JP3124062B2 - 悪酔防止剤 - Google Patents

悪酔防止剤

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JP3124062B2
JP3124062B2 JP03104016A JP10401691A JP3124062B2 JP 3124062 B2 JP3124062 B2 JP 3124062B2 JP 03104016 A JP03104016 A JP 03104016A JP 10401691 A JP10401691 A JP 10401691A JP 3124062 B2 JP3124062 B2 JP 3124062B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジオキサビシクロ
〔3.3.0〕オクタン誘導体を有効成分とする悪酔防
止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】飲酒、特に過飲による悪酔症状は、たと
えば皮膚紅潮、熱感、動悸、瀕脈、頭痛、痙攣、悪心、
吐気、口臭、尿臭などの症状として現われる。このよう
な悪酔症状の改善には、一般に飲みすぎによる胃のもた
れ、むかつき、胸やけなどを局所的に抑える方法が用い
られているのが実情である。たとえば、各種胃腸薬、生
薬製剤などがこれにあたり上記不快症状の軽減がはから
れている。
【0003】今日、悪酔症状の主な原因は、アルコール
代謝の代謝生成物であるアセトアルデヒドが十分に代謝
されないで、そのまま体内に残留しているためであると
いわれている。
【0004】井尻等は、清酒摂取時の悪酔症状と血中ア
ルコール量、アセトアルデヒド量、尿中カテコールアミ
ン排泄量の相関について研究し、その結果アセトアルデ
ヒド濃度の上昇がカテコールアミン分泌を促進させ、顔
面紅潮、脈拍増加等の諸症状があらわれると報告してい
る(Japan J.Stud.Alcohol
(1),35〜39,1974)。このような立場か
ら、特開昭62−74269号公報や特開昭62−27
7325号公報では、アセトアルデヒド脱水素酵素を活
性化し、アセトアルデヒドの代謝を促進させることで悪
酔症状を改善している。
【0005】しかしながら、慢性飲酒により、アセトア
ルデヒドに対する感受性が変化し、アセトアルデヒド濃
度が高値を示しているにもかかわらず悪酔症状がでない
という報告、さらにアセトアルデヒド代謝生成物である
アセテートが心拍出量、血流などを上昇させるとい
う報告 (J.Clin.Invest.62,1029-1038,1978 )もあり、
これらが悪酔症状に寄与しているとも考えられ、アセト
アルデヒド代謝促進のみが悪酔症状の改善に関係してい
るとはいえないのが現状である。
【0006】したがって、悪酔症状の改善を評価する場
合、質問紙による主観的な悪酔状態の評価にたよらなけ
ればならず、これらの症状の客観的な生理評価が望まれ
る。
【0007】一方ゴマの栄養価は古くから知られ、漢方
では、滋養強壮、便通をよくする作用があるといわれて
いる。またゴマ成分の1つであるセサミンは、アルコー
ル中毒や禁断症状の緩和(USP4427694)に応用されてい
るが、悪酔防止効果を有するとの報告例はない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、新規
な悪酔防止剤を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成するためにヒトを用いた悪酔症状の生理反応評
価、具体的には顔面紅潮の指標としてサーモグラフィー
による顔の表面皮膚温度の計測、ならびに心拍副交感神
経機能の指標として心拍数測定から心拍呼吸性変動(R
SA) を算出し評価試験を実施した。被験者は、皮膚紅
潮、心悸亢進といった症状を呈しやすい人を用い、悪酔
防止効果が明確に評価できるような方法を用いた。この
ような評価系を用いて悪酔防止剤を探索した結果、胡麻
種子、胡麻粕及び胡麻油中より単離した又は合成により
得られたジオキサビシクロ〔3.3.0〕オクタン誘導体が
悪酔防止能を有する上に安全性が高いことを見い出し本
発明を完成した。
【0010】従って本発明は、次の一般式(I):
【化2】
【0011】(式中、R,R,R,R,R
及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のア
ルキル基、あるいはRとR、及び/又はRとR
は一緒になってメチレン基もしくはエチレン基を表し、
そしてn,m,lは0又は1を表す)で表わされるジオ
キサビシクロ〔3,3.0〕オクタン誘導体(すべての
可能な立体異性体は上述の構造定義の中に含まれる。)
を有効成分とする悪酔防止剤を提供しようとするもので
ある。
【0012】
【具体的な説明】本発明で使用するジオキサビシクロ
〔3.3.0〕オクタン誘導体としては、セサミン、セ
サミノール、エピセサミン、エピセサミノール、セサモ
リン、2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−6
−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−3,7
−ジオキサビシクロ〔3.3.0〕オクタン、2,6−
ビス−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−
3,7−ジオキサビシクロ〔3.3.0〕オクタン、又
は2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−6−
(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェノキシ)−3,7
−ジオキサビシクロ〔3.3.0〕オクタン等を挙げる
ことができ、これらの立体異性体又はラセミ体を単独
で、または混合して使用することができる。
【0013】本発明化合物及び本発明化合物を主成分と
する抽出物を得る方法として次の手順で行うことができ
る。まず、本発明化合物を主成分とする抽出物を胡麻油
から得るには、胡麻油とは実質的に非混和性であり且つ
本発明化合物を抽出・溶解することができる種々の有機
溶剤を用いて抽出・濃縮することで得られる。このよう
な有機溶剤として、例えば、アセトン、メチルエチルケ
トン、ジエチルケトン、メタノール、エタノール等を挙
げることができる。
【0014】本発明化合物を主成分とする抽出物を得る
には、例えば胡麻油と上記の溶剤のいずれかとを均一に
混合した後、低温において静置し、遠心分離等の常法に
従って相分離を行い、溶剤画分から溶剤を蒸発除去する
ことにより得られる。さらに具体的には、胡麻油を2〜
10倍、好ましくは6〜8倍容量のアセトンに溶かし、
−80℃で一晩放置する。その結果油成分が沈澱とな
り、濾過により得た濾液から有機溶剤を留去して、本発
明化合物を主成分とする抽出物が得られる。
【0015】あるいは、胡麻油を熱メタノール又は熱エ
タノールで混合した後、室温において静置し、溶剤画分
から溶剤を蒸発除去することにより得られる。さらに具
体的には、胡麻油を2〜10倍、好ましくは5〜7倍容
量の熱メタノール(50℃以上)又は熱エタノール(5
0℃以上)で混合し激げしく抽出する。室温に静置ある
いは遠心分離等の常法に従って相分離を行い、溶剤画分
から溶剤を留去して、本発明化合物を主成分とする抽出
物が得られる。又超臨界ガス抽出も利用できる。
【0016】この抽出物より、各々の本発明化合物を得
るためには、抽出物をカラムクロマトグラフィー、高速
液体クロマトグラフィー、再結晶、蒸留、液々向流分配
クロマトグラフィー等の常法に従って処理することによ
り目的とする化合物を単離すればよい。さらに具体的に
は、逆相カラム(5C18)、溶離液にメタノール/水
(60:40)を使って、上記抽出物を高速液体クロマ
トグラフィーで分取し、溶媒を留去した後、得られた結
晶をエタノールで再結晶化することでセサミン、エピセ
サミン、セサミノール、エピセサミノール等の各本発明
化合物が得られる。
【0017】用いる胡麻油は精製品でもよく、また胡麻
油の製造過程で脱色工程前のいずれの粗製品でもよくさ
らに、胡麻種子あるいは胡麻粕(脱脂胡麻種子、残油分
8〜10%)であってもよい。この場合、胡麻種子ある
いは胡麻粕を必要により破砕した後、任意の溶剤、例え
ば胡麻油からの抽出について前記した溶剤を用いて常法
により抽出することができる。抽出残渣を分離した後、
抽出液から蒸発等により溶剤を除去することにより抽出
物が得られる。
【0018】このように調製された胡麻種子抽出物、胡
麻粕抽出物あるいは粗製品の胡麻油抽出物からはセサミ
ン、エピセサミン、セサミノール、エピセサミノール以
外に、セサモリン、2−(3,4−メチレンジオキシフ
ェニル)−6−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,7−ジオキサビシクロ〔3.3.0〕オクタ
ン、2,6−ビス−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフ
ェニル)−3,7−ジオキサビシクロ〔3.3.0〕オ
クタン、又は2−(3,4−メチレンジオキシフェニ
ル)−6−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェノキ
シ)−3,7−ジオキサビシクロ〔3.3.0〕オクタ
ンの各本発明の化合物が同様の手法で得られる。さら
に、胡麻油製造過程の副産物からも本発明化合物を得る
ことができる。
【0019】なお、本発明化合物の精製法及び抽出物を
得る方法は、これに限られるものではない。さらに、上
記本発明化合物及び本発明化合物を主成分とする抽出物
は胡麻油、胡麻粕、及び胡麻種子から得たものに限定し
たわけではなく、上記本発明の化合物を含む天然物をす
べて使用できるのは明らかであり、例えば五加皮、桐
木、白果樹皮、ハッカ、細辛等をあげることができる。
【0020】また、合成により本発明化合物を得る方法
としては、以下のものが挙げられる。例えば、セサミ
ン、エピセサミンについては、Berozaらの方法
〔J.Am.Chem.Soc.78,1242(19
56)〕で合成することができる他、ビノレシノール
(一般式IにおいてR=R=H,R=R=CH
,n=m=l=0)は、Freundenbergら
の方法〔Chem.Ber.,86,1157(195
3)〕によってシリンガレシノール(一般式Iにおいて
=R=H,R=R=R=R=CH,n
=0,m=l=1)はFreundenbergらの方
法〔Chem.Ber.88,16(1955)〕によ
って合成することができる。
【0021】さらに、本発明化合物は、配糖体の形で使
用することもできる上、これらを単独で、または適宜組
み合わせて悪酔防止剤とすることもできる。本発明の悪
酔防止剤は、経口投与することができ、又は非経口投
与、例えば筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射等により
投与することもできる。投与量は、投与の目的、投与対
象者の状態等により異るが、経口投与の場合一般に1〜
100mg/日、非経口投与の場合は0.1〜20mg
/日である。
【0022】例えば、注射剤を調製する場合、医薬品用
の可溶化剤を、例えば、非イオン界面活性剤等を利用す
ることができる。さらに具体的には、本発明化合物を8
0倍容量のPOE(60)硬化ヒマシ油あるいは、PO
Eソルビタンモノオレート等の非イオン界面活性剤に加
熱溶解させ、生理食塩水で希釈することで調製すること
ができ、適宜等張化剤、安定剤、防腐剤、無痛化剤を加
えてもよい。さらに、必要に応じて乳液状製剤、カプセ
ル剤、散剤、顆粒剤、錠剤等を調製することができる。
【0023】本発明化合物は、従来の食品中より見出し
た化合物又はその類縁化合物であるので安全性の面から
も優れているのは明らかである。これはまた、7週令の
ICR雄性マウスに対し、セサミン2.14g/day
/kgを2週間連投(経口投与)したところ、何ら異常
な症状は認められなかったことからも明らかである。
【0024】一方、本発明における悪酔防止効果の評価
は、飲酒時の顔面紅潮と心悸亢進の状態を直接的にしか
も客観的に測定し、行われたものであり、顔面紅潮の指
標としてサーモグラフィーによる皮ふ表面温度の測定
を、心悸亢進の指標として心拍間隔の呼吸性変動解析の
技術を導入した。これらの評価指標は、悪酔症状の作用
機序がまだ完全に解明されていない現在、直接的で最も
客観的な指標であるといえる。
【0025】サーモグラフィーは人体から輻射される赤
外線を検出する装置で、表面皮膚温度分布の瞬時変化を
無侵襲的にとらえることが可能である。したがって今日
では、血管拡張薬の薬効判定(Bioncdical
Thermography,16(1),133〜13
5,1986)や乳癌の臨床診断時に積極的に応用され
ている。心拍間隔の呼吸性変動成分(RSA)による副
交感神経機能評価は、アクセルロッドらによって提唱さ
れ(Science 216(10),220〜22
2,1981)、今日では、糖尿病や各種自律神経疾患
の自律神経機能評価に応用されている(Diabeto
logia,18,471−478,1980、神経内
科、19,127〜132,1983)。
【0026】心悸亢進の指標には、一般的に、心拍数の
上昇が用いられるが心拍数は、交感・副交感神経の二重
支配をうけ、厳密な心機能評価は困難であるが心拍呼吸
性変動は純粋に副交感神機能を反映し、より鋭敏な評価
指標となるいえる。
【0027】本発明者らは、この2つの評価系を用いる
ことで無侵的に被験者に負担をかけることなく健常人
の悪酔防止効果を判定することに成功した。さらに、本
発明で用いた顔面紅潮度は、悪酔症状の原因の1つであ
ると考えられる血中アセトアルデヒド濃度の上昇とも相
関があることがられている。
【0028】溝井らは、飲酒時に顔面紅潮を呈す被験者
と呈さない被験者の血中アセトアルデヒド濃度を測定し
た結果、顔面紅潮を示す被験者では、ピーク時の血中ア
セトアルデヒド濃度が顔面紅潮を示さない被験者の5倍
程度高いことを報告している(Phamacology
Biochemistry & Behavior,
10,303〜311,1979)。次に、実施例によ
り、この発明をさらに具体的に説明する。
【0029】実施例1 胡麻油16.5kgに熱メタノール(60℃)94.5
lを加え激げしく混合し抽出した。室温で一晩静置し上
層のメタノールからロータリーエバポレーターで有機溶
媒を留去して、本発明化合物を主成分とする抽出物が4
24g得られた。この抽出物にアセトン3.2lを加え
溶かし、−80℃で一晩放置した。濾過により得た濾液
から有機溶媒を留去して、本発明化合物を主成分とする
抽出物が103g得られた。抽出物中の本発明化合物を
分析した結果、セサミン19.6%、エピセサミン3
0.6%、セサミノール及びエピセサミノール10.2
%で、抽出物中の本発明化合物の含量は60.4%であ
った。さらに、Δ−不飽和化酵素阻害剤(特願平1−
052950)記載の方法に従って精製し、セサミン及
びエピセサミン混合物(セサミン:55.2%、エピセ
サミン:44.4%:純度99.6%)42gを得た。
【0030】飲酒時に顔面紅潮を示す男性被験者9名
(25〜54才 平均38才)を用い、プラセボチョコ
レート(チョコレート:ココナッツバター=10:1)
6gもしくは、本発明混合物100mgを含有する被検
チョコレート(チョコレート:本発明混合物18.3%
を含むココナッツバター=10:1)6gをそれぞれ1
日1回、7日間連続投与した後の同一被験者における生
理評価試験の結果を比較した。
【0031】(i)生理評価試験 各被験者には、各サンプル7日間摂取後、翌日の同一時
間帯に生理評価試験を行なった。測定は電磁シールドル
ーム内で行ない、飲酒前の安静時のサーモグラフィー
(日本電気三栄社製 医用サーモトレーサー6T67)によ
る2分ごとの顔の表面温度の計測、同時に多用途ポリグ
ラフ(日本電気三栄社製 ポリグラフmodel363)による
10分間の心電図測定を行なった。
【0032】なお、生理計測中は、覚醒レベル低下防止
のためボタン押し作業を行わせた。安静時計測後、被験
者の飲酒レベルに応じてウィスキー(アルコール分43
%)をストレートで20〜 130ml(平均60ml)飲酒させ、
飲酒後の生理反応測定を安静時と同様な方法で60分間測
定した。
【0033】(ii)顔の表面温度の解析 サーモグラフィー(日本電気三栄社製 医用サーモトレ
ーサー6T67)により、赤外線カメラで計測された顔の表
面温度分の熱画像データは、各被験者ごとに4つのエ
リア(A:前額部、B:鼻部を含む顔面中央部、C:唇
部を含む顔面中央下部、D:顎部から首にかけての領
域)に分けてエリア内の平均皮膚温を算出した。
【0034】得られた平均皮膚温データを飲酒前安静時
を基準として、9人の被験者の飲酒後のDエリアにおけ
皮膚温上昇度を平均化し比較した結果は、第1図のと
おりである。第1図が示すように、本発明混合物を含む
サンプルを摂取した場合には、顔の表面温度の上昇が抑
制され、しかも有意差をもって回復促進が認められてい
ることが確認できた。
【0035】(iii) 心拍間隔の呼吸性変動の解析 心電図は、右足首を不感電極として頸部、左足首より導
出し生体アンプで増幅した後(日本電気三栄社製多用途
ポリグラフ model363)、得られた心電図波形データか
らR波を自動検出し、R−R間隔を算出した(日本電気
社製 PC-9801RA)。このR−R間隔の時系列データを等
間隔に再サンプリングし、高速フーリエ換法(FFT法)
を用いて周波数解析を行なった。得られた周波数分布の
パワースペクトルデータから呼吸性変動を含む0.15〜0.
50Hzのトータルパワー値を求め、この心拍間隔呼吸性変
動成分(RSA成分)を指標として飲酒後の変化を比較し
た。
【0036】安静時のRSA値を100として、9人の
被験者の平均RSA値の飲酒後の変化を比較した結果
は、第2図のとおりである。第2図に示すように、本発
明混合物投与群では、飲酒時の副交感神経機能の低下が
抑制され、RSA値が有意に低下抑制されていることが
確認できた。
【0037】実施例2 特許出願(特願昭63−53642)明細書の記載に従
って、精製胡麻油より調製したセサミノール(化合物
A)、粗精製胡麻油より調製したセサモリン(化合物
B)、又胡麻種子のアセトン抽出物より調製した2−
(3,4−メチレンジオキシフェニル)−6−(3−メ
トキシ−4−ヒドロキシフェニル)−3,7−ジオキサ
ビシクロ〔3.3.0〕オクタン(化合物C)、2,6
−ビス−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−
3,7−ジオキサビシクロ〔3.3.0〕オクタン(化
合物D)又は2−(3,4−メチレンジオキシフェニ
ル)−6−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェノキ
シ)−3,7−ジオキサビシクロ〔3.3.0〕オクタ
ン(化合物E)100mgを含有する、それぞれの被検
チョコレート(チョコレート:化合物A,B,C,D又
はE18.3%を含むココナッツバター=10:1)6
gもしくは、プラセボチョコレート(チョコレート:コ
コナッツバター=10:1)6gをそれぞれ1日1回、
7日間連続投与した後の同一被験者における生理評価試
験を実施例1と同様に行った。
【0038】サーモグラフィーによる顔の表面温度の測
定を行った結果、各化合物を摂取した場合には、飲酒に
よる顔の表面温度の上昇を実施例1と同様の傾向で抑制
され、しかも、有意差をもって回復促進が認められた。
9人の被験者の飲酒によるDエリアでの皮膚上昇度を
平均化した60分後の値は、プラセボ摂取時は0.46℃とな
り、化合物A,B,C,D及びEを摂取することによ
り、それぞれ0.32,0.37,0.38,0.40及び0.38℃に低下
した。
【0039】製剤例1 本発明化合物0.5gを無水ケイ酸20.5gと混合
し、これにトウモロコシデンプン79gを加え、更に混
合した。この化合物に10%ハイドロキシプロピルセル
ロース・エタノール溶液100mlを加え、常法通りね
つ和し、押し出し、乾燥して顆粒剤を得た。
【0040】製剤例2 本発明化合物7gを無水ケイ酸20gと混合し、これに
微結晶セルロース10g、ステアリン酸マグネシウム
3.0g、乳糖60gを加え混合し、この混合物を単発
式打錠機にて打錠して径7mm、重量100mgの錠剤
を製造した。
【0041】製剤例3 本発明化合物2.5gを非イオン界面活性剤であるT0
−10M(日光ケミカルズ)200gに122℃で加熱
溶解し、これに60℃に加温した滅菌生理食塩水4.7
975lを加えてよく撹拌し、これを無菌的にバイアル
に分配し、密封して注射剤を製造した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は飲酒後の顔面皮膚温変化量に対する胡麻
油抽出物の効果を示すグラフである。
【図2】図2は飲酒後の呼吸心拍変動変化量に対する胡
麻油抽出物の効果を示すグラフである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−222091(JP,A) 特開 平4−9331(JP,A) 特開 昭62−277325(JP,A) 特開 昭60−19713(JP,A) 特開 平2−124084(JP,A) 特開 平1−207232(JP,A) 特開 平1−287035(JP,A) 特開 平3−27319(JP,A) 特開 昭61−12624(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(I): 【化1】 (式中、R,R,R,R,R、及びRはそ
    れぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、あ
    るいはRとR、及び/又はRとRは一緒になっ
    てメチレン基もしくはエチレン基を表し、そしてn,
    m,lは0又は1を表す)で表わされるジオキサビシク
    ロ〔3.3.0〕オクタン誘導体を有効成分とする悪酔
    防止剤。
  2. 【請求項2】 前記ジオキサビシクロ〔3.3.0〕オ
    クタン誘導体がセサミン、セサミノール、エピセサミ
    ン、エピセサミノール、セサモリン、2−(3,4−メ
    チレンジオキシフェニル)−6−(3−メトキシ−4−
    ヒドロキシフェニル)−3,7−ジオキサビシクロ
    〔3.3.0〕オクタン、2,6−ビス−(3−メトキ
    シ−4−ヒドロキシフェニル)−3,7−ジオキサビシ
    クロ〔3.3.0〕オクタン、又は2−(3,4−メチ
    レンジオキシフェニル)−6−(3−メトキシ−4−ヒ
    ドロキシフェノキシ)−3,7−ジオキサビシクロ
    〔3.3.0〕オクタンであることを特徴とする請求項
    1記載の悪酔防止剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007037385A1 (ja) 2005-09-30 2007-04-05 Suntory Limited エピセサミン高含有組成物の製造方法及び装置
WO2007114013A1 (ja) 2006-03-31 2007-10-11 Suntory Limited リグナン類化合物含有組成物
WO2008044550A1 (fr) 2006-10-04 2008-04-17 Suntory Limited Émulsion de type huile/eau/huile contenant un composé de lignane, et composition la contenant

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