JP3142553B2 - 触媒ハニカム成型体 - Google Patents

触媒ハニカム成型体

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JP3142553B2 JP02332833A JP33283390A JP3142553B2 JP 3142553 B2 JP3142553 B2 JP 3142553B2 JP 02332833 A JP02332833 A JP 02332833A JP 33283390 A JP33283390 A JP 33283390A JP 3142553 B2 JP3142553 B2 JP 3142553B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、置換型層状アルミネートを原料としてハニ
カム状に成型した、耐熱用燃焼触媒体に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
燃焼触媒、特に触媒燃焼を行うための触媒は、自動車
排ガス中の一酸化炭素や炭化水素類の燃焼除去、工場排
ガスの除外、無煙燃焼等、様々な用途に用いられてい
る。
ところで、従来用いられている燃焼触媒は、コージェ
ライト系担体やアルミナ担体にPd等の貴金属元素を担持
させた低温用触媒がほとんどであるが、このような触媒
は耐熱性および強度が不十分であり、高温下で使用する
と焼結して比表面積(単位重量当たりの表面積)が著し
く低下し、またPdやPt等の主要成分が揮散することによ
り、本来の機能を果すことができなくなる。
従って従来は、触媒の使用温度を約800℃〜1000℃の
範囲内に制御することで触媒の劣化を防ぐ操作が行われ
ており、これが使用温度の拡大の大きな妨げとなってい
る。換言すれば、燃焼触媒を用いた燃焼の温度領域を拡
大するためには、耐熱性に優れた触媒の開発が急務とさ
れている。
さらに近年は、ガスタービンやボイラーにおいてもNO
X低減の方法として触媒燃焼が要望されており、この要
望に答え得る触媒として、例えば1200℃を超える高温で
も高い燃焼活性を維持することができる高耐熱性触媒の
開発が強く望まれている。
そこで、特開平1−210031号公報には、耐熱性を改良
し、高温でも使用可能とした耐熱性触媒が開示されてい
る。この触媒は、高温時における担持成分の焼結を防ぐ
ために触媒活性成分と触媒担体成分とが特別な割合で混
合された層状アルミネート構造を有しており、その組成
式は次のようになっている。
A1-ZCZBXAl12-YO19−α ここで、A:Ca,Ba,Srのうちの1種 C:希土類元素中の1種 B:Mn,Co,Fe,Ni,Cu,Crの中の1種 Z<0.4 0.1≦X≦4 X≦Y≦2X α=1−{X−Z(X−Y)+XZ−3Y}/2 である。
このような触媒によれば、約1200℃の高温下でも高い
活性能力を維持することができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記公報に記載される触媒は、約1000〜1300℃の焼成
温度で目的の結晶構造(マグネトプラムバイト構造)に
変化するものであり、その比表面積を大きな値に維持す
るほど、高い活性を期待することができる。ところが、
上記比表面積をあまり大きく設定すると、結晶が満足に
成長していないために充分な熱的強度および機械的強度
が得られず、特に、高い強度が要求される触媒ハニカム
成型体として成型した場合には熱応力により壊れ易く、
その使用は困難となる。また反面、触媒の強度を上げよ
うとして結晶の成長を進め、比表面積を小さくし過ぎる
と、活性を発揮できなくなる。
本発明は、このような事情に鑑み、高温時の活性が十
分に得られ、しかもハニカム成型体として不都合なく使
用できる強度を維持することができる触媒ハニカム成型
体を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記課題を解決する手段として、置換型層
状アルミネート粉末を主成分とし、これにジルコニアを
0.5重量%以上20重量%以下だけ添加してハニカム成型
したものである。
なお、上記置換型層状アルミネートの具体的な組成式
は次の通りである。
A1-ZCZBXAl12-YO19−α …(1) ここで、A:Ca,Ba,Srのうちの1種 C:希土類元素中の1種 B:Mn,Co,Fe,Ni,Cu,Crの中の1種 Z<0.4 0.1≦X≦4 X≦Y≦2X α=1−{X−Z(X−Y)+XZ−3Y}/2 また、上記ジルコニアを添加する段階としては、上記
一般式に代表される置換型層状アルミネート、例えば前
記特開平1−210031に示されるような層状ヘキサアルミ
ネート型耐熱性触媒粉体に適当なバインダーを入れて混
練する工程でジルコニア粉末を0.5重量%以上20重量%
以下添加する。かかる混練物を成型後焼成することによ
り、本発明の触媒ハニカム成型体は製造される。
このジルコニアは、イットリア、カルシアなどで安定
化されたジルコニア、例えば固体状Y2O3、CaO、MgO安定
化ジルコニアあるいは酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニ
ル、ジルコニアゾル、炭酸ジルコニル等が挙げられる。
〔作 用〕
上記構成によれば、適量のジルコニアが添加されるこ
とにより、ハニカム成型後の比表面積を従来のものと同
等あるいはそれ以上の値に維持しながら、この成型体の
機械的な強度を向上させることができる。ここで、ジル
コニアの添加により比表面積が増加するのは、成型後に
高温で焼成する時にシンタリングが防止され、結晶成長
が抑制されるためと考えられ、機械的な強度が増加する
のは、ジルコニアがバインダーとしての作用、すなわち
結晶粉末同士の間に入って接着剤として寄与する作用を
なすためと考えられる。このジルコニアの添加による効
果は、後に記す試験結果により明らかにされる。
なお、ジルコニアが過剰に添加された場合、すなわち
20重量%以上のジルコニアが添加された場合には、相対
的に触媒活性成分が少なくなり、触媒の活性点が減少し
て触媒としての機能を損うことになる。
〔実施例〕
試験1 組成式がSr0.8La0.2MnAl11O19−αである層状ヘキサ
アルミネート型耐熱性触媒粉体に適当なバインダーを入
れて混練する工程でイットリア安定化ジルコニア粉末を
上記原料粉体に対して10〜22wt.%添加し、適当な条件
で混練してそれぞれを丸棒に押出し成型した後、焼成
し、その曲げ強度および比表面積を調べた。この結果を
第1表に示す。
この結果から明らかなように、ジルコニアを添加した
場合には、無添加の場合に比べ、触媒の比表面積を略同
等もしくはそれ以上に保ちながら、曲げ強度を約60%〜
120%の範囲で大幅に向上することができる。ただし、
ジルコニアの添加量が20重量%を超えると、曲げ強度の
大きな増加は認められず、しかも、ジルコニアが僅かに
増加しただけでも比表面積が著しく低減する不都合が生
じる。
また、上記試料に対して長時間に亘り熱処理を施し、
この熱処理時間と最終的な比表面積との関係(すなわち
耐熱性)を調べた結果を次の第2表に示す。
この結果に示されるように、ジルコニアを添加するこ
とにより比表面積の減少率も低減する。すなわち、ジル
コニアの添加によって触媒の耐熱性が向上し、熱処理が
施されても長期に亘って比表面積が維持される。ただ
し、ジルコニアの添加量が20重量%を超えると耐熱性は
低下し、比表面積は低下する。
試験2 ここでは、上記試験1の試料における製造原料である
ランタンの種類を変え、上記試験1と同様の試験を行っ
た。具体的には、上記試験1の試料を構成するランタン
イソプロポキシド(化学式:La(i−OPr)3に代えて、
安価な酢酸ランタン(化学式:La(CH3COO)31.5H2O)を
用い、試験を行った。その結果を次頁の第3表および第
4表に示す。
この結果に示されるように、ランタンの種類に拘ら
ず、適量のジルコニアを添加することによって比表面積
および曲げ強度が向上し、また、熱耐久性も向上するこ
ととなる。
ただし、ジルコニアの添加量が0.5重量%未満の場合
には、比表面積および曲げ強度の向上はほとんど見られ
ず、実質上本発明の効果を得るためにはジルコニアの添
加量が0.5重量%以上であることが条件となる。
試験3 上記試験1,2の結果に基づき、ジルコニア添加量が5
重量%および10重量%になるように触媒原料を調製し、
ハニカムに押出し成型した後、適当な条件で乾燥、1200
℃焼成を行うことによりジルコニア添加耐熱性Mn置換型
層状アルミネートハニカム触媒を製作した。そして、こ
のハニカム触媒体を第1図に示されるような試験装置に
充填し、ジルコニアを添加しない触媒を充填した場合と
比較、検討した。なお、このハニカムの大きさは、50mm
φで25mm長さで、300セル成型品である。
この第1図に示される装置は、本発明触媒ハニカム成
型体をガスタービン用燃焼器に適用した場合を想定して
構成した試験装置を示したものである。図において、ガ
ス管10内には、ハニカム成型された4つのハニカム触媒
体C1〜C4が入口側(低温側)から順に間隔をおいて充填
されており、各ハニカム触媒体C1〜C4の入口側部分と出
口側部分および最終出口部分には、燃焼温度検出用の熱
電対T0〜T4,Taが配置されている。
このような装置において、入口ガス温度を500〜600
℃、燃料濃度2〜3.2%、線速度(流速)3.3〜5m/sに設
定し、下記の条件で燃焼試験を行った。
条件1 燃料濃度 :2% 線速度 :3.3〜5m/s 1段目触媒:ZrSr0.8La0.2MnAl11O19−α 2段目触媒:ZrSr0.8La0.2MnAl11O19−α 3段目触媒:ZrSr0.8La0.2MnAl11O19−α 4段目触媒:ZrSr0.8La0.2MnAl11O19−α Zr添加量 :全て5重量% 条件2 燃料濃度 :2% 線速度 :3.3〜5m/s 1段目触媒:無添加添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 2段目触媒:無添加添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 3段目触媒:無添加添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 4段目触媒:無添加添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 条件3 燃料濃度 :2% 線速度 :3.3m/s 1段目触媒:Zr添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 2段目触媒:Zr添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 3段目触媒:Zr添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 4段目触媒:Zr添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α Zr添加量 :全て10重量% 条件4 燃料濃度 :3.2% 線速度 :3.4〜5m/s 1段目触媒:Zr添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 2段目触媒:Zr添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 3段目触媒:Zr添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 4段目触媒:Zr添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α Zr添加量 :全て5重量% 条件5 燃料濃度 :3.2% 線速度 :3.4〜5m/s 1段目触媒:無添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 2段目触媒:無添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 3段目触媒:無添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 4段目触媒:無添加Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 各試験条件下で試験を行った時の装置内の触媒温度分
布を第2図に示す。なお、各試験条件と第2図に示す各
曲線との対応、および各条件により得られる実際の燃焼
率は次の第5表に示す通りである。
これらの試験結果に示されるように、ジルコニアを添
加した触媒によれば、case1、case2の各条件において
も、無添加のものよりも高い燃焼率を得ることができ
る。
また、この燃焼試験後、一番劣化が早いと予想される
第4段目の触媒(最高温触媒)を取出して比表面積を測
定したところ、いずれもその低下は見られず、触媒が劣
化していないことが明らかとなった。
なお、試験結果は示していないが、上記各試験で試料
として用いられたSr0.8La0.2MnAl11O19−α以外でも、
前記(1)式に示される置換型層状アルミネート触媒で
あれば、上記と同様にジルコニアを適量添加することに
よって、優れた効果を得ることができる。
以上のように、本発明は置換型層状アルミネート触媒
に対するジルコニアの添加に関するものであるが、これ
以外にも触媒の性能を向上させるためには種々の因子が
存在する。次に、その諸因子について行った試験の内容
を示す。
i)触媒の比表面積について 試験1 種々の比表面積をもつ置換型層状アルミネート触媒体
について、次の条件下で燃焼試験を行った。
触媒組成式:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 触媒量:6ml 触媒形状:タブレット成型体 メタン濃度:2vol%(空気バランス) 空間速度:100000h-1 次頁の第6表は、上記燃焼試験においてメタンの燃焼
率10%を得た時の温度T10%、および曲げ強度試験によ
り得られた曲げ強度を示したものである。なお、比表面
積の測定にはBET一点法(単分子吸着量と分子占有断面
積とに基づいて表面積を算出する方法)を用いている。
この表から明らかなように、比表面積が24m2/gを超え
ると、比表面積を増加しても燃焼率の向上はほとんど望
めず、曲げ強度の低下を招くのみで何ら利点を得ること
はできない。さらに、各比表面積をもつ触媒を実際にハ
ニカム成型体として成型することを試みた結果、25m2/g
を超えるものは非常に脆く、実際に試験装置に組込むと
熱応力等によって壊れてしまい、実用に供さないことが
判明した。
一方、比表面積が2m2/g未満のものは燃焼率が悪く、
触媒燃焼用としての使用が困難となっている。
従って、触媒体の強度を十分に保ち、かつ燃焼率の向
上を図るためには、比表面積が2m2/g以上でかつ25m2/g
以下であることが好ましい。
試験2 上記第1図に示される装置により、下記の諸条件で燃
焼を実行し、156時間に及ぶ耐久試験を行った。なお、
各試験におけるハニカム触媒体には、外径50mm、厚み25
mm、セル数300のものを用いている。
入口ガス温度:600℃ 燃料濃度:2.3% (なお、燃料濃度2.3%で断熱火炎温度は1240℃であ
る。) 線速度(流速):3.5Nm/s 1段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 2段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 3段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 4段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α (全触媒は全て同一) この試験結果を第3,4図および第7,8表に示す。第3図
は装置における触媒層温度分布を、第4図は燃焼率の経
時変化を、第7表は各時刻における燃焼率等の値を、第
8表は156h経過後の結果をそれぞれ示している。これら
のデータから明らかなように、各触媒はいずれも試験後
壊れることなく、また形状が変化することなく、しかも
充分な性能を維持しており、実用に耐え得る触媒である
ことが立証されている。
なお、試験結果は示していないが、前記(1)式に示
されるような組成式をもつ層状アルミネート触媒であれ
ば、上記比表面積に関する条件を満たすことにより、上
記と同様の効果を得ることができる。
ii)触媒システムでの配置について 上記置換型層状アルミネート触媒は、約1000〜1300℃
の焼成温度で目的の結晶構造(マグネトプラムバイト構
造)に変化するものであり、このときの比表面積の減少
量が従来の触媒と比べて小さいために、高温下での活性
を維持することができるものである。すなわち、この触
媒はいわば高温用の触媒であり、高温時には優れた性能
を発揮するものであるが、その反面、低温時の活性は従
来の低温用触媒よりも劣る欠点がある。
従って、温度領域が広い運転条件、特に、低温着火性
が重要とされるガスタービン等に使用する場合には、単
に上記耐熱性層状ヘキサアルミネート触媒を配置しただ
けであると、充分な低温着火性が得られず、結果として
高い燃焼率および燃焼安定性を確保することは困難とな
る。逆に、従来のようなコージェライト系担体にPtやPd
を担持させた触媒を適用した場合には、高い低温着火性
は得られるものの、高温部に至っては熱で触媒が損傷を
受け、揮散するので、長期に亘る使用は事実上困難であ
る。
そこで、上記第1図に示されるような装置において各
段に配置される触媒の種類を変えて燃焼試験を行い、上
記置換型層状アルミネート触媒を最も有効に使用するこ
とができる構成を検討した。
結論から先に述べると、複数の燃焼触媒を直列に配し
た燃焼触媒システムにおいて、前段に、Pd,Ptの少なく
とも一方を活性成分とする燃焼触媒またはPd,Ptの少な
くとも一方を添加した置換型層状アルミネート燃焼触媒
を配置し、中段に、Pd,Ptの少なくとも一方を添加した
置換型層状アルミネート燃焼触媒を配置し、後段に置換
型層状アルミネート燃焼触媒を配置することが好まし
い。
なお、前段および中段に配される置換型層状アルミネ
ート燃焼触媒においてPdまたはPtを添加する手段は適宜
のものを用いればよく、成型後に従来から知られている
含浸法を用いて担持させるようにしてもよいし、触媒粉
末をアルコキシド法で合成し作製する段階で加水分解さ
せる時にPdまたはPtを塩化物等の形で入れておいてもよ
い。
このような燃焼触媒システムでは、前段から後段に向
かうに従って高温となる温度勾配が生じる。ここで、ま
ず、低温状態にある前段では、PdやPtを活性成分とする
燃焼触媒、あるいはPdやPtを添加した置換型層状アルミ
ネート触媒が充填されているので、この前段触媒出口の
ガス温度は十分に高くなる。
次いで、中段には、PdやPtが添加された層状アルミネ
ート燃焼触媒、すなわち、低温着火性および耐熱性の双
方に優れ、高い燃焼性能をもつ燃焼触媒が配置されてい
るので、運転条件に応じて前段の活性に変化が生じた場
合でも、その変化が中段で吸収され、上記変化に応じた
安定な運転が実現される。
このような燃焼が実現されることにより、後段の燃焼
温度は非常に高くなるが、この後段には高温活性および
耐熱性に優れた置換型層状アルミネート燃焼触媒が配置
されているので、この触媒の作用により高い燃焼率が確
保される。
ここで、上記中段触媒が省略された場合には、運転条
件の変動に伴う前段の貴金属触媒の活性変動が、後段触
媒の燃焼性能に直接影響を及ぼすことになり、最終的に
得られる燃焼率が不安定となり易いが、上記のような中
段触媒を配置することにより、この中段触媒が上記前段
の活性変化を吸収するために後段入口部での燃焼状態が
安定に保たれるので、この後段の層状アルミネート燃焼
触媒の機能が十二分に発揮されることとなる。
なお、後段に配置した層状アルミネート燃焼触媒につ
いては、これにPdやPtを添加しても何ら利点は生じな
い。これらの貴金属触媒は低温着火性を向上させるため
のものであり、また高温使用時には担体から溶け出し、
揮発してなくなってしまうためである。
試験1 入口ガス温度:450〜500℃(500℃が中心) 燃焼濃度:1.5〜2.6% 線速度(流速):3.4Nm/s 1段目触媒:Pdを活性成分とするコージェライト系触
媒(市販品) 2段目触媒:Pdを添加したSr0.8La0.2MnAl11O
19−α(Mn置換型層状アルミネートハニカム触媒) 3段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 4段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α なお、2,3,4段目触媒は50mmφ×25mm(長さ)で300セ
ルのハニカムである。
この試験結果を第5図に示す。このグラフに示すよう
に、第4段目(本発明における後段)以降の燃焼率は10
0%となっており、温度勾配についても、後段に向かう
につれて順調に燃焼温度が上昇している。すなわち、こ
の試験からは充分な燃焼率および燃焼安定性が得られて
おり、この条件下にあるシステムが燃焼器として好適で
あることは明らかである。
試験2 入口ガス温度:450℃(固定) 燃焼濃度:1.9〜2.6% 線速度(流速):3.4Nm/s 1段目触媒:Pdを活性成分とするコージェライト系触
媒(市販品) 2段目触媒:Pdを添加したSr0.8La0.2MnAl11O19−α 3段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 4段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α なお、2,3,4段目触媒は50mmφ×25mm(長さ)で300セ
ルのハニカムである。
この試験結果を第6図および第7図に示す。第6図は
燃料濃度と最終燃焼率との関係を示し、第7図は装置内
の温度分布を示したものである。
第6図に示されるように、燃料濃度、すなわち燃焼濃
度を変化させると、最終燃焼率も変動するが、この最終
燃焼率は80%〜100%の高い範囲に維持されており、ま
た、入口温度が450℃と低いにも拘わず、良好な燃焼安
定性が得られている。
試験3(比較例) 入口ガス温度:500〜600℃ 燃焼濃度:2〜3.2% 線速度(流速):3.4Nm/s 1段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 2段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 3段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α 4段目触媒:Sr0.8La0.2MnAl11O19−α なお、各触媒は全て50mmφ×25mm(長さ)で300セル
のハニカムである。
このシステムは、全触媒を置換型層状アルミネート燃
焼触媒(Pd,Ptなし)で構成したものであり、その結果
としては、燃焼率が約52〜84%、温度分布が第8図に示
されるようになった。この結果から明らかなように、Pd
もPtも含まない置換型層状アルミネートのみでシステム
を構成した場合には、入口温度が高いにも拘らず燃焼率
は低い値にとどまる。これは、前段および中段での低温
着火性が低いことに起因すると考えられる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明は、置換型層状アルミネートを原
料としてハニカム状に成型した触媒ハニカム成型体にお
いて、置換型層状アルミネート粉末を主成分とし、これ
にジルコニアを0.5重量%以上20重量%以下だけ添加し
たものであるので、触媒の比表面積を従来と同等もしく
はそれ以上に維持しながら、その強度を大幅に向上させ
ることができ、活性性能、および割れ等に対する耐久性
の向上を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明触媒についての燃焼試験装置の全体図、
第2図は同試験装置における触媒温度分布を示すグラ
フ、第3図は触媒の比表面積についての燃焼試験におけ
る装置内の触媒温度分布を示すグラフ、第4図は同燃焼
試験における燃焼率の経時変化を示すグラフ、第5図は
触媒の配置についての燃焼試験であって第1の試験条件
下で行われた燃焼試験における装置の温度分布を示すグ
ラフ、第6図は第2の試験条件下で行われた燃焼試験に
おける燃焼濃度と燃焼率との関係を示すグラフ、第7図
は同燃焼試験における装置の温度分布を示すグラフ、第
8図は第3の試験条件下で行われた燃焼試験における装
置の温度分布を示すグラフである。 C1〜C4……ハニカム触媒体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸田 文和 神奈川県鎌倉市手広731―1 (72)発明者 貞森 博己 大阪府大阪市此花区酉島6丁目19番9号 大阪瓦斯株式会社総合研究所内 (72)発明者 松久 敏雄 山口県下関市彦島迫町7丁目2番10号 東洋シーシーアイ株式会社下関工場内 (56)参考文献 特開 昭63−20035(JP,A) 特開 平1−210031(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】置換型層状アルミネートを原料としてハニ
    カム状に成型した触媒ハニカム成型体において、下記一
    般式で示される置換型層状アルミネート粉末を主成分と
    し、これにジルコニアを0.5重量%以上20重量%以下添
    加したことを特徴とする触媒ハニカム成型体。 A1-ZCZBXAl12-YO19−α ここで、A:Ca,Ba,Srのうちの1種 C:希土類元素中の1種 B:Mn,Co,Fe,Ni,Cu,Crの中の1種 Z<0.4 0.1≦X≦4 X≦Y≦2X α=1−{X−Z(X−Y)+XZ−3Y}/2
  2. 【請求項2】ジルコニアが前記置換型層状アルミネート
    粉末間に存在するものである請求項1に記載の触媒ハニ
    カム成型体。
  3. 【請求項3】置換型層状アルミネート粉末にジルコニア
    を0.5重量%以上20重量%以下添加して混練し、これを
    成型した後に焼成することを特徴とする触媒ハニカム成
    型体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記置換型層状アルミネートが下記一般式
    で示されるものである請求項3に記載の製造方法。 A1-ZCZBXAl12-YO19−α ここで、A:Ca,Ba,Srのうちの1種 C:希土類元素中の1種 B:Mn,Co,Fe,Ni,Cu,Crの中の1種 Z<0.4 0.1≦X≦4 X≦Y≦2X α=1−{X−Z(X−Y)+XZ−3Y}/2
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