JPH05306172A - 高温強度および耐酸化性に優れた窒化ケイ素焼結体およびその製造方法 - Google Patents

高温強度および耐酸化性に優れた窒化ケイ素焼結体およびその製造方法

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JPH05306172A
JPH05306172A JP4137598A JP13759892A JPH05306172A JP H05306172 A JPH05306172 A JP H05306172A JP 4137598 A JP4137598 A JP 4137598A JP 13759892 A JP13759892 A JP 13759892A JP H05306172 A JPH05306172 A JP H05306172A
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JP
Japan
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silicon nitride
oxidation resistance
strength
oxidation
high temperature
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Withdrawn
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JP4137598A
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English (en)
Inventor
Yutaka Sato
佐藤  裕
Masanori Ueki
正憲 植木
Kazuya Kurokawa
一哉 黒川
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱部材、耐摩耗部材にセラミックスを適用
する際の課題である高温強度と耐酸化性を改善した材料
およびその製造方法を提供する。 【構成】 酸化イットリウム0.1―15wt%および
酸化ハフニウム0.1―15wt%を含み、残部が窒化
ケイ素よりなり、粒界にY2Hf27の結晶が存在する
ことを特徴とした高温強度および耐酸化性に優れた窒化
ケイ素焼結体であり、その製法として、前記の比率にな
るように酸化イットリウム、酸化ハフニウムおよび窒化
ケイ素の粉末を混合し、窒素ガス雰囲気中で1600―
1850℃の温度、圧力20―40MPaでホットプレ
ス焼結を行い、焼結体を得る。この窒化ケイ素焼結体
は、粒界にY2Hf27の結晶が生成しており、高温強
度に優れているとともに、耐酸化性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高温強度および耐酸
化性に優れた窒化ケイ素焼結体の製造に関するものであ
る。
【0002】本発明の窒化ケイ素焼結体は、構造用セラ
ミックス等として有用であり、特にエンジン用部材等に
適している。
【0003】
【従来の技術】窒化ケイ素(Si34)においてその応
用が期待される部材としては、エンジン用部材や切削工
具のような高温での特性、特に強度や耐酸化性などの特
性の優れたものである。
【0004】従来の公開されている技術でも、窒化ケイ
素のこれらの特性を改善する目的のものが多くあるが、
実用的には不十分でさらに特性を向上させることが望ま
れている。
【0005】窒化ケイ素は、非酸化物セラミックスであ
り、共有結合性の強い物質であるため、単独で高密度焼
結体を得ることは困難であり、一般には焼結助剤を添加
することが不可欠となっている。
【0006】いわゆるエンジニアリングセラミックスと
して開発・商品化されている窒化ケイ素はこれら助剤を
含んだものであり、通常酸化アルミニウム(Al
23)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化イットリウ
ム(Y23)などの酸化物が数%から十数%助剤として
含有されている。
【0007】これらの酸化物は、Si34粒子表面のS
iO2と反応して液相を形成することによって焼結を進
行させるが、融点及び軟化点の低いガラス相が、粒界に
残り高温強度を低下させる原因となる。
【0008】このため、ガラス相を残さずに粒界の結晶
化を促す助剤としてAl23―Y23系がよく用いられ
ている。
【0009】しかしながら、窒化ケイ素のその他の問題
点として挙げられるのが、耐酸化性である。
【0010】例えば、ホウ素(B),炭素(C)を助剤
として用いた炭化ケイ素の場合、酸化雰囲気では表面に
純粋なSiO2が生成し、優れた耐酸化性を示す事が知
られているが、窒化ケイ素のように助剤として酸化物を
用いると酸化表面には純粋なSiO2ではなく、ムライ
トのような複合酸化物が生成し耐酸化性を著しく低下さ
せる原因となっている。
【0011】このようにAl23―Y23系助剤等で
は、耐酸化性に劣るため、エンジン部材のような高温酸
化雰囲気中での実用化が困難である。
【0012】また、そのほかに窒化ケイ素焼結体の高温
強度を高めるために、助剤を工夫した従来技術として
は、特開昭58―185483号公報などが知られてい
るが、十分な特性が得られているとはいえず、耐酸化性
の面での改善が要望されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
様な窒化ケイ素焼結体の問題点である、高温強度、耐酸
化性および破壊靭性の向上を意図したものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化イットリ
ウム0.1―15wt%および酸化ハフニウム0.1―
15wt%を含み、残部がβ―窒化ケイ素よりなり、粒
界にY2Hf27の結晶が存在することを特徴とする高
温強度および耐酸化性に優れた窒化ケイ素焼結体、さら
には前記の窒化ケイ素焼結体を製造する方法で、酸化イ
ットリウム0.1―15wt%および酸化ハフニウム
0.1―15wt%を含み、残部が窒化ケイ素よりなる
混合粉末を、窒素ガス雰囲気中で温度1600―185
0℃、圧力20―40MPaでホットプレス焼結するこ
とを特徴とする製造方法である。
【0015】以下に本発明の内容を詳細に説明する。
【0016】Si34の助剤としては、Y23およびH
fO2を用いる。これは、焼結後の結晶粒界にY2Hf2
7の結晶を生成させるために必要である。
【0017】一般に、粒界を結晶化させるとSi34
結体の高温強度などの高温特性を向上させることができ
る。
【0018】また、Y2Hf27が粒界に存在すると、
Si34焼結体が酸化されるときに、粒界相における金
属元素の拡散、例えばイットリウム(Y)の表面への拡
散を抑制する効果が確認されている。
【0019】Yが拡散し易いと、酸化の際に表面にYが
拡散してY2Si27が生成する反応が進行するため、
表面が酸化によりどんどん侵食されていってしまう。
【0020】これに対して本発明の窒化ケイ素焼結体
は、酸化の際にY2Si27が生成せずに、SiCでの
例で知られているように酸化の進行を抑える働きをする
SiO2の被膜が表面に形成されるため、耐酸化性を改
善することができる。
【0021】助剤であるY23およびHfO2の粉末
は、市販の粉末を使用するが、粒界相の均一な生成を促
すために、1μm以下の平均粒径の粉末を使用すること
が望ましい。
【0022】Si34の原料粉末としては、α型のSi
34粉末を用い、望ましくは0.5μm以下の平均粒径
の粉末を使用することがよい。
【0023】また、添加するY23およびHfO2の量
は、いずれも0.1〜15wt%の範囲とする。
【0024】これより添加量が少ないと焼結が困難とな
り、また、これらの酸化物を加えた際の効果が現れな
い。
【0025】また、15wt%より多く添加すると粒界
相の量が多くなりすぎるため、強度の低下等が起こる。
【0026】Y23およびHfO2の添加割合は、Y2
27を十分に生成させるために、HfとYのモル比で
1:1もしくはYを多く添加することが望ましい。
【0027】HfO2を多く添加した場合、HfO2がそ
のまま焼結体中に残存することがあるため、焼結体の機
械的特性の面で良い材料を得ることが困難となる。
【0028】Y23およびHfO2の助剤粉末とSi3
4粉末を混合、乾燥しホットプレスにより焼結体を作製
する。
【0029】ホットプレスは、Si34のα相からβ相
への転移を十分に進め緻密化させるために1600―1
850℃の温度範囲で行う。
【0030】1600℃より低い温度では、α相からβ
相への相転移が起こらないため、針状粒であるβ型の結
晶粒が発達せず、高強度かつ高靭性というこの材料の特
性が発揮できない。
【0031】また、1850℃よりも高い温度では、S
34分解が起こるために、焼結させることが困難であ
る。
【0032】一軸加圧であるホットプレス法を用いるこ
とにより、β―Si34の針状粒が2次元的に配向する
ため、通常の焼結方法に比べて高強度のものが得られ
る。このため、焼結方法には、ホットプレス法を用いる
ことが必要である。
【0033】そして、圧力を効果を十分に発揮し、針状
粒を配向させ、機械的特性の優れた材料を得るために2
0MPa以上の圧力で行う必要がある。
【0034】40MPa以上の圧力を加えるためには、
ホットプレスのダイスに通常、使用される黒鉛よりも高
強度の材料を用いなければならない。
【0035】また、ホットプレスで加える圧力を、40
MPa以上にしても焼結体の特性は、ほとんど変わらな
いため、生産性を良くし、十分な特性の材料を得るため
に20〜40MPaの圧力でホットプレスを行う。
【0036】また、焼結時のSi34の分解を防ぐため
に、ホットプレスは窒素ガス雰囲気中で行うようにす
る。
【0037】
【作用】窒化ケイ素の焼結助剤としてよく用いられるの
はY23,MgO,Al23,CeO2などであるが、
例えばAl23―Y23系を助剤として用いた場合、助
剤量の少ない方が酸化被膜厚さは薄くなり、耐酸化性に
優れている。
【0038】これはY2Si27等の生成と関連があ
り、酸化の際に窒化ケイ素粒子の表面にYが拡散して、
2Si27を形成するという反応が進行してしまい、
助剤量の多い場合には、このような反応がどんどん進行
するために、助剤量の少ないものの方が酸化の進行が遅
く耐酸化性に優れた材料となる。
【0039】同じ非酸化物の珪素含有化合物であるSi
Cの場合、BおよびCを助剤として用いた場合、酸化し
た表面にはほぼ純粋なSiO2が形成され、耐酸化性が
極めて優れていることを考慮すると、窒化ケイ素セラミ
ックスの耐酸化性改善のためには助剤量を極力少なくす
ることが必要であると思われる。
【0040】しかし、本発明のようにY23―HfO2
系を助剤として用いた場合、助剤量の比較的多いセラミ
ックスでも耐酸化性が極めてすぐれていたものが得られ
る。
【0041】これは、粒界相にY2Hf27生成し、表
面の酸化によるYの拡散が起こるのを抑制するため、酸
化の進行を抑える役割を果たすためである。
【0042】この場合の酸化被膜は、被膜内におけるY
の偏析が起こらないため、Y2Si27が生成しないた
め、表面にほぼ純粋なSiO2の被膜を形成させること
ができる。
【0043】このSiO2被膜が形成されると酸化の進
行が極めて遅くなるため、耐酸化性の優れた材料とな
る。
【0044】また、粒界が結晶化しているために、高温
での粒界相の軟化に伴う高温強度の低下の少ない特性の
優れた材料を得ることができる。
【0045】
【実施例】Y23―HfO2系の助剤を用いた4種の窒
化ケイ素、及び比較例としてY23―Al23 の助剤
を用いた窒化ケイ素2種を作製した。
【0046】組成は第1表に示した通りであり、それぞ
れ目的の組成となるように原料粉末を秤量し、アセトン
を溶媒に用いて遊星型ボールミルによって24hr混合
し、乾燥、粉砕した後、1770℃×2hr、圧力40
MPaの条件でホットプレスを行ない、焼結体を作製し
た。
【0047】得られた窒化ケイ素焼結体のそれぞれの機
械的特性は第1表に示す通りである。
【0048】酸化試験は、50×10×3mmの試験片
を用いて行なった。酸化は、両端が大気に開放されてい
るアルミナ管内で行い、シリコニット炉を用いて加熱し
た。
【0049】試料は、25min程度の時間をかけて電
気炉内の均熱帯位置まで徐々に挿入したが、この際約7
00Kの温度に約10min、さらに約1000Kの温
度に5min保持した。
【0050】酸化終了後の取り出しは、挿入の時と全く
逆の手順に従った。酸化後の断面観察から酸化の程度を
評価した。第2表に酸化の条件を示す。
【0051】酸化後の試料断面のEPMA分析による酸
素分布のマッピングから、酸化により酸素の濃度が高く
なった部分(酸化被膜)の厚みを測定した。第3表に1
200℃での各時間における酸化被膜の厚さを示す。
【0052】また、第4表に各温度における酸化被膜厚
さを示す。なお、酸化時間は100hrである。
【0053】いずれのセラミックスも酸化時間の増大と
ともに酸化被膜厚さが増大しているが、酸化被膜厚さは
同一助剤成分では助剤量の少ない方が小さく耐酸化性に
優れている。
【0054】また、Y23―HfO2系の助剤を用いた
の窒化ケイ素の方が、Y23―Al23系の助剤を用い
た窒化ケイ素よりも優れた耐酸化性を示した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【発明の効果】本発明により、従来の技術では得られな
かった高温特性と耐酸化性に優れた窒化ケイ素セラミッ
クス材料を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化イットリウム0.1―15wt%お
    よび酸化ハフニウム0.1―15wt%を含み、残部が
    β―窒化ケイ素よりなり、粒界にY2Hf27の結晶が
    存在することを特徴とする高温強度および耐酸化性に優
    れた窒化ケイ素焼結体。
  2. 【請求項2】 酸化イットリウム0.1―15wt%お
    よび酸化ハフニウム0.1―15wt%を含み、残部が
    窒化ケイ素よりなる混合粉末を、窒素ガス雰囲気中で温
    度1600―1850℃、圧力20―40MPaでホッ
    トプレス焼結することを特徴とした請求項1記載の高温
    強度および耐酸化性に優れた窒化ケイ素焼結体の製造方
    法。
JP4137598A 1992-05-01 1992-05-01 高温強度および耐酸化性に優れた窒化ケイ素焼結体およびその製造方法 Withdrawn JPH05306172A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010150831A1 (ja) * 2009-06-24 2010-12-29 旭硝子株式会社 ハンガー組立体およびフロート板ガラス製造装置
CN108863395A (zh) * 2017-05-12 2018-11-23 中国科学院上海硅酸盐研究所 一种高热导率、高强度氮化硅陶瓷材料及其制备方法

Cited By (3)

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WO2010150831A1 (ja) * 2009-06-24 2010-12-29 旭硝子株式会社 ハンガー組立体およびフロート板ガラス製造装置
JP5510454B2 (ja) * 2009-06-24 2014-06-04 旭硝子株式会社 ハンガー組立体およびフロート板ガラス製造装置
CN108863395A (zh) * 2017-05-12 2018-11-23 中国科学院上海硅酸盐研究所 一种高热导率、高强度氮化硅陶瓷材料及其制备方法

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Effective date: 19990706