JP3511956B2 - ティシュ収納箱 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、箱体を載置する場
所の隙間等を利用して容易に固定することが可能なティ
シュを収納した箱体に関する。更に、内部にティシュを
収納し、ロール状トイレットペーパーのロールホルダー
に容易に取付け可能な箱体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ティシュ製品として、化粧用ティ
シュ、トイレ用ティシュ、タオル用ティシュ等が知られ
ており、また水分を多量に含有させた所謂ウェットティ
シュも周知である。そして、これらは箱体や袋に収容し
て販売されている。箱体に収容して販売されているティ
シュは、机や棚の上において使用される場合が多いが、
適切な置き場所が無い場合もありこのような対策とし
て、壁掛けが容易な箱体に関する考案(実開昭５５−２
４９４１、及び実開昭６０−６５０９８)が開示されて
いる。

【０００３】しかし、これらの出願に関わる箱体は壁掛
け用としては優れているが、専用のハンガーやフックが
必要であり、また水平な面において固定するような用途
には必ずしも適切とは言えない。更に、最近はトイレで
使用するトイレ用ティシュとしてロール状トイレットペ
ーパーが一般化しており、トイレで同時にウェットティ
シュ等の別のティシュを使用したいという要望がある。
ところが、トイレ内にはこれらのティシュ等を収納した
箱体を置く適切な場所がない。また、一般に販売されて
いるウェットティシュは、水に溶解困難で、トイレに流
せないという問題もある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、箱体
を載置する場所の隙間等を利用して容易に固定すること
が可能なティシュを収納した箱体を提供することであ
り、更には、ロール状トイレットペーパーのホルダー
に、容易に取付け可能で、取付け後外れ難く、更にトイ
レットペーパーの交換も容易にできる箱体を提供するこ
とである。また、水解性でトイレに流せるウェットティ
シュを、このような箱体に収納した製品を提供すること
である。本発明者はロール状トイレットペーパーのホル
ダーに容易に固定することが出来る箱の構造について鋭
意研究した結果、トイレットペーパーのホルダーに容易
に取付け可能で、取付け後にロックされて外れ難くい構
造の箱体を開発して本発明を完成するに至った。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の第１は、折り畳
んだティシュを重ねて収納し、収納物を取り出す取出口
を上面に有する箱体において、該箱体の底面に、ミシン
目の切込線により切り起こし出来るように差込片が設け
られ、更にその差込片の内部に切り起こした差込片が抜
けないように固定するロック片が設けられ、該ロック片
は、該差込片が折れ線により箱体へ連結している側に配
置されたミシン目の切込線により切り起こし出来るよう
に設けられていることを特徴とするティシュ収納箱であ
る。尚、本発明における折れ線とは、この線に沿って折
って箱体の形成を行なう線であり、ミシン目の切込線に
より差込片等を切り起こした後も箱体と連結している部
分である。

【０００６】第１の発明においては、箱体を隙間に差し
込んで引っかけて固定するための差込片を底面に形成
し、その形状は先端ほど狭幅で差し込み易く、且つ基端
部はある程度広幅で差し込んだ時の遊びが小さい方が好
ましい。従って、凸形に近い曲線状の山形等を採用する
ことが出来る。また、ロック片は、切り起こした後その
先端を、取付け場所の隙間に差し込まれた差込片に略直
角の位置にある固定部に接触させて、差込片が差し込ん
だ隙間から抜けないようにする働きをするものである。

【０００７】本発明の第２は、前記ロック片の差込片に
連結している部分が湾曲した折れ線からなることを特徴
とする第１の発明に記載したティシュ収納箱である。こ
のような構成とすることにより、ロック片を切り出して
折れ線に沿って折った時、一定の角度以上には折れ難
く、差込片を抜け難くしてロック(固定)する働きが強化
される。

【０００８】本発明の第３は、前記箱体に収納されてい
る収納物が、水解性のウェットティシュであることを特
徴とする第１の発明または第２の発明に記載したティシ
ュ収納箱である。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下に本発明を具体的に説明す
る。本発明は、折り畳んだティシュを重ねて収納した箱
体において、箱体の上面に収納物を取り出す取出口を、
箱体の上面に対向する下面に、隙間に差し込んで箱体を
固定するための差込片をミシン目により切り起こし可能
に設けた箱体である。また、該差込片には、差込片が折
れ線により箱体へ連結している側にミシン目を有するロ
ック片が設けられ、該ロック片もミシン目により切り起
こし出来るように設けられている。尚、ロック片は１個
設けられていてもよいが、２個以上の複数個設けられて
いてもよい。

【００１０】このような本発明の箱体は、ミシン目に沿
って切り起こして差込片を形成し、この差込片を箱を載
置する場所の適切な隙間に差込み、更にミシン目に沿っ
て切り起こして形成したロック片により隙間から差込片
が容易に外れないようにすることが出来る。また、ロッ
ク片の差込片に連結している部分を湾曲した折れ線によ
り形成することにより、ロック片が所定の角度以上に折
れ曲がらないような構成とすることが出来る。この所定
角度は、３５〜５０度の範囲とすると、ロックするのに
好ましい。

【００１１】本発明の箱体はロール状トイレットペーパ
ーのホルダーの天蓋上に載置して、天蓋と壁との隙間に
差込片を差込んで固定する使用方法の場合に特に効果が
大きい。このような使用方法を考慮すると、ロック片が
差込片に連結している湾曲した折れ線の位置は、差込片
が箱体に連結している折れ線から５乃至１５ｍｍの寸法
とするのが好ましい。あまり近すぎるとロック片が短く
なりすぎ、逆に遠いと、ロック片が長くなりすぎて何れ
もロックの働きが弱まり好ましくない。また、差込片の
基端部の幅寸法(差込片が箱体に連結している折れ線付
近の幅寸法)は、トイレットペーパーのホルダーと壁の
前記隙間の長辺の寸法より少し短目の設定とし、遊びが
大きくなり過ぎないように考慮するとよい。

【００１２】また、上記構造の箱体の中に、水に溶解可
能なウェットティシュを収納することにより、収納容器
である箱体をトイレに容易に取付け可能で、且つ使用後
にトイレに流して処理可能なウェットティシュ製品を提
供することが出来る。本発明で用いる箱体の材料として
は、紙を主体とした材料が使用出来るが、プラスチック
等の樹脂製の材料とすることもできる。また、ウェット
ティシュを収納する場合等には、収納物を樹脂製などの
袋に入れてから箱体内部に収納してもよい。

【００１３】また、本発明の箱体の内部に収納するティ
シュとしては、ティシュペーパー、不織布のティシュ、
ウェットティシュ、等が挙げられる。これらの中でも、
特に水解性のウェットティシュを収納することにより、
本発明の効果が最も顕著に発揮される。水解性のウェッ
トティシュとは、水に溶解可能なウェットティシュのこ
とであり、湿潤状態においては、洗浄等の作業に耐えう
る強度を保持し、かつ水洗トイレのように大量の水流中
においては、ウェットティシュを構成する繊維が離解出
来る構成のものである。具体的には、再生セルロース繊
維と木材パルプとを主成分とする不織布を水に溶解し易
い構成にしたもの等が挙げられるが、水解性のものであ
れば良く、特に限定するものではない。

【００１４】このように、ロール状トイレットペーパー
と、ロール状トイレットペーパーのホルダーに容易に取
付け可能な水解性のウェットティシュを収納した箱体
を、同一場所に設置することにより、トイレにおいて、
トイレットペーパーとウェットティシュを同時に使用し
たいと言うユーザーの要望を満たすことが出来る。

【００１５】

【実施例】次に図面を参照して本発明の実施例について
説明する。図２は本実施例に関わる箱体の収納物を除い
た箱の展開図であり、図１はこれを組み立てて形成した
箱体において、差込片とロック片を切り起こした状態を
示す斜視図である。また、図３は図１の箱体をロール状
トイレットペーパーのホルダーに取付けた状態を示す斜
視図である。

【００１６】本実施例の箱体は組み立てた状態におい
て、取出口６を有する上面２と、差込片４、ロック片５
を形成するためのミシン目の切込線等を有する底面３
と、長辺側の２つの側面７、７と、短辺側の２つの側面
８、８から構成される直方体である。該箱体は内部にテ
ィシュを収容して、差込片４とロック片５を切り起こさ
ない状態で販売され、ロール状トイレットペーパーのホ
ルダーに取付ける時などに、底面に差込片４とロック片
５を切り起こして形成するものである。

【００１７】図２に示すように、本実施例の箱体は展開
状態において、長辺側の側面７、上面２、長辺側の側面
７、底面３、接合片９が、折れ線１６を介して連続して
配置され、更に上面２の残りの対向する２辺に短辺側の
側面８、８が折れ線１６を介して配置されている。ま
た、２つの長辺側の側面７と底面３の残りの対向する２
辺には、それぞれフラップ１１、フラップ１２、フラッ
プ１０が折れ線１６を介して配置されている。また、上
面２には樹脂性の蓋を有する収納物の取出口６と取出口
切り離し用ミシン目１９が設けられ、底面３には底面３
の一方の長辺（図面下方の長辺）から対向する長辺に至
るミシン目の切込線１３が曲線状に配置され、更に図面
上方の長辺上にもミシン目の切込線１４が連続して配置
されて、先端程狭幅の略凸形状の差込片４が形成されて
いる。尚、このミシン目の切込線１３、１４を底面３に
おける図面上方の長辺と重ならないように配置しても構
わない。

【００１８】更に、該差込片４は、底面３における図面
下方の長辺上の折れ線１７により箱体本体に連結してお
り、ロック片５は、こちらの側にミシン目の切込線１５
を有し、この切込線１５に連続して外側に湾曲した折れ
線１８が配置されることにより形成されている。尚。ロ
ック片を形成するミシン目の切込線１５は、折れ線１７
上に重なって配置されているが、少しずれて配置されて
いても構わない。また、本実施例においては、ロック片
５を１個だけ設けたが、２個以上設けてもよい。

【００１９】図２の展開状態の箱体を各折れ線に沿って
折り曲げ、接合片９とフラップの一部を接着して、図１
に示す箱体の差込片４とロック片５を切り起こさない状
態の箱体１が形成される。このような状態の箱体１の底
面に設けられている差込片４のミシン目の切り込線１
３、１４と、ロック片５のミシン目の切り込線１５を切
り離し、更に折れ線１７と折れ線１８に沿って折ると共
に折り癖を付けて、それぞれ差込片４とロック片５を形
成し、図１の状態が得られる。

【００２０】ロール状トイレットペーパーのホルダーに
取付ける場合には、図１の状態の箱体１を図３に示すよ
うに、差込片４がトイレットペーパーのホルダーと壁１
９の間に入り込むように差込み、箱体１の底面３がトイ
レットペーパーのホルダーの天蓋２２の上に載るように
セットする。また、ロック片５は、差し込む途中に隙間
の寸法までもとに戻るが、ホルダーの天蓋２２の位置を
通過した時点で、折れ線１８部の紙の弾力により、ほぼ
折り癖の付いた開き角度まで戻る。以上の操作により、
箱体１はホルダーの天蓋２２の上部にセットされるが、
ロック片５の接合部である折れ線１８が湾曲して設けら
れているので、ロック片５が所定の角度以上に折れにく
く、箱体１は天蓋２２の上部に固定されることになる。

【００２１】また、このような構成の箱体１は、トイレ
ットペーパーのロールが小さくなった状態でも外れにく
くホルダー上部に固定でき、トイレットペーパーの交換
のときには、箱体１をある一定の力以上で上方に引き上
げるとロック片５は曲線状の折れ線１８で１８０°近く
折れる事になりホルダーから取り外す事ができる。勿
論、ロック片５を指で平面状に押し戻してから差込片を
引き抜いてもよい。更に、トイレットペーパー交換の
後、再度ホルダー背面の隙間に差し込む事により交換前
と同様に使用し続ける事が可能である。

【００２２】

【発明の効果】本発明に係わる箱体は、内部にティシュ
を収納し、載置する場所の隙間等を利用して容易に固定
することが可能であり、特にロール状トイレットペーパ
ーのホルダーに容易に取付け可能である。これにより、
トイレットペーパーと同様の使い方ができる箱体とな
る。一般のトイレに於いて、トイレットペーパーのホル
ダーは一番使いやすい位置に設置されており、床や棚に
置いた場合に比べて最少の動作で箱体に収納されたティ
シュが取出せることになる。更に箱体を床に置く場合と
比べ清潔であるという効果もある。

【００２３】また、この箱体はトイレットペーパーのホ
ルダーに取付けた後簡単には外れ難く、トイレットペー
パーの交換も容易に出来る。また、水解性でトイレに流
せるウェットティシュを該箱体内部に収納することによ
り、置き場所と使用後の処理の問題を同時に解決して、
トイレでロール式トイレットペーパーと共にウェットテ
ィシュを使用したいというユーザーの要望を満足するこ
とが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例における箱体の、差込片と、
ロック片を切り起こした状態を示す斜視図。

【図２】図１の箱体を組み立てる前の展開状態の１例を
示す図。

【図３】図１の箱体をロール式トイレットペーパーのホ
ルダーに取付けた状態を示す図。

【符号の説明】

１：箱体 ２：上面 ３：底面 ４：差込片 ５：ロック片 ６：取出口 ７：長辺側の側面 ８：短辺側の側面 ９：接合片 １０：フラップ １１：フラップ １２：フラップ １３：差込片を形成するミシン目の切込線 １４：差込片を形成するミシン目の切込線 １５：ロック片を形成するミシン目の切込線 １６：折れ線(プレス線) １７：差込片の折れ線(プレス線) １８：ロック片の折れ線(プレス線) １９：取出口切り離し用ミシン目の切込線 ２０：壁 ２１：ロール式トイレットペーパー及びホルダー ２２：ロール式トイレットペーパー用ホルダーの天蓋

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 折り畳んだティシュを重ねて収納し、収
   納物を取り出す取出口を上面に有する箱体において、該
   箱体の底面に、ミシン目の切込線により切り起こし出来
   るように差込片が設けられ、更にその差込片の内部に差
   込片が抜けないように固定するロック片が設けられ、該
   ロック片は、該差込片が折れ線により箱体へ連結してい
   る側に配置されたミシン目の切込線により切り起こし出
   来るように設けられていることを特徴とするティシュ収
   容箱。
2. 【請求項２】 前記ロック片は前記差込片に連結してい
   る部分が湾曲した折れ線により形成されていることを特
   徴とする請求項１記載のティシュ収納箱。
3. 【請求項３】 前記箱体に収納されている収納物は、水
   解性のウェットティシュであることを特徴とする請求項
   １または請求項２に記載のティシュ収納箱。