JP3077850B2 - 芳香族コポリエステルの製造法 - Google Patents
芳香族コポリエステルの製造法Info
- Publication number
- JP3077850B2 JP3077850B2 JP04038869A JP3886992A JP3077850B2 JP 3077850 B2 JP3077850 B2 JP 3077850B2 JP 04038869 A JP04038869 A JP 04038869A JP 3886992 A JP3886992 A JP 3886992A JP 3077850 B2 JP3077850 B2 JP 3077850B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- aromatic
- reaction
- compound
- acetic anhydride
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的低い温度で溶融
加工が可能なサーモトロピック芳香族コポリエステルの
製造法に関するものである。
加工が可能なサーモトロピック芳香族コポリエステルの
製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】近年、種々のエンジニア
リングプラスチックスが開発されている。特に光学異方
性を有する液晶コポリマーが注目されている。Adva
nces in Polymer Science 6
0/61 61頁 1984年には、P−ヒドロキシ安
息香酸ホモポリマー、テレフタル酸とヒドロキノンとの
コポリマーが記載されているが、これらのポリマーは、
融点がそれぞれ610℃、596℃と高いためポリマー
の分解を伴わずに溶融加工することが困難である。特公
昭47−47870号公報には、P−ヒドロキシ安息香
酸、テレフタル酸およびヒドロキノンとの共重合体が開
示されているが、この重合体は500℃以上の高い融点
を有し、溶融加工がきわめて困難である。
リングプラスチックスが開発されている。特に光学異方
性を有する液晶コポリマーが注目されている。Adva
nces in Polymer Science 6
0/61 61頁 1984年には、P−ヒドロキシ安
息香酸ホモポリマー、テレフタル酸とヒドロキノンとの
コポリマーが記載されているが、これらのポリマーは、
融点がそれぞれ610℃、596℃と高いためポリマー
の分解を伴わずに溶融加工することが困難である。特公
昭47−47870号公報には、P−ヒドロキシ安息香
酸、テレフタル酸およびヒドロキノンとの共重合体が開
示されているが、この重合体は500℃以上の高い融点
を有し、溶融加工がきわめて困難である。
【0003】液晶コポリエステルの融点を下げて溶融加
工性を改善する方法について各種の提案がされており
(Brit.Polymer Journal 132
頁 1980年)、特に、特開昭64−66231号公
報には、コモノマー成分として、2,2’−ジメチルビ
フェニル−4,4’−ジカルボン酸を使用する方法が開
示されており、Makromolecules 20巻
2374頁 1987年には、コモノマー成分とし
て、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−ビフェニ
ル−4,4’−ジカルボン酸を使用することが記載され
ている。しかし、2,2’−ジ置換ビフェニル−4,
4’−ジカルボン酸類は、フェニル環の共平面性が妨害
され、従って、ポリマーの結晶性が減少する。一般に結
晶性の小さいポリマーは満足する機械的強度を有してい
ない等の欠点が指摘されている。
工性を改善する方法について各種の提案がされており
(Brit.Polymer Journal 132
頁 1980年)、特に、特開昭64−66231号公
報には、コモノマー成分として、2,2’−ジメチルビ
フェニル−4,4’−ジカルボン酸を使用する方法が開
示されており、Makromolecules 20巻
2374頁 1987年には、コモノマー成分とし
て、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−ビフェニ
ル−4,4’−ジカルボン酸を使用することが記載され
ている。しかし、2,2’−ジ置換ビフェニル−4,
4’−ジカルボン酸類は、フェニル環の共平面性が妨害
され、従って、ポリマーの結晶性が減少する。一般に結
晶性の小さいポリマーは満足する機械的強度を有してい
ない等の欠点が指摘されている。
【0004】本出願人は、3,3’−ジメチルビフェニ
ル−4,4’−ジカルボン酸および3,4’−ジメチル
ビフェニル−4,3’−ジカルボン酸をコモノマー成分
に用いた比較的低温で溶融加工が可能な芳香族コポリエ
ステルを特願平2−110151号公報及び同2−19
3943号公報として提案した。提案された芳香族コポ
リエステルは、結晶性が過度に損なわれることなく、か
つ溶融成形可能な融点を有している。
ル−4,4’−ジカルボン酸および3,4’−ジメチル
ビフェニル−4,3’−ジカルボン酸をコモノマー成分
に用いた比較的低温で溶融加工が可能な芳香族コポリエ
ステルを特願平2−110151号公報及び同2−19
3943号公報として提案した。提案された芳香族コポ
リエステルは、結晶性が過度に損なわれることなく、か
つ溶融成形可能な融点を有している。
【0005】
【発明の目的】ポリマー中にモノマー成分がランダムに
導入され、耐熱性の良好な、機械的強度の優れた芳香族
コポリエステルを得ることを目的とする。
導入され、耐熱性の良好な、機械的強度の優れた芳香族
コポリエステルを得ることを目的とする。
【0006】
【問題点解決のための技術的手段】本発明は、一般式
HO−Ar1−COOH で表される芳香族オキシカル
ボン酸化合物(A)と一般式 HO−Ar2−OH で
表される芳香族ジヒドロキシ化合物(E)とを、無水酢
酸を逐次的に添加しながら予備縮合させて、交互カップ
リング体を合成した後、引き続き150〜260℃で反
応させた後、下式B、C、Dで表される芳香族ジカルボ
ン酸化合物を添加して、
HO−Ar1−COOH で表される芳香族オキシカル
ボン酸化合物(A)と一般式 HO−Ar2−OH で
表される芳香族ジヒドロキシ化合物(E)とを、無水酢
酸を逐次的に添加しながら予備縮合させて、交互カップ
リング体を合成した後、引き続き150〜260℃で反
応させた後、下式B、C、Dで表される芳香族ジカルボ
ン酸化合物を添加して、
【化1】 200〜350℃の範囲の温度で重縮合させること、お
よび、各化合物のモル比を、A/(A+B+C+D)=
1/100〜85/100、(B+C)/(B+C+
D)=5/100〜1、かつE/(B+C+D)=1〜
1.1とすることを、特徴とする芳香族コポリエステル
の製造法(但し、Ar1およびAr2は芳香環を示す)
を提供する。
よび、各化合物のモル比を、A/(A+B+C+D)=
1/100〜85/100、(B+C)/(B+C+
D)=5/100〜1、かつE/(B+C+D)=1〜
1.1とすることを、特徴とする芳香族コポリエステル
の製造法(但し、Ar1およびAr2は芳香環を示す)
を提供する。
【0007】芳香族オキシカルボン酸化合物(A)の具
体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキ
シ安息香酸、4−ヒドロキシ−4’−カルボキシジフェ
ニル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2−クロ
ロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−
ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シ安息香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香
酸、3−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メチル
−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシ安息香酸、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシ
安息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、
3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5−クロ
ロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2
−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフ
トエ酸、6−ヒドロキシ−7−クロロ−2−ナフトエ
酸、6−ヒドロキシ−4,7−ジクロロ−2−ナフトエ
酸、1−ヒドロキシ−4−ナフトエ酸などが挙げられ
る。
体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキ
シ安息香酸、4−ヒドロキシ−4’−カルボキシジフェ
ニル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2−クロ
ロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−
ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シ安息香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香
酸、3−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メチル
−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシ安息香酸、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシ
安息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、
3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5−クロ
ロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2
−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフ
トエ酸、6−ヒドロキシ−7−クロロ−2−ナフトエ
酸、6−ヒドロキシ−4,7−ジクロロ−2−ナフトエ
酸、1−ヒドロキシ−4−ナフトエ酸などが挙げられ
る。
【0008】芳香族ジヒドロキシ化合物(E)の具体例
としては、ヒドロキノン類、レゾルシン類、ビスフェノ
ール類、ナフタレンジオール類、およびこれらの芳香族
環に置換基としてメチル基、エチル基、イソプロピル基
などのアルキル基、アリール基、あるいはハロゲン基を
有する化合物が用いられる。具体例としては、ヒドロキ
ノン、メチルヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、
フェニルヒドロキノン、クロロヒドロキノン、2,5−
ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,3,5−トリメチル
ヒドロキノン、レゾルシン、1,5−ジヒドロキシナフ
タレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、4,4’−ジ
ヒドロキシビフェニルなどが挙げられる。
としては、ヒドロキノン類、レゾルシン類、ビスフェノ
ール類、ナフタレンジオール類、およびこれらの芳香族
環に置換基としてメチル基、エチル基、イソプロピル基
などのアルキル基、アリール基、あるいはハロゲン基を
有する化合物が用いられる。具体例としては、ヒドロキ
ノン、メチルヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、
フェニルヒドロキノン、クロロヒドロキノン、2,5−
ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,3,5−トリメチル
ヒドロキノン、レゾルシン、1,5−ジヒドロキシナフ
タレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、4,4’−ジ
ヒドロキシビフェニルなどが挙げられる。
【0009】芳香族オキシカルボン酸化合物と芳香族ジ
ヒドロキシ化合物を無水酢酸の存在下で反応させるに際
して、反応途中に無水酢酸を連続的または断続的に添加
することで、交互カップリング体を高収率で合成でき
る。すなわち、芳香族オキシカルボン酸化合物と芳香族
ジヒドロキシ化合物のフェノール性水酸基に対して、絶
えず無水酢酸が不足するような状態で反応させると、交
互カップリング反応が進行しやすい。これに対して、過
剰の無水酢酸の存在下では、芳香族オキシカルボン酸化
合物および芳香族ジヒドロキシ化合物のフェノール性水
酸基の通常のアセチル化が起こりやすく、それぞれ、芳
香族アセトキシカルボン酸化合物および芳香族ジアセト
キシ化合物が生成し、交互カップリング体の収率が低下
する。
ヒドロキシ化合物を無水酢酸の存在下で反応させるに際
して、反応途中に無水酢酸を連続的または断続的に添加
することで、交互カップリング体を高収率で合成でき
る。すなわち、芳香族オキシカルボン酸化合物と芳香族
ジヒドロキシ化合物のフェノール性水酸基に対して、絶
えず無水酢酸が不足するような状態で反応させると、交
互カップリング反応が進行しやすい。これに対して、過
剰の無水酢酸の存在下では、芳香族オキシカルボン酸化
合物および芳香族ジヒドロキシ化合物のフェノール性水
酸基の通常のアセチル化が起こりやすく、それぞれ、芳
香族アセトキシカルボン酸化合物および芳香族ジアセト
キシ化合物が生成し、交互カップリング体の収率が低下
する。
【0010】無水酢酸の反応系への添加方法としては、
反応の開始時から連続的または断続的に添加してもよい
が、反応開始時に出発物質を溶解するだけの必要最小限
の無水酢酸をあらかじめ加えて均一溶液とした後に、さ
らに無水酢酸を、連続的または断続的に添加することも
できる。
反応の開始時から連続的または断続的に添加してもよい
が、反応開始時に出発物質を溶解するだけの必要最小限
の無水酢酸をあらかじめ加えて均一溶液とした後に、さ
らに無水酢酸を、連続的または断続的に添加することも
できる。
【0011】無水酢酸の総使用量は、芳香族オキシカル
ボン酸化合物およひ芳香族ジヒドロキシ化合物のフェノ
ール性水酸基の1当量あたり、1〜1.15モル、特に
1.02〜1.10モルが好ましい。無水酢酸の総使用
量が1モルより少ないとアセチル化が十分に進行せず、
また、1.15モルより大きいと、カルボン酸から酸無
水物が生成するなどの副反応が起こり好ましくない。
ボン酸化合物およひ芳香族ジヒドロキシ化合物のフェノ
ール性水酸基の1当量あたり、1〜1.15モル、特に
1.02〜1.10モルが好ましい。無水酢酸の総使用
量が1モルより少ないとアセチル化が十分に進行せず、
また、1.15モルより大きいと、カルボン酸から酸無
水物が生成するなどの副反応が起こり好ましくない。
【0012】反応は、常圧下あるいは加圧下のいずれで
も良い。反応温度は、100〜160℃が好ましく、特
に140〜150℃が好ましい。100℃以下では反応
が遅く、交互カップリング体の収率が低い。反応時間は
0.5〜10時間が好ましく、無水酢酸の添加終了後、
さらに、1〜5時間続行し、反応を完結させることが好
ましい。
も良い。反応温度は、100〜160℃が好ましく、特
に140〜150℃が好ましい。100℃以下では反応
が遅く、交互カップリング体の収率が低い。反応時間は
0.5〜10時間が好ましく、無水酢酸の添加終了後、
さらに、1〜5時間続行し、反応を完結させることが好
ましい。
【0013】この予備縮合に引続いて、150〜260
℃で反応させた後、B、C、Dを添加して、重縮合を行
う。重縮合は200〜350℃、好ましくは230〜3
30℃で行い、1〜10時間かけて段階的に昇温させて
生成する酸を除去し、減圧(約0.5torr)にし
て、反応を完結させる。本発明で製造する共重合ポリエ
ステルは、上記の式A,B,C,DおよびEから誘導さ
れる反復単位から構成される。
℃で反応させた後、B、C、Dを添加して、重縮合を行
う。重縮合は200〜350℃、好ましくは230〜3
30℃で行い、1〜10時間かけて段階的に昇温させて
生成する酸を除去し、減圧(約0.5torr)にし
て、反応を完結させる。本発明で製造する共重合ポリエ
ステルは、上記の式A,B,C,DおよびEから誘導さ
れる反復単位から構成される。
【0014】本発明の芳香族コポリエステルにおいて、
A/(A+B+C+D)のモル比は、1/100〜85
/100,好ましくは1/100〜78/100、特に
好ましくは1/100〜70/100である。この比が
85/100を超えると芳香族コポリエステルの溶融温
度が高くなり、成形加工が困難である。
A/(A+B+C+D)のモル比は、1/100〜85
/100,好ましくは1/100〜78/100、特に
好ましくは1/100〜70/100である。この比が
85/100を超えると芳香族コポリエステルの溶融温
度が高くなり、成形加工が困難である。
【0015】(B+C)/(B+C+D)のモル比は、
5/100〜1、好ましくは8/100〜1である。こ
の比が5/100未満であると、前記と同様に芳香族コ
ポリエステルの溶融温度が高くなり、成形加工が困難で
ある。
5/100〜1、好ましくは8/100〜1である。こ
の比が5/100未満であると、前記と同様に芳香族コ
ポリエステルの溶融温度が高くなり、成形加工が困難で
ある。
【0016】E/(B+C+D)のモル比は、1〜1.
1である。このモル比が1未満であると、重縮合反応速
度が遅く、高重合度のコポリエステルが得られない。
1.1以上の場合には、高重合度のポリマーが得られる
が、生成する酸を加熱減圧下に系外に除去する際に、未
反応モノマー類も同時に昇華し、排気管に目詰まりが生
じやすくなるため好ましくない。
1である。このモル比が1未満であると、重縮合反応速
度が遅く、高重合度のコポリエステルが得られない。
1.1以上の場合には、高重合度のポリマーが得られる
が、生成する酸を加熱減圧下に系外に除去する際に、未
反応モノマー類も同時に昇華し、排気管に目詰まりが生
じやすくなるため好ましくない。
【0017】前記の式B、CおよびD以外に、他のエス
テル結合を形成できる僅かな量のモノマーによって式
B、CおよびDが置換されていてもよい。他のエステル
結合を形成できるモノマーの具体例としては、イソフタ
ル酸、ナフタリン−1,5−ジカルボン酸、ジフェニル
エーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホ
ン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルケトン−4,
4’−ジカルボン酸、2,2’−ジフェニルプロパン−
4,4’−ジカルボン酸などのジカルボン酸化合物を挙
げることができる。これらのモノマーの、(A+B+C
+D+E)に対する置換割合は、芳香族コポリエステル
の溶融点を比較的に低くするために、10モル%以下で
あることが好ましい。
テル結合を形成できる僅かな量のモノマーによって式
B、CおよびDが置換されていてもよい。他のエステル
結合を形成できるモノマーの具体例としては、イソフタ
ル酸、ナフタリン−1,5−ジカルボン酸、ジフェニル
エーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホ
ン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルケトン−4,
4’−ジカルボン酸、2,2’−ジフェニルプロパン−
4,4’−ジカルボン酸などのジカルボン酸化合物を挙
げることができる。これらのモノマーの、(A+B+C
+D+E)に対する置換割合は、芳香族コポリエステル
の溶融点を比較的に低くするために、10モル%以下で
あることが好ましい。
【0018】予備縮合および重縮合反応は、触媒の存在
下または不存在下に行うことができる。触媒の具体例と
しては、酢酸第一スズ、酢酸第一鉄、酢酸ナトリウム、
三酸化アンチモン、マグネシウム、アセチルアセトン鉄
(III)、チタンテトラブトキシドなどの、金属、金
属化合物を挙げることできるが、これらに限定されるも
のではない。添加量は、生成ポリマー重量に対し、0.
001〜0.5%である。添加時期は予備縮合反応開始
時でも、重縮合開始時でもよい。
下または不存在下に行うことができる。触媒の具体例と
しては、酢酸第一スズ、酢酸第一鉄、酢酸ナトリウム、
三酸化アンチモン、マグネシウム、アセチルアセトン鉄
(III)、チタンテトラブトキシドなどの、金属、金
属化合物を挙げることできるが、これらに限定されるも
のではない。添加量は、生成ポリマー重量に対し、0.
001〜0.5%である。添加時期は予備縮合反応開始
時でも、重縮合開始時でもよい。
【0019】重合中の熱劣化による着色防止および生成
ポリマーの熱安定性向上の目的で、安定剤の存在下で予
備縮合および重縮合反応を行うことができる。安定剤の
具体例として、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸ナトリウ
ム、リン酸トリフェニル、亜リン酸トリフェニルなどの
リン系化合物を挙げることができるが、これらに限定さ
れるものではない。添加量は生成ポリマー重量に対し、
0.001〜1%である。添加時期は予備縮合反応開始
時でも、重縮合開始時でもよい。
ポリマーの熱安定性向上の目的で、安定剤の存在下で予
備縮合および重縮合反応を行うことができる。安定剤の
具体例として、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸ナトリウ
ム、リン酸トリフェニル、亜リン酸トリフェニルなどの
リン系化合物を挙げることができるが、これらに限定さ
れるものではない。添加量は生成ポリマー重量に対し、
0.001〜1%である。添加時期は予備縮合反応開始
時でも、重縮合開始時でもよい。
【0020】本発明によって、製造された芳香族コポリ
エステルは、6O℃のペンタフルオロフェノール中、
0.2g/dlの濃度で、対数粘度(ηinh)1.0
以上を有し、偏光顕微鏡観察において、溶融状態で光学
的異方性(液晶性)を示す。本発明により製造された全
芳香族コポリエステルは、比較的低い温度、例えば40
0℃以下の温度で溶融状態を形成し、通常知られた各種
の成形加工法によって、バルク成形品、フィルム、繊維
などにすることができる。また、ペンタフルオロフェノ
ール、p−クロロフェノールなどの有機極性溶媒に溶解
するので、溶解加工法によって成形品を得ることが可能
である。これらの成形品は、電気、電子、自動車材料な
どに幅広く使用できる。顕著な特性として、溶融状態に
おいて液晶性を有するため、高度に分子配向した成形品
にすることができ、従って、機械強度に優れた高分子材
料を製造することができる。
エステルは、6O℃のペンタフルオロフェノール中、
0.2g/dlの濃度で、対数粘度(ηinh)1.0
以上を有し、偏光顕微鏡観察において、溶融状態で光学
的異方性(液晶性)を示す。本発明により製造された全
芳香族コポリエステルは、比較的低い温度、例えば40
0℃以下の温度で溶融状態を形成し、通常知られた各種
の成形加工法によって、バルク成形品、フィルム、繊維
などにすることができる。また、ペンタフルオロフェノ
ール、p−クロロフェノールなどの有機極性溶媒に溶解
するので、溶解加工法によって成形品を得ることが可能
である。これらの成形品は、電気、電子、自動車材料な
どに幅広く使用できる。顕著な特性として、溶融状態に
おいて液晶性を有するため、高度に分子配向した成形品
にすることができ、従って、機械強度に優れた高分子材
料を製造することができる。
【0021】
【発明の効果】本発明の製造方法により、パラオキシベ
ンゾイル単位のホモブロックが大幅に減少し、均質度が
改良されるとともに優れた耐熱性を有する全芳香族コポ
リエステルを得ることができる。
ンゾイル単位のホモブロックが大幅に減少し、均質度が
改良されるとともに優れた耐熱性を有する全芳香族コポ
リエステルを得ることができる。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。 (測定方法)本発明における実施例で示されている各物
性値は、以下の方法で測定した。 (1)光学異方性;偏光顕微鏡に試料をのせ、リンカム
社製TH600RMS型加熱装置を用いて、窒素気流下
に10℃/分で昇温して肉眼観察した。 (2)熱分解開始温度;セイコー電子工業社製SSC/
5200 TGA装置を用い、試料を窒素中、10℃/
分で昇温し、重量の経時変化を観測した。 (3)融点;セイコー電子工業社製SSC/5200
DSC装置を用い、試料を窒素中、20℃/分で昇温
し、吸熱ピークを観測した。
性値は、以下の方法で測定した。 (1)光学異方性;偏光顕微鏡に試料をのせ、リンカム
社製TH600RMS型加熱装置を用いて、窒素気流下
に10℃/分で昇温して肉眼観察した。 (2)熱分解開始温度;セイコー電子工業社製SSC/
5200 TGA装置を用い、試料を窒素中、10℃/
分で昇温し、重量の経時変化を観測した。 (3)融点;セイコー電子工業社製SSC/5200
DSC装置を用い、試料を窒素中、20℃/分で昇温
し、吸熱ピークを観測した。
【0023】(4)対数粘度;60℃にてペンタフルオ
ロフェノール中、0.2g/dlの濃度で試料を溶解
し、ウベローデ型粘度計を用いて測定した。η
inhは、次式に従って計算した。 ηinh=ln(t/t0)/c ただし、t0はペン
タフルオロフェノールの落下時間、tは試料溶液の落下
時間、cは試料の濃度。 (5)溶融粘度 レオメトリック社製のダイナミックスペクトロメータR
DS(II)を用いてコーンプレートにて測定した。周
波数1.0Hz(6.28RAD/SEC)、窒素雰囲
気下、300℃におけるポリマー粘度を得た。
ロフェノール中、0.2g/dlの濃度で試料を溶解
し、ウベローデ型粘度計を用いて測定した。η
inhは、次式に従って計算した。 ηinh=ln(t/t0)/c ただし、t0はペン
タフルオロフェノールの落下時間、tは試料溶液の落下
時間、cは試料の濃度。 (5)溶融粘度 レオメトリック社製のダイナミックスペクトロメータR
DS(II)を用いてコーンプレートにて測定した。周
波数1.0Hz(6.28RAD/SEC)、窒素雰囲
気下、300℃におけるポリマー粘度を得た。
【0024】実施例1 攪拌機、滴下ロート、温度計、冷却管を備えたセパラブ
ルフラスコに、ヒドロキノン 396.43g(3.6
モル)、p−ヒドロキシ安息香酸331.51g(2.
4モル)を仕込み、よく混合した。30分間、真空脱気
した後、窒素置換した。滴下ロートに1029.07g
(10.08モル)の無水酢酸を採取し、その20%を
反応系に加えた。150℃まで加熱し、反応混合物が均
一溶液になった後に、残りの無水酢酸を4時間かけて滴
下した。滴下終了後、さらに、150℃で1.5時間加
熱した。液体クロマトの分析により、原料のp−ヒドロ
キシ安息香酸に対する交互カップリング体の収率は、5
0.6%{4’−アセトキシフェニル−4−アセトキシ
ベンゾエーが41.1%、および1,4−ビス(4−ア
セトキシベンゾイルオキシ)ベンゼンが9.5%}であ
った。残りはヒドロキノンジアセテートおよびp−アセ
トキシ安息香酸であった。上記の反応液全量を、5L
SUS316L製重合槽へ移し、100℃加熱下、20
torrの減圧度で、反応液中の酢酸及び過剰の無水酢
酸を除去した後、窒素を導入しながら常圧に戻した。窒
素を流通しながら昇温し、最終的に240℃で1時間、
攪拌し生成する酢酸(理論量の96%)を系外に除去し
た。
ルフラスコに、ヒドロキノン 396.43g(3.6
モル)、p−ヒドロキシ安息香酸331.51g(2.
4モル)を仕込み、よく混合した。30分間、真空脱気
した後、窒素置換した。滴下ロートに1029.07g
(10.08モル)の無水酢酸を採取し、その20%を
反応系に加えた。150℃まで加熱し、反応混合物が均
一溶液になった後に、残りの無水酢酸を4時間かけて滴
下した。滴下終了後、さらに、150℃で1.5時間加
熱した。液体クロマトの分析により、原料のp−ヒドロ
キシ安息香酸に対する交互カップリング体の収率は、5
0.6%{4’−アセトキシフェニル−4−アセトキシ
ベンゾエーが41.1%、および1,4−ビス(4−ア
セトキシベンゾイルオキシ)ベンゼンが9.5%}であ
った。残りはヒドロキノンジアセテートおよびp−アセ
トキシ安息香酸であった。上記の反応液全量を、5L
SUS316L製重合槽へ移し、100℃加熱下、20
torrの減圧度で、反応液中の酢酸及び過剰の無水酢
酸を除去した後、窒素を導入しながら常圧に戻した。窒
素を流通しながら昇温し、最終的に240℃で1時間、
攪拌し生成する酢酸(理論量の96%)を系外に除去し
た。
【0025】窒素雰囲気下、一旦100℃程度まで放冷
した後、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジ
カルボン酸324.36g(1.2モル)、3,4’−
ジメチルビフェニル−4,3’−ジカルボン酸270.
30g(1.0モル)、テレフタル酸239.24g
(1.44モル)、およびリン酸トリフェニル2.00
gを添加した。真空ポンプで脱気し、窒素置換を3回繰
り返した。その後、240℃で1時間加熱し、3時間か
けて310℃に昇温し、理論量の酢酸を留去した。31
0℃で1時間反応させた後、徐々に減圧にし、0.1t
orrで1時間20分反応させた。その後、窒素を導入
して、常圧に戻し、重合槽の底部の栓を抜いて、ポリマ
ーを抜き出した。ポリマーの収量、液晶開始温度、融
点、熱分解開始温度、対数粘度、および溶融粘度を表1
に示した。
した後、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジ
カルボン酸324.36g(1.2モル)、3,4’−
ジメチルビフェニル−4,3’−ジカルボン酸270.
30g(1.0モル)、テレフタル酸239.24g
(1.44モル)、およびリン酸トリフェニル2.00
gを添加した。真空ポンプで脱気し、窒素置換を3回繰
り返した。その後、240℃で1時間加熱し、3時間か
けて310℃に昇温し、理論量の酢酸を留去した。31
0℃で1時間反応させた後、徐々に減圧にし、0.1t
orrで1時間20分反応させた。その後、窒素を導入
して、常圧に戻し、重合槽の底部の栓を抜いて、ポリマ
ーを抜き出した。ポリマーの収量、液晶開始温度、融
点、熱分解開始温度、対数粘度、および溶融粘度を表1
に示した。
【0026】比較例1 5Lの重合槽に、ヒドロキノン396.43g(3.6
モル)、p−ヒドロキシ安息香酸331.51g(2.
4モル)、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−
ジカルボン酸324.36g(1.2モル)、3,4’
−ジメチルビフェニル−4,3’−ジカルボン酸27
0.30g(1.0モル)、テレフタル酸239.24
g(1.44モル)、無水酢酸1029.07g(1
0.08モル)を仕込み、145℃で4時間攪拌した。
次いで、100℃まで放冷後、減圧にして、生成した酢
酸及び過剰の無水酢酸を留去させた。その後、リン酸ト
リフェニル2.00gを添加し、真空脱気、窒素置換を
3回繰り返した後、240℃で1時間加熱し、3時間か
けて310℃に昇温し、酢酸を留去した。310℃で1
時間反応させた後、徐々に減圧にし、0.1torrで
1時間20分反応させた。その後、窒素を導入して、常
圧に戻し、重合槽の底部の栓を抜いて、ポリマーを抜き
出した。ポリマーの収量、液晶開始温度、融点、熱分解
開始温度、対数粘度、および溶融粘度を表1に示した。
モル)、p−ヒドロキシ安息香酸331.51g(2.
4モル)、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−
ジカルボン酸324.36g(1.2モル)、3,4’
−ジメチルビフェニル−4,3’−ジカルボン酸27
0.30g(1.0モル)、テレフタル酸239.24
g(1.44モル)、無水酢酸1029.07g(1
0.08モル)を仕込み、145℃で4時間攪拌した。
次いで、100℃まで放冷後、減圧にして、生成した酢
酸及び過剰の無水酢酸を留去させた。その後、リン酸ト
リフェニル2.00gを添加し、真空脱気、窒素置換を
3回繰り返した後、240℃で1時間加熱し、3時間か
けて310℃に昇温し、酢酸を留去した。310℃で1
時間反応させた後、徐々に減圧にし、0.1torrで
1時間20分反応させた。その後、窒素を導入して、常
圧に戻し、重合槽の底部の栓を抜いて、ポリマーを抜き
出した。ポリマーの収量、液晶開始温度、融点、熱分解
開始温度、対数粘度、および溶融粘度を表1に示した。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/60 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】一般式 HO−Ar1−COOH で表さ
れる芳香族オキシカルボン酸化合物(A)と一般式 H
O−Ar2−OH で表される芳香族ジヒドロキシ化合
物(E)とを、無水酢酸を逐次的に添加しながら予備縮
合させて、交互カップリング体を合成した後、引き続き
150〜260℃で反応させた後、下式B、C、Dで表
される芳香族ジカルボン酸化合物を添加して、 【化1】 200〜350℃の範囲の温度で重縮合させること、お
よび、各化合物のモル比を、A/(A+B+C+D)=
1/100〜85/100、(B+C)/(B+C+
D)=5/100〜1、かつE/(B+C+D)=1〜
1.1とすることを、特徴とする芳香族コポリエステル
の製造法(但し、Ar1およびAr2は芳香環を示
す)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04038869A JP3077850B2 (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 芳香族コポリエステルの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04038869A JP3077850B2 (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 芳香族コポリエステルの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05186573A JPH05186573A (ja) | 1993-07-27 |
JP3077850B2 true JP3077850B2 (ja) | 2000-08-21 |
Family
ID=12537224
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04038869A Expired - Lifetime JP3077850B2 (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 芳香族コポリエステルの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3077850B2 (ja) |
-
1992
- 1992-01-10 JP JP04038869A patent/JP3077850B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05186573A (ja) | 1993-07-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1116737A2 (en) | Process for producing liquid crystal polymer | |
EP0324608A2 (en) | Thermotropic liquid crystalline aromatic polyesters | |
JP3077850B2 (ja) | 芳香族コポリエステルの製造法 | |
EP0289802A2 (en) | Optically anisotropic melt forming aromatic copolyesters based on t-butyl-4-hydroxybenzoic acid | |
JP2828182B2 (ja) | 芳香族コポリエステルの製造法 | |
JP3077854B2 (ja) | 芳香族コポリエステル | |
JP2583164B2 (ja) | 芳香族コポリエステルの製造方法 | |
EP0237358B1 (en) | Melt-moldable wholly aromatic polyester | |
JP3185414B2 (ja) | 芳香族コポリエステルイミド | |
JP3123173B2 (ja) | 芳香族オキシカルボン酸と芳香族ジオールの交互カップリング体の製造方法 | |
JP3077852B2 (ja) | 芳香族コポリエステル | |
JP3267021B2 (ja) | 芳香族コポリエステル | |
JP3077856B2 (ja) | 芳香族コポリエステル | |
JP3267029B2 (ja) | 芳香族コポリエステル | |
JP3227855B2 (ja) | 芳香族コポリエステルアミド | |
JP3077833B2 (ja) | 芳香族コポリエステル | |
JP3227856B2 (ja) | 芳香族コポリエステルアミド | |
JP2588798B2 (ja) | 芳香族コポリエステル | |
JPS6323925A (ja) | 完全芳香族の液晶ポリエステル | |
JP2544731B2 (ja) | 全芳香族ポリエステル | |
JP2588800B2 (ja) | 芳香族コポリエステル | |
JP2794812B2 (ja) | 芳香族ポリエステルの製造方法 | |
KR920011023B1 (ko) | 신규한 방향족 폴리에스테르 화합물 | |
JP2565793B2 (ja) | 芳香族コポリエステル | |
JP2565792B2 (ja) | 芳香族コポリエステル |