JP3124616U - 天然木パネル - Google Patents

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【解決手段】間伐材である丸太の外周面を加工するとともにその丸太を横に切断することにより複数の切断片を設け、その各切断片の外周で形取られた外周縁部6と、その各切断片の厚み方向の両側でこの外周縁部6により囲まれた年輪を有する木地面とからなる表板5を複数設け、その各表板5の両木地面のうち一方の木地面である接合面を基板13上に重ねるとともに他方の木地面である表面8を露出させた状態で、その各表板5を基板13上に並べて固着し、互いに隣接する両表板5の外周縁部6間に筋溝18を設けた。
【効果】丸太の年輪を建築用天然木パネル1の装飾として有効に利用して建築用天然木パネル1としての装飾性を高めることができるとともに、建築用天然木パネル1を建物の壁や天井などに貼り付け易くすることができる。
【選択図】図1

Description

本考案は、主に建築用として建物の壁や天井などに貼り付ける天然木パネルに係り、特に間伐材を有効に利用した天然木パネルに関するものである。
従来、この種の建築用パネルとしては木材を主体として形成されたものが健康に良いため、下記特許文献1では、間伐丸太を縦に切断して複数の半円柱状木材を形成し、その各半円柱状木材の元口と末口とを互いに反対向きにしてその各半円柱状木材の切断面を末口の半径から1cmの幅の範囲で互いに重ね合わせて固着している。
特開平7−279303号公報
上記特許文献1にかかる建築用パネルは複数の半円柱状木材を互いに組み合わせて形成されているため、丸太の年輪が建築用パネルの装飾として有効に利用されていない。また、建築用パネルを建物の壁や床や天井などに貼り付けにくい。
この考案は、丸太の年輪を建築用等の天然木パネルの装飾として有効に利用して建築用パネル等としての装飾性を高めることができるとともに、天然木パネルを建物の壁や天井などに貼り付け易くすることを目的としている。
後記実施形態の図面(図1〜6)の符号を援用して本考案にかかる天然木パネルを説明する。
請求項1の考案にかかる天然木パネル1においては、長尺木材2,3を横に切断することにより複数の切断片4を設け、その各切断片4の外周で形取られた外周縁部6と、その各切断片4の厚み方向の両側でこの外周縁部6により囲まれた年輪を有する木地面とからなる表板5を複数設け、その各表板5の両木地面のうち一方の木地面である接合面7を基板13上に重ねるとともに他方の木地面である表面8を露出させた状態で、その各表板5を基板13上に並べて固着した。なお、基板13の材質は特に問わないが、一枚の木材板や合板等が好ましい。
請求項1の考案では、間伐材等の長尺木材2,3を有効に利用することが可能になるばかりでなく、各表板5の表面8で年輪が露出するため、それらの年輪が互いに集まって天然木パネル1の装飾性を高めることができる。また、その各表板5を基板13上に並べて固着したので、その基板13を建物の壁や天井などに貼り付け易い。
請求項2の考案にかかる天然木パネル1においては、長尺木材2,3を横に切断することにより複数の切断片4を設け、その各切断片4の外周で形取られた外周縁部6と、その各切断片4の厚み方向の両側でこの外周縁部6により囲まれた年輪を有する木地面とからなる表板5を複数設け、型枠9において底板10上で縦横に配設した各枠部11により区画された複数の収容室12に前記表板5を嵌め込んで位置決めしてその各表板5の両木地面のうち一方の木地面である表面8を底板10上に重ねた状態で、他方の木地面である接合面7に基板13を重ねてその接合面7と基板13とを互いに固着し、この各収容室12からこの各表板5をこの基板13とともに取り外すことにより、その各表板5の接合面7と表面8とのうち接合面7を基板13上に重ねるとともに表面8を露出させた状態で、その各表板5を基板13上に並べて固着した。
請求項2の考案では、請求項1の考案の効果に加え、型枠9を利用して天然木パネル1を容易に製造することができる。
請求項1または請求項2の考案を前提とする請求項3の考案において、前記長尺木材は、伐採した木材である丸太2の外周面を加工したもの(角材3等)である。請求項3の考案では、間伐材等の長尺木材(丸太2や角材3等)を有効に利用することができる。
請求項1または請求項2または請求項3の考案を前提とする請求項4の考案において、前記基板13は、形取られた外周縁部14と、厚み方向の両側でこの外周縁部14により囲まれた表面15及び裏面16とを有し、この基板13の表面15及び裏面16のうち基板5の外周縁部6の内側で基板13の表面15に前記各表板5を並べて固着した。請求項4の考案では、基板13の裏面16を建物の壁や天井などに当てがって容易に貼り付けることができる。その際、各表板5が基板13の外周縁部14から突出しないため、複数の天然木パネル1を互いに並べて建物の壁や天井などに容易に貼り付けることができる。
請求項4の考案を前提とする請求項5の考案において、前記各表板5の外周縁部6のうち前記基板13の表面15上で互いに隣接する両表板5の外周縁部6間には筋溝18を設けた。請求項5の考案では、その筋溝18が互いに隣接する両表板5の外周縁部6間の余裕空間として機能するため、各種形状の表板5を用意して基板13の表面15上に並べ易くなる。また、その筋溝18が模様としても機能するため、年輪と相俟って天然木パネル1の装飾性を高めることができる。
請求項5の考案を前提とする請求項6の考案において、前記基板13の外周縁部14に目地19を設け、その目地19よりも内側で前記表板5の外周縁部6をその目地19に沿って設けた。請求項6の考案では、複数の天然木パネル1を互いに並べた際、その目地19により筋溝18を設けることができる。
請求項1から請求項6のうちいずれかの請求項の考案を前提とする請求項7の考案において、前記基板13も木材により形成した。この木材には一枚の木材板や合板等が含まれる。請求項7の考案では、各表板5とこの基板13とが共に木材類により形成されているため、それらが互いに調和し易くなって、天然木パネル1の装飾性を高めることができる。
請求項1から請求項7のうちいずれかの請求項の考案を前提とする請求項8の考案において、天然木パネル1は建築用として建物の壁または天井に利用される。請求項8の考案では、天然木パネル1を建築用パネルとして有効利用することができる。
本考案は、丸太2の年輪を建築用パネル等の天然木パネル1の装飾として有効に利用して建築用パネル等としての装飾性を高めることができるとともに、天然木パネル1を建物の壁や天井などに貼り付け易くすることができる。
以下、本考案の一実施形態にかかる天然木パネルについて図面を参照して説明する。
図1に示す建築用の天然木パネル1は下記の手順で製造される。
図2(a)に示す長尺木材としての丸太2は伐採した木材例えば間伐材である。その丸太2の外周面2aを加工して図2(b)に示す横断面正四角柱状の角材3を長尺木材として形成する。丸太2に対する加工時にその角材3の外周四面3aを平滑面にし、その後に角材3を十分に乾燥させる。図2(c)に示すように、その角材3を横に切断して複数の切断片4を形成する。その各切断片4それぞれがそのまま図3(a)(b)に示す表板5になる。この表板5は、切断片4の外周で形取られた正方形状の外周縁部6と、その切断片4の厚み方向の両側でこの外周縁部6により囲まれた年輪を有する平坦な木地面のうち、一方の木地面である平坦な接合面7と、他方の木地面である平坦な表面8とを有している。
図4(a)に示す型枠9においては、底板10上で各枠部11が縦横に配設され、その各枠部11により複数の収容室12が区画されて縦横に並設されている。図4(b)に示すように、その各収容室12に前記表板5を嵌め込んで位置決めし、その各表板5の両木地面のうち、一方の木地面である表面8を底板10上に重ねるとともに、他方の木地面である接合面7を型枠9から露出させる。図3(c)(d)に示す基板13は、合板等の木材からなり、正方形状に形取られた外周縁部14と、厚み方向の両側でこの外周縁部14により囲まれた平坦な表面15及び裏面16とを有している。図4(c)に示すように、この基板13を型枠9に嵌め込んで基板13の表面15を各表板5の接合面7に重ねるとともに、基板13の裏面16を型枠9から露出させ、その裏面16に多数の又釘17を打って基板13に各表板5を固着する。その際、基板13の表面15と各表板5の接合面7との間に接着剤を予め塗布して基板13と各表板5とを仮止めする。この各収容室12からこの各表板5をこの基板13とともに取り外すと、図1に示す建築用の天然木パネル1が完成する。
この建築用天然木パネル1においては、各表板5の接合面7と表面8とのうち接合面7が基板13の表面15上に重ねられるとともに表面8が露出した状態で、その各表板5が基板13の外周縁部14の内側で基板13の表面15上に縦横に並べられて固着され、互いに隣接する両表板5の外周縁部6間に筋溝18が設けられている。この各筋溝18は縦横に配設されて互いに交差し、各筋溝18の端部が基板13の外周縁部14に開放されている。基板13において互いに隣接する二辺で外周縁部14に目地19が設けられ、その目地19よりも内側で各表板5の外周縁部6がその目地19に沿って設けられている。この建築用天然木パネル1において各表板5の表面8につばき油等を吹き付けて艶出ししてもよい。
このようにして製造された建築用天然木パネル1は、図5に示すように互いに並べられて建物の壁や天井などに貼り付けられる。その際、各基板13の裏面16が壁等の下地材に当てがわれて接着剤により仮止めされた状態で、各基板13が各筋溝18でその下地材に対し傘の小さい釘により固定されるとともに、互いに隣接する両基板13において目地19が目地19のない外周縁部14に当てがわれ、その目地19上で互いに隣接する両表板5の外周縁部6間に筋溝18が形成される。互いに並べられた各建築用天然木パネル1間では、各表板5が縦横に並ぶとともに、各筋溝18が縦横に並ぶ。従って、丸太2の年輪を建築用天然木パネル1の装飾として有効に利用して建築用天然木パネル1としての装飾性を高めることができるとともに、建築用天然木パネル1を建物の壁や天井などに貼り付け易い。
例えば図6(a)(b)に示すように、建築用天然木パネル1において各表板5の形状や配置を変更してもよい。また、図示しないが、互いに隣接する両表板5の外周縁部6を直接接触させて両外周縁部6間の筋溝18の一部または全部を省略してもよい。なお、この天然木パネル1は建築用以外の各種用途にも利用することができる。
本実施形態にかかる一枚の建築用天然木パネルを示す斜視図である。 (a)は伐採した丸太を概略的に示す斜視図であり、(b)はその木材の外周面を加工した角材を示す斜視図であり、(c)はその角材を横に切断した複数の切断片を示す斜視図である。 (a)(b)はそれぞれ図2(c)の切断片からなる表板を示す斜視図であり、(c)(d)は基板を示す斜視図である。 (a)は型枠を示す斜視図であり、(b)はその型枠に上記表板を嵌め込んだ状態を示す斜視図であり、(c)はさらにその型枠に基板を重ねた状態を示す斜視図である。 本実施形態にかかる各建築用天然木パネルを並べた壁または天井の一部を示す正面図である。 (a)(b)はそれぞれ別の実施形態にかかる一枚の建築用天然木パネルを示す正面図である。
符号の説明
1…建築用天然木パネル、2…長尺木材としての丸太、2a…丸太の外周面、3…長尺木材としての角材、4…切断片、5…表板、6…表板の外周縁部、7…表板の接合面、8…表板の表面、9…型枠、10…型枠の底板、11…型枠の枠部、12…型枠の収容室、13…基板、14…基板の外周縁部、15…基板の表面、16…基板の裏面、18…筋溝、19…基板の目地。

Claims (8)

  1. 長尺木材を横に切断することにより複数の切断片を設け、その各切断片の外周で形取られた外周縁部と、その各切断片の厚み方向の両側でこの外周縁部により囲まれた年輪を有する木地面とからなる表板を複数設け、その各表板の両木地面のうち一方の木地面である接合面を基板上に重ねるとともに他方の木地面である表面を露出させた状態で、その各表板を基板上に並べて固着したことを特徴とする天然木パネル。
  2. 長尺木材を横に切断することにより複数の切断片を設け、その各切断片の外周で形取られた外周縁部と、その各切断片の厚み方向の両側でこの外周縁部により囲まれた年輪を有する木地面とからなる表板を複数設け、
    型枠において底板上で縦横に配設した各枠部により区画された複数の収容室に前記表板を嵌め込んで位置決めしてその各表板の両木地面のうち一方の木地面である表面を底板上に重ねた状態で、他方の木地面である接合面に基板を重ねてその接合面と基板とを互いに固着し、この収容室からこの各表板をこの基板とともに取り外すことにより、
    その各表板の接合面と表面とのうち接合面を基板上に重ねるとともに表面を露出させた状態で、その各表板を基板上に並べて固着した
    ことを特徴とする天然木パネル。
  3. 前記長尺木材は、伐採した木材である丸太の外周面を加工したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の天然木パネル。
  4. 前記基板は、形取られた外周縁部と、厚み方向の両側でこの外周縁部により囲まれた表面及び裏面とを有し、この基板の表面及び裏面のうち基板の外周縁部の内側で基板の表面に前記各表板を並べて固着したことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載の天然木パネル。
  5. 前記各表板の外周縁部のうち前記基板の表面上で互いに隣接する両表板の外周縁部間には筋溝を設けたことを特徴とする請求項4に記載の天然木パネル。
  6. 前記基板の外周縁部に目地を設け、その目地よりも内側で前記表板の外周縁部をその目地に沿って設けたことを特徴とする請求項5に記載の天然木パネル。
  7. 前記基板も木材により形成したことを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれかの請求項に記載の天然木パネル。
  8. 建築用として建物の壁または天井に利用されることを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれかの請求項に記載の天然木パネル。
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