JP3125938U - 安全ネットの保持金具及び該保持金具を備えた建築用構造材の接合構造 - Google Patents

安全ネットの保持金具及び該保持金具を備えた建築用構造材の接合構造 Download PDF

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Abstract

【課題】カラビナを使用しなくても安全ネットを簡単、確実に取り付けたり、取り外すことができ、安全ネットを取り外した後もそのまま構造躯体に残置しておくことのできる簡単で機能的且つ使い勝手の良い安全ネットの保持金具を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために本考案の安全ネットの保持金具3は、施工が完了し安全ネット13が取り外された後の状態でもそのまま構造躯体11に対して残置でき、構造躯体11に直接宛がわれて固定状態で取り付けられる座板部15と、該座板部15の下辺から下方に向けて延長形成され、前方そして上方へとU字状に折り曲げられたフック部17と、該フック部17の先端において左右に張り出すように設けられる係止部19とを備えている。
【選択図】 図3

Description

本考案は建設現場等での墜落事故を防止する目的で建設中の構造躯体に対して取り付けられる安全ネット用の保持金具及び該保持金具を備えた建築用構造材の接合構造に関するものである。
建設現場等では人や工具、資材等の墜落事故を防止する目的で建設中の構造躯体に対して墜落防止用の安全ネットが取り付けられている。そして、このような安全ネットを構造躯体に取り付ける場合には補助ロープ、保持金具及びカラビナ等が使用されていた。
また上記保持金具は一棟当たり通常200〜300個と、多数使用されており、施工の進捗によって安全ネットを構造躯体から取り外す場合には、併せてすべての保持金具を構造躯体から取り外すようにしていた。
しかしながら、多数の保持金具を構造躯体から一々取り外す作業は極めて煩雑である。また従来の保持金具は補助ロープを通すための穴のみが設けられている構造のため、多数設けられる保持金具の穴に対して順番に一方向から補助ロープを通して行く作業は極めて面倒であった。また上記保持金具と安全ネットとの連結はカラビナによって行われており、このカラビナも一棟当たり100個程度が使用されているため、カラビナの着脱作業も作業効率を低下させる大きな要因となっていた。
本考案は上記背景技術が抱える問題点の存在を踏まえてなされたものであって、カラビナを使用しなくても安全ネットを簡単、確実に取り付けたり、取り外すことができ、安全ネットを取り外した後もそのまま構造躯体に残置しておくことのできる簡単で機能的且つ使い勝手の良い安全ネットの保持金具及び該保持金具を備えた建築用構造材の接合構造を提供することを、その目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載した考案は、建設現場等での墜落事故を防止する目的で建設中の構造躯体に対して取り付けられる安全ネット用の保持金具において、当該保持金具は施工が完了し安全ネットが取り外された後の状態でもそのまま構造躯体に対して残置されるタイプの保持金具であって、構造躯体に直接宛がわれて固定状態で取り付けられる座板部と、該座板部の下辺から下方に向けて延長形成され、前方そして上方へとU字状に折り曲げられたフック部と、該フック部の先端において左右に張り出すように設けられる係止部とを備えていることを特徴とする安全ネットの保持金具である。
請求項2に記載した考案は、請求項1に記載した安全ネットの保持金具において、前記保持金具は構造躯体の構成部材である建築用構造材を接合する接合金物と組み合わせることによって使用される保持金具であって、前記保持金具の座板部には接合金物の取付けボルトを受け入れる貫通穴が形成されており、該座板部を、接合金物を建築用構造材に取り付ける場合に使用する座金として使用したことを特徴とする安全ネットの保持金具である。
請求項3に記載した考案は、請求項1または2に記載した安全ネットの保持金具において、前記座板部には、座板部を構造躯体に取り付けるための木ネジ用の取付穴が複数個設けられていることを特徴とする安全ネットの保持金具である。
請求項4に記載した考案は、請求項1から3のいずれかに記載した安全ネットの保持金具において、前記フック部の左右の側辺は外方に向けて湾曲するように折曲げ加工が施されていることを特徴とする安全ネットの保持金具である。
請求項5に記載した考案は、建設現場等での墜落事故を防止する目的で建設中の構造躯体に対して取り付けられる安全ネット用の保持金具と、構造躯体の構成部材である建築用構造材を接合する取付けボルトと一体の接合金物と、前記取付けボルトと螺合する取付けナットとを備えた建築用構造材の接合構造において、前記保持金具として請求項1から4のいずれかに記載した安全ネットの保持金具を適用したことを特徴とする建築用構造材の接合構造である。
本考案の安全ネットの保持金具によれば、施工完了後安全ネットが取り外された後の状態でもそのまま構造躯体に対して残置しておけばよいから、煩雑な保持金具の取り外し作業を行う必要はない。
また補助ロープはU字状のフック部に対して上方から落とし込むだけでよく、安全ネットは係止部に引っ掛けるだけで簡単に係止できるから、補助ロープと安全ネットの着脱作業が容易になり、カラビナの使用も省略することができる。
安全ネットの保持金具における座板部を接合金物を建築用構造材に取り付ける場合の座金として使用した場合には部品の有効利用によって部品点数の削減を図ることができる。
座板部に木ネジ用の取付穴を設けた場合には、接合金物と組み合わせることなく、単独で安全ネットの保持金具を構造躯体に取り付けることが可能になる。
またフック部の左右の側辺を外方に向けて湾曲させた場合には、補助ロープがフック部の左右の側辺におけるエッジに擦れてほつれたり、切断される事態が防止され、安全性が向上する。
そして本考案の建築用構造材の接合構造によれば、建築用構造材を接合して構造躯体を組み立てることができると同時に安全ネットの保持金具を構造躯体に取り付けることができ、安全ネットの設置作業が容易になる。
以下、本考案の安全ネットの保持金具と該保持金具を備えた本考案の建築用構造材の接合構造を実施する最良の形態として図示の実施の形態を例に採って具体的に説明する。
以下の説明では本考案の建築用構造材の接合構造1の構成について説明し、その構成の説明の中で、建築用構造材の接合構造1の主要な構成である本考案の安全ネットの保持金具3について言及する。
本考案の建築用構造材の接合構造1は、安全ネットの保持金具3と、取付けボルト5と一体の接合金物7と、上記取付けボルト5と螺合する取付けナット9と、上記接合金物7を建築用構造材49、51に取り付けるための固定ボルト61と、固定ボルト61と螺合する固定ナット63と、固定ナット63用の固定座金65とを備えている。
安全ネットの保持金具3は建設現場等における人や工具、あるいは資材等の墜落事故を防止する目的で建設中の構造躯体11に対して取り付けられる安全ネット13用の保持金具である。
また安全ネットの保持金具3は施工が完了し安全ネット13が取り外された後の状態でもそのまま構造躯体11に対して残置することができる構造の保持金具である。
具体的には、構造躯体11に対して直接宛がわれる座板部15と、該座板部15の下辺から下方に向けて延長形成され、前方そして上方へとU字状に折り曲げられたフック部17と、該フック部17の先端において左右に張り出すように設けられる係止部19とを備えることによって安全ネットの保持金具3は構成されている。
座板部15は矩形平板状をした部材でその中央には接合金物7の取付けボルト5を受け入れる貫通穴21が形成されている。
貫通穴21の直径は14mm程度と比較的大きめに形成されており、この貫通穴21には一例としてM12の雄ネジが刻設された取付けボルト5が貫通し得るようになっている。
座板部15のコーナー部の内方には4つの取付穴23が設けられている。取付穴23の直径は4.5mm程度と比較的小さめに形成されており、この取付穴23には一例として呼び径が4mm前後の木ネジ25が取り付けられるようになっている。
また座板部15の上部左右のコーナー部には構造躯体11側に90°折れ曲がった係止爪27が設けられている。この係止爪27の先端は鋭利になっていて、構造躯体11の表面に押し付けることによって係止爪27の先端部が構造躯体11内に入り込んで安全ネットの保持金具3が構造躯体11の表面に係止されるようになっている。
フック部17は上記座板部15の半分程度の幅寸法を有する湾曲した長寸の板状の部材である。フック部17の先端寄りに位置する前面板29は幾分前方に傾斜しており、垂直姿勢で設けられる背面板31との間には上方が幾分広がった楔状のロープ収容空間33が形成されている。
上記ロープ収容空間33には直径9mm程度の補助ロープ35が収容されるようになっており、この補助ロープ35は長さ2mのものが一棟当たり一例として20本使用されている。
フック部17の左右の側辺37、39は外方に向けて湾曲するようにカール状の折り曲げ加工が施されており、補助ロープ35がフック部17の側辺37、39に擦れることによって生ずる補助ロープ35のほつれや切断を防止している。
係止部19は左右に張り出した鉤状ないしフィンガー状の2つの係止片41、43によって構成されており、係止部19の幅寸法は、フック部17のほぼ倍で、座板部15とほぼ同じ寸法に設定されている。
左右の係止片41、43のフック部17に対する付け根部45、47は円形状にえぐられており、該付け根部45、47には補助ロープ35によってループ部を形成した場合に当該ループ部が係止できるようになっている。
接合金物7は構造躯体11の構成部材である梁、柱あるいは土台といった建築用構造材49、51を接合する場合に使用される金属製の金物である。本実施の形態では羽子板ボルトと呼ばれている取付けボルト5と凹字形断面の羽根部53とが一体になった接合金物7が使用されている。
取付けボルト5は直径12mm、長さ190mm程度の丸棒状の部材であり、先端部にはM12の雄ネジ部55が長さ50mm程度の範囲に亘って刻設されている。
羽根部53は幅26.5mm、高さ12mm、厚さ3.2mmの凹字形に折り曲げられた板金であり、建築用構造材49、51の表面に宛がわれる取付面57には直径12.5mmの取付穴部59が貫通状態で設けられている。
取付けナット9は上記取付けボルト5に螺合するナットであり、本実施の形態では座金を使用せず、座金の代わりに本考案の安全ネットの保持金具3における座板部15を介在させるようになっている。
また固定ボルト61と固定ナット63は一例としてM12の六角ボルトないし六角ナットが使用でき、固定座金65は一例としてM12用の平座金やバネ付丸座金が使用できる。
次にこのようにして構成される本考案の建築用構造材の接合構造1を使用して行う(1)建築用構造材49、51の接合手順と、本考案の安全ネットの保持金具3に対する(2)安全ネット13の取付手順について説明する。
(1)建築用構造材の接合手順
最初に接合金物7の取付けボルト5を建築用構造材49に対して予め形成しておいた穴部に挿し込み、取付けボルト5の先端の雄ネジ部55を建築用構造材49の反対側に突出させた状態にする。
次に羽根部53の取付面57に形成されている取付穴部59に固定ボルト61を挿入し、建築用構造材51に対して予め形成しておいた穴部を貫いて建築用構造材51の反対側に突出させた状態にする。そして固定ボルト61に対して固定座金65を嵌め、固定ナット63によって締め付けて行くことによって建築用構造材51に対して羽根部53を固定する。
次に取付けボルト5の先端の雄ネジ部55に対して本考案の安全ネットの保持金具3における座板部15の貫通穴21を嵌め、取付けナット9を使用して座板部15を共締めした状態で取付けボルト5を建築用構造材49に対して固定する。
このようにして建築用構造材の接合構造1を構成するすべての部材が取り付けられることによって建築用構造材49と建築用構造材51との接合が図られ、すべての建築用構造材49の接合が実行されることによって構造躯体11が完成する。
またこれと同時に構造躯体11には必要な数の安全ネットの保持金具3が取り付けられた状態になっている。
(2)安全ネットの取付手順
最初にすべての補助ロープ35をつなぎ合わせ、安全ネット13の周囲の網目を縫うようにして通し、補助ロープ35を安全ネット13に取り付けておく。次に補助ロープ35をフック部17のロープ収容空間33に対して上方から落とし込み、あるいは補助ロープ35によって作ったループ部をフック部17に引っ掛けて係止片41、43の付け根部45、47に補助ロープ35を係止させる。
以上の作業によって安全ネット13の取り付けは完了し、補助ロープ35が上方への力を受けてフック部17から外れようとしても、安全ネット13の網目の一部が係止部19に引っ掛かり、また補助ロープ35の上記ループ部が係止片41、43の付け根部45、47に係止されることによって安全ネットの保持金具3からの不用意な脱落は防止されている。
以上、本考案を実施するための最良の形態として図示の実施の形態を例に採って詳述してきたが、本考案の具体的構成は図示の実施の形態に限定されるものではなく、本考案の要旨から外れない範囲での設計変更等があっても本考案に含まれる。
例えば、本考案の安全ネットの保持金具3は接合金物7と切り離して使用することも可能であり、この場合には座板部15のコーナー部に設けた取付穴23を使用して、木ネジ25等を利用して構造躯体11に対して直接、安全ネットの保持金具3を固定するようにする。
また座板部15の形状は矩形平板状に限らず、円板状であってもよく、取付穴23の数も適宜増減することが可能である。またフック部17の左右の側辺37、39に設けたカール部は外側に向けて湾曲させる他、内側に向けて湾曲させてもよく、フック部17全体を湾曲させた形状にすることも可能である。
また固定座金65に代えて安全ネットの保持金具3における座板部15を使用することも可能である。
なお、安全ネットの保持金具3の座板部15と建築用構造材49との間に座金を介装する構成とすることも可能である。
本考案は建設現場等でも墜落事故を防止する目的で建設中の構造躯体に対して取り付けられる安全ネットの保持金具及び該保持金具を備えた建築用構造材の接合構造の製造、使用分野等で利用でき、特にカラビナを使用しなくても安全ネットを簡単、確実に取り付けたり、取り外すことができ、安全ネットを取り外した後もそのまま構造躯体に残置しておくことのできる簡単で機能的且つ使い勝手の良い安全ネットの保持金具及び該保持金具を備えた建築用構造材の接合構造を提供したい場合に利用可能性を有する。
本考案の実施の形態に係る建築用構造材の接合構造の使用状態を示す斜視図である。 本考案の実施の形態に係る建築用構造材の接合構造を示す分解斜視図である。 本考案の実施の形態に係る安全ネットの保持金具を示す斜視図である。 本考案の実施の形態に係る安全ネットの保持金具の取付態様を示す正面図(a)と側面図(b)である。 本考案の実施の形態に係る安全ネットの保持金具の他の取付態様を示す正面図(a)と側面図(b)である。 本考案の実施の形態に係る安全ネットの保持金具に対する安全ネットの2種の取付態様(a)(b)を示す正面図である。
符号の説明
1 建築用構造材の接合構造 3 安全ネットの保持金具
5 取付けボルト 7 接合金物
9 取付けナット 11 構造躯体
13 安全ネット 15 座板部
17 フック部 19 係止部
21 貫通穴 23 取付穴
25 木ネジ 27 係止爪
29 前面板 31 背面板
33 ロープ収容空間 35 補助ロープ
37 側辺 39 側辺
41 係止片 43 係止片
45 付け根部 47 付け根部
49 建築用構造材 51 建築用構造材
53 羽根部 55 雄ネジ部
57 取付面 59 取付穴部
61 固定ボルト 63 固定ナット
65 固定座金

Claims (5)

  1. 建設現場等での墜落事故を防止する目的で建設中の構造躯体に対して取り付けられる安全ネット用の保持金具において、当該保持金具は施工が完了し安全ネットが取り外された後の状態でもそのまま構造躯体に対して残置されるタイプの保持金具であって、構造躯体に直接宛がわれて固定状態で取り付けられる座板部と、該座板部の下辺から下方に向けて延長形成され、前方そして上方へとU字状に折り曲げられたフック部と、該フック部の先端において左右に張り出すように設けられる係止部とを備えていることを特徴とする安全ネットの保持金具。
  2. 請求項1に記載した安全ネットの保持金具において、前記保持金具は構造躯体の構成部材である建築用構造材を接合する接合金物と組み合わせることによって使用される保持金具であって、前記保持金具の座板部には接合金物の取付けボルトを受け入れる貫通穴が形成されており、該座板部を、接合金物を建築用構造材に取り付ける場合に使用する座金として使用したことを特徴とする安全ネットの保持金具。
  3. 請求項1または2に記載した安全ネットの保持金具において、前記座板部には、座板部を構造躯体に取り付けるための木ネジ用の取付穴が複数個設けられていることを特徴とする安全ネットの保持金具。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載した安全ネットの保持金具において、前記フック部の左右の側辺は外方に向けて湾曲するように折曲げ加工が施されていることを特徴とする安全ネットの保持金具。
  5. 建設現場等での墜落事故を防止する目的で建設中の構造躯体に対して取り付けられる安全ネット用の保持金具と、構造躯体の構成部材である建築用構造材を接合する取付けボルトと一体の接合金物と、前記取付けボルトと螺合する取付けナットとを備えた建築用構造材の接合構造において、前記保持金具として請求項1から4のいずれかに記載した安全ネットの保持金具を適用したことを特徴とする建築用構造材の接合構造。
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JP2016211252A (ja) * 2015-05-11 2016-12-15 株式会社伊藤製作所 ネット張設具

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