本出願は、2005年8月29日に「電子デバイス製造チャンバ及びその作製方法」(代理人番号8840/P01)という名称で出願された米国特許出願第11/214,475号に基づく優先権を主張するものであり、この出願は2005年6月2日に「電子デバイス製造チャンバ及びその作製方法」(代理人番号8840)という名称で出願された米国特許出願第11/145,003号に基づく優先権を主張する一部継続出願である。これらの出願の各々は、全ての目的のため引用により本明細書中に組込まれる。
ある観点において、本考案は、非多角形状電子デバイス製造チャンバを形成するために組立てられる複数のチャンバ部品を備えた装置を提供する。チャンバ部品の各々は地上及び航空輸送規則の少なくとも一方に合致する寸法を有する。しかし、非多角形状電子デバイス製造チャンバの全体寸法は地上及び航空輸送規則の少なくとも一方に合致しない。
ある観点において、本項案は、(1)2つのコードで切断された楕円の一部の横断面形状を有し、この形状は2つの湾曲セグメントと、1つの第1ラインセグメントと、1つの第2ラインセグメントとを含む第1チャンバ部品と、(2)1つのコードで切断された楕円の一部の横断面形状を有し、この形状は1つの湾曲セグメントと1つの第3ラインセグメントとを含む第2チャンバ部品と、(3)1つのコードで切断された楕円の一部の横断面形状を有し、この形状は1つの湾曲セグメントと1つ第4ラインセグメントとを含む第3チャンバ部品とを備えた装置を提供する。チャンバ部品は楕円円筒形状を形成するよう組立てられる。
ある観点において、本考案は、(1)第1チャンバ部品と、(2)第1チャンバ部品に結合するために用いられる第2チャンバ部品と、(3)第1チャンバ部品に結合するために用いられる第3チャンバ部品とを備えた装置を提供する。第1チャンバ部品が、2つの湾曲セグメントと、1つの第1ラインセグメントと、1つの第2ラインセグメントとから形成される形状を有する最上部を含む。第2チャンバ部品が、1つの湾曲セグメントと1つのラインセグメントとから形成される形状を有する最上部を含む。第3チャンバ部品が、1つの湾曲セグメントと1つのラインセグメントとから構成される形状を有する最上部を含む。
第1チャンバ部品の第1ラインセグメントが第2チャンバ部品のラインセグメントとほぼ同じ長さであり、第1チャンバ部品の第2ラインセグメントが第3チャンバ部品のラインセグメントとほぼ同じ長さである。第2及び第3チャンバ部品が第1チャンバ部品に結合される場合、第1チャンバ部品の2つの湾曲セグメント、第2チャンバ部品の湾曲セグメント及び第3チャンバ部品の湾曲セグメントが楕円を形成する。
ある観点において、本考案は、非多角形状搬送チャンバを形成するために組立てられる複数の個別のチャンバ部品を輸送することを含む方法を提供する。チャンバ部品は複数の凹小面を含み、凹各小面が他のチャンバへの結合点をして用いられ、少なくとも1つの開口を含む。また、本方法は別のチャンバ部品を非多角形状搬送チャンバに組み込むことを含む。
図1は、本考案のいくつかの実施例に係る第1例の複数部品電子デバイス製造チャンバ100の上面図である。図1を参照すると、複数部品電子デバイス製造チャンバ100は、電子デバイス製造中に基板を搬送するための搬送チャンバである。搬送チャンバ100は、電子デバイス製造中に1つ以上のプロセスチャンバ及び/又はロードロック103に結合されている。搬送チャンバ100は、電子デバイス製造中にプロセスチャンバ及び/又はロードロック103の間で基板を搬送するためのエンドエフェクタ(図示せず)を含む。基板の例としては、例えば、ガラス板、ポリマー基板、半導体ウェハ、マスク、レチクル等を含む。
本考案のいくつかの実施例において、搬送チャンバ100は、結合された複数部品を含む。特に、搬送チャンバ100は、第3部品113(例えば、中央部品)に結合された第1部品109(例えば、第1側部品)と第2部品111(例えば、第2側部品)とを含む。第1部品109及び第2部品111の各々は、Oリング(図示せず)を介して第3部品113に結合されている。第1部品109及び第2部品111は、各々、ねじ、ボルト等の取付け手段を用いて第3部品113に取り付けられる。図1の複数部品電子デバイス製造チャンバ100は3つの部品を含むが、複数部品電子デバイス製造チャンバはそれよりも多い又は少ない数(例えば、2、3、5、6個等)の部品を含むものであってもよい。
従来型搬送チャンバ(例えば、1部品式搬送チャンバ)の幅は、一般的に、地上及び/又は航空輸送規則、輸送容量及び/又は建設設計に適合し又は適応するよう、約3m以下に制限される。例えば、約3mよりも大きな搬送チャンバは、各地域の規則により大部分の通常容量航空機(例えば、ボーイング747型)での輸送が禁止され、標準的な電子デバイス製造施設の出入口通路を通過するにも大きすぎる。一方、本考案の1又はそれ以上の実施例において、複数部品搬送チャンバの幅W1は、組み立てられた場合(例えば、全幅)、4.2メートルである。従って、本電子デバイス製造チャンバ100は、従来型の1部品式搬送チャンバよりも大きな基板に適用できる。電子デバイス製造チャンバ100は、4.2メートルよりも大きな又は小さな幅であってもよい。
本考案のいくつかの実施例において、上面図又は横断面図から、代表的な複数部品電子デバイス製造チャンバ部品109−113の各々の形状は、1つ以上のコードで切断された円に似ている。例えば、上面図又は横断面図から、側部品109、111は、コードにより切断された円(又は、更に一般的には、楕円)の一部に似ている。同様に、上面図又は横断面図から、中央部品113は、2つの平行コードで切断された円の一部に似ている。この形状には、2つの湾曲セグメントと2つのラインセグメントとが含まれる。側部品109、111の形状には湾曲セグメントとラインセグメントとが含まれる。個々の部品109−113には多角形状がない点に留意すべきである。即ち、部品109−113の各々が少なくとも1つの湾曲セグメントを含む。
上面図又は横断面図から、代表的な複数部品電子デバイス製造チャンバ100の形状は、組み立てられた場合(例えば、組み合わせ形状)には円である。代表的な複数部品電子デバイス製造チャンバ100の全体形状は、組み立てられた場合(例えば、三次元形状)には円筒状である。しかしながら、複数部品電子デバイス製造チャンバ100は、様々な非多角形状を含む他の全体的形状(例えば、黄道状円筒形)であってもよい。そのような非多角形状チャンバ、特に、対称的非多角形状チャンバ(例えば、円筒形チャンバ)は、一定量のチャンバ材料に対して最大利用可能な内部基板搬送領域を形成する。例えば、多角形状チャンバと比較して、非多角形状チャンバは利用不能な角部領域を含まない。このように、ある量の利用可能な内部基板搬送領域に対する非多角形状チャンバの重量は、同等の利用可能な内部基板搬送領域を有する多角形状チャンバよりも少ない。
図2Aは、本考案のいくつかの実施例に係る(図1の記載に対して回転された)第1の代表的複数部品電子デバイス製造チャンバ100の分解斜視図である。第1から第3部品109−113の各々は、複数部品電子デバイス製造チャンバ100を形成するよう水平に結合される。第1部品109の長さはLS1で示され、第1部品109の最大幅(例えば、最大幅点での幅)はWS1で示される。第2部品111の長さはLS2で示され、第2部品111の最大幅はWS2で示される。第3部品113の最大長さ(例えば、最長点での長さ)はLC1で示され、第3部品113の幅はWC1で示される。
1又はそれ以上の実施例において、第3部品113の最大幅WC1は約2.4mであり、第3部品113の最大長さLC1は約4.2メートルである。より大きい又はより小さい長さ及び/又は幅を第3部品113に用いてもよい。図示された実施例において、第3部品113の最大長さLC1は、チャンバ100の全体の直径である。図示されているように、第1部品109の長さLS1及び第2部品111の長さLS2は、第3部品113の側部の長さに等しい。しかしながら、第1部品109の長さLS1及び/又は第2部品111の長さLS2は異なってもよい。1の実施例において、第1部品109の幅WS1及び/又は第2部品111の幅WS2は、各々、約0.9メートルである。しかしながら、第1部品109の幅WS1及び/又は第2部品111の幅WS2、は異なっていてもよく(例えば、大きい又は小さい)、及び/又は互いに異なっていてもよい(1の特定の実施例において、第3部品113は、第1部品109の幅に加えた第2部品111の幅とほぼ等しいか、又はそれ以下の幅を有するが、第1、第2、第3部品109、111、113の幅の間の他の関係を用いてもよい)。
複数部品電子デバイス製造チャンバ100の各部品109−113は、例えば、アルミニウム、ステンレス又は搬送チャンバへの利用に適した実用的な比較的不活性な材料で形成されている。
複数部品電子デバイス製造チャンバ100の全体的な寸法は地上及び/又は航空輸送規則に適合しないが、複数部品電子デバイス製造チャンバ100の各々の部品109−113の寸法は地上及び/又は航空輸送規則に適合する。更に詳細に、上述の例において、複数部品電子デバイス製造チャンバ100の全体幅W1は4.2mであり、これは地上及び/又は航空輸送規則に適合しない。しかしながら、第1部品109の幅WS1及び第2部品111の幅WS2は、各々0.9mであり、第3部品113の幅WC1は2.4mであり、これらの各々は地上及び/又は航空輸送規則に合致する(他の実施例において、第3部品113の幅WC1は約3から3.2mであり、第1及び第2部品109、111の幅WS1、WS2は、各々約0.5から0.6mである)。
更に、複数部品電子デバイス製造チャンバ100の各部品109−113は、従来型機械加工センター又はショップで製造することができる。従って、複数部品電子デバイス製造チャンバ100の製造者は、複数部品電子デバイス製造チャンバ100の部品109−113を加工するため、複数の従来型機械加工センター又はショップのうちの1つ以上を選択することができる。複数の従来型機械加工センター又はショップの間で競争することで、複数部品電子デバイス製造チャンバ100の製造者がより良い価格を得ることが可能になる。対照的に、複数部品電子デバイス製造チャンバ100と同様に、大きな基板を適用できる寸法を有する1部品式電子デバイス製造チャンバを加工する機械加工センター又はショップの数には限りがある。このように機械加工センター又はショップの数が限られていることから、競争が少なくなる。競争が少なくなると、製造者は、複数部品半導体製造チャンバ100に対するものよりもそのような1部品式チャンバの加工に対して多く支払うことになる。更に、そのような1部品式チャンバが地上及び/又は航空輸送規則に適合しないことから、そのような1部品式チャンバの製造者は、チャンバの輸送中に、警察の護衛、「過大寸法貨物」サイン等の特別な便宜を得る必要がある。複数部品電子デバイス製造チャンバ100ではそのような便宜を必要としない。
第1複数部品電子デバイス製造チャンバ100の追加的な構成について、図2A及び図2B−2Dを参照して説明するが、図2Bは第1チャンバ100を組み立てた場合の斜視図であり、図2Cは第1チャンバ100の上面図であり、図2Dは第1チャンバ100の側面図である(以下で更に説明するとおり、三重基板積上げロードロックチャンバに結合可能な第1チャンバ100の小面を示す)。
図2A−2Dを参照すると、第1チャンバ100は複数の凹小面201A−Fを含む(201Dはチャンバの外からは見えない)。図示された実施例において、6つの凹小面が与えられているが、それより多い又は少ない数の小面であってもよい。
各々の凹小面201A−Fは、例えば、チャンバ103を参照しながら図1で示されるとおり、処理チャンバ、ロードロックチャンバ又は他のチャンバが(例えば、Oリング又は他の密閉部材を介して)密閉して結合可能な平坦領域を形成する。凹小面201A−Fがあるにもかかわらず、第1チャンバ100の全体構造は円筒状である。例えば、図2A−2Cで示されているとおり、第1(側)部品109は、凹小面201B、201Cが形成される円筒壁203を含み、第2(側)部品111は、凹小面201E、201Fが形成される円筒壁205を含む。第3(中央)部品113は、(図2A)に示されているように、各々凹小面201A、201Dを含む円筒の対向側壁207、209を有する。
部品109、111、113の円筒壁203、205、207、209のため、第1チャンバ100の内部領域も実質的に円筒状である(例えば、図2A及び図2C参照)。円筒形状を有することで、第1チャンバ100の内部容積が小さくなるとともに、第1チャンバ100内にある真空ロボットの自由回転も可能になる。例えば、第1チャンバ100に結合された様々なチャンバ103の間で基板を移送するためにロボットが回転する際にそのような回転が起こる(図1)。
真空ロボットの回転をチャンバ100の第3(中央)部品113を通じて行うため、第3部品113はノッチ領域211A−Dを含む(ノッチ211A−Cのみが示された図2A参照)。ノッチ211A−Dにより、更に、第1及び第2側部品109、111の各小面で形成された開口(例えば、スリット状開口)を介して基板移送中における追加の隙間が形成される。即ち、ノッチ211A−Dにより、(図2A及び2Bで示されるように)、凹小面201F、201E、201C、201Bに対応する開口213、215、217、219の各々を介した基板移送中における追加の隙間を形成する。
第1及び第2部品309、311の凹小面201B、201C、201E、201Fは1つの開口のみを有するよう示されているが、各凹小面は追加の開口(例えば、2、3、4個又はそれ以上の開口)を含んでもよい。同様に、第3(中央)部品113の小面201Aは1つの開口221を有するよう示されているが(図2A)、追加の開口(例えば、2、3、4個等)を含んでもよい。第3部品113の小面201D(図2D)は3個の垂直に積上げた開口223A−Cを含むが(図2A及び2D)、他の数の開口(例えば、1、2、4、5個等)を含んでもよい。本考案の少なくとも1の実施例において、(図2Dで示されるとおり)第3(中央)部品113の凹小面201Dの中間開口223Bは、第2側部品111の凹小面201eの開口215及び第1側部品109の凹小面201Cの開口217に対して垂直配置される。各開口213−223cは、基板を通過させることのできる大きさを有する点に注意すべきである。他の構成又は配置を採用することもできる。
再び図2A−2Bを参照すると、第1及び第2側部品109、111は複数のフィン構造225を含み、この構造は各々第1チャンバ100の構造完全性を形成するために用いられる。例えば、フィン構造225により、第1チャンバ100の内部領域とそれに結合されたプロセスチャンバの間における圧力差、及び/又は第1チャンバ100外部の環境に起因する第1及び第2側部品109、111の円筒面/最上部壁の偏差が少なくなる。更に、フィン構造225を用いることにより、第1及び第2部品109、111の壁厚を低減することが可能になり、第1チャンバ100の全体の重量を減少することができる。1の実施例において、フィン構造225は、第1及び第2側部品109、111の外面/最上部壁近くで約0.55インチ(1.4センチ)、(ステンレスに対して)中央部品113に接触する第1及び第2側部品109、111の密閉面近くで約1.3インチ(3.3センチ)の厚さを有するが、他の材料及び/又は厚さを用いてもよい。
図2Aで更に示されるとおり、第1チャンバ100の第3(中央)部品113の底部227は平坦部229及びドーム部213を含む(図2Dも参照)。ドーム部231により、ドーム型形状に基づいて底部227の強度が改善され、底部227に対する材料の厚さの必要条件が減少する。1の代表的実施例において、ステンレス鋼が用いられる場合、ドーム部231は約3/8インチ(0.95センチ)以下の厚さを有するが、平坦部227は約3/4−1インチ(1.9〜2.5センチ)以下の厚さを有する。他の材料及び/又は厚さ及び/又は平坦部229とドーム部213の間の厚さの差異を用いてもよい。ドーム部231の強度を更に大きくするため、図2Dで示されているように、フィン又は同様の支持構造233を、ドーム部231の下に形成してもよい。フィン233を利用することで、例えば、ドーム部213の垂直偏差が少なくなる。
図2B−2Cは、第1チャンバ100で用いられる最上部蓋235を示す。例えば、蓋235は、(蓋235と第3部品113の間にOリング又は同様の密閉要素を用いることで)、第1チャンバの第3(中央)部品113を密閉するのに適している。
図2B−2Cを参照すると、最上部蓋235は、図示されているように、ビーム239といった複数の支持構造を用いて補強された平坦密閉部237を含む。密閉部237は、チャンバ100の底部227の平坦部(図2A)の厚さと同様の厚さを有し、ビーム239は追加の構造支持を形成する(蓋235の厚さ及び重量を低減することが可能になる)。蓋235は、(例えば、クレーン等を介して)、第1チャンバ100に対して蓋235を上昇及び/又は降下させるために用いられる連結部位を含む。
蓋235の重量により、蓋235に1又はそれ以上の(図示されていない)アクセスハッチ又は他の開口を備えることが望ましく、これによって、(例えば、メンテナンス又は他のサービス提供のため)、第1チャンバ100の内部へのアクセスするために、第1チャンバ100から蓋235全体を取り外す必要がなくなる。いかなる数のアクセスハッチでもよい(例えば、1、3、4個等)。
図3は、本考案のいくつかの実施例に係る第2の代表的複数部品電子デバイス製造チャンバ300の上面図である。図3を参照すると、複数部品電子デバイス製造チャンバ300の第2の実施例も電子デバイス製造中に基板を輸送するための搬送チャンバである。搬送チャンバ300は、電子デバイス製造中に1又はそれ以上のプロセスチャンバ及び/又はロードロック103に結合される。搬送チャンバ300は、電子デバイス製造中にプロセスチャンバ及び/又はロードロック103の間で基板を輸送するためエンドエフェクタ(図示せず)を含む。
本考案のいくつかの実施例において、搬送チャンバ300は、結合された複数部品を含む。特に、搬送チャンバ300は、第3部品313(例えば、中央部品)に結合された第1部品309(例えば、第1側部品)と第2部品311(例えば、第2側部品)とを含む。第1部品309及び第2部品311は、各々、Oリング(別個には図示せず)を介して第3部品313に結合されている。第1部品309及び第2部品311は、各々、ねじ、ボルト等の取付け手段を用いて第3部品313に取り付けられる。図3の複数部品電子デバイス製造チャンバ300は3個の部品を含むが、複数部品電子デバイス製造チャンバはそれよりも多い又は少ない数(例えば、2、4、5、6等)の部品を含んでいてもよい。
本考案の1又はそれ以上の実施例において、複数部品搬送チャンバの幅W2は、組み立てられた場合(例えば、全幅)、4.2メートルである。従って、本電子デバイス製造チャンバ300は、従来型の1部品式搬送チャンバよりも大きな基板を収容することができる。電子デバイス製造チャンバ300は、4.2メートルよりも大きな又は小さな幅であってもよい。
本考案のいくつかの実施例において、上面図又は横断面図から、代表的な複数部品電子デバイス製造チャンバ部品309−313の各々の形状は、1つ以上のコードで切断された円に類似する。例えば、上面図又は横断面図から、側部品309、311は、コードで切断された円(又は、より一般的には、楕円)の一部に類似している。同様に、上面図又は横断面図から、中央部品313は、2つの平行コードで切断された円の一部に類似している。この形状には、2つの湾曲セグメントと2つのラインセグメントとが含まれる。側部品309、311の形状には湾曲セグメントとラインセグメントとが含まれる。個々の部品309−313は多角形状を有していない点に留意すべきである。即ち、部品309−313の各々は少なくとも1つの湾曲セグメントを含む。
上面図又は横断面図から、第2の代表的複数部品電子デバイス製造チャンバ300の形状は、組み立てられた場合(例えば、組み合わせ形状)には円である。代表的な第2の複数部品電子デバイス製造チャンバ300の全体形状は、組み立てられた場合(例えば、三次元形状)には実質的に円筒状である。しかしながら、複数部品電子デバイス製造チャンバ300は、様々な非多角形状を含む他の全体的形状(例えば、黄道状円筒形)であってもよい。上述のとおり、そのような非多角形状チャンバ、特に、対称的非多角形状チャンバ(例えば、円筒形チャンバ)は、一定量のチャンバ材料で利用可能な内部基板搬送領域を増大する。
図4Aは、本考案のいくつかの実施例に係る第2の代表的複数部品電子デバイス製造チャンバ300の分解斜視図(図3の記載から回転されている)である。第1から第3部品309−313の各々は、複数部品電子デバイス製造チャンバ300を形成するよう水平に結合される。第1部品309の長さはLS1’で示され、第1部品309の最大幅(例えば、最大幅点での幅)はWS1'で示される。第2部品311の長さはLS2’で示され、第2部品311の最大幅はWS2'で示される。第3部品313の最大長さ(例えば、最長点での長さ)はLC1'で示され、第3部品313の幅はWC1’で示される。
1又はそれ以上の実施例において、第3部品313の最大幅WC1’は約2.4mであり、第3部品313の最大長さLC1’は約4.2メートルである。更に大きい又は更に小さい長さ及び/又は幅を第3部品313に用いてもよい。図示された実施例において、第3部品313の最大長さLC1’はまた、チャンバ300の全体の直径である。図示されているとおり、第1部品309の長さLS1’及び第2部品311の長さLS2'は、第3部品313の面の長さに等しい。しかしながら、第1部品309の長さLS1’及び/又は第2部品311の長さLS2’は異なっていてもよい。1の実施例において、第1部品309の幅WS1’及び/又は第2部品311の幅WS2’は、各々約0.9メートルである。しかしながら、第1部品309の幅WS1’及び/又は第2部品311の幅WS2’は異なっていてもよく(例えば、大きい又は小さい)、及び/又は互いに異なっていてもよい(1の特定の実施例において、第3部品313は、第1部品309の幅に加えて第2部品311の幅とほぼ等しい又はそれ未満の幅を有するが、第1、第2、第3部品309、311、313の幅の間の他の関係を用いてもよい)。
複数部品電子デバイス製造チャンバ300の各部品309−313は、例えば、アルミニウム、ステンレス又は搬送チャンバとしての利用に適した実用的な比較的不活性な材料で形成することができる。
複数部品電子デバイス製造チャンバ300の全体的な寸法は地上及び/又は航空輸送規則に適合しないが、複数部品電子デバイス製造チャンバ300の各々の部品309−313の寸法は地上及び/又は航空輸送規則に適合する。特に、上述した例において、複数部品電子デバイス製造チャンバ300の全体幅W2は4.2mであり、これは地上及び/又は航空輸送規則に適合しない。しかしながら、第1部品309の幅WS1’及び第2部品311の幅WS2’は各々0.9mであり、第3部品313の幅WC1’は2.4mであり、これらの各々は地上及び/又は航空輸送規則に適合する(他の実施例において、第3部品313の幅WC1’は約3―3.2mであり、第1及び第2部品309、311の幅WS1’、WS2’は、各々約0.5―0.6mである)。
更に、複数部品電子デバイス製造チャンバ300の各部品309−313は、従来の機械加工センター又はショップで加工することができる。従って、上述の複数部品電子デバイス製造チャンバ100を用いた場合、複数部品電子デバイス製造チャンバ300の製造者は、複数部品電子デバイス製造チャンバ300の部品309−313を加工するための複数の従来の機械加工センター又はショップのうち1つ以上を選択することができる。また、複数部品電子デバイス製造チャンバ300では特別な輸送上の便宜を必要としない。
第1複数部品電子デバイス製造チャンバ300の追加的な構成について、ここで図4A及び図4B−4Dを参照しながら説明するが、ここで図4Bは第2チャンバ300を組み立てた場合の斜視図であり、図4Cは第2チャンバ300の上面図であり、図4Dは第2チャンバ300の側面図である(以下で更に説明するとおり、三重基板積上げロードロックチャンバに結合可能な第2チャンバ300の小面を示す)。
図4A−4Dを参照すると、第2チャンバ300は、チャンバ300の湾曲側壁から突出する複数の突出小面401A−Fを含む。図示された実施例において、6つの突出小面が与えられているが、それより多い又は少ない数の小面であってもよい。
突出した各小面401A−Fは、例えば、チャンバ103を参照しながら図3で示されるとおり、処理チャンバ、ロードロックチャンバ又は他のチャンバが(例えば、Oリング又は他の密閉部材を介して)密閉結合される平坦領域を形成する。突出した小面401A−Fがあるが、第1チャンバ300の全体構造は実質的に円筒状である。例えば、図4A−4Cで示されているとおり、第1(側)部品309は、突出した小面401B、401Cが突出する円筒壁403を含み、第2(側)部品311は、突出した小面401E、401Fが形成される円筒壁405を含む。(図4A)に図示されるように、第3(中央)部品313は、突出した小面401A、401Dを各々含む円筒の反対面壁407、409を有する。
部品309、311、313の円筒壁403、405、407、409により、第2チャンバ300の内部領域も実質的に円筒状である(例えば、図4A及び図4C参照)。円筒形状を有することで、第2チャンバ300の内部容積が小さくなるとともに、第2チャンバ300内にある真空ロボットの自由回転も可能になる。例えば、第1チャンバ300に結合された様々なチャンバ103の間で基板を移送するためにロボットが回転する際にそのような回転が起こる(図3)。
真空ロボットの回転をチャンバ300の第3(中央)部品313を介して可能にするため、第3部品313はノッチ領域411A−Dを含む(ノッチ411A−Cのみが示された図4A参照)。ノッチ411A−Dにより、第1及び第2側部品309、311の各小面で形成された開口(例えば、スリット状開口)を介して基板移送中における追加の隙間を形成することができる。即ち、ノッチ411A−Dにより、(図4A及び4Bで示されるとおり)、開口413、415、417、419の各々を介した基板移送中における追加の隙間を形成することが可能になり、これらは小面401F、401E、401C、401Bに対応する。
第1及び第2部品309、311の突出した小面401B、401C、401E、401Fでは1つの開口のみを有するよう示されているが、突出した各小面は追加の開口(例えば、2、3、4個、又はそれ以上の開口)を含んでもよい。同様に、第3(中央)部品313の突出した小面401Aは1つの開口421を有するよう示されているが(図4A)、追加の開口(例えば、2、3、4個等)を含んでもよい。第3部品313の突出した小面401D(図4D)は3つの垂直に積上げた開口423A−Cを含むが(図4A及び4D)、他の数の開口(例えば、1、2、4、5個等)を含んでもよい。本考案の少なくとも1の実施例において、第3(中央)部品313の突出した小面401Dの中間開口423Bは、第2側部品311の突出した小面401eの開口415及び第1側部品309の突出した小面401Cの開口417に対して垂直配置される(図4に示される)。各開口413−423cが、基板を通過させることのできる大きさを有する点に留意すべきである。他の構成又は配置を採用することも可能である。
再び図4A−4Bを参照すると、第1及び第2側部品309、311は複数のフィン構造425を含み、この構造は各々第2チャンバ300の構造完全性を形成するために用いられる。例えば、フィン構造425により、第2チャンバ300の内部領域とそれに結合されたプロセスチャンバの間の圧力差、及び/又は第1チャンバ300外部の環境に起因する第1及び第2側部品309、311の円筒面/最上部壁の偏差を小さくすることができる。更に、フィン構造425を用いることにより、第1及び第2部品309、311の壁厚を低減することができ、第2チャンバ300の全体の重量を低減することができる。1の実施例において、フィン構造425は、第1及び第2側部品309、311の外面/最上部壁近くで約0.55インチ(1.4センチ)の厚さを有し、更に(ステンレス鋼に対して)中央部品313に接触する第1及び第2側部品309、311の密閉面近くで約1.3インチ(3.3センチ)の厚さを有するが、他の材料及び/又は厚さを用いてもよい。
図4Aで更に示されるとおり、第2チャンバ300の第3(中央)部品313の底部427は平坦部429及びドーム部431を含む(図4Dも参照)。ドーム部431により、ドーム形状のため底部427の強度が改善され、底部427に対する材料の厚さの必要条件が減少する。1の代表的実施例において、ステンレスが用いられる場合、ドーム部431は約3/8インチ(0.95センチ)又はそれ以下の厚さを有し、平坦部427は約3/4−1インチ(1.9〜2.5センチ)又はそれ以下の厚さを有する。他の材料及び/又は厚さ、及び/又は平坦部429とドーム部431の間の厚さの差を用いてもよい。ドーム部431の強度を更に大きくするため、図4Dで示されているとおり、フィン又は同様の支持構造433を、ドーム部431の下部に形成してもよい。フィン433を利用することで、例えば、ドーム部431の垂直偏差を低減することができる。
図4B−4Cは、第2チャンバ300で用いられる最上部蓋435を示す。例えば、蓋435は、(蓋435と第3部品313の間にOリング又は同様の密閉要素を用いることにより)、第1チャンバの第3(中央)部品313を密閉するために用いられる。
図4B−4Cを参照すると、最上部蓋435は、図示されているように、ビーム437といった複数の支持構造を用いて補強された平坦密閉部439を含む。密閉部437は、チャンバ300の底部427の平坦部429(図4A)と同様の厚さを有し、ビーム439により、追加の構造サポートを形成する(蓋435の厚さ及び重量を低減することができるようになる)。蓋435は、(例えば、クレーン等を介して)、第2チャンバ300に対して蓋235を上昇及び/又は降下させるために用いられる接続部位を含む。
複数部品電子デバイス製造チャンバ100、300を製造するため、製造者といったユーザは、図5を参照して以下に説明される本考案の方法500を用いることができる。本方法はステップ502で開始される。本考案の方法500によれば、ステップ504において、電子デバイス製造チャンバの1つ以上の全体寸法が決定される。特に、製造者は必要な大きさの基板を製造する必要がある。必要な大きさに基づき、製造者は、そのような基板を製造できる電子デバイス製造チャンバの1つ以上の全体寸法を決定(例えば、設計)する。必要な基板の大きさが十分大きければ、チャンバの全体寸法は地上及び航空輸送規則の内の少なくとも一方に合致しない。
その後、いくつかの実施例において、複数部品の各々の寸法が地上及び航空輸送規則の少なくとも一方に合致し、同時に、チャンバの構造完全性が組み立てられた場合に製造操作を行う上で十分となるよう、例えば、製造者は、どのようにして電子デバイス製造チャンバを複数部品に分割するかを決定する。例えば、製造者は、図1−4で示されている電子デバイス製造チャンバ100、300のように、垂直断面法を用いて、設計された複数部品電子デバイス製造チャンバを複数部品に分割する。水平断面法も可能である。製造者は、他の向き又は向きを組み合わせたものを用いて、電子デバイス製造チャンバを複数部品に分割することを決定する。
その後、ステップ506において、複数部品が製造される。例えば、製造者は、複数部品を加工するために機械加工センター又はショップを利用することができる。このような方法で、複数部品電子デバイス製造チャンバ100、300が製造される。
電子デバイス製造チャンバ100、300が製造されると、ステップ508において、電子デバイス製造チャンバ100、300は、例えば、顧客サイトに輸送される。複数部品電子デバイス製造チャンバ100、300を輸送するため、製造者は、本考案の1又はそれ以上の実施例によりこのようなチャンバを輸送する方法を利用することができる。例えば、複数の電子デバイス製造チャンバ部品の第1部品は、地上及び航空輸送のうちの一方を用いて輸送される。第1部品は、輸送規則に合致する容器内に設置され、複数部品の各々の寸法は地上及び航空輸送規則の少なくとも一方に合致し、第1部品は容器の(底面のような)面に対して一定の角度を形成する。これにより、第1部品は、そのような角度で容器内に設置されない場合に許容されるよりも大きな実際の高さ又は幅の寸法をもちながらも、輸送規則に合致する容器内に取り付けられる。大きな部品を搬送できる能力があることで、本考案の複数部品チャンバを少数の部品から構成することが可能になる。従って、部品を搬送容器内のある角度に置くことは、必要というわけではないが望ましい。いくつかの実施例において、主要な、即ち、中央部品ができるだけ大きく、標準的な大きさの搬送容器内に取り付け可能であり、残りの部品がより小さく、又は組み立て容易になるよう、部品ができるだけ小さくなるよう、複数部品チャンバを製造することが好ましい。
部品が、例えば、顧客サイトに到着すると、ステップ510において、この部品は組み立てられ、電子デバイス製造チャンバ100、300が構成される。いくつかの実施例では、ステップ512において、突出した小面が、電子デバイス製造チャンバ100の凹小面201A−F内、又はその代わりに設置される。このような実施例において、突出した小面は、電子デバイス製造チャンバ100に対してロードロック及び/又はプロセスチャンバを結合させるのに役立つ。いくつかの実施例において、凹小面201A−Fに追加された突出小面は電子デバイス製造チャンバ100の外周の外側に完全に突出し、これによってチャンバは、図4Aで示された実施例に類似したものになる。他の実施例において、凹小面201A−Fに追加された突出小面が、電子デバイス製造チャンバ100の外周を部分的に超えて突出する。突出小面は、(基板の通過を可能にする大きさを有する)開口を有する(ロードロック又はプロセスチャンバを結合するための)平坦領域と、凹小面201A−Fの凹部に密閉取付けされたアダプタ部とを含む。
ステップ514において、ロードロック及び/又はプロセスチャンバは、電子デバイス製造チャンバ100、300の小面に結合される。ステップ516において、非多角形状搬送チャンバを介してプロセスチャンバの間で基板を搬送するのに用いられるロボットが、電子デバイス製造チャンバ100、300内に設置される。方法500はステップ518で完了する。
このように、本考案は代表的な実施例に関連して開示されているが、他の実施例も実用新案登録請求の範囲で規定される本考案の精神の範囲内にあることを理解すべきである。