反射率の値は、波長分散a及びbの値に依存し、特に、波長分散a≦1.09、波長分散b≧1.12で良好な反射率が得られる。反射率の良好な範囲は、0.99≦a≦1.09、1.12≦b≦1.16である。
【0051】
図4は、一軸性高分子フィルムの波長分散aと、液晶層の波長分散bとを種々変化させた場合のコントラスト比を測定したものである。この図からわかるように、波長分散aが1.07〜1.10にかけてコントラスト比の急峻な変化があり、波長分散a≦1.07において従来よりも良好なコントラスト比が得られることがわかる。
【0052】
図5は、図3に示す反射率(明るさ)及び図4に示すコントラスト比の結果から見て、液晶表示装置として好ましい範囲を示したものである。図中Iは、反射率が30.0以上で、コントラスト比が8.5以上となる領域を示す。図中IIは、反射率が30.5以上で、コントラスト比が8.5以上となる領域を示す。図中III は、反射率が30.5以上、コントラスト比が9.0以上となる領域を示す。この図からわかるように、波長分散aが波長分散bよりも低い領域で明るさ及びコントラスト比の良好な範囲が存在する。
【0053】
〔実施例6〕
一軸性高分子フィルムとして、PVAフィルムとPCフィルムとを、その光軸を約30度ずらして貼り合わせたものを用い、他は上記実施例4と同一とした。この積層型高分子フィルムの波長分散値aは1.04である。この実施例によれば、実施例4よりも良好な白黒性が得られた。
【0054】
2種以上のフィルムを貼り合わせ、若しくは組合せた場合の全体としての波長分散aの値は、以下のようになる。
【0055】
フィルムの屈折率異方性(光学異方性)Δnは、波長λに対して下記の式で表される。
【0056】
Δn=A+(B/λ)+(C/λ2)・・・(1)
ここで、A,B,Cはフィルムの材質により定まる定数である。
【0057】
組合わせる2種のフィルム1及び2の光学異方性をΔn1 ,Δn2 とすれば、Δn1=A1+(B1/λ)+(C1/λ2)・・・(2)
Δn2=A2+(B2/λ)+(C2/λ2)・・・(3)
である。
【0058】
ここで、フィルム1、フィルム2のリタデーション値を、それぞれ、Δn1・d1、Δn2・d2とし、両フィルムの光軸方向を同方向にして貼り合わせた、又は組み合わせた積層フィルムのリタデーション値を、Δnt・dtとすると、
Figure 0003725187
となる。ただし、上記式(4)において、
AT=A1 ・d1 +A2 ・d2
BT=B1 ・d1 +B2 ・d2
CT=C1 ・d1 +C2 ・d2
である。
【0059】
フィルム1及びフィルム2の波長分散値a1 ,a2 は、上記式(2)より、
【0060】
【数1】
Figure 0003725187
【0061】
また、積層フィルムの波長分散値at は、上記式(4)より、
【0062】
【数2】
Figure 0003725187
【0063】
である。
【0064】
ここで、フィルムの材質が異なっていても、波長分散値aが等しければほぼA,B,Cの各定数値も等しくなる。したがって、積層フィルムの波長分散値は、積層する各々のフィルムの波長分散値と厚さから概略見積ることができるので、液晶層の波長分散値bに応じて、異なる波長分散値を持つフィルムから両値の中間の所望の波長分散値を持つ積層フィルムを設計することができる。この場合、2枚のフィルムの代わりに、3枚以上のフィルムを組み合わせて用いてもよいことは明らかである。
【0065】
〔実施例7〕
実施例1と同様の構成において、一軸性高分子フィルム9としてのPVAフィルムと偏光板7とをアクリル系粘着剤により貼り合わせ、一体の積層楕円偏光フィルムとして用いた。この積層楕円偏光フィルムは、そりが少なく、剛性も向上して、液晶セルへの貼り付け工程が容易となった。これは、偏光板7の偏光子も一軸性高分子フィルムと同様にPVAでできており、同材質同士の貼り合わせであるからと考えられる。
【0066】
〔実施例8〕
実施例1における偏光板7,8は、PVA材質の偏光子を三酢酸セルロース(以下、TACという。)にて挟み込み、偏光子の吸水等を防止して信頼性を確保している。しかし、TACで偏光子を挟み込む分、工数がかかり、製造コストが増大する。本実施例8では、偏光子と一軸性高分子フィルム9とを貼り合わせ、この上からTACにて挟み込むようにしている。このことにより、偏光子とともに一軸性高分子フィルム9の信頼性を同時に確保でき、工数の増大も抑制することができる。
【0067】
〔実施例9〕
実施例8の構造に対して、貼り合わせた偏光子と一軸性高分子フィルムにおける液晶セル側に接するTACを省略して、積層フィルムを直接液晶セルに貼り付けるようにした。この実施例9では、一方のTAC及びその貼付工程の省略により、信頼性を損なうことなく、製造コストを低減することができる。
【0068】
〔実施例10〕
本実施例10では、上記各実施例で使用した一軸性高分子フィルム9の代わりに、ねじれ液晶高分子フィルムを用いた。このねじれ液晶高分子フィルムは、高分子素材に液晶とカイラル剤を混合したものを所定方向にラビング処理した基板上に配置することにより形成される。ねじれ液晶高分子フィルムのねじれ角は160度、リタデーション値Rは700nm、波長分散aは1.06である。これらの値以外は実施例1と同一条件、同一構造である。
【0069】
本実施例では、実施例1とほぼ同様の白黒表示が得られた。さらに、本実施例は、実施例1の装置よりも広視野角の表示装置となった。
【0070】
〔実施例11〕
本実施例11では、電子機器としてノート型PCを用い、その表示パネルに従来の液晶表示装置に代えて本発明の実施例1〜10に記載した液晶表示装置を搭載した。
【0071】
その結果、本発明の液晶表示装置を搭載したノート型PCは従来の液晶表示装置を搭載したものに比べて、高品質な白黒表示及びカラー表示が可能で、コントラストの高い、高性能な電子機器を実現することができた。
【0072】
以上説明したように、上記各実施例は、全てノーマリーホワイトの液晶表示装置であり、従来のノーマリーブラックの液晶表示装置のように、高分散の高分子フィルムを用いて白黒特性の向上を図るものとは異なるものである。上記各実施例のノーマリーホワイトの液晶表示装置は、従来の一般的なノーマリーブラックの液晶表示装置よりも透過率が高いため1.5〜2倍以上明るくなり、バックライトを用いるタイプ、半透過反射板を用いて暗い場合のみバックライトを使用するタイプの双方において、照明の消費電力を低減することができる。また、反射板を用いるタイプにおいても表示のコントラストを充分確保できるなど、特に、携帯用電子機器への適応性に優れている。特に、照明のための消費電力がかからない反射型の表示装置においては、ノーマリーホワイトのために消費電力を大幅に低減することができるため、携帯用表示機器のおける長時間使用を目指す上で好都合である。
【0073】
上記各実施例では、上述のように応用可能性の高いノーマリーホワイトの液晶表示装置の白黒表示特性、反射率及びコントラストを向上させることができるので、安価で、消費電力も少なく、着色も殆ど見られず、さらに、カラー化した場合には発色性の良好な明るい表示装置を提供することができる。
【0074】
図6は、本発明に係る液晶層の波長分散特性b(on)、b(off)と、ポリカーボネート(PC)及びポリビニルアルコール(PVA)の波長分散特性PC(a)及びPVA(a)とを対比して示すものである。上記液晶層の波長分散値bは、液晶セル1に電圧を印加していない場合の値であり、図中b(off)で示されるものに対応している。液晶に電圧が印加されると、液晶分子の配列が変化して波長分散値も変化し、図中b(on)に示されるように値が低下する。PCフィルムの波長分散値は1.09と高く、電圧印加時の波長分散値b(on)を越えているが、それでも電圧無印加時の波長分散値b(off)よりも低い。したがって、従来のノーマリーブラックモードの液晶表示装置では、オフ状態(ノーマリーブラックモードでは暗色となる。)でb(off)とPC(a)との差が大きく、暗色表示が着色してしまう。
【0075】
一方、本発明では、ノーマリーホワイトモードの液晶表示装置と低分散の高分子フィルムを組み合わせることによって、良好な白黒性を有し、明るく、かつコントラストの高い表示を実現することができた。
【0076】
これは、低分散の高分子フィルムの波長分散値aが電圧印加時の液晶層の波長分散値b’に近く、電圧印加時(暗色)の着色を抑制する効果が大きいためである。
【0077】
また、上記実施例に示す如く、上述した範囲内では電圧無印加時(明色)の色特性も良好であることが明きらかとなった。
このため、本発明は、電圧印加時、電圧非印加時の両方の状態において優れた白黒性を示し、コントラストの優れた明るい液晶表示装置を提供できることが明きらかとなった。
【0078】
〔実施例11〕
本実施例11では、電子機器としてノート型PCを用い、その表示パネルに従来の液晶表示装置に代えて本発明の実施例1〜10に記載した液晶表示装置を搭載した。
【0079】
その結果、本発明の液晶表示装置を搭載したノート型PCは従来の液晶表示装置を搭載したものに比べて、高品質な白黒表示及びカラー表示が可能で、明るくコントラストの高い高性能な電子機器を実現することができた。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、ネマチック液晶層に電圧を印加したときに暗くなり、電圧を印加しないときに明るくる液晶表示装置において、ネマチック液晶層に電圧を印加しないときの液晶表示装置の反射率が30.5以上、且つ液晶表示装置が明るい状態と暗い状態とのコントラスト比が9.0以上となるように、0.99≦a≦1.07及び1.12≦b≦1.16の関係を満たすので、暗状態(電圧印加時)における黒色性が向上してコントラスト比が高まるとともに、白色性も良好で、明るい表示が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液晶表示装置の各実施例の概略構造を示す断面図である。
【図2】 各実施例のおける液晶層の配向、偏光板の光軸、高分子フィルムの光軸の関係を示す説明図である。
【図3】 波長分散値a,bの値を変化させて反射率の値を測定した結果を示すグラフである。
【図4】 波長分散値a,bの値を変化させてコントラスト比の値を測定した結果を示すグラフである。
【図5】 図3及び図4の結果に基づいて得られた好ましい領域を示すグラフである。
【図6】 液晶層、高分子フィルムの波長分散特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 液晶セル
7,8 偏光板
9 一軸性高分子フィルム

Claims (2)

  1. 180度から360度の範囲でねじれ配向したネマチック液晶層と、偏光板と、前記ネマチック液晶層と前記偏光板との間に配置された高分子フィルムと、を具備し、前記高分子フィルム及び前記ネマチック液晶層が光学的異方性を有するノーマリーホワイトモードの液晶表示装置において、
    前記液晶表示装置は、前記ネマチック液晶層に電圧を印加したときに暗くなり、電圧を印加しないときに明るくなり、
    前記高分子フィルムは、波長450nmにおけるリタデーション値と波長590nmにおけるリタデーション値との比で表わされる波長分散値aを有し、
    前記ネマチック液晶層は、波長450nmにおける△n・dと波長590nmにおける△n・dとの比で表わされる波長分散値bを有し、
    前記ネマチック液晶層に電圧を印加しないときの前記液晶表示装置の反射率が30.5以上、且つ前記液晶表示装置が明るい状態と暗い状態とのコントラスト比が9.0以上となるように、0.99≦a≦1.07及び1.12≦b≦1.16の関係を満たすことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 請求項1に記載の液晶表示装置をディスプレイとして搭載した電子機器。
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