JP3119482B2 - 燃焼触媒システム - Google Patents

燃焼触媒システム

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JP3119482B2 JP02332834A JP33283490A JP3119482B2 JP 3119482 B2 JP3119482 B2 JP 3119482B2 JP 02332834 A JP02332834 A JP 02332834A JP 33283490 A JP33283490 A JP 33283490A JP 3119482 B2 JP3119482 B2 JP 3119482B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ハニカム状やタブレット状等に形成された
燃焼触媒で構成される燃焼触媒システム、特に触媒燃焼
の反応等に際して好適に使用される燃焼触媒システムに
関するものである。
〔従来の技術〕
燃焼触媒、特に触媒燃焼を行うための触媒は、自動車
排ガス中の一酸化炭素や炭化水素類の燃焼除去、工場排
ガスの除外、無縁燃焼等、様々な用途に用いられてい
る。
ところで、従来用いられている燃焼触媒は、コージェ
ライト系担体やアルミナ担体にPd等の貴金属元素を担持
させた低温用触媒がほとんどであるが、このような触媒
は耐熱性および強度が不十分であり、高温下で使用する
と焼結して比表面積(単位重量当たりの表面積)が著し
く低下し、またPdやPt等の主要成分が揮散することによ
り、本来の機能を果すことができなくなる。
従って従来は、触媒の使用温度を約800℃〜1000℃の
範囲内に制御することで触媒の劣化を防ぐ操作が行われ
ており、これが使用温度の拡大の大きな妨げとなってい
る。換言すれば、燃焼触媒を用いた燃焼の温度領域を拡
大するためには、耐熱性に優れた触媒の開発が急務とさ
れている。
さらに近年は、ガスタービンやボイラーにおいても、
NOx低減方法として触媒燃焼を行うことが要望されてお
り、この要望に答え得る触媒として、例えば1200℃を超
える高温でも高い燃焼活性を維持することができる高耐
熱性触媒の開発が強く望まれている。
そこで、特開平1−210031号公報には、耐熱性を改良
し、高温でも使用可能とした耐熱性触媒が開示されてい
る。この触媒は、高温時における担持成分の焼結を防ぐ
ために触媒活性成分と触媒単体成分とが特別な規制で混
合された層状アルミネート構造を有しており、その組成
式は次のようになっている。
A1-zCzBxAl12-YO19−α ここで、A:Ca,Ba,Srのうちの1種 C:希土類元素中の1種 B:Mn,Co,Fe,Ni,Cu,Crの中の1種 Z<0.4 0.1≦X≦4 X≦Y≦2X α=1−{X−Z(X−Y)+XZ−3Y}/2 である。
このような触媒によれば、約1000〜1300℃の高温下で
も高い活性能力を維持することができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記公報に記載される触媒は、約1200℃の焼成温度で
目的の結晶構造(マグネトプラムバイト構造)に変化す
るものであり、このときの比表面積の減少量が従来の触
媒と比べて小さいために、高温下での活性を維持するこ
とができるものである。すなわち、この触媒はいわば高
温用の触媒であり、高温時には優れた性能を発揮するも
のであるが、その反面、低温時の活性は従来の低温用触
媒より劣る欠点がある。
従って、温度領域が広い運転条件、特に、低温着火性
が充用とされるガスタービン等に使用する場合には、単
に上記耐熱性層状ヘキサアルミネート触媒を配置しただ
けであると、充分な低温着火性が得られず、使用上大き
な制約を受ける。逆に、従来のようなコージェライト系
担体にPtやPdを担持させた触媒を適用した場合には、低
温着火性は良好となるものの、高温部に至っては熱で触
媒が損傷を受け、シンタリングもしくは揮散するため、
長期に亘る使用は事実上困難である。
本発明は、このような事情に鑑み、高温時の活性およ
び低温着火性の双方に優れた燃焼触媒システムを提供す
ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、複数の燃焼触媒を直列に配した燃焼触媒シ
ステムであって、前段にPd、Ptの少なくとも一方を活性
成分とするコージェライト系燃焼触媒を配置し、中段に
Pd、Ptの少なくとも一方を添加した置換型層状アルミネ
ート燃焼触媒を配置し、後段に置換型層状アルミネート
触媒を配置したものである。
なお、上記置換型層状アルミネートの具体的な組成式
は次の通りである。
A1-zCzBxAl12-YO19−α ここで、A:Ca,Ba,Srのうちの1種 C:希土類元素中の1種 B:Mn,Co,Fe,Ni,Cu,Crの中の1種 Z<0.4 0.1≦X≦4 X≦Y≦2X なお、中段に配される置換型層状アルミネート燃焼触
媒においてPdまたはPtを添加する手段は問わず、成形後
に従来から知られている含浸法を用いて担持させるよう
にしてもよいし、触媒粉末をアルコキシド法で合成し作
成する段階で加水分解させる時にPdまたはPtを塩化物等
の形で入れておいても同様の効果が得られる。
〔作 用〕
上記のような燃焼触媒システムでは、前段から後段に
向かうに従って高温となる温度勾配が生じる。ここで、
まず、低温状態にある前段では、PdやPtを活性成分とす
るコージェライト系燃焼触媒が充填されているので、低
温着火性が良好であり、この前段触媒出口のガス温度は
十分に高くなる。
次いで、中段には、PdやPtが添加された層状アルミネ
ート燃焼触媒、すなわち、低温着火性および耐熱性の双
方に優れ、高い燃焼性能をもつ燃焼触媒が配置されてい
るので、運転条件に応じて前段の活性に変化が生じた場
合でも、その変化が中段で吸収され、上記変化に応じた
安定な運転が実現される。
このような燃焼が実現されることにより、後段の燃焼
温度は非常に高くなるが、この後段には高温活性および
耐熱性に優れた置換型層状アルミネート燃焼触媒が配置
されているので、この触媒の作用により高い燃焼率が確
保される。
ここで、上記中段触媒が省略された場合には、運転条
件の変動に伴う前段の貴金属触媒の活性変動が、後段触
媒の燃焼性能に直接影響を及ぼすことになり、最終的に
得られる燃焼率が不安定となり易いが、上記のような中
段触媒を配置することにより、この中段触媒が上記前段
の活性変化を吸収するために後段入口部での燃焼状態が
安定に保たれるので、この後段の層状アルミネート燃焼
触媒の機能が十二分に発揮されることとなる。
なお、後段に配置した層状アルミネート燃焼触媒につ
いては、これにPdやPtを添加しても何ら利点は生じな
い。これらの貴金属触媒は低温着火性を向上させるため
のものであり、また高温使用時には担体から溶け出し、
揮発してなくなってしまうためである。
〔実施例〕
第1図は、本発明システムをガスタービン用燃焼器に
適用した場合を想定して構成した試験装置を示したもの
である。図において、ガス管10内には、ハニカム成形さ
れた4つのハニカム触媒体C1〜C4が入口側(低温側)か
ら順に適当な間隔をおいて充填されており、各ハニカム
触媒体C1〜C4の入口側部分と出口側部分および最終出口
部分には、燃焼温度検出用の熱電対To〜T4,Taが配置さ
れている。
このような装置において、下記の諸条件で燃焼試験を
行った。なお、各試験におけるハニカム触媒体には、外
径50mm、厚み25mm、セル数300のものを用いている。
試験条件1(本発明システム) 入口ガス温度:450〜500℃(500℃が中心) 燃料濃度:1.5〜2.6% 線速度(流速):3.4Nm/s 1段目触媒:Pdを活性成分とする コージェライト系触媒 210セル 2段目触媒:0.2%Pdを添加した Sr0.8La0.2MnAl11O19−α (Mn置換型層状アルミネートハニカム触
媒) 3段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 4段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α なお、2段目触媒には、含浸法により製造したものを
用いている。
この試験結果を第2図に示す。このグラフに示すよう
に、後段に向かうにつれて順調に燃焼温度が上昇してお
り、出口における燃焼効率は100%であった。
試験条件2(本発明システム) 入口ガス温度:450℃(固定) 燃料濃度:1.9〜2.6% 線速度(流速):3.4Nm/s 1段目触媒:Pdを活性成分とする コージェライト系触媒(市販品) 2段目触媒:Pdを添加した Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 3段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 4段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α この試験結果を第3図および第4図に示す。第3図は
燃料濃度と最終燃焼率との関係を示し、第4図は装置内
の温度分布を示したものである。
第3図に示されるように、燃料濃度、すなわち燃焼濃
度を変化させると、最終燃焼率も変動するが、燃料濃度
2.5%以上で100%の燃焼効率が達成されている。
試験条件3(比較例) 入口ガス温度:500〜600℃ 燃焼濃度:2〜3.2% 線速度(流速):3.4Nm/s 1段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 2段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 3段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 4段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α このシステムは、全触媒を置換型層状アルミネート燃
焼触媒(Pd,Ptなし)で構成したものであり、その結果
としては、燃焼率が約52〜84%、温度分布が第5図に示
されるようになった。この結果から明らかなように、Pd
もPtも含まない置換型層状アルミネート触媒のみでシス
テムを構成した場合には、入口温度が高いにも拘らず燃
焼率は低い値にとどまる。これは、前段および中段での
低温着火性が低いことに起因すると考えられる。
なお、本発明は上記のような試験例に限定されるもの
でなく、例えば次のような態様をとることも可能であ
る。
(a) 試験結果は示していないが、上記Pdの代わりに
同じ触媒として作用する貴金属元素であるPtを添加した
層状アルミネート燃焼触媒を中段に用いても、上記と同
様の効果を得ることは明らかである。
(c) 本発明において、各段の段数およびシステム全
体の段数は問わず、例えば全段数を上記試験装置と同様
に4段とした場合には、次のような3つの組合わせが考
えられる。
組合わせ(1) 前段→1,2段目 中段→3段目 後段→4段目 組合わせ(2) 前段→1段目 中段→2,3段目 後段→4段目 組合わせ(3) 前段→1段目 中段→2段目 後段→3,4段目 (d) 上記試験では、ガスタービン用の燃焼器を想定
してハニカム成型体に成型された触媒体を用いたが、本
発明では各燃焼触媒の具体的な構造を問わず、タブレッ
ト状体、球体、リング状体、押出し成型体等、用途に応
じて適宜設定すればよい。
〔発明の効果〕
以上のように本発明は、燃焼温度の低い前段に低温着
火性に優れた燃焼触媒を配置し、この前段での活性変化
を中段で吸収して燃焼を安定化させ、燃焼温度が高温と
なる後段に高温活性および耐熱性に優れた層状アルミネ
ート燃焼触媒を配置したものであり、各触媒の特性を有
効に活かす配置を行っているので、運転条件が広範囲に
及ぶ場合でも、高い燃焼率および燃焼安定性を得ること
ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明システムを想定して構成された燃焼試験
装置の全体図、第2図は第1の試験条件下で行われた燃
焼試験における装置の温度分布を示すグラフ、第3図は
第2の試験条件下で行われた燃焼試験における燃焼濃度
と燃焼率との関係を示すグラフ、第4図は同燃焼試験に
おける装置の温度分布を示すグラフ、第5図は第3の試
験条件下で行われた燃焼試験における装置の温度分布を
示すグラフである。 C1〜C4……ハニカム触媒体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 敏幸 兵庫県神戸市西区伊川谷町有瀬131―1 ―415 (72)発明者 貞森 博己 大阪府大阪市此花区酉島6丁目19番9号 大阪瓦斯株式会社総合研究所内 (72)発明者 松久 敏雄 山口県下関市彦島迫町7丁目2番10号 東洋シーシーアイ株式会社下関工場内 (56)参考文献 特開 昭63−267804(JP,A) 特開 平1−210031(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36 B01D 53/86 F23D 14/18 F23R 3/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の燃焼触媒を直列に配した燃焼触媒シ
    ステムであって、前段にPd、Ptの少なくとも一方を活性
    成分とするコージェライト系燃焼触媒を配置し、中断に
    Pd、Ptの少なくとも一方を添加した置換型層状アルミネ
    ート燃焼触媒を配置し、後段に置換型層状アルミネート
    触媒を配置したことを特徴とする燃焼触媒システム。
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FR2743008B1 (fr) * 1995-12-28 1998-01-30 Inst Francais Du Petrole Procede de combustion catalytique a plusieurs zones catalytiques successives
FR2743511B1 (fr) * 1996-01-15 1998-02-27 Inst Francais Du Petrole Procede de combustion catalytique a injection etagee de combustible
FR2743533B1 (fr) 1996-01-17 1998-04-10 Peugeot Dispositif de commande de la position d'un toit ouvrant de vehicule automobile
JP3377676B2 (ja) * 1996-04-05 2003-02-17 ダイハツ工業株式会社 排ガス浄化用触媒
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