JP3121140U - アルミ製笠木 - Google Patents

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邦夫 青木
博司 高柳
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Abstract

【課題】溶接に伴う外観不良発生を防ぎ溶接しやすく外観意匠性に優れたアルミ製笠木を提供することを目的とする。
【解決手段】天板部材とその長手方向の両側に立壁部材とを備え、天板部材は長手方向に沿って側縁部を有し、立壁部材は上側リブと下側リブとを有してその間に嵌合溝を形成してあり、天板部材は両側縁部を、それぞれ立壁部材の嵌合溝に嵌合して下側リブと溶接してあることを特徴とする。
天板部材と立壁部材はそれぞれ表面処理後に組付け溶接したものである。
【選択図】 図1

Description

本考案は、建築物の屋上やベランダ等に使用するアルミ製笠木に関する。
従来より建築物の屋上やベランダ等に構築したパラペットから雨水が浸入するのを防ぐために、アルミ製笠木をパラペットに被着する技術は公知である。
この場合にパラペットが直線形状である部分は笠木の断面をコ字型にしたアルミ押出形材をそのまま用いることができるが、アール形状の部分はパラペット形状に合わせて笠木もアール形状に曲げ加工しなければならない。
そこで従来は図4に示すように略弧形の天板部材120を板材からプレス加工等で切り出し、この天板部材120の長手方向縁部にアルミ押出形材等の立壁部材130a、130bとを111a、111bで溶接した笠木110を用いていた。
しかし、天板部材120と立壁部材130a、130bとを溶接した後にアルマイト処理等の表面処理を施すと溶接部位の隙間に残留した処理液が漏れだして変色(色ヌケ)不良を生じることがあり、外観不良になった笠木は再手配となり納期が大きく遅れる恐れがあった。
また、天板部材110と立壁部材130a、130bとの隅突き合せ溶接時に位置ズレが発生しやすかった。
特開平7−224505号公報には、溶接部位に隙間を設けて処理液を洗い流しやすくした技術を開示するが、溶接した後にアルマイト処理するため溶接部位の隙間に残留する処理液を完全に洗い流すことは出来ず、未だ残留した処理液の漏れだしによる変色の恐れがあるものであった。
特開平7−224505号公報
本考案は上記技術的課題に鑑みて、溶接に伴う外観不良発生を防ぎ溶接しやすく外観意匠性に優れたアルミ製笠木を提供することを目的とする。
請求項1記載の考案の技術的要旨は、天板部材とその長手方向の両側に立壁部材とを備え、天板部材は長手方向に沿って側縁部を有し、立壁部材は上側リブと下側リブとを有してその間に嵌合溝を形成してあり、天板部材は両側縁部を、それぞれ立壁部材の嵌合溝に嵌合して下側リブと溶接してあることを特徴とする。
天板部材とその長手方向の両側に立壁部材とを備えとは、パラペットの上面と長手方向の両側面とを覆うことが出来るように略コ字断面に形成する趣旨である。
天板部材と立壁部材とは、天板部材の両側縁部を立壁部材の嵌合溝に嵌合して溶接することで溶接位置がずれることを防止してある。
請求項2記載の考案の技術的要旨は、天板部材と立壁部材はそれぞれ表面処理後に組付け溶接したものであることを特徴とする。
表面にアルマイト処理等の表面処理をしてある天板部材と立壁部材とを組付け溶接して笠木にするので、溶接部位にアルマイト処理液等の表面処理液が溜まることがない。
なお、天板部材と立壁部材下側リブとの溶接部位はサンダー等で軽くなで、アルマイト皮膜等を除去すると溶接しやすい。
請求項3記載の考案の技術的要旨は、天板部材は、その天板部材上面が立壁部材上端面とおおむね同一高さに設定されていることを特徴とする。
これにより、笠木の上面が段差のないフラットになり外観意匠性に優れるとともに雨水の流れがよい。
本考案に係るアルミ製笠木は、天板部材と立壁部材とを、立壁部材に設けた嵌合溝に天板部材の側縁部を位置ずれしないように嵌合して溶接するため、溶接位置が正確になる。
溶接した側縁部の表側は嵌合溝を形成する上側リブで覆うため、溶接の熱による変形や変色を覆い隠して笠木外観がよい。
また、予めアルマイト処理等の表面処理をした天板部材と立壁部材とを溶接して笠木にするため、従来のように溶接部位にアルマイト処理液が残留することは全くなく、溶接部位に残留して後に漏れ出すアルマイト処理液による変色を完全に防止する。
このため、この変色不良による笠木の納期遅れや笠木の交換による工期遅れを全く解消出来る。
天板部上面と立壁部材上端面とが略面一となっていると外観意匠性が高い。
本考案に係るアルミ製笠木を、パラペットのアール形(湾曲形)部に適用した実施例について、以下に図を用いて説明する。
図1(a)にアルミ製笠木10(以下単に笠木と称する)の外観斜視図を示し、図2(a)に、この笠木10の分解図を示す。
図は説明のために笠木の板厚を実際より厚く描いてある。
笠木10は、アール形のパラペット部に合わせて板材を打ち抜いた略弧形の天板部材20と、その天板部材20の略弧形の長手方向の両側に連結するためのアルミ押出材からなる立壁部材30a、30bとで形成し、パラペットのアール形の角部に被着してパラペットの上面及び両側面を覆う。
また、天板部材20と立壁部材30a、30bとはそれぞれアルマイト処理等の表面処理を施してある。
図1,図2に示した天板部材20はアール形のパラペット部に合わせた略弧形としてあるが弧形に限定されるものでなく、パラペット上面に合わせた形であれば例えばストレート形や略S字形等でも良い。
立壁部材30a、30bは、上部を天板部材20の略孤形の内周側と外周側の両側縁にそれぞれ合わせた立壁形で、アール形のパラペットの側面に沿ってそれぞれ覆うものである。
図1(b)に天板部材20と立壁部材30a、30bの連結部分の幅方向断面の拡大説明図を示す。
天板部材20は、その上面にアール形のパラペット上面に合わせた略弧形の天板上面部21を有して、その天板上面部21の長手方向の両側には段付形の段差部22a、22bを介して、所定厚さの側縁部23a、23bを有して、立壁部材30a、30bの上部にそれぞれ設けた嵌合溝34a、34bに嵌入するようになっている。
図2(b)に天板部材20と立壁部材30a、30bとを分解した、嵌合溝34a、34bと側縁部23a、23b付近の断面の拡大説明図を示す。
それぞれの立壁部材30a、30bは上部に、天板部材20の側縁部23a、23bのそれぞれ上側と下側に沿う、上側リブ32a、32bと下側リブ33a、33bとを、その間にそれぞれ嵌合溝34a、34bを形成して設けてある。
天板部材20と立壁部材30a、30bとは、天板部材20の側縁部23a、23bを立壁部材30a、30bの嵌合溝34a、34bに嵌めることで正確に位置決めした上で、側縁部23a、23bと、下側リブ33a、33bとを図1(b)に示すようにミグ溶接等で溶接し、溶接部11を形成する。
なお、天板部材20と下側リブの溶接部はサンダー等で軽くこすり、アルマイト皮膜を除去するとよい。
溶接部11付近は変形又は変色が生じやすいが、この側縁部23a、23bの溶接部11に対応する表側部分は、上側リブ32a、32bが下側リブ33a、33bよりも天板部材20側に延出させた延出部を形成して覆い、更にこの側縁部23a、23bの溶接部11に対応する表側部分は段差部22a、22bによって上面部に露出しないので変形や変色が生じても外部に直接露出しない。
よって笠木10は、天板部材20と立壁部材30a、30bの溶接精度が高く、溶接による変形や変形部位が外部から見えず外観意匠性に優れている。
また、笠木10はあらかじめアルマイト皮膜を形成してある天板部材20と立壁部材30a、30bとを溶接にて連結してあり、溶接部位にアルマイト処理液が残留することは全くなく、従来、溶接後にアルマイト処理することにより生じていた溶接部位の隙間に残留した処理液の漏れだしによる変色は完全に防止できる。
天板上面部21と側縁部23a、23bとの間に設けてある段差部22a、22bは、天板上面部21と立壁部材上面31a、31bの高さを略同一にするように設けてあり、天板部材20と立壁部材30a、30bの連結部分上面を面一にするように整えて笠木上面にフラット性を付加して外観意匠性が高い。
図3に、パラペットのアール形に丸みを持たせた部分に本考案に係るアルミ製笠木10aを取り付けた状態の説明図を示す。
図は要部のみを描いてあり笠木10aをパラペットに被着するためのホルダー等は図示省略してある。
笠木10aはパラペット1に被着して、パラペット1の平面視アール形のパラペット上面2と、パラペット1のアール形の内外周の両側面3a、3bとを、天板部材20aと立壁部材30a、30bにより形成した下向きの溝で覆っている。
笠木10aの天板部材には、所定間隔毎に挿通穴24を設けて手摺りの支柱4を通してある。
(a)は本考案に係るアルミ製笠木の外観説明図を示し、(b)は幅方向の拡大断面の説明図を示す。 (a)はアルミ製笠木の分解図を示し、(b)は嵌合溝と側縁部付近の拡大断面の説明図を示す。 笠木をパラペットに被着した状態の説明図を示す。 従来の笠木の外観説明図を示す。
符号の説明
1 アール形の角部を有するパラペット
2 パラペット上面
3a、3b パラペット側面
4 手摺りの支柱
10、10a アルミ製笠木
11 溶接部
20、20a 天板部材
21 天板上面部
22a、22b 段差部
23a、23b 側縁部
24 手摺り支柱用の挿通穴
30a 内周側立壁部材
30b 外周側立壁部材
31a、31b 立壁部材上面
32a、32b 上側リブ
33a、33b 下側リブ
34a、34b 嵌合溝

Claims (3)

  1. 天板部材とその長手方向の両側に立壁部材とを備え、
    天板部材は長手方向に沿って側縁部を有し、
    立壁部材は上側リブと下側リブとを有してその間に嵌合溝を形成してあり、
    天板部材は両側縁部を、それぞれ立壁部材の嵌合溝に嵌合して下側リブと溶接してあることを特徴とするアルミ製笠木。
  2. 天板部材と立壁部材はそれぞれ表面処理後に組付け溶接したものであることを特徴とする請求項1記載のアルミ製笠木。
  3. 天板部材は、その天板部材上面が立壁部材上端面とおおむね同一高さに設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載のアルミ製笠木。
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