JPH0753278A - セラミックス−金属接合体 - Google Patents

セラミックス−金属接合体

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JPH0753278A
JPH0753278A JP21708893A JP21708893A JPH0753278A JP H0753278 A JPH0753278 A JP H0753278A JP 21708893 A JP21708893 A JP 21708893A JP 21708893 A JP21708893 A JP 21708893A JP H0753278 A JPH0753278 A JP H0753278A
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JP21708893A
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Masaru Shinpo
優 新保
Yukifumi Sakai
幸文 酒井
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Coorstek KK
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Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々のセラミックスと一般的な金属とを、簡
便な工程で所望の形態を維持して強固に接合させ、セラ
ミックスの優れた特性を損なうことがなく、高純度で、
耐熱性、急激な温度変化サイクルでの耐熱衝撃性に優れ
た接合層を有するセラミックス−金属接合体の提供。 【構成】 セラミック層−接合層−金属層の順に接合さ
れてなるセラミックス−金属接合体であって、該接合層
がポリシラザン化合物及び/またはポリカルボシラン化
合物、該セラミック層を形成するセラミック粉末、並び
に溶媒からなる混合物が熱処理により形成されてなるこ
とを特徴とするセラミックス−金属接合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックッスと金属
との接合体に関し、特に、珪素(Si)、炭化珪素(S
iC)、窒化珪素(Si34 )、窒化アルミニウム
(AlN)及びこれらを組合わせた複合物等の非酸化物
系セラミックスやアルミナ、ジルコニヤ、ムライト等酸
化物セラミックスと鉄または鉄系合金等の鉄系金属との
接合体に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは、耐熱性が高く、堅固で
あり、熱伝導率が高く、また、化学的に不活性で、極め
て高純度に調製可能である等の長所があり、先端材料と
して多方面に使われている。特に、半導体製造用部材や
高温の各種雰囲気炉用部品、燃焼バーナー等に好適に用
いられている。これらセラミックスは単体で用いられる
こともあるが、金属製部材との組合せで用いることが多
く、セラミックと金属との物性面での整合性が問題とな
る。そのため、従来、セラミックスと金属との組合せで
使用する場合の殆どは、コバルト、モリブデン、タング
ステン等のセラミックスと熱膨張係数が整合する特定の
金属を用い、しかも銀蝋等の金属蝋で接合する方法が採
られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特定の金
属は、いずれも高価である上、酸化され易い等の欠点が
あるため、取扱が煩雑となるおそれがある。また、金属
蝋材による接合においては、セラミックス表面を予めメ
タライジングする必要があり、操作上も煩雑である。金
属蝋材による接合は、蝋材を加熱溶融した後冷却固化す
るもので、固化までの溶融時には接着力が殆どないた
め、接合部の形態を寸法精度よく維持することは極めて
難しい。従って、金属蝋材を用い高寸法精度の接合部を
得るためには、各接合部材の高精度加工や、冷却固化ま
で所定形態接着保持用の専用治具等が必要である。その
上、得られる接合体の使用は、金属蝋材の融点までであ
り、耐熱性に限界がある。また、発熱体として作用する
金属との接合にも適さない等種々の問題がある。
【0004】一方、上記各種部材において、セラミック
スを取り付ける金属は、通常、軟鋼やステンレスその他
の一般的な金属で、セラミックスとは熱膨張係数の整合
しないものが多い。従来、熱膨張係数が整合しないセラ
ミックスと金属との接合方法として、焼きばめ法があ
る。焼きばめ法は、特定形状部材の接合に適用されてい
るもので、高精度加工を施す必要もある等、一般的に適
用するには簡便さに欠けるおそれがある。また、接合部
には残留応力が残り易く、使用時に破損のおそれがある
等の問題がある。更にまた、近年、セラミックスと金属
との接合には、アルミナセメント、燐酸塩系セメント、
シリカゾル等を主成分とする無機材料系接合材が使用さ
れている。この無機材料系接合材は、室温等の比較的低
温で焼成して固着でき、熱膨張係数の異なるセラミック
スと金属との組合せの接合にも適用できる利点がある。
しかし、接合温度以上の加熱や熱衝撃により、接合部分
の固着力が著しく低減する等して接合層が破損するおそ
れがあるため、高温で使用する部材には適用することは
できない。また、無機材料系接合材には、成分や不純物
として種々の元素成分を含むことが多く、所定の高純度
化を達成できないという欠点もある。
【0005】本発明は、上記した従来のセラミックスと
金属との接合法の現況に鑑み、熱膨張係数の異なる種々
のセラミックスと一般的な金属とを、簡便な工程で所望
の形態を維持して強固に接合させることを第1の目的と
し、それにより、セラミックスの優れた特性を損なうこ
とがなく、高純度で、耐熱性、急激な温度変化サイクル
での耐熱衝撃性に優れた接合層を有する接合体を得るこ
とを目的とする。発明者らは、上記目的を達成するため
の接合材として、先に特願平5−65909号で提案し
たセラミックス−セラミックス接合用コンパウンドの開
発段階で得た各種知見に基づき、その物性等を更に検討
し、本発明のセラミックス−金属の接合への適用につい
て種々検討し本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、セラミ
ック層−接合層−金属層の順に接合されてなるセラミッ
クス−金属接合体であって、該セラミック層が非酸化物
系セラミックスであり、該接合層がポリシラザン化合物
及び/またはポリカルボシラン化合物、該セラミック層
を形成するセラミック粉末、並びに溶媒からなる混合物
が熱処理により形成されてなることを特徴とするセラミ
ックス−金属接合体が提供される。
【0007】
【作用】本発明は上記のように構成され、ポリシラザン
類やポリカルボシラン類化合物を所定の溶媒に溶解して
得られる溶液は、それ自体が粘着性を有し、その溶液に
シリコン、炭化珪素、窒化珪素、シリカ等のセラミック
ス粉末を添加した粘着性混合組成物は、セラミックス及
び金属の両接合部材双方の表面をよく濡らすことができ
る。そのため、メタライジング等の前処理をすることな
く、セラミックス及び金属の各接合部材の接合部に塗布
等して組立て室温にて乾燥させることにより容易に所定
形態に固定保持することができる。従って、その後の焼
成においても、固着力が保持され寸法精度よく所定の接
合形態で接合体を得ることができる。また、ポリシラザ
ン類やポリカルボシラン類化合物は、不活性ガスまたは
酸素含有ガス雰囲気下で加熱すれば、その雰囲気により
Si34 、SiC、SiON、Si、SiO2 等の高
強度で耐熱性を有する化学的に安定な化合物を生成する
ため、混在するセラミック粉末と共に耐熱性に優れ堅固
な高強度の接合層を形成し、熱膨張率の整合性を問わず
各種のセラミックスと金属との組合せで、高温耐熱性を
有し熱衝撃性に優れ、破損のおそれのない強固なセラミ
ックス−金属接合体を得ることができる。また、ポリシ
ラザン類やポリカルボシラン類化合物は、化学的に合成
することができ、高純度化が容易であり、半導体等に有
害な汚染元素を含まず、半導体部材等各種セラミックス
の接合材として、汚染源となることがない。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のセラミックス−金属接合体の接合層を形成する接
合材は、上記ポリシラザン化合物及び/またはポリカル
ボシラン化合物の溶液に、更にセラミック粉末を添加混
合して得られる粘着性の混合組成物である。本発明のポ
リシラザン類及びポリカルボシラン類化合物はSiCや
Si34の前駆体として良く知られている。ポリシラ
ザン類はペルヒドロポリシラザンの種々の分子量の重合
体、メチルポリシラザンの各種重合体等、Si34
たはSiCの前駆体として通常用いられる化合物を使用
することができる。また、ポリカルボシラン類は[R
R′SiCH2 ]n (但し、R及びR′は、R≠R′
で、H、CH3 、C65 のいずれかである。n=5〜
5000以上)の一般式で表され、SiCの前駆体とし
て従来から用いられている化合物を使用することができ
る。添加混合するセラミック粉末は、特に制限されるも
のでなく、シリコン、炭化珪素、窒化珪素、シリカ等一
般によく用いられるセラミックスから適宜選択して用い
ることができる。
【0009】上記ポリシラザン類化合物及びポリカルボ
シラン類化合物の1種または2種以上を組合せて、例え
ばキシレン等の有機溶媒と混合溶解した溶液は粘着性を
有し、この溶液のみを接合材として用いた場合でも、セ
ラミックスと金属とを接合することができる。しかし、
接合層を十分に薄くしない限り、乾燥や熱処理時に接合
材層の体積収縮が大きく、間隙やひび割れ等のおそれが
あり強固な接合体を得ることができない。ポリシラザン
類化合物及びポリカルボシラン類化合物が、乾燥や熱処
理時にSi34 、SiC、SiO2 等に変化し、水素
や炭化水素等の有機物が離脱または燃焼、揮散するため
である。一方、本発明の接合層には、セラミック粉末が
添加混合されて形成されることにより、上記の乾燥、熱
処理時の体積収縮を軽減すると共に、接合強度の向上を
図ることができる。
【0010】本発明においては上記したように、ポリシ
ラザン類及びポリカルボシラン類化合物の1種または2
種以上を選択して用いることができるが、好ましくは、
ポリシラザン類とポリカルボシラン類化合物との組合せ
で用いるのがよい。各化合物から選択することにより、
それら併用の相互作用により、いずれの使用温度の接合
部材にでも適用することができ、所定の高接着強度を保
持することができる。この場合、ポリシラザン類化合物
及びポリカルボシラン類化合物は、それぞれ一方の化合
物に対し他方の添加量を5重量%以上とし、重量比で
1:0.05〜40、好ましくは1:0.1〜20で混
合して用いる。
【0011】本発明の溶媒は、キシレン等の一般的有機
溶媒を用いることができ、その種類及び固形分との混合
比は、接合時の各条件に応じて適宜選択することができ
る。一般に、溶媒の分量が少ないほうが乾燥が簡単で乾
燥後の体積減少も少なく良好な結果を得ることができ
る。しかし、溶媒が少なすぎると流動性が低下し、塗布
作業が難しくなる。通常、上記のポリシラザン類化合物
及び/またはポリカルボシラン類化合物とセラミックス
粉末の総重量に対し、0.05〜40重量比で混合する
のがよい。高流動性を付与するためには、粘着性混合組
成物の液成分が25重量%以上となるように溶媒を添加
するのが好ましい。
【0012】本発明において、上記混合組成物中のセラ
ミックス粉末、即ち、接合層に混在させるセラミックス
粉末は、セラミックス層と同種のセラミックス粉末また
はその熱膨張係数と所定の範囲、例えばその差が1×1
-6以下、で整合する熱膨張係数を有する異種のセラミ
ックス粉末を用いるのが好ましい。接合体のセラミック
層と同種のセラミックス粉末を用いると、接合層とセラ
ミック層との熱膨張差がなくなるため、接合体における
熱歪みが軽減されるためと推定される。ポリシラザン類
化合物及び/またはポリカルボシラン類化合物の溶液に
加えられるセラミック粉末の添加量は、上記溶媒量を勘
案して混合組成物中の固形分を75重量%以下になるよ
うに添加する。少なすぎると接合層のひび割れ防止等の
効果が十分でなく、75重量%を超えると上記のように
混合組成物の流動性が著しく低下し作業性が劣る上、接
合強度が低下し実用的でない。また、上記ポリシラザン
類化合物及び/またはポリカルボシラン類化合物に対す
るセラミック粉末は、重量比で1:2〜40、好ましく
は1:4〜20で添加するのがよい。添加するセラミッ
クス粉末の粒度は、適用する塗布手段や接合物の形状等
により適宜選択することができる。粘着性混合組成物の
保管時に、セラミックス粉末が沈降分離するのを防止す
るため、通常、平均粒径100μm以下のセラミックス
粉末を用いるのが好ましい。
【0013】本発明において、接合層を形成するための
接合材には作業性改善の目的で、上記ポリシラザン類化
合物及び/またはポリカルボシラン類化合物、セラミッ
クス粉末並びに溶媒からなる粘着性混合組成物に、適量
の界面活性剤や増粘剤を添加することができる。上記の
ようにして得られる本発明のセラミック層を形成する接
合材は、刷毛やデスペンサー等を使用し、セラミクッス
及び金属の各接合面に一定量を塗布や注入等することに
より接合部を形成することができる。塗布等した後、溶
媒が蒸発・固化する以前に、セラミックス及び金属の各
接合部を突き合わせ、必要に応じ加熱して乾燥させる。
更にその後、金属が著しく酸化されないような雰囲気
下、例えば窒素、アルゴン等の不活性ガス、空気等酸素
含有ガスの弱酸化性ガス、または水素等の還元性ガス雰
囲気内で、金属が著しい変質をうけない温度、例えば3
00〜1400℃、通常300〜1000℃の温度で加
熱、焼成することにより、目的の耐熱性に優れ、且つ接
合強度が数MPaから数百MPaと高強度接合のセラミ
ックス−金属接合体を得ることができる。
【0014】本発明のセラミックス−金属接合体は、上
記のようにして形成され、例えば熱膨張率の異なる軟鋼
とSiCとの接合体においても、破損や剥離が生じるこ
となく強固に接合され、耐熱性、耐熱衝撃性に優れる。
これらの理由は明らかでないが、接合層を形成する上記
ポリシラザン類化合物及び/またはポリカルボシラン類
化合物、セラミックス粉末並びに溶媒からなる粘着性混
合組成物である接合材が、加熱、焼成等の熱処理により
分解重合すると同時に塑性変形を起こし熱処理時に生じ
る残留応力を解消するためであると推定される。また、
熱処理が700℃以下では樹脂分の残留により、また7
00℃より高温の熱処理においては接合層が多孔質とな
ることにより、温度の急変により熱応力を緩和すること
ができ、耐熱衝撃性に優れた接合体を得ることができる
ものと推定される。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。但し、本発明は下記実施例により制限されるもので
ない。 実施例1〜5 ポリシランをオートクレーブ中で加熱して得たポリカル
ボシラン(軟化温度120℃)を、分子量1700〜2
100のペルヒドロポリシラザンに対し、表1に示した
各重量割合で混合し混合化合物を得た。得られた混合化
合物に、重量比1:5の割合で平均粒径20μmのシリ
コン粉末を添加し、ポリシラザン、ポリカルボシラン及
びシリコンからなる混合粉末を得た。更に、得られた混
合粉末固形分に対して、重量比1:0.5でキシレンを
加え、ボールミルで4時間混練して接合材の粘着性混合
組成物をそれぞれ作成した。作成した接合材の粘着性混
合組成物は各々約30gであった。
【0016】
【表1】
【0017】また、外径20mm、肉厚3mm、長さ5
0mmのSiC管と、内径21mm、肉厚2mm、長さ
50mmの炭素鋼管を用意した。次いで、SiC管の端
部表面に幅20mmに渡り、上記で得た接合体である粘
着性混合組成物を塗布し、接合材が乾燥しないうちに炭
素鋼管の端部をはめ込み、長さ20mmに渡り接着させ
た。その後、150℃で1時間乾燥させ、更に、窒素ガ
ス雰囲気中500℃で1時間焼成した後、室温まで冷却
してSiC−炭素鋼接合管を得た。得られた接合管の両
端面に圧縮力を加える方法で接合部の剪断強度を測定し
た。その結果を表1に示した。上記実施例から明らかな
ように、ポリカルボシラン、ポリシラザン、シリコン粉
末及び溶媒のキシレンからなる接合材を用いて、セラミ
ックスのSiCと金属の炭素鋼とを乾燥、熱処理して接
合した接合体は、強固に接合されることが分かる。
【0018】実施例6〜10及び比較例2 平均分子量約1300のヘキサメチルシクロトリシラザ
ン重合体に対して、実施例1で使用したポリカルボシラ
ンを重量比4:1の割合で秤量して混合して混合化合物
を得た。得られた混合物に300メッシュ以下に粉砕し
たSiC粉末(S粉)を表2に示した重量割合で添加し
た混合粉末に、シクロヘキサンと混合し、ボールミルで
1時間混練して接合材の粘着性混合組成物を得た。シク
ロヘキサンの添加量は、接合材としての適度の粘性と乾
燥速度が得られるように調整した。即ち、SiC粉末の
添加量が混合化合物の約5倍までは、混合化合物濃度が
約10〜40重量%となる溶媒量を、一方、SiC粉末
の添加量が混合化合物の約5倍を超える場合は、全固形
分の約30〜60重量%となる溶媒量を適量として調整
した。
【0019】一方、内径10mm、肉厚2mmのステン
レス管と、直径5mmφのSiC棒を用意し、各々の端
面10mmに上記で作成した接合材を塗布して、塗布部
を接着させた。その後、200℃で1時間乾燥させ、更
に5%の水素を含有する窒素雰囲気中で表2に示した各
温度で焼成、熱処理して、SiC−ステンレス接合体を
得た。各熱処理温度で得られた接合体の引張強度を測定
して接合強度を求めた。その結果を表2に示した。本実
施例及び比較例により明らかなように、ポリシラザン類
化合物及びポリカルボシラン類化合物の混合化合物の
み、及びSiC粉末の添加量が重量比で1の接合材を用
いた場合は、十分な高接合強度を有する接合体を得るこ
とができないことが明らかである。
【0020】
【表2】
【0021】実施例11 平均分子量約2000のポリシラスチレン1重量部に対
し、平均粒径3μmのシリコン粉末5重量部、300メ
ッシュ通過のSi34 粉末10重量部、及びトルエン
5重量部を混合し、ボールミルで十分混練して接合材の
混合組成物を得た。得られた接合材を用い、10×10
0×3(mm)のSi34 板2枚を用意し、その間に
直径0.8mmのニクロム線をジグザグにはり渡し、上
記で作成した接合材を用いて接着固定した。次いで窒素
ガス雰囲気中1000℃で加熱し、焼成熱処理した後、
室温まで冷却し、更に空気中でニクロム線が赤熱するま
で通電したが、ニクロム線の剥離等の不都合は生じるこ
となく、Si34 セラミックスとニクロム線金属の強
固な接合体が得られた。
【0022】実施例12 実施例1で用いたポリカルボシラン1重量部、ペルヒド
ロポリシラザン1重量部、350メッシュ以下に粉砕し
た石英ガラス粉末5重量部、350メッシュ以下のSi
C7重量部及びキシレン7重量部を調合し、ボールミル
で1時間混合して接合材の混合組成物を調製した。得ら
れた接合材を用い、直径10mmφのシリコン棒とコバ
ール棒の端面同士を接着させ、室温乾燥後、窒素雰囲気
中800℃で焼成熱処理して接合体を得た。得られた接
合体を、室温と800℃との温度変化サイクルを繰り返
し行ったが、破損等することなく強固に接合されてい
た。
【0023】実施例13 高温に晒されるバーナー先端部にはSiCセラミック材
料を用い、ガスネジによる配管の必要な部所にはJIS
規格による金属部品を用いて、実施例9と同様にして得
られた接合材で接合した緩慢燃焼による高温の低NOX
で、高熱効率バーナーを製作した。従来のバーナーは、
ガスネジによる配管の必要性からセラミック材料に比し
耐熱性の低い金属でバーナー全体を製作していたため、
実用温度域の1300℃でのライフが約1カ月と極めて
短かったのに対し、上記で製作したバーナーは、配管工
事は通常の方法で行うことができると共に、バーナーの
ライフは1300℃を超える高温でも数か月以上の保持
は確実であった上、使用実績から4年以上のライフが見
込まれた。
【0024】実施例14 SiCセラミックローラー材に金属スプロケットを接合
し、セラミックローラーを製作し、それを用いたローラ
ーハース炉を製作した。従来のローラーハース炉では、
ローラー全体を金属で形成した場合には、熱によるロー
ラーの曲がりが大きく、製品の破壊や、ローラーの軸受
けをも破壊する等の問題があり、高温の炉内に入る部分
ではセラミック材料を用い、金属スプロケット等の動力
系とはピンあるいはスプリングで繋げていたが、駆動開
始時及び運転時のガタツキが大きく、セラミック材料の
破壊等の問題が多発していた。これに対し、上記本発明
のセラミックス−金属接合体を用いて製作したローラー
ハース炉は、駆動開始時のガタツキがなくスムーズな回
転が得られた。このため、機械的衝撃等によるクラック
の発生や、欠け、折れ等の欠陥発生もなく、長期間の使
用が見込まれた。
【0025】
【発明の効果】本発明は、その接合層を形成する接合材
が常温乾燥で十分な固着力を有し、且つ、焼成等の熱処
理時にもその固着力を保持することができるため、所望
の寸法精度で機械部材等のセラミックス−金属接合体を
得ることができる。また、得られるセラミックス−金属
接合体の接合層は、高接合強度を有し、接合部の欠損や
剥れ等を生じることなく種々の装置部材に適用すること
ができる。更に、本発明のセラミック接合層は、高純
度、高耐熱性、高耐薬品性等に優れ、セラミックス粉末
の他、主にSi、O、N、C及びHの元素から構成され
る化合物を構成成分としているため、半導体汚染物の混
入を極力抑制することができ、半導体製造工程の各種部
材としても有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック層−接合層−金属層の順に接
    合されてなるセラミックス−金属接合体であって、該接
    合層がポリシラザン化合物及び/またはポリカルボシラ
    ン化合物、該セラミック層を形成するセラミック粉末、
    並びに溶媒からなる混合物が熱処理により形成されてな
    ることを特徴とするセラミックス−金属接合体。
  2. 【請求項2】 前記セラミックス層が非酸化物系セラミ
    ックスであり、炭化珪素、窒化珪素及びシリコン含浸炭
    化珪素の1種または2種以上からなる請求項1記載のセ
    ラミックス−金属接合体。
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