JP2903391B2 - 鉄道模型車両 - Google Patents

鉄道模型車両

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JP2903391B2
JP2903391B2 JP33639196A JP33639196A JP2903391B2 JP 2903391 B2 JP2903391 B2 JP 2903391B2 JP 33639196 A JP33639196 A JP 33639196A JP 33639196 A JP33639196 A JP 33639196A JP 2903391 B2 JP2903391 B2 JP 2903391B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄道模型車両に関
し、更に詳細には当該車両が曲線線路を高速で通過し得
るように工夫された鉄道模型車両に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、多くの輸送機関におけるスピード
アップ競走は、時代の趨勢であり鉄道においても例外で
はなく、その技術開発は多岐にわたっている。それらの
新技術の1つとして「振り子機構」を例示することがで
きる。
【0003】そこで、この振り子機構について簡単に説
明する。鉄道車両が線路の曲線区間を通過する時の速度
には、遠心力の作用により一定の限界がある。そのた
め、この曲線区間での通過速度を向上させるべく車体全
体を曲線の内側に傾ける方法が考えられた。
【0004】この原理は、既によく知られているように
車両が曲線区間を走行中に車両全体を曲線の内側に傾け
ると、車両の重心作用(重力)方向は車両の垂直中心線
から曲線の内側に傾き、これによりこの重力と遠心力と
の合力が車体の垂直中心線上に重なる。
【0005】すなわち、この合力は路面に対して直角に
作用することになり、従って車両の踏ん張り力が出るか
らである。これは丁度、自転車やオートバイ等がカーブ
を曲る時に車体を内側に傾けるのと同じ考え方である。
【0006】実際の鉄道車両において実用化されている
この種の振り子機構は、自然振り子方式と強制振り子方
式とに代表される。自然振り子方式とは、台車の枕梁を
上下に円弧状に分割して二重構造とし、その隙間にころ
軸受けを数個設けた構造とし、車両が高速で曲線区間を
通過する時には車体の重心が遠心力により外側に移動
し、結果的に車体全体が内側に傾き、遠心力とほぼ釣り
合った状態で走行を可能とする方式である。
【0007】他方、強制振り子方式とは、車両の構造は
自然振り子方式のものとほぼ同じであるが、図10に示
されるように上下の枕梁1、2を車体3の左右方向に空
気圧アクチュエータ4で連結し、車両が曲線区間に入る
と車両の速度と曲線区間の曲率からコンピュータが車体
の好ましい傾斜角度を算出し、同時に空気圧アクチュエ
ータを作動させて車体を強制的にその算出傾斜角度だけ
傾けて走行する方式である。なお、符号5はころ軸受け
を示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような曲線区間を
高速で走行させるための振り子方式は、勿論、実際の鉄
道での話であって、これを鉄道模型車両に応用すること
は不可能に近いことであると考えられていた。その理由
は、自然振り子方式を鉄道模型車両で採用しようとして
も、車体の重量が非常に軽いこと、線路と車体重心との
距離が著しく小さいこと等から車両が高速で曲線区間を
通過する時に車体の重心が遠心力により外側に移動する
ことは殆どなく、そのため車体全体が内側に傾くことも
期待できない。
【0009】また、強制振り子方式については、模型車
両に取り付けることができるような小さな空気圧アクチ
ュエータを製造することができないこと、仮にこれが製
造できたとしてもこの空気圧アクチュエータを制御する
超小型のコンピュータ等制御装置が存在しないことによ
り、鉄道模型車両では採用することができなかった。
【0010】更に、この種の鉄道模型車両において、動
力車両に牽引される付随車でも車体内には実車と同じ様
に室内灯等の電気設備が設けられ、動力車と同様にレー
ルに流れる電流を車輪からこれらの電気設備に給電する
ようになっている。そのため、車体内に設けられた電気
設備に給電する手段の他に更に前述した振り子機構を組
み込むと、構造が複雑になるばかりではなく部品点数が
増大して製造コストの高騰を招くという問題もあった。
【0011】本発明の目的は、かかる従来の問題点を解
決するためになされたもので、鉄道模型車両が曲線区間
を通過する時、強制的に車体を傾斜させて遠心力に対抗
させ、これにより曲線区間の高速走行を可能とする小型
の振り子機構を備える鉄道模型車両を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、左右それぞれ
に少なくとも2つの車輪が回転可能に支持された台車を
車体の前端側及び後端側の底面下にそれぞれ配置してな
る鉄道模型車両において、前記各台車が2本の車軸間中
心点より前記車体の長手方向端部側にオフセットした位
置で前記車体の底面に、前記車体の横揺れを許す程度に
ルーズに枢着され、前記各台車の上面には前記台車の幅
方向に間隔をあけて立設された2つの棒状部材が設けら
れ、前記車体の底面には前記各棒状部材の上端がそれぞ
れ当接するガイド板が設けられ、前記各ガイド板の前記
棒状部材先端との当接面が前記車体の外側に下がる傾斜
面とされていることを特徴とする。
【0013】また、本発明の鉄道模型車両は、左右それ
ぞれに少なくとも2つの車輪が回転可能に支持された台
車を車体の前端側及び後端側の底面下にそれぞれ配置し
てなる鉄道模型車両において、前記各台車が2本の車軸
間中心点より前記車体の長手方向端部側にオフセットし
た位置で前記車体の底面に、前記車体の横揺れを許す程
度にルーズに枢着され、前記各台車の上面には前記車体
との前記枢着部より前記車体の中央寄りに2つの棒状部
材が前記台車の幅方向に間隔をあけて立設され、前記各
台車の上面には前記車体との枢着部より前記車体の中央
方向に伸長し且つ前記台車の横方向に付勢力を有するバ
ネ部材が設けられ、前記車体の底面には前記各棒状部材
の上端がそれぞれ当接するガイド板が設けられ、前記各
ガイド板の前記棒状部材先端との当接面が前記車体の外
側に下がる傾斜面とされていると共に前記バネ部材の先
端部が前記車体に係止されていることを特徴とする。
【0014】更に、本発明の鉄道模型車両では、前述の
各特徴に加えて、前記ガイド板が前記車体に所定の重量
を与える重りの板部材で構成されていることを特徴とす
る。また、本発明の鉄道模型車両では、前述の各特徴に
加えて、前記ガイド板が前記車体内に設置された電気設
備に電気的に接続された導電性の端子板から構成され、
前記台車に取り付けられた前記棒状部材が前記車輪に電
気的に接続する集電棒で構成され、前記電気設備への給
電手段を兼用しながら前記車体を曲線区間で傾斜させる
ようにしたことを特徴とする。
【0015】本発明の鉄道模型車両によると、当該車両
が曲線区間を通過すると、台車は車体の底面との枢着部
を中心として相対的に回動する。これに伴って、台車上
に設けられた2つの棒状部材も枢着部を中心として車体
に相対して円弧線上を曲線区間外側に移動することか
ら、曲線区間外側に位置する台車上の1つの棒状部材は
傾斜したガイド板に摺接しながらその下端側に移動し、
曲線区間内側に位置する台車上の他の1つの棒状部材は
傾斜した他方のガイド板に摺接しながらその上端側に移
動する。
【0016】このように台車が車体との枢着部を回転中
心線として当該車体に相対して回動することで曲線区間
の外側に車体に相対して振られる2つの棒状部材の円弧
運動は、その高さが変らないことから水平面内での運動
である。従って、傾斜したガイド板の下端側に移動した
棒状部材は、結局車体を上方に持ち上げ、また傾斜した
他方のガイド板の上端側に移動した棒状部材は、結局車
体の横方向下向きへの傾斜を許す。
【0017】これにより、台車上の車体は曲線区間通過
時に曲線区間内側に強制的に傾くように揺動させられる
ことになる。その結果、車体の重心作用(重力)方向が
その垂直中心軸線から曲線区間内側に傾く。そのため、
車体に発生する遠心力に対抗することができ、その分だ
け当該模型車両を曲線区間で高速に通過させることがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の鉄道模型車両を図
に示される実施の形態について更に詳細に説明する。図
1には、本発明の一実施形態に係る鉄道模型車両、特に
動力車両によって牽引される客車、貨車等の付随車両1
0における車体と台車の取付け構造が概略的に示されて
いる。この実施形態に係る鉄道模型車両10の基本構造
は従来のものと同様であり、台車11を車体12の両端
部側の床板13下に回動可能な支持手段を介して配置し
て構成されている。
【0019】この台車11は、図1、図2及び図3に示
されているように、左右の車輪14aを車軸14bで連
結した2組の車輪部14と、これら車輪部14を相互に
間隔をあけて回転可能に支持する台車枠15とにより構
成されている。すなわち、台車枠15は、車輪部14の
車軸14bの先端部を直接軸受けする左右の側枠部15
a(図3ではこの側枠部を省略して図示されている)
と、これら左右の側枠部15aの上縁部間に橋渡しされ
て設けられた台座板15bとから構成されている。
【0020】更に、台車11が前述した車体12の各端
部側でその下に配置される時、車体12の端部方向に向
く台車枠15の端面には、連結機(図示せず)を取り付
けるための取付けアーム15cが形成されている。前記
台座板15bには、2本の車軸間中心から外れて車体1
2の長手方向端部側にオフセットした位置に嵌合穴16
が形成されている。すなわち、この嵌合穴16は、従来
のように2つの車軸14b間の中心即ち所謂台車11の
中央部ではなく、車体12の長手方向端部側に寄った位
置とされている。
【0021】また、台車枠15を構成している台座板1
5b上には、台車11の中央部を横断する車軸14bに
平行な仮想線上に位置し且つ台車11の幅方向二等分位
置即ち中心線から等距離の位置に2つの棒状部材17が
立設されている。他方、台車11が配置される車体12
の床板13には、台車枠15の台座板15bに形成され
た嵌合穴16に嵌め込まれる軸部18が下方に突出して
形成されている。この軸部18は、図1から明らかなよ
うに球状体に形成されている。
【0022】この球状体の軸部18が挿入される台車枠
15の台座板15bに形成された嵌合穴16は、その内
部で当該軸部18を自由に回動させたり或いは揺動(傾
斜)させたりできるように内周面が凹状球面に形成され
ていると共に軸部18より幾分大きめに形成され、これ
により両者のルーズな連結を得ている。しかし、軸部1
8が球状体であるため、組み立て時に軸部18を嵌合穴
16へ挿入しようとしても簡単には入れることができな
い。
【0023】そのため、台座板15bには、図2に示さ
れるように嵌合穴16に連接し且つ台車11の長手方向
に伸長する比較的に長い切欠部19が形成されており、
これにより軸部18を嵌合穴16に挿入する時、むりに
軸部18を嵌合穴16に押し込むようにすると台座板1
5bが切欠部19によって僅かにへこむように変形して
嵌合穴16が多少拡張し、その結果容易に挿入すること
ができる。特に、この台車枠15は、合成樹脂製である
ため、台座板15bの厚みを適宜設計すれば、軸部18
の嵌合穴16への装着時における台座板15bの適度な
変形を得ることができる。
【0024】ところで、車体12の床板13下面に形成
された軸部18を台車11の嵌合穴16内に挿入して両
者を連結した時、台車11の台座板15b上に立設した
2つの棒状部材17の上端が対向する車体12の床板1
3には、図4に示されるように車体12の幅方向に所定
の幅を備える四角形の開口部20が2つ形成されてい
る。そして、車体12内の床板13上には、幅方向両側
に位置し且つ床板13の長手方向に伸長して金属製のウ
エイト板即ち重り板21が配置固定されている。
【0025】この重り板21は、図1に示されるよう
に、ハの字の如く車体12の幅方向外側に下がるように
傾斜して取り付けられている。そして、これらの重り板
21の端部は、床板13に形成された開口部20上にあ
って、これを塞ぐように位置している。従って、台車1
1の台座板15b上に立設した2つの棒状部材17の上
端は、それぞれ床板13の各開口部20を通って重り板
21の傾斜下面に当接する。
【0026】この重り板21が後述する車体12の揺動
を起こさせるガイド板として機能し、この下面が傾斜ガ
イド面となる。なお、図4において符号22は、座席等
を成形した内装板(図示せず)を車体12の床板13上
面にネジ止めにより固定するため床板13の下面に突出
して形成されたネジ穴用ボス部を示している。
【0027】再び、台車11の説明に戻るが、台車11
における台車枠15の台座板15b上には、台車11が
車体12に相対して回動した時、その相対的回動を自動
的に復帰させるためのバネ部材23が配置されている。
このバネ部材23については、図1では図面が複雑にな
り他の構成要素の配置が不明瞭となるので省略したが、
図5、図6及び図7にはこれが独立して示されている。
【0028】これら図2、図5、図6及び図7から明ら
かなように、このバネ部材23は台座板15bの嵌合穴
16における上部周囲縁に形成されたリング状の隆起部
24に嵌着する開口部23aを形成した板状のプレート
本体23bを備えている。このプレート本体23bが台
車枠15の台座板15b上に配置された時、台車枠15
における取付けアーム15cが存在する方向を前方とす
ると、後方に向いたプレート本体23bの端部には、図
2に示されるように2つの棒状部材17を保護する突起
の内側に入り込む脚部23cが一体的に形成されてい
る。
【0029】この脚部23cによりプレート本体23b
の回転が防止される。なお、このプレート本体23bの
下面には、図6及び図7に示されるように台座板15b
に形成された前述の切欠部19に嵌合する突起23dが
形成されている。この突起23dは回転防止手段よりも
プレート本体23aの台座板15b上での正確な位置決
めを行う手段として設けられている。従って、この突起
23dの位置及び切欠部19への挿入のための幅寸法等
は精度高く成形されている。
【0030】このプレート本体23bにおける後端即ち
2つの脚部23c間からは、後方に伸長するバネ部23
eが形成されている。このバネ部23eの後端部にはU
字形の係止部23fが一体に形成されている。更に、プ
レート本体23bの前端部上面には、後述する車体12
の台車11に相対する傾斜運動に支障のない程度の高さ
のリブ23gが形成されている。他方、車体12の床板
13下面には、台車11が前述したように所定の位置に
配置された時に、バネ部23eの後端部における係止部
23fのU形内に緩く入る係止用突起25が形成されて
いる。
【0031】次に、本実施形態に係る鉄道模型車両10
の動作について説明する。本発明の鉄道模型車両10が
図1に示されるような直線区間を走行している状態から
曲線区間を通過すると、台車11は図8に示されるよう
に車体12の床板13に相対して枢着部である軸部18
を回動軸として回動される。その時、バネ部材23にお
けるバネ部23eの先端に形成されている係止部23f
は車体12の床板13中央に設けられた係止用突起25
に係止しているため屈曲させられて撓み、これによりバ
ネ力が蓄えられる。
【0032】ところで、台車11の車体12に相対した
回動に伴って、台車11の台座板15b上に立設した2
つの棒状部材17も軸部18を中心として車体12に相
対して円弧線上を曲線区間外側に移動することから、曲
線区間外側に位置する台車11上の1つの棒状部材17
は傾斜した重り板21の傾斜ガイド面に摺接しながらそ
の外側の下端側に移動し、曲線区間内側に位置する台車
11上の他の1つの棒状部材17は傾斜した他方の重り
板21の傾斜ガイド面に摺接しながらその内側の上端側
に移動する。
【0033】このように台車11が車体12との軸部1
8を回転中心線として当該車体12に相対して回動する
ことで曲線区間の外側に車体12に相対して振られる2
つの棒状部材17の円弧運動は、その高さが変らないこ
とから水平面内での運動である。従って、傾斜した重り
板21の傾斜ガイド面の下端側に移動した棒状部材17
は、結局車体12を上方に持ち上げ、また傾斜した他方
の重り板21の傾斜ガイド面の上端側に移動した棒状部
材17は、結局車体12の横方向下向きへの傾斜を許
す。
【0034】これにより、台車11上の車体12は、図
9に示されるように曲線区間通過時に曲線区間内側に強
制的に傾くように揺動させられることになる。その結
果、車体の重心作用(重力)方向がその垂直中心軸線か
ら曲線区間内側に傾く。そのため、車体に発生する遠心
力に対抗することができ、その分だけ当該模型車両を曲
線区間で高速に通過させることができる。
【0035】そして、この鉄道模型車両10が曲線区間
から出て直線区間に入り始めると、台車11と車体12
とは、前述したバネ部材23におけるバネ部23eに蓄
えられたバネエネルギーにより直ちに元の相対的位置関
係に復帰する。このように鉄道模型車両10が、曲線区
間から直線区間に出た時には単に傾斜ガイド面と棒状部
材17との振り子作用にのみ頼らずにその相対的位置関
係を強制的に戻すようにされている。
【0036】このように曲線区間通過後に台車11と車
体12との相対的位置関係を強制的に復帰させる必要に
ついて若干説明すると、この鉄道模型車両10が比較的
に低速で曲線区間から直線区間へ通り抜ける場合には台
車11と車体12との相対的位置関係をバネ等により強
制的に復帰させる必要はない。
【0037】しかし、この鉄道模型車両10を高速で曲
線区間から直線区間に進入させると、台車11の車体1
2に相対する回動による車体12への復元力と車体12
の傾斜運動の慣性力とにタイミング上のアンバランスが
生じ、両者の追随性が極端に悪化する。その結果、台車
11がレールから外れて脱線する恐れがある。この現象
は、例えば逆方向にカーブする曲線区間が連続するS字
カーブ等を高速で通過した時には顕著に発生する。
【0038】しかしながら、バネ部材23で台車11と
車体12との相対的位置関係をレールの状態に対して迅
速に適正化しておけば、台車11と車体12との相対的
な移動における追随性が良好になると共に台車11の車
体12を復元させようとする負荷即ち仕事が緩和される
ことなり、たとえS字カーブ等を高速で通過した時でも
台車11がレールから外れて脱線することを防止でき
る。ただし、このバネ部材23は、鉄道模型車両10が
曲線区間から直線区間に進行している時や、右曲線から
左曲線又はその逆へのS字曲線の通過時に傾いている車
体12を直立させるための補助的な力を加えるために働
いているのであり、従ってこのバネ部材23の主なる働
きは車体12が起き上がる最初の時ぐらいで、車体12
が起き始めてしまうとバネの効果は減少する。
【0039】ところで、鉄道模型車両10が曲線区間か
ら直線区間に移る時の車体12の復元時における台車1
1の脱線は、更に別な原因でも起こる。すなわち、この
鉄道模型車両10が曲線区間に入ると前述したように台
車11が車体12に対して回動し、これにより台車11
における2つの棒状部材17の円弧運動と車体12の重
り板21の傾斜ガイド面との協動作用により車体12が
横方向に傾斜することは既に説明した通りである。
【0040】しかし、鉄道模型車両10が曲線区間から
直線区間に入りはじめて台車11が車体12に対して元
の位置へ戻るように回動する時、台車11における2つ
の棒状部材17の円弧運動と車体12の重り板21の傾
斜ガイド面とは既に傾斜している車体12を起こすよう
に仕事をすることになる。すなわち、この仕事は、鉄道
模型車両10が直線区間から曲線区間に進入する時とは
違って、車体12が既に傾斜し、車体の重心作用(重
力)方向がその垂直中心軸線から曲線区間内側に既に傾
いた車体12を起こすことなのであり、これが復元なの
である。
【0041】従って、台車11の一方の棒状部材17に
は傾斜ガイド面に直角な方向から大きな負荷が掛ること
になる。そのため、台車11全体についてみると、台車
11の後方片側に斜め上方からの力が掛る。ところが、
台車11と車体12とは、車体に振り子運動を起こさせ
るため、オフセットした位置でルーズに枢着されている
ことから、台車11における前方側の車輪14aが浮き
上がり、これにより台車11の脱線が起こる。
【0042】しかしながら、この実施形態に係る鉄道模
型車両10では、バネ部材23の前端部上面にリブ23
gが形成されているため、台車11の前方が浮き上がる
とこのリブ23gがスペーサとなって車体12の床板1
3下面に当接し、台車11のこの浮き上がりを押えるこ
とから台車11の脱線を防止することができる。勿論、
このようなリブ23gは、バネ部材23に形成しなけら
ばならないものではなく、バネ部材23を設置しない台
車11であれば、台車枠15の台座板15bに形成する
ことができる。
【0043】前述した実施形態の鉄道模型車両は、動力
車両に牽引される客車、貨車等の付随車両に適用した場
合について説明してきた。通常、このような付随車両で
は車体内部に電気設備は存在しないが、客車については
実車に酷似させるために室内灯又は行先表示灯等の照明
設備が設けられていることが多い。そのため、従来でも
このような客車の場合には動力車と同様に車体内に給電
する手段が設けられている。
【0044】そこで、前述したように車体に取り付けら
れた傾斜したガイド板と台車に設けた2つの棒状部材と
からなる振り子機構を客車に設ける時に、このガイド板
である重り板21を車体12内に設置された電気設備に
電気的に接続された導電性の金属板で構成し、また台車
11に取り付けられた棒状部材17を車輪14aに電気
的に接続された金属製の集電棒で構成するようにすれ
ば、電気設備への給電手段を兼用しながら車体11を曲
線区間で傾斜させるようにすることができ、多くの部品
を使用することなく客車を構成することができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の鉄道模型
車両によれば、台車を2本の車軸間中心点より車体の長
手方向端部側にオフセットした位置で車体の底面に、車
体の横揺れを許す程度にルーズに枢着し、台車の上面に
台車の幅方向に間隔をあけて2つの棒状部材を立設し、
車体の底面に各棒状部材の上端がそれぞれ当接するガイ
ド板を設け、各ガイド板の棒状部材先端との当接面を車
体の幅方向外側に下がる傾斜面とした簡単な構成によ
り、台車上の車体を曲線区間通過時に当該曲線区間内側
に強制的に傾くように揺動させることができる。その結
果、鉄道模型車両を曲線区間で高速に通過させることが
できる。
【0046】また、台車の上面に、車体との枢着部より
車体の中央方向に伸長し且つ台車の横方向に付勢力を有
するバネ部材を設けると共にこのバネ部材の先端部を車
体に係止して台車と車体との相対的な位置関係を強制的
に復帰させて双方の追随性を高めたことにより、鉄道模
型車両をS字カーブのような連続する曲線区間でも脱線
することなくより高速に通過させることができる。
【0047】更にまた、本発明の鉄道模型車両によれ
ば、動力車両に牽引される付随車両に適用する場合、一
般に車体内に設置される重りをガイド板として使用した
ことにより部品点数を多くすることなくこのような付随
車両に適用することができる。その場合、この付随車両
が内部に電気設備が設けられた客車等であれば、この重
り兼ガイド板を更に導電性の金属板とし、2つの棒状部
材を車輪に電気的に接続した集電棒とすることにより、
やはり部品点数をふやすことなく曲線区間で車体が傾斜
する手段を備える客車とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る鉄道模型車両におけ
る台車と車体との関係を概略的に示す断面図である。
【図2】図1に示される鉄道模型車両を構成する台車に
バネ部材を取り付けて示す上面図である。
【図3】図2に示される台車の側面図である。
【図4】図1に示される鉄道模型車両を構成する車体の
床板下面を部分的に下面図である。
【図5】台車枠の台座板上に取り付けられるバネ部材を
示す平面図である。
【図6】図5のバネ部材を示す側面図である。
【図7】図5のバネ部材を示す底面図である。
【図8】曲線区間を通過中の台車と車体との相対的な回
動状態を示す鉄道模型車両の底面図である。
【図9】曲線区間を通過中の台車と車体との相対的な揺
動即ち傾斜状態を概略的に示す当該車両の断面図であ
る。
【図10】強制振り子方式による傾斜手段を備えた実際
の鉄道車両を概略的に示す構成説明図である。
【符号の説明】
10 鉄道模型車両 11 台車 12 車体 13 床板 14 車輪部 14a 車輪 14b 車軸 15 台車枠 15a 側板 15b 台座板 15c 取付けアーム 16 嵌合穴 17 棒状部材 18 軸部 19 切欠部 20 開口部 21 重り板(ガイド板) 22 ネジ穴用ボス部 23 バネ部材 23a 開口部 23b プレート本体 23c 脚部 23d 突起 23e バネ部 23f 係止部 23g リブ 24 リング状の隆起部 25 係止用突起

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右それぞれに少なくとも2つの車輪が
    回転可能に支持された台車を車体の前端側及び後端側の
    底面下にそれぞれ配置してなる鉄道模型車両において、 前記各台車が2本の車軸間中心点より前記車体の長手方
    向端部側にオフセットした位置で前記車体の底面に、前
    記車体の横揺れを許す程度にルーズに枢着され、 前記各台車の上面には前記台車の幅方向に間隔をあけて
    立設された2つの棒状部材が設けられ、 前記車体の底面には前記各棒状部材の上端がそれぞれ当
    接するガイド板が設けられ、 前記各ガイド板の前記棒状部材先端との当接面が前記車
    体の幅方向外側に下がる傾斜面とされていることを特徴
    とする鉄道模型車両。
  2. 【請求項2】 前記台車の上面で且つ前記車体との枢着
    部近傍にリブが形成され、前記台車の端部が浮き上がろ
    うとする時、該リブが前記車体の下面に当接してそれを
    防止し前記台車の脱線を防ぐことを特徴とする請求項1
    に記載の鉄道模型車両。
  3. 【請求項3】 左右それぞれに少なくとも2つの車輪が
    回転可能に支持された台車を車体の前端側及び後端側の
    底面下にそれぞれ配置してなる鉄道模型車両において、 前記各台車が2本の車軸間中心点より前記車体の長手方
    向端部側にオフセットした位置で前記車体の底面に、前
    記車体の横揺れを許す程度にルーズに枢着され、 前記各台車の上面には前記車体との前記枢着部より前記
    車体の中央寄りに2つの棒状部材が前記台車の幅方向に
    間隔をあけて立設され、 前記各台車の上面には前記車体との枢着部より前記車体
    の中央方向に伸長し且つ前記台車の横方向に付勢力を有
    するバネ部材が設けられ、 前記車体の底面には前記各棒状部材の上端がそれぞれ当
    接するガイド板が設けられ、 前記各ガイド板の前記棒状部材先端との当接面が前記車
    体の外側に下がる傾斜面とされていると共に前記バネ部
    材の先端部が前記車体に係止されていることを特徴とす
    る鉄道模型車両。
  4. 【請求項4】 前記バネ部材の上面で且つ前記車体との
    枢着部近傍にリブが形成され、前記台車の端部が浮き上
    がろうとする時、該リブが前記車体の下面に当接してそ
    れを防止し前記台車の脱線を防ぐことを特徴とする請求
    項3に記載の鉄道模型車両。
  5. 【請求項5】 前記ガイド板が前記車体に所定の重量を
    与える重りの板部材で構成されていることを特徴とする
    請求項1、2、3又は4に記載の鉄道模型車両。
  6. 【請求項6】 前記ガイド板が前記車体内に設置された
    電気設備に電気的に接続された導電性の端子板から構成
    され、前記台車に取り付けられた前記棒状部材が前記車
    輪に電気的に接続する集電棒で構成され、前記電気設備
    への給電手段を兼用しながら前記車体を曲線区間で傾斜
    させるようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、
    4又は5のいずれかに記載の鉄道模型車両。
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