JP3123158U - ロール紙用函 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノベリティ用品として用い得る安価な材料と簡単な構成で、単純な形状であり、広告等の印刷スペースが充分に確保でき、トイレットペーパー等が破断されにくく、堅固な枢着構成を必要とする回転棒を含まず、ロール紙が函の内面に触れない衛生的な構成のロール紙用函を開発する。
【解決手段】トイレットペーパーやキッチンペーパーを収納する厚紙製の円筒形状の函であり、左側板と右側板の中心に15mm〜29mmの直径の円孔を有し、該円孔の上端部分に5〜12mmの長さの溝部があり、繰出し口が本体の外周の6分の1から4分の1の延長を有するロール紙用函を提供する。
【選択図】 図1

Description

本考案は、主としてノベリティ用品として用いられることを前提として考案されたロール紙用函に関するものであり、さらに詳しくは、以下に示す構成のロール紙用函に関するものである。なお、ここに用いているロール紙とは、ロール状のトイレットペーパーあるいはロール状のキッチンペーパーのことを意味するものである。
<構成1>
ロール状のトイレットペーパーを収納する厚紙製の函であって、正面視が長方形状の厚紙を縦方向に湾曲させ水平方向に平行する2辺を接合して円筒形状となした本体の両側面を厚紙製の円形状の左側板及び厚紙製の円形状の右側板にて閉塞して内部に円筒形状の空間を形成し、円筒形状の本体の底面部分から正面部分、あるいは底面部分から背面部分にかけてミシン目が設けられ開口可能であるトイレットペーパーの繰出し口を有し、正面視にて横幅が116mm〜136mmの範囲内であり、正面視にて高さが113mm〜130mmの範囲内であり、円形状の左側板と円形状の右側板の夫々中心に15mm〜29mmの範囲内の直径の円孔を有し、該円孔の上端部分に5mm〜12mmの範囲内の長さの溝部が設けられていることを特徴とするロール紙用函。
<構成2>
トイレットペーパーの繰出し口が、円筒形状の本体の外周の6分の1から4分の1の外周方向の延長を有し、該繰出し口がミシン目によって2部分以上に分割されて開口される構成で、該繰出し口を被覆していた本体の一部である開口片のうち少なくとも上部に位置する上部開口片が開口後も本体部分から完全に分離されることなく一端が本体に連接された状態で残留し、上部開口片と本体の連接部分はミシン目を有する場合にも該ミシン目のピッチが10mm〜20mmの範囲内のごく荒いものであることを特徴とする構成1に記載のロール紙用函。
<構成3>
ロール状のキッチンペーパーを収納する厚紙製の函であって、正面視が長方形状の厚紙を縦方向に湾曲させ水平方向に平行する2辺を接合して円筒形状となした本体の両側面を厚紙製の円形状の左側板及び厚紙製の円形状の右側板にて閉塞して内部に円筒形状の空間を形成し、円筒形状の本体の底面部分から正面部分、あるいは底面部分から背面部分にかけてミシン目が設けられ開口可能であるキッチンペーパーの繰出し口を有し、正面視にて横幅が196mm〜300mmの範囲内であり、正面視にて高さが118mm〜160mmの範囲内であり、円形状の左側板と円形状の右側板の夫々中心に15mm〜29mmの範囲内の直径の円孔を有し、該円孔の上端部分に5mm〜12mmの範囲内の長さの溝部が設けられていることを特徴とするロール紙用函。
<構成4>
キッチンペーパーの繰出し口が、円筒形状の本体の外周の6分の1から4分の1の外周方向の延長を有し、該繰出し口がミシン目によって2部分以上に分割されて開口される構成で、該繰出し口を被覆していた本体の一部である開口片のうち少なくとも上部に位置する上部開口片が開口後も本体部分から完全に分離されることなく一端が本体に連接された状態で残留し、上部開口片と本体の連接部分はミシン目を有する場合にも該ミシン目のピッチが10mm〜20mmの範囲内のごく荒いものであることを特徴とする構成3に記載のロール紙用函。
本考案は、ロール状のトイレットペーパーあるいはキッチンペーパーを対象として、これらのロール紙を簡単に収納でき、かつ使い勝手の良いロール紙用函を開発することを目的としてなされたものであり、且つ、店舗や施設が顧客等に無料で配布するノベリティ用品としての用途を主眼として開発されたものである。
従来、トイレットペーパーはその名のとおりトイレにて、またキッチンペーパーはキッチンにて用いられるのがその主たる用途であり、それぞれに各種各様の専用ホルダーが開発されている。しかしながら、トイレットペーパーやキッチンペーパーは、その材質が本来多用途に向くものであり、かつ安価であるところから、トイレやキッチン以外の場所にても充分に用いることができるものである。例えば、居間や寝室においても、ちょっとした汚れの拭き取りやあるいはナプキン代わり等に便利であるし、自動車の車内で用いることも無論可能である。さらには、旅行や外出時に携帯することも不可能ではない。
このように、トイレットペーパーやキッチンペーパーは、材質や価格からすれば本来多用途に向くものでありながら、現実には、トイレットペーパーはトイレ専用であり、キッチンペーパーはキッチン専用であるという認識が一般的となっている。この原因の主たるものとしては、トイレットペーパーにおいてもキッチンペーパーにおいても、それらを収容してトイレやキッチン以外の所で快適に用いることのできるホルダーが開発されていないということが挙げられる。
確かに、居間や寝室に、むき出しの形でトイレットペーパーやキッチンペーパーが置かれていては、美観上も良くないし、使い勝手も悪く、また紙の面が直接机や床等に触れると衛生上も問題は多い。かといって、トイレやキッチンでそのようにしているように、壁面にトイレットペーパーやキッチンペーパーのホルダーを螺着や接着等の固着手段によって装着して使用するのも大きな違和感があり、且つ、壁面に固着してしまっては、常に部屋の中の一定の場所でしか使えないということになってしまう。また、自動車の中等では、ホルダーを固定できる壁面というものが存在しない。
このような理由から、トイレットペーパーはトイレにて、キッチンペーパーはキッチンにて、それぞれ専用のホルダーを壁面に固着して用いるというスタイルのみが定着しているものと思われる。しかしながら、やはり、トイレットペーパーやキッチンペーパーのようなロール紙をトイレやキッチン以外の場所でも使えるようにしたいという思いは普遍的に存在するもののようであって、従来技術として、そのような目的を達成するためになされた発明・考案がいくつか散見される。それらのうちから、ここでは、以下に示す特許文献1、2を取り上げて従来技術として紹介することとした。
以下に示す特許文献1、2を取り上げた理由は、本考案は、前述のように、ノベリティ用品としての開発を主眼としている点にある。すなわち、ノベリティ用品というものは、通常、顧客等に無料で配布されるものであるため、できるだけ簡単な構成で、製造費用も安価で、かつ店舗等の広告が良好な状態で印刷できる材質が必要で、広告等のための充分な面的スペースが確保されるということが要求される。また、組み立て方法が難しかったり、メンテナンスに手間を要するようなものも不適である。この点、以下に示す特許文献1、2の発明・考案はいずれも紙を用いて構成可能で製造費用も安価であると考えられ、広告のスペースも充分確保できる等、ノベリティ用品としての最低限度の条件はクリアしていると思われる点から、本考案の従来技術として選択したものである。
下記特許文献1に記載の「ロールペーパー用ケース」は、ケースの内側を内板で丸く覆い、かつ取り出し口の上下に丸くゆとりを持たせた構成で、ロール紙の芯の部分を挿通する回転棒を用いず、曲面状の内板内でロール紙を回転させるという点にその特色がある。また、ケースの外側は方形状であるため、据え置き用として用いることができ、且つ、ケース上面の吊り下げ用金具を用いて吊り下げて使用することもできるとされている。
確かに、トイレットペーパーやキッチンペーパーのホルダーにおいて通常用いられる、ロール紙の芯の部分を挿通する回転棒を用いないという点は、ノベリティ用品としては多くの利点を齎すものである。というのは、回転棒を用いるホルダーは、回転棒を回転させるための構成が必要となるので、通常紙等にて構成することは困難であり、木や金属やプラスチック等の堅固な材質による枢着構成がどうしても必要となるが、回転棒を用いずに、ケース内で直接ロール紙を回転させるという構成にするなら、堅固な枢着構成は不要で、厚紙程度で組み立てられる構成で充分となるからである。
しかしながら、特許文献1の発明の短所も、また、ケース内で直接ロール紙を回転させるという構成に存することは明白である。というのは、特許文献1の発明においては、内板の素材を「弾力性が有り、表面は円滑性が有る物」としているが、紙製とした場合には、コーティングで円滑性を持たせ得るにしても限界はあり、プラスチックのような素材を使用せざるをえなくなるのではないかと思われるからであり、さらに、ロール紙が使用されはじめた当初の状態にては、その自重にて、果たして円滑な回転運動が可能であるかどうかは甚だ疑問視される。
また、ロール紙自体が取り出し口より逸脱することを防ぐために、取り出し口を覆う蓋(2)を用いるとあるが、この構成ではロール紙の端末を下方に引くことによりロール紙がケース内で蓋(2)の内側に強く押し付けられることになるため、ここでも摩擦が発生する。キッチンペーパーの場合はまだしも、トイレットペーパーは極めて柔軟で薄い用紙にて作られているので、端末を下方に引くとロール紙が内板と蓋(2)に強く押し付けられ、その摩擦力で円滑な回転が妨げられ、トイレットペーパーはその部位にて破断されてしまう可能性が極めて高いと考えざるをえない。
さらに、特許文献1の発明においては、ロール紙の表面が常に内板の表面に接した状態であるという点において、衛生上の問題も生じることは免れない。特許文献1においては、「本ロールペーパーケースはロールペーパー(7)全体を包み込むので埃や汚れが着かなくて衛生的である」とあるが、ロール紙が直接接する内板に埃や汚れが着かないという保証はなく、むしろ使用を重ねるに従い、内部構成にも埃が溜まって汚れてくるのは当然のことであるので、その内部構成に常に接触した状態であるロール紙に衛生上の問題が生じると考える方が自然であろう。
下記特許文献2に記載の考案においても、また同様の問題が生じるのは明白である。すなわち、下記特許文献2の「ロール状トイレットペーパー折りたたみ包装容器」もまた回転棒を用いず、ケース内で、ケースの内側にロール紙の表面が接する形でロール紙を回転させるという構成であるため、下記特許文献1と同様の問題、すなわち、回転が円滑に行われず、トイレットペーパーのような脆弱なロール紙は引き出し途中で切れてしまうという問題と、ロール紙の表面がケース内に接触しているという点から生ずる衛生上の問題を回避することはできない。加えて、下記特許文献2に記載の考案においては、取り出し口の構成がV字状となっているため、引き出し途中で、この部分にトイレットペーパーの表面が引っかかるとその部位で簡単に破断されてしまう可能性が高い。トイレットペーパーは、先述のように極めて薄く脆弱な紙質であり、加えて表面に繊維が毛羽立つように作られているので、その通過面上に厚紙の端部があると、そこに引っかかって簡単に切れてしまう。
また、下記特許文献2の考案をノベリティ用途として考えた場合には、その構成がやや複雑であるという点にも難があるとせねばならない。すなわち、組み立て構成がやや複雑であり、その点が、ノベリティ用品としては用いにくいと考えねばならない。ノベリティ用品は、通常無料で配布されるものであるので、配布を受けた人は、組み立て構成がやや難しいと感じれば、使用に至ることなく即座に廃棄処分とする傾向が強い。有償で購入したものであれば説明図を見ながら組み立てて使用するものであっても、無償で手に入るノベリティ用品にはそこまで手間を掛ける人は少ないので、構成が若干複雑なだけでも貰った人は使用せずに捨ててしまう傾向が顕著である。したがって、下記特許文献2の考案の構成は、ノベリティ用品としては、この点で適性を欠くものであるといわねばならない。
さらに、ノベリティ用品として用いづらい点として、下記特許文献1、2に共通する次の問題点が挙げられる。ノベリティ用品は、通常、配布元の広告等が刷り込まれた状態で配布元に納品され、配布元が顧客に配布するときまで配布元にストックされるものである。この際、下記特許文献1、2のような構成では、ストック期間中に内部に埃が入るのは避けられない。そこで、全体を透明ビニール袋等で被覆密閉してストックせねばならないが、そうすると、透明ビニール袋等で被覆密閉するための余分な手間とコストがかかってしまうという問題である。
あるいは、特許文献2の考案の場合には組み立て前の平板状態にてストックしておくということも考えられるが、そうすると前記のように貰った人が組み立てなければならないという問題が生じるし、さらに、組み立て前の平板状態が凹凸が激しく、折線も入れられているので、取り扱いに注意を要する。全体をビニール袋に入れれば安定するが、その場合には特許文献1の発明と同様の問題が生じざるを得ない。要するに、ノベリティ用品としてストックしておく問題を考えると、全体が単純な形状で、しかもビニール袋等を用いずとも略密封された状態で顧客に配布できるような構成であるのが好ましい。
特開2005‐312744号公報 実開平5‐34178号公報
叙上より、本考案の解決すべき課題を次のように設定した。
<課題1>
本考案のロール紙用函は、ノベリティ用品としての用途を主体として用いられるものであるので、できるだけ安価な材料と簡単な構成で、もらった人がわざわざ組み立てる必要のないものとしたい。
<課題2>
やはりノベリティ用品としての用途を主体として用いられるものであるという点から、全体が単純な形状であり、しかもビニール袋等を用いずともそれ自体が略密封された状態で、顧客に簡単に配布できるような構成であるのが望ましい。
<課題3>
やはりノベリティ用品としての用途を主体として用いられるものであるという点から、配布元の広告等が印刷可能な面的なスペースが充分に確保できる構成であり、また鮮明な印刷が安価で可能であるような素材が用いられていることが望まれる。
<課題4>
ロール紙、特にトイレットペーパーは、厚紙の端部に一寸引っ掛かっただけでも破断されてしまうような脆弱な材質からなり、しかも表面がケバ立っているので厚紙の端部などに引っ掛かりやすい。したがって、このような事態を回避できる構成上の配慮が必要である。
<課題5>
構成中にロール紙を回転させるための回転棒が含まれると、どうしても木材や金属や硬質樹脂等による堅固な枢着構成を採用せざるを得なくなるので、回転棒は含まない構成としたい。
<課題6>
ただし、ロール紙が函の内面に直接触れながら回転する構成であると、摩擦により円滑な回転が妨げられるし、また衛生上の問題も発生する。したがって、ロール紙は、使用開始から使用終了に至るまで、函の内面に接触しないような構成とする必要がある。
本考案は、上記課題を解決するためになされたものであって、下記の解決手段を提供するものである。
<解決手段1>
ロール状のトイレットペーパーを収納する厚紙製の函であって、正面視が長方形状の厚紙を縦方向に湾曲させ水平方向に平行する2辺を接合して円筒形状となした本体の両側面を厚紙製の円形状の左側板及び厚紙製の円形状の右側板にて閉塞して内部に円筒形状の空間を形成し、円筒形状の本体の底面部分から正面部分、あるいは底面部分から背面部分にかけてミシン目が設けられ開口可能であるトイレットペーパーの繰出し口を有し、正面視にて横幅が116mm〜136mmの範囲内であり、正面視にて高さが113mm〜130mmの範囲内であり、円形状の左側板と円形状の右側板の夫々中心に15mm〜29mmの範囲内の直径の円孔を有し、該円孔の上端部分に5mm〜12mmの範囲内の長さの溝部が設けられていることを特徴とするロール紙用函。
<解決手段2>
トイレットペーパーの繰出し口が、円筒形状の本体の外周の6分の1から4分の1の外周方向の延長を有し、該繰出し口がミシン目によって2部分以上に分割されて開口される構成で、該繰出し口を被覆していた本体の一部である開口片のうち少なくとも上部に位置する上部開口片が開口後も本体部分から完全に分離されることなく一端が本体に連接された状態で残留し、上部開口片と本体の連接部分はミシン目を有する場合にも該ミシン目のピッチが10mm〜20mmの範囲内のごく荒いものであることを特徴とする解決手段1に記載のロール紙用函。
<解決手段3>
ロール状のキッチンペーパーを収納する厚紙製の函であって、正面視が長方形状の厚紙を縦方向に湾曲させ水平方向に平行する2辺を接合して円筒形状となした本体の両側面を厚紙製の円形状の左側板及び厚紙製の円形状の右側板にて閉塞して内部に円筒形状の空間を形成し、円筒形状の本体の底面部分から正面部分、あるいは底面部分から背面部分にかけてミシン目が設けられ開口可能であるキッチンペーパーの繰出し口を有し、正面視にて横幅が196mm〜300mmの範囲内であり、正面視にて高さが118mm〜160mmの範囲内であり、円形状の左側板と円形状の右側板の夫々中心に15mm〜29mmの範囲内の直径の円孔を有し、該円孔の上端部分に5mm〜12mmの範囲内の長さの溝部が設けられていることを特徴とするロール紙用函。
<解決手段4>
キッチンペーパーの繰出し口が、円筒形状の本体の外周の6分の1から4分の1の外周方向の延長を有し、該繰出し口がミシン目によって2部分以上に分割されて開口される構成で、該繰出し口を被覆していた本体の一部である開口片のうち少なくとも上部に位置する上部開口片が開口後も本体部分から完全に分離されることなく一端が本体に連接された状態で残留し、上部開口片と本体の連接部分はミシン目を有する場合にも該ミシン目のピッチが10mm〜20mmの範囲内のごく荒いものであることを特徴とする解決手段3に記載のロール紙用函。
本考案の解決手段1あるいは3の考案によれば、全体が厚紙製であるので、上記課題1の「安価な材料」という点が満足されており、この点において、ノベリティ用品としてふさわしいものとなっている。また、厚紙製という点から印刷適性に優れており、上記課題3の「鮮明な印刷が安価で可能」という要請が満足される。
本考案の解決手段1あるいは3の考案によれば、全体が単純な円筒形状であるので、上記課題1の「全体が単純な形状」という要請を満足しており、ノベリティ用品としてふさわしいものである。また、繰出し口がミシン目によって開封されるという構成であるので、上記課題1の「もらった人がわざわざ組み立てる必要がない」という点を満足し、かつ上記課題2の「ビニール袋等を用いずともそれ自体が略密封された状態で顧客に簡単に配布できる」という点も満足している。さらに、凹凸部分を極力排した単純な円筒形状であるので、上記課題3の「広告等が印刷可能な面的なスペースが充分に確保できる」という点も満足する。
本考案の解決手段1の考案によれば、正面視にて横幅が116mm〜136mmの範囲内であり、正面視にて高さが113mm〜130mmの範囲内であり、円形状の左側板と円形状の右側板の夫々中心に15mm〜29mmの範囲内の直径の円孔を有し、該円孔の上端部分に5mm〜12mmの範囲内の長さの溝部が設けられているので、円筒形状の空間内にトイレットペーパーを収納した場合に、円孔の上端部分の溝部に紐を挿通し、この紐をトイレットペーパーの芯筒に挿通し、紐の両端を上部に引き上げて結び、この紐を壁面のフック等に繋着させることにより、トイレットペーパーの芯筒の内面の上端部が紐により支持されてトイレットペーパー全体が函の内面に接触することなく円筒形状の空間内に浮遊状態にて吊設される。これにより、上記課題5の「回転棒を含まない」構成にてトイレットペーパー全体を自在に回転させることが可能となり、木材や金属や硬質樹脂等による堅固な枢着構成は必要としなくなった。かつ、課題6の「ロール紙は、使用開始から使用終了に至るまで、函の内面に接触しない」という要請も満足でき、回転棒を要せず、しかも極めて衛生的なロール紙用函が実現されることとなった。
本考案の解決手段2の考案によれば、トイレットペーパーの繰出し口が、円筒形状の本体の外周の6分の1から4分の1の外周方向の延長を有し、該繰出し口がミシン目によって2部分以上に分割されて開口される構成であるので、上記課題4で要請されている、トイレットペーパーの破断を防止するための構成上の配慮が実現されている。すなわち、本考案の解決手段2の考案のロール紙用函にトイレットペーパーを収納してトイレットペーパーの端部を下方に引き出した場合、トイレットペーパーはロール紙用函のいかなる部分にも接触することなく円滑に引き出されるので、不本意な箇所にて破断されるおそれがない。
また、同じく本考案の解決手段2の考案によれば、上記繰出し口を被覆していた本体の一部である開口片のうち少なくとも上部に位置する上部開口片が開口後も本体部分から完全に分離されることなく一端が本体に連接された状態で残留した状態であるので、トイレットペーパーをやや斜め方向に引き出した場合にても、トイレットペーパーが繰出し口の端部に接触せず、上部開口片と本体を連接する連接部分、すなわち折り部分に接触することになるから、この部分でトイレットペーパーが破断されるおそれがない。さらに、この連接部分にミシン目が入れられている場合にても、該ミシン目のピッチが10mm〜20mmの範囲内のごく荒いものであるので、このミシン目に引っ掛かってトイレットペーパーが破断される可能性は最小限度に抑えられている。
本考案の解決手段3の考案によれば、正面視にて横幅が196mm〜300mmの範囲内であり、正面視にて高さが118mm〜160mmの範囲内であり、円形状の左側板と円形状の右側板の夫々中心に15mm〜29mmの範囲内の直径の円孔を有し、該円孔の上端部分に5mm〜12mmの範囲内の長さの溝部が設けられているので、円筒形状の空間内にキッチンペーパーを収納した場合に、円孔の上端部分の溝部に紐を挿通し、この紐をキッチンペーパーの芯筒に挿通し、紐の両端を上部に引き上げて結び、この紐を壁面のフック等に繋着させることにより、キッチンペーパーの芯筒の内面の上端部が紐により支持されてキッチンペーパー全体が函の内面に接触することなく円筒形状の空間内に浮遊状態にて吊設される。これにより、上記課題5の「回転棒を含まない」構成にてキッチンペーパー全体を自在に回転させることが可能となり、木材や金属や硬質樹脂等による堅固な枢着構成は必要としなくなった。かつ、課題6の「ロール紙は、使用開始から使用終了に至るまで、函の内面に接触しない」という要請も満足でき、回転棒を要せず、しかも極めて衛生的なロール紙用函が実現されることとなった。
本考案の解決手段4の考案によれば、キッチンペーパーの繰出し口が、円筒形状の本体の外周の6分の1から4分の1の外周方向の延長を有し、該繰出し口がミシン目によって2部分以上に分割されて開口される構成であるので、上記課題4で要請されている、トイレットペーパーの破断を防止するための構成上の配慮がキッチンペーパーにおいても実現されている。すなわち、本考案の解決手段4の考案のロール紙用函にキッチンペーパーを収納してキッチンペーパーの端部を下方に引き出した場合、キッチンペーパーはロール紙用函のいかなる部分にも接触することなく円滑に引き出されるので、不本意な箇所にて破断されるおそれがない。
また、同じく本考案の解決手段4の考案によれば、上記繰出し口を被覆していた本体の一部である開口片のうち少なくとも上部に位置する上部開口片が開口後も本体部分から完全に分離されることなく一端が本体に連接された状態で残留した状態であるので、キッチンペーパーをやや斜め方向に引き出した場合にても、キッチンペーパーが繰出し口の端部に接触せず、上部開口片と本体を連接する連接部分、すなわち折り部分に接触することになるから、この部分でキッチンペーパーが破断されるおそれがない。さらに、この連接部分にミシン目が入れられている場合にても、該ミシン目のピッチが10mm〜20mmの範囲内のごく荒いものであるので、このミシン目に引っ掛かってキッチンペーパーが破断される可能性は最小限度に抑えられている。
本考案を実施するための最良の形態を、以下に図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施例1は解決手段1あるいは解決手段2に記載の考案の1実施例であり、トイレットペーパーを収納するためのロール紙用函の1実施例である。さらに、実施例2は解決手段3あるいは解決手段4に記載の考案の1実施例であり、キッチンペーパーを収納するためのロール紙用函の1実施例である。
図1は実施例1のロール紙用函1の使用状態を示す外観斜視図であり、図2aは実施例1のロール紙用函1の正面図、図2bは図2aのA−A線断面図であり、図3aは平面図、図3bは底面図、図4aは右側面図、図4bは図4aのB−B線断面図である。また、図4cは、図4bの要部拡大図である。
実施例1のロール紙用函1は、図1〜図4cに見るように、ロール状のトイレットペーパーTPを収納する厚紙製の函であって、正面視が長方形状の厚紙(図示せず)を縦方向に湾曲させ水平に平行する2辺を接合部P1にて接合して円筒形状となした本体2の両側面を厚紙製の円形状の左側板3及び厚紙製の円形状の右側板4にて閉塞して内部に円筒形状の空間S1を形成し、円筒形状の本体2の底面部分から正面部分にかけてミシン目M1〜M5が設けられ開口可能であるトイレットペーパーTPの繰出し口5を有している。
ロール紙用函1は、図2a、図2bに見るように、正面視にて横幅W1が116mm〜136mmの範囲内であり、同じく正面視にて高さH1が113mm〜130mmの範囲内であり、円形状の左側板3の中心に15mm〜20mmの範囲内の直径D31の円孔31を有し、円孔31の上端部分に5mm〜12mmの範囲内の長さT32の溝部32が設けられ、円形状の右側板4の中心に15mm〜20mmの範囲内の直径D41の円孔41を有し(図4a参照)、円孔41の上端部分に5〜12mmの範囲内の長さT42の溝部42が設けられている。なお、D31=D41、且つT32=T42とする。
ロール紙用函1の本体2の左右両端部は、図1、図2b、図4a、図4bに見るように、内側に曲折されて、フリンジ23(左側面側)、フリンジ24(右側面側)となっている。フリンジ23、24の構成の詳細は、フリンジ24を代表として図4cに示すとおりで、本体2の右側端部が曲折されてフリンジ24となっており、その幅D24は4〜5mm程度とされる。フリンジ23の構成はフリンジ24の構成と左右対称となるので、フリンジ23の幅D23もやはり4〜5mm程度とされる。フリンジ23は左側板3が本体2の左側面から逸脱しないように左側板3を本体2の左側面に係止させる働きを有し、フリンジ24は右側板4が本体2の右側面から逸脱しないように右側板4を本体2の右側面に係止させる働きを有する。
左側板3と右側板4は、少なくともどちらか一方が本体2に非固着の状態としておかなければならない。すなわち、後程説明するように、トイレットペーパーTPは本体2の左側面か右側面の少なくともどちらか一方を開放状態として、そこから本体2の内部の空間S1内に収納するものであるため、左側板3と右側板4のどちらかを非固着状態とせねばならないのである。実施例1のロール紙用函1にては、左側板3を本体2に接着により固着し、右側板4を非固着状態とするが、これは全く逆でも当然良い。左側板3を本体2に固着した場合には、フリンジ23の逸脱防止作用は不必要となるが、本体2の端部の補強と共に手触りや外観の滑らかさ、あるいは対象性の確保という点から、フリンジ23とフリンジ24は左右対称に曲折されて構成されるものである。
本体2の内部に生じる空間S1にトイレットペーパーTPを収納した状態は、図1及び図6〜図8に示すとおりである。トイレットペーパーTPは、吊下紐Rによって、空間S1内に、本体2の内壁面にも左側板3、右側板4の内壁面にも接しない状態にて吊設される。すなわち、吊下紐RはトイレットペーパーTPの芯筒TCに挿通され、吊下紐Rの下部R2が芯筒TCの内面上端部に当接する状態となるが、吊下紐Rは、また、左側板3の溝部32と右側板4の溝42にも同時に挿通される。したがって、トイレットペーパーTPはその芯筒TCが吊下紐Rにより吊設されることにより空間S1内に本体2の内壁面にも左側板3、右側板4の内壁面にも接しない状態にて吊設される。そして、その支点は、溝部32の上端部が吊下紐Rに当接する点p1及び溝部42の上端部が吊下紐Rに当接する点p2である。そして、点p1、p2はロール紙用函1全体が吊下紐Rにより吊設される際の支点ともなっている。
吊下紐Rがロール紙用函1全体を吊設する際の支点はもう2箇所存在しており、それは、吊下紐Rがフリンジ23の上端部に当接する点p3と吊下紐Rがフリンジ24の上端部に当接する点p4である。したがって、ロール紙用函1全体は、先の点p1、p2に加えて、この点p3、p4の4箇所によって、水平状態に吊設されている。なお、R1は吊下紐Rの結び目のある上端部分で、この上端部分R1が適宜フックF等の掛着用具に繋着されることにより、ロール紙用函1全体がフックFに吊設されている。
本体2の横幅W1(図2a参照)は、トイレットペーパーTPの横幅WT(図6参照)により決定される。トイレットペーパーTPの横幅WT(JIS規格にては「紙幅」と呼称)は、日本では、JIS規格でもある114mmのアメリカタイプが略標準となっているが、JIS規格では、±2mmの誤差が許容されているので、114mmに2mmをプラスした116mmを横幅WTの最大値とした。また、最小値については、114mmのアメリカタイプについで105mmのヨーロッパタイプのものが良く売られているが、これより幅が狭い100mmのものも市場に出ているので、この100mmを横幅WTの最小値とした。したがって、トイレットペーパーTPの横幅WTは、100mm〜116mmとした。
今、トイレットペーパーTPの左端と左側板3の距離をDT3、トイレットペーパーTPの右端と右側板4の距離をDT4とすると、図6に明らかなように、ロール紙用函1の横幅W1は、トイレットペーパーTPの幅WTとフリンジ23の幅D23とフリンジ24の幅D24と距離DT3と距離DT4の総和に略等しくなる(左側板3と右側板4の紙厚は無視できるものとする)。
ここで、距離DT3、DT4の適性値は、4〜5mmという極めて狭い範囲に入ることが、試作品を多数制作するうちに判明してきた。すなわち、距離DT3、DT4が4mmを下回るとトイレットペーパーTPの左側面が左側板3に、右側面が右側板4に、夫々接近しすぎて場合によっては衝突するケースも見られ、トイレットペーパーTPの回転に支障が生ずる。また、距離DT3、DT4が5mmを上回ると、今度はトイレットペーパーTPが空間S1内にて安定せず、やはり円滑な回転に支障が出る。
したがって、距離DT3、DT4の適性値は、4〜5mmという極めて狭い範囲となる。したがって、本体2の横幅W1は、幅D23、D24、距離DT3、DT4の合計値の16〜20mmに、トイレットペーパーTPの幅WTを足した値となる。したがって、ここから、本体2の横幅W1は116mm〜136mmの範囲内の数値が適切という結果が導かれる。ちなみに、実施例1のロール紙用函1においては、幅WTが114mmというごく標準的なトイレットペーパーTPを用いるという想定で、幅D23、D24、距離DT3、DT4を夫々5mmとしているので、本体2の横幅W1は、134mmとなる。
次に、本体2の高さH1(図2a参照)は、トイレットペーパーTPの高さHT(図7参照)により決定される。JIS規格にては、トイレットペーパーTPの高さHT(JIS規格にては「巻取りの径」と呼称、一般的には「ロール径」と呼称)は120mm以下とされているので、高さHTの最大値は120mmとするのが適切である。一方、最小値は、JIS規格にては定められていないが、市販のものを調べてみると、調査範囲の中で最も小の値は105mmであったので、これを最小値とした。ちなみに、一般に市場に出ているトイレットペーパーの高さ(ロール径)は108mm〜113mm程度であり、110mm前後のものが圧倒的に多いが、中にはJIS規格の上限値に近い118mmというものもあった。以上より、トイレットペーパーTPの高さHTは105mm〜120mmとした。
今、図7に見るように、トイレットペーパーTPの上端部からロール紙用函1の本体2の上端部までの距離をDT1、トイレットペーパーTPの下端部からロール紙用函1の本体2の下端部までの距離をDT2とすると(紙厚は無視する)、ロール紙用函1の本体2の高さH1は、トイレットペーパーTPの高さHTに距離DT1、DT2を加えたものとなる。ここで、やはり数多くの試作品を作って実験した結果、距離DT1、DT2は共に4〜5mm程度が適切で、しかも距離DT1、DT2は等しいことが望ましいという結論となった。つまり、4mmを越えて距離DT1、DT2が小となると、トイレットペーパーTPの形状の歪みや使用の際の引っ張り方によってはトイレットペーパーTPの周辺部分がロール紙用函1の本体2の内壁に接触して回転に支障が起こったり、また衛生面の問題も生じるということである。なお、距離DT1、DT2の最大値は、理論的にはいくら大でも良いが、ノベリティ用品としての性格や、材質が厚紙製で強度的に余り丈夫ではないことや材料費や工賃の節約を考えると全体をできるだけコンパクトに構成したいので、最小値の4mmをやや上回る5mmとした。
以上から、ロール紙用函1の本体2の高さH1の最小値は、トイレットペーパーTPの高さHTの最小値105mmに距離DT1、DT2の夫々最小値の4mmずつを加算した113mmとなる。また、ロール紙用函1の本体2の高さH1の最大値は、トイレットペーパーTPの高さHTの最大値120mmに距離DT1、DT2の夫々最大値の5mmずつを加算した130mmとなる。したがって、ロール紙用函1の本体2の高さH1の数値限定範囲は、113〜130mmとなる。ちなみに、実施例1のロール紙用函1においては、高さ(ロール径)HTが108mmというごく標準的なトイレットペーパーTPを用いるという想定で、距離DT1、距離DT2を夫々4mmとしているので、本体2の高さH1は、紙厚を無視した場合、116mmとなる。
また、左側板3の円孔31の直径D31、溝部32の長さT32、右側板4の円孔41の直径D41、溝部42の長さT42に関する数値限定は次のとおりである。すなわち、図6、図7に見るように、吊下紐Rの下部R2の左端が溝部32の最上端の点p1に支持され、下部R2の右端が溝部42の最上端の点p2に支持され、下部R2が、トイレットペーパーTPの芯筒TCの内面上端部に当接した状態で、距離DT1と距離DT2が等しくなるようにするためには、円孔31、32の中心、すなわちロール紙用函の円筒形状の本体2の中心2CがトイレットペーパーTPの芯筒TCの中心TCCと重なる必要がある。そして、そのためには、図7から明らかなように、円孔31の直径D31に溝部32の長さT32の2倍を加えた値E1がトイレットペーパーTPの芯筒TCの内径C1に等しくならねばならない。あるいは、円孔42の直径D41に溝部42の長さT42の2倍を加えた値E2がトイレットペーパーTPの芯筒TCの内径C1に等しくならねばならない。
すなわち、直径D31、D41、長さT32、T42の数値限定の根拠はトイレットペーパーTPの芯筒TCの内径C1に求められる。しかるに、芯筒TCの内径C1はやはりJIS規格に定められていて、38mm±1mm、すなわち、37mm〜39mmの範囲内となる。したがって、上記値E1、E2がこの範囲内になるような構成とせねばならない。
値E1、E2が37mm〜39mmの範囲内であれば、直径D31、D41と長さT32、T42の比は理論的には自由となるが、吊下紐Rの挿通のしやすさを考えると、円孔31、41の直径D31、D41は、少なくとも15mm以上はほしい。しかるに、溝部31、32の長さT32、T42が余りに短くなると溝部31、32内で吊下紐Rが不安定となるので、溝部32、42の長さT32、T42は、最小限でも5mm以上はほしい。ここから、円孔31、41の直径D31、D41の数値限定範囲は15mm〜29mm、溝部32、42の長さT32、T42の数値限定範囲は5mm〜12mmとなる。なお、D31=D41、T32=T42である。
次に、トイレットペーパーTPの繰出し口5の構成について詳述する。繰出し口5は、図1、図2a、図2b、図3b、図7に見るように、本体2の底面部分から正面部分にかけて、ミシン目M1〜M5により開口可能に設けられている。繰出し口5は、円筒形状の本体2の外周の6分の1から4分の1の外周方向の延長を有し、ミシン目M1〜M5によって上部開口片51、下部開口片52の2部分に分割されて開口される構成で、上部開口片51、下部開口片52共に開口後も一端が本体2の表面に連接された状態で残留するように構成されている。なお、上部開口片51と下部開口片52の中間の左右両端に形成される三角片53、54、及び下部開口片52の上端部中央に形成される半月片55は、繰出し口5の開口後は廃棄され、半月片55の廃棄跡は半円形凹部である指掛孔55aとなる。
繰出し口5の本体2の外周方向への延長の数値限定、すなわち、円筒形状の本体2の外周の6分の1から4分の1の外周方向の延長という数値限定の根拠を、図2bと図7により説明する。図2bおよび図7のロール紙用函1の繰出し口5は、本体2の中心を中心として、角度α1をもって設けられている(図2b参照)。また、上部開口片51は本体2の中心を中心として、角度β1をもって設けられ、下部開口片52は本体2の中心を中心として、角度β2をもって設けられている。なお、当然のことながら、角度α1は角度β1と角度β2の和となっている。ここで、繰出し口5の本体2の外周方向への延長の数値限定、すなわち、円筒形状の本体2の外周の6分の1から4分の1の外周方向の延長という数値限定を、本体2の中心を中心とする角度で表現すれば、繰出し口5の角度α1は、60°〜90°ということになる。すなわち、繰出し口5の角度α1の最小値は60°で最大値は90°ということになる。
ここで、上記の60°〜90°という数値限定の根拠は、以下のとおりである。すなわち、繰出し口5の角度α1が60°となった場合、図7に明らかなように、トイレットペーパーTPの引き出し片TP1が繰出し口5の上端部、すなわち、繰出し口5の上部開口片51を本体と連結しているミシン目M2と接触してしまうことになる。ミシン目M2は、トイレットペーパーTPの引き出し片TP1と接触した場合にても、引き出し片TP1をできるだけ破断させないように、ピッチが10〜20mmの範囲内のごく荒いもの(実施例1にては15mm)としているので、引き出し片TP1を垂直下方に引いた場合に、その表面がミシン目M2とぎりぎりで接触する程度では破断されない。しかし、繰出し口5の角度α1が60°を下回ると、引き出し片TP1がミシン目M2にて一度屈曲されるかたちで下方に引き出されることになるので、柔らかい素材からなる引き出し片TP1はミシン目M2にて破断されてしまうこととなる。したがって、繰出し口5の角度α1の最小値は60°を下回ることができない。
これに対し、繰出し口5の角度α1の最大値の数値限定は、最小値のように明確な限界を持っていないが、繰出し口5の角度α1の最大値を90°としたのは、本体2の強度及び衛生上の問題からである。すなわち、本体2の強度の問題からいえば、繰出し口5の角度α1は小であれば小であるほど良い。また、繰出し口5から外部の埃が侵入することを考えても、角度α1は小であれば小であるほど望ましい。したがって、その一つの基準として、角度α1が直角、すなわち90°という数値を最大値として選んだ。角度α1の最大値を90°としたのは、主として埃の侵入という観点からで、角度α1が90°を越えると、繰出し口5が下方と前方に加えて上方にも開かれることとなり、無論上部開口片51という庇の役割をする部材はあるものの、埃の侵入が多くなるものと予想されるという理由によるものである。
つぎに、繰出し口5におけるミシン目M1〜M5について説明する。繰出し口5は、本体2の一部であり、本体2に設けられたミシン目M1〜M5により開口される。図1、図2a、図3b、図4b、図6、図8に見るように、ミシン目M1は上部開口片51と下部開口片52の境界をなすように設けられており、そのピッチは、1.5〜3mm程度のごく細かいもの(実施例1にてはピッチ2mm)で、ミシン目M1はこの箇所にての切断を目的として設けられたものである。なお、ミシン目M1は左右両端の夫々において、上方向と下方向に向けて円弧状に屈折されたミシン目M1a、M1b、M1c、M1dをなすが、この部分は円弧状のため、そのピッチは荒くなっている。ただ、ミシン目M1a、M1b、M1c、M1dは切断用のミシン目であるため、ピッチは荒くても穿設部分が長く構成されている。
次に、ミシン目M2は、上部開口片51と本体2の連結部分に設けられるミシン目で、切断線ではなく、上部開口片51を本体2に連接する折線として設けられるものであるため、そのピッチは10mm〜20mmとごく荒いものとされている。なお、ミシン目M2のピッチが荒いものとされているもう一つの理由は、既に述べたように、ミシン目M2のピッチが細かくなればなるほど、トイレットペーパーTPの引き出し片TP1が接触した際に引き出し片TP1が破断される可能性が高くなるからで、ミシン目M2のピッチが10mm〜20mmのピッチであれば、引き出し片TP1が多少接触したとしても破断されることなく円滑に引き出し片TP1を引き出し得ることが、実験にて確認されている。
ミシン目M3は、繰出し口5の左端を画する境界線であり、左側板3のごく近傍に、本体2の周方向に設けられる。そのピッチは4〜6mmと、ミシン目M1とミシン目M2の中間の値とされる。また、ミシン目M4は、繰出し口5の右端を画する境界線であり、右側板4のごく近傍に、本体2の周方向に設けられ、そのピッチはミシン目M3と同様4〜6mmとされる。ミシン目M3、M4は共に切断線として設けられるミシン目であるが、そのピッチがミシン目M1より荒いものとされている理由は、図6に見るように、トイレットペーパーTPの引き出し片TP1の左辺がミシン目M3のごく近傍を、また、引き出し片TP1の右辺がミシン目M4のごく近傍を通過するものであるため、ミシン目M3、M4のピッチがミシン目M1のように細かいと、引き出し片TP1がミシン目M3、M4に万一接触した場合に、そこで引っ掛かって破断される可能性が高くなるからである。なお、繰出し口5の横幅D5(図3b参照)は、実験から、トイレットペーパーTPの幅WTに3〜5mm程度を加えた値で充分であることが明らかとなっている。
ミシン目M5は、ミシン目M1の中央下方に設けられた直径20mm前後の半円弧状のミシン目で、半円弧状であるためピッチは荒いが、穿設部分が長い切断用のミシン目として構成されている。また、下部開口片52の本体2との連接部分にはミシン目が設けられず、単なる折線L1とされている。この部分にミシン目が設けられていない理由は、実施例1のロール紙用函1においては、図1に見るように折線L1のすぐ背後が本体2の接合部P1となっているので、下部開口片52は接合部P1を支点がわりとして、折線L1で簡単に折り下げられるように構成されているからである。なお、下部開口片52は、繰出し口5の開口後は、構成上は不要な部材となるので、折線L1を切断用のミシン目として本体2から分離除去することも無論可能であるが、ロール紙用函1は、ノベリティ用途を主体とするものである点から、広告の印刷スペースや組立ての説明文や図を入れるスペースとして貴重であるため、折線L1をもって本体2に連接残留させる構成としたものである。
次に、実施例1のロール紙用函1の作用に関して、図面を参照しながら詳細に説明する。実施例1のロール紙用函1は、ノベリティとして当初配布される際の形態は、図2a〜図4bに示すような円筒形状で、図2a〜図4bには示していないが、通常、本体2、あるいは左側板3、右側板4の表面には配布元の広告や使用方法を説明する文章、イラストレーション等が印刷されている。繰出し口5は未開封で、左側板3あるいは右側板4のどちらかは本体2に固定された状態とされる。したがって、ロール紙用函1においては、左側板の円孔31、溝部32、右側板の円孔41、溝部42が僅かに開口されているだけで、内部の空間S1は略密閉状態である。なお、ロール紙用函1の内部には既にトイレットペーパーTPが収納されていても良いし、未収納でも良い。また、吊下紐Rは、ロール紙用函1内に収納された形で配布されても良いし、既に円孔31、41に挿通された形で配布されても良いし、あるいはロール紙用函1と分離され、ロール紙用函1とセットとして配布されるということでも良い。
図5aに示すロール紙用函1は、内部にトイレットペーパーTPを収納しない状態で配布されたものとする。配布された状態では、繰出し口5が未開封の円筒形状である。ロール紙用函1を受け取った人(両手のみ図示)は、ロール紙用函1を両手で支え、半円状の半月片55に左手の親指Lt(右手の親指Rtでも可)を当ててそのまま親指Ltを押し込む(a方向)。すると、ミシン目M1の半月片55を構成する部分とミシン目M5が破断されて、半月片55は本体2から分離される。半月片55が分離された跡は指掛孔55aとなるので、ここに右手の親指Rtを掛け、下部開口片52全体を図5bのb方向に引き出せば、ミシン目M1、M3、M4、M1b、M1dが破断され、下部開口片52は折線L1のみにて本体2に連接された状態で、繰出し口5の大部分が開口される。次に、上部開口片51のミシン目M1の略中央部分に左手の親指Lt(図5a)を掛けて図5bのc方向に上部開口片51を引き出せば、ミシン目M3、M4、M1a、M1cが破断され、上部開口片51はミシン目M2で曲折され本体2に連接された状態で、繰出し口5の残部が開口される。
このようにして、繰出し口5はすべて開口される。なお、繰出し口5の開口に伴い本体2から分離された半月片55、三角片53、54は適宜廃棄すれば良い。なお、三角片53、54が本体2から分離されることにより、上部開口片51の自由端の左右両端と下部開口片52の自由端の左右両端は円弧状となるが、これにより、トイレットペーパーTPの引き出し片TP1が上部開口片51あるいは下部開口片52に引っ掛かって破断される可能性はさらに低くなるものである。
繰出し口5が開口されれば、次に、左側板3か右側板4のどちらか固定されていない方を取り外して、ロール紙用函1の内部に構成されている円筒形状の空間S1内にトイレットペーパーTPを収納し、取り外した左側板3あるいは右側板4を再びロール紙用函1の左側面あるいは右側面に嵌め込む。この際、左側板3も右側板4も厚紙製であるので、若干湾曲させることにより簡単にフリンジ23、あるいはフリンジ24を越えて取り外せるし、また元の位置に戻すことができるものである。
このようにしてトイレットペーパーTPをロール紙用函1内に収納し終われば、次に、吊下紐Rを挿通する。吊下紐Rは、図1、図6〜図8に示すように、左側板3の溝部32からトイレットペーパーTPの芯筒TC内部を通って右側板4の溝部42にかけて挿通される。このように吊下紐Rの挿通が終われば、吊下紐Rの上端部分R1を締結して、上端部分R1を壁面のフックF等の適切な掛止手段に掛止させる。これにより、ロール紙用函1全体は、フックF等の掛止手段から吊下紐Rによって吊設されることとなる。
また、この状態で、図1、図6〜図8に示すように、トイレットペーパーTPの芯筒TCの内面上端が溝部32の上端及び溝部42の上端と同位置にくるが、既に述べたように円孔31の直径に溝部32の長さT32の2倍を加えるとトイレットペーパーTPの芯筒TCの内径C1に等しく、また、円孔41の直径に溝部42の長さT42の2倍を加えてもトイレットペーパーTPの芯筒TCの内径C1に等しくなるように構成されている(図7参照)結果として、ロール紙用函1の円筒形状の本体2の中心2CとトイレットペーパーTPの芯筒TCの中心TCCが重なり、トイレットペーパーTPは、本体2の内壁面のいずれの部分とも等しい距離DT1あるいはDT2(図7参照)を保持しつつロール紙用函1の内部の空間S1に吊設された状態となる。
この状態で、トイレットペーパーTPの表面から引き出し片TP1を剥離して繰出し口5を通過させて垂直下方に引き出す。この際、引き出し片TP1を下方に引き出す力がかかると、トイレットペーパーTPは図7にて反時計回りに回転運動を行うが、この回転運動において、常に芯筒TCの内面の上端部に吊下紐Rが位置する状態が保持される。すなわち、吊下紐Rは溝部32、42の上端部分の点p1、p2(図6参照)にて位置決めをされているので吊下紐Rがずれるということはなく、トイレットペーパーTPはいわば吊下紐Rの下部R2を枢軸がわりとして、円滑な回転運動を行い、これに伴い引き出し片TP1は下方に引き出されていく。
この際、左側板3あるいは右側板4のうち、固定されていない方がトイレットペーパーTPの回転運動に引きずられて移動する可能性も考えられるが、実験では、左側板3あるいは右側板4のいずれか片方を固定しておけば、もう一方が未固定でも些かの移動も起こらなかった。すなわち、未固定の左側板3あるいは右側板4も、その外周にて本体2の内面に接していて、その部分にて一定の摩擦力を持ち、さらに吊下紐Rの引張力にて溝部32あるいは42が円孔31あるいは41の上端部に位置するように固定されるので、それらの作用のみで充分にその位置を保つものであることが明らかとなった。したがって、トイレットペーパーTPは、吊下紐Rの下部R2をあたかも剛性のある芯材のようにこれを枢軸として用いて円滑な回転運動を行うものである。
また、繰出し口5のサイズが、本体2の外周の6分の1から4分の1の外周方向の延長を有するように構成されているため、図7に見るように引き出し片TP1が上部開口片51にも、下部開口片52にも、さらに繰出し口5のいずれの部分にも接触することなく円滑な引き出し作用が保証される。引き出し片TP1を引き出す方向が垂直下方から僅かに狂って引き出し片TP1の表面が上部開口片51のミシン目M2に接触したとしても、ミシン目M2はそのピッチが10mm〜20mmとごく荒いものとされているため、引き出し片TP1がミシン目M2に引っ掛かって破断される可能性は低く、円滑な引き出しが保証される。
このようにして、希望の延長分だけ引き出し片TP1を引き出せた段階で、引き出し片TP1の上部を把持して引き出し片TP1を垂直下方に強く引けば、引き出し片TP1は適切なミシン目MT(図1、図7参照)にて切断される。最近の市販のトイレットペーパーはその殆どが切断のためのミシン目入りであるため、ことさらにトイレットペーパー自体を切断するための構成は必要としない。したがって、ロール紙用函1にも、トイレットペーパーTP自体を切断するための構成は設けていない。実験では、引き出し片TP1を垂直下方に強く引くだけで、略100%の確率で、トイレットペーパーTPを希望するミシン目MTにて切断することができた。
ロール紙用函1を上記のようなプロセスにて使用し、トイレットペーパーTPを使い切って芯筒TCが残るだけの状態となれば、吊下紐Rの上端部分R1の締結を解いて吊下紐Rをロール紙用函1から抜き出し、左側板3あるいは右側板4を外して芯筒TCを取り出す。その後、新たなトイレットペーパーTPをロール紙用函1の空間S1内に収容して既述のとおりに組立て構成を行えば、上記と全く同じ要領でロール紙用函1を用いることができる。このようにして、ロール紙用函1は繰り返し使用できる。また、万一使用中にロール紙用函1の本体2内面に埃が溜まった状態となっても、トイレットペーパーTPの表面がロール紙用函1の本体2内面に接触しないので、常に衛生的な状態にてその使用を継続できるものである。
図9は実施例2のロール紙用函6の正面図、図10aは図9のC−C線断面図であり、図10bは右側面図、図11は使用状態を示す一部を省略した正面図、図12は使用状態を示す一部を切欠した右側面図である。
実施例2のロール紙用函6は、図9〜図12に見るように、ロール状のキッチンペーパーKP(図11、図12参照)を収納する厚紙製の函であって、正面視が長方形状の厚紙(図示せず)を縦方向に湾曲させ水平に平行する2辺を接合部P2にて接合して円筒形状となした本体7の両側面を厚紙製の円形状の左側板8及び厚紙製の円形状の右側板9にて閉塞して内部に円筒形状の空間S2を形成し、円筒形状の本体7の底面部分から正面部分にかけてミシン目M6〜M10が設けられ開口可能であるキッチンペーパーKPの繰出し口10を有している。なお、11は上部開口片、12は下部開口片である。
ロール紙用函6は、図9〜図12に見るように、正面視にて横幅W2が196mm〜300mmの範囲内であり、同じく正面視にて高さH2が118mm〜160mmの範囲内であり、円形状の左側板8の中心に15mm〜29mmの範囲内の直径D81の円孔81を有し、円孔81の上端部分に5〜12mmの範囲内の長さT82の溝部82が設けられ、円形状の右側板9の中心に15mm〜29mmの範囲内の直径D91の円孔91を有し、円孔91の上端部分に5〜12mmの範囲内の長さT92の溝部92が設けられている。なお、D81=D91、且つT82=T92とする。
ロール紙用函6の本体7の左右両端部は、内側に曲折されて、フリンジ73(左側面側)、フリンジ74(右側面側)となっている。フリンジ73、74の構成の詳細は、実施例1のロール紙用函1のフリンジ23、24と略同様であり、その幅D73、D74(図11参照)も実施例1のロール紙用函1のフリンジ23、24の幅D23、D24と同様4〜5mm程度とされる。また、フリンジ73は左側板8が本体7の左側面から逸脱しないように左側板8を本体7の左側面に係止させる働きを有し、フリンジ74は右側板9が本体7の右側面から逸脱しないように右側板9を本体7の右側面に係止させる働きを有する。
左側板8と右側板9は、実施例1のロール紙用函1と同様に、少なくともどちらか一方が本体7に非固着の状態としておかなければならない。実施例2のロール紙用函6にては、左側板8を本体7に接着により固着し、右側板9を非固着状態とするが、これは全く逆でも当然良い。
本体7の内部に生じる空間S2にキッチンペーパーKPを収納した状態は、図11、図12に示すとおりである。キッチンペーパーKPは、吊下紐Rによって、空間S2内に、本体7の内壁面にも左側板8、右側板9の内壁面にも接しない状態にて吊設される。すなわち、吊下紐RはキッチンペーパーKPの芯筒KCに挿通され、吊下紐Rの下部R2が芯筒KCの内面上端部に当接する状態となる。吊下紐Rは、また、左側板8の溝部82と右側板9の溝部92にも同時に挿通されるが、この点は実施例1のロール紙用函1と全く同様であるので詳述は控える。なお、R1は吊下紐6の結び目のある上端部分で、この上端部分R1が適宜フックF等の掛着用具に繋着されることにより、ロール紙用函6全体がフックFに吊設されている(図11参照)。
本体7の横幅W2(図9参照)は、キッチンペーパーKPの横幅WK(図11参照)により決定される。キッチンペーパーKPの横幅WKには、トイレットペーパーに見られるような詳細な規格は見出せなかったので、市場に販売されている各種のキッチンペーパーの横幅を調査したところ、180mm、220mm、230mm、240mm、250mm、265mm、280mm(厳密には279mm)、355mm、375mmという数値が見出された。しかしながら、355mmと375mmの2種は余りにも大で一般的でなく、また、ノベリティ用品としの用途を主体とするという本考案の課題からもかけ離れるので、最大値は、比較的良く用いられている280mmとした。したがって、キッチンペーパーKPの横幅WKは、180mm〜280mmとした。
今、キッチンペーパーKPの左端と左側板8の距離をDK3、キッチンペーパーKPの右端と右側板9の距離をDK4とすると、図11に明らかなように、ロール紙用函2の横幅W2は、キッチンペーパーKPの横幅WKとフリンジ73の幅D73とフリンジ74の幅D74と距離DK3と距離DK4の総和に略等しくなる(左側板8と右側板9の紙厚は無視できるものとする)。ここで、距離DK3、DK4の適性値は、やはり実施例1の場合と同様4〜5mmという極めて狭い範囲に入ることが、試作品を多数制作するうちに判明した。
したがって、本体7の横幅W2は、幅D73、D74、距離DK3、DK4の合計値の16〜20mmに、キッチンペーパーKPの幅WKを足した値となる。したがって、ここから、本体7の横幅W2は196mm〜300mmの範囲内の数値が適切という結果が導かれる。ちなみに、実施例2のロール紙用函2においては、幅WKが230mmというごく標準的なキッチンペーパーKPを用いるという想定で、幅D73、D74、距離DK3、DK4を夫々5mmとしているので、本体7の横幅W2は、250mmとなる。
次に、本体7の高さH2(図9参照)は、キッチンペーパーKPの高さHKにより決定される。高さHKに関する規格もやはり見出せなかったので、市場調査を行ったところ、調査した範囲内にては最小値が110mm、最大値が150mmという結果となった。中でも、110mm〜120mmの製品が多く、この数値範囲は、トイレットペーパーTPの高さHTの数値範囲と良く重なっている。ともかく、以上より、キッチンペーパーTKの高さHKは110mm〜150mmとした。
今、図12に見るように、キッチンペーパーKPの上端部からロール紙用函2の本体7の上端部までの距離をDK1、キッチンペーパーKPの下端部からロール紙用函2の本体7の下端部までの距離をDK2とすると(紙厚は無視する)、ロール紙用函2の本体7の高さH2は、キッチンペーパーKPの高さHKに距離DK1、DK2を加えたものとなる。ここで、やはり数多くの試作品を作って実験した結果、実施例1と同様、距離DK1、DK2は共に4〜5mm程度が適切で、しかも距離DK1、DK2は等しいことが望ましいという結論となった。
以上から、ロール紙用函6の本体7の高さH2の最小値は、キッチンペーパーKPの高さHKの最小値110mmに距離DK1、DK2の夫々最小値の4mmずつを加算した118mmとなる。また、ロール紙用函2の本体7の高さH2の最大値は、キッチンペーパーKPの高さHKの最大値150mmに距離DK1、DK2の夫々最大値の5mmずつを加算した160mmとなる。したがって、ロール紙用函2の本体7の高さH2の数値限定範囲は、118〜160mmとなる。ちなみに、実施例1のロール紙用函1においては、高さ(ロール径)HKが108mmというごく標準的なトイレットペーパーTPと同様の高さHKのキッチンペーパーKPを用いるという想定で、距離DK1、DK2を夫々4mmとしているので、本体7の高さH2は、紙厚を無視した場合、116mmとなる。
また、左側板8の円孔81の直径D81、溝部82の長さT82、右側板9の円孔91の直径D91、溝部92の長さT92に関する数値限定の根拠も、実施例1同様、キッチンペーパーKPの芯筒KCの内径C2に求められる。しかるに、芯筒KCの内径C2(図12参照)は、トイレットペーパーTPの芯筒TCの内径C1と同様、38mm±1mm、すなわち、37mm〜39mmの範囲内のものが圧倒的に多い。したがって、実施例1と同様の理由で、円孔81、91の直径D81、D91の数値限定範囲は15mm〜29mm、溝部82、92の長さT82、T92の数値限定範囲は5mm〜12mmとなる。なお、D81=D91、T82=T92である。
次に、キッチンペーパーKPの繰出し口10の構成についてであるが、繰出し口10は、実施例1におけるトイレットペーパーTPの繰出し口5の構成を水平方向に延伸したものであるので、ミシン目M6〜M10の詳細な説明は省略する。なお、ミシン目M7は、そのピッチが10mm〜20mmとごく荒いものとされているが、その理由は、実施例1において、ミシン目M2のピッチが10mm〜20mmとされている理由と同様である。また、折線L2(図12参照)も、実施例1の折線L1と同様の構成である。さらに、繰出し口10の本体7の外周方向への延長の数値限定、すなわち、円筒形状の本体7の外周の6分の1から4分の1の外周方向の延長という数値限定の根拠も実施例1と同様であるので、その説明は省略する。
次に、実施例2のロール紙用函2の作用に関しては、実施例1のロール紙用函1の作用と略同様であるので、その詳細な説明は省略する。
本考案のロール紙用函は、特にノベリティ用品の分野において、安価で簡単に製作でき、配布前のストックも楽であり、貰った人が簡単に組み立てられ、さらに広告の印刷スペースも広く、長く衛生的に使用可能な、画期的なロール紙用函を提供するものである。
本考案の実施例1のロール紙用函の使用状態を示す一部を切欠した外観斜視図である。 (a)本考案の実施例1のロール紙用函の正面図である。(b)図2aのA−A線断面図である。 (a)本考案の実施例1のロール紙用函の平面図である。(b)本考案の実施例1のロール紙用函の底面図である。 (a)本考案の実施例1のロール紙用函の右側面図である。 (b)図4aのB−B線断面図である。 (c)図4bの要部の拡大図である。 (a)本考案の実施例1のロール紙用函の作用を説明する説明図である。 (b)本考案の実施例1のロール紙用函の作用を説明する説明図である。 本考案の実施例1のロール紙用函の使用状態を示す一部を省略した正面図である。 本考案の実施例1のロール紙用函の使用状態を示す一部を切欠した右側面図である。 本考案の実施例1のロール紙用函の使用状態を示す底面背面側から見た外観斜視図である。 本考案の実施例2のロール紙用函の正面図である。 (a)図9のC−C線断面図である。 (b)本考案の実施例2のロール紙用函の右側面図である。 本考案の実施例2のロール紙用函の使用状態を示す一部を省略した正面図である。 本考案の実施例2のロール紙用函の使用状態を示す一部を切欠した右側面図である。
符号の説明
1 ロール紙用函
10 繰出し口
11 上部開口片
12 下部開口片
2 本体
23 フリンジ
24 フリンジ
2C 中心
3 左側板
31 円孔
32 溝部
4 右側板
41 円孔
42 溝部
5 繰出し口
51 上部開口片
52 下部開口片
53 三角片
54 三角片
55 半月片
55a 指掛孔
6 ロール紙用函
7 本体
73 フリンジ
74 フリンジ
8 左側板
81 円孔
82 溝部
9 右側板
91 円孔
92 溝部
10 繰出し口
C1 内径
C2 内径
D23 幅
D24 幅
D31 直径
D41 直径
D5 横幅
D73 幅
D74 幅
D81 直径
D91 直径
DT1 幅
DT2 幅
DT3 距離
DT4 距離
DK1 幅
DK2 幅
DK3 距離
DK4 距離
E1 値
E2 値
F フック
H1 高さ
H2 高さ
HT 高さ
HK 高さ
KC 芯筒
KP キッチンペーパー
L1 折線
L2 折線
Lt 親指
M1 ミシン目
M1a ミシン目
M1b ミシン目
M1c ミシン目
M1d ミシン目
M2 ミシン目
M3 ミシン目
M4 ミシン目
M5 ミシン目
M6 ミシン目
M7 ミシン目
M8 ミシン目
M9 ミシン目
M10 ミシン目
MT ミシン目
P1 接合部
P2 接合部
R 吊下紐
R1 上端部分
R2 下部
Rt 親指
S1 空間
S2 空間
T32 長さ
T42 長さ
T82 長さ
T92 長さ
TC 芯筒
TCC 中心
TP トイレットペーパー
TP1 引き出し片
W1 横幅
W2 横幅
WT 横幅
WK 横幅
a 方向
b 方向
c 方向
p1 点
p2 点
p3 点
p4 点
α1 角度
β1 角度
β2 角度






Claims (4)

  1. ロール状のトイレットペーパーを収納する厚紙製の函であって、正面視が長方形状の厚紙を縦方向に湾曲させ水平方向に平行する2辺を接合して円筒形状となした本体の両側面を厚紙製の円形状の左側板及び厚紙製の円形状の右側板にて閉塞して内部に円筒形状の空間を形成し、円筒形状の本体の底面部分から正面部分、あるいは底面部分から背面部分にかけてミシン目が設けられ開口可能であるトイレットペーパーの繰出し口を有し、正面視にて横幅が116mm〜136mmの範囲内であり、正面視にて高さが113mm〜130mmの範囲内であり、円形状の左側板と円形状の右側板の夫々中心に15mm〜29mmの範囲内の直径の円孔を有し、該円孔の上端部分に5mm〜12mmの範囲内の長さの溝部が設けられていることを特徴とするロール紙用函。
  2. トイレットペーパーの繰出し口が、円筒形状の本体の外周の6分の1から4分の1の外周方向の延長を有し、該繰出し口がミシン目によって2部分以上に分割されて開口される構成で、該繰出し口を被覆していた本体の一部である開口片のうち少なくとも上部に位置する上部開口片が開口後も本体部分から完全に分離されることなく一端が本体に連接された状態で残留し、上部開口片と本体の連接部分はミシン目を有する場合にも該ミシン目のピッチが10mm〜20mmの範囲内のごく荒いものであることを特徴とする請求項1に記載のロール紙用函。
  3. ロール状のキッチンペーパーを収納する厚紙製の函であって、正面視が長方形状の厚紙を縦方向に湾曲させ水平方向に平行する2辺を接合して円筒形状となした本体の両側面を厚紙製の円形状の左側板及び厚紙製の円形状の右側板にて閉塞して内部に円筒形状の空間を形成し、円筒形状の本体の底面部分から正面部分、あるいは底面部分から背面部分にかけてミシン目が設けられ開口可能であるキッチンペーパーの繰出し口を有し、正面視にて横幅が196mm〜300mmの範囲内であり、正面視にて高さが118mm〜160mmの範囲内であり、円形状の左側板と円形状の右側板の夫々中心に15mm〜29mmの範囲内の直径の円孔を有し、該円孔の上端部分に5mm〜12mmの範囲内の長さの溝部が設けられていることを特徴とするロール紙用函。
  4. キッチンペーパーの繰出し口が、円筒形状の本体の外周の6分の1から4分の1の外周方向の延長を有し、該繰出し口がミシン目によって2部分以上に分割されて開口される構成で、該繰出し口を被覆していた本体の一部である開口片のうち少なくとも上部に位置する上部開口片が開口後も本体部分から完全に分離されることなく一端が本体に連接された状態で残留し、上部開口片と本体の連接部分はミシン目を有する場合にも該ミシン目のピッチが10mm〜20mmの範囲内のごく荒いものであることを特徴とする請求項3に記載のロール紙用函。


















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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019501752A (ja) * 2016-01-13 2019-01-24 ハロウニアン, カーベHAROUNIAN, Kaveh ロールホルダー

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