JP3119456B2 - 正帯電性トナー用バインダーレジン - Google Patents

正帯電性トナー用バインダーレジン

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JP3119456B2
JP3119456B2 JP04132252A JP13225292A JP3119456B2 JP 3119456 B2 JP3119456 B2 JP 3119456B2 JP 04132252 A JP04132252 A JP 04132252A JP 13225292 A JP13225292 A JP 13225292A JP 3119456 B2 JP3119456 B2 JP 3119456B2
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弘一 伊藤
昌宏 伊藤
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法等に用いられる非オフセット性、定着性、耐ブロッキ
ング性に優れるとともに、優れた正帯電性を示し、環境
汚染のないトナー用バインダーレジンを提供するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電子写真法によるコピー機やプリンター
等に用いられるトナー及びトナー用バインダーレジンの
要求される性能としては、第1に紙への定着性、ローラ
ーに対する非オフセット性、トナー保存時の耐ブロッキ
ング性等が挙げられ、第2に画像形成に影響を与える帯
電特性が挙げられる。
【0003】定着性に関しては印刷速度の増大により定
着温度の低温化が最も重要視され、トナー用バインダー
レジンとしては溶融流動性の良いものが用いられてき
た。また、非オフセット性に関しては、比較的高い温度
領域でもローラーにトナーがオフセットしないことが重
要であり、トナー用バインダーレジンとしては弾性力の
高いものが用いられてきた。そして、耐ブロッキング性
に関しては、トナー保存時の温度が高くともトナーがブ
ロッキングしないことが重要であり、トナー用バインダ
ーレジンとして比較的高いガラス転移温度(Tg)を有
するものが用いられてきた。
【0004】さらに、画像形成に最も影響のある帯電特
性が重要であり、帯電量の問題と帯電安定性(耐湿性)
に大別される。帯電量の問題については、コピー機やプ
リンター等の感光体によりトナー及びトナー用バインダ
ーレジンの帯電量を決定しなくてはならず、トナー用バ
インダーレジンとしては使用モノマー及び分子構造によ
りその帯電量をコントロールしてきた。また、帯電安定
性については、印刷時に帯電量が経時変化しないこと
と、高湿時においてトナーの帯電量が低下しないことが
必要であり、トナー用バインダーレジンとしてはレジン
の製造方法によりこれを防止してきた。
【0005】トナー及びトナー用バインダーレジンの帯
電には、負帯電のものと正帯電のものがあり、負帯電性
のトナーは負帯電性のレジンと負帯電性の荷電制御剤に
より帯電量が調整されている。また、正帯電性トナーも
負帯電性トナーと同様に正帯電性のレジンと荷電制御剤
が用いられているが、正帯電性のトナーの帯電量のコン
トロールは数々の問題点を抱えており、正帯電性のトナ
ー用バインダーレジンに関する種々の研究が行われてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】正帯電性のバインダー
レジンを得るためには、アミン系あるいはアミド系のモ
ノマーが一般的に使用されているが、アミン系あるいは
アミド系のモノマーを用いた場合には、バインダーレジ
ンの合成にあたってアゾ系の重合開始剤を用いなくては
ならず、過酸化物系の重合開始剤を用いた時と比較する
と、レジンの反応条件、特性値が異なったり、トナー特
性については耐湿性が悪くなり帯電安定性が不良となる
とともに、トナーの熱的特性が異なり、トナーの発色性
が劣るという問題点を有している。さらに、アゾ系の重
合開始剤として一般的に使用されているアゾビスイソブ
チロニトリルは、分解副生物にCN基を持つ毒性物質が
発生し、環境汚染という問題を有している。
【0007】そこで、本発明の目的は、非オフセット
性、定着性、耐ブロッキング性に優れるとともに、環境
汚染のない優れた正帯電性を有するトナー用バインダー
レジンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な状況に鑑み、トナー用レジンについてバインダーレジ
ンの分子量と正帯電性との関係について鋭意検討した結
果、特定のモノマーを含有させるとともに、分子量をコ
ントロールすることにより、優れた帯電レベルの正帯電
性が安定して得られ、環境汚染のない本発明のトナー用
バインダーレジンを見いだしたものである。すなわち、
本発明の正帯電性トナー用バインダーレジンは、エーテ
ル基を有するアクリル酸エステル成分および/またはメ
タクリル酸エステル成分を全ポリマー成分中に1〜40
重量%、p−メチルスチレン成分を全ポリマー中に1重
量%以上含み、ガラス転移温度が40〜68℃、軟化温
度が80〜180℃、酸価が20mgKOH/g以下、
重量平均分子量が3,000〜80,000、数平均分
子量が1,000〜45,000であることを特徴とす
るものである。
【0009】本発明で使用されるエーテル基を有するア
クリル酸エステル成分あるいはメタクリル酸エステル成
分としては、例えば、アクリル酸2ーエトキシエチル、
アクリル酸2ーメトキシエチル、アクリル酸2ーブドキ
シエチル、メタクリル酸2ーエトキシエチル、メタクリ
ル酸2ーメトキシエチル、メタクリル酸2ーブドキシエ
チル等が挙げられ、中でもメタクリル酸2ーエトキシエ
チルが特に好ましい。本発明においては、これらのエー
テル基を有するアクリル酸エステル成分あるいはメタク
リル酸エステル成分を単独で使用してもよいし、2種以
上を混合して使用してもよい。エーテル基を有するアク
リル酸エステル成分あるいはメタクリル酸エステル成分
の使用量は、全ポリマー成分中に1〜40重量%である
ことが必要であり、好ましくは5〜30重量%の範囲で
ある。これは、使用量が1重量%未満では、正帯電性に
劣り満足のいく帯電量が得られ難いためであり、逆に、
使用量が40重量%を越えると、トナーのガラス転移温
度が低くなり耐ブロッキング性が劣るためである。
【0010】また、本発明のバインダーレジンには、p
−メチルスチレン成分を含有することによって正帯電性
を良好にできるものであり、その使用量は全ポリマー成
分中に1重量%以上であり、好ましくは1〜30重量
%、さらに好ましくは5〜25重量%の範囲である。こ
れは、p−メチルスチレン成分が1重量%未満では、正
帯電性の改良効果がないためである。
【0011】本発明のバインダーレジンにおいては、重
量平均分子量が3,000〜80,000であり、数平
均分子量が1,000〜45,000であることが重量
であり、この分子量領域でコントロールすることによっ
て、優れた正帯電性が得られるものである。これは、重
量平均分子量が3,000未満では、ガラス転移温度が
低くなる傾向にあり耐ブロッキング性に劣るためであ
り、逆に、80,000を越えると正帯電性に劣るため
であり、好ましくは重量平均分子量が5,000〜7
0,000の範囲である。また、数平均分子量が1,0
00未満であると、ガラス転移温度が低くなる傾向にあ
り耐ブロッキング性に劣るためであり、逆に、45,0
00を越えると正帯電性に劣るためであり、好ましくは
数平均分子量が2,000〜40,000の範囲であ
る。
【0012】また、本発明のバインダーレジンにおいて
は、ガラス転移温度が40〜68℃の範囲であることが
必要であり、好ましくは50〜65℃の範囲である。こ
れは、ガラス転移温度が40℃未満ではトナーの耐ブロ
ッキング性が劣るためであり、逆に68℃を越えるとト
ナーの定着性に劣るためである。さらに、本発明のバイ
ンダーレジンでは、軟化温度が80〜140℃の範囲で
あることが必要であり、好ましくは90〜135℃の範
囲である。これは、軟化温度が80℃未満ではトナーの
非オフセット性に劣るためであり、逆に140℃を越え
るとトナーの定着性に劣るためである。また、本発明の
バインダーレジンにおいては、酸価が20mgKOH/
g以下であることが必要であり、好ましくは15mgK
OH/g以下の範囲である。これは、酸価が20mgK
OH/gを越えるとトナーの耐湿性能が劣るためであ
る。
【0013】本発明のバインダーレジンを構成する上記
のエーテル基を有するアクリル酸エステル成分あるいは
メタクリル酸エステル成分、p−メチルスチレン成分以
外の成分としては、スチレン成分、アクリル酸エステル
成分、メタクリル酸エステル成分あるいは不飽和二塩基
酸成分等が挙げられる。これらスチレン成分、アクリル
酸エステル成分、メタクリル酸エステル成分、不飽和二
塩基酸成分等の使用量は、本発明のバインダーレジンの
ガラス転移温度、軟化温度および酸価の領域に合わせて
選択され、これらの総量が全ポリマー成分中に60〜9
9重量%、好ましくは70〜95重量%の範囲で使用さ
れる。また、これらの成分において、スチレン成分、ア
クリル酸エステル成分およびメタクリル酸エステル成分
との組合わせ、アクリル酸エステル成分およびメタクリ
ル酸エステル成分との組合わせ、スチレン成分、アクリ
ル酸エステル成分および/またはメタクリル酸エステル
成分、不飽和二塩基酸成分との組合わせが特に好まし
い。
【0014】スチレン成分としては、p−メチルスチレ
ン以外のスチレン成分であり、例えば、スチレン、Oー
メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシス
チレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、
3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,
4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−
tertブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、
p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、
p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、
αーメチルスチレン等が挙げられる。中でも、スチレ
ン、p−メチルスチレン、αーメチルスチレンが特に好
ましい。この様なスチレン成分を用いることにより、ト
ナーの耐湿性を良好にすることができるものである。
【0015】また、アクリル酸エステル成分あるいはは
メタクリル酸エステル成分としては、エーテル基を有す
るアクリル酸エステル成分あるいはメタクリル酸エステ
ル成分以外の成分である。アクリル酸エステル成分とし
ては、例えば、アクリル酸、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸2ーエチルヘキ
シル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル等の
が挙げられ、中でも、アクリル酸n−ブチル、アクリル
酸2ーエチルヘキシルが特に好ましい。また、メタクリ
ル酸エステル成分としては、例えば、メタクリル酸、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸2ーエチルヘキシル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グ
リシジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエ
チル等が挙げられ、中でも、メタクリル酸、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸n−ブチルが特に好ましい。こ
の様なアクリル酸エステル成分あるいはメタクリル酸エ
ステル成分は、トナーの正帯電性を良好とすることがで
き、エーテル基を有するアクリル酸エステル成分あるい
はメタクリル酸エステル成分との相乗効果が得られ易い
ものである。
【0016】さらに、不飽和二塩基酸成分としては、例
えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチ
ル、マレイン酸ジメチル、フマル酸、フマル酸ブチル、
フマル酸ジブチル、フマル酸ジイソブチル、フマル酸ジ
メチル、フマル酸ジエチル等が挙げられ、中でも、フマ
ル酸ジブチルが特に好ましい。この様な不飽和二塩基酸
成分を用いることにより、トナーの正帯電性を良好とす
ることができるものである。本発明においては、上記ス
チレン成分、アクリル酸エステル成分、メタクリル酸エ
ステル成分、不飽和二塩基酸成分以外のものであって
も、ラジカル重合が可能な二重結合を有する成分であれ
ば使用することができる。例えば、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ラウリル酸ビニル等
のビニル脂肪族カルボン酸エステル成分が挙げられ、中
でも酢酸ビニルが特に好ましい。また、ブタジエン系モ
ノマー、不飽和ポリエステルとの反応を行ってもよい。
【0017】また、本発明のバインダーレジンには、軟
化温度および分子量調整剤として連鎖移動剤成分を用い
てもよく、連鎖移動剤成分としては、例えば、αーメチ
ルスチレンダイマー、nードデシルメルカプタン、チオ
グリコール酸エステル、n−オクチルメルカプタン等が
挙げられ、中でも、αーメチルスチレンダイマー、チオ
グリコール酸エステルが特に好ましい。本発明のバイン
ダーレジンは、トナー用バインダーレジンとして単独で
使用することもできるが、通常使用されているスチレン
/アクリル系、スチレン/ブタジエン系、ポリエステル
系等のバインダーレジン、あるいはこれらを混合したも
のと併用して使用することもできる。本発明のバインダ
ーレジンの製造方法としては、塊状重合、懸濁重合、乳
化重合、溶液重合等の方法が挙げられ、これらの重合方
法の2種以上を組合わせてもよい。これら製造方法は、
トナーの要求特性に合わせて選択することが好ましい。
【0018】本発明のバインダーレジンの製造にあたっ
て使用される重合開始剤としては、通常のラジカル重合
に用いられるものであれば特に限定されないが、本発明
の目的を達成するためには過酸化物系の重合開始剤が特
に好ましい。過酸化物系の重合開始剤としては、例え
ば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシイソブチ
レート、t−ブチルパーオキシ2エチルヘキサノエー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネイト、ジーt−ブチルジ
パーオキシイソフタレート等が挙げられ、これらは単独
で使用しても、2種以上を組合わせて使用してもよい。
中でも、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシベン
ゾエイトが特に好ましい。さらに、2,2’−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス
(2,4’−ジメチルバレロニトリル)、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−
カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−
トリメチルペンタン)等のアゾ系の重合開始剤を用いて
も正帯電の効果は得られる。
【0019】また、本発明のバインダーレジンを乳化重
合あるいは懸濁重合によって製造する場合、通常の乳化
剤、分散剤が使用できる。乳化剤、分散剤としては、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ系分散剤、
ポリエーテル系分散剤、エチレンオキサイド系分散剤等
が挙げられる。さらに、分散助剤としては、通常使用さ
れる硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、過酸化水素水、
ほう酸等を用いることができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。実施例において、ガラス転移温度(Tg)は、サ
ンプルを100℃まで昇温してメルトクエンチした後、
示差型熱量計によって昇温速度10℃/minで測定し
た。軟化温度は、1.0mmφ×10mmのノズルを有
する島津製作所社製フローテスターCFT−500を使
用して、荷重30Kgf、昇温速度3℃/分の条件で測
定し、サンプルが1/2流出した時の温度を軟化温度と
した。酸価は、トルエン溶媒中でKOHによる適定法に
より求めた。
【0021】分子量はゲルパーミェーションクロマトグ
ラフィーHCL−8020(東ソ社製)を用いポリスチ
レン換算により求めた。正帯電性は、トナー0.45重
量部と正帯電用キャリア10重量とを50ccのポリエ
チレン製容器に秤量し、温度20℃、湿度60%の環境
下で約24時間放置した後、ボールミル撹拌機で約20
0rpmの速度で約30分間撹拌混合した混合物0.2
重量部を秤量し、ブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミ
カル社製TB−500)を用いて帯電量を測定し、符号
を反転してトナー1g当たりの帯電量を計算した。その
結果、以下の基準に従って評価した。
【0022】◎:帯電量30μC/g以上 ○:帯電量24〜29μC/g △:帯電量17〜23μC/g ×:帯電量17μC/g未満 耐湿性は、正帯電性と同一の方法で、温度35℃、湿度
85%の環境下で約24時間放置した後の帯電量を求
め、上記温度20℃、湿度60%の環境下で約24時間
放置した後の帯電量との差によって、以下の基準に従っ
て評価した。
【0023】◎:2μC/g未満 ○:2〜3μC/g未満 △:3〜4μC/g未満 ×:4μC/g以上 定着性は、印刷速度を20mm/secに保ち、ローラ
ー表面にシリコーンオイルを塗布した温度を自由に変え
ることの可能な定着試験機を用いて定着温度を測定し、
その結果を以下の基準に従って評価した。
【0024】◎:120℃未満 ○:120〜139℃ △:140〜149℃ ×:150℃以上 非オフセット性は、温度および速度を自由に変えること
の可能な定着試験機を使用して、オフセット発生温度を
測定し、その結果を以下の基準に従って評価した。
【0025】◎:170℃以上 ○:155〜169℃ △:140〜154℃ ×:140℃未満 耐ブロッキング性は、トナー約10gを200ccのカ
ラス容器に入れ、約40℃に保った熱風乾燥機に入れ約
120時間放置後、取出したガラス容器を逆さにしとき
のトナーの凝集状態を、以下の基準に従って評価した。
【0026】◎:トナーが均一に分散する ○:2回叩くとトナーが均一に分散する △:4回叩くとトナーが均一に分散する ×:トナーが凝集して分散しない なお、上記正帯電性、耐湿性、定着性、非オフセット性
および耐ブロッキング性の評価においては、◎〜△のも
のであれば実用上使用可能である。
【0027】分散剤Aの製造方法 攪拌機、温度計、ガス導入管をつけた反応容器に、脱イ
オン水900重量部、メタクリル酸メチル25重量部、
メタクリル酸3−ナトリウムスルホプロピル75重量部
を仕込み、N2 ガスを約30分吹き込み反応系内の空気
を追い出した。次いで、攪拌しながら湯浴で外部より加
熱し60℃に昇温させ、過硫酸アンモニウム0.5重量
部を添加した。同温度で約3時間攪拌を続け、青白色の
外観を呈する粘度340センチポイズ(25℃)の重合
体液(固形分3.3%)を得た。
【0028】実施例1〜4 脱イオン水220重量部、ポリアクリル酸ソーダ(固形
分3.3%)0.60重量部、分散剤A2.42重量
部、硫酸ナトリウム0.55重量部を混合し、攪拌機、
蒸留塔、温度計を備え付けた反応容器に投入し、次いで
表1の組成に示す量のモノマー及び添加剤を混合し投入
し、攪拌回転数を300rpmに保ち、さらに表1に示
す量の重合開始剤を投入した。そして、反応容器を湯浴
で外部より加熱し約30分かけて反応系内の温度を92
℃まで昇温し懸濁重合を始めた。懸濁重合を約6時間行
った後、反応系内の温度を約100℃まで昇温し反応系
内の残存モノマー及び脱イオン水を反応系外へ約44重
量部流出させ、反応系内の重合体の残存モノマーを低減
させた。その後、反応系内の温度を約90℃とし、水酸
化ナトリウム0.5重量部を投入し、90℃に保たれた
まま約30分間アルカリ処理を行った後、反応系内の温
度を室温まで下げ、反応容器からレジンを取り出し、脱
イオン水で約5分間洗浄を行った。そして、50℃の熱
風乾燥機にて約48時間乾燥させレジンを得た。得られ
たレジンの特性値を表2に示した。
【0029】次に、得られたレジンを90重量部、カー
ボンブラック5重量部と低分子量ポリプロピレン系ワッ
クス5重量部とを約20分間混合した後、ミキサーで約
20分間溶融混練した。溶融混練の温度はレジンの軟化
温度より10℃高い温度で行った。次いで、混練物を水
冷で間接的に冷却し粗粉砕した後、ジェットミル微粉砕
機で微粉化し分級機で粒径を整え、最終的に面積平均粒
径で10〜11μmのトナーを得た。得られたトナーの
正帯電性、耐湿性、定着性、非オフセット性および耐ブ
ロッキング性の評価結果を表2に示した。
【0030】表2に示した通り、実施例1および2のト
ナーは、正帯電性を示し帯電レベルも優れていた。ま
た、実施例3および4のトナーは、正帯電性を示し帯電
レベルは良好であった。さらに、実施例1〜4のトナー
は、帯電量の減衰は少なく優れた耐湿性を示した。定着
性に関しては、実施例1〜3のトナーは良好であり、実
施例4のトナーは優れた定着性を示した。また、非オフ
セット性に関しては、実施例1〜3のトナーは優れ、実
施例4のトナーは良好な非オフッセト性を示した。耐ブ
ロッキング性に関しては、実施例1のトナーは良好な耐
ブロッキング性を示し、実施例2および3のトナーは優
れた耐ブロッキング性を示した。実施例4のトナーは、
耐ブロッキング性にやや劣っていたが実用可能なレベル
であった。
【0031】実施例5〜6 100℃で脱イオン水及び残存モノマーを流出させる工
程を除き、表1に示すモノマー、添加剤、重合開始剤を
用いた以外は実施例1〜4と同一条件においてレジンを
得た。得られたレジンの特性値を表2に示した。さら
に、得られたレジンを実施例1〜4と同一条件でトナー
化した。得られたトナーの正帯電性、耐湿性、定着性、
非オフセット性および耐ブロッキング性の評価結果を表
2に示した。
【0032】表2に示した通り、正帯電性に関しては、
実施例5および6のトナーは正帯電性を示し、帯電レベ
ルも優れていた。また、実施例5および6のトナーはい
ずれも耐湿性および定着性に優れていた。非オフセット
性および耐ブロッキング性に関しては、実施例5のトナ
ーは良好な非オフセット性および耐ブロッキング性を示
し、実施例6のトナーは非オフセット性および耐ブロッ
キング性ともにやや劣っていたが実用可能なレベルであ
った。
【0033】実施例7〜8 懸濁重合温度を88℃とし、100℃で脱イオン水及び
残存モノマーを流出させる工程を除き、表1に示すモノ
マー、添加剤、重合開始剤を用いた以外は実施例1〜4
と同一条件においてレジンを得た。得られたレジンの特
性値を表2に示した。さらに、得られたレジンを実施例
1〜4と同一条件でトナー化した。得られたトナーの正
帯電性、耐湿性、定着性、非オフセット性および耐ブロ
ッキング性の評価結果を表2に示した。表2に示した通
り、正帯電性に関しては、実施例7および8のトナーは
正帯電性を示し、実施例7のトナーは良好な帯電レベル
を示し、実施例8のトナーはやや帯電レベルが低かった
が実用可能なレベルであった。また、実施例7および8
のトナーはいずれも耐湿性に優れていた。定着性に関し
ては、実施例7および8のトナーはやや劣っていたが実
用可能なレベルであった。非オフセット性および耐ブロ
ッキング性に関しては、実施例7および8いずれのトナ
ーも優れた非オフセット性および耐ブロッキング性を示
した。
【0034】実施例9 懸濁重合温度を140℃とし、表1に示すモノマー、添
加剤、重合開始剤を用いた以外は実施例1〜4と同一条
件においてレジンを得た。得られたレジンの特性値につ
いて表2に示した。さらに、得られたレジンを実施例1
〜4と同一条件でトナー化した。得られたトナーの正帯
電性、耐湿性、定着性、非オフセット性および耐ブロッ
キング性の評価結果を表2に示した。表2に示した通
り、正帯電性に関しては、実施例9のトナーは正帯電性
を示し、帯電レベルに優れ、耐湿性にも優れていた。ま
た、優れた定着性を示し、非オフセット性も良好であっ
た。耐ブロッキング性にはやや劣っていたが実用可能な
レベルであった。
【0035】実施例10〜15 表1に示したモノマー、添加剤、重合開始剤を用いた以
外は実施例1〜4と同一条件にてレジンを得た。得られ
たレジンの特性値を表2に示した。さらに、得られたレ
ジンを実施例1〜4と同一条件でトナー化した。得られ
たトナーの正帯電性、耐湿性、定着性、非オフセット性
および耐ブロッキング性の評価結果を表2に示した。
【0036】表2に示した通り、正帯電性に関しては、
実施例10〜15のトナーは正帯電性を示し、いずれも
帯電レベルに優れていた。また、実施例10〜14のト
ナーは優れた耐湿性を示し、実施例15のトナーは耐湿
性にやや劣っていたが実用可能なレベルであった。定着
性に関しては、実施例10〜15のトナーはいずれも良
好な定着性を示した。非オフッセト性に関しては、実施
例10〜15のトナーはいずれも優れていた。耐ブロッ
キング性に関しては、実施例10、11および13のト
ナーは良好であり、実施例12、14および15のトナ
ーは優れた耐ブロッキング性を示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】比較例1 表3に示したモノマー、添加剤、重合開始剤を用いた以
外は実施例1〜4と同一の方法を用いてレジンを得た。
得られたレジンの特性値を表4に示した。さらに、得ら
れたレジンを実施例1〜4と同一条件でトナー化した。
得られたトナーの正帯電性、耐湿性、定着性、非オフセ
ット性および耐ブロッキング性の評価結果を表4に示し
た。表4に示した通り、正帯電性に劣り満足のいく帯電
レベルではなかった。
【0040】比較例2 表3に示したモノマー、添加剤、重合開始剤を用いた以
外は実施例7と同一の方法を用いてレジンを得た。得ら
れたレジンの特性値を表4に示した。さらに、得られた
レジンを実施例1〜4と同一条件でトナー化した。得ら
れたトナーの正帯電性、耐湿性、定着性、非オフセット
性および耐ブロッキング性の評価結果を表4に示した。
表4に示した通り、定着性および耐ブロッキング性に劣
り実用不可能なものであった。
【0041】比較例3 表3に示したモノマー、添加剤、重合開始剤を用いた以
外は実施例1〜4と同一の方法を用いてレジンを得た。
得られたレジンの特性値を表4に示した。さらに、得ら
れたレジンを実施例1〜4と同一条件でトナー化した。
得られたトナーの正帯電性、耐湿性、定着性、非オフセ
ット性および耐ブロッキング性の評価結果を表4に示し
た。表4に示した通り、定着性に劣り実用不可能なもの
であった。
【0042】比較例4 重合温度を145℃とし表3に示された組成のモノマ
ー、添加剤、重合開始剤を用いた以外は実施例9と同一
の方法を用いてレジンを得た。得られたレジンの特性値
を表4に示した。さらに、得られたレジンを実施例1〜
4と同一条件でトナー化した。得られたトナーの正帯電
性、耐湿性、定着性、非オフセット性および耐ブロッキ
ング性の評価結果を表4に示した。表4に示した通り、
耐湿性、非オフセット性および耐ブロッキング性に劣り
実用不可能なものであった。
【0043】比較例5 表3に示された組成のモノマー、添加剤、重合開始剤を
用いた以外は実施例1〜4と同一の方法を用いてレジン
を得た。得られたレジンの特性値を表4に示した。さら
に、得られたレジンを実施例1〜4と同一条件でトナー
化した。得られたトナーの正帯電性、耐湿性、定着性、
非オフセット性および耐ブロッキング性の評価結果を表
4に示した。表4に示した通り、耐湿性に劣り実用不可
能なものであった。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】なお、表1および3の記号は、それぞれ以
下の成分を示す。 St :スチレン PMS :p−メチルスチレン nBA :アクリル酸n−ブチル MAA :メタクリル酸 MMA :メタクリル酸メチル ET :メタクリル酸2−エトキシエチル AET :アクリル酸2−エトキシエチル MT :メタクリル酸2−メトキシエチル DBF :フマル酸ジブチル VAC :酢酸ビニル DE :メタクリル酸ジエチルアミノエチル MSD :α−メチルスチレンダイマー BPO :過酸化ベンゾイル tBP :t−ブチルパーオキシベンゾエイト AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
【0047】
【発明の効果】本発明のバインダーレジンを用いたトナ
ーは、定着性、非オフセット性、耐ブロッキング性に優
れ、優れた正帯電性を示し、また安定した帯電量を有す
るものである。さらに、本発明のバインダーレジンは毒
性の問題のあるアゾビスイソブチロニトリルを用いず、
また過酸化物系の重合開始剤を用いることによって、良
好な正帯電性のトナーを得ることができ、環境汚染のな
いもいのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−3150(JP,A) 特開 平1−288863(JP,A) 特開 昭60−254052(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エーテル基を有するアクリル酸エステル
    成分および/またはメタクリル酸エステル成分を全ポリ
    マー成分中に1〜40重量%、p−メチルスチレン成分
    を全ポリマー中に1重量%以上含み、ガラス転移温度が
    40〜68℃、軟化温度が80〜140℃、酸価が20
    mgKOH/g以下、重量平均分子量が3,000〜8
    0,000、数平均分子量が1,000〜45,000
    であることを特徴とする正帯電性トナー用バインダーレ
    ジン。
  2. 【請求項2】 スチレン成分、アクリル酸エステル成
    分、メタクリル酸エステル成分、不飽和二塩基酸成分の
    中から選ばれる少なくとも1種以上の成分を含有し、こ
    れらの総量が全ポリマー成分中に60〜99重量%であ
    ることを特徴とする請求項1記載の正帯電性トナー用バ
    インダーレジン。
  3. 【請求項3】 過酸化物系の重合開始剤を少なくとも1
    種以上用いることを特徴とする請求項1及び請求項2記
    載の正帯電性トナー用バインダーレジン。
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