JP3124548B2 - アルケンの製造 - Google Patents

アルケンの製造

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JP3124548B2 JP04503817A JP50381792A JP3124548B2 JP 3124548 B2 JP3124548 B2 JP 3124548B2 JP 04503817 A JP04503817 A JP 04503817A JP 50381792 A JP50381792 A JP 50381792A JP 3124548 B2 JP3124548 B2 JP 3124548B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景及び従来技術の説明 本件出願は、“アルケンの製造”に関して1990年、2
月23日に出願された本件出願人の共同未決米国特許出願
第07/488,451号の一部継続出願であり、この出願は1987
年、12月15日に出願された米国特許出願第133,206号の
継続出願であり、この出願は1985年7月22に出願された
米国特許出願第757,585号の継続出願であった。
本発明はエチレン及びエチレンと塩化ビニルの混合物
の製造法に関する。更に詳しくは、本発明はエタンと塩
素の反応によるエチレン及びエチレンと塩化ビニルの混
合物の新規な製造法に関する。
エチレンは有益な広く使用される商品である。100億
ポンドを越えるエチレンが毎年米国だけでも消費されて
種々の銘柄のポリエチレンを製造している。
エチレンのその他の主要な用途は塩化ビニルを製造す
るための原料としてであり、これは次いでポリ塩化ビニ
ル(PVCと称する)に重合し得る。
毎年消費されるエチレンの莫大な量に鑑みて、エチレ
ンを製造するための経済的で改良された方法にかなりの
関心がある。現在、エチレンは、典型的にはエタンとク
ラッキング供給原料、例えば、プロパン、ブタン、及び
ナフサの高温脱水素により製造されている。このような
高温法はかなりの量のエネルギーの消費を必要とし、こ
れは費用のかかるものである。
更に低温に於ける塩素または塩素を含む化合物との反
応によるエタンまたはその他の低級オレフィン系炭化水
素の脱水素のための実施可能な方法を開発することが幾
つか試みられていた。本発明者らが知る限りでは、これ
らの従来の試みのいずれもが商業上実施可能な方法をも
たらさなかった。
Baehr(米国特許第2,259,195号)は、塩素を使用して
3〜8個の炭素原子を有するパラフィン系炭化水素及び
オレフィン系炭化水素を脱水素する方法を開示してい
る。この方法では、塩素と炭化水素が混合され、気相中
で300℃〜800℃の温度で反応させられる。本明細書の比
較例Aに於いて、本発明者らは、Baehrの実施例1の操
作が、エタンに適用される場合に、殆ど即時のコーキン
グ及び系のプラギングをひき起こすことを示す。
Gorinらの米国特許第2,488,083号明細書は、ガス状メ
タンと天然ガスをアルキルハライド中間体を経由し、続
いて脱ハロゲン化水素縮合(dehydrohalogenocondensat
ion)することにより液体炭化水素に変換する方法を示
している。その他のガス状の物質からの塩化水素の分離
が示されている。
Dirstineら(米国特許第2,628,259号)は、エタンを
塩素化して塩化ビニリデン(1,1−ジクロロエチレン)
と塩化ビニルを製造する方法を開示している。この方法
は450℃〜600℃の温度で希釈ガスの存在下で1.9:1〜3.
0:1の塩素対エタンのモル比で行われる。
Conrad(米国特許第2,838,579号)は、エタンを塩素
化してクロロエタン生成物、例えば、塩化エチル、1,1
−ジクロロエタンもしくは1,2−ジクロロエタン、また
は所望により高級クロロエタンを製造する方法を開示し
ている。その方法は高圧で300〜600℃の温度範囲で無機
のカーボン被覆粒子からなる流動床触媒の存在下で行わ
れる。
Mullineaux(米国特許第2,890,253号)は、ヨウ素と
酸素を使用してエタンを含む飽和炭化水素を脱水素して
不飽和炭化水素を製造することを開示している。ヨウ素
とエタンの反応を示す実施例(実施例VI、10欄)に於い
て、反応したエタンの量はわずかに40%であった。
Taylor(米国特許第3,166,601号)は、エタンを塩素
化して不飽和の塩素化生成物を製造する方法を開示して
いる。この方法は600℃〜900℃の温度で不活性希釈ガス
の存在下で行われる。
Carroll(米国特許第3,173,962号)は、アルカン、塩
化水素、及び酸素または酸素を含むガスの混合物を約30
0〜650℃の温度で触媒に通すことを含む、2〜6個の炭
素原子を含むアルカンからオレフィン及び塩素化アルカ
ンへの変換方法を開示している。
Bajars(米国特許第3,207,811号)は、4〜6個の炭
素原子の脂肪族炭化水素を酸素及び塩素の源と共に触媒
の存在下で少なくとも450℃から1000℃までの温度に加
熱することを含む、4〜6個の炭素原子の脂肪族炭化水
素の接触脱水素法を開示している。
Riegel(米国特許第3,557,229号)は、エタンを接触
オキシ塩素化して塩化エチル、ジクロロエタン、エチレ
ン及びその他の化合物と一緒に塩化ビニルを製造する方
法を開示している。反応体はエタン、塩酸及び酸素源で
ある。
Beard(米国特許第3,558,735号)は、エタンを流動化
した塩化銅と稀土類元素のハロゲン化物触媒の存在下で
350℃以上から約650℃までの温度で塩化水素及び酸素と
反応させるエチレンの製造のための触媒オキシ脱水素法
を開示している。
Beard(米国特許第3,658,934号、同第3,702,311号及
び同第3,862,996号)は、エタンを不活性ガス希釈剤及
び触媒の存在下で350℃以上から約650℃までの温度でハ
ロゲンと反応させることを含むエチレンの接触製造法を
開示している。
Kroenkeらは、一連の特許(米国特許第4,119,570号、
同第4,375,569号、同第4,461,919号及び同第4,467,127
号)にエタンをオキシ塩素化してエチレン、二塩化エチ
レン、塩化ビニル、及び塩化エチルの混合物を製造する
方法を開示している。この方法では、エタン、酸素(好
ましくは空気からの酸素)及び塩素源、例えば、塩化水
素が触媒の存在下で400℃から約650℃までの温度で反応
させられる。
Zaidmanら(米国特許第4,217,311号)は、塩化ビニル
の製造法を開示している。この方法では、エチレンとエ
タンの混合物が300℃〜550℃の温度で塩素と反応させら
れる。塩素が反応帯域に沿って幾つかの位置で添加され
る。
Li(米国特許第4,300,005号)は、2〜4個の炭素の
アルカンのオキシ塩素化によるモノハロゲン化オレフィ
ン及びその他の生成物を製造する接触法を開示してい
る。その方法では、アルカンが約400℃〜650℃の温度で
触媒の存在下でハロゲン化水素及び酸素源と反応させら
れる。
Pykeら(英国特許第2,095,242A号及び同第2,095,245A
号)は、エタンを275℃〜500℃の温度で塩素源及び酸素
と反応させることにより塩化ビニルを製造する接触法を
開示している。
発明の要約 本発明によれば、エタンを塩素と反応させてエチレン
と塩化ビニルの混合物を製造する方法が提供される。こ
の方法は、約50%以上の反応器中の通過当たりのエタン
の転化率及び消費されるエタンの約80%以上のエチレン
と塩化ビニルの合計モル収率を特徴とする。本発明の方
法を行う際に、エタンは塩素と緊密に混合され、その混
合物が不活性反応器中で加熱されて反応を開始する。そ
の反応は完結まで進行させられ、反応帯域を出る反応混
合物は約600℃〜約800℃の温度を有する。エタン対塩素
の比は約0.9:1以上である。
図面 図1は供給原料中のエタン対塩素の比及び反応温度の
関数として本発明の方法のエチレンの収率を示すグラフ
である。
図2は供給原料中のエタン対塩素の比の関数として、
また反応温度の関数として塩化ビニルの収率を示すグラ
フである。
図3は供給原料中のエタン対塩素の比の関数として、
また反応温度の関数として本発明の方法に於ける塩化エ
チルの収率を示すグラフである。
図4は反応時間の関数としてエタン転化率、並びにエ
チレン、塩化ビニル、及び塩化エチルの収率を示すグラ
フである。
図5は本発明の方法の略図である。
発明の詳細な説明 本発明は、塩素をエタンと反応させることによるエチ
レンまたはエチレンと塩化ビニルの混合物の製造に有効
な方法を提供する。
本発明によれば、 (a)エタンを塩素と緊密に混合して少なくとも約0.9:
1のエタン対塩素のモル比を有し、且つ化学反応が前記
の混合物中で実質的に起こらないような温度を有する混
合物を生成し; (b)その混合物を不活性反応帯域に通し; (c)その混合物を反応帯域中で加熱してエチレンと塩
化ビニルを生成する化学反応を開始し;そして (d)反応帯域を出る反応混合物が約400℃〜約800℃の
温度を有するように、反応を完結まで進行させ、 それによりエチレンと塩化ビニルの合計モル収率が消費
エタンの少なくとも約80%であることを特徴とするエタ
ンと塩素の反応によるエチレンと塩化ビニルの製造法が
提供される。
エチレンと塩化ビニルを製造するためのエタンと塩素
の変換は、 (1)次式により表されるような塩化エチルを生成する
ためのエタンの塩素化 C2H6+Cl2−>C2H5Cl+HCl (2)次式により表されるようなエチレンを生成するた
めの塩化エチルの分解 C2H5Cl−>C2H4+HCl (3)下記の総括式により表し得る一連反応による塩化
ビニルを生成するためのエタンの塩素化及び脱水素 C2H6+2Cl2−>C2H3Cl+3HCl (4)次式により表されるようなエチレンを生成するた
めのエタンの脱水素 C2H6−>C2H4+H2 を含む一連の幾つかの中間反応から生じるものと考えら
れる。
これらの反応の中で、エタンの塩素化(反応(1))
は高度に発熱性であり、生成される塩化エチル1モル当
たり28.65kcalを生じる。反応の熱は、少なくとも一部
は、本発明の方法に於いて、エタンと塩素の混合物を所
望の反応温度に加熱することに依存してもよい。また、
反応(3)は発熱性であり、生成される塩化ビニル1モ
ル当たり41kcalを生じ、また本発明の方法を持続するた
めの熱を与えることができる。一方、反応(2)及び
(4)は吸熱性であり、夫々、反応される塩化エチル1
モル当たり17.27kcal及び反応されるエタン1モル当た
り32.7kcalを必要とする。
本発明によれば、エタンはガス状塩素と、これらの二
種のガスが反応しないような温度で混合される。反応
(1)は遊離基(これは、その後、エタンの塩素化を開
始する)への塩素の熱解離により開始される遊離基反応
であると考えられる。このような遊離基は少なくとも約
215℃の温度で生成されることが知られているので、エ
タンと塩素は215℃未満の温度で混合される。エタンと
塩素は周囲温度で都合よく混合し得るが、これらの反応
体はまた、塩素が混合の前またはその直後に約200℃〜2
15℃を越えない限り、若干高い温度で混合されてもよ
い。こうして、例えば、混合帯域に供給されるエタンは
約200℃の温度を有することができ、塩素は約20℃の温
度有することができ、使用されるエタンと塩素のモル比
及びそれらの熱容量により約180℃の混合物を生じる。
塩素がガス形態であること、及び液体塩素(これは望ま
しくない爆発をもたらすことがある)が存在しないこと
が重要である。
供給原料混合物中の塩素対エタンの比は本発明の方法
を行う際に注意して選ばれるべきである。エタン対塩素
の比が高い程、少量の塩化ビニルが生成される。あまり
に少量の塩素が使用されると、反応は二三の副生物を生
成し、塩化ビニルを殆ど生成しないが、多量の未反応の
エタンを残す。従って、更に複雑な生成物の分離が、エ
チレンを回収し、そして未反応のエタンを循環するため
に必要とされる。一方、あまりに多量の塩素の存在はポ
リ塩素化生成物、その他の副生物、及びカーボン形成を
もたらす。本発明者らは、少なくとも約0.9:1、更に一
般には約1:1〜約4:1のエタン対塩素のモル比で良好な結
果が得られることを見出した。エタン対塩素の比の好ま
しい範囲は約1:1〜約2:1であり、約1.3:1.0〜約1.6:1.0
の比が特に好ましい。
エタンと塩素の混合は、ガスの緊密な混合物を生成す
るあらゆる操作により行い得る。混合が不完全である
と、ガス混合物が反応器に誘導される場合に、望ましく
ない反応が、局所の過剰の塩素が存在する領域で起こ
り、これがポリ塩素化化合物、アセチレン、更にはカー
ボンの生成をもたらすことがある。本発明者らは、ガス
を充填カラムに通すことが所望の混合を生じることを見
出した。しかしながら、その他の混合方法も当業者に容
易に明らかであろう。
エタンと塩素を混合した後、その混合物は不活性反応
器に誘導され、そこで熱が混合物に加えられる。約215
℃で、塩化エチルを生成するエタンと塩素の間の発熱反
応が開始し、更なる温度上昇を生じる。約600℃で、エ
チレンを生成する吸熱脱ハロゲン化水素化が若干迅速に
起こる。従って、本発明の目的を達成するために、反応
帯域内の温度は約600℃以上であるべきである。反応帯
域中の最も高い温度はかなりの期間にわたって800℃を
越えないことが好ましい。高温の期間が1秒程度に短い
と、温度が800℃を越えることがある。反応は約600℃〜
約800℃の温度で行われることが好ましく、約650℃から
約750℃までの反応混合物の最終温度が特に好ましい。
本発明の目的を達成するために、反応器の内表面が不
活性であることが重要である。殆どの金属製反応器は副
反応を生じ、これがカーボン形成をもたらす。本発明者
らは、石英、炭化ケイ素、アルミナ、及びグラファイト
のライニングが好適であることを見出した。しかしなが
ら、当業者は、無用の実験をしないでも、この方法のた
めの反応器のライニングに適するその他の不活性材料を
見出すことができるであろう。
本発明の不活性反応器は、管形反応器、円筒形反応
器、または球形反応器の如き多くの形態をとることがで
きる。それは単一反応器であってもよく、またはそれは
幾つかの反応室に分けられてもよい。夫々の別個の反応
室は同じ速度または異なる速度で加熱されてもよい。単
一反応器は、異なる速度で加熱される領域を含んでもよ
い。必要により、ガスは単一反応器中の加熱されていな
い帯域または多室反応器中の加熱されていない室を通過
してもよい。この帯域または室中で、発熱反応及び吸熱
反応の反応熱が反応温度を調節する。反応器が加熱また
は冷却の不在下でプラグ流を生じるのに充分小さい直径
の管形反応器である場合、入口から出口までに明らかな
温度プロフィールがある。即ち、反応が一旦約215℃以
上で開始されると、その温度は発熱反応(1)のために
上昇する。次いで反応温度はピークに達し、そして発熱
反応(1)が停止し、反応(2)及び(4)の如き吸熱
反応が起こる際に低下する。このような反応器中で、加
熱を第一段階で適用して反応を開始することができ、最
終段階で吸熱反応を誘導して反応温度を600℃〜800℃の
範囲に保つことができる。反応時間は通常1分未満であ
る。しかしながら、少なくとも6〜8秒の反応時間が塩
化エチルの生成を最小にするのに所望される。
本発明の方法は大気圧に制限されず、約30気圧程度に
高い圧力で行うことができる。圧力を選ぶ際に、高圧反
応器で必要とされる余分の強さに対して高圧に於ける更
に大きさ処理量をバランスさせる必要がある。しかしな
がら、大気圧に近い圧力、即ち2気圧未満で実施するこ
とが好ましい。
実際には、本発明の方法は、反応器に入るエタンの10
0%を変換しない。それ故、その方法から生成物流は、
主としてエチレン、塩化水素、若干の水素、及び未反応
のエタンからなる、反応体ガス流は、当業者に公知の方
法により容易に分別されて種々の成分を分離し得る。し
かしながら、これは必要ではなく、塩化水素とエチレン
が一緒に処理されて1,2−ジクロロエタン及び塩化ビニ
ルを生成し得る。これらの反応では、少量の水素とエタ
ンは問題を生じない。
オキシ塩素化反応が知られており、この反応では、エ
チレン、塩酸及び酸素源(一般に空気または純粋な酸
素)が反応させられて1,2−ジクロロエタンを生成す
る。この反応の総括式は下記のとおりである。
C2H4+2HCl+1/202−>C2H4Cl2+H2O 生成物ガスの流れがエチレンと塩化水素の適当なバラ
ンスを含まない場合、反応体の一方または他方が添加さ
れてもよく、また除去されてもよい。このような反応は
通常225℃〜250℃の温度でアルミナ担持塩化銅の如き触
媒で行われる。
この反応の生成物は1,2−ジクロロエタンであり、こ
れは順に熱分解されて塩化ビニルを生成し得る。
本発明の方法は更に図5の略図により説明される。図
5では、塩素の供給流11とエタンの供給流12(これらは
両方とも実質的に周囲温度であってもよい)が混合装置
10に供給されて充分に混合されたガス流を生成する。次
いで供給流13は、塩素とエタンの混合物の温度を少なく
とも約215℃に上昇して反応を開始するための加熱装置
を備えた反応器14に供給される。反応器14は、反応混合
物15が約600℃〜約800℃で反応器14を出るように充分な
熱を反応混合物に与えるべきである。次いで反応混合物
15は熱交換器16に通されて、更に分離及び処理するため
に冷却流17にその混合物を急冷し得る。上記のように、
反応器14の内表面は不活性であり、しかも非金属である
べきであり、石英、炭化ケイ素、アルミナまたはグラフ
ァイトライニングの如き材料からつくられることが好ま
しい。
下記の実施例は、特にことわらない限り、本発明の特
別な実施態様を説明するが、単なる例示と見なされるべ
きであり、本発明を限定するものではない。
実施例1 約0.95:1から約3.33:1まで変化するエタン対塩素の比
を含む周囲温度のエタンと塩素の混合物を、8cmの内径
を有する長さ140cmの予熱された石英管形反応器に供給
する一連の実験を行った。エタンと塩素の反応を、反応
器の中央の外表面から測定して(所謂、“ミッド−スキ
ン(mid−skin)温度”)625℃、675℃、及び740℃で行
った。反応器中の滞留時間は約4秒であった。反応生成
物を空冷し、水冷し、平衡を確立した後に、ガスクロマ
トグラフィーにより分析した。結果は下記のとおりであ
った。
エチレン、塩化ビニル及び塩化エチルの収率が夫々図
1、図2及び図3中でモル比及び温度の関数としてプロ
ットされている。
表1及び図1〜3からわかるように、反応温度が650
℃より高かった場合、塩化ビニルの収率は供給原料中の
エタン対塩素の比が増加するにつれて低下した。加え
て、塩化エチルの収率は反応温度が低下するにつれて増
加し、更に低温では、供給原料中のエタン対塩素の比が
増加するにつれて増加した。それ故、625℃の温度で
は、エチレンと塩化ビニルの良好な収率が約1:1のエタ
ン対塩素の比でのみ得られた。
実施例2 実施例1に記載された装置を使用して、一連の反応を
1.39:1のエタン/塩素供給原料比及び675℃の反応器温
度で行ったが、滞留時間は3秒から11秒まで変化した。
エタン消費並びにエチレン、塩化ビニル、及び塩化エチ
ルの収率は下記のとおりであることがわかった。
エタン消費と生成物収率の依存性が図4中に反応時間
の関数としてプロットされる。
明らかであるように、増大された反応時間はエチレン
の収率を増加し、塩化エチルの収率を減少したが、エタ
ン転化率または塩化ビニル収率に殆ど影響しなかった。
比較例A この例は、米国特許第2,259,195号明細書の実施例1
に示された実験条件を繰り返すことを目的とし、但しそ
の特許の実施例に使用されたブタンをエタンに置換し
た。エタン60リットル/時間及び塩素120リットル/時
間を2.2mmの内径のテフロン管(これは長さ50cmであっ
た)中で予備混合した。その混合物を、電気炉により外
部加熱された前面多孔板に対して2mmの石英毛細管に通
した。得られる反応混合物は空冷部分及び水冷交換器を
通過した。前面板を内径15mmの石英管中に配置した。管
のスキン温度を測定した。300℃、600℃、及び800℃の
反応器スキン温度を試験した。試験した全ての温度で、
多量のカーボンを生成した。実際に、カーボン生成は、
夫々の場合にガス流を安定化した1分未満の後に反応管
がカーボンで詰まらされる程ひどかった。短い操作時間
のために、カーボン以外のどのようなその他の生成物が
反応中に生成されたかを測定するためのガスクロマトグ
ラフィー分析を行うことができなかった。
フロントページの続き (72)発明者 ワイスマン マージャー エイ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 91350 サンタ クラリータ ブーケッ ト 26035 (56)参考文献 特開 昭51−122004(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 5/44 C07C 11/04 C07C 17/10 C07C 21/06

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)エタン供給ガスの流れと塩素供給ガ
    スの流れを用意し; (b)前記のエタン供給ガスと塩素供給ガスを少なくと
    も約0.9:1のエタン対塩素のモル比で混合帯域中で充分
    に混合し; (c)前記のエタン供給ガスと塩素供給ガスの温度は、
    化学反応が前記の混合中及びその直後に実質的に起こら
    ないような温度であり; (d)前記の混合物を不活性反応帯域に通し; (e)前記の混合物を前記の不活性反応帯域中で加熱し
    て前記のエタンと前記の塩素の間の化学反応を開始し; (f)反応混合物が約600℃〜約800℃の温度を有するの
    に必要とされる熱を前記の反応混合物に与え続け; それにより、エチレンと塩化ビニルの合計モル収率が消
    費されたエタンの少なくとも約80%であることを特徴と
    するエタンと塩素の反応によるエチレン、またはエチレ
    ンと塩化ビニルの混合物の製造法。
  2. 【請求項2】前記のエタンと塩素の混合物が前記の混合
    直後に約215℃未満の温度を有する請求の範囲第1項に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】前記の温度がほぼ周囲温度である請求の範
    囲第2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記の反応混合物が約600℃〜約800℃の温
    度を有する請求の範囲第1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記の反応混合物が約650℃〜約750℃の温
    度を有する請求の範囲第1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記のエタン対塩素のモル比が約1:1〜約
    4:1である請求の範囲第1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記のエタン対塩素のモル比が約1:1〜約
    2:1である請求の範囲第1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記のエタン対塩素のモル比が約1.3:1〜
    約1.6:1である請求の範囲第1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記のエタン対前記の塩素の間の前記の反
    応が前記の混合の開始後約1分以内に実質的に完結され
    る請求の範囲第1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記のエタン対前記の塩素の間の前記の
    反応が前記の混合の開始後約10秒以内に実質的に完結さ
    れる請求の範囲第1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記のエタンと前記の塩素が、石英、炭
    化ケイ素、アルミナ、及びグラファイトから選ばれた材
    料からつくられた不活性反応帯域中で反応させられる請
    求の範囲第1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】エタンと塩素の反応から生成したエチレ
    ンと塩化水素を酸素源と反応させてジクロロエタンを製
    造することを更に含む請求の範囲第1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記のジクロロエタンを加熱して塩化ビ
    ニルを製造することを更に含む請求の範囲第12項に記載
    の方法。
  14. 【請求項14】反応混合物が約400℃〜約600℃の温度を
    有し、更に塩化エチルを前記の反応混合物中でエチレン
    と塩化水素に分解することを含む請求の範囲第1項に記
    載の方法。
  15. 【請求項15】前記の分解が約500℃で脱ハロゲン化水
    素触媒の存在下で行われる請求の範囲第14項に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】前記の反応器中の通過当たりに変換され
    るエタンが供給原料中のエタンの少なくとも約50%であ
    る請求の範囲第1項に記載の方法。
  17. 【請求項17】前記のエタンと塩素の反応を促進する触
    媒を用意することを更に含む請求の範囲第1項に記載の
    方法。
  18. 【請求項18】(a)エタン供給ガスの流れと塩素供給
    ガスの流れを用意し; (b)前記のエタン供給ガスと塩素供給ガスを約1.1:1
    〜約1.9:1のエタン対塩素のモル比で混合帯域中で充分
    に混合し; (c)前記のエタン供給ガスと前記の塩素供給ガスは、
    化学反応が前記の混合中及びその直後に実質的に起こら
    ないような周囲温度であり; (d)前記の混合物を不活性反応帯域に通し; (e)前記の混合物を前記の不活性反応帯域中で加熱し
    て前記のエタンと前記の塩素の間の化学反応を開始し; (f)反応混合物が約650℃〜約750℃の温度を有するよ
    うに熱を前記の反応混合物に与え続け; それにより、エチレンと塩化ビニルの合計モル収率が消
    費されたエタンの少なくとも約90%であることを特徴と
    するエタンと塩素の反応によるエチレン、またはエチレ
    ンと塩化ビニルの混合物の製造法。
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