JP3122259B2 - 操舵リンク付台車 - Google Patents
操舵リンク付台車Info
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- JP3122259B2 JP3122259B2 JP04288655A JP28865592A JP3122259B2 JP 3122259 B2 JP3122259 B2 JP 3122259B2 JP 04288655 A JP04288655 A JP 04288655A JP 28865592 A JP28865592 A JP 28865592A JP 3122259 B2 JP3122259 B2 JP 3122259B2
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- Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軌条の曲線路等を通過
する際に自動的に輪軸の方向を操舵して走行する操舵リ
ンク付台車に関するものである。
する際に自動的に輪軸の方向を操舵して走行する操舵リ
ンク付台車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、鉄道車両が軌条上を走行中に発生
する車輪の横圧を減少させるため、または車輪踏面の形
状で発生する車輪の蛇行動を高速まで安定化させるた
め、前後の車輪の一方が平面で見て一方向に僅かに回動
したとき、他方の車輪を平面で見て反対方向に僅かに同
一角度回転するように構成した操舵台車がある。
する車輪の横圧を減少させるため、または車輪踏面の形
状で発生する車輪の蛇行動を高速まで安定化させるた
め、前後の車輪の一方が平面で見て一方向に僅かに回動
したとき、他方の車輪を平面で見て反対方向に僅かに同
一角度回転するように構成した操舵台車がある。
【0003】このように、前後の車軸の軸箱同志が同一
量逆方向に動くように拘束するリンク構造には種々なも
のがあり、南アフリカ国有鉄道で採用しているシェッフ
ェル台車またはそれに類似の台車は、図9および図10に
示すように操舵リンク,操舵レバーによりZ字状のリン
ク機構を用いたものが操舵台車の代表的な構造として知
られている。
量逆方向に動くように拘束するリンク構造には種々なも
のがあり、南アフリカ国有鉄道で採用しているシェッフ
ェル台車またはそれに類似の台車は、図9および図10に
示すように操舵リンク,操舵レバーによりZ字状のリン
ク機構を用いたものが操舵台車の代表的な構造として知
られている。
【0004】ところが、このシェッフェル台車を実際に
走行させてみると、本来操舵を必要としないときに操舵
機能を発生することが分かり問題となってきた。この原
因としては、車両が走行するときに作用する遠心力をキ
ャンセルさせるために設けるカントまたはカント区間と
直線区間の間のカント逓減区間で予期しない方向に輪軸
が向いてしまうこが分かってきた。
走行させてみると、本来操舵を必要としないときに操舵
機能を発生することが分かり問題となってきた。この原
因としては、車両が走行するときに作用する遠心力をキ
ャンセルさせるために設けるカントまたはカント区間と
直線区間の間のカント逓減区間で予期しない方向に輪軸
が向いてしまうこが分かってきた。
【0005】さらに、操舵台車は、車輪の踏面の勾配と
軌条(レール)に設けられたスラックにより、左右の車
輪径差を得て、曲線に沿って車輪が方向を変える機能を
発生することが可能になる。
軌条(レール)に設けられたスラックにより、左右の車
輪径差を得て、曲線に沿って車輪が方向を変える機能を
発生することが可能になる。
【0006】ところが、分岐装置部について考えると、
分岐装置部ではスラックを与えて車輪フランジ部が左右
に移動可能にすると、安全に車輪フランジ部を左右に案
内する護輪軌条部が車輪フランジ部に当ってしまう可能
性が生じるので、敢て分岐装置部ではスラックを与えな
いようにしている。これから分かるように操舵台車は、
曲線に沿って車輪を操縦する機能を発揮することが好ま
しいにも拘ず、分岐装置部ではその機能を発揮すること
が不可能になっている。
分岐装置部ではスラックを与えて車輪フランジ部が左右
に移動可能にすると、安全に車輪フランジ部を左右に案
内する護輪軌条部が車輪フランジ部に当ってしまう可能
性が生じるので、敢て分岐装置部ではスラックを与えな
いようにしている。これから分かるように操舵台車は、
曲線に沿って車輪を操縦する機能を発揮することが好ま
しいにも拘ず、分岐装置部ではその機能を発揮すること
が不可能になっている。
【0007】一方、以上のように車輪踏面に設けられた
勾配と軌条に乗る位置により車輪径差を発生させて操舵
機能を有せしめる操舵台車の他に、車両に作用する遠心
力を用いて車輪の方向を変化せしめるようにした操舵台
車(例えば、財団法人鉄道總合技術研究所のRT−X1
台車)がある。
勾配と軌条に乗る位置により車輪径差を発生させて操舵
機能を有せしめる操舵台車の他に、車両に作用する遠心
力を用いて車輪の方向を変化せしめるようにした操舵台
車(例えば、財団法人鉄道總合技術研究所のRT−X1
台車)がある。
【0008】この台車は、左右の前後の軸箱を一つの弓
形のばね状の構造体により連結した構造とし、右または
左の弓形のばね状構造体に遠心力で上下方向作用力が増
加すると、撓みが発生して前後の軸箱間隙が増加し、反
対に作用力が減少した側は前後の軸箱間隙が減少するよ
うにし、この軸箱により保持された輪軸の方向が前後輪
共に曲線の方向に向くようにしたものである。
形のばね状の構造体により連結した構造とし、右または
左の弓形のばね状構造体に遠心力で上下方向作用力が増
加すると、撓みが発生して前後の軸箱間隙が増加し、反
対に作用力が減少した側は前後の軸箱間隙が減少するよ
うにし、この軸箱により保持された輪軸の方向が前後輪
共に曲線の方向に向くようにしたものである。
【0009】このように上下方向の作用力が変化するこ
とにより、輪軸の方向が曲線に沿って方向操縦する形式
の台車の場合は、走行速度と曲線半径が釣合うようにカ
ントが設けられ、左右の車輪に作用する力が等しいとき
には曲線上を走行しているにも拘ず車輪の方向は変化せ
ず、逆にカントが適正量設けられた曲線上を信号指示に
より低速度で走行しているときは車体に作用する遠心力
が過少になり、車体は曲線の内側に傾斜してしまう。ま
た、この場合、台車の輪軸は、走行している曲線に対
し、反対方向に曲線の中心が存在するかのような操舵、
つまり、現に走行している曲線に対して好ましくない逆
方向の操舵をしてしまうことになり、これではきわめて
不都合なことになる。
とにより、輪軸の方向が曲線に沿って方向操縦する形式
の台車の場合は、走行速度と曲線半径が釣合うようにカ
ントが設けられ、左右の車輪に作用する力が等しいとき
には曲線上を走行しているにも拘ず車輪の方向は変化せ
ず、逆にカントが適正量設けられた曲線上を信号指示に
より低速度で走行しているときは車体に作用する遠心力
が過少になり、車体は曲線の内側に傾斜してしまう。ま
た、この場合、台車の輪軸は、走行している曲線に対
し、反対方向に曲線の中心が存在するかのような操舵、
つまり、現に走行している曲線に対して好ましくない逆
方向の操舵をしてしまうことになり、これではきわめて
不都合なことになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように従
来の操舵台車の代表と考えられていたシェッフェル台車
では、カントが設けられている部分等のように軌条の左
右高さが等しくない部分での台車ばね変位が好ましくな
い操舵作用を発生させてしまうような不具合を避けるこ
とが望まれていた。
来の操舵台車の代表と考えられていたシェッフェル台車
では、カントが設けられている部分等のように軌条の左
右高さが等しくない部分での台車ばね変位が好ましくな
い操舵作用を発生させてしまうような不具合を避けるこ
とが望まれていた。
【0011】また、曲線路上を走行するときに発生する
遠心力を利用して、左右の軸ばねの変位に相当する弓形
のばね状構造体の変位により前後の軸箱間隙を変化さ
せ、前後の輪軸の方向を操縦するようにした操舵台車で
は、予想される理想的走行速度以下ではカントが理想的
走行速度に適するように設けられているため、車体は曲
線の内側に倒れ込み、輪軸が所望の方向と逆方向を向く
という不都合があるが、車両の走行速度と無関係に所望
の方向に輪軸が向くように操舵することが望まれてい
た。
遠心力を利用して、左右の軸ばねの変位に相当する弓形
のばね状構造体の変位により前後の軸箱間隙を変化さ
せ、前後の輪軸の方向を操縦するようにした操舵台車で
は、予想される理想的走行速度以下ではカントが理想的
走行速度に適するように設けられているため、車体は曲
線の内側に倒れ込み、輪軸が所望の方向と逆方向を向く
という不都合があるが、車両の走行速度と無関係に所望
の方向に輪軸が向くように操舵することが望まれてい
た。
【0012】さらに、分岐装置部分では誤った方向に車
輪の割り込みを発生するのを防止するためにスラックを
設けないのが普通であるが、スラックが設けられていな
い部分では操舵台車は左右の車輪径差で輪軸の正しい走
行方向を得ようとするのに対し、適正な車輪径差を得る
ことができないので操舵機能を発揮できないという不具
合があるが、この不具合の解消した操舵台車の実現が望
まれていた。
輪の割り込みを発生するのを防止するためにスラックを
設けないのが普通であるが、スラックが設けられていな
い部分では操舵台車は左右の車輪径差で輪軸の正しい走
行方向を得ようとするのに対し、適正な車輪径差を得る
ことができないので操舵機能を発揮できないという不具
合があるが、この不具合の解消した操舵台車の実現が望
まれていた。
【0013】そこで、本発明の目的は、操舵台車構造を
採用しながら、分岐装置部分でスラックが設けられてい
ない場合でも操舵機能を発揮することができ、走行速度
に無関係に所望の方向に輪軸を操舵し得るようにした操
舵リンク付台車を提供することにある。
採用しながら、分岐装置部分でスラックが設けられてい
ない場合でも操舵機能を発揮することができ、走行速度
に無関係に所望の方向に輪軸を操舵し得るようにした操
舵リンク付台車を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、車輪踏面の勾配とスラック等により車輪が
左右に移動できるようにして生じる左右の直径差によ
り、軌条の曲線路に沿って転動する特性を有し、かつ前
後の輪軸が同一角度で逆方向にスイベルするように台車
台枠に回動可能に取付けられた操舵回動体を有し、この
操舵回動体の上下方向に沿った両端部に一端をそれぞれ
連結すると共に他端をそれぞれ前後の軸箱に連結する操
舵棒状体を備えて成り、操舵回動体の回動中心を、操舵
棒状体と軸箱の連結部より高い位置に配設して構成した
ものである。
成するため、車輪踏面の勾配とスラック等により車輪が
左右に移動できるようにして生じる左右の直径差によ
り、軌条の曲線路に沿って転動する特性を有し、かつ前
後の輪軸が同一角度で逆方向にスイベルするように台車
台枠に回動可能に取付けられた操舵回動体を有し、この
操舵回動体の上下方向に沿った両端部に一端をそれぞれ
連結すると共に他端をそれぞれ前後の軸箱に連結する操
舵棒状体を備えて成り、操舵回動体の回動中心を、操舵
棒状体と軸箱の連結部より高い位置に配設して構成した
ものである。
【0015】
【作用】一般的に軌条の分岐装置部ではスラックが設け
られておらず、また、車両走行速度に対応するカントも
設けられていない。したがって、車両が曲線分岐部を通
過するとき、車体に作用する遠心力で車体が軌条の外側
に傾斜する。この傾斜により軸ばねのうち軌条の外側が
縮み、軌条の内側が伸びる。
られておらず、また、車両走行速度に対応するカントも
設けられていない。したがって、車両が曲線分岐部を通
過するとき、車体に作用する遠心力で車体が軌条の外側
に傾斜する。この傾斜により軸ばねのうち軌条の外側が
縮み、軌条の内側が伸びる。
【0016】この軸ばねが伸縮することにより、操舵回
動体の回動中心が操舵棒状体と軸箱の連結部より高いの
で、軸ばねの縮みにより操舵回動体の回動中心と操舵棒
状体と軸箱の連結部が低くなる側では平均操舵棒状体傾
斜角が小さくなるために前後の軸箱間隔が伸びることに
なり、他方軸ばねが伸びる側では平均操舵棒状体傾斜角
が大きくなるために前後の軸箱間隔が縮むことになる。
動体の回動中心が操舵棒状体と軸箱の連結部より高いの
で、軸ばねの縮みにより操舵回動体の回動中心と操舵棒
状体と軸箱の連結部が低くなる側では平均操舵棒状体傾
斜角が小さくなるために前後の軸箱間隔が伸びることに
なり、他方軸ばねが伸びる側では平均操舵棒状体傾斜角
が大きくなるために前後の軸箱間隔が縮むことになる。
【0017】つまり、軸ばねが縮む側は、遠心力の作用
する軌条の外側に相当し、軸ばねが伸びる側は、遠心力
の作用しない軌条の内側に相当することになる。したが
って、分岐装置部のようにスラックが設けられていない
部分でも、本発明によれば軌条の外側の軸間距離が伸び
内側の軸間距離が縮む操作を、車体に作用する遠心力で
自動的に行うことができる。
する軌条の外側に相当し、軸ばねが伸びる側は、遠心力
の作用しない軌条の内側に相当することになる。したが
って、分岐装置部のようにスラックが設けられていない
部分でも、本発明によれば軌条の外側の軸間距離が伸び
内側の軸間距離が縮む操作を、車体に作用する遠心力で
自動的に行うことができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は、本発明の一実施例を示す側面図、図2
は、本発明の一実施例の要部を示す斜視図である。
する。図1は、本発明の一実施例を示す側面図、図2
は、本発明の一実施例の要部を示す斜視図である。
【0019】図1および図2において、1は軌条、2は
台車台枠を示す。この台車台枠2の上部で前後方向中間
部には、左右両側に配設されている枕ばね3a,3b
(ただし、3bは図示しない)を介して揺枕4が支持さ
れている。また、台車台枠2の左右各側の前後各端部に
は、それぞれ軸箱5a,5b,5c,5dが配設され、
台車台枠2との間にそれぞれ軸ばね6a,6b,6c,
6d(ただし、6b,6dは図示しない)が設けられて
いる。軸箱5a,5bは、車輪7a,7bを固定した車
軸8aを回転自在に支持し、軸箱5c,5dは、車輪7
c,7dを固定した車軸8bを回転自在に支持してい
る。
台車台枠を示す。この台車台枠2の上部で前後方向中間
部には、左右両側に配設されている枕ばね3a,3b
(ただし、3bは図示しない)を介して揺枕4が支持さ
れている。また、台車台枠2の左右各側の前後各端部に
は、それぞれ軸箱5a,5b,5c,5dが配設され、
台車台枠2との間にそれぞれ軸ばね6a,6b,6c,
6d(ただし、6b,6dは図示しない)が設けられて
いる。軸箱5a,5bは、車輪7a,7bを固定した車
軸8aを回転自在に支持し、軸箱5c,5dは、車輪7
c,7dを固定した車軸8bを回転自在に支持してい
る。
【0020】軸ばね6a,6b,6c,6dは、本実施
例の特性から上下方向緩衝による上下変位の他に、操舵
を可能とする前後方向変位も許容するように構成されて
いる。軸ばねの構成によっては若干の車軸方向の変位も
可能になるように構成される場合もあるが、操舵台車と
しては車軸方向の変位は必ずしも必要としない。
例の特性から上下方向緩衝による上下変位の他に、操舵
を可能とする前後方向変位も許容するように構成されて
いる。軸ばねの構成によっては若干の車軸方向の変位も
可能になるように構成される場合もあるが、操舵台車と
しては車軸方向の変位は必ずしも必要としない。
【0021】一方、台車台枠2には、前後方向中間部に
左右方向に伸びる操舵トーションバー10が操舵トーショ
ンバー受11a,11bを介して回動可能に取付けられてい
る。この操舵トーションバー10の左右各端部は、台車台
枠2の左右各側面より突出しており、この突出した各端
部に操舵レバー12a,12bを縦方向に沿って一体に固定
している。
左右方向に伸びる操舵トーションバー10が操舵トーショ
ンバー受11a,11bを介して回動可能に取付けられてい
る。この操舵トーションバー10の左右各端部は、台車台
枠2の左右各側面より突出しており、この突出した各端
部に操舵レバー12a,12bを縦方向に沿って一体に固定
している。
【0022】操舵レバー12aは、上端部を操舵リンク13
aを介して軸箱5aと連結し、下端部を操舵リンク13c
を介して軸箱5cと連結している。また、操舵レバー12
bは、下端部を操舵リンク13bを介して軸箱5bと連結
し、上端部を操舵リンク13dを介して軸箱5dと連結し
ている。ここで、各操舵リンク13a,13b,13c,13d
の両端部は、各操舵レバー12a,12bや各軸箱5a,5
b,5c,5dとピンを介して回動自在に連結してい
る。
aを介して軸箱5aと連結し、下端部を操舵リンク13c
を介して軸箱5cと連結している。また、操舵レバー12
bは、下端部を操舵リンク13bを介して軸箱5bと連結
し、上端部を操舵リンク13dを介して軸箱5dと連結し
ている。ここで、各操舵リンク13a,13b,13c,13d
の両端部は、各操舵レバー12a,12bや各軸箱5a,5
b,5c,5dとピンを介して回動自在に連結してい
る。
【0023】図3は、操舵レバー12aと各操舵リンク13
a,13cの関係を若干誇張して示したもので、操舵トー
ションバー10の高さは、各操舵リンク13a,13cと各軸
箱5a,5cの連結部14a,14bより高い位置に配設さ
れる。この関係は、各操舵リンク13b,13dと各軸箱5
b,5dについても同様である。
a,13cの関係を若干誇張して示したもので、操舵トー
ションバー10の高さは、各操舵リンク13a,13cと各軸
箱5a,5cの連結部14a,14bより高い位置に配設さ
れる。この関係は、各操舵リンク13b,13dと各軸箱5
b,5dについても同様である。
【0024】次に、以上のように構成された実施例の作
用を説明する。図4において、15は車体で、車体15は、
揺枕4の上部に心皿16,側受17a,17bを介して支持さ
れ、相互にスイベル方向に組合わされている。また、G
は車両全体としての重心位置を示し、横方向加速力Fが
ここに作用する。
用を説明する。図4において、15は車体で、車体15は、
揺枕4の上部に心皿16,側受17a,17bを介して支持さ
れ、相互にスイベル方向に組合わされている。また、G
は車両全体としての重心位置を示し、横方向加速力Fが
ここに作用する。
【0025】いま、車両の重心位置Gに横方向加速力F
が作用すると、重心位置Gと台車台枠2,軸ばね6の位
置関係により、軸ばね6aが圧縮され軸ばね6bが伸
び、台車台枠2が傾斜する。ここで、本実施例の作用の
説明を容易にするため、操舵リンク13aと操舵レバー12
aの連結部を18a、操舵リンク13cと操舵レバー12aと
の連結部18bとしたとき、連結部18bと連結部14bは同
じ高さとし、連結部18aは連結部14aより操舵レバー12
aの分だけ高い位置にあるものと仮定する。
が作用すると、重心位置Gと台車台枠2,軸ばね6の位
置関係により、軸ばね6aが圧縮され軸ばね6bが伸
び、台車台枠2が傾斜する。ここで、本実施例の作用の
説明を容易にするため、操舵リンク13aと操舵レバー12
aの連結部を18a、操舵リンク13cと操舵レバー12aと
の連結部18bとしたとき、連結部18bと連結部14bは同
じ高さとし、連結部18aは連結部14aより操舵レバー12
aの分だけ高い位置にあるものと仮定する。
【0026】上述したように車両の重心位置Gに横方向
加速力Fが作用したとき、台車台枠2が軸箱位置に対し
上下変位するので、台車台枠2の上昇分をA1 とし、台
車台枠2の沈下分をA2 とする。仮りに台車台枠2の上
下動を、操舵レバー12aは静止しているものとし、操舵
リンク13aと軸箱5aとの連結部14a、操舵リンク13c
と軸箱5cとの連結部14bが相対変位により上下すると
考えてもよく、連結部14a,14bが上方にA2 、下方に
A1 変位すると考えれば全く同じ効果を得ることができ
る。
加速力Fが作用したとき、台車台枠2が軸箱位置に対し
上下変位するので、台車台枠2の上昇分をA1 とし、台
車台枠2の沈下分をA2 とする。仮りに台車台枠2の上
下動を、操舵レバー12aは静止しているものとし、操舵
リンク13aと軸箱5aとの連結部14a、操舵リンク13c
と軸箱5cとの連結部14bが相対変位により上下すると
考えてもよく、連結部14a,14bが上方にA2 、下方に
A1 変位すると考えれば全く同じ効果を得ることができ
る。
【0027】したがって、連結部14aは、上方にA2 、
下方にA1 変位したとき、操舵リンク13aが傾斜してい
るため、軌条長手方向には、A1 の変位によりB1 の変
位、A2 の変位によりB2 の変位が発生する。しかしな
がら、連結部14bは、上方にA2 、下方にA1 変位して
も操舵リンク13bが水平に配置されているため、軌条長
手方向には僅かにB3 の変位しか発生しない。
下方にA1 変位したとき、操舵リンク13aが傾斜してい
るため、軌条長手方向には、A1 の変位によりB1 の変
位、A2 の変位によりB2 の変位が発生する。しかしな
がら、連結部14bは、上方にA2 、下方にA1 変位して
も操舵リンク13bが水平に配置されているため、軌条長
手方向には僅かにB3 の変位しか発生しない。
【0028】ところで、各操舵リンク13a,13b,13
c,13dは、一体となっている操舵トーションバー10と
操舵レバー12a,12bが操舵トーションバー受11a,11
bを介して台車台枠2に回動可能に取付けられている。
また、各操舵リンク13a,13bおよび各操舵リンク13
c,13dは、相互に操舵レバー12a,12bの異なる側の
端部に連結されている。そこで、車軸8aと車軸8bが
全体として前または後方向に変位しようとすると、操舵
レバー12a,12bが異なる方向に回動されるが、操舵ト
ーションバー10がこれに対抗するので、この車軸8a,
8bの変位は阻止される。
c,13dは、一体となっている操舵トーションバー10と
操舵レバー12a,12bが操舵トーションバー受11a,11
bを介して台車台枠2に回動可能に取付けられている。
また、各操舵リンク13a,13bおよび各操舵リンク13
c,13dは、相互に操舵レバー12a,12bの異なる側の
端部に連結されている。そこで、車軸8aと車軸8bが
全体として前または後方向に変位しようとすると、操舵
レバー12a,12bが異なる方向に回動されるが、操舵ト
ーションバー10がこれに対抗するので、この車軸8a,
8bの変位は阻止される。
【0029】しかしながら、操舵トーションバー10が図
1において時計方向に回動すると、軸箱5a,5cの軸
箱間隔が伸び、軸箱5b,5dの軸箱間隔が縮み、車軸
8a,8bは全体として一つの曲線に沿って走行可能に
なる。ここで、各車軸8a,8bが首を振る基本的な力
は、左右の各車輪7a,7b,7c,7dの軌条に乗る
位置の車輪径が曲線路の中心点からの各軌条位置までの
半径比に等しいときに、台車は平滑に曲線路上を走行す
ることが可能になる。
1において時計方向に回動すると、軸箱5a,5cの軸
箱間隔が伸び、軸箱5b,5dの軸箱間隔が縮み、車軸
8a,8bは全体として一つの曲線に沿って走行可能に
なる。ここで、各車軸8a,8bが首を振る基本的な力
は、左右の各車輪7a,7b,7c,7dの軌条に乗る
位置の車輪径が曲線路の中心点からの各軌条位置までの
半径比に等しいときに、台車は平滑に曲線路上を走行す
ることが可能になる。
【0030】この左右車輪径比が左右軌条の半径比に等
しくなるには、一般の軌条と車輪の左右方向遊間の量に
密接な関係を有しており、軌条の間隙で曲線部で与えら
れるスラック量が重要となる。適正なスラック量が与え
られていれば、この種の操舵台車は平滑な走行を期待す
ることができる。
しくなるには、一般の軌条と車輪の左右方向遊間の量に
密接な関係を有しており、軌条の間隙で曲線部で与えら
れるスラック量が重要となる。適正なスラック量が与え
られていれば、この種の操舵台車は平滑な走行を期待す
ることができる。
【0031】ところが、分岐装置部においては、車輪7
a,7b,7c,7dのフランジが、異なる分岐方向に
割り込むことを防ぐため敢てスラックを設けないで曲線
が構成されている。このため、分岐装置部で直進する側
には何ら問題を生じないが、曲線で分岐する側では車輪
径差により好ましい方向に車輪の方向を調整する機能が
発生せず、車輪のフランジと軌条の強い当り(または接
触)が発生し、フランジと軌条の摩耗が発生することに
なる。
a,7b,7c,7dのフランジが、異なる分岐方向に
割り込むことを防ぐため敢てスラックを設けないで曲線
が構成されている。このため、分岐装置部で直進する側
には何ら問題を生じないが、曲線で分岐する側では車輪
径差により好ましい方向に車輪の方向を調整する機能が
発生せず、車輪のフランジと軌条の強い当り(または接
触)が発生し、フランジと軌条の摩耗が発生することに
なる。
【0032】しかしながら、本実施例においては、分岐
装置部でスラックが設けられていなくても、分岐曲線に
車両が進入することにより遠心力が発生し、車体15は分
岐曲線の外軌側に傾斜する。この車体15の傾斜は、軸ば
ねの撓み(縮み)により台車台枠2の傾斜として現われ
る。このため、軸箱5a,5b,5c,5dが上下変位
しないのに対し、操舵レバー12a,12bが上下に軸ばね
6a,6b,6c,6dの変位に相当する分だけ変位す
ることになる。
装置部でスラックが設けられていなくても、分岐曲線に
車両が進入することにより遠心力が発生し、車体15は分
岐曲線の外軌側に傾斜する。この車体15の傾斜は、軸ば
ねの撓み(縮み)により台車台枠2の傾斜として現われ
る。このため、軸箱5a,5b,5c,5dが上下変位
しないのに対し、操舵レバー12a,12bが上下に軸ばね
6a,6b,6c,6dの変位に相当する分だけ変位す
ることになる。
【0033】上述したように図3においては説明を容易
にするため、操舵リンク13c両端の連結部18bと14bの
軌条面上に高さを同じ高さ、つまり、操舵リンク13cが
水平に配置されるものとした。操舵リンク13bも同様に
水平に配置される。これに対し、操舵レバー12a,12b
の長さの関係により、操舵レバー12a,12bの上端と軸
箱5a,5d間を連結する操舵リンク13a,13dは、操
舵レバー12a,12b側が高く、軸箱5a,5d側が低く
なるような傾斜を持って連結されることになる。
にするため、操舵リンク13c両端の連結部18bと14bの
軌条面上に高さを同じ高さ、つまり、操舵リンク13cが
水平に配置されるものとした。操舵リンク13bも同様に
水平に配置される。これに対し、操舵レバー12a,12b
の長さの関係により、操舵レバー12a,12bの上端と軸
箱5a,5d間を連結する操舵リンク13a,13dは、操
舵レバー12a,12b側が高く、軸箱5a,5d側が低く
なるような傾斜を持って連結されることになる。
【0034】そこで、左または右の何れかの側の軸ばね
が縮み、他方の側の軸ばねが伸びるということを相対変
位として考えれば、操舵レバーが固定しており、操舵レ
バーの反対側の端部が軸ばねの変位により上下動するこ
とになる。
が縮み、他方の側の軸ばねが伸びるということを相対変
位として考えれば、操舵レバーが固定しており、操舵レ
バーの反対側の端部が軸ばねの変位により上下動するこ
とになる。
【0035】図3において、操舵リンク13cは、水平の
位置から軸ばねの浮き上り量A1 ,沈み量A2 の変位が
あってもB3 量だけ短くなったのと同等で、その量も極
めて僅かである。
位置から軸ばねの浮き上り量A1 ,沈み量A2 の変位が
あってもB3 量だけ短くなったのと同等で、その量も極
めて僅かである。
【0036】ところが、操舵リンク13aは、A1 だけ軸
ばねが浮上ったとき、B1 だけ軸箱(図1に5aで示
す)が台車中心側に引き寄せられる。これに対し、A2
だけ軸ばねが沈下したとき軸箱(図1に5bで示す)
は、B2 だけ台車外方側に押し出される。
ばねが浮上ったとき、B1 だけ軸箱(図1に5aで示
す)が台車中心側に引き寄せられる。これに対し、A2
だけ軸ばねが沈下したとき軸箱(図1に5bで示す)
は、B2 だけ台車外方側に押し出される。
【0037】つまり、図4において、曲線を通過する車
両は、遠心力により横方向加速力Fを受けて曲線外側の
方向に車体15を傾斜しようとし、軸ばね6aは圧縮し、
軸ばね6bは伸びようとする。この軸ばね6a,6bの
伸縮により、軸ばねが圧縮した側では軸箱間隔が伸び、
軸ばねが伸びた側では軸箱間隔が縮むことになる。
両は、遠心力により横方向加速力Fを受けて曲線外側の
方向に車体15を傾斜しようとし、軸ばね6aは圧縮し、
軸ばね6bは伸びようとする。この軸ばね6a,6bの
伸縮により、軸ばねが圧縮した側では軸箱間隔が伸び、
軸ばねが伸びた側では軸箱間隔が縮むことになる。
【0038】このように軸箱間隔が伸び縮みするによ
り、本来車輪踏面のテーパ等の影響で自動的に車軸が首
振りをし、操舵を行うのとは相違し、遠心力で車体が曲
線の外側に傾斜することにより台車の操舵が行われるも
のである。
り、本来車輪踏面のテーパ等の影響で自動的に車軸が首
振りをし、操舵を行うのとは相違し、遠心力で車体が曲
線の外側に傾斜することにより台車の操舵が行われるも
のである。
【0039】なお、以上の説明においては、その説明を
簡単にするため、図4における操舵リンクと軸箱の連結
部の高さが、操舵リンクと操舵レバーの連結部の高さと
同じであると仮定したが、これはあくまでも特異な例で
あると考えられるので、次に一般解について解析する。
簡単にするため、図4における操舵リンクと軸箱の連結
部の高さが、操舵リンクと操舵レバーの連結部の高さと
同じであると仮定したが、これはあくまでも特異な例で
あると考えられるので、次に一般解について解析する。
【0040】図5は、操舵リンク13a,13cの傾斜が任
意の角度であるが、操舵リンクと軸箱との連結部14a,
14bの高さより、操舵トーションバー10の高さが若干高
い位置に配置された例について考える。操舵リンク13
a,13cの傾斜角をそれぞれθ1 ,θ2 とし、操舵リン
クの僅かの動きに対し上下方向変位A1 ,A2 に対する
操舵リンク13a,13cの投影長さl2 の変化B1 ,
B2 ,B3 ,B4 とし、操舵レバー12aの先端から操舵
トーションバー10迄の長さをl1 とし、操舵トーション
バー10と操舵リンクと軸箱との連結部の高さの差をh1
とすると次の関係が成立する。
意の角度であるが、操舵リンクと軸箱との連結部14a,
14bの高さより、操舵トーションバー10の高さが若干高
い位置に配置された例について考える。操舵リンク13
a,13cの傾斜角をそれぞれθ1 ,θ2 とし、操舵リン
クの僅かの動きに対し上下方向変位A1 ,A2 に対する
操舵リンク13a,13cの投影長さl2 の変化B1 ,
B2 ,B3 ,B4 とし、操舵レバー12aの先端から操舵
トーションバー10迄の長さをl1 とし、操舵トーション
バー10と操舵リンクと軸箱との連結部の高さの差をh1
とすると次の関係が成立する。
【0041】
【数1】
【0042】ここで、軸ばねの沈下する側の軸箱間隔の
変化としては次の値だけ伸びる。
変化としては次の値だけ伸びる。
【0043】
【数2】
【0044】次に、軸ばねが伸びる側の軸箱間隔の変化
としては次の値だけ縮む。
としては次の値だけ縮む。
【0045】
【数3】
【0046】以上のように曲線上を通過したとき遠心力
で車体が曲線外側に傾斜すると、左右の軸箱間隔が軸ば
ねの撓みA1 ,A2 と操舵トーションバー10と操舵リン
クと軸箱との連結部の高さの差h1 に比例して変化する
ことが分かる。
で車体が曲線外側に傾斜すると、左右の軸箱間隔が軸ば
ねの撓みA1 ,A2 と操舵トーションバー10と操舵リン
クと軸箱との連結部の高さの差h1 に比例して変化する
ことが分かる。
【0047】因に、この軸ばねの撓みによるのみで、ど
の程度の曲線上を走行するのと同じ効果を得られるかを
推定してみる。図6に示すように軸距をW,左右の軸箱
間隔をHとすれば、そのときの曲線半径Rは、
の程度の曲線上を走行するのと同じ効果を得られるかを
推定してみる。図6に示すように軸距をW,左右の軸箱
間隔をHとすれば、そのときの曲線半径Rは、
【数4】 なる関係であることが推定できる。
【0048】しかしながら、車体のローリングが台車の
蛇行動と連成しても困るので、あまりきびしく車両が走
行する曲線半径と軸ばねの撓み量に関連を持たせること
はしなくても十分にフランジの軌条に対する当り方を緩
和する効果が期待できる。
蛇行動と連成しても困るので、あまりきびしく車両が走
行する曲線半径と軸ばねの撓み量に関連を持たせること
はしなくても十分にフランジの軌条に対する当り方を緩
和する効果が期待できる。
【0049】したがって、以上説明したように本実施例
によれば、操舵トーションバーの位置を軸箱と操舵リン
クとの連結部の平均高さより高い位置とし、操舵レバー
と軸箱を操舵リンクで連結すると、軌条のスラックや車
輪踏面のテーパ作用によって車軸が自動的に方向操舵さ
れるのとは全く別の作用により、車体が遠心力で曲線外
側に傾斜する作用で曲線外側の軸箱間隔が大きくなり、
曲線内側の軸箱間隔が小さくなり、台車操舵を行った場
合と類似の作用が発生することになる。
によれば、操舵トーションバーの位置を軸箱と操舵リン
クとの連結部の平均高さより高い位置とし、操舵レバー
と軸箱を操舵リンクで連結すると、軌条のスラックや車
輪踏面のテーパ作用によって車軸が自動的に方向操舵さ
れるのとは全く別の作用により、車体が遠心力で曲線外
側に傾斜する作用で曲線外側の軸箱間隔が大きくなり、
曲線内側の軸箱間隔が小さくなり、台車操舵を行った場
合と類似の作用が発生することになる。
【0050】このように車体が曲線外側に変位すること
は、曲線半径と速度の関係から設定されるカントが設け
られていない場合に効果を発揮する。
は、曲線半径と速度の関係から設定されるカントが設け
られていない場合に効果を発揮する。
【0051】ところで、曲線で適正なるカントが設けら
れていない部分としては、分岐装置部が最も過酷な例に
なる。そこで、分岐装置部を通過する操舵台車にとって
は、分岐装置部ではカントが設けられておらず、しか
も、分岐装置部での割り込み脱線等の不都合が発生しな
いように軌条にスラックが設けられていない。したがっ
て、通常の操舵台車機能は、軌条に必要なスラックが設
けられ、車輪踏面に設けられたテーパと車輪の片寄りに
よって発生する左右の車輪径の差により、曲線の方向に
車輪が自動的に向く操舵機能が発生しない。
れていない部分としては、分岐装置部が最も過酷な例に
なる。そこで、分岐装置部を通過する操舵台車にとって
は、分岐装置部ではカントが設けられておらず、しか
も、分岐装置部での割り込み脱線等の不都合が発生しな
いように軌条にスラックが設けられていない。したがっ
て、通常の操舵台車機能は、軌条に必要なスラックが設
けられ、車輪踏面に設けられたテーパと車輪の片寄りに
よって発生する左右の車輪径の差により、曲線の方向に
車輪が自動的に向く操舵機能が発生しない。
【0052】ところが、上記したように分岐装置部には
カントが設けられていないから、ここを通過する操舵台
車を有する車両は、遠心力により分岐曲線の外側に傾斜
して通過する。このとき、スラックや車輪踏面のテーパ
作用による操舵機能は発生しないが、車両に作用する遠
心力によって操舵機能が発生し、各輪軸は曲線の中心方
向に操舵され、車輪のフランジと軌条との間に発生する
強い当り(衝突)を緩和し、車輪のフランジと軌条の摩
耗を減少させることが可能になる。
カントが設けられていないから、ここを通過する操舵台
車を有する車両は、遠心力により分岐曲線の外側に傾斜
して通過する。このとき、スラックや車輪踏面のテーパ
作用による操舵機能は発生しないが、車両に作用する遠
心力によって操舵機能が発生し、各輪軸は曲線の中心方
向に操舵され、車輪のフランジと軌条との間に発生する
強い当り(衝突)を緩和し、車輪のフランジと軌条の摩
耗を減少させることが可能になる。
【0053】ただし、一般の走行軌条では、車両の遠心
力と釣合うカントとその軌条に従ったスラックが設けら
れているので、遠心力による車体ローリングは減少し、
ゲージが広くなることにより車輪踏面の特性による操舵
が自動的に行われ、本実施例による車体ローリングに基
ずく操舵機能は殆ど発生することがない。
力と釣合うカントとその軌条に従ったスラックが設けら
れているので、遠心力による車体ローリングは減少し、
ゲージが広くなることにより車輪踏面の特性による操舵
が自動的に行われ、本実施例による車体ローリングに基
ずく操舵機能は殆ど発生することがない。
【0054】次に、図7,図8に示す本発明の他の実施
例は、上述した実施例が図5において操舵リンク13a,
13cの長さが等しいかまたはほぼ等しい場合を対象とし
ていたが、操舵リンク13a′,13a″,13c′,13c″
の長さが等しくなく、投影長さがl2 とl2 ′の長さに
構成されているものとする。
例は、上述した実施例が図5において操舵リンク13a,
13cの長さが等しいかまたはほぼ等しい場合を対象とし
ていたが、操舵リンク13a′,13a″,13c′,13c″
の長さが等しくなく、投影長さがl2 とl2 ′の長さに
構成されているものとする。
【0055】この場合の軸ばねの変位による軸箱位置の
前後変位は、次のように与えられる。
前後変位は、次のように与えられる。
【0056】
【数5】
【0057】軸箱間隔の変化は、図7のリンク構成で、
軸ばねの沈下する側での伸び量は、
軸ばねの沈下する側での伸び量は、
【数6】 同様に軸ばねの伸びる側での縮む量は、
【数7】
【0058】次に、図8のリンク構成で、軸ばねの沈下
する側での伸び量は、
する側での伸び量は、
【数8】 同様に軸ばねの伸びる側での縮む量は、
【数9】
【0059】このように操舵リンク13aの長さが13
a′,13a″に、操舵リンク13cの長さが13c′,13
c″にと相違しても、軸ばねの変位により曲線の内側に
回転中心が存在するような操舵機能のあることが分か
る。
a′,13a″に、操舵リンク13cの長さが13c′,13
c″にと相違しても、軸ばねの変位により曲線の内側に
回転中心が存在するような操舵機能のあることが分か
る。
【0060】しかるに、同じ軸ばねの変位に対して生じ
る車軸のスイベル角度は、B1 ,B1 ′,B2 ,B2 ′
よりB3 ′,B3 ″,B4 ′,B4 ″の操舵リンク13
c′,13c″の短いリンクにより保持される車軸の方が
スイベル角度としては大きくなる。
る車軸のスイベル角度は、B1 ,B1 ′,B2 ,B2 ′
よりB3 ′,B3 ″,B4 ′,B4 ″の操舵リンク13
c′,13c″の短いリンクにより保持される車軸の方が
スイベル角度としては大きくなる。
【0061】このため、大きなスイベル角度を車軸に与
たえるのは、電動軸では駆動装置や電動機をスイベルさ
せることを考えるとあまり好ましくはない。そこで、長
いリンク側の車軸を電動軸とし、短いリンク側を非駆動
軸とすることができれば、操舵台車として好ましい構造
とすることが可能となる。
たえるのは、電動軸では駆動装置や電動機をスイベルさ
せることを考えるとあまり好ましくはない。そこで、長
いリンク側の車軸を電動軸とし、短いリンク側を非駆動
軸とすることができれば、操舵台車として好ましい構造
とすることが可能となる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
輪踏面の勾配とスラック等により車輪が左右に移動でき
るようにして生じる左右の車輪の直径差により、軌条の
曲線路に沿って転動する特性を有し、かつ前後の輪軸が
同一角度で逆方向にスイベルするように台車台枠に回動
可能に取付けられた操舵回動体を有し、この操舵回動体
の上下方向に沿った両端部に一端をそれぞれ連結すると
共に他端をそれぞれ前後の軸箱に連結する操舵棒状体を
備えて成り、操舵回動体の回動中心を、操舵棒状体と軸
箱の連結部より高い位置に配設しているので、一般の走
行路では操舵台車が本来具備する操舵機能で輪軸操舵が
行われ、分岐装置部の曲線路のようにスラックもカント
も設けられていない部分では車体に作用する遠心力で発
生するローリング動を介して走行速度に無関係に所望の
方向に輪軸を操舵し得るようにした操舵リンク付台車を
提供することができる。
輪踏面の勾配とスラック等により車輪が左右に移動でき
るようにして生じる左右の車輪の直径差により、軌条の
曲線路に沿って転動する特性を有し、かつ前後の輪軸が
同一角度で逆方向にスイベルするように台車台枠に回動
可能に取付けられた操舵回動体を有し、この操舵回動体
の上下方向に沿った両端部に一端をそれぞれ連結すると
共に他端をそれぞれ前後の軸箱に連結する操舵棒状体を
備えて成り、操舵回動体の回動中心を、操舵棒状体と軸
箱の連結部より高い位置に配設しているので、一般の走
行路では操舵台車が本来具備する操舵機能で輪軸操舵が
行われ、分岐装置部の曲線路のようにスラックもカント
も設けられていない部分では車体に作用する遠心力で発
生するローリング動を介して走行速度に無関係に所望の
方向に輪軸を操舵し得るようにした操舵リンク付台車を
提供することができる。
【図1】本発明の一実施例を示す側面図。
【図2】本発明の一実施例の要部の構成を示す斜視図。
【図3】本発明の一実施例における操舵リンクと軸ばね
の変位関係を示す説明図。
の変位関係を示す説明図。
【図4】本発明の作用に関連する横方向左右力により台
車の各部が傾斜する状態を示す説明図。
車の各部が傾斜する状態を示す説明図。
【図5】本発明の一実施例の作用を示す説明図。
【図6】本発明の一実施例の図5と異なる作用を示す説
明図。
明図。
【図7】本発明の他の実施例を作用で示す説明図。
【図8】本発明のさらに異なる他の実施例を作用で示す
説明図。
説明図。
【図9】従来の操舵台車の一例であるシェッフェル台車
の側面図。
の側面図。
【図10】図9に示すシェッフェル台車の一半部を示す
平面図。
平面図。
1…軌条、2…台車台枠、3a,3b…枕ばね、4…揺
枕、5a,5b,6a,6b…軸箱、7a,7b…軸ば
ね、8a〜8d…車輪、9a,9b…車軸、10…操舵ト
ーションバー、12a,12b…操舵レバー、13a〜13d,
13a′,13c′,13a″,13c″…操舵リンク、14a,
14b,18a,18b…連結部、15…車体、16…心皿、17
a,17b…側受。
枕、5a,5b,6a,6b…軸箱、7a,7b…軸ば
ね、8a〜8d…車輪、9a,9b…車軸、10…操舵ト
ーションバー、12a,12b…操舵レバー、13a〜13d,
13a′,13c′,13a″,13c″…操舵リンク、14a,
14b,18a,18b…連結部、15…車体、16…心皿、17
a,17b…側受。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−7756(JP,A) 特開 平4−103462(JP,A) 特開 平4−87874(JP,A) 特開 昭60−76464(JP,A) 実開 昭63−94079(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61F 5/44
Claims (3)
- 【請求項1】 車輪踏面の勾配とスラック等により車輪
が左右に移動できるようにして生じる左右の車輪の直径
差により、軌条の曲線路に沿って転動する特性を有し、
かつ前後の輪軸が同一角度で逆方向にスイベルするよう
に台車台枠に回動可能に取付けられた操舵回動体を有
し、この操舵回動体の上下方向に沿った両端部に一端を
それぞれ連結すると共に他端をそれぞれ前後の軸箱に連
結する操舵棒状体を備えて成り、前記操舵回動体の回動
中心を、前記操舵棒状体と前記軸箱の連結部より高い位
置に配設したことを特徴とする操舵リンク付台車。 - 【請求項2】 2つの輪軸の一方に駆動装置を組込むと
き、この組込んだ輪軸側に他側より長くした操舵棒状体
を配設するようにしたことを特徴とする請求項1記載の
操舵リンク付台車。 - 【請求項3】 左右の操舵回動体の回動中心部を、操舵
捩り軸体で連結すると共に左右の操舵回動体の両端部を
互いに前後の軸箱の異なる側に連結するようにしたこと
を特徴とする請求項1記載の操舵リンク付台車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04288655A JP3122259B2 (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | 操舵リンク付台車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04288655A JP3122259B2 (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | 操舵リンク付台車 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06135330A JPH06135330A (ja) | 1994-05-17 |
JP3122259B2 true JP3122259B2 (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=17732977
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04288655A Expired - Fee Related JP3122259B2 (ja) | 1992-10-27 | 1992-10-27 | 操舵リンク付台車 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3122259B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112008002147T5 (de) | 2007-08-09 | 2010-06-10 | Daicel Chemical Industries, Ltd., Osaka-shi | Gasgenerator |
DE112008002151T5 (de) | 2007-08-09 | 2010-06-17 | Daicel Chemical Industries, Ltd., Osaka-shi | Gasgenerator und Fahrzeugairbagvorrichtung mit einem Gasgenerator |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5259999B2 (ja) * | 2007-08-03 | 2013-08-07 | 新日鐵住金株式会社 | 高速鉄道車両用台車の軸箱支持装置 |
CN102826746A (zh) * | 2012-09-29 | 2012-12-19 | 句容富达教学设备科技有限公司 | 一种多用玻璃刀 |
JP6185727B2 (ja) | 2013-03-06 | 2017-08-23 | 川崎重工業株式会社 | 平行カルダン駆動方式の操舵台車 |
-
1992
- 1992-10-27 JP JP04288655A patent/JP3122259B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112008002147T5 (de) | 2007-08-09 | 2010-06-10 | Daicel Chemical Industries, Ltd., Osaka-shi | Gasgenerator |
DE112008002151T5 (de) | 2007-08-09 | 2010-06-17 | Daicel Chemical Industries, Ltd., Osaka-shi | Gasgenerator und Fahrzeugairbagvorrichtung mit einem Gasgenerator |
US8393639B2 (en) | 2007-08-09 | 2013-03-12 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Inflator and vehicle airbag device using the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06135330A (ja) | 1994-05-17 |
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