JP2020112263A - 緩み止め締結構造 - Google Patents

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栗原 泰久
Yasuhisa Kurihara
泰久 栗原
秀子 栗原
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秀子 栗原
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Abstract

【課題】 簡単安価な構成であっても、振動によりボルト部材またはナット部材が緩み方向に回転しようとしても、座金との相乗作用によって緩み止め作用を増加させることができる緩み止め締結構造を提供する。【解決手段】 緩み止め締結構造は、ボルト部材とナット部材5からなる締結具を螺合させて被締結体3を締結する。締結具5の頭部と被締結体3との間に座金4を介在させ、座金4の被締結体3に接合する座面4bは軸線Cに対して直行する平面に形成され、座金4の座面4bとは反対の座金接合面4cと、この座金接合面4cに接合する締結具5の頭部の頭部接合面5bを、雄ねじ及びナット部材の雌ねじ部のリード角θ2の傾斜方向に傾斜した平面に形成させ、被締結体3に接合する座面4bの接合面積を座金接合面4cの接合面積よりも大きくしたフランジ部4fを形成している。【選択図】図1

Description

本発明は、ナットおよびボルトからなる締結具により被締結体を締め付け固定する締結構造に関し、より詳細には好適な緩み止め作用を備えた緩み止め締結構造に関する。
部品、部材の締め付け固定に使用する締結部材として、ナットおよびボルトは種々の分野に広く使用されている。これらのナットおよびボルトは、部品、部材を締め付けて固定するためのものであるが、これらの締結部分に振動が繰り返して作用するとナットやボルトが緩むという問題があり、ナットやボルトの緩み止めを目的として、多種多様な手段や方法が提案され、一部が実用に供されている。
例えば、特許第4495849号公報(特許文献1)に開示された緩み止めナットは、ダブルナットによる緩み止め作用を応用したものであり、ネジ孔が形成された下ナットと上ナットとからなり、下ナットにはテーパ状の外周面を有する偏心した凸部を形成し、上ナットには、下ナットの凸部が嵌合する凹部を形成し、凸部と凹部とを偏心させることにより、両ナットをそれぞれネジ孔軸心に対して径方向にずらせ、ネジ軸に径方向の応力を作用させて緩み止めを行っている。
このようなダブルナット式の他に、座金を利用して緩み止めを行う構造も種々提案されている。例えば、特開2015−17657号公報(特許文献2)、特開2011−220387号公報(特許文献3)特開2016−223625号公報(特許文献4)及び、実用新案登録第3113151号公報(特許文献5)に開示された緩み止めナットは、ナットの座面及び座金の表面にボルトの回転方向を許容する傾斜面と、ボルトの回転を阻止する回転阻止部を円周方向に複数並べて形成し、各々の回転阻止部に嵌入させることにより廻り止めを行うようにしている。
また、座金を利用して緩み止めを行う他の方法として、特開平10−153211号公報(特許文献6)に開示された緩み止めナットは、リング状のワッシャーの一方の面を緩やかな傾斜面に形成し、ナットを螺合して締め付けたとき、ナットが傾斜面によって傾斜させることにより、ボルトに対する面圧を高めて緩み止めを行うようにしている。
特許第4495849号公報 特開2015−17657号公報 特開2011−220387号公報 特開2016−223625号公報 実用新案登録第3113151号公報 特開平10−153211号公報
特許文献1に例示した緩み止めナットは、いわゆるダブルナットを用いて緩み止めを行っているが、2個のナットとボルトのねじの向きが同じであり、振動が繰り返されると、2個のナットが回転することがあり、緩むという問題は依然として解消されない。また、2個のナットを使用すること、及び、個々のナットの構造が複雑になることから、コストが高騰する問題があり、一部の特殊な用途のみに使用され、汎用性に乏しい問題もある。
また、特許文献2〜5に例示した座金を使用した緩み止め構造は、ナットの座面及び座金の表面に傾斜面と回転阻止部を形成し、回転阻止部によって廻り止めを行うようにしているが、ナットを回転させて傾斜面を乗り越えて回転阻止部に嵌入したときには、ナットが軸方向の緩み方向に移動するため、ナットの緩み止め作用が低減するとともに、座金の摩擦力も低減する。このため、振動が繰り返されると、締め付け力が低下したナットと座金が一緒に回転するので、緩み止め効果を失う問題があった。
さらに、特許文献6に例示した座金を使用した緩み止め構造は、リング状のワッシャーの一方の面に緩やかな傾斜面に形成し、この傾斜面によってナットを傾斜させてボルトに対する面圧を高めるようにしている。しかし、ナットを傾斜させることによりボルトを強制的に屈曲させることになり、ボルトに対するストレスが増加するため、寿命を低下させる要因となる問題があった。また、ナットの一方面の全面をワッシャーの傾斜面に接合しない場合には、ナットがワッシャーの一部に当接するのみであり、摩擦力が著しく低下するため、やはり緩み止め効果を失うことが問題となる。
本発明が解決しようとする課題は、簡単安価な構成であっても、振動によりボルト部材またはナット部材が緩み方向に回転しようとしても、座金との相乗作用によって緩み止め作用を増加させることができる緩み止め締結構造を提供することにある。
そこで、本発明による緩み止め締結構造は、ボルト部材とナット部材からなる締結具を螺合させて被締結体を締結する締結構造であって、前記締結具の頭部と前記被締結体との間に座金を介在させ、前記座金の前記被締結体に接合する座面は軸線に対して直行する平面に形成され、前記座金の座面とは反対の座金接合面と、この座金接合面に接合する前記締結具の頭部の頭部接合面を、前記雄ねじ及びナット部材の雌ねじ部のリード角の傾斜方向に傾斜した平面に形成させ、前記被締結体に接合する前記座面の接合面積を前記座金接合面の接合面積よりも大きくしたフランジ部を形成したことを要旨としている。
また、前記締結具と前記座金は、同じ大きさの外形に形成され、前記座金の前記座面側に前記被締結体に接合する前記フランジ部を形成している。
さらに、前記締結具と前記座金には、締結時に前記座金の最も厚い頂部と前記締結具の最も薄い底部とを一致させるための指標を設けることが望ましい。
さらにまた、前記締結具の頭部接合面と前記座金の座金接合面の間には、締結時に前記座金の最も厚い頂部と前記締結具の最も薄い底部とを一致させる仮止め用接着剤の接着膜を塗布しておくことが望ましい。
本発明によれば、ボルト部材またはナット部材からなる締結具の頭部の頭部接合面と、この頭部接合面に接合するように被締結体との間に介在させた座金の座金接合面を傾斜した平面に形成し、被締結体に接合する座金の座面を軸線に対して直行する平面に形成することにより、振動が加えられたボルト部材またはナット部材の締結具が回動しようとするとき、頭部接合面と座金接合面が傾斜しているので、互いに離間しようとして座金の座面は被締結体に押圧して摩擦力が増大する一方、締結具は、雄ねじと雌ねじが押圧されて摩擦力が増大することから、締結具の回動変位が阻止される。この結果、締結具が不動となるので緩み止めを防止することができる。さらに、締結具の頭部接合面と座金接合面の傾斜角度をねじ部のリード角の傾斜方向に傾斜した平面に形成することにより、締結具が回動しようとするときに、円滑な回動により短時間で互いに離間して締結具の回動変位を阻止する緩み止め効果を発揮することができる。
しかも、座金の被締結体に接合する座面に、座金接合面の接合面積よりも大きくしたフランジ部を形成しているので、被締結体との摩擦力を一段と大きくすることができる。この結果、振動が加えられたボルト部材またはナット部材の締結具が回動しても、座金の座面は被締結体との大きな摩擦力によって固定しているため、摩擦力が小さな座金と締結具との間がスリップして締結具が回動する。このとき、頭部接合面と座金接合面が傾斜しているので、互いに離間しようとして座金の座面は被締結体に押圧して摩擦力が増大する一方、締結具は、雄ねじと雌ねじが押圧されて摩擦力が増大することから、締結具の回動変位を阻止することができる。このように、フランジ部による被締結体との摩擦力の増大によって、座金と被締結体との回動を阻止するので、緩み止め効果を確実に発揮させることが可能となる。
また、締結具と座金を同じ大きさの外形に形成し、座金の座面側にフランジ部を形成しているので、ボルト部材またはナット部材からなる締結具と座金を、被締結体に対して両者を位置合わせした状態で一体に締め付けることができる。このとき、フランジ部が広い接合面積で被締結体に押圧するので、大きな摩擦力を得ることができる。
さらに、締結具と座金に、締結時に座金の最も厚い頂部と前記締結具の最も薄い底部とを一致させるための指標を設けることにより、ボルト部材またはナット部材の締結具の頭部接合面と座金の座金接合面とを適正な面接合状態で位置決めすることができる。これにより、ボルト部材またはナット部材の締結具と座金の位置がオフセット状態になるので、振動が加えられて回動しようとしても、緩み止め効果を最大限に発揮することが可能となる。
さらにまた、締結具の頭部接合面と座金の座金接合面の間には、締結時に座金の最も厚い頂部と締結具の最も薄い底部とを一致させる仮止め用接着剤の接着膜を塗布しておくことにより、回転締め付け具による締め付け前であっても頭部接合面と前記座金接合面が正しい位置で面接合状態に保持されているので、回転締め付け具による締め付け作業の開始が短時間となり、作業効率を向上させることが可能となる。
本発明に関わる緩み止め締結構造の締結状態を示す断面図である。 緩み止め締結構造におけるナット部材の傾斜角度を示す説明図である。 緩み止め締結構造における座金の傾斜角度を示す説明図である。 (A)(B)は、ナット部材、座金の指標を示す平面図である。 ナット部材、座金の指標を他の実施例を示す側面図である。 (A)(B)は、緩み止め作用を示す説明図である。 (A)(B)は、ナット部材、座金の摩擦面を示す説明図である。 本発明に関わる緩み止め締結構造の第2の実施例を示す断面図である。 緩み止め締結構造におけるボルト部材の傾斜角度を示す説明図である。 本発明に関わる緩み止め締結構造の第3の実施例を示す断面図である。
本発明の緩み止め締結構造は、ボルト部材とナット部材からなる締結具を螺合させて被締結体を締結する締結構造であって、前記締結具の頭部と前記被締結体との間に座金を介在させ、前記座金の前記被締結体に接合する座面は軸線に対して直行する平面に形成され、前記座金の座面とは反対の座金接合面と、この座金接合面に接合する前記締結具の頭部の頭部接合面を、前記雄ねじ及びナット部材の雌ねじ部のリード角の傾斜方向に傾斜した平面に形成させ、前記被締結体に接合する前記座面の接合面積を前記座金接合面の接合面積よりも大きくしたフランジ部を形成している。
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。図1は、本発明に関わる緩み止め締結構造の実施例を示し、ナット部材により被締結体を締結した状態を示している。例えば金属板からなる基板1には貫通孔1aが形成され、この貫通孔1aにボルト部材2のねじ部2aが挿通されている。この基板1には、貫通孔3aが形成された被締結体3が重合されていて、貫通孔3aにボルト部材2のねじ部2aが挿通されている。ボルト部材2のねじ部2aの先端側は被締結体3よりも突出している。ボルト部材2は一般の市販品であり、頭部の座面2bは基板1に接合され、締め付け状態では摩擦作用によって不動となっている。
被締結体3から突出したボルト部材2の先端側には、座金4を介在してナット部材5が螺合されている。ナット部材5は、一般市販のナットと同様に、頭部5aが図4(A)に示すような六角ナット状に形成され、図2に示すように、頭部5aの座金4に接合する頭部接合面5bは傾斜した平面に形成されている。そして、内周面には雌ねじが形成されている。頭部接合面5bの傾斜角度θ1は、ナット部材5の雌ねじやボルト部材2の雄ねじのリード角θ2の1.0〜3.0倍に設定することが望ましいが、最低角度を雄ねじのリード角θ2の0.5倍に設定しても良い。
一方、座金4は、図3、図4(B)に示すように、中央にボルト部材5を挿通する透孔4aが形成され、外形は、ナット部材5と同じ外形の六角形に形成されている。さらに、被締結体3に接合する座面4bは、ボルト部材2及びナット部材5の軸線Cに対して直行する平面に形成され、座面4bとは反対の座金接合面4cは、ナット部材5の頭部接合面5bの傾斜角度θ1と同じ角度に形成され、ナット部材5の雌ねじやボルト部材2の雄ねじのリード角θ2の傾斜方向に傾斜した平面に形成され、リード角θ2の0.5〜3.0倍に設定される。これにより、座金4の座金接合面4cにナット部材5の頭部接合面5bを接合したときには、図1に示すように、接合部分が1本の線になる。
さらに、座金4の被締結体3に接合する座面4b側には、フランジ部4fが形成されている。このフランジ部4fは、外形が六角形の座金4の頂点を結ぶ外接円とほぼ同じ円形に形成され、板厚は、座金4の板厚の2分の1よりも薄く、座金4が後述するスパナ、レンチ等の回転締め付け具に係合可能な寸法を残している。また、フランジ部4fの底面は座面4bと同一平面の円滑な面に形成されている。このように、座金4の座面4b側にフランジ部4fを形成することにより、被締結体3に接合する座面4bの接合面積が、本来の座金接合面4cの接合面積よりも大きくなり、この結果、被締結体3との摩擦力が大きくなる。このとき、フランジ部4fの外径寸法が大きくなることにより、外周側の摩擦力も大きくなる。なお、フランジ部4fと座金4が接する角部は円弧に形成することが望ましい。
上述したように、座金4の座金接合面4cとナット部材5の頭部接合面5bの傾斜角度θ1をリード角θ2の傾斜方向に傾斜した平面に形成しているのは、後述するように、振動を加えたときにナット部材5が緩み方向に回動するが、このとき、緩み止め効果を発揮させるためである。因みに、傾斜角度θ1をリード角θ2の1.0倍未満の例えば0.5倍程度に設定した場合は、緩み止め効果が生ずるまでのナット部材5の回動距離が大きくなるが、緩み止め効果は得られる。一方、傾斜角度θ1をリード角θ2の3.0倍以上に設定した場合は、急な角度のためにナット部材5の回動が困難になる場合もあるが、短時間に緩み止め効果が得られる。ナット部材5が円滑に回動可能で、しかも、短時間に緩み止め効果が得られる範囲としては、傾斜角度θ1を、リード角θ2の1.0〜3.0倍が好ましいが、振動の大きさやナット部材5の材質によっては、0.5〜3.0倍に設定しでも良い。
また、座金4とナット部材5の頭部を六角形に形成しているのは、図示しない例えばスパナ、レンチ等の回転締め付け具を係合させるためであり、座金4とナット部材5の周縁部の各辺を係合部として、回転締め付け具を係合させるようにしている。座金4とナット部材5の頭部は、六角形の他、四角形、或いは両側に平行した面の係合部を形成した略楕円形状にしても良い。
さらに、座金4とナット部材5を接合したとき、座金4の座金接合面4cの最も厚い頂部4dと、ナット部材5の頭部接合面5bの最も薄い底部5cを合わせ、座金接合面4cと頭部接合面5bが面接合させることが必要である。このため、図4及び図5には、両者を位置決めして面接合させるための指標を設けるようにしている。図4に示す位置決め用の指標4e、5dは、座金4とナット部材5の六角形に形成された頭部の2辺が交わる部分を平坦に切り欠いて指標とした例である。この指標4e、5eの位置は、座金接合面4cの頂部4d、及び、頭部接合面5bの底部5cを一致させるように形成することが望ましい。また、図5に示す位置決め用の指標6、7は、塗料を塗布して指標としたものであり、図4に示す例と同様に、指標6、7の位置を座金接合面4cの頂部4d、及び、頭部接合面5bの底部5cを一致させるように形成することが望ましい。
次に、本発明の緩み止め締結構造による緩み止め作用について、図6により説明する。図6(A)は、被締結体3をナット部材5により締結した状態から、振動を加えられたときの状態を示している。このように振動を加えられると、まず、ナット部材5が矢示のように回動する。このとき、座金4の座面4bは被締結体3に面接合し、図7(B)に示すように、広い摩擦面積F1を有している。この摩擦面積F1は、フランジ部4fの外径寸法を大きくしたことによって更に拡大しているので、大きな摩擦力が生じている。一方、ナット部材5は、ボルト部材2の雄ねじとナット部材5の雌ねじが螺合してねじ山部分が接合していることから、図7(A)に示すように、狭い摩擦面積F2となる。しかも、通常の螺合状態では、ナット部材5とボルト部材2の全てのねじ山が接合することはなく、一般的には、3〜5のねじ山が接合している。このため、ナット部材5における摩擦面積F2は、座金4の座面4bにおける摩擦面積F1の5分の1以下になる。従って、振動を加えたときには、ナット部材5が矢示の緩み方向に回動を始め、座金4は被締結体3との大きな摩擦力により不動状態が保たれる。
その後、振動が加えられることによりナット部材5が回動し、図6(B)に示す状態となる。図6(B)は、図6(A)を図示左方から見た図であり、座金4の頂部4dとナット部材5の底部5cが図示前方にしている。ナット部材5が回動することにより、座金4の頂部4dに対し、ナット部材5の底部5cが図示右方に移動しようとする。このとき、ナット部材5の底部5cの側方は高くなる傾斜面となっているので、ナット部材5の回動によって、図6(B)に示すように、ナット部材5が座金4から離間しようとして座金4を図示下方に押圧するとともに、矢示のように座金4を被締結体3の方向に押圧して、座金4と被締結体3との摩擦力が増強される。一方、ナット部材5は、反対に矢印のように図示上方に強制的に押圧され、ナット部材5とボルト部材2のねじ山同士を押圧し、摩擦力が増強されて回動できない状態となる。この結果、振動によって緩み方向に回動しようとするナット部材5が止められる。ナット部材5の緩み方向への回動は、傾斜面の作用により摩擦力が増強して不動状態に達した時点で停止する。
ナット部材5をボルト部材2に螺合して被締結体3を締結するときは、両者の指標4e、5dを一致させ、座金接合面4cと頭部接合面5bを接合させた状態で締結するが、ナット部材5を回転締め付け具により緩める場合に、ナット部材5のみを緩め方向に回転させて取り外すそうとしても、上述した緩み止め作用によってナット部材5を回転させることがでない。ナット部材5を取り外す場合には、ナット部材5と座金4の両者の係合部に回転締め付け具を係合させて一緒に回転させることにより、通常のナットと同様に回転させて取り外すことができる。
図8は、本発明に関わる緩み止め締結構造の第2の実施例を示し、締結具としてのボルト部材により被締結体を締結した状態を示している。例えば金属板からなる基板10には止まり穴10aが形成され、内周には雌ねじ部10bが形成されている。この止まり穴10aには、ボルト部材11の雄ねじ部11aが螺合している。なお、止まり穴10aが形成された基板10は、ボルト部材11に対してはナット部材と等価であり、本発明においては、図8に示す基板10、及び、図示しない基板10を貫通するねじ穴を形成したものもナット部材と定義している。
基板10には貫通孔3aを形成した被締結体3が重合され、ボルト部材11を挿通している。ボルト部材11は、図9に示すように、頭部11bの首下の座面は、前述したナット部材5と同様に、ボルト部材11の雄ねじのリード角θ2よりも0.5〜3.0倍の傾斜角度に設定された頭部接合面11cが形成されている。一方、ボルト部材11の雄ねじ部11aに嵌挿されて被締結体3とボルト部材11の間に介在する座金4は、図9に示すように、前述した実施例と同じに構成され、被締結体3に接合する座面4bは、ボルト部材2及びナット部材5の軸線に対して直行する平面に形成され、座面4bとは反対の座金接合面4cは、ボルト部材11の頭部接合面11cの傾斜角度θ1と同じ角度に形成されている。
さらに、座金4の被締結体3に接合する座面4b側には、フランジ部4fが形成されている。このフランジ部4fの外形、板厚等の構成については、前述した座金4と同様であり、フランジ部4fの底面を座面4bと同一平面の円滑な面に形成することによって被締結体3に接合する接合面積を大きくし、これにより摩擦力を大きくしている。
また、ボルト部材11の頭部11b及び座金4は、前述した実施例と同じに例えば六角形に形成することにより各辺を係合部としている。この係合部にスパナ、レンチ等の回転締め付け具に係合させるようにしている。さらに、ボルト部材11の頭部11bの側面、及び、座金4の側面には、やはり述した実施例と同じように、切り欠き状或いは塗料の塗布による位置決め用の指標11d、4eが形成されている。
次に、上述した本発明の第2の実施例による緩み止め締結構造の緩み止め作用について説明する。図8に示すように、被締結体3を基板10にボルト部材11によって締結された状態のとき、外部から振動が加えられことにより、まず、ボルト部材11が緩み方向に回動する。これは、図7において説明したように、座金4の座面4bとフランジ部4fによって、被締結体3との面接合状態では広い摩擦面積F1を有しているのに対し、ボルト部材11と基板10に形成された止まり穴10aの雌ねじ部10bとの接合による摩擦面積F2が数分の1以下になっているため、摩擦力が小さいボルト部材11が回動するためである。このとき、座金4の座面4bとフランジ部4fは被締結体3に対する摩擦力が大きいことから、不動状態が保たれている。
その後、振動が加えられることによりボルト部材11が回動しようとすると、座金4の頂部4dに対し、ボルト部材11の頭部接合面11cの底部11eが傾斜面を登ろうとするので、ボルト部材11が座金4から離間しようとして座金4を被締結体3の方向に押圧し、座金4と被締結体3との摩擦力をさらに増強させる。一方、ボルト部材11は、反対の図示上方に強制的に押圧されることから、ボルト部材11と基板10の雌ねじ部10bのねじ山同士が軸方向に押圧するので、摩擦力が増強されて回動できない状態となる。この結果、振動によって緩み方向に回動しようとするボルト部材11の緩み方向への回動ができない状態になる。これにより、ボルト部材11の緩み方向への回動は、傾斜面の作用により摩擦力が増強して不動状態に達した時点で停止する。
ボルト部材11を回転締め付け具により緩める場合には、前述した実施例と同様に、ボルト部材11と座金4の両者の係合部に回転締め付け具を係合させて一緒に回転させることにより、通常のボルトと同様に回転させて取り外すことができる。
図10は、本発明に関わる緩み止め締結構造の第3の実施例を示し、締結具の頭部接合面と座金の座金接合面の間には、仮止め用接着剤の接着膜が塗布され、回転締め付け具による締め付け前における頭部接合面と座金接合面の面接合状態を保持させるようにしている。締結具としてのナット部材5、及び座金4は、前述した図1〜図3に示す構成と同じであり、ナット部材5は、頭部5aの座金4に接合する頭部接合面5bに傾斜した平面に形成されている。また、座金4は、被締結体3に接合する座面4bとは反対の座金接合面4cは、ナット部材5の頭部接合面5bの傾斜角度と同じ角度に傾斜した平面が形成されている。
前述したように、座金4とナット部材5を接合したとき、座金4の座金接合面4cの最も厚い頂部4dと、ナット部材5の頭部接合面5bの最も薄い底部5cを合わせ、座金接合面4cと頭部接合面5bが面接合させることが必要である。このため、ナット部材5の頭部接合面5bと座金4の座金接合面4cの間に、仮止め用接着剤の接着膜30が塗布され、座金4の座金接合面4cの最も厚い頂部4dと、ナット部材5の頭部接合面5bの最も薄い底部5cを予め合わせた状態で、この頭部接合面5bと座金接合面4cが面接合状態となるように保持させる。そして、スパナやレンチからなる回転締め付け具によって締め付け作業を行う際には、ナット部材5と座金4を同時に回転させることにより、両者が一致した状態で締め付けられる。
接着膜30が塗布される仮止め用接着剤としては、酢酸ビニル樹脂を成分とする水性系接着剤、水溶性ポリビニルアルコール(PVAL)、或いは、澱粉を主成分とした紙用の接着剤が好ましく、これらは、接着剤が延伸して極薄の接着膜30を形成することができ、さらに、固化した状態で粘性を失うことが望ましい。これは、接着剤の粘性によって、頭部接合面5bと座金接合面4cの滑りを阻害することを防止するためである。振動が加えられたときに、頭部接合面5bと座金接合面4cが滑ることによって、ナット部材5が緩み方向に回動するので、前述したように、ナット部材5の緩み方向への回動が傾斜面の作用により摩擦力が増強して不動状態になる。なお、締め付けた状態では、ナット部材5による強力な押圧力により、頭部接合面5bと座金接合面4cとの間の接着剤が排出されるが、例え僅かに残っていたとしても、接着剤を介在して座金4を被締結体3の方向に押圧する押圧力、及び、ナット部材5とボルト部材2のねじ山同士を押圧する押圧力が得られるならば緩み止め効果は阻害されない。
本発明においては、好適な実施例について説明した。この例の他に、図1に示す実施例において、基板1に貫通孔3aを形成して一般のボルト部材2を挿通しているが、基板1に形成した貫通孔3aにボルト部材のねじ部のみを挿通し、基端部分をかしめ固定、もしくは、溶着固定し、基板1をボルト部材の頭部として、これを本発明におけるボルト部材と定義している。
以上、本発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。ボルト及びナットは、JISねじ、インチねじのいずれにも適用可能であり限定されるものではない。
本考案は、機械器具、電機機械器具、車両、建設、建築、鉄道等に用いる被締結部材の締結に適用可能である。
1 基板
2 ボルト部材
2a ねじ部
3 被締結体
4 座金
4a 透孔
4b 座面
4c 座金接合面
4e 指標
4d 頂部
4f フランジ部
5 ナット部材
5a 頭部
5b 頭部接合面
5c 底部
5e 指標
θ1 傾斜角度
θ2 リード角
C 軸線

Claims (4)

  1. ボルト部材とナット部材5からなる締結具を螺合させて被締結体3を締結する締結構造であって、
    前記締結具5の頭部5aと前記被締結体3との間に座金4を介在させ、
    前記座金4の前記被締結体3に接合する座面4bは軸線Cに対して直行する平面に形成され、
    前記座金4の座面4bとは反対の座金接合面4cと、この座金接合面4cに接合する前記締結具5の頭部5aの頭部接合面5bを、前記雄ねじ及びナット部材の雌ねじ部2aのリード角の傾斜方向に傾斜した平面に形成させ、
    前記被締結体3に接合する前記座面4bの接合面積を前記座金接合面4cの接合面積よりも大きくしたフランジ部を形成したことを特徴とする緩み止め締結構造。
  2. 前記締結具と前記座金は、同じ大きさの外形に形成され、前記座金の前記座面側に前記被締結体に接合する前記フランジ部を形成した請求項1に記載の緩み止め締結構造。
  3. 前記締結具と前記座金には、締結時に前記座金の最も厚い頂部と前記締結具の最も薄い底部とを一致させるための指標を設けた請求項1に記載の緩み止め締結構造。
  4. 前記締結具の頭部接合面と前記座金の座金接合面の間には、締結時に前記座金の最も厚い頂部と前記締結具の最も薄い底部とを一致させる仮止め用接着剤の接着膜を塗布した請求項1に記載の緩み止め締結構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114876936A (zh) * 2022-06-20 2022-08-09 北京开合科技有限公司 一种有声响防松的带齿法兰螺母

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