JP3121759B2 - エアバッグ用皮膜形成エマルジョン型シリコーン組成物及びエアバッグ - Google Patents

エアバッグ用皮膜形成エマルジョン型シリコーン組成物及びエアバッグ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害な有機溶剤を
使わずに、環境及び人体に安全に各種コーティング方法
に対応した粘度調整が可能で、塗工性に優れ、エアバッ
グ用基布に対する接着性及び気密性に良好で、表面のタ
ック感を軽減したゴム硬化被膜を形成することのできる
エアバッグ用皮膜形成エマルジョン型シリコーン組成物
及び該皮膜形成エマルジョン型シリコーン組成物の硬化
被膜を形成したエアバッグ基布を縫製してなるエアバッ
グに関する。
【0002】
【発明の技術的背景とその問題点】近年、自動車の座席
前方に備えられる安全装置として、いわゆるエアバッグ
装置が広く用いられるようになった。このエアバッグ装
置は、袋状のエアバッグと、自動車に与えられた衝撃を
感知するセンサと、このセンサによってエアバッグ内に
瞬時にガスを送り込んでエアバッグを膨張させるインフ
レータとを備えて構成されている。上記エアバッグは、
通常時はハンドル等の内部に折り畳まれて収納されてい
るが、自動車が衝突事故等によって強い衝撃を受ける
と、ダッシュボードフロアやフロントフロアのセンター
に配置されているセンサがその衝撃を感知し、上記イン
フレータにおいてアジ化ナトリウムなどを主成分とする
ガス発生剤を反応させて窒素ガスを発生させるととも
に、この窒素ガスを上記エアバッグ内に送り込んでエア
バッグを瞬時に膨張させるようになっている。すなわ
ち、エアバッグ装置は、自動車事故発生の際の衝撃を感
知してエアバッグを瞬時に膨張させ、この膨張させたエ
アバッグにより、自動車事故発生時における乗員への衝
撃を効果的に緩和して乗員の身体を保護するという重大
な役割を有しているものである。一般に、このようなエ
アバッグ装置のエアバッグは、ナイロン樹脂等の合成樹
脂からなる織布の一方の面側(エアバッグの内面側とな
る方)にクロロプレンゴム(特開昭49−55028 号公報)
やシリコーンゴム被膜(特開平2−270654号公報)が形
成された布材を所定の形状に裁断し、得られた複数枚の
基布を袋状に縫製したものである。また、上記袋体の内
面に形成されている被膜は、織布に気密性を付与すると
ともに、エアバッグが展開する瞬間、エアバッグ内に一
気に圧入される高温のガスにナイロン織布が直接曝露さ
れるのを防いでナイロン樹脂が溶融劣化するのを防止
し、延いては高温ガスから乗員を保護する機能を有する
ものである。従って、この被膜には、ある程度の耐熱性
が要求される。一方、エアバッグは、通常時は、折り畳
まれてハンドル内等に収納しておく必要があり、またそ
の収納部分の省スペース化が望まれていることから、な
るべくコンパクトに折り畳むことが可能なものであるこ
とが望ましい。従って、上記被膜としては、当初はクロ
ロプレンゴムが主体に用いられていた。しかしながら、
クロロプレンゴムでは、耐熱性及び耐久性が不十分であ
り、エアバッグの寿命が短くなってしまう欠点があっ
た。また車輛等の衝突の際に発生する火災や爆風の影響
を避けるために、エアバッグには、難燃性を付与する必
要があった。クロロプレンゴムでは、難燃性が不十分で
あり、爆風の当たる面にシリコーン製の難燃剤がさらに
塗布されていた。これに対してシリコーンゴムをコーテ
ィングしたエアバッグでは、シリコーンに対して公知の
難燃剤を付与することでコーティング皮膜自体に難燃性
をもたせることが可能となり、難燃剤をコートする必要
性がなくなった。このために、クロロプレンゴムに比べ
耐熱性及び耐候性に優れるシリコーンゴムコーティング
剤が注目を集めるようになった。
【0003】シリコーンゴムをコーティングしたエアバ
ッグは、ハンドル等に通常は格納され、衝突した時、爆
風によって膨らむ。この際に、コーティング皮膜も基布
の伸びに追従して瞬間的に伸びるため、シリコーンゴム
コーティング皮膜にも機械的強度及び伸びが要求され
る。このためには重合度の大きく粘度の高いベースポリ
マーが利用され、さらに補強剤、難燃剤、接着助剤等が
配合される。しかしながら、これらのシリコーン配合物
は、一般的に粘度が高く、ナイフコーティング等で要求
量30〜100g/m2に塗布することは困難であり、このため
トルエンやキシレン等の有機溶剤で希釈しナイフコーテ
ィング等でコーティングし易い粘度に調整し、塗布後に
ドライヤーで溶剤を蒸発させながら硬化させるといった
工程をとっている。そのため、エアバッグ用のゴムの場
合、一般にゴムコートに使用されるナイフ、ロール、グ
ラビア等のコーティングを用いて、通常必要とされる塗
布量の30〜100g/m2に塗布することは困難で、これらの
ゴムを有機溶剤で希釈し適当な粘度へ調整し使用するこ
とが一般的に行われている。しかし、これらの有機溶剤
は、静電気による着火のおそれがあるばかりでなく、吸
引、皮膚接触により作業者が健康を害したり、溶剤を揮
発させた後の回収に大きなコストが掛かる。また、回収
しないと大気汚染につながる等の問題があり、近年はあ
らゆる分野において有機溶剤の規制が行われつつある。
また、有機溶剤を用いないでコーティング組成物をナイ
フコーティング等でコーティングし易い粘度にするに
は、コーティング組成物のベースポリマーの重合度を下
げ、低粘度化する方法があるが、この組成物では、基布
に形成した硬化皮膜の機械的強度が十分でなく、エアバ
ッグ開裂時の高温の爆風によってコーティング面にヒビ
が入り、エアがもれバッグが十分に膨らまないおそれが
ある。更に、従来のゴムコーティング組成物では、硬化
皮膜表面の粘着性が大きく、コーティング面同士のブロ
ッキングしやすいという問題点もある。
【0004】一方で、皮膜形成タイプのエマルジョン型
シリコーン組成物については、これまで、水分を除去し
た後に、エラストマー状物質を形成するいろいろのシリ
コーン水性エマルジョン組成物が提案されている。たと
えば、特公昭38−860 号公報には、分子鎖両末端が水酸
基で封鎖されたポリジオルガノシロキサン、ポリオルガ
ノハイドロジェンシロキサン、ポリアルキルシリケート
および脂肪酸のスズ塩から構成されたものが、特公昭57
−57063 号公報には、分子鎖両末端が水酸基で封鎖され
たポリジオルガノシロキサン、3官能以上のシランおよ
び脂肪酸のスズ塩から構成されたものが、特公昭58−17
226 号公報には、分子鎖両末端がビニル基で封鎖された
ポリジオルガノシロキサン、ポリオルガノハイドロジェ
ンシロキサンおよび白金化合物から構成されたものが、
また、特開昭54−131661号公報には、環状オルガノシロ
キサンと官能基結合オルガノアルコキシシランとを乳化
重合したものなどが提案されている。しかし、これらの
エマルジョン組成物から形成されるエラストマー状物質
は、耐熱性、撥水性、耐候性、透明性などに優れている
が、機械的強度に劣っており、たとえばコーティング剤
としての使用には不適当であった。そこで、この機械的
強度を改善するため、補強材としてコロイダルシリカを
添加する手段がいくつか提案されている。添加方法とし
てヒドロシリル化反応が採用されたものについて挙げる
と、先ず特開昭54−52160 号公報には、分子鎖末端また
は側鎖上にビニル基を含有したポリジオルガノシロキサ
ン、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンおよび白金
化合物(触媒)から構成されたエマルジョンに、コロイ
ダルシリカを添加することが記載されている。また、特
開昭56−36546 号公報には、分子鎖両末端ビニル基封鎖
のポリジオルガノシロキサン、ポリオルガノハイドロジ
ェンシロキサンおよび白金化合物(触媒)から構成され
たエマルジョンを加熱して架橋構造を形成した後、コロ
イダルシリカを添加する方法が開示されている。しか
し、これらのエマルジョン組成物から水を除去すること
で形成されるエラストマー状物質は、コロイダルシリカ
とポリオルガノシロキサンとの結び付き、すなわち界面
接着性が不十分であり、コロイダルシリカの均一分散性
も悪いので、シリコーンにシリカの補強性を十分に付与
するには至らない。
【0005】一方、上記の場合と架橋方法は変わるが、
前記問題点を改善するため、特開昭61−16929 号公報お
よび特開昭61−271352号公報には、酸性コロイダルシリ
カの存在下、低重合度の両末端水酸基封鎖のジオルガノ
シロキサンと3官能性以上のアルコキシシランとの乳化
重合を行うといったエマルジョンの製造方法が開示され
ている。しかし、初期の均質化において原料シロキサン
とコロイダルシリカを同一ミセル内に含ませることが困
難であり、その結果、ミセル内でシロキサンとシリカが
縮合したもののほか、この縮合に末関与なシロキサンと
シリカが共存したエマルジョンとなり、機械的強度の改
善には至らない。
【0006】
【発明の目的】そこで、本発明は、エアバッグ基布に対
し優れた接着性、気密性等を有し、尚かつコロイダルシ
リカ−シリコーンコアシェル体を主要構成成分とし、水
の除去により機械的特性に優れたエラストマー状物質を
形成し得るエマルジョン型シリコーン組成物を用いるこ
とで、有害な有機溶剤を使用しないエアバッグ用皮膜形
成エマルジョン型シリコーン組成物及びその硬化皮膜を
形成したエアバッグを提供することを目的とする。
【0007】
【発明の構成】本発明者らは、上記目的を達成するべく
鋭意検討した結果、特定のコロイダルシリカ−シリコー
ンコアシェル体を主要構成成分とした皮膜形成エマルジ
ョンを用いることにより、種々のエアバッグ基布に対し
て、優れた接着性、気密性及び機械的特性を示し、また
有害な有機溶剤を使用せずにナイフ、ロールグラビアコ
ーティング等に適した粘度に調整でき、尚且つ基布の凹
凸に沿った表面状態を形成させる事により、ゴム表面の
タック感を減らし、エアバッグとして縫製する際に作業
性を向上させ、又は、ゴム面同士が接触した際にブロッ
キングを起こさない等の各種利点があることを見出し、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、 (A) (a) コロイダルシリカコア80〜5重量%および、
(b) 平均組成式 R1 aR2 bHcSiO(4-a-b-c)/2 … (I) (式中、R1はエチレン性不飽和基を含まない置換または
非置換の炭素原子数1〜18の1価の炭化水素基、R2はエ
チレン性不飽和基を含む置換または非置換の炭素原子数
1〜8の1価の炭化水素基、a は1.02〜2.01、b は 0.0
05〜0.50、c は0.005 〜0.50、b/c =1/5 〜10/1、 a+
b+c=1.80〜2.20の数を示す。)で表されるポリオルガ
ノハイドロジェンシロキサンのシェル20〜95重量%から
なる平均粒子径4〜400nm のコロイダルシリカ−シリコ
ーンコアシェル体 100重量部、 (B) 硬化触媒1×10-6〜1重量部、 (C) 乳化剤1〜20重量部および (D) 水50〜1000重量部 とから成ることを特徴とするエアバッグ用皮膜形成エマ
ルジョン型シリコーン組成物、および上記エマルジョン
型シリコーン組成物の硬化被膜を形成したエアバッグ基
布を縫製してなるエアバッグである。なお、ここでコロ
イダルシリカ−シリコーンコアシェル体とは、コロイダ
ルシリカをコアとし少なくとも一部をシリコーンが被覆
した構成を主成分とし、分離したシリコーン粒子などが
若干含まれていてもよい。しかして、本発明に係るエマ
ルジョン型シリコーン組成物は、次のようにして製造し
得る。すなわち、 (A) (a) コロイダルシリカと、(b-1) 一般式 R3 nSiO(4-n)/2 … (II) (式中、R3はエチレン性不飽和基を含まない置換または
非置換の炭素数1〜18の1価の炭化水素基、n は0〜3
の整数を示す。)で表される構造単位を有し、かつ水酸
基を含有しないケイ素原子数2〜10のポリオルガノシロ
キサン、(b-2) 一般式 R4 lR5 mSiO(4-l-m)/2 … (III) (式中、R4はエチレン性不飽和基を含まない置換または
非置換の炭素数1〜18の1価の炭化水素基、R5はエチレ
ン性不飽和基を含む置換または非置換の炭素数1〜8の
1価の炭化水素基、l =0〜2、m =1〜3、l+m =
1〜3の整数を示す。)で表される構造単位を有し、か
つ水酸基を含有しないケイ素原子数2〜10のエチレン性
不飽和基含有ポリオルガノシロキサン、および(b-3) 一
般式 R6 pHqSiO(4-p-q)/2 … (IV) (式中、R6はエチレン性不飽和基を含まない置換または
非置換の炭素数1〜18の1価の炭化水素基、 p=0〜
2、q =1〜3、 p+q =1〜3の整数を示す。)で表
される構造単位を有し、かつ水酸基を含有しないケイ素
原子数2〜10のポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ン、および必要に応じて(b-4) アルコキシ基を1〜4個
有するシラン化合物とを、または(a) 、(b-2) 、(b-3)
、および必要に応じて(b-4) とを、乳化剤の存在下に
乳化重縮合させることによって、コロイダルシリカ−シ
リコーンコアシェル体の水性エマルジョンを調製し、次
いで、(B) の硬化触媒を添加することによって得られ
る。本発明に係るシリコーン水性エマルジョン組成物
は、コロイダルシリカのコアをシリコーンのシェルがシ
ロキサン結合を介して覆ったコアシェル体を主成分とし
ているので、コロイダルシリカの補強性を十分に、かつ
効果的に引き出すことが可能となり、これを室温でまた
は加熱して水分など揮発物を蒸発させることによって、
最終的に得られた硬化エラストマーは機械的強度に優れ
た性能を呈する。
【0008】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係るシリコーン水
性エマルジョン組成物を成す組成分について説明する。
本発明において使用する(A) 成分のコロイダルシリカ−
シリコーンコアシェル体は、水が除去された後エラスト
マー硬化物を形成する成分であり、(a) 成分の一つのコ
ロイダルシリカ粒子を、(b) 成分のポリオルガノシロキ
サンが覆ったものである。より単純な系のもので更に詳
しくいえば、このコアシェル体とは、1)ポリオルガノシ
ロキサンの両末端がシリカ表面とシロキサン結合を介し
て結合したもの、2)ポリオルガノシロキサンの片末端が
シリカ表面とシロキサン結合を介して結合し、他の末端
が水酸基で封鎖されたもの、3)ポリオルガノシロキサン
の両末端が水酸基で封鎖され、シリカ表面とのシロキサ
ン結合を持たないものの3種類の形態で構成されたもの
である。そして、3、4官能性アルコキシシランやチェ
ーンストッパーの併用により、これら形態の種類は増加
し、複雑なものとなる。(A) 成分のコロイダルシリカ−
シリコーンコアシェル体中の(b) 成分のポリオルガノハ
イドロジェンシロキサンシェル部は20〜95重量%の範囲
で選択される。20重量%未満では弾性率などが大きく低
下して、エラストマー的特性に欠ける。一方、95重量%
を超えると、コロイダルシリカの補強性を十分に付与す
るには至らず、機械的特性に欠けるエラストマー硬化物
となる。また、(A) 成分のコアシェル体中の(b) 成分で
あるポリオルガノハイドロジェンシロキサンシェルのケ
イ素原子上に結合する一方の置換または非置換の炭素数
1〜18の1価の炭化水素基は、エチレン性不飽和基を含
む基であり、ビニル基、アリル基、ホモアリル基、5−
ヘキセニル基、7−オクテニル基などが例示され、好ま
しくはビニル基、アリル基である。その他、このエチレ
ン性不飽和基としては、一般式、
【0009】
【化1】
【0010】が挙げられる。ただし上記式中n は0〜10
の整数である。 CH2=CH-O-(CH2)a- で示されるものとしては、ビニロキシプロピル基、ビニ
ロキシエチル基などであり、ビニロキシプロピル基が好
ましい。
【0011】
【化2】
【0012】で示されるものの場合、R7は水素原子もし
くは炭素数1〜6(好ましくは1〜2)の炭化水素基あ
るいは(メタ)アクリロイル基であり、ビニルフェニル
基、イソプロペニルフェニル基、1−(ビニルフェニ
ル)エチル基、2−(ビニルフェニル)エチル基、(ビ
ニルフェニル)メチル基、2−(ビニルフェノキシ)エ
チル基、3−(ビニルベンゾイルオキシ)プロピル基、
3−(イソプロペニルベンゾイルアミノ)プロピル基な
どが例示される。
【0013】
【化3】
【0014】で示されるものの場合、R8は水素原子もし
くはメチル基であり、R9は炭素原子数1〜6のアルキレ
ン基、-O- や-S- を含むアルキレン基もしくは2価の
基、または
【0015】
【化4】
【0016】で示される基で、R10 は炭素原子数1〜6
の1価の炭化水素基あるいは(メタ)アクリロイル基、
R11 は炭素原子数1〜6のアルキレン基である。ここで
エチレン性不飽和基を含む基としては、γ−アクリロキ
シプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、N−メ
タクリロイル−N−メチル−γ−アミノプロピル基、N
−アクリロイル−N−メチル−γ−アミノプロピル基、
N,N −ビス−(メタクリロイル)γ−アミノプロピル
基、N,N −ビス−(アクリロイル)−γ−アミノプロピ
ル基などが例示される。 CH2=CH-(CH2)n- で示されるものは、n が0〜10の整数で、上記したビニ
ル基、アリール基などである。さらにまた、(b) 成分で
あるポリオルガノハイドロジェンシロキサンシェルのケ
イ素原子上に結合するもう一方の有機基は、エチレン性
不飽和基を含まない1価の置換または非置換の炭素原子
数1〜18の炭化水素基である。非置換炭化水素基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オ
クチル基、デシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基
などの直鎖または分岐状アルキル基、フェニル基、ナフ
チル基、キセニル基などのアリール基、ベンジル基、β
−フェニルエチル基、メチルベンジル基、ナフチルメチ
ル基などのアラルキル基およびシクロヘキシル基、シク
ロペンチル基などシクロアルキル基などが例示される。
また、置換有機基としては、前記非置換の有機基の水素
原子をフッ素や塩素のようなハロゲン原子で置換したも
のであり、たとえば3,3,3 −トリフルオロプロピル基、
3−クロロプロピル基などが例示される。(A)(b)成分に
おける別の1価の置換炭化水素基として、炭素原子と水
素原子と、さらに窒素および酸素のうち少なくとも1種
の原子とによって構成される炭素官能性基が挙げられ、
そのような炭素官能性基を含む(A) 成分を用いたエマル
ジョン組成物は、エアバッグの基材に塗布したときに接
着性(密着ないし固着)にすぐれ有利である。そのよう
な炭素官能性基としては、
【0017】
【化5】
【0018】などが挙げられる。このような(A)(b)成分
を成すポリオルガノハイドロジェンシロキサンにおいて
は、エチレン性不飽和基およびSi-H基のそれぞれの含有
量が全有機基中0.02〜10モル%、好ましくは0.05〜5モ
ル%であるように選択される。その理由は、0.02モル%
未満では、機械的強度が低下したり、10モル%を超える
と硬化皮膜が硬くなるからである。前記(A)(b)成分であ
るポリオルガノハイドロジェンシロキサンの分子構造
は、実質的に直鎖状であることが好ましく、この意味は
直鎖状もしくはやや分岐した直鎖状を総称する。また、
ケイ素原子結合水素基およびエチレン性不飽和基を含む
基は、分子鎖末端および分子鎖中の何れの位置であって
もよく、分子鎖末端が水素基およびエチレン性不飽和基
でない場合は、水酸基、アルコキシ基、トリメチルシリ
ル基、ジメチルフェニルシリル基、3,3,3 −トリフルオ
ロプロピルジメチルシリル基などで封鎖されたものが好
ましい。
【0019】(B) 成分の硬化触媒は、ケイ素原子結合水
素原子とエチレン性不飽和基との付加反応をさせるため
のものであって、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラ
ジウムおよび白金系化合物などの触媒が挙げられ特に限
定はないが、白金系化合物が好ましい。このような白金
系化合物としては、塩化白金酸、これをアルコールやケ
トン類に溶解させたものおよびその溶液を熟成させたも
の、塩化白金酸とオレフィン類との錯化合物、塩化白金
酸とアルケニルシロキサンとの錯化合物、塩化白金酸と
ジケトンとの錯化合物、白金黒および白金を担持させた
ものが挙げられる。(B) 成分の硬化触媒の配合量は、
(A) 成分のコロイダルシリカ−シリコーンコアシェル体
100重量部に対し、硬化触媒を構成する金属として1×
10-6〜1重量部である。配合量が1×10-6重量部未満で
は架橋反応が十分進行せず、一方、1重量部を超えても
それ以上の効果が望めず不経済である。
【0020】(C) 成分の乳化剤は、コロイダルシリカ−
シリコーンコアシェル体を水中において安定に存在させ
る役割と、このコアシェル体を形成させる際の重縮合触
媒としての役割をなすものであり、(A)(b)成分中のSi-H
結合が、重縮合時に分解などを受けにくいことから、重
縮合触媒作用を有するカチオン系乳化剤、アニオン系乳
化剤のうち、本発明においてはアニオン系乳化剤の使用
が好ましい。このアニオン系乳化剤としては、脂肪族置
換基が炭素原子6〜18の長さの炭素連鎖を有する脂肪族
置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホ
ン酸、脂肪族スルホン酸、シリルアルキルスルホン酸、
脂肪族置換ジフェニルエーテルスルホン酸などの有機ス
ルホン酸系乳化剤が挙げられ、中でも脂肪族置換ベンゼ
ンスルホン酸がより好ましい。ただし、コロイダルシリ
カ−シリコーンコアシェル体エマルジョン調製時におい
ては、これらスルホン酸の状態で使用するが、後にアル
カリで中和するので、本発明の組成物ではスルホン酸塩
の形で存在する。(C) 成分の乳化剤の配合割合は、(A)
成分のコロイダルシリカ−シリコーンコアシェル体 100
重量部に対して通常1〜20重量部である。配合量が1重
量部未満では安定なミセル形成が困難であり、20重量部
を超えるとエマルジョン粘度が上昇し、いずれも不安定
なエマルジョンとなる。また必要に応じて、(C) 成分と
してノニオン系乳化剤を併用してもよい。このノニオン
系乳化剤としては、たとえばグリセリン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
(以下POEと略す)アルキルエーテル、POEソルビ
タン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステ
ル、POEアルキルフェノールエーテル、POEポリオ
キシプロピレンブロック共重合体などが挙げられる。
【0021】また、(D) 成分の水の配合量は(A) 成分の
コアシェル体 100重量部に対して、通常50〜1000重量部
の範囲である。(D) 成分が50重量部未満または1000重量
部を超えると乳化状態が悪く、エマルジョンが不安定に
なる。
【0022】次に、本発明に係るシリコーン水性エマル
ジョン組成物の製造方法について説明する。本発明のシ
リコーン水性エマルジョンは、(A)(a)成分のコロイダル
シリカと(A)(b-1)成分のポリオルガノシロキサンおよび
(A)(b-2)成分のエチレン性不飽和基含有ポリオルガノシ
ロキサンおよび(A)(b-3)成分のポリオルガノハイドロジ
ェンシロキサン、さらに必要に応じて(A)(b-4)成分のア
ルコキシシランとを、または(A)(a)成分、(A)(b-2)成
分、(A)(b-3)ならびにさらに要すれば(A)(b-4)成分と
を、水性媒体中、有効量の乳化剤、または乳化剤混合物
の存在下に重縮合させることによってコロイダルシリカ
−シリコーンコアシェル体エマルジョンを調製し、次い
で(B) 成分の硬化触媒を添加することを骨子としてい
る。
【0023】本発明に使用される(A)(a)成分のコロイダ
ルシリカとは、SiO2を基本単位とする水中分散体を指称
するものであって、本発明においては、4〜300nm 、特
に好ましくは、30〜150nm なる平均粒子径を持ったもの
が適する。このようなコロイダルシリカとしては、酸性
側とアルカリ性側との双方のものがあるが、アニオン系
乳化剤を用いた酸性条件下での乳化重合を行うので、酸
性コロイダルシリカの使用がより好ましい。
【0024】本発明に使用される(A)(b-1)成分のポリオ
ルガノシロキサン、(A)(b-2)成分のエチレン性不飽和基
含有ポリオルガノシロキサンおよび(A)(b-3)成分のポリ
オルガノハイドロジェンシロキサンは、上記の式でそれ
ぞれ表される構造単位を有し、かつ水酸基を含有しない
ケイ素数2〜10のものであり、この構造は直鎖状、分岐
状または環状など特に限定はないが、環状構造を持つも
のが好ましい。ここで、ケイ素原子数10を超えると、乳
化重合を行う際、シロキサンミセル中にコロイダルシリ
カ粒子を取込みにくいため、コアシェル体の形成に参加
できないものが生じ、結果として目的のコアシェル体の
外、フリーな状態のコロイダルシリカおよびポリオルガ
ノハイドロジェンシロキサンミセルが共存したエマルジ
ョンとなる。また、水酸基含有シロキサンでは、初期乳
化時に重縮合反応が起きてケイ素原子数10を超えるシロ
キサンとなり、上記問題点が生じるので使用は好ましく
ない。(A)(b-1)成分のポリオルガノシロキサン、(A)(b-
2)成分のエチレン性不飽和基含有ポリオルガノシロキサ
ンおよび(A)(b-3)成分のポリオルガノハイドロジェンシ
ロキサンが有する置換または非置換の1価の炭化水素基
としては、上記コロイダルシリカ−シリコーンコアシェ
ル体中のポリオルガノハイドロジェンシロキサンシェル
におけるものと同様な炭化水素基が挙げられる。上記
(A)(b-1)成分のポリオルガノシロキサンとしては、ヘキ
サメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテ
トラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、
テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、
テトラベンジルテトラメチルシクロテトラシロキサン、
トリス(3,3,3 −トリフルオロプロピル)トリメチルシ
クロトリシロキサンなどの環状化合物が例示される。
(A)(b-2)成分のエチレン性不飽和基含有ポリオルガノシ
ロキサンとしては、 1,3,5,7−テトラビニルテトラメチ
ルシクロテトラシロキサン、1,3,5 −トリビニルトリメ
チルシクロトリシロキサン、1−ビニルヘプタメチルシ
クロテトラシロキサン、1,3,5,7 −テトラアリルテトラ
メチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7 −テトラ(5
−ヘキセニル)テトラメチルシクロテトラシロニル)テ
トラメチルシクロテトラシロキサンなどの環状化合物が
例示される。また、(A)(b-3)成分のポリオルガノハイド
ロジェンシロキサンとしては、 1,3,5−トリメチルシク
ロトリシロキサン、1,3,5,7 −テトラメチルシクロテト
ラシロキサン、1,3 −もしくは1,5 −ジハイドロジェン
ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7 −テト
ラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7 −テトラ
ベンジルシクロテトラシロキサンなどの環状化合物が例
示される。なお、上記例示した環状化合物の他、直鎖状
あるいは分岐状のポリオルガノシロキサン、エチレン性
不飽和基含有オルガノシロキサンおよびポリオルガノハ
イドロジェンシロキサンを用いてもよい。ただし、直鎖
状あるいは分岐状のオルガノシロキサンの場合、分子末
端は水酸基以外の有機基、たとえばアルコキシ基、トリ
メチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェ
ニルビニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、3,3,
3 −トリフルオロプロピルジメチルシリル基などで封鎖
されているものが好ましい。
【0025】また、必要に応じて使用する(A)(b-4)成分
のアルコキシシランは、シェル部を形成する一成分とな
るものであるが、コロイダルシリカのコアとポリオルガ
ノハイドロジェンシロキサンのシェルとの界面結合を仲
介するものとしても有効である。このようなアルコキシ
基を1〜4個有する有機シラン化合物としては、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、
ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリ
ロキシエチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシ
エチルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシエチルト
リメトキシシラン、γ−アクリロキシエチルトリエトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ジメチル
ビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラ
ン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエ
トキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリ
ブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピ
ルエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プ
ロピルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシ
シラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキ
シシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロ
ポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、メチルエチ
ルトリメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シランなどや、フルオロアルキルアルコキシシランなど
のフッ化アルコキシシランなどがある。
【0026】そして、上述したような(A)(b-1)成分のポ
リオルガノシロキサン、(A)(b-2)成分のエチレン性不飽
和基含有ポリオルガノシロキサン、(A)(b-3)成分のポリ
オルガノハイドロジェンシロキサンおよび(A)(b-4)成分
のアルコキシシランは、本発明に係る組成物中のコロイ
ダルシリカ−シリコーンコアシェル体におけるポリオル
ガノハイドロジェンシロキサンシェル部が20〜95重量%
となり、しかも前記の平均組成式 R1 aR2 bHcSiO(4-a-b-c)/2 … (I) (式中、R1はエチレン性不飽和基を含まない置換または
非置換の炭素原子数1〜18の1価の炭化水素基、R2はエ
チレン性不飽和基を含む置換または非置換の炭素原子数
1〜8の1価の炭化水素基を示す)において、a = 1.2
〜2.2 、b =0.001 〜0.5 、c = 0.001〜0.5 、b/c =
1/5 〜10/1、a +b +c =1.80〜2.20を満たすものにな
るように配合される。
【0027】なお、(A)(b-4)成分として本発明に係るエ
マルジョン組成物のエアバッグの基材に対する接着性
(密着ないし固着)を向上させるため、炭素原子と水素
原子、ならびに窒素もしくは酸素の少なくとも1種の原
子とによって構成される炭素官能性基と、アルコキシン
基とを併せ持つ有機ケイ素化合物を添加することもでき
る。このような有機ケイ素化合物としては、3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエ
チル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
トリエチレンジアミンプロピルメチルジメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、3,4 −エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシ
シランなどを挙げることができる。この有機ケイ素化合
物の添加量は、(A)(b-1)、(A)(b-2)および(A)(b-3)成分
の合計量に対して通常10重量%以下、好ましくは5重量
%以下である。
【0028】上記したように、本発明に係るシリコーン
エマルジョン組成物は、上記(A)(a)成分のコロイダルシ
リカと、(A)(b-1)成分のポリオルガノシロキサン、(A)
(b-2)成分のエチレン性不飽和基含有ポリオルガノシロ
キサン、(A)(b-3)成分のポリオルガノハイドロジェンシ
ロキサンおよび(A)(b-4)成分のアルコキシシランとを、
または(A)(a)成分と(A)(b-2)成分、(A)(b-3)成分および
(A)(b-4)成分とを、水性媒体中、乳化剤の存在下にホモ
ジナイザーなどを用いてせん断混合し、重縮合させるこ
とによって調製される。次いで (B)成分の硬化触媒を添
加することによって、製造できる。
【0029】この乳化剤は主に(A)(b-1)成分、(A)(b-2)
成分および(A)(b-3)成分を乳化させるための界面活性剤
の役割を果たすと同時に、(A)(a)成分と、(A)(b-1)、
(A)(b-2)成分および(A)(b-3)成分との重縮合反応の触媒
の動きをするものであり、アニオン系乳化剤、特に有機
スルホン酸系乳化剤が好ましい。また、この乳化剤の使
用量は、(A)(a)成分と、(A)(b-1)、(A)(b-2)成分および
(A)(b-3)成分の合計量 100重量部に対して通常1〜20重
量部、好ましくは1〜10重量部程度である。また、必要
に応じてノニオン系の乳化剤を併用してもよい。この際
の水の使用量は、(A)(a)成分と(A)(b-1)、(A)(b-2)およ
び(A)(b-3)成分の合計量 100重量部に対して通常50〜10
00重量部、好ましくは 100〜500 重量部であり、縮合温
度は通常5〜100 ℃である。
【0030】なお、本発明に係るエマルジョン組成物中
のコロイダルシリカ−シリコーンコアシェル体の調製に
際し、シリコーンシェル部の強度を向上させるために第
3成分として架橋剤を添加することもできる。この架橋
剤としては、たとえばトリメトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、エチ
ルトリエトキシシラン、(3,3,3 −トリフルオロプロピ
ル)トリメトキシシランなどの3官能性架橋剤、テトラ
エトキシシランなどの4官能性架橋剤を挙げることがで
きる。この架橋剤の添加量は、(A)(b-1)、(A)(b-2)およ
び(A)(b-3)成分の合計量に対して、通常10重量%以下、
好ましくは5重量%以下である。
【0031】上記により得られる本発明に係る組成物中
のコロイダルシリカ−シリコーンコアシェル体エマルジ
ョンは酸性になっているので、長期安定性を保つためア
ルカリで中和する必要がある。このアルカリ性物質とし
ては、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエタノールア
ミンなどが用いられる。上記コロイダルシリカ−シリコ
ーンコアシェル体に対し、要すれば(B) 成分の硬化触媒
を添加し、攪拌混合を行うことで、本発明のシリコーン
水性エマルジョン組成物の製造が完了する。本発明にお
いて使用する硬化触媒としては、上記したように白金系
化合物が好ましく、さらに必要に応じて白金触媒抑制剤
を併用してもよい。また、さらに硬化触媒およびその触
媒抑制剤の使用に際して、予め常法により乳化剤と水を
使用し、O/W 型またはW/O 型エマルジョンとしておくこ
とが望ましい。さらに、前記硬化触媒の添加・攪拌混合
温度は5〜25℃の範囲内が好ましい。
【0032】なお、本発明に係るシリコーン水性エマル
ジョンは、製造ないし調製後2ケ月程度は安定だが、さ
らに長期間保存する場合には、硬化触媒を別成分として
分けて保存し、使用直前に混合することが好ましい。ま
た補強用の充填剤、安定剤、顔料、改質剤、難燃剤など
の併用も支障ない。さらに、コーティングしやすい粘度
にするために増粘剤を使用したり、水で希釈したりして
も支障ない。たとえば、難燃剤としては、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、炭酸亜鉛などが例示され
る。さらには、本発明に係るエマルジョン組成物のエア
バッグ基布への接着性を向上させるため、1分子中に炭
素官能性基と加水分解性基を併せ持つ有機ケイ素化合物
などの公知の接着助剤を本発明の組成物に添加しても支
障ない。このような有機ケイ素化合物としては、3−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3,4 −エポ
キシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン及び下記構造式で示される有機
ケイ素化合物
【0033】
【化6】
【0034】などを挙げることができる。これらの有機
ケイ素化合物は、単独もしくは2種以上混合して用いる
ことができる。さらに本発明の組成物の基材への処理
は、種々のエアバッグ用基布に、ディップコート、スプ
レーコート、刷毛塗り、ナイフコート、ロールコート等
の方法によって塗布し、水を乾燥除去し、室温で10分〜
数時間放置するか、基材に応じて若干の加熱を行って硬
化せしめる。
【0035】
【発明の効果】本発明のエアバッグ用皮膜形成エマルジ
ョン型シリコーン組成物によれば、種々のエアバッグ用
基布に処理した場合、従来のシリコーンゴムコーティン
グ組成物に比べ、塗工液の粘度を下げることになり、塗
工時の作業性が改善される。しかも水分が徐々に蒸発す
ることにより、複雑な形状においても、その表面の形状
に沿ったゴム被膜が形成され、ゴム面同士が接触した際
のブロッキングを起こさない。さらに従来の皮膜形成エ
マルジョンに比べ、機械的強度に優れた硬化皮膜を与え
る。また有害な有機溶剤を使用しないので、作業時の安
全性に優れ、作業者の健康を害することなく、各種塗工
に適した粘度に調整し得ることが可能である。
【0036】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げ、本発明を
詳述する。なお、実施例中の「部」はすべて「重量部」
を、「%」はすべて「重量%」を示す。 調製例1 酸性コロイダルシリカスノーテックスOL(日産化学工業
(株)製、平均粒子径84nm、SiO2 20.66%、Na2O 0.019
%、pH2.78)1000部、蒸留水 470部、ドデシルベンゼン
スルホン酸 8.4部の混合液中に、オクタメチルシクロテ
トラシロキサン200 部、ヘプタメチルシクロテトラシロ
キサン 7.8部および 1,3,5,7−テトラビニルテトラメチ
ルシクロテトラシロキサン 1.2部の混合物を加え、ホモ
ミキサーにより予備攪拌した後、ホモジナイザーにより
300kgf/cm2の圧力で2回通すことにより、乳化、分散さ
せた。この混合液をコンデンサー、窒素導入口および攪
拌機を備えたセパラブルフラスコに移し、攪拌混合しな
がら85℃で5時間加熱し、5℃で48時間冷却することに
よって重合を完結させた。次いで、このポリオルガノハ
イドロジェンシロキサンエマルジョンを炭酸ナトリウム
水溶液でpH7に中和し、重合を終わらせた。得られたポ
リオルガノハイドロジェンシロキサン中の前記3種のシ
クロテトラシロキサンの縮合率は99.3%であった。ま
た、前記ポリオルガノハイドロジェンシロキサンがコロ
イダルシリカ−シリコーンコアシェル体であるというこ
とが、動的光散乱法に基づく粒径解析および電子顕微鏡
観察により確認できた。すなわち、レーザー粒径解析シ
ステム(大塚電子(株)製LPA-3000 S/3100)を用いて粒
径解析したところ、原料コロイダルシリカの84nm付近に
ピークを持つ単一分散の粒径分布が完全に消失し、155n
m 付近にピークを持った単一分散の粒径分布が新たに現
れた。さらに、電子顕微鏡により観察したところ、シリ
コーン粒子像のみが確認され、原料シリカ粒子像は全く
観察されなかった。一方、このコアシェル体エマルジョ
ンの一部を多量のアセトン中に投入し、コアシェル体を
析出させ、濾別後、真空乾燥機で50℃、12時間乾燥し、
コアシェル体凝集物を得た。そして、このコアシェル体
凝集物の元素分析、IRおよび1H、29Si−NMR 分析の結
果、シリコーンシェル部の割合は49.5%であった。ま
た、前記コアシェル体をグラフト重合体とみなした場合
のグラフト率およびグラフト効率はそれぞれ42.4%であ
った。次に、上記調製したコロイダルシリカ−シリコー
ンコアシェル体水性エマルジョン 100部(固形分24.0
%)に対し塩化白金酸−オレフィン錯塩のO/W 型エマル
ジョン(白金含有量3重量%)0.24部、増粘剤HPC(ヒド
ロキシプロピルセルロース グレードM 、日本曹達
(株)製) 5.0部、および3−グリシドシキプロピルト
リメトキシシラン15.0部を25℃にて添加し、混合攪拌す
ることにより、シリコーン水性エマルジョン組成物を
得、調製液1とした。
【0037】調製例2 酸性コロイダルシリカとして、スノーテックスOZL (日
産化学工業(株)製、平均粒子径122nm 、SiO2 21.14
%、Na2O 0.101%、pH2.02)を用いた以外は、実施例1
の場合と同一組成、同一条件でポリオルガノシロキサン
ハイドロジェンエマルジョンを調製した。得られたポリ
オルガノハイドロジェンシロキサンは、動的光散乱に基
づく粒径解析および電子顕微鏡観察によって、単一分散
に粒径分布を有するコロイダルシリカ−シリコーンコア
シェル体であると確認できた〔シリコーンシェル部の割
合49.3%、グラフト率(%)及びグラフト効率(%)そ
れぞれ40.1%〕。次に、上記調製したコロイダルシリカ
−シリコーンコアシェル体水性エマルジョン 500部(固
形分23.5%)に対し、塩化白金酸−オレフィン錯塩のO/
W 型エマルジョン(白金含有量3重量%)0.35部、増粘
剤HPC(グレードM) 4.5部及び下記式で示される有機ケイ
素化合物
【0038】
【化7】
【0039】10部を25℃にて添加し、混合攪拌すること
により、シリコーン水性エマルジョン組成物を得、調製
液2とした。
【0040】調製例3 ドデシルベンゼンスルホン酸 2.0部と蒸留水 320部との
混合液中に、オクタメチルシクロテトラシロキサン 100
部を加え、ホモミキサーにより予備攪拌した後、ホモジ
ナイザーにより300kgf/cm2 の圧力で2回通すことによ
り、乳化、分散させた。この乳化、分散液をコンデンサ
ー、窒素導入口および攪拌機を備えたセパラブルフラス
コに移し、攪拌混合しながら85℃で5時間加熱し、5℃
で48時間冷却した後、10%炭酸ナトリウム水溶液でpH7
に中和し、縮合を終わらせ、主剤とした。このものは、
GPC測定の結果、数平均分子量Mn=2.93×105 であっ
た。一方で、ドデシルベンゼンスルホン酸 2.0部と蒸留
水 320部との混合液中に、下記式で示される粘度25cSt
のポリメチルハイドロジェンシロキサン 100部
【0041】
【化8】
【0042】を加え、ホモミキサーにより予備攪拌した
後、ホモジナイザーにより300kgf/cm2 の圧力で2回通
すことにより、乳化、分散させ、硬化剤とした。次に、
前記主剤 100部に前記硬化剤5部、ジブチルスズジラウ
レートの50%水性エマルジョン(ジブチルスズジラウレ
ート50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部
および蒸留水45部にて調製)0.1 部、3−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン3.0 部および増粘剤 HPC
(ヒドロキシプロピルセルロースグレードM;日本曹達
(株)製)4部を25℃にて添加し、混合攪拌することに
より、シリコーン水性エマルジョン組成物を得、調製液
3とした。
【0043】調製例4 粘度1万cPのα,ω−ジビニルポリメチルシロキサンベ
ースポリマー100 部にヒュームドシリカ15部を均一にな
るように混合し、次いで塩化白金酸のイソプロパノール
溶液を白金量としてベースポリマーに対し20ppm となる
量を均一に分散させ、主剤とした。一方、粘度1万cPの
α,ω−ジビニルポリメチルシロキサンベースポリマー
100 部にヒュームドシリカ15部を均一になるように混合
し、次いで下記式で示される粘度25cSt のポリメチルハ
イドロジェンシロキサン5.0 部
【0044】
【化9】
【0045】及び下記式で示されるアセチレン性不飽和
基を有するケイ素化合物0.2 部
【0046】
【化10】
【0047】を均一に分散させ、硬化剤とした。前記主
剤、硬化剤を50部づつ及び下記式で示される有機ケイ素
化合物3部
【0048】
【化11】
【0049】を混合攪拌してゴム成分4を得た。
【0050】実施例1〜2、比較例1〜4 調製例1〜4で得られた調製液1〜3およびゴム成分4
に、表1に示す各種希釈剤を表1に示す量添加し、コー
ティング組成物を得た。このコーティング組成物を 6,6
−ナイロン布(420D) へゴム量が60〜80g/m2になる様
にコーティングした。次にオーブンにて以下の様に処理
し、シリコーンゴム硬化被膜を形成させた布を得た。 90℃×5min → 170℃×2min 得られた被膜形成布のゴムコーティング膜表面状態を目
視観察し、下記基準により評価し、また表面の動摩擦係
数(ゴム同士、ゴム−SUS)を下記の条件で測定した。 ・コーティング膜表面状態の評価基準 膜厚 ◎;均一 ○;ほぼ均一 △;少々ムラあり
×;不均一 ・表面動摩擦係数測定条件 荷重150g、速度100mm/min 、温度25℃、湿度60%RH ・塗れ性 6,6 −ナイロン布へコーティングした時の、布への
ゴムコーティング組成物の塗り易さ、広がり易さを観察
し、次の4段階で評価した。 ◎;広がり易く、スムーズに塗れる ○;塗り易い △;やや塗りにくい ×;塗りにくい ・浸透性 塗れ性の評価と同様に、コーティング組成物を、6,6 −
ナイロン布へコーティングした時の布へのコーティング
組成物のしみ込み易さを観察し、次の4段階で評価し
た。 ◎;良くしみ込み、布の表面から中まで全体が均一にな
る ○;多少しみ込みにくいが、布の表面から中までは均一
になる △;布の表面部に多く残り、中まで十分にしみ込まない ×;布の表面部のみで中には、しみこまない ・接着性及び機械的強度 6,6 −ナイロン布へコーティングされたゴム膜のナイロ
ン布への接着性及び機械的強度(コーティングされたナ
イロン布を指で強くしごき、接着の悪いもの、もしくは
機械的強度に劣るものは、コーティング面のゴム膜から
剥離、脱落がおきる)を観察し、次の3段階で評価し
た。 ◎;コーティング面からゴム膜の脱落等がなく、優れた
接着性、機械的強度を示す △;コーティング面からゴム膜がわずかに脱落、剥離が
生じる ×;コーティング面からゴム膜が脱落する
【0051】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−281536(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 183/05 B60R 21/16 C09D 1/00 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) (a) コロイダルシリカコア80〜5重量
    %および、(b) 平均組成式 R1 aR2 bHcSiO(4-a-b-c)/2 … (I) (式中、R1はエチレン性不飽和基を含まない置換または
    非置換の炭素原子数1〜18の1価の炭化水素基、R2はエ
    チレン性不飽和基を含む置換または非置換の炭素原子数
    1〜8の1価の炭化水素基、a は1.02〜2.01、b は 0.0
    05〜0.50、c は0.005 〜0.50、b/c =1/5 〜10/1、 a+
    b+c=1.80〜2.20の数を示す。)で表されるポリオルガ
    ノハイドロジェンシロキサンのシェル20〜95重量%から
    なる平均粒子径4〜400nm のコロイダルシリカ−シリコ
    ーンコアシェル体 100重量部、 (B) 硬化触媒1×10-6〜1重量部、 (C) 乳化剤1〜20重量部および (D) 水50〜1000重量部 とから成ることを特徴とするエアバッグ用皮膜形成エマ
    ルジョン型シリコーン組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のエマルジョン型シリコーン
    組成物の硬化被膜を形成したエアバッグ基布を縫製して
    なるエアバッグ。
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