JP3125861U - 射出成形機 - Google Patents

Abstract

【課題】竪型射出成形機の機高を小さくする。
【解決手段】フレーム１上に、第１型取付盤11及び該第１型取付盤の上方に昇降可能にに第２型取付盤12を対向配備し、第２型取付盤12に昇降駆動手段２を連繋し、第２型取付盤12上に、押出しスクリュー61を備えた射出シリンダ６を搭載し、押出しスクリュー61の回転によって溶融樹脂を射出シリンダ６の先端に供給し、押出しスクリュー61の押し込みによって溶融樹脂を射出シリンダ６の先端から射出する射出成形機において、押出しスクリュー61は射出シリンダ６と平行に位置するボールネジ４のネジ推力で押出し駆動される。
【選択図】図１

Description

本考案は、溶融樹脂を押出すスクリューの押出し駆動を、ボールネジのネジ推力で行う射出成形機に関するものである。

射出成形機は、フレーム上に、第１型取付盤及び該第１型取付盤に対して接近離間可能に第２型取付盤を対向配備し、第２型取付盤に接近離間駆動手段を連繋し、第２型取付盤上に、押出しスクリューを備えた射出シリンダを搭載し、該スクリューの回転によって溶融樹脂を射出シリンダの先端に供給し、該スクリューの押出し動作によって０溶融樹脂を射出シリンダの先端から、型締めした成形金型内に射出するのである。
射出成形機は、第２型取付け盤を垂直に移動させる竪型と、水平に移動させる横型とがある。

従来の射出成形機は、竪型、横型を問わず、押出しスクリューの押出し駆動は、油圧シリンダで行っている。この場合、押出しスクリューの後方に該油圧シリンダが位置することになり、竪型の場合は機高が大きくなり、横型の場合は機長が大きくなる問題がある。
又、油圧シリンダは、ピストンロッドを駆動する作業油が温度変化によって微妙に膨張、収縮するから、ピストンロッドのストローク量が微妙に変化して、金型内への溶融樹脂の供給に過不足が生じる。この供給樹脂の過不足は僅かな量であるが、精密な成形品の成形では、品質が一定しない問題が生じる。

本考案の射出成形機は、フレーム(１)上に、第１型取付盤(11)及び該第１型取付盤に対して接近離間可能に第２型取付盤(12)を対向配備し、第２型取付盤(12)に接近離間駆動手段(２)を連繋し、第２型取付盤(12)上に、押出しスクリュー(61)を備えた射出シリンダ(６)を搭載し、押出しスクリュー(61)の回転によって溶融樹脂を射出シリンダ(６)の先端に供給し、押出しスクリュー(61)の押出し動作によって、溶融樹脂を射出シリンダ(６)の先端から射出する射出成形機において、押出しスクリュー(61)はボールネジ(４)のネジ推力で溶融樹脂押出し方向に駆動される。

ボールネジ(４)のネジ軸(42)を射出シリンダ(６)と隣りあわせに平行に配備すれば、射出成形装置が竪型であれば機高を小さくでき、又、横型であれば機長を小さくできる。
押出しスクリュー(61)の押出し駆動は、ボールネジ(４)のネジ推力で行うため、従来の油圧シリンダを用いた場合の様に、作業環境温度の変化によって、金型(９)内への溶融樹脂の供給の過不足は生じず、高精度の成形品を製造できる。

図１乃至図４は、竪型の射出成形に本考案を実施した例を示している。
射出成形機のフレーム(１)は、左右に平行に縦板(10)(10)を有し、縦板(10)(10)間の下部に第１型取付盤(11)を定位置にて水平に設けている。
第１型取付盤(11)の上方に、第２型取付盤(12)が第１型取付盤(11)に対して接近離間可能に配備されている。
第２型取付盤(12)に連繋される接近離間駆動手段(２)は、実施例では上記両縦板(11)(11)の上部前側(作業側)に配備した油圧シリンダ(20)(20)であって、該油圧シリンダ(20)(20)のストンロッド(21)(21)を第２型取付盤(12)に連結している。

第１型取付盤(11)の上面に、成形金型(９)の一方の型(91)を取り付け、第２型取付盤(12)の下面に、他方の型(92)を取り付けている。

第２型取付盤(12)上に２本のガイド軸(13)(13)が垂直に突設され、両ガイド軸(13)(13)に跨って、下段に取付けブロック(３)、上段にスライドブロック(５)が昇降可能に配備されている。
取付けブロック(３)にはガイド軸(13)(13)間の中央部にて、下向きに射出シリンダ(６)の基端部が固定され、該射出シリンダ(６)の基端側に材料ホッパー(60)(図２参照)が接続される。

射出シリンダ(６)は加熱ヒータ(図示せず)に囲まれており、内部には押出しスクリュー(61)が収容されている。押出しスクリュー(61)の基端部は、射出シリンダ(６)の基端から突出して前記スライドブロック(５)に対して回転可能且つスライドブロック(５)と一体に昇降可能に連携される。
射出シリンダ(６)には、シリンダ内の溶融樹脂の圧力を計測する樹脂圧センサー(図示せず)が設けられている。
スライドブロック(５)上には、押出しスクリュー回転用モータ(８)が搭載されている。該モータ(８)は高精度に回転制御可能なサーボモータである。

取付けブロック(３)には、射出シリンダ(６)を挟んで、左右に一対のボールネジ(４)(４)が対称位置に配備される。
両ボールネジ(４)(４)のナット(41)(41)は、取付けブロック(３)内に回転可能に収容され、ナット(41)(41)を貫通螺合したネジ軸(42)の上端は、前記スライドブロック(５)に連結され、下端は、取付けブロック(３)の下面に固定したガイドナット(43)(43)に貫通螺合している。

ガイドナット(43)(43)には、ネジ軸(42)を囲んで有底の筒体(44)が液密に取り付けられている。筒体(44)は、ネジ軸(42)がガイドナット(43)ナットから最大臨出しても余裕のある長さであり、筒体(44)内には潤滑油が収容されている。実施例の潤滑油はグリスであが、液状潤滑油を用いてもよい。

前記ボールネジ(４)(４)のナット(41)(41)に回転駆動装置(７)が連繋される。 図５に示す如く、回転駆動装置(７)は、両ナット(41)(41)上に該ナットと同軸に従動輪(71)(71)を固定し、取付けブロック(３)の後部に枢支した駆動輪(72)と従動輪(71)(71)をタイミングベルト(73)で連繋し、駆動輪(72)にサーボモータ(74)等の高精度制御モータを連繋して構成されている。

前記取付けブロック(３)は、ノズルタッチ用の油圧シリンダ装置(図示せず)を介して第２型取付盤(12)に連繋されており、ノズルタッチ操作時以外は、第２型取付盤(12)に対して取付けブロック(３)の高さ位置は変わらない。

上記射出成形機の基本動作である、成形金型(９)の型締め動作、ノズルタッチ動作、押出しスクリュー(61)の回転によって溶融樹脂を射出シリンダ(６)の先端側(下端側)に強制的に供給する動作は周知であるので説明は省略する。

押出しスクリュー(61)の回転によって射出シリンダ(６)の先端に溶融樹脂が溜まると、溶融樹脂に対する加圧力が高まり、前記樹脂圧センサーの信号によって、回転駆動装置(７)のサーボモータ(74)が作動する。サーボモータ(74)の回転は、駆動輪(72)、タイミングベルト(73)、従動輪(71)を介してボールネジ(４)(４)のナット(41)(41)に伝達され、ネジ軸(42)(42)を上昇させる。
射出シリンダ(６)の下部に所定量の溶融樹脂が溜まると、回転駆動装置(７)のサーボモータ(74)が上記とは逆回転して、ネジ軸(42)(42)を下降させる。
ネジ軸(42)(42)の下降により、スライドブロック(５)と押出しスクリュー(61)も一緒に下降して、射出シリンダ(６)下部の溶融樹脂を成形金型(９)内に射出する。

上記の如く、押出しスクリュー(61)の押出し駆動を、ボールネジ(４)のネジ推力で行うため、従来の油圧シリンダを用いた場合の様に、作業環境の温度変化による作業油の膨張、収縮によって、油圧シリンダーのストロークが微妙に変化して、金型(９)内への溶融樹脂の供給の過不足が生じることを防止できる。
又、ボールネジ(４)は、ナット(41)とネジ軸(42)の回転摩擦が小さく、且つ、ネジ係合のバックラッシュは無いから、スライドブロック(５)のスライド駆動は円滑且つ正確であり、この点からも、溶融樹脂の射出量の精度を高めることができる。

実施例では、ボールネジ(４)のネジ軸(42)は、射出シリンダ(６)と隣り合わせに平行に配備されているから、射出成形機の機高を小さくできる。
又、実施例では、射出シリンダ(６)を挟んで２基のボールネジ(４)が対称位置に配備されているから、偏荷重によるネジ軸(42)の撓み、拗れを防止して、ナット(41)の円滑な回転が望める。

更に実施例では、ボールネジ(４)のネジ軸(42)は、グリスの充満した筒体(44)に収容されており、ネジ軸(42)の回転によって、グリスがナット(41)側に運ばれるため、ネジ軸(42)とナット(41)の回転は一層円滑となる。

図５、図６は、横型の射出成形機に本考案を実施した概略説明図である。
フレーム(１)の一端側に、横向きにガイド軸(13)(13)を設け、該ガイド軸(13)(13)に、取付けブロック(３)と、スライドブロック(５)を配備している。
取付けブロック(３)には、射出シリンダ(６)及び該射出シリンダ(６)を挟んで２基のボールネジ(４)(４)が配備されている。
射出シリンダ(６)に収容した押出しスクリュー(61)とスライドブロック(５)の連繋構造、ボールネジ(４)とスライドブロック(５)の連繋構造、ボールネジ(４)の回転駆動装置(７)等は、前記竪型射出成形機と同様、又は類するものであって、竪型射出成形機の説明で用いた符号を付ことによって、説明に代える。
横型射出成形機の場合、機長を小さくできる。

上記実施例の説明は、本考案を説明するためのものであって、実用新案登録請求の範囲に記載の考案を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本考案の各部構成は上記実施例に限らず、実用新案登録請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。

射出成形機の正面図である。 射出成形装置の側面図である。 ボールネジの取付け状態及びボールネジとスライドブロックの係合状態の説明図である。 図３Ａ−Ａ線に沿う断面図である。 横型射出成形機の平面図である。 同上の正面図である。

符号の説明

１ フレーム
11 第１型取付盤
12 第２型取付盤
２ 接近離間駆動手段
３ 取付けブロック
４ ボールネジ
41 ナット
５ スライドブロック
６ 射出シリンダ
61 押出しスクリュー
７ 回転駆動装置

Claims (4)

1. フレーム(１)上に、第１型取付盤(11)及び該第１型取付盤に対して接近離間可能に第２型取付盤(12)を対向配備し、第２型取付盤(12)に接近離間駆動手段(２)を連繋し、第２型取付盤(12)上に、押出しスクリュー(61)を備えた射出シリンダ(６)を搭載し、押出しスクリュー(61)の回転によって溶融樹脂を射出シリンダ(６)の先端に供給し、押出しスクリュー(61)の押出し動作によって、溶融樹脂を射出シリンダ(６)の先端から射出する射出成形機において、押出しスクリュー(61)はボールネジ(４)のネジ推力で溶融樹脂押出し方向に駆動される射出成形機。
2. 第２型取付盤(12)上に配備した取付けブロック(３)に、ボールネジ(４)のナット(41)を回転可能に取り付け、押出しスクリュー(61)の押出し方向にスライド可能なスライドブロック(５)にボールネジ(４)のネジ軸(42)を連結し、スライドブロック(５)に押出しスクリュー(61)を回転可能に連繋し、取付けブロック(３)に射出シリンダ(６)を取り付けている請求項１に記載の射出成形機。
3. 取付けブロック(３)には、射出シリンダ(６)を挟んで２基のボールネジ(４)(４)のナット(41)(41)が対称位置に配備され、各ナット(41)には従動輪(71)が同心に固定され、モータ駆動される駆動輪(72)を従動輪(72)(72)に連繋してナット(41)(41)を回転駆動する請求項２に記載の射出成形機。
4. ボールネジ(４)のネジ軸(42)の下部は、取付けブロック(３)に取り付けた有底の筒体(44)に嵌まっており、該筒体(44)内に潤滑油が収容されている請求項２又は３に記載の射出成形機。

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