JP3122857B2 - 半導体基体のエッチング装置およびエッチング方法 - Google Patents

半導体基体のエッチング装置およびエッチング方法

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JP3122857B2
JP3122857B2 JP04007770A JP777092A JP3122857B2 JP 3122857 B2 JP3122857 B2 JP 3122857B2 JP 04007770 A JP04007770 A JP 04007770A JP 777092 A JP777092 A JP 777092A JP 3122857 B2 JP3122857 B2 JP 3122857B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体基体のエッチン
グ装置に係り、特に、半導体基体のエッチング装置にお
ける侵食量のばらつきを低減する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】使用電圧が数百Vで電流容量が数百mA
という高耐圧大電流集積回路においては、回路装置内の
各要素素子間を電気的に分離する方式として、誘電体分
離方式を採用している。この誘電体分離方式は、例え
ば、特公昭41−160707号公報に開示されている。
【0003】図7は、この誘電体分離方式を採用した高
耐圧大電流集積回路の製造工程の一例を示す図である。
図7Aにおいて、熱酸化法により、結晶面(100)面の
シリコン基体100に、二酸化シリコン膜200を形成
する。次に、公知のホトリソグラフィ法により、(11
0)方向に、二酸化シリコン膜200を部分的に除去し
た窓を開ける。さらに、例えば特公昭45−17988 号公報
で公知の異方性エッチング方法により、分離溝300
a,300b,300cを形成する。これら分離溝の形
状は、(111)面で囲まれたV字形となり、(110)方
向からみた溝形状の変化は、異方性エッチング方法の特
徴から、自動的に停止する。
【0004】図7Bにおいて、再び二酸化シリコン膜2
00を形成後、例えば気相成長法により、その上に支持
体となる多結晶シリコン400を形成する。
【0005】次に、シリコン基板100をA−Aの位置
まで研磨し除去すると、図7Cの構造の誘電体分離基体
1000が得られる。ここで、単結晶島100a〜10
0dは、二酸化シリコン膜200a〜200dで絶縁さ
れ、多結晶シリコン400で支持されている。
【0006】図7Dにおいて、公知の拡散技術,ホトリ
ソグラフィ技術,金属配線膜の形成技術により、電極5
00を形成し、半導体集積回路装置を得る。
【0007】図8は、異方性エッチング方法によって形
成されるシリコン基体の表面構造を示す斜視図である。
単結晶の(100)面を主表面とするシリコン基体100
に、(110)方向の分離溝300を設ける。エッチング
液のマスク材である二酸化シリコン膜200の幅をWと
し、エッチングの最終的な溝深さをdmとすると、溝は
(111)面で囲まれたV字形となり、結晶学的には、 dm≒L/(√2)…………………………………………………(1) の関係にある。直線的な溝の部分では、最もエッチング
速度の遅い(111)面が出た時点で、エッチングが停止
するため、形状精度の良いV字形の溝ができる。しか
し、分離溝同士が交差する部分では、(100),(11
1)面に加え、第3の結晶面(hkl)が現われる。この
面の指数については、エッチング条件により諸説があ
り、明らかでない。この結晶面(hkl)のエッチング速
度は、(100)や(111)面と比較して、 (111)≪(hkl)<(100) …………………………………(2) の関係にあり、エッチングが比較的速く進むことが知ら
れている。(hkl)面が著しくエッチングされると、単
結晶島の角の部分の侵食が激しくなり、素子形成領域が
小さくなる。
【0008】そこで、例えば特公昭45−17988 号公報に
示されるように、補償パターン600を設け、(hkl)
面の後退を防止する方法が知られている。この方法で
は、エッチング液として、例えば水酸化カリウム(KO
H)水溶液とイソプロピルアルコール(IPA)との混合
液を70〜80℃に加熱した液を用いる。
【0009】図9は、誘電体分離基体1000の製造プ
ロセスのうち、この異方性エッチング方法を説明する図
である。図9Aにおいて、エッチング槽70内に所定濃
度のKOH水溶液とIPAとを加えたエッチング混合液
を入れ、マグネットスターラ75で撹拌し、ヒータ85
により所定温度に保つ。エッチング混合液中のIPAが
蒸発しやすいので、通常は、KOH水溶液内におけるI
PAの濃度を飽和溶解度以上にしてある。したがって、
エッチング槽70内には、主としてKOH水溶液からな
り飽和溶解状態のIPAを含むエッチング反応液80
と、主として過飽和となったIPAからなり少量のKO
H水溶液を含む液90すなわち浮遊IPA液90との二
つの液相が発生する。実際の装置においては、エッチン
グ槽70の上部に、IPAが蒸発して無くなるのを防止
するための冷却器を備えた蓋や、エッチング反応液80
の温度を測定する温度センサや、ヒータ85を温度制御
する温度調節器等が備えられているが、ここでは図示を
省略してある。
【0010】図9Bに示すように、所定温度に制御され
たエッチング槽70において、ウエハホルダ150に収
められたシリコン基体100を、浮遊IPA液90を通
過させながら、エッチング反応液80に浸漬させ、図9
Cの状態で、エッチングを行なう。
【0011】図8,図9を参照して、このような従来技
術による異方性エッチング方法の問題点を説明する。
(2)式の関係から、(hkl)面のエッチング速度が、
(111)面と比べて、比較的大きい。このため、単結晶
島の角の部分の減少防止を目的として、二酸化シリコン
膜200からなる補償パターン600が設けられてい
る。図8において、この単結晶島の角部分の減少量に関
して、補償パターン600の対角の先端から単結晶島の
角の先端までの距離Xをコーナ侵食量と定義する。この
コーナ侵食量Xのばらつきにより、素子特性に次のよう
な影響が生じる。 1.コーナ侵食量Xがオーバエッチングされた場合、拡
散領域が単結晶島からはみ出してしまい、この素子の耐
電圧特性が低下する。 2.コーナ侵食量Xが所定量に達していない場合、すな
わちエッチング不足のとき、単結晶島同士が分離され
ず、隣に形成される半導体素子の電気的影響を受けるの
で、やはり高耐電圧特性が得られなくなる。
【0012】図9に示す従来のエッチング方法で処理し
た場合、例えば、目標コーナ侵食量X=40μmに対し
て、ばらつき幅が±30%程度の大きなゆらぎが生じて
しまう。その原因は、図9Bにおいて、被エッチング物
であるシリコン基体すなわちウエハ100が、エッチン
グ反応液80に到達する前に、必ず浮遊IPA液90に
触れてしまうことである。
【0013】シリコン基体100の表面に過剰なIPA
が付着すると、エッチング反応液80に浸漬しても、こ
の過剰なIPAをすぐには除去できない。エッチング反
応液80は、既にIPAの溶解度が飽和状態になってい
るからである。つまり、反応初期にはIPAの薄膜が1
枚のシリコンウエハ100の表面で不均一に付着し、ま
たは反応初期にはIPAの薄膜がウエハホルダ150内
に収納された複数のウエハ間で不均一に付着し、または
反応途中には一度付着したIPAの薄膜がエッチング反
応液80中で徐々に剥離されるときの剥離量が各ウエハ
においてまたは複数のウエハ間で不均一となるため、反
応速度にばらつきが生じ、コーナ侵食量Xにゆらぎが生
じるのである。
【0014】図9Bに示すように、シリコン基体100
を投入する前に、浮遊IPA液をひしゃくやビーカ等の
容器ですくいとる方式もあるが、一般的に容器内の水の
表面についた油膜を完全にすくいとることが不可能であ
ると同様に、このすくいとり作業も完全な対策ではなか
った。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】シリコン基体100を
エッチング反応液80にのみ触れさせるようにしてコー
ナ侵食量Xのばらつきを低減をするために、例えば、特
公平1−36982号公報が、図10に示す方式を提案してい
る。この方式は、エッチング反応装置51の他に飽和I
PA濃度作成装置52を設け、両装置をポンプP1,P2
で接続してエッチング反応液80のみを循環させ、浮遊
IPA相の無いエッチング反応装置51内でエッチング
を行なうものである。
【0016】図10の方式でも、コーナ侵食量のばらつ
きを低減させる機能は、ある程度達成されるが、実際の
装置製作およびコストダウンの観点からは問題があっ
た。まず、ほぼ同一構造のエッチング反応装置51と飽
和IPA濃度作成装置52との2台が必要であり、装置
構成が大がかりになり、設置スペースにも無駄が多かっ
た。また、それに伴い、シリコン基体すなわちウエハ1
枚当りの処理費用としてのエッチング反応液も当然2倍
となり、ランニングコストに問題があった。さらに、マ
グネットスターラ13とその撹拌子54による撹拌方式
では、エッチング反応液5を渦乱流状態としてしまい、
各ウエハ1の表面位置によってはまた複数のウエハ間で
も、均一な状態のエッチング反応液5によるエッチング
が困難となり、コーナ侵食量の制御精度には限界があっ
た。
【0017】本発明の目的は、誘電体分離シリコン基体
の製造工程における異方性エッチング時に、単純な装置
系統構成で、侵食量寸法を高精度に制御できるエッチン
グ装置を提供することである。
【0018】本発明の他の目的は、誘電体分離シリコン
基体の製造工程における異方性エッチング時に、侵食量
寸法を高精度に制御できるエッチング方法を提供するこ
とである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、エッチング槽内で比重の大きい第1成分
に比重の小さい第2成分が少量混合した第1相とこの第
1相上に積層され第2成分に第1成分が少量混合した第
2相とからなるエッチング液により第1相内に浸漬した
半導体基体をエッチングする装置において、第2相の下
端よりも低い仕切りによりエッチング槽と区分されたオ
ーバフロー堰と、半導体基体の浸漬に先立ち仕切りより
も上の第1相および第2相からなるエッチング液をオー
バフロー堰から吸引し回収する手段と、半導体基体の浸
漬後に前記回収したエッチング液を仕切りよりも高い位
置からエッチング槽に再供給する手段とを備えた半導体
基体のエッチング装置を提案する。
【0020】エッチング中はエッチング液の第1相をオ
ーバフロー堰から吸引し液温管理等の所定の処理を施し
てエッチング槽の底部から供給し循環させるエッチング
液循環手段を、前記回収の後でかつ半導体基体の浸漬に
先立ちエッチング液をエッチング槽の底部から供給し液
面に残る第2相の薄い膜を排除する手段として兼用する
と、第2相の排除がより完全になる。
【0021】なお、シリコン基体をエッチング反応液に
投入する際に浮遊IPA液を完全に排除する手段として
は、オーバフロー堰に代えて、浮遊IPA層を吸引する
パイプ等を採用してもよい。
【0022】また、前記エッチング槽底部付近で自ら低
速回転し前記エッチング槽内のエッチング液の流動方向
を変えさせ層流状態にする扁平断面の流動方向制御手段
を備えることも望ましい。エッチング反応液を均一な層
流状態にする手段としては、低速回転する扁平断面のシ
ャフトに代えて、エッチング反応液の供給点上で揺動す
るガイド板を用いることができる。さらに、それぞれ流
量調整バルブを備えた多数のエッチング反応液供給管を
エッチング槽底部に整列配置することも可能である。
【0023】エッチング槽内に浸漬セットされるウエハ
ホルダとウエハホルダ内のシリコン基体との間に所定の
すきまを与える載置台を備えるようにしてもよい。
【0024】本発明は、また、上記他の目的を達成する
ために、エッチング槽内で比重の大きい第1成分に比重
の小さい第2成分が少量混合した第1相とその第1相上
に積層され第2成分に第1成分が少量混合した第2相と
からなるエッチング液により第1相内に浸漬した半導体
基体をエッチングする方法において、第1相および第2
相をエッチング槽周囲に配置したオーバフロー堰から排
除し、循環ポンプによりエッチング液全体を押し上げ
て、エッチング槽最上部にごく薄い層としてまだ残って
いる第2相をオーバフロー堰にあふれださせて排除し、
シリコン基体を浸漬し、エッチングする半導体基体のエ
ッチング方法を提案する。
【0025】シリコン基体を浸漬した後に、排除してあ
るエッチング液の第2相を第1相の上に戻し、エッチン
グすることは、より望ましい。
【0026】
【作用】本発明においては、シリコン基体をエッチング
反応液に投入する際に浮遊IPA液を完全に排除する手
段と、エッチング反応液を各ウエハのどの位置にも均等
に作用させまたウエハホルダ内の複数のウエハ間に均等
な流速状態で作用させる手段とを採用している。 1.シリコン基体をエッチング反応液に投入する際、浮
遊IPA液を完全に排除する手段 エッチング反応液と浮遊IPA液とを、エッチング槽周
囲に配置したオーバフロー堰から排除する。次に、循環
ポンプにより、浮遊IPA液下層部のエッチング反応液
全体を押し上げて、エッチング槽最上部にごく薄い層と
してまだ残っている浮遊IPA液をオーバフロー堰から
完全に排除する。この排除によりシリコン基体表面への
IPA付着は全く無くなり、その状態で浸漬されたシリ
コン基体の浸食量を正確に制御できる。したがって、従
来技術の余分な処理槽が不必要となり、単純な装置系統
構成で、侵食量寸法を高精度に制御できる簡略なエッチ
ング装置が得られる。
【0027】2.エッチング反応液を各ウエハ表面に均
等に作用させまたウエハホルダ内の複数のウエハ間に均
等な流速状態で作用させる手段すなわちエッチング反応
液をより均一に流れさせる手段 シリコン基体すなわちウエハを高精度にエッチング処理
するには、エッチング反応液を、各ウエハ表面で均等に
しかもウエハホルダ内の複数のウエハ間に均等な流速状
態で作用させなければならない。本発明においては、ウ
エハホルダ下部とエッチング槽底部との中間に、例えば
磁力利用回転手段により回転させられる扁平断面の例え
ば長円形のシャフトを配置し、低速回転させるようにし
てある。この低速回転する扁平断面のシャフトにより、
エッチング槽底部から供給されたエッチング反応液は、
渦乱流とならず、常時流動方向を制御されながら、下部
から上部へと流動する層流となる。したがって、シリコ
ン基体をエッチング反応液に投入する際に浮遊IPA液
を完全に排除する手段とあいまって、さらに高精度にエ
ッチング処理できる。
【0028】
【実施例】図1〜図3を参照して、本発明による半導体
基体のエッチング装置の一実施例を説明する。図1は、
本発明による半導体基体のエッチング装置の一実施例の
系統構成を示す図、図2は、図1実施例のA−A断面を
示す図、図3は、浮遊IPA液を完全排除し、再供給す
る動作を説明する図である。
【0029】水酸化カリウム(KOH)水溶液と飽和濃度
に溶解しているイソプロピルアルコール(IPA)との混
合液であるエッチング反応液5と過飽和状態の浮遊IP
A液6とは、石英ガス材等で形成されるエッチング槽3
およびエッチング槽3上部周囲に配置されたオーバフロ
ー堰4の中に、図1に示した高さ方向の位置関係になる
よう投入される。シリコン基体1は、ウエハホルダ2に
多数枚載置され、エッチング槽3の中に収納される。そ
の際、シリコン基体1は、図2に示す載置台24によ
り、ウエハホルダ2との間にすきまδを持つようになっ
ている。整流板22は、エッチング槽3の底部から循環
供給されるエッチング反応液5を全域に亘って下部から
上部へ層流状態で流動させるために多数の穴が開けら
れ、石英ガラス材等で形成されている。整流板22と載
置台24との間には、断面が長円形のシャフト23が配
備されている。長円形シャフト23は、マグネットカッ
プリング25を動力伝達として、エッチング槽3の外部
から回転数制御可能なモータ26によりごく低回転させ
られる。整流板22から供給されてきたエッチング反応
液は、長円形シャフト23の回転により、その流動方向
を変えられ、前記すきまδの効果もあいまって、シリコ
ン基体1内全面および多数枚のシリコン基体間にエッチ
ング液として均等に作用し、高精度なエッチングを達成
する。
【0030】次に、エッチング反応液5の循環システム
について説明する。エッチング反応液5のみが、オーバ
フロー堰4の底部から、循環配管7を経由し、循環ポン
プ8により吸入される。循環ポンプ8に吸入されたエッ
チング反応液は、ヒータ9,フィルタ12,流量計13
を経由し、循環配管7Aから、エッチング槽3の底部に
戻される。ヒータ9は、温度センサ11が検出した温度
に基づき温度調節器10により制御され、エッチング反
応液5を所定温度例えば75℃に保つ。なお、オーバフ
ロー堰4の上部には、開閉可能な蓋構造で、蒸発IPA
を冷却し回収するコンデンサすなわち水冷蛇管式冷却器
27が設置されている。
【0031】次に、図1および図3により、シリコン基
板1を浮遊IPA液6に接触させずに、エッチング反応
液5に到達させ浸漬させるための浮遊液IPA液6の排
出手段を説明する。図3Aの初期状態において、循環ポ
ンプ8を停止させ、循環配管7の途中Bから分岐した排
出配管14のバルブ15を開くと、エッチング反応液5
と浮遊IPA液6の両者が同時に排出されてしまう。そ
の結果、図3Bに示すように、エッチング槽3にはエッ
チング反応液5のみ残っている状態となるが、表面には
ごく薄い厚さのIPA膜6Aが残留する。そこで図3C
に示すように、図3Aの状態で停止させた循環ポンプ8
を再稼動させる。すると、循環ポンプ8の吐出口からエ
ッチング槽3の底部まで接続されている各々機器に残留
しているエッチング反応液5のみが、エッチング槽3底
部から押し上げられる。したがって、ごく薄いIPA膜
6Aを完全に排除できる。本実施例によると、循環ポン
プ8の作動時間は10秒以下で充分であった。図3Cの
状態が達成された後、シリコン基体1を載せたウエハホ
ルダ2をエッチング槽3に投入して浸漬させると、シリ
コン基体1の表面へのIPAの付着を完全に防止でき
る。
【0032】このシリコン基体1を浸漬させたのち、エ
ッチングが開始される。その際に、エッチング反応液5
の上層に浮遊IPA液6の層を形成することが必要であ
る。昇温されたエッチング反応液5中の水分蒸発が蒸発
しても、KOH濃度および飽和IPA濃度を所定値に保
ち、エッチング速度を均一にするためである。本実施例
においては、図3A,Bの段階で排出したエッチング反
応液5と浮遊IPA液6との混合液を、ヒータ16を巻
きつけた補給タンク17に回収するようにしている。シ
リコン基体1を浸漬させたのち、バルブ15を閉じ、次
にバルブ18を開き、窒素19を供給すると、配管20
から補給タンク17に加圧され、補給タンク17内の混
合液5,6は、再び再供給配管21を経由し、エッチン
グ槽3に供給され、最終的には、図1に示すように、エ
ッチング反応液5中にはシリコン基体1のみが浸漬さ
れ、エッチング反応液5上層には元通りの浮遊IPA液
6が形成され、あとは所要時間だけエッチング処理され
る状態となる。この再供給手段により、新たなエッチン
グ混合液5,6をエッチング反応液5につけ足す必要も
なくなり、補材費低減に有効となる。
【0033】本実施例によれば、図8の目標コーナ侵食
量X=40μmについて、ばらつき幅が、従来の±30
%から約1/5の6%程度に低減される。
【0034】なお、シリコン基体をエッチング反応液に
投入する際に浮遊IPA液を完全に排除する手段として
は、オーバフロー堰に代えて、図4に示すように、浮遊
IPA層を吸引する吸引パイプ28等を採用してもよ
い。
【0035】また、エッチング反応液を均一な層流状態
にする手段としては、低速回転する扁平断面のシャフト
に代えて、図5に示すように、エッチング反応液の供給
点上で揺動するガイド板29を使用できる。駆動源29
Aは、紙面に垂直な揺動軸に直接設けることも、図5に
示すように、側方に設けることもできる。
【0036】さらに、エッチング反応液を均一な層流状
態にする手段としては、低速回転する扁平断面のシャフ
トに代えて、図6に示すように、流量調整バルブ30を
それぞれ備えた多数のエッチング反応液供給管をエッチ
ング槽3の底部に整列配置することも可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、シリコン基体をエッチ
ング反応液に投入する際に浮遊IPA液を完全に排除す
る手段を備えているので、従来技術の余分な処理槽が不
必要となり、単純な装置系統構成で、侵食量寸法を高精
度に制御できる簡略なエッチング装置が得られる。
【0038】さらに、エッチング反応液を各ウエハのど
の位置にも均等に作用させまたウエハホルダ内の複数の
ウエハ間に均等な流速状態で作用させる手段を備えてい
るから、エッチング槽底部から供給されたエッチング反
応液は、渦乱流とならず、常時流動方向を制御されなが
ら、下部から上部へと流動する層流となる。したがっ
て、シリコン基体をエッチング反応液に投入する際に浮
遊IPA液を完全に排除する手段とあいまって、さらに
高精度にエッチング処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体基体のエッチング装置の一
実施例の系統構成を示す図である。
【図2】図1の実施例のA−A断面を示す図である。
【図3】浮遊IPA液を完全排除し、再供給する動作を
説明する図である。
【図4】浮遊IPA層を吸引する手段の一例を示す図で
ある。
【図5】エッチング反応液のガイドの駆動方式の他の実
施例を示す図である。
【図6】均一な層流状態を実現する他の実施例を示す図
である。
【図7】誘電体分離方式を採用した高耐圧大電流集積回
路の製造工程の一例を示す図である。
【図8】異方性エッチング方法によって形成されるシリ
コン基体の表面構造を示す斜視図である。
【図9】誘電体分離基体の製造プロセスのうち、異方性
エッチング方法を説明する図である。
【図10】エッチング反応装置の他に飽和IPA濃度作
成装置を設け、エッチング反応液のみを循環させ、浮遊
IPA相の無いエッチング反応装置内でエッチングを行
なう従来の装置の系統構成を示す図である。
【符号の説明】
1 シリコン基体(ウエハ) 2 ウエハホルダ 3 エッチング槽 4 オーバフロー堰 5 エッチング反応液5 6 浮遊IPA液 7 循環配管 8 循環ポンプ 9 ヒータ 10 温度調節器 11 温度センサ 12 フィルタ 13 流量計 14 排出配管 15 バルブ 16 ヒータ 17 補給タンク 18 バルブ 19 窒素 20 配管 21 再供給配管 22 整流板 23 扁平断面(長円形)シャフト 24 載置台 25 マグネットカップリング 26 モータ 27 水冷蛇管式冷却器 28 吸引パイプ 29 揺動ガイド 30 流量調整バルブ P1,P2 ポンプ 51 エッチング反応装置 52 飽和IPA濃度作成装置 53 マグネットスターラ 54 撹拌子 70 エッチング槽 75 マグネットスターラ 80 エッチング反応液 85 ヒータ 90 浮遊IPA液 100 シリコン基体 100a,100b,100c 単結晶島 150 ウエハホルダ 200 二酸化シリコン膜 200a,200b,200c 二酸化シリコン膜 300 分離溝 300a,300b,300c 分離溝 400 多結晶シリコン 500 電極 600 補償パターン 1000 誘電体分離基体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 泰男 茨城県日立市会瀬町二丁目9番1号 日 立設備エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−213133(JP,A) 特開 昭60−125282(JP,A) 実開 昭62−32531(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304,21/306

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エッチング槽内で比重の大きい第1成分
    に比重の小さい第2成分が少量混合した第1相と当該第
    1相上に積層され前記第2成分に前記第1成分が少量混
    合した第2相とからなるエッチング液により前記第1相
    内に浸漬した半導体基体をエッチングする装置におい
    て、 前記第2相の下端よりも低い仕切りにより前記エッチン
    グ槽と区分されたオーバフロー堰と、 前記半導体基体の浸漬に先立ち前記仕切りよりも上の前
    記第1相および第2相からなるエッチング液を前記オー
    バフロー堰から吸引し回収する手段と、 前記半導体基体の浸漬後に前記回収したエッチング液を
    前記仕切りよりも高い位置から前記エッチング槽に再供
    給する手段とを備えたことを特徴とする半導体基体のエ
    ッチング装置。
  2. 【請求項2】 エッチング槽内で比重の大きい第1成分
    に比重の小さい第2成分が少量混合した第1相と当該第
    1相上に積層され前記第2成分に前記第1成分が少量混
    合した第2相とからなるエッチング液により前記第1相
    内に浸漬した半導体基体をエッチングする装置におい
    て、 前記第2相の下端よりも低い仕切りにより前記エッチン
    グ槽と区分されたオーバフロー堰と、 前記半導体基体の浸漬に先立ち前記仕切りよりも上の前
    記第1相および第2相からなるエッチング液を前記オー
    バフロー堰から吸引し回収する手段と、 前記回収の後でかつ前記半導体基体の浸漬に先立ちエッ
    チング液を前記エッチング槽の底部から供給し液面に残
    る前記第2相の薄い膜を排除し、エッチング中は前記エ
    ッチング液の第1相を前記オーバフロー堰から吸引し液
    温管理等の所定の処理を施して前記エッチング槽の底部
    から供給し循環させるエッチング液循環手段と、 前記半導体基体の浸漬後に前記回収したエッチング液を
    前記仕切りよりも高い位置から前記エッチング槽に再供
    給する手段とを備えたことを特徴とする半導体基体のエ
    ッチング装置。
  3. 【請求項3】 エッチング槽内で比重の大きい第1成分
    に比重の小さい第2成分が少量混合した第1相と当該第
    1相上に積層され前記第2成分に前記第1成分が少量混
    合した第2相とからなるエッチング液により前記第1相
    内に浸漬した半導体基体をエッチングする装置におい
    て、 前記第2相内および当該の下端よりも低い位置に吸い込
    み孔を有する吸引パイプと、 前記半導体基体の浸漬に先立ち前記第1相および第2相
    からなるエッチング液を前記吸引パイプから吸引し回収
    する手段と、 前記半導体基体の浸漬後に前記回収したエッチング液を
    前記第1相よりも高い位置から前記エッチング槽に再供
    給する手段とを備えたことを特徴とする半導体基体のエ
    ッチング装置。
  4. 【請求項4】 エッチング槽内で比重の大きい第1成分
    に比重の小さい第2成分が少量混合した第1相と当該第
    1相上に積層され前記第2成分に前記第1成分が少量混
    合した第2相とからなるエッチング液により前記第1相
    内に浸漬した半導体基体をエッチングする方法におい
    て、 前記第1相および第2相をエッチング槽周囲に配置した
    オーバフロー堰から排除し、 シリコン基体を浸漬し、 エッチングすることを特徴とする半導体基体のエッチン
    グ方法。
  5. 【請求項5】 エッチング槽内で比重の大きい第1成分
    に比重の小さい第2成分が少量混合した第1相と当該第
    1相上に積層され前記第2成分に前記第1成分が少量混
    合した第2相とからなるエッチング液により前記第1相
    内に浸漬した半導体基体をエッチングする方法におい
    て、 前記第1相および第2相をエッチング槽周囲に配置した
    オーバフロー堰から排除し、 循環ポンプによりエッチング液全体を押し上げて、前記
    エッチング槽最上部にごく薄い層としてまだ残っている
    前記第2相を前記オーバフロー堰にあふれださせて排除
    し、 シリコン基体を浸漬し、 エッチングすることを特徴とする半導体基体のエッチン
    グ方法。
  6. 【請求項6】 エッチング槽内で比重の大きい第1成分
    に比重の小さい第2成分が少量混合した第1相と当該第
    1相上に積層され前記第2成分に前記第1成分が少量混
    合した第2相とからなるエッチング液により前記第1相
    内に浸漬した半導体基体をエッチングする方法におい
    て、 前記第1相および第2相をエッチング槽周囲に配置した
    オーバフロー堰から排除し、 循環ポンプによりエッチング液全体を押し上げて、前記
    エッチング槽最上部にごく薄い層としてまだ残っている
    前記第2相を前記オーバフロー堰にあふれださせて排除
    し、 シリコン基体を浸漬し、 前記排除したエッチング液の第2相を前記第1相の上に
    戻し、 エッチングすることを特徴とする半導体基体のエッチン
    グ方法。
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