JP3122640U - ねじ締め用締結部品 - Google Patents

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博道 草深
秀雄 山崎
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株式会社アプト
日本ファスナー工業株式会社
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Abstract

【課題】 締結時、ねじ締め用締結部品の圧接座面の一部を結部品の外周からはみ出すように塑性変形させ、締結力を目視により確認できるようにする。
【解決手段】 被締結体3への頭付ボルト1の頭部14における圧接座面14aの外周部に、凸起部16が所定間隔を置いて複数個立設されており、締結時、頭付ボルト1による所定の軸力で凸起部16が被締結体6の当接面との間で塑性変形されて、その塑性変形した凸起部16の一部が頭部の外周からはみ出した変形量により締結軸力が判定できるようにした。
【選択図】図2

Description

本考案は、被締結体を固定部材などに締結する際に用いる頭付ボルト、ナット、座金などのねじ締め用締結部品に関する。
従来、この種のねじ締め用締結部品にあっては、頭付ボルトと被締結体との間に座金を介装して適宜締結治具で頭付ボルトをねじ締めして、頭付ボルトの頭部下面を座金を介して被締結体に押し付け、その軸力による締付抵抗で締結するように構成されている。
ところが、上記したように単に座金を介した頭付ボルトのねじ締めによる被締結体の締結手段では、軸力が計れるトルクレンチを用いずに普通の締付治具を用いて締結作業を行う場合、作業者独自の感をたよりにその締結力を加減して締結作業を行うため頭付ボルトの締め付けによる軸力にバラツキあり、どの程度の軸力が座金にかかっているか判断しずらいものであった。そのため、普通の締付治具を用いて締結作業を行う場合、一定の軸力で締結することが非常に困難で頭付ボルトによる締め付けが弱いと振動や何らかの外力がかかった場合に緩みが発生するといった重大な問題があった。また、頭付ボルトを仮止めしたまま本締めを忘れたようなとき、これを目で見て確認しずらい問題も有していた。
そこで、本考案は、普通の締付治具を用いて締結する時、ねじ締め用締結部品に設けた凸起部をその一部が締結部品における圧接座面の外周からはみ出すように塑性変形させることにより、所定の軸力で締め付けが行われたかどうかを目視により簡単容易に確認することができ、その上、頭付ボルトの締め忘れも目視により直ちにかつ容易に確認できるねじ締め用締結部品の提供を課題とする。
また、他の課題は凸起部が塑性変形した場合、変形した凸起部が圧接座面と面一状になるように工夫したねじ締め用締結部品を提供することにある。
上記した問題を解決するために、本願の請求項1の考案は、頭付ボルト、ナット、座金などのねじ締め用締結部品の被締結体への圧接座面における外周部に、締結部品の軸方向外方に突出する凸起部が所定間隔を置いて複数個立設されており、締結時、頭付ボルトによる所定の軸力で上記凸起部が被締結体の当接面との間で塑性変形されて、その塑性変形した凸起部の一部が締結部品の外周からはみ出した変形量により締結軸力が判定できることを特徴とする。
また、本願の請求項2の考案は、請求項1の構成に加えて、凸起部が塑性変形した場合、変形した凸起部が圧接座面と面一状になるように圧接座面における各凸起部の周りにその変形した凸起部を適当量吸収する逃げ溝が設けられていることを特徴とする。
さらに、本願の請求項3の考案は、請求項2の構成に加えて、凸起部の変形状態又はその量を、目視検査できると共にトルク又は軸力の変化により変動する電流数値にて判断し、求める数値にて締結を停止させるセンサーをもったデジタル表示付きのレンチにて締結することにより目視検査とデジタル表示された数値との二重のチェックが行えるように設定した締結軸力判定の凸起部を有していることを特徴とする。
本考案によれば、ねじ締め用締結部品の被締結体への圧接座面における外周部に、締結部品の軸方向外方に突出する凸起部が所定間隔を置いて複数個立設されており、締結時、頭付ボルトによる所定の軸力で上記凸起部が被締結体の当接面との間で塑性変形されて、その塑性変形した凸起部の一部が締結部品の外周からはみ出した変形量により締結軸力が判定可能できるようにしたから、トルクレンチを用いずに普通の締付治具を用いて頭付ボルトを締め付けて締結する時、締結部品の座面に設けた凸起部の一部が締結部品の外周からはみ出すように塑性変形させることにより、所定の軸力で締め付けが行われたかどうかを目視により簡単容易に確認することができ、締結力不足による問題を解消できる。特に、高層ビルでも遠くから望遠鏡にて一目で締結軸力の検査が行える。また、頭付ボルトの締め忘れも目視により直ちにかつ容易に確認することができる。
また、凸起部が塑性変形した場合に圧接座面と面一状になるよう圧接座面における各凸起部の周りに変形量を吸収する逃げ溝を設けるようにすれば、締結時、塑性変形した凸起部が上記逃げ溝内に逃げ込むと共にその一部が座金本体の外周からはみ出した状態で座金本体の下面と面一状になるのであり、これにより座金本体の下面と被締結体との隙間をなくして体裁をよくすることができると共に、座金本体の下面全面で被締結体を均等状に締め付けることができるので好ましい。
さらに、凸起部の変形状態又はその量を、目視検査できると共にトルク又は軸力の変化により変動する電流数値にて判断し、求める数値にて締結を停止させるセンサーをもったデジタル表示付きのレンチ(図示せず)にて締結することにより目視検査とデジタルの二重のチェックが行えるように設定した締結軸判定の凸起部を備えるようにすれば、所定の軸力で締め付けが行われたかどうかを目視検査とデジタル表示とによるの二重のチェックにより一層確実に行うことができるので好ましい。
以下、本考案の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本考案の頭付ボルト1と通常のナット2を用いて被締結体3を固定側部材4に締結する前の状態を示す。頭付ボルト1は、ねじ部11を有する軸部12と鍔部13を備えた円形の頭部14とからなり、頭部14の上面には六角凹部15が形成されている。そして、図1及び図3に示すように頭付ボルト1の頭部14の圧接座面14aには、下方に突出する凸起部16…16が所定間隔を置いて複数個立設されていると共に、各凸起部16…16の周りにそれぞれ逃げ溝17…17が形成されており、締結時、頭付ボルト1による所定の軸力で上記凸起部16…16が被締結体2の上面との間で塑性変形されて、その塑性変形した凸起部16…16が上記逃げ溝17…17内に逃げ込むと共にその一部が頭部14の外周からはみ出した膨出16a状態で頭部14の圧接座面14aと面一状になるように構成されている。また、図に示す実施の形態では上記各凸起部16…16を軟化焼鈍しなどにより塑性変形可能な低硬度に設定して、頭付ボルト1による所定の軸力で上記凸起部16…16のみを頭部14と被締結体3の上面との間で塑性変形させるように構成している。
ナット2は中心部にねじ孔21をもつ六角形状のものであり、また、被締結体3及び固定側部材4にはそれぞれ頭付ボルト1における軸部の挿通可能な挿通孔31,41が形成されている。
次に上記した頭付ボルト1の作用について説明する。
図1に示すように固定側部材4の挿通孔41に被締結体3の挿通孔31を重ね合わせる。そして、頭付ボルト1の軸部12を被締結体3の挿通孔31から固定部材4の挿通孔41に差し込み、その差し込んだ軸部12のねじ部11の先端にナット2を螺合して仮止めする。その後、頭部14の六角凹部15に係合する普通の締付治具(図示せず)を用いて頭付ボルト1を締め付け方向に回転させる。これにより、頭付ボルト1のねじ部11をナット2のねじ孔21にねじ込んで被締結体3を固定部材4に締結する。
この締結時、頭付ボルト1には、頭部14の圧接座面14aに、下方に突出する凸起部16…16が所定間隔を置いて複数個立設されていると共に、各凸起部16…16の周りにそれぞれ逃げ溝17…17が形成されているから、トルクレンチを用いずに普通の締付治具を用いて頭付ボルト1を締め付けて締結する時、図2に示すように頭付ボルト1による所定の軸力で上記凸起部16…16が被締結体3の上面との間で塑性変形され、その塑性変形された凸起部16…16が上記逃げ溝17…17内に逃げ込むと共にその一部が頭部14の外周からはみ出した膨出16a状態で頭部14の圧接座面と面一状になる。このように頭付ボルト1の頭部14に設けた凸起部16…16の一部を頭部14の外周からはみ出すように塑性変形させることによって、そのはみ出した変形量により締結軸力が判定可能でき、これにより所定の軸力で締め付けが行われたかどうかを目視により簡単容易に確認することができる。その結果、締結力不足による頭付ボルト1の緩みなどの不具合を解消することができる。特に、高層ビルなどに使用した場合でも遠くから望遠鏡にて一目で締結軸力の検査が行える。また、頭付ボルト1の締め忘れも目視により直ちにかつ容易に確認することができる。
また、各凸起部16…16の周りにそれぞれ逃げ溝17…17を形成して、締結時、塑性変形した凸起部16…16が上記逃げ溝17…17内に逃げ込むと共にその一部が頭部14の外周からはみ出した膨出16a状態で頭部14の圧接座面14aと面一状になるように構成しているので、頭部14の圧接座面14aと被締結体3との隙間をなくして体裁をよくすることができると共に、頭部14の逃げ溝17…17を含む座面全面で被締結体3を均等状に締め付けることができる。
さらに、凸起部16の変形状態又はその量を、目視検査できると共にトルク又は軸力の変化により変動する電流数値にて判断し、求める数値にて締結を停止させるセンサーをもったデジタル表示付きのレンチ(図示せず)にて締結することにより目視検査とデジタルの二重のチェックが行えるように設定した締結軸力判定の凸起部16を備えるようにすれば、所定の軸力で締め付けが行われたかどうかを目視検査とデジタル表示とによるの二重のチェックにより一層確実に行うことができるので好ましい。
以上の実施の形態では、鍔部13を備えた円形の頭部14をもつ頭付ボルト1に適用した場合について説明したけれども、図5及び図6に示すものは6角頭部14Aをもつ鍔部なしの頭付ボルト1Aに適用したもので、凸起部16A…16Aと逃げみそ部17A…17Aを6角頭部14Aの各角部に設けるように構成したものである。この場合にも軸力の解るトルクレンチを用いず普通のスパナなどの締結治具を用いて締結する時、仮想線で示すように凸起部16Aが6角頭部14Aの外周からはみ出すように塑性変形し、先の実施の形態の場合と同様の作用及び効果が得られる。
以上の実施の形態では、頭付ボルト1に適用した場合について説明したけれども、例えば、頭部の下面に回転自由な座金5を一体的に備えた頭付ボルト1や、被締結体3との間に座金6を介装する場合にあっては、図7又は図8に示すように座金5や座金6の被締結体3への圧接座面5a又は6aに、下方に突出する凸起部51…51又は61…61を所定間隔を置いて複数個立設すると共に、各凸起部51…51又は61…61の周りにそれぞれ逃げ溝52…52又は62…62を形成してもよい。
このように構成した場合にも、普通の締付治具を用いて頭付ボルト1を締め付け締結する時、座金5又は6に設けた凸起部51…51又は61…61をその一部が図7又は図8において仮想線で示すように座金5又は6の外周からはみ出すように塑性変形させることになる。その結果、最初の実施の形態の場合と同様の作用及び効果が得られる。
さらに、以上の実施の形態では、頭付ボルト1又は座金5,6に適用した場合について説明したけれども、この他例えば図9に示すように鍔付ナット7や、図10に示す回転自由な座金9を一体的に備えたナット8にも適用できる。
その場合、まず、ねじ孔71をもつ鍔付ナット7については、圧接座面7a、つまり該ナット7の固定部材4を介する被締結体3側への圧接座面7aに、上方に突出する凸起部72…72を所定間隔を置いて複数個立設すると共に、各凸起部72…72の周りにそれぞれ逃げ溝73…73を形成すればよい。
次に、軸方向一端に座金9を回転自由に備えたナット8については、座金9の圧接座面9a、つまり該座金9の固定部材4を介する被締結体3側への圧接座面9aに、上方に突出する凸起部92…92を所定間隔を置いて複数個立設すると共に、各凸起部92…92の周りにそれぞれ逃げ溝93…93を形成すればよい。
これらの場合にも、普通の締付治具を用いてナット7又は座金9を備えたナット8を適宜ボルトの軸力で締め付けて締結する時、ナット7又はナット8に設けた凸起部72…72又は92…92をその一部がナット7又は座金9の外周からはみ出すように塑性変形させることになる。その結果、上記した最初の実施形態の場合と同様の作用及び効果が得られる。
また、上記した実施の形態ではいずれも各凸起部の周りにそれぞれ逃げ溝を形成したものについて説明したけれども、逃げ溝は体裁を良くする上で設けた方が好ましいが、必ずしも設けなくてもよい。また、凸起部の断面形状としては最初の実施の形態のように断面円形状のものや、その後の実施の形態のように三角すい形状や外周に沿って円弧に延びるブロック状のものなど各種の形状であってもよいことは勿論である。その場合、逃げ溝も凸起部の各種形状に応じて相似形状に形成するのが好ましい。また、凸起部の内面側をその基部から先端に向うに従ってやや外方傾斜させるようにしてもよい。このようにすれば、凸起部の頭部外方へはみ出しがより良好に行える。
さらに、上記した実施の形態では、ボルトの鍔部やナットの圧接座面或いは座金の形状を平面視円形としたけれども、何らかかる形状に限定されるものではなく、例えば6角形や12角形などの多角形状であってもよいことは勿論である。
本考案を適用した頭付ボルトの使用前の状態を示す一部縦断面図である。 同頭付ボルトの締結後の状態を示す一部縦断面図である。 同頭付ボルトの底面図である。 同頭付ボルトの締結後の状態を示す底面から見た説明図である。 6角頭付ボルトに適用した別の実施形態を示す説明図である。 6角頭付ボルトに適用した別の実施形態を示す説明図である。 頭付ボルトに備えた座金に適用した別の実施形態を示す説明図である。 座金に適用した別の実施形態を示す説明図である。 ナットに適用した別の実施形態を示す説明図である。 ナットに備えた座金に適用した別の実施形態を示す説明図である。
符号の説明
1 頭付ボルト
1A 頭付ボルト
2 ナット
3 被締結体
4 固定部材
5 座金
5a 圧接座面
6 座金
7 ナット
7a 圧接座面
9 座金
9a 圧接座面
14 頭部
14a 圧接座面
16 凸起部
16A 凸起部
17 逃げ溝
17A 逃げ溝
51 凸起部
52 逃げ溝
61 凸起部
62 逃げ溝
72 凸起部
73 逃げ溝
92 凸起部
93 逃げ溝

Claims (3)

  1. 頭付ボルト、ナット、座金などのねじ締め用締結部品の被締結体への圧接座面における外周部に、締結部品の軸方向外方に突出する凸起部が所定間隔を置いて複数個立設されており、締結時、頭付ボルトによる所定の軸力で上記凸起部が被締結体の当接面との間で塑性変形されて、その塑性変形した凸起部の一部が締結部品の外周からはみ出した変形量により締結軸力が判定できることを特徴とするねじ締め用締結部品。
  2. 凸起部が塑性変形した場合、変形した凸起部が圧接座面と面一状になるように圧接座面における各凸起部の周りにその変形した凸起部を適当量吸収する逃げ溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のねじ締め用締結部品。
  3. 凸起部の変形状態又はその量を、目視検査できると共にトルク又は軸力の変化により変動する電流数値にて判断し、求める数値にて締結を停止させるセンサーをもったデジタル表示付きのレンチにて締結することにより目視検査とデジタル表示された数値との二重のチェックが行えるように設定した締結軸力判定の凸起部を有していることを特徴とする請求項2に記載のねじ締め用締結部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113446368A (zh) * 2020-03-26 2021-09-28 住友重机械工业株式会社 减速装置

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