JP3119504B2 - セラミックスの電気接合用接合剤 - Google Patents
セラミックスの電気接合用接合剤Info
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Description
セラミックスの電気接合用接合剤に関するものである。
度、耐熱衝撃性、耐摩耗性等に優れているので、ガスタ
−ビン、自動車エンジン、熱交換器等への応用開発が進
められている。上記各種用途に、セラミックスを利用し
て、その機能を十分に発揮させるためには、製造工程で
これらセラミックス相互を接合させることが必要となっ
てくる。従来の接合方法は、加熱方法として、ほとんど
が被接合体全体を高温加熱炉に入れ、全体を接合温度ま
で加熱する全体加熱方式により行われていた。この方式
では、大型品や長尺品の接合を行おうとすると加熱炉が
巨大化したり、昇降温時間が長くなったりして、設備上
の制限や設備費やランニングコストが増大するなどの問
題があった。また、接合温度が高温になると、素材全体
に熱劣化が及ぶ虞れがあり、耐熱性の要求される用途に
対しては特に問題となる。従来より一般的に用いられて
いた全体加熱方式は上記のような問題点を有しているた
め、突合せ部のみを有効に加熱する局部加熱方式による
接合方法が望まれており、その一種である電気接合方法
が提案されている(特開昭62−65986号)。この
接合方法は、被接合体セラミックスを高温で導電性を有
する接合剤を介在させて突合せ、ガス炎により、突合せ
部を800℃以上に予備加熱した後、ガス炎を噴出させ
る一対の吹管の間に高電圧を印加し、接合剤に通電して
接合剤をジュ−ル発熱させ、この熱により突合せ部を加
熱して接合剤を溶融し、被接合体セラミックスと反応さ
せて接合を完了するものである。上記電気接合方法は、
従来の高温加熱炉による方法に比べて、特に大型品、長
尺品の接合に対して、設備費、ランニングコストを含む
接合コストの低減や素材の劣化を抑制するなどの効果が
ある。しかしながら、使用できる接合剤について、従来
の高温加熱炉で用いられる接合剤は、被接合体セラミッ
クスとのぬれ性や反応性のみを考慮すれば良かったのに
対し、電気接合法で用いられる接合剤は、上記の特性以
外に、通電可能なものでなければならないため、導電性
を有するものでなければならないという制限がある。し
たがって、従来の高温加熱炉で用いられた接合剤をその
まま電気接合法に適用できるわけではなく、電気接合法
に適した接合剤を開発する必要がある。そのため、特開
昭62−65986号においては、電気接合法に適用で
きる接合剤の種類として、800℃程度以上の高温条件
下で1,000〜10,000V程度の電圧を加えた場
合に数10m A程度以上の電流が流れるような導電性を
有するものが使用された。このような接合剤としては、
具体的には、カオリン、Al2 O3 、SiO2 等のガラ
ス成分を主成分とし、銅、ニッケル、マンガン、インジ
ウム、モリブデン、亜鉛等の酸化物、硫化物、塩化物
等、ランタン、インジウム、パナジウム、ホルミウム、
イットリウム等の希土類元素の酸化物、モリブデン、マ
ンガン、タングステン、鉄、銅、銀、ニッケル、錫、亜
鉛等の金属、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム等の
フッ化物等を適宜配合した接合剤が例示され、また、導
電性を有しない接合剤を使用する場合には、接合剤中
に、導電性成分、例えば、カ−ボン、フッ化物、ガラス
分、金属酸化物、希土類元素等を配合して導電性を付与
するようにしていた。上記の導電性成分を含む接合剤に
ついては、まだ開発段階中のものが多く、被接合体セラ
ミックスの材質への適合性の確認、また接合後の高温強
度、安定性、再現性等を増大させるための開発が続けら
れている。ところで、導電性成分の中でも、特にCaF
2 ,NaFを含む接合剤は、接合層の再現性及び安定性
面で良い結果が得られていることがわかっている。
接合剤を用いて接合した場合、接合剤中の導電性成分
(CaF2 、NaF)中に含まれるCa,Na元素が接
合層に残留するために、接合体の各種特性を低下させる
原因となっている。例えば接合強度について述べると、
接合層中のCa2+またはNa+ は高温下で接合層の粘性
を下げるために、高温での接合強度を低下させる。例え
ばSi3 N4 セラミックス接合体の場合、1000℃を
越えると著しく強度が低下する。また、アルカリ,酸性
溶液等の腐食溶液に対する耐食性にもCa2+,Na+ は
悪影響を及ぼす。さらに、前述した接合剤を用いてSi
3 N4 セラミックスを接合した場合、接合時に、もとも
と母材中の粒界(ガラス相)に存在する焼結助剤成分で
あるYが接合層へ拡散し、また接合剤中のCaまたはN
aが母材の粒界(ガラス相)に拡散する現象が起こるた
めに、接合体の接合層近傍の母材は、初期母材に比べ
て、耐食性,耐摩耗性,硬さ,耐熱性等の各種特性の低
下したものに変化する。
現状において、従来技術の欠点を改善し、セラミックス
成形体を高温部材として用いる際に、必要な高温強度を
持ち、かつ耐食性に優れたセラミックスの接合技術の開
発を目的として研究を行い、この目的に好適な電気接合
用接合剤を見出すに至った。すなわち、本発明は、従来
の接合剤に含まれる導電性成分であるCaF2 やNaF
の代りに、YF3 を導電性成分として用いる電気接合用
接合剤を特徴とするものであり、また導電性成分である
YF3 に、Al2 O3 及びSiO2 の少なくとも一種を
主成分として配合するセラミックスの電気接合用接合剤
を特徴とする。以下、本発明を詳細に説明する。本発明
の接合剤の配合比は、導電性成分であるYF3 が15重
量%以上で、Al2 O3 及びSiO2 の少なくとも一種
を残余とする。このように限定した理由は、逆にYF3
が15重量%以下になると、接合剤の抵抗値が高くな
り、通電できなくなる。たとえ通電できたとしも、ここ
で生じるジュール熱の発生が均一でなくなるために、部
分的に未溶融部が生じ、良好な接合体が得られない。と
ころで、ぬれ性の成分であるAl2 O3 及びSiO2 の
少なくとも一種があれば、接合時に被接合体セラミック
スとのぬれ性が向上するために、より良好な接合体が得
られる。しかし、YF3 を略100重量%にした場合に
も良好な接合体が得られる。その理由としては、例えば
Si3 N4 セラミックスを接合する場合、接合時に母材
の酸化反応により生成するSiO2 及び母材焼結助剤成
分が接合剤中に入り、ぬれ性の成分として作用する。本
発明の接合剤は、YF3 ,Al2 O3 ,SiO2 の各粉
末を所定の配合比にした後、例えばアセトン、トルエン
等の有機溶剤と均一に混練し、ペースト状にする。接合
剤の厚さは、接合剤の組成、通電加熱条件、部材の形状
等に応じて適宜決定されるが、接合面積cm2 当り0.0
1〜0.1g程度、より好ましくは0.05〜0.1g
程度となるようにすればよい。接合に際しては、本発明
の接合剤に拘らず、比較的熱衝撃性の劣るセラミックス
またはワ−ク形状によっては、加熱・冷却時に生じる熱
衝撃により損傷する虞がある。この場合には、予熱加熱
時に加熱源を制御し、通電時に電力を制御して、徐々に
加熱及び徐々に冷却することが望ましい。
度、特に高温強度が向上及び耐食性が向上する理由は、
以下の如く推定される。本発明の接合剤の有効成分であ
るYF3 中のY元素と従来の接合剤の有効成分であるC
aF2 中のCa元素とを比較すると、Y3+,Ca2+は接
合層中のSi−O網目構造を切り、その網目の中に入っ
て存在する網目修飾イオンと呼ばれるもので、Y3+はC
a2+に比べて、Oとの結合力が大きい。したがって、C
a2+よりもY3+の入ったガラスの方が各種特性を向上さ
せることができる。まず、接合強度が向上する理由は、
接合層のガラスの充填密度が上がるためであり、その結
果、ガラスの歪率が小さくなり、ガラスのヤング率が向
上する。また、特に高温強度が向上する理由として、O
との結合力が大きいために、軟化点すなわち高温での粘
性を向上させる。つぎに、酸及びアルカリ性溶液に対す
る耐食性が向上する理由について述べる。酸性溶液によ
る腐食は、腐食液中のH+ ,H3 O+ とガラス中の網目
修飾イオンとが交換されることにより行われる。したが
って、Y3+はCa2+に比べて、Oとの結合力が大きいの
で、イオン交換されにくくなり、溶液に対する耐食性を
向上させる。また、アルカリ性溶液による腐食は、腐食
液中のOH- がガラス中のSi−O網目継手を切ること
により行われる。したがって、Y3+の入ったガラスは充
填密度が増すために、OH- の拡散が抑制されて、耐食
性を向上させる。また、Si3 N4 セラミックスを接合
する場合、本発明の接合剤は、接合時に従来の接合剤の
ように、接合剤から母材への拡散現象がなくなり、さら
に接合剤中にYが存在して、母材から拡散されるYの動
きを抑制するために、接合層近傍の母材は健全な状態が
維持される。
合剤を
mm×20mmの窒化ケイ素セラミックス成形体間に、接合
剤が50mg/cm2 となるように介在させ、電流を0.6
〜1.0Aに保ち、5cm/min の速度で移動させながら
5〜10分間通電を続け、接合面全体の接合を行った。
この接合体試料から3mm×4mm×40mmの角棒を切り出
し、上部スパン10mm、下部スパン30mm、荷重速度
0.5mm/min の条件下で四点曲げ試験を常温、1000℃
及び1050℃の温度条件下で行い、10本の平均値でその
接合強度を求めたところ、
と、YF3 が15重量%以上、SiO2 が50重量%以
下、Al2 O3 が10重量%以上の範囲で常温強度が4
00MPa以上あり、また、YF3 が15〜70重量
%、SiO2 が10重量%以上、Al2 O3 が10重量
%以上の範囲で1050℃での強度が350MPa以上を示
している。ここで、従来の接合剤で接合したときの接合
強度を
体のほうが常温、高温ともに強度が向上していることが
わかる。なお、被接合体として適用できるセラミックス
は、Si3 N4 の他、Al2 O3 ,ZrO2 等の酸化物
系セラミックス及びサイアロン等の非酸化物系セラミッ
クスが例示できる。また、配合比によっては、当然Al
2 O3 ,SiO2 の化合物であるカオリナイト(Al2
O3 ・2 SiO2 ・2 H2 O),ムライト(3 Al2 O
3 ・2 SiO2 )等で代用できる。さらに、本発明の接
合剤としては、YF3 を導電性成分として用いる場合、
または導電性成分であるYF3 ,Al2 O3 及びSiO
2 を主成分として用いる場合、その他の成分として、本
発明の作用効果以外の効果を付加するための成分または
本発明の効果をさらに向上させるための成分、例えば接
合層のガラス中にN,Cを含有させるために、Si3 N
4 ,AlN等の窒化物、SiC,TiC等の炭化物を添
加した接合剤をも包含する。この場合、オキシナイトラ
イドガラス化及びオキシカーバイドガラス化し、接合体
の各種特性が向上する。
合方法に用いる接合剤の有効成分とするYF3 を導電性
成分とするか、または導電性成分であるYF3 に、Al
2 O3及びSiO2 の少なくとも一種を主成分として配
合する接合剤とすることにより、接合強度、特に高温で
の強度が向上し、また接合部のアルカリ、酸性溶液に対
する耐食性が向上する。さらに、Si3 N4 セラミック
スを接合した場合、接合部近傍の母材劣化を抑制するこ
とができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 セラミックス間接合部に導電性を有する
接合剤を介在させ、前記接合剤に電流を通じることによ
るジュ―ル熱によって、前記接合部を加熱する電気接合
方法に用いる接合剤において、導電性成分としてYF3
を用いるセラミックスの電気接合用接合剤。 - 【請求項2】 請求項1記載のYF3 に、Al2 O3 及
びSiO2 の少なくとも一種を主成分として配合するセ
ラミックスの電気接合用接合剤。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2-191912 | 1990-07-19 | ||
JP19191290 | 1990-07-19 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05262574A JPH05262574A (ja) | 1993-10-12 |
JP3119504B2 true JP3119504B2 (ja) | 2000-12-25 |
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ID=16282515
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03204918A Expired - Fee Related JP3119504B2 (ja) | 1990-07-19 | 1991-07-19 | セラミックスの電気接合用接合剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3119504B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0847928A (ja) * | 1994-06-03 | 1996-02-20 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | タイヤ加硫用割金型装置 |
-
1991
- 1991-07-19 JP JP03204918A patent/JP3119504B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH05262574A (ja) | 1993-10-12 |
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