JP3123173B2 - 芳香族オキシカルボン酸と芳香族ジオールの交互カップリング体の製造方法 - Google Patents

芳香族オキシカルボン酸と芳香族ジオールの交互カップリング体の製造方法

Info

Publication number
JP3123173B2
JP3123173B2 JP03354143A JP35414391A JP3123173B2 JP 3123173 B2 JP3123173 B2 JP 3123173B2 JP 03354143 A JP03354143 A JP 03354143A JP 35414391 A JP35414391 A JP 35414391A JP 3123173 B2 JP3123173 B2 JP 3123173B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aromatic
acid
acetic anhydride
reaction
alternately coupled
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03354143A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05140045A (ja
Inventor
陽則 塩谷
裕章 山口
克孝 恩塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP03354143A priority Critical patent/JP3123173B2/ja
Publication of JPH05140045A publication Critical patent/JPH05140045A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3123173B2 publication Critical patent/JP3123173B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族エステル誘導体
の製造方法に関するものである。更に、詳しくは、芳香
族コポリエステルのモノマー成分として使用できる、芳
香族オキシカルボン酸化合物と芳香族ジオール化合物の
交互カップリング体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】芳香族オキシカルボン酸
化合物をモノマー成分として含む芳香族コポリエステル
を製造する方法としては、溶融重合法、界面重合法、溶
液重合法などがあるが、製造コスト、プロセスの簡便さ
などから、一般に溶融重合法が用いられている。溶融重
合法としては、(1)あらかじめ、−OH基をアシル化
した化合物を用いて重合する方法、(2)重合反応系中
で無水酢酸などのアシル化剤を添加する方法、(3)あ
らかじめ、−COOH基をアリールエステル化した−C
OOAr基を有するカルボキシレート化合物を用いて重
合する方法、などが知られている。これらのうち、
(2)の方法が、簡便であり経済的にも有利である。し
かしながら、芳香族オキシカルボン酸化合物は、重合反
応時に、自己縮合を起こしやすいため、得られる芳香族
コポリエステルがブロック構造を形成して、溶融加工性
が必ずしも満足されない場合がある。
【0003】この問題を改良するために、芳香族オキシ
カルボン酸化合物と芳香族ジオール化合物の交互カップ
リング体をあらかじめ合成した後に、ジカルボン酸と重
縮合させる方法が試みられている。例えば、p−ヒドロ
キシ安息香酸を無水酢酸でアセチル化し、チオニルクロ
リドを用いて対応の酸クロリド誘導体とし、さらにヒド
ロキノンと反応させた後、再度アセチル化して交互カッ
プリング体を合成する。そして、これらの交互カップリ
ング体とジカルボン酸と重縮合させて芳香族コポリエス
ルを合成する方法が知られている。(Eur.Poly
mer Journal 16,303(1980);
ibid.20,225(1984);Macromo
lecules 20,273(1987))。また、
これらの交互カップリング体とスベリン酸やセバシン酸
とのコポリマーも知られている。(特公平3−2909
6号公報)p−ヒドロキシ安息香酸とヒドロキノンを、
p−トルエンスルホン酸の存在下に反応させて4’−ヒ
ドロキシフェニル−4−ヒドロキシベンゾエートおよび
1,4−ビス(4’−ヒドロキシベンゾイルオキシ)ベ
ンゼンを合成する方法(Polym.Prepr.30
(2)462(1989) )、あるいはp−ヒドロキ
シ安息香酸とヒドロキノンをホウ酸/硫酸(DE362
211A1)の存在下に反応させて4’−ヒドロキシフ
ェニル−4−ヒドロキシベンゾエートを合成する方法が
知られている。しかし、これらの方法は、多段階の煩雑
な工程を経由する方法であり、改良が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な煩雑な工程を経ることなく、芳香族オキシカルボン酸
化合物と芳香族ジオール化合物の交互カップリング体
を、高収率で合成する方法を提供する。
【0005】
【問題点解決のための手段】本発明は、一般式 HO−
Ar−COOH で表される芳香族オキシカルボン酸
化合物と一般式 HO−Ar−OH で表される芳香
族ジオール化合物とを、無水酢酸を逐次的に添加しなが
ら反応させることを特徴とする、下記の一般式(I)お
よび(II)で表される交互カップリング体の製造方法
に関する。 CHCOO−Ar−OOC−Ar−OCOCH (I) CHCOO−Ar−COO−Ar−OOC−Ar−OCOCH(II ) (ただし、式中、Ar,Arは二価の芳香族基を示す。)
【0006】芳香族オキシカルボン酸化合物の具体例と
しては、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息
香酸、4−ヒドロキシ−4’−カルボキシジフェニル、
3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2−クロロ−4
−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−ヒドロ
キシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息
香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3
−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メチル−4−
ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シ安息香酸、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香
酸、3−メトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−
ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5−クロロ−2−
ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフト
エ酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフトエ酸、
6−ヒドロキシ−7−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒ
ドロキシ−4,7−ジクロロ−2−ナフトエ酸、1−ヒ
ドロキシ−4−ナフトエ酸などが挙げられる。
【0007】芳香族ジオール化合物としては、ヒドロキ
ノン、レゾルシン、ビスフェノール、ナフタレンジオー
ル類、およびこれらの芳香族環に置換基としてメチル
基、エチル基、イソプロピル基などのアルキル基、アリ
ール基、あるいはハロゲン基を有する化合物が用いられ
る。具体例としては、ヒドロキノン、メチルヒドロキノ
ン、t−ブチルヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、
クロロヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキ
ノン、2,3,5−トリメチルヒドロキノン、レゾルシ
ン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒド
ロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エーテル、4,4’−ジヒドロキシビフェニルな
どが挙げられる。
【0008】芳香族オキシカルボン酸化合物と芳香族ジ
オール化合物を無水酢酸の存在下で反応させるに際し
て、反応途中に無水酢酸を連続的または断続的に添加す
ることで、交互カップリング体を高収率で合成できる。
すなわち、芳香族オキシカルボン酸化合物と芳香族ジオ
ール化合物のフェノール性水酸基に対して、絶えず無水
酢酸が不足するような状態で反応させると、交互カップ
リング反応が進行しやすい。これに対して、過剰の無水
酢酸の存在下では、芳香族オキシカルボン酸化合物およ
び芳香族ジオール化合物のフェノール性水酸基の通常の
アセチル化が起こりやすく、それぞれ、芳香族アセトキ
シカルボン酸化合物および芳香族ジアセトキシ化合物が
生成し、交互カップリング体の収率が低下する。無水酢
酸の反応系への添加方法としては、反応の開始時から連
続的または断続的に添加してもよいが、反応開始時に出
発物質を溶解するだけの必要最小限の無水酢酸をあらか
じめ加えて均一溶液とした後に、さらに無水酢酸を、連
続的または断続的に添加することもできる。無水酢酸の
総使用量は、芳香族オキシカルボン酸化合物および芳香
族ジオール化合物のフェノール性水酸基の1当量あた
り、1〜1.15モル、特に1.02〜1.10モルが
好ましい。無水酢酸の総使用量が1モルより少ないとア
セチル化が十分に進行せず、また、1.15モルより大
きいと、カルボン酸から酸無水物が生成するなどの副反
応が起こり好ましくない。
【0009】反応は、常圧下あるいは加圧下のいずれで
も良い。反応温度は、100〜160℃が好ましく、特
に140〜150℃が好ましい。100℃以下では反応
が遅く、交互カップリング体の収率が低い。反応時間は
0.5〜10時間が好ましく、無水酢酸の添加終了後、
さらに、1〜5時間続行し、反応を完結させることが好
ましい。
【0010】反応終了後、窒素をフローしながら放冷
し、生成した酢酸及び未反応の無水酢酸を減圧下にて留
去して、反応生成物の白色粉末が得られる。この生成物
は、交互カップリング体である(I)および(II)を
含有し、特に精製することなく、ジカルボン酸との重縮
合に使用できる。
【0011】
【本発明の効果】本発明により、煩雑な工程を経ること
なく、芳香族オキシカルボン酸化合物と芳香族ジオール
化合物の交互カップリング体を、高収率で合成できる。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。 実施例1 攪拌機、滴下ロート、温度計、冷却管を備えたセパラブ
ルフラスコに、ヒドロキノン11.013g(0.10
mol)およビp−ヒドロキシ安息香酸13.816g
(0.10mol)を仕込み、よく混合した後、30分
間真空脱気した後、窒素置換した。滴下ロートに33.
71g(0.33mol)の無水酢酸を採取し、その2
0%を反応溶液に加えた。150℃まで加熱し、反応混
合物が均一溶液になった後に、残りの無水酢酸を5時間
10分かけて滴下した。滴下終了後、さらに、150℃
で1時間30分加熱した。反応終了後、減圧下で、生成
した酢酸及び未反応の無水酢酸を留去し、34.26g
の白色粉末を得た。別途合成の交互カップリング体を標
品として用いた液体クロマトグラフィー分析の結果、原
料のp−ヒドロキシ安息香酸に対する交互カップリング
体の収率は、50.6%[4’−アセトキシフェニル−
4−アセトキシベンゾエート(以下Iと略)が41.
1%、および1,4−ビス(4−アセトキシベンゾイル
オキシ)ベンゼン(以下IIと略)が9.5%]であ
った。残部はヒドロキノンジアセテートおよびp−アセ
トキシ安息香酸であった。
【0013】実施例2 実施例1において、無水酢酸の滴下時間を1時間にし、
さらに滴下終了後、4時間加熱した以外は、同様に処理
して34.46gの白色粉末を得た。p−ヒドロキシ安
息香酸に対する交互カップリング体の収率は、42.5
%[Iが34.6%、およびIIが7.9%]であ
った。
【0014】実施例3 実施例1において、ヒドロキノン16.518g(0.
15mol)、p−ヒドロキシ安息香酸13.816g
(0.10mol)および無水酢酸44.95g(0.
44mol)を用い、無水酢酸の滴下時間を5時間30
分にした以外は、同様に処理して43.57gの白色粉
末を得た。p−ヒドロキシ安息香酸に対する交互カップ
リング体の収率は、50.0%[Iが42.7%、お
よびIIが7.3%]であった。
【0015】比較例1 実施例1において、無水酢酸の全量を始めから反応系に
加え8時間加熱した以外は、同様に処理して36.27
gの白色粉末を得た。p−ヒドロキシ安息香酸に対する
交互カップリング体の収率は、13.0%[Iが1
1.8%、およびIIが1.2%]であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 67/08 C07C 69/86 C07C 69/84

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 HO−Ar−COOH で表さ
    れる芳香族オキシカルボン酸化合物と一般式 HO−A
    −OH で表される芳香族ジオール化合物とを、無
    水酢酸を逐次的に添加しながら反応させることを特徴と
    する、下記の一般式(I)および(II)で表される交
    互カップリング体の製造方法。 CHCOO−Ar−OOC−Ar−OCOCH (I ) CHCOO−Ar−COO−Ar−OOC−Ar−OCOCH(I I) (ただし、式中、Ar,Arは二価の芳香族基を示す。)
JP03354143A 1991-11-19 1991-11-19 芳香族オキシカルボン酸と芳香族ジオールの交互カップリング体の製造方法 Expired - Fee Related JP3123173B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03354143A JP3123173B2 (ja) 1991-11-19 1991-11-19 芳香族オキシカルボン酸と芳香族ジオールの交互カップリング体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03354143A JP3123173B2 (ja) 1991-11-19 1991-11-19 芳香族オキシカルボン酸と芳香族ジオールの交互カップリング体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05140045A JPH05140045A (ja) 1993-06-08
JP3123173B2 true JP3123173B2 (ja) 2001-01-09

Family

ID=18435580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03354143A Expired - Fee Related JP3123173B2 (ja) 1991-11-19 1991-11-19 芳香族オキシカルボン酸と芳香族ジオールの交互カップリング体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3123173B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE60215061T2 (de) * 2001-01-23 2007-05-03 Southwest Research Institute, San Antonio Verfahren zur synthese von flüssigkristallen
JPWO2014175136A1 (ja) * 2013-04-23 2017-02-23 コニカミノルタ株式会社 光学フィルム、円偏光板及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05140045A (ja) 1993-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6114492A (en) Process for producing liquid crystal polymer
US5616680A (en) Process for producing liquid crystal polymer
US5138021A (en) Thermotropic aromatic copolyesters comprising recurring structural units derived from para-(para-hydroxyphenoxy)benzoic acid or derivative thereof
EP0286444A2 (en) Process for producing a liquid crystalline polyester of a cyclohexanedicarboxylic acid and an aromatic diol
EP0071447A1 (en) Polyester of 6-hydroxy-4-naphthoic acid, 4-hydroxy benzoic acid, 1-4-cyclohexanedicarboxylic acid, and aromatic diol capable of readily undergoing melt processing to form articles possessing high impact properties
EP0324608A2 (en) Thermotropic liquid crystalline aromatic polyesters
JPH02196819A (ja) 全芳香族ポリエステル
Higashi et al. Direct polycondensation of hydroxybenzoic acids with thionyl chloride in pyridine
JP3123173B2 (ja) 芳香族オキシカルボン酸と芳香族ジオールの交互カップリング体の製造方法
JPH0759629B2 (ja) 全芳香族ポリエステルの製造法
JPH0517926B2 (ja)
US4782132A (en) Process for producing a copolyester
JP3471504B2 (ja) 液晶ポリマーを製造するための方法
JPH05287061A (ja) 液晶ポリマー組成物
JPH06293707A (ja) ジ安息香酸ヒドロキシエチル
JP3077850B2 (ja) 芳香族コポリエステルの製造法
KR920011023B1 (ko) 신규한 방향족 폴리에스테르 화합물
JP3326263B2 (ja) 液晶性ポリエステル
JP3077854B2 (ja) 芳香族コポリエステル
JP2876233B2 (ja) ニトロ基を有するシクロヘキサンポリマー
JP3267029B2 (ja) 芳香族コポリエステル
JP3077833B2 (ja) 芳香族コポリエステル
JPH07107094B2 (ja) 共重合ポリエステルの製造法
JPH0790067A (ja) 液晶性ポリエステルの製造方法
JP2828182B2 (ja) 芳香族コポリエステルの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees